JPH05230209A - ポリアミド樹脂およびその製造法 - Google Patents

ポリアミド樹脂およびその製造法

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JPH05230209A
JPH05230209A JP3318292A JP3318292A JPH05230209A JP H05230209 A JPH05230209 A JP H05230209A JP 3318292 A JP3318292 A JP 3318292A JP 3318292 A JP3318292 A JP 3318292A JP H05230209 A JPH05230209 A JP H05230209A
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mol
acid component
range
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polyamide resin
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JP3318292A
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English (en)
Inventor
Akio Ikeda
秋夫 池田
Toshimasa Takada
敏正 高田
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明のポリアミド樹脂は、一般式[HN(C
H2)aCO](aは4〜20の整数)で表わされる脂
肪族ω−アミノカルボン酸単位が6〜40モル%の範
囲、一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20の
整数)で表わされる脂肪族ジアミン成分単位が30〜4
7モル%の範囲、一般式[OC(CH2)cCO](c
は4〜20の整数)で表わされる脂肪族ジジカルボン酸
成分単位が3〜20モル%の範囲、テレフタル酸成分単
位が27〜40モル%の範囲、およびイソフタル酸成分
単位が0〜20モル%からなるポリアミド樹脂であり、
さらに本ポリアミドを反応型押出機を用いて製造する方
法をも提供する。 【効果】本発明のポリアミド樹脂は、従来の芳香族ポリ
アミドにおける優れた特性を損なうことなく、靱性が向
上する。また、本発明の方法により短時間で所望の分子
量を有することができ、しかも、品質が非常に安定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂およびこ
のポリアミド樹脂を製造する方法に関する。さらに詳し
くは、本発明は、機械的特性、耐熱特性、化学的物理的
特性および成形性のいずれにも優れた性能を兼ね備え、
しかも耐衝撃性を低下させずに引張り伸び(靱性)が改
善されたポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂を製
造する方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ヘキサメチレンテレフタルアミド
単位を含むポリアミドは、融点、弾性率およびガラス転
移温度が高く、かつ、染色特性、耐候性および耐塩素性
に優れているため、衣料用あるいは産業用の繊維、エン
ジニアリングプラスチックなどとして好適である。
【0003】芳香族ジカルボン酸単位と脂肪族アルキレ
ンジアミン単位とから形成される溶融可能なポリアミド
が種々提案されている。例えば本発明者らは、特開昭5
9−53536号公報において、芳香族ジカルボン酸成
分単位と脂肪族アルキレンジアミン成分単位とから形成
される結晶性ポリアミドを提案しており、特開昭62−
15130号公報には、芳香族ジカルボン酸成分単位と
脂肪族アルキレンジアミン成分単位とから形成される結
晶性ポリアミドを提案しており、また、特開昭59−1
55426号公報には、芳香族ジカルボン酸成分単位、
アジピン酸成分単位とヘキサメチレンジアミンとから生
成する結晶性コポリアミドを提案している。これらのポ
リアミドは、従来のポリアミドにくらべて著しく耐熱特
性、機械強度および化学的物理的特性に優れている。し
かし、利用分野によっては引張り伸びなどの靱性のさら
なる改良が求められている。
【0004】
【発明の目的】本発明者らは、成形材料、摺動材料など
の用途に利用されるポリアミドがこのような状況にある
ことに鑑み、芳香族ボリアミドが基本的に有している耐
熱特性、機械的特性、化学的物理的特性等の優れた特性
を損なうことなく、耐衝撃特性、引張り伸びなどの靱性
に優れた新規なポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹
脂を製造する方法を提供することを目的としている。
【0005】
【発明の概要】本発明に係わるポリアミドは、 (A)一般式[HN(CH2)aCO](aは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノカルボン酸単位
