JPH07228768A - 耐熱老化性ポリアミド組成物 - Google Patents

耐熱老化性ポリアミド組成物

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JPH07228768A
JPH07228768A JP2056894A JP2056894A JPH07228768A JP H07228768 A JPH07228768 A JP H07228768A JP 2056894 A JP2056894 A JP 2056894A JP 2056894 A JP2056894 A JP 2056894A JP H07228768 A JPH07228768 A JP H07228768A
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polyamide
acid
mol
resistance
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JP2056894A
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Hideaki Oka
秀明 岡
Tsugifumi Kashiwamura
次史 柏村
Shinichi Yokota
伸一 横田
Hiroshi Hayashibara
広 林原
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ジカルボン酸成分の60〜100モル%がテ
レフタル酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の
60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンであるジ
アミン成分とからなり、濃硫酸中30℃で測定した
[η]が0.4〜3.0dl/gであるポリアミド10
0重量部;銅化合物0.01〜1重量部;ハロゲン化ア
ルカリ金属化合物0.01〜5重量部;および有機系安
定剤0.05〜5重量部からなる耐熱老化性ポリアミド
組成物。 【効果】 本発明のポリアミド組成物は、耐熱老化性に
優れると共に、耐熱性、低吸水性、耐衝撃性、耐熱水
性、薬品性などのいずれの性能にも優れており、産業資
材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に使
用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド組成物に関
する。詳しくは、耐熱老化性に優れると共に、耐熱性、
耐衝撃性、低吸水性、耐熱水性、耐薬品性などの諸性能
に優れたポリアミド組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
脂肪族ポリアミドは、耐熱性、耐薬品性、剛性、耐磨耗
性、成形性などの優れた性質を持つために、エンジニア
リングプラスチックとして多くの用途に使用されてき
た。これらの多くは耐熱性の要求される分野で使用され
ている。特に自動車部品など長期にわたり高温に晒され
るような場合には、樹脂の熱劣化や酸化劣化が大きな問
題となる。上記のポリアミドは融点は高いが、空気中で
100℃以上の高温に晒されると短い時間で著しく脆く
なる。そこで、このような長期耐熱性が要求されるよう
な用途分野で使用される場合には、様々な方法で高温で
の酸化劣化を防ぐ処方がなされている。
【0003】最近では従来のポリアミドよりも更に高融
点の1,6−ヘキサンジアミンとテレフタル酸からなる
ポリアミドを主成分とした6T系ポリアミドと呼ばれる
半芳香族ポリアミドも、新しいエンジニアリングプラス
チックとして使用され始めた。この種のポリアミドにつ
いても従来のポリアミドと同様、長期熱安定性を確保す
る必要がある。特開昭61−2285252号公報、特
開昭63−105057号公報などには、6T系ポリア
ミドを始めとする半芳香族ポリアミドの難燃化技術が提
案されている。しかしながら、テレフタル酸と1,6−
ヘキサンジアミンからなるポリアミドは、ポリマーの分
解温度を超える370℃付近に融点があるため、溶融重
合、溶融成形が困難であり、実用に耐えるものではな
い。そのため実際には、アジピン酸、イソフタル酸など
のジカルボン酸成分、あるいはナイロン6などの脂肪族
ポリアミドを30〜40モル%共重合することにより、
実使用可能温度領域、すなわち280〜320℃程度に
まで低融点化した組成で用いられているのが現状であ
る。このように多量の第3成分(場合によっては第4成
分)を共重合することは、確かにポリマーの低融点化に
は有効なものの、一方では結晶化速度、到達結晶化度の
低下を伴い、その結果、高温下での剛性、耐薬品性、寸
法安定性などの諸物性が低下するばかりでなく、成形サ
イクルの延長に伴う生産性の低下をも招く。また、吸水
による寸法安定性などの諸物性の変動に関しても、芳香
族基の導入により、従来の脂肪族ポリアミドに比べれば
多少改善されてはいるものの、実質的な問題解決のレベ
ルまでには達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、汎用ナ
イロンの吸水性による物性低下を従来の半芳香族ポリア
ミドを使用することによりある程度は補うことはできた
が、依然改良が望まれる性能も多い。特に、難燃性成形
材料として使用する場合には、耐熱性、低吸水性などの
性能の更なる改良が望まれる。
【0005】本発明の目的は、耐熱老化性に優れるばか
りでなく、耐熱性、低吸水性、耐衝撃性などのいずれの
性能にも優れたポリアミド組成物を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸と
1,9−ノナンジアミンを主成分とするポリアミドと、
特定の種類と量の安定剤を組み合わせて使用した組成物
において初めて、上記性能に優れたポリアミド組成物を
得ることができることを見出だして、本発明を完成する
に至った。
【0007】本発明によれば、上記の目的は、ジカルボ
ン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸であるジ
カルボン酸成分と、ジアミン成分の60〜100モル%
が1,9−ノナンジアミンであるジアミン成分とからな
り、濃硫酸中30℃で測定した[η]が0.4〜3.0
dl/gであるポリアミド100重量部;銅化合物0.
