JP3419529B2 - 耐衝撃性ポリアミド組成物 - Google Patents

耐衝撃性ポリアミド組成物

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JP3419529B2
JP3419529B2 JP02056994A JP2056994A JP3419529B2 JP 3419529 B2 JP3419529 B2 JP 3419529B2 JP 02056994 A JP02056994 A JP 02056994A JP 2056994 A JP2056994 A JP 2056994A JP 3419529 B2 JP3419529 B2 JP 3419529B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリアミド組成物に関
する。詳しくは、耐衝撃性に優れると共に、耐熱性、低
吸水性、耐熱水性、耐薬品性などの諸性能に優れたポリ
アミド組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6、ナイロン66に代表される
汎用ポリアミドは、耐熱性、耐薬品性、剛性、耐磨耗
性、成形性などの優れた性質を持つために、エンジニア
リングプラスチックとして多くの用途に使用されてき
た。これらのポリアミドはエンジニアリングプラスチッ
クとしては強靱な樹脂であり、特に吸湿状態では極めて
高い。しかし、成形直後などの絶乾状態や、低温での衝
撃強度は必ずしも十分とは言えなかった。このような問
題点に対しては、ポリオレフィンとのアロイ化などが検
討され、実際に使用されてきた。一方、自動車用途、電
気・電子部品用途などでは年々耐熱性や低吸水性に対す
る要求が高まっており、従来のポリアミドでは対応でき
なくなりつつある。同時に、機械特性、耐薬品性などの
さらなる性能の向上が望まれている。
【0003】このような世の中の要求に対し、1,6−
ヘキサンジアミンとテレフタル酸からなるポリアミドを
主成分とする半芳香族ポリアミド(以下6T系ポリアミ
ドと略称する)が種々提案され、一部は実用化されてい
る。しかし、6T系ポリアミドは従来のポリアミドに比
較して衝撃強度に劣るという問題点があった。これに対
しては特開昭60−144362号公報、特開昭62−
32654号公報、特開平4−270761号公報など
には、6T系ポリアミドを始めとする半芳香族ポリアミ
ドをゴム成分とアロイ化することにより耐衝撃性を向上
する方法が提案されている。しかしながら、テレフタル
酸と1,6−ヘキサンジアミンからなるポリアミドは、
ポリマーの分解温度を超える370℃付近に融点がある
ため、溶融重合、溶融成形が困難であり、実用に耐える
ものではない。そのため実際には、アジピン酸、イソフ
タル酸などのジカルボン酸成分、あるいはナイロン6な
どの脂肪族ポリアミドを30〜40モル%共重合するこ
とにより、実使用可能温度領域、すなわち280〜32
0℃程度にまで低融点化した組成で用いられているのが
現状である。このように多量の第3成分(場合によって
は第4成分)を共重合することは、確かにポリマーの低
融点化には有効なものの、一方では結晶化速度、到達結
晶化度の低下を伴い、その結果、高温下での剛性、耐薬
品性、寸法安定性などの諸物性が低下するばかりでな
く、成形サイクルの延長に伴う生産性の低下をも招く。
また、吸水による寸法安定性などの諸物性の変動に関し
ても、芳香族基の導入により、従来の脂肪族ポリアミド
に比べれば多少改善されてはいるものの、実質的な問題
解決のレベルまでには達していない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、耐衝撃
性汎用ポリアミドの耐熱性、吸水性などの問題点を半芳
香族ポリアミドの衝撃強度を改良することによりある程
度は補うことはできたが、依然改良が望まれる性能も多
い。
【0005】本発明の目的は、耐衝撃性に優れるばかり
でなく、耐熱性、低吸水性、耐熱水性、耐薬品性などの
いずれの性能にも優れたポリアミド組成物を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究した結果、テレフタル酸と
1,9−ノナンジアミンを主成分とするポリアミドと、
変性ポリオレフィンとからなる組成物において初めて、
上記性能に優れたポリアミド組成物を得ることができる
ことを見出だして、本発明を完成するに至った。
【0007】本発明によれば、上記の目的は、[A]ジ
カルボン酸成分の60〜100モル%がテレフタル酸で
あるジカルボン酸成分と、ジアミン成分の60〜100
モル%が1,9−ノナンジアミンであるジアミン成分と
からなり、濃硫酸中30℃で測定した[η]が0.4〜
3.0dl/gであるポリアミド100重量部;および
[B]変性ポリオレフィン0.5〜50重量部からなる
耐衝撃性ポリアミド組成物を提供することにより達成さ
れる。
【0008】以下、本発明を具体的に説明する。本発明
の組成物の構成成分であるポリアミドは、用いられるジ
カルボン酸成分のうち、テレフタル酸成分が60モル%
以上であり、好ましくは75モル%以上、より好ましく
は90モル%以上である。テレフタル酸成分が60モル