が6〜40モル%の範囲 (B)一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20
の整数)で表わされるジアミン成分単位が30〜47モ
ル%の範囲 (C)一般式[OC(CH2)cCO](cは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン酸成分単位が3
〜20モル%の範囲 (D)テレフタル酸成分単位が27〜40モル%および (E)イソフタル酸成分単位が0〜20モル% から形成されるポリアミドであり、かつ、濃硫酸中30
℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/g の
範囲内にあることを特徴としている。
【0006】また、本発明に係わるポリアミド樹脂の製
造方法は、 (A)一般式[HN(CH2)aCO](aは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノカルボン酸単位
が6〜40モル%の範囲 (B)一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20
の整数)で表わされるジアミン成分単位が30〜47モ
ル%の範囲 (C)一般式[OC(CH2)cCO](cは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン酸成分単位が3
〜20モル%の範囲 (D)テレフタル酸成分単位が27〜40モル%および (E)イソフタル酸成分単位が0〜20モル% から形成されるポリアミドオリゴマーを反応型押出機を
用いて重縮合することを特徴としている。そして、この
反応型押出機として、ベント付き2軸押出機を使用する
ことが特に好ましい。
【0007】本発明のポリアミド樹脂は特定の成分単位
から構成されているので、耐衝撃性を低下させることな
く、特に引張り伸びなどの靱性に優れ、さらに耐熱特性
および機械的特性に優れている。そして、このポリアミ
ド樹脂は、[HN(CH2)aCO](aは4〜20の
整数)で表わされる脂肪族ω−アミノカルボン酸成分
と、[HN(CH2)bNH](bは4〜20の整数)
で表わされるジアミン成分と、[OC(CH2)cC
O](cは4〜20の整数)で表わされる脂肪族ジカル
ボン酸成分と、テレフタル酸成分およびイソフタル酸成
分とから形成されるオリゴマーを反応型押出機を用いて
重縮合させているため、短時間で所望の分子量を有する
ことができる。しかも、この方法を採用することによ
り、得られるポリアミド樹脂の品質が非常に安定する。
【0008】
【発明の具体的説明】以下本発明に係わるポリアミドを
具体的に説明する。本発明に係わるポリアミドは、 (A)一般式[HN(CH2)aCO](aは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノカルボン酸単位
が6〜40モル%の範囲 (B)一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20
の整数)で表わされるジアミン成分単位が30〜47モ
ル%の範囲 (C)一般式[OC(CH2)cCO](cは4〜20
の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン酸成分単位が3
〜20モル%の範囲 (D)テレフタル酸成分単位が27〜40モル%および (E)イソフタル酸成分単位が0〜20モル% から形成されるポリアミドであり、かつ、濃硫酸中30
℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/g の
範囲内にあることによって、特徴づけられる。
【0009】本発明を構成する脂肪族ω−アミノカルボ
ン酸成分(A)は一般式[HN(CH2)aCO](a
は4〜20の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノカル
ボン酸成分単位であり、その含有率は、6〜40モル
%、好ましくは6〜30モル%の範囲である。該脂肪族
ω−アミノカルボン酸成分単位が6モル%より小さくな
ると、可とう性が低下し、また、40モル%よりも多く
なるとガラス転移温度、耐熱性、耐水性等が低下するよ
うになる。また、本発明のポリアミドを構成するジアミ
ン成分単位(B)は、一般式[HN(CH2)bNH]
(bは4〜20の整数)で表わされるジアミン成分単位
であり、その含有率は30〜47モル%の範囲である。
また、本発明のポリアミドを構成する脂肪族ジカルボン
酸成分単位(C)は一般式[OC(CH2)cCO]
(cは4〜20の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン
酸成分単位であり、その含有率は3〜20モル%、好ま
しくは3〜15モル%の範囲である。該脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位の含有率が3モル%より小さくなると可と
う性が低下し、また20モル%より大きくなるとガラス
転移温度、耐熱性、耐水性などが低下するようになる。
本発明のポリアミドを構成するテレフタル酸成分
(D)の含有率は27〜40モル%、好ましくは30〜