01〜1重量部;ハロゲン化アルカリ金属化合物0.0
1〜5重量部;および有機系安定剤0.05〜5重量部
からなる耐熱老化性ポリアミド組成物を提供することに
より達成される。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
に用いられるポリアミドのジカルボン酸成分のうち、テ
レフタル酸成分が60モル%以上であり、好ましくは7
5モル%以上、より好ましくは90モル%以上である。
テレフタル酸成分が60モル%未満の場合には、得られ
るポリアミドの耐熱性、低吸水性の各性能が低下するた
め好ましくない。
【0009】テレフタル酸成分以外の他のジカルボン酸
成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチル
グルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3
−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香
酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,
4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはこれらの任意の
混合物を挙げることができる。これらのうち芳香族ジカ
ルボン酸が好ましく使用される。さらに、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン
酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
【0010】本発明に用いられるポリアミドのジアミン
成分としては、1,9−ノナンジアミン成分が60モル
%以上であり、好ましくは75モル%以上、より好まし
くは90モル%以上である。ジアミン成分の組成がこの
範囲であれば、得られるポリアミドの耐熱性、成形性、
低吸水性、軽量性、耐衝撃性の各性能に優れるので好ま
しい。
【0011】1,9−ノナンジアミン成分以外の他のジ
アミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジ
アミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカン
ジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−
1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オク
タンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンな
どの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチル
シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂
環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香
族ジアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げるこ
とができる。なかでも2−メチル−1,8−オクタンジ
アミンが好ましい。
【0012】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドは、好ましくはその分子鎖の末端基の10%以上、よ
り好ましくは40%以上、さらに好ましくは70%以上
が、モノカルボン酸やモノアミンなど、ポリアミド末端
のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官
能性の化合物である末端封止剤により封止されているこ
とが望ましい。末端封止を行うことによって、溶融安定
性、耐熱水性などの性能がさらに優れた組成物を得るこ
とができる。
【0013】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドを製造する際に用いることができる末端封止剤の使用
量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反
応条件などによって変化するが、通常、ジカルボン酸と
ジアミンの総モル数に対して0.1〜15モル%の範囲
内で使用される。
【0014】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドは、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られて
いる任意の方法を用いて製造することができる。例え
ば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あ
るいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とす
る溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方
法により重合可能である。以下に、ポリアミドの重合法
の一例を示す。
【0015】本発明者らの研究によれば、触媒および必
要に応じて末端封止剤を、最初にジアミンおよびジカル
ボン酸に一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、い
ったん200〜250℃の温度において濃硫酸中30℃
における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/g
のプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは
溶融押出機を用いて重合を行うことにより、容易に本発
明のポリアミドを得ることができる。プレポリマーの極
限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内で
あると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ
基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さ
らに分子量分布の小さな、各種性能や成形性に優れたポ
リアミドが得られる。重合の最終段階を固相重合により
行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好
ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれ
ば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を
有効に押さえることができるので好ましい。重合の最終
段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃
以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の
無いポリアミドが得られるので好ましい。
【0016】本発明に用いられるポリアミドの、濃硫酸
中30℃で測定した極限粘度[η]は0.4〜3.0d
l/gであり、好ましくは0.6〜2.0dl/g、よ
り好ましくは0.8〜1.8dl/gである。
【0017】上記ポリアミドを製造するに際して、前記
の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸またはその塩またはそのエステル、
具体的にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナ
ジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、
タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなど
の金属塩やアンモニウム塩、エチルエステル、イソプロ
ピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イ
ソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエス
テル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添
加することができる。
【0018】本発明の耐熱老化性組成物は、上記ポリア
ミド以外の構成成分として、銅化合物を含有する。銅化
合物としては、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一
銅、塩化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、燐酸第二
銅、ピロリン酸第二銅、硫化銅、硝酸銅、酢酸銅などの
有機カルボン酸の銅塩などを用いることができる。これ
らの銅化合物は1種単独で、あるいは2種以上を混合し
て使用しても良い。また、これらの銅化合物は前記ポリ
アミド100重量部に対して、0.01〜1重量部、好
ましくは0.02〜0.5重量部である。
【0019】本発明の耐熱老化性組成物は、上記ポリア
ミドおよび銅化合物以外の構成成分として、ハロゲン化
アルカリ金属化合物を含有する。ハロゲン化アルカリ金
属化合物の具体的な例としては塩化リチウム、臭化リチ
ウム、ヨウ化リチウム、フッ化ナトリウム、塩化ナトリ
ウム、臭化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、フッ化カリ
ウム、塩化カリウム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムな
どが挙げられる。これらのうち、特にヨウ化カリウムが
好ましい。これらのハロゲン化アルカリ金属化合物は1
種単独で、あるいは2種以上を混合して使用しても良
い。また、これらのハロゲン化アルカリ金属化合物は前
記ポリアミド100重量部に対して、0.01〜5重量
部、好ましくは0.02〜2重量部であり、かつ前記銅
化合物100重量部に対して100〜1000重量部の
範囲で使用するのが好ましい。
【0020】さらに、本発明の耐熱老化性組成物の第4
番目の構成成分として、有機系安定剤を含有する。有機
系安定剤としては、従来公知のフェノール系安定剤、ア
ミン系安定剤、チオエーテル系安定剤、リン系安定剤な
どを挙げることができる。これらの有機系安定剤は1種
単独で、あるいは2種以上を混合して使用してすること
が可能であるが、特にフェノール系安定剤とチオエーテ
ル系安定剤、リン系安定剤の組み合わせ、あるいはアミ
ン系安定剤とチオエーテル系安定剤、リン系安定剤の組
み合わせで使用したときに効果が大きい。これらの有機
系安定剤は前記ポリアミド100重量部に対して、0.