%未満の場合には、得られるポリアミドの耐熱性、低吸
水性の各性能が低下するため好ましくない。
【0009】テレフタル酸成分以外の他のジカルボン酸
成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク
酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、
トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチル
グルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン
酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン
酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸;
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,
7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカ
ルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3
−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香
酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−
4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,
4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン
酸などの芳香族ジカルボン酸、あるいはこれらの任意の
混合物を挙げることができる。これらのうち芳香族ジカ
ルボン酸が好ましく使用される。さらに、トリメリット
酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン
酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
【0010】本発明に用いられるポリアミドのジアミン
成分としては、1,9−ノナンジアミン成分が60モル
%以上であり、好ましくは75モル%以上、より好まし
くは90モル%以上である。ジアミン成分の組成がこの
範囲であれば、得られるポリアミドの耐熱性、成形性、
低吸水性、軽量性、耐衝撃性の各性能に優れるので好ま
しい。
【0011】1,9−ノナンジアミン成分以外の他のジ
アミン成分としては、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサンジ
アミン、1,8−オクタンジアミン、1,10−デカン
ジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−
1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−
1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オク
タンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンな
どの脂肪族ジアミン;シクロヘキサンジアミン、メチル
シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどの脂
環式ジアミン;p−フェニレンジアミン、m−フェニレ
ンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジ
フェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホ
ン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどの芳香
族ジアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げるこ
とができる。なかでも2−メチル−1,8−オクタンジ
アミンが好ましい。
【0012】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドは、好ましくはその分子鎖の末端基の10%以上、よ
り好ましくは40%以上、さらに好ましくは70%以上
が、モノカルボン酸やモノアミンなど、ポリアミド末端
のアミノ基またはカルボキシル基と反応性を有する単官
能性の化合物である末端封止剤により封止されているこ
とが望ましい。末端封止を行うことによって、溶融安定
性、耐熱水性などの性能がさらに優れた組成物を得るこ
とができる。
【0013】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドを製造する際に用いることができる末端封止剤の使用
量は、用いる末端封止剤の反応性、沸点、反応装置、反
応条件などによって変化するが、通常、ジカルボン酸と
ジアミンの総モル数に対して0.1〜15モル%の範囲
内で使用される。
【0014】本発明の組成物の構成成分であるポリアミ