40モル%の範囲である。該テレフタル酸成分単位の含
有率が27モル%より小さくなると結晶性が大幅に低下
し、耐熱性、耐水性などが低下するようになる。また、
該テレフタル酸成分単位の含有率が40モル%より多く
なると可とう性が大幅に低下するようになる。また、本
発明のポリアミドを構成するイソフタル酸成分単位
(E)の含有率は0〜20モル%、特に好ましくは0〜
15モル%の範囲にある。該イソフタル酸成分単位の含
有率が20モル%より多くなると結晶性が低下し、耐熱
性、耐水性などが大幅に低下するようになる。
【0010】本発明のポリアミドを構成するジアミン成
分単位のうちで、一般式[HN(CH2)bNH]で表
わされるジアミン成分は、炭素数が4〜20の直鎖脂肪
族アルキレンジアミン成分であり、具体的には、1,4-ジ
アミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、1,6-ジアミノヘ
キサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタ
ン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノデカン、1,11-
ジアミノウンデカンおよび1,12-ジアミノドデカンなど
を提示することができる。
【0011】このような直鎖状のアルキレンジアミン成
分のうちでは、特に1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジアミ
ノオクタン、1,10-ジアミノデカンおよび1,12-ジアミノ
ドデカンが好ましく、これらは単独で、あるいは組み合
わせて使用することができる。
【0012】また、本発明のポリアミドを構成する直鎖
脂肪族ジカルボン酸成分は、炭素数が4ないし20の脂
肪族ジカルボン酸であり、具体的には、コハク酸、グル
タル酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ド
デカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデ
カン二酸、タプシン酸、ヘプタデカン二酸、オクタデカ
ン二酸などを例示することができる。
【0013】本発明のポリアミド樹脂を構成するジアミ
ン成分単位(b)とジカルボン酸成分単位(c)、
(d)および(e)の成分比は通常1:0.9〜1:
1.0の範囲内にあるが、この構成成分比と仕込量とは
必ずしも一致するものではなく、得られるポリアミド樹
脂の構成成分比が上記の範囲内になるように仕込量を調
節することができる。そして、本発明においては、ジア
ミン成分とジカルボン酸成分とをモル比で1:0.9〜
1:1.12の範囲内の割合で仕込むことが好ましい。
【0014】本発明に係わるポリアミドの製造方法で
は、ω−アミノカルボン酸とジアミンと、脂肪族ジカル
ボン酸と、テレフタル酸およびイソフタル酸とを共重合
させてオリゴマ−を調製した後、このオリゴマ−を反応
型押出機を用いて重縮合することにより好ましく製造す
ることができる。
【0015】本発明の製造方法において、オリゴマ−を
調製する方法としては、ω−アミノカルボン酸と、ジア
ミンと、脂肪族ジカルボン酸と、テレフタル酸およびイ
ソフタル酸または、ω−アミノカルボン酸と、ジアミン
と、脂肪族ジカルボン酸と、テレフタル酸およびイソフ
タル酸との塩などを、水およびリン系化合物の存在下に
加熱する方法を利用することができる。
【0016】ここで使用されるリン系化合物としては、
リン酸、その塩およびリン酸エステル化合物、亜リン
酸、その塩およびエステル化合物、ならびに、次亜リン
酸、その塩およびエステル化合物を使用することができ
る。
【0017】具体的には、リン酸塩の例としては、リン
酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リ
ン酸マグネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルお
よびリン酸コバルトを挙げることができる。リン酸エス
テルの例としては、具体的には、リン酸の、メチルエス
テル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチル
エステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オ
クタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエス
テルおよびフェニルエステルを挙げることができる。
【0018】また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸
カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、
亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニ
ッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができる。
亜リン酸エステルの例としては、亜リン酸の、メチルエ