05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の範囲内
で使用するのが好ましい。
【0021】本発明の耐熱老化性組成物は以上の4種類
の構成成分からなることを特徴としている。これらの各
安定剤の相乗効果により、従来では考えられなかった高
耐熱老化性がえら得る。
【0022】さらに、本発明の耐熱老化性組成物には、
必要に応じてガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、アラ
ミド繊維、液晶ポリエステル繊維などの繊維状充填剤、
シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、タルク、グラファ
イト、二酸化チタン、二硫化モリブデン、ポリテトラフ
ルオロエチレンなどの粉末状充填剤と組み合わせて使用
することができる。これらの充填剤は通常、本発明の組
成物100重量部に対し1〜100重量部を配合して使
用すると、力学特性と成形性のバランスが取れ、好まし
い。
【0023】さらに、本発明の耐熱老化性組成物は、上
記の添加剤のほかに、必要に応じて、着色剤、紫外線吸
収剤、光安定化剤、帯電防止剤、可塑剤、滑剤、結晶核
剤、難燃剤あるいは他種ポリマーなども添加することが
できる。
【0024】上記各構成成分の配合方法としては、重縮
合反応時に添加するか、あるいはドライブレンドする方
法、押出機を用いた溶融混練配合などの方法が挙げられ
る。
【0025】本発明のポリアミド組成物は耐熱老化性に
優れるばかりではなく、耐熱性、耐衝撃性、低吸水性、
耐熱水性、耐薬品性などのいずれの性能にも優れ、産業
資材、工業材料、家庭用品などに幅広い条件下で好適に
使用できる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の耐熱老化性ポリアミド組成物
を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに
より何ら制限されるものではない。なお、実施例中の末
端封止率、極限粘度、耐熱老化性、耐衝撃強度、熱変形
温度、平衡吸水率、耐熱水性、耐アルコール性は以下の
方法により測定した。
【0027】末端封止率:1H−NMR(500MH
z,重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)を用
い、各末端基ごとの特性シグナルの積分値よりカルボキ
シル基末端、アミノ基末端および封止末端の数をそれぞ
れ測定し、下記の式(1)から末端封止率を求めた。測
定に用いた代表的なシグナルの化学シフト値を以下に示
す。 封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ………(1) 〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミ
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
【0028】
【表1】
【0029】極限粘度[η]:濃硫酸中、30℃にて、
0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試
料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に外挿
した値を極限粘度[η]とした。 ηinh =[ln(t1/t0)]/c 〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)を表し、t0
溶媒の流下時間(秒)を表し、t1は試料溶液の流下時
間(秒)を表し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)
を表す。〕
【0030】耐衝撃強度、熱変形温度:ポリアミドの融
点より約20℃高い温度で射出成形した絶乾状態の試料
片を、以下の方法で測定した。
【0031】
【表2】
【0032】耐熱老化性:ポリアミドの融点より約20
℃高い温度で射出成形した絶乾状態の試料片(JIS1
号ダンベル型)を150℃のギヤオーブン中で7日間処
理した試料の引張強度をJIS K−7113 に規定
された方法で測定し、処理前の試料の引張強度に対する
保持率(%)として求めた。
【0033】平衡吸水率:融点より20℃高い温度で熱
プレスし、150℃で5分間の冷却を行った、厚さ約2
00μmのフィルム(5cm×5cm)を、減圧下にて
120℃で5日間乾燥し、秤量した後、23℃の水中に
10日間浸漬し、秤量して、増量分の浸漬前の重量に対
する割合(%)として求めた。
【0034】耐熱水性:JIS1号ダンベル型射出成形
片を、耐圧オートクレーブ中で、120℃/2気圧/1
20hの条件でスチーム処理し、その試料を120℃で
120時間真空乾燥した。処理後のサンプルの引張強度
の処理前の値に対する保持率(%)を求めた。
【0035】耐アルコール性:融点より約20℃高い温
度で熱プレスした、厚さ200ミクロンのフィルムをJ
IS3号ダンベルで打ち抜いた試料片を、23℃のメチ
ルアルコール中に7日間浸漬し、引張り強度の処理前の
試料に対する保持率を測定した。
【0036】参考例1 テレフタル酸を3272.9g(19.7モル)、1,
9−ノナンジアミン3165.8g(20.0モル)、
安息香酸73.27g(0.60モル)、次亜リン酸ナ
トリウム一水和物6.5g(原料に対して0.1重量
%)および蒸留水6リットルを内容積20リットルのオ
ートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分
間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温し
た。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで昇
圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温
し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐
々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応さ
せた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで
下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が0.2
5dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、
減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕
した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時
間固相重合し、融点が317℃、極限粘度[η]が1.