ドは、結晶性ポリアミドを製造する方法として知られて
いる任意の方法を用いて製造することができる。例え
ば、酸クロライドとジアミンを原料とする溶液重合法あ
るいは界面重合法、ジカルボン酸とジアミンを原料とす
る溶融重合法、固相重合法、溶融押出機重合法などの方
法により重合可能である。以下に、ポリアミドの重合法
の一例を示す。
【0015】本発明者らの研究によれば、触媒および必
要に応じて末端封止剤を、最初にジアミンおよびジカル
ボン酸に一括して添加し、ナイロン塩を製造した後、い
ったん200〜250℃の温度において濃硫酸中30℃
における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/g
のプレポリマーとし、さらに固相重合するか、あるいは
溶融押出機を用いて重合を行うことにより、容易に本発
明のポリアミドを得ることができる。プレポリマーの極
限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内で
あると、後重合の段階においてカルボキシル基とアミノ
基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さ
らに分子量分布の小さな、各種性能や成形性に優れたポ
リアミドが得られる。重合の最終段階を固相重合により
行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うのが好
ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれ
ば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色やゲル化を
有効に押さえることができるので好ましい。重合の最終
段階を溶融押出機により行う場合、重合温度が370℃
以下であるとポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の
無いポリアミドが得られるので好ましい。
【0016】本発明に用いられるポリアミドの、濃硫酸
中30℃で測定した極限粘度[η]は0.4〜3.0d
l/gであり、好ましくは0.6〜2.0dl/g、よ
り好ましくは0.8〜1.8dl/gである。
【0017】上記ポリアミドを製造するに際して、前記
の末端封止剤の他に、例えば、触媒として、リン酸、亜
リン酸、次亜リン酸またはその塩またはそのエステル、
具体的にはカリウム、ナトリウム、マグネシウム、バナ
ジウム、カルシウム、亜鉛、コバルト、マンガン、錫、
タングステン、ゲルマニウム、チタン、アンチモンなど
の金属塩やアンモニウム塩、エチルエステル、イソプロ
ピルエステル、ブチルエステル、ヘキシルエステル、イ
ソデシルエステル、オクタデシルエステル、デシルエス
テル、ステアリルエステル、フェニルエステルなどを添
加することができる。
【0018】本発明の組成物は、上記ポリアミド以外の
構成成分として、変性ポリオレフィンを含有する。変性
ポリオレフィンとしてはポリオレフィンをα,β−不飽
和カルボン酸あるいはそのエステル、金属塩誘導体で共
重合により改質したものや、カルボン酸または酸無水物
などをポリオレフィンにグラフト導入して改質したもの
が使用できる。これらのポリオレフィンの具体的な例と
しては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1
−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテ
ン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレ
ン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重
合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1
−ブテン共重合体、プレピレン・4−メチル−1−ペン
テン共重合体、プロピレン・1−ヘキセン共重合体、プ
ロピレン・1−オクテン共重合体、プロピレン・1−デ
セン共重合体、プロピレン・1−ドデセン共重合体、エ
チレン・プロピレン・1,4−ヘキサジエン共重合体、
エチレン・プロピレン・ジシクロペンタジエン共重合
体、エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重
合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノ
ルボルネン共重合体などを挙げることができる。
【0019】本発明の耐衝撃性組成物は、必要に応じて
ガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、アラミド繊維、液
晶ポリエステル繊維などの繊維状充填剤、シリカ、シリ
カアルミナ、アルミナ、タルク、グラファイト、二酸化
チタン、二硫化モリブデン、ポリテトラフルオロエチレ
ンなどの粉末状充填剤と組み合わせて使用することがで
きる。これらの充填剤は通常、本発明の組成物100重
量部に対し1〜100重量部を配合して使用すると、力
学特性と成形性のバランスが取れ、好ましい。