ステル、エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチ
ルエステル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、
オクタデシルエステル、デシルエステル、ステアリルエ
ステルおよびフェニルエステルを挙げることができる。
【0019】さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン
酸カリウム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガ
ン、亜リン酸ニッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げる
ことができる。
【0020】また、次亜リン酸塩の例としては、次亜リ
ン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カル
シウム、次亜リン酸バジウム、次亜リン酸マグネシウ
ム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次
亜リン酸コバルトを挙げることができる。これらのリン
酸化合物は、単独であるいは組み合わせて使用すること
ができる。
【0021】このようなリン系化合物は、上記のような
ジカルボン酸成分に対して、通常は0.01〜5モル
%、好ましくは0.02〜2モル%の割合で用いられ
る。また、オリゴマーを調製するに際しては、上記のよ
うなリン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪
族モノカルボン酸などの化合物を用いることもできる。
【0022】オリゴマ−を調製する際の重合原料であ
る、脂肪族ω−アミノカルボン酸成分(A)と、ジアミ
ン成分(B)と、脂肪族ジカルボン酸成分(C)と、テ
レフタル酸成分(D)およびイソフタル酸成分(E)
は、水溶液として使用することが好ましい。この水溶液
では、水は、重合原料100重量部に対して5〜40重
量部、好ましくは10〜20重量部の割合で用いられ
る。このような水溶液に、次亜リン酸塩などを添加した
後、得られた水溶液を加熱し、上記重合原料を重合させ
ることにより、オリゴマ−が調製される。このようなオ
リゴマーの調製は、窒素雰囲気下のような不活性雰囲気
下で行なわれることが好ましい。
【0023】また、オリゴマ−調製時の圧力は、通常、
自生圧であり、例えば上記のような不活性雰囲気下で、
密閉状態で220〜280℃に加熱することにより反応
させるため、オリゴマー調製時の圧力は加圧状態にな
る。また、このような圧力および温度で行なわれる重合
反応は、通常0.2〜5時間行なわれる。
【0024】このようにして得られたオリコマーの極限
粘度[η]は、通常0.05〜0.3dl/g、好ましくは
0.1〜0.3dl/gである。オリゴマ−の極限粘度
[η]を上記の範囲内に調整することによって、取扱が
容易で、かつ、次に行なわれる溶融重合工程でのポリマ
ー化が容易となる。
【0025】上記のようにして得られたオリゴマ−ある
いはその塩を重縮合することによって、本発明のポリア
ミド樹脂を製造することができる。そして、本発明のポ
リアミド樹脂は、反応型押出機を用いて製造することが
好ましく、さらに反応型押出機の中でもベント付き2軸
押出機を使用することが特に好ましい。このような反応
型押出機の例としては、ニーダー、ブラベンダーなどを
挙げることができる。
【0026】上記のような反応型押出機に供給されたオ
リゴマ−を加熱溶融することにより重縮合してポリアミ
ド樹脂が得られる。この重縮合反応に際して、オリゴマ
−などに含まれる水および反応水は、通常は、反応させ
ながら系外に除去され、この水は、例えば、押出機のバ
レルの一部を不活性ガスハ゜ージした大気開放ベントに
することにより除去することができる。
【0027】オリゴマーあるいはこの塩を重合させる際
の重合温度は、通常は280〜360℃、このましくは
280〜350℃である。重合反応時間は、得ようとす
るポリアミド樹脂の特性を考慮して適宜設定することが
できるが、上記のような重合温度では、通常は1分〜3
時間である。
【0028】このようにオリゴマ−を溶融重合させるこ
とにより、色相がよく、高い重合度を有するポリアミド
を得ることができる。例えば、上記のようにして得られ
る本発明のポリアミド樹脂は、濃硫酸中30℃で測定し
た極限粘度[η]が、0.5ないし3dl/gの範囲内にあ
るものである。そして、この極限粘度[η]が0.7〜
2.5dl/gの範囲内にあることが好ましい。
【0029】また、このようにして得られたポリアミド
樹脂の引張り伸びは、通常は5〜80%の範囲にある。
従って、本発明のポリアミド樹脂は芳香族ポリアミドが
基本的に有している耐熱特性、機械的特性、化学的物理
的特性等の優れた特性を損なうことなく、優れた靱性を
有しているということができる。なお、本発明における
ポリアミド樹脂の引張り伸びは、後述するようにAST
MD638に準じて求めた。
【0030】上記のようにして製造されたポリアミド樹
脂は、そのまま使用することもできるが、上記のように
して合成したポリアミドをさらに高重合度化することも