35dl/g、末端の封止率が90%である白色のポリ
アミドを得た。
【0037】参考例2 上記ポリアミドを減圧下120℃で24時間乾燥し、銅
化合物、ハロゲン化アリカリ金属化合物、有機系安定剤
をドライブレンドした。これを、1軸押出機(スクリュ
ー径40mm、L/D=28、シリンダー温度=320
〜350℃、回転数=60rpm)を用いて溶融混練
し、ペレット化した。
【0038】実施例1 参考例1で得たポリアミドと、表3に記載の添加剤を参
考例2に記載した方法で配合した組成物を、シリンダ温
度340℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた
成形品の各種物性値を測定した。得られた結果を下記の
表3に示す。
【0039】実施例2 参考例1において、ジアミン成分として1,9−ノナン
ジアミンを2849.2g(18.0モル)、2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミンを316.58g(2.
0モル)使用した以外は参考例1に記載した方法でポリ
アミドを重合した。次に、得られたポリアミドと表3に
記載の添加剤を参考例2に記載した方法で配合した組成
物を、シリンダ温度340℃、金型温度100℃で射出
成形し、得られた成形品の各種物性値を測定した。得ら
れた結果を下記の表3に示す。
【0040】実施例3 参考例1において、テレフタル酸を3372.5g(2
0.3モル)、安息香酸を使用せず、ジアミン成分とし
て1,9−ノナンジアミンを2849.2g(18.0
モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミンを31
6.58g(2.0モル)使用した以外は参考例1に記
載した方法でポリアミドを重合した。次に、得られたポ
リアミドと表3に記載の添加剤を参考例2に記載した方
法で配合した組成物を、シリンダ温度340℃、金型温
度100℃で射出成形し、得られた成形品の各種物性値
を測定した。得られた結果を下記の表3に示す。
【0041】実施例4 実施例2で得たポリアミドと表3に記載の添加剤を参考
例2に記載した方法で配合した組成物を、シリンダ温度
340℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた成
形品の各種物性値を測定した。得られた結果を下記の表
3に示す。
【0042】比較例1 参考例1において、テレフタル酸2325.9g(1
4.0モル)、イソフタル酸996.8g(6.0モ
ル)、1,6−ヘキサンジアミン2324.2g(2
0.0モル)、安息香酸24.43g(0.20モル)
とした以外は、参考例1に記載した方法でポリアミドを
重合した。次にこのポリアミドをシリンダ温度340
℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた成形品の
各種物性値を測定した。得られた結果を下記の表3に示
す。
【0043】比較例2 比較例1のポリアミドポリアミドと表3に記載の添加剤
を参考例2に記載した方法で配合した組成物を、シリン
ダ温度340℃、金型温度100℃で射出成形し、得ら
れた成形品の各種物性値を測定した。得られた結果を下
記の表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明のポリアミド組成物は、耐熱老化
性に優れると共に、耐熱性、低吸水性、耐衝撃性、耐熱
水性、薬品性などのいずれの性能にも優れており、産業
資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に
使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林原 広 岡山県倉敷市酒津2045番地の1 株式会社 クラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジカルボン酸成分の60〜100モル%
    がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、ジアミン成
    分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンであ
    るジアミン成分とからなり、濃硫酸中30℃で測定した
    [η]が0.4〜3.0dl/gであるポリアミド10
    0重量部;銅化合物0.01〜1重量部;ハロゲン化ア
    ルカリ金属化合物0.01〜5重量部;および有機系安
    定剤0.05〜5重量部からなる耐熱老化性ポリアミド
    組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミドの末端基の10%以上が封止
    されている、請求項1記載の耐熱老化性ポリアミド組成
    物。
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