【0020】さらに、本発明の耐衝撃性組成物は、上記
の添加剤のほかに、必要に応じて、従来から公知の銅系
安定剤、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダー
ドアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオ系酸化
防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、帯電防止
剤、可塑剤、滑剤、結晶核剤、難燃剤あるいは他種ポリ
マーなども添加することができる。
【0021】上記各構成成分の配合方法としては、重縮
合反応時に添加するか、あるいはドライブレンドする方
法、押出機を用いた溶融混練配合などの方法が挙げられ
るが、操作の容易さから通常は後者の方が有利である。
【0022】以上のように、本発明のポリアミド組成物
は耐衝撃性に優れるばかりではなく、耐熱性、低吸水
性、耐熱水性、耐薬品性などのいずれの性能にも優れ、
産業資材、工業材料、家庭用品などに幅広い条件下で好
適に使用できる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の耐衝撃性ポリアミド組成物を
実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらによ
り何ら制限されるものではない。なお、実施例中の末端
封止率、極限粘度、耐衝撃強度、熱変形温度、平衡吸水
率、耐熱水性、耐アルコール性は以下の方法により測定
した。
【0024】末端封止率:1H−NMR(500MH
z,重水素化トリフルオロ酢酸中、50℃で測定)を用
い、各末端基ごとの特性シグナルの積分値よりカルボキ
シル基末端、アミノ基末端および封止末端の数をそれぞ
れ測定し、下記の式(1)から末端封止率を求めた。測
定に用いた代表的なシグナルの化学シフト値を以下に示
す。 封止率(%)=[(A−B)÷A]×100 ………(1) 〔式中、Aは分子鎖末端基総数(これは通常、ポリアミ
ド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bはカルボキシル
基末端およびアミノ基末端の合計数を表す〕
【0025】
【表1】
【0026】極限粘度[η]:濃硫酸中、30℃にて、
0.05,0.1,0.2,0.4g/dlの濃度の試
料の固有粘度(ηinh )を測定し、これを濃度0に外挿
した値を極限粘度[η]とした。 ηinh =[ln(t1/t0)]/c 〔式中、ηinh は固有粘度(dl/g)を表し、t0
溶媒の流下時間(秒)を表し、t1は試料溶液の流下時
間(秒)を表し、cは溶液中の試料の濃度(g/dl)
を表す。〕
【0027】耐衝撃強度、熱変形温度:ポリアミドの融
点より約20℃高い温度で射出成形した絶乾状態の試料
片を、以下の方法で測定した。
【0028】
【表2】
【0029】平衡吸水率:ポリアミドの融点より20℃
高い温度で熱プレスし、150℃で5分間の冷却を行っ
た、厚さ約200μmのフィルム(5cm×5cm)
を、減圧下にて120℃で5日間乾燥し、秤量した後、
23℃の水中に10日間浸漬し、秤量して、増量分の浸
漬前の重量に対する割合(%)として求めた。
【0030】耐熱水性:JIS1号ダンベル型射出成形
片を、耐圧オートクレーブ中で、120℃/2気圧/1
20hの条件でスチーム処理し、その試料を120℃で
120時間真空乾燥した。処理後のサンプルの引張強度
の処理前の値に対する保持率(%)を求めた。引張強度
は、JIS1号ダンベル型射出成形片を用いてJIS
K7113に規定された方法で測定した。
【0031】耐アルコール性:ポリアミドの融点より約
20℃高い温度で熱プレスした、厚さ200ミクロンの
フィルムをJIS3号ダンベルで打ち抜いた試料片を、
23℃のメチルアルコール中に7日間浸漬し、引張強度
の処理前の試料に対する保持率を測定した。
【0032】参考例1 テレフタル酸を3272.9g(19.7モル)、1,
9−ノナンジアミン3165.8g(20.0モル)、
安息香酸73.27g(0.60モル)、次亜リン酸ナ
トリウム一水和物6.5g(原料に対して0.1重量
%)および蒸留水6リットルを内容積20リットルのオ
ートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分
間撹拌し、2時間かけて内部温度を210℃に昇温し
た。この時、オートクレーブは22kg/cm2まで昇
圧した。そのまま1時間反応を続けた後230℃に昇温
し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐
々に抜いて圧力を22kg/cm2に保ちながら反応さ
せた。次に、30分かけて圧力を10kg/cm2まで
下げ、更に1時間反応させて、極限粘度[η]が0.2
5dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、
減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の大きさまで粉砕
した。これを230℃、0.1mmHg下にて、10時
間固相重合し、融点が317℃、極限粘度[η]が1.