できる。この高重合度化には、上記のようにして得られ
たポリアミド樹脂を、例えば、200〜300℃の温度
範囲で、0.1〜10mmHgの減圧下、あるいは、窒
素等の不活性ガス雰囲気下で、通常1〜50時間固相重
合する方法が採用される。
【0031】本発明のポリアミド樹脂は、そのまま使用
することができるが、その特性を損なわない範囲内で、
無機充填剤、有機充填剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯
電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防
曇剤、滑剤、顔料、染料、天然油、合成油およびワック
ス等の添加剤を配合することもできる。
【0032】たとえば、無機充填剤として使用される繊
維の好適な例としては、ガラス繊維およびホウ素繊維を
挙げることができる。このような繊維状の充填剤として
は特にガラス繊維が好ましい。ガラス繊維を使用するこ
とにより、成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率
等の機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性が向上
する。上記のようなガラス繊維の平均長さは、通常は、
0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、
アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは3
0〜600の範囲にある。このようなガラス繊維を配合
することにより、成形性が向上すると共に、熱変形温度
などの耐熱特性、引張り強度、曲げ強度等の機械的特性
が向上する。このようなガラス繊維は、本発明のポリア
ミド樹脂100重量部に対して、通常200重量部以下
の量で、好ましくは5〜180重量部の量で、さらに好
ましくは5〜150重量部の量で配合される。
【0033】上記の無機繊維状の充填材の他、粉末状、
粒状、板状、針状、クロス状、マット状等の形状を有す
る種々の充填材を使用することができる。これらの充填
材は、2種以上混合して使用することもできる。また、
これらの充填材をシランカップリング剤あるいはチタン
カップリング剤などで処理して使用することもできる。
【0034】なお、粉末状の充填材の平均粒径は、通常
0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲内
にある。このような粉末状の充填材は、ポリアミド樹脂
100重量部に対して、通常200重量部以下の量で、
好ましくは100重量部以下の量で、特に好ましくは
0.5〜50重量部の量で使用される。
【0035】また、本発明のポリアミド樹脂は、他の樹
脂と混合して使用するこもできる。この場合に使用する
ことが好ましい樹脂としてはポリフェニレンスルフィ
ド、ポリフェニルエーテル、ポリエーテルフルフォン、
ポリエーテルイミドおよび液晶ポリマーなどを挙げるこ
とができ、さらにこれらの樹脂の変性物を挙げることが
できる。
【0036】本発明のポリアミド樹脂組成物は、通常の
溶融成形法、例えば圧縮成形法、射出成形法または押し
出し成形法などを利用して所望の形状に成形することが
できる。
【0037】本発明のポリアミド樹脂およびポリアミド
樹脂組成物から製造される成形体に特に制限はなく、耐
熱性、機械的強度、靱性等の特性を利用した種々の用途
に使用することができる。本発明のポリアミド樹脂およ
びポリアミド樹脂組成物の用途の例としては、ギヤおよ
びカムなどのような機械部品、プリント配線基板および
電子部品のハウジングなどのような電子部品ならびに各
種自動車部品などを挙げることができる。
【0038】
【発明の効果】本発明のポリアミド樹脂は、特定の成分
単位から構成されているので、芳香族ポリアミドが基本
的に有している耐熱性、機械的特性、化学的物理的特性
の優れた特性を損なうことなく、特に靱性を向上させた
ポリアミドである。すなわち、本発明のポリアミドは特
定の成分から構成されているので、靱性、特に引張り伸
びに優れ、さらに耐熱特性、機械的特性に優れいる。
【0039】そして、このポリアミド樹脂は、脂肪族ω
−アミノカルボン酸成分単位(A)と、ジアミン成分単
位(B)と、脂肪族ジカルボン酸成分単位(C)と、テ
レフタル酸成分単位(D)およびイソフタル酸成分単位
(E)とからなるポリアミドオリゴマ−を反応型押出機
を用いて溶融重合させているため、短時間で所望の分子
量を有するポリアミド樹脂を製造することができる。し
かも、この方法を採用することにより、得られるポリア
ミド樹脂の品質が非常に安定する。
【0040】以下、本発明を実施例を示して説明する
が、本発明は、これらの実施例によって限定的に解釈さ
れるべきでない。本発明におけるポリアミド樹脂の物性
は次の方法で求めた。 (1)融点(Tm)とガラス転移温度(Tg) パーキンエルマー社製DSC−2Cを用いて10℃の昇
温速度で測定した。 (2)極限粘度[η] 96重量%濃硫酸溶液中で測定した。 (3)引張り特性 ASTMD638に準じて、4号ダンベル(厚さ2m
m)を用いて求めた。 (4)曲げ強度 ASTMD790に準じて、サイズ3.2mm*12.