35dl/g、末端の封止率が90%である白色のポリ
アミドを得た。
【0033】参考例2 上記ポリアミドを減圧下120℃で24時間乾燥し、変
性ポリオレフィンをドライブレンドした。これを、1軸
押出機(スクリュー径40mm、L/D=28、シリン
ダー温度=320〜350℃、回転数=60rpm)を
用いて溶融混練し、ペレット化した。
【0034】実施例1 参考例1で得たポリアミドと、表3に記載の変性ポリオ
レフィンを参考例2に記載した方法で配合した組成物
を、シリンダ温度340℃、金型温度100℃で射出成
形し、得られた成形品の各種物性値を測定した。得られ
た結果を下記の表3に示す。
【0035】実施例2 参考例1において、ジアミン成分として1,9−ノナン
ジアミンを2849.2g(18.0モル)、2−メチ
ル−1,8−オクタンジアミンを316.58g(2.
0モル)使用した以外は参考例1に記載した方法でポリ
アミドを重合した。次に、得られたポリアミドと表3に
記載の変性ポリオレフィンを参考例2に記載した方法で
配合した組成物を、シリンダ温度340℃、金型温度1
00℃で射出成形し、得られた成形品の各種物性値を測
定した。得られた結果を下記の表3に示す。
【0036】実施例3 実施例2で得たポリアミドと表3に記載の変性ポリオレ
フィンを参考例2に記載した方法で配合した組成物を、
シリンダ温度340℃、金型温度100℃で射出成形
し、得られた成形品の各種物性値を測定した。得られた
結果を下記の表3に示す。
【0037】実施例4 参考例1において、テレフタル酸を3372.5g(2
0.3モル)、安息香酸を使用せず、ジアミン成分とし
て1,9−ノナンジアミンを2849.2g(18.0
モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミンを31
6.58g(2.0モル)使用した以外は参考例1に記
載した方法でポリアミドを重合した。次に、得られたポ
リアミドと表3に記載の変性ポリオレフィンを参考例2
に記載した方法で配合した組成物を、シリンダ温度34
0℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた成形品
の各種物性値を測定した。得られた結果を下記の表3に
示す。
【0038】比較例1 参考例1において、テレフタル酸2325.9g(1
4.0モル)、イソフタル酸996.8g(6.0モ
ル)、1,6−ヘキサンジアミン2324.2g(2
0.0モル)、安息香酸24.43g(0.20モル)
とした以外は、参考例1に記載した方法でポリアミドを
重合した。次に、得られたポリアミドをシリンダ温度3
40℃、金型温度100℃で射出成形し、得られた成形
品の各種物性値を測定した。得られた結果を下記の表3
に示す。
【0039】比較例2 比較例1で得たポリアミドと表3に記載の変性ポリオレ
フィンを参考例2に記載した方法で配合した組成物を、
シリンダ温度340℃、金型温度100℃で射出成形
し、得られた成形品の各種物性値を測定した。得られた
結果を下記の表3に示す。
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】本発明のポリアミド組成物は、耐衝撃性
に優れると共に、耐熱性、低吸水性、耐熱水性、耐薬品
性などのいずれの性能にも優れており、産業資材、工業
材料、家庭用品などの成形材料として好適に使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−36459(JP,A) 特開 昭59−24751(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 77/00 - 77/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 [A]ジカルボン酸成分の60〜100
    モル%がテレフタル酸であるジカルボン酸成分と、ジア
    ミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミ
    ンであるジアミン成分とからなり、濃硫酸中30℃で測
    定した[η]が0.4〜3.0dl/gであるポリアミ
    ド100重量部;および[B]変性ポリオレフィン0.
    5〜50重量部からなる耐衝撃性ポリアミド組成物。
  2. 【請求項2】 ポリアミド[A]の末端基の10%以上
    が封止されている、請求項1記載の耐衝撃性ポリアミド
    組成物。
  3. 【請求項3】 ポリアミド[A]を構成するジアミン成
    分が1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オ
    クタンジアミンを含有する、請求項1または2に記載の
    耐衝撃性ポリアミド組成物。
JP02056994A 1994-02-17 1994-02-17 耐衝撃性ポリアミド組成物 Expired - Lifetime JP3419529B2 (ja)

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