7mm*127mmの試験片を用いて曲げ試験を行なっ
て、曲げ強度および曲げ弾性率を求めた。 (5)アイゾット衝撃強度(ノッチ有り) ASTMD256に準じて測定した。 (6)熱変形温度 ASTMD648に準じて、18.6kg/cm2の曲
げ応力が加えられたサイズ6.4mm*12.7mm*
127mmの試験片を毎分2℃で昇温させ、たわみ量が
0.254mmに到達したときの温度とした。
【0041】
【実施例1】1,6-ジアミノヘキサン(HMDA)234.7g
(2.02モル)、テレフタル酸(TA)232.6g(1.
4モル)、イソフタル酸(IA)66.5g(0.40モ
ル)、セバシン酸(SA)40.5g(0.20モル)、
ε−カプロラクタム(ε−CL)30.2g(0.27モ
ル)、安息香酸3.05g(0.025モル)、次亜リ
ン酸ナトリウム0.42g(0.004モル)およびイ
オン交換水67mlを1リットルの反応器に仕込み、窒素
置換を充分行なった後、攪拌下4時間かけて250℃の
温度とした。さらに密閉状態のまま250℃で1時間反
応を進行させた後、攪拌を止めオートクレーブ底部から
差圧10Kg/cm2で反応混合物を取り出した。窒素中、
100℃の温度および100mmHgの圧力下一昼夜乾
燥して低次縮合物を得た。この低次縮合物を2軸押し出
し機(スクリュー径30mm、L/D=42、バレル温
度350℃)によって溶融下、重縮合を進め[η]が
1.2dl/g、融点が311℃、Tg109℃のポリマー
を得た。このポリマーの物性を表1に示した。
【0042】
【実施例2】1,6-ジアミノヘキサン(HMDA)234.7g
(2.02モル)、テレフタル酸(TA)232.6g
(1.40モル)、イソフタル酸(IA)66.5g(0.
40モル)、セバシン酸(SA)40.5g(0.20モ
ル)、ε−カプロラクタム(ε−CL)63.8g(0.
56モル)、安息香酸3.05g(0.025モル)、
次亜リン酸ナトリウム0.42g(0.004モル)お
よびイオン交換水71mlを用いた他は実施例1に記載し
た方法でポリアミドを得た。得られたポリマーの[η]
は1.17dl/g、融点が300℃、Tg103℃であっ
た。ポリマーの物性を表1に示した。
【0043】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一般式[HN(CH2)aCO]
    (aは4〜20の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノ
    カルボン酸単位が6〜40モル%の範囲 (B)一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20
    の整数)で表わされるジアミン成分単位が30〜47モ
    ル%の範囲 (C)一般式[OC(CH2)cCO](cは4〜20
    の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン酸成分単位が3
    〜20モル%の範囲 (D)テレフタル酸成分単位が27〜40モル%および (E)イソフタル酸成分単位が0〜20モル% から形成されるポリアミドであり、かつ、濃硫酸中30
    ℃で測定した極限粘度[η]が0.5〜3.0dl/g の
    範囲にあることによって特徴づけられるポリアミド樹
    脂。
  2. 【請求項2】(A)一般式[HN(CH2)aCO]
    (aは4〜20の整数)で表わされる脂肪族ω−アミノ
    カルボン酸単位が6〜40モル%の範囲 (B)一般式[HN(CH2)bNH](bは4〜20
    の整数)で表わされるジアミン成分単位が30〜47モ
    ル%の範囲 (C)一般式[OC(CH2)cCO](cは4〜20
    の整数)で表わされる脂肪族ジカルボン酸成分単位が3
    〜20モル%の範囲 (D)テレフタル酸成分単位が27〜40モル%および (E)イソフタル酸成分単位が0〜20モル% から形成され、かつ、濃硫酸中30℃で測定した極限粘
    度[η]が0.05〜0.3dl/g の範囲にあることに
    よって特徴づけられるポリアミドオリゴマーを反応型押
    出機を用いて重縮合することを特徴とするポリアミドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】反応型押出機が、ベント付き2軸押出機で
    あることを特徴とする請求項第2項記載のポリアミド樹
    脂の製造方法。
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