JP2996695B2 - ポリアミド樹脂およびその製造方法 - Google Patents
ポリアミド樹脂およびその製造方法Info
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- JP2996695B2 JP2996695B2 JP2159186A JP15918690A JP2996695B2 JP 2996695 B2 JP2996695 B2 JP 2996695B2 JP 2159186 A JP2159186 A JP 2159186A JP 15918690 A JP15918690 A JP 15918690A JP 2996695 B2 JP2996695 B2 JP 2996695B2
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Description
【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、ポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂
を製造する方法に関する。さらに詳しくは本発明は、結
晶性、耐熱特性および機械的特性などの諸特性に優れた
ポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂を製造する方
法に関する。
を製造する方法に関する。さらに詳しくは本発明は、結
晶性、耐熱特性および機械的特性などの諸特性に優れた
ポリアミド樹脂およびこのポリアミド樹脂を製造する方
法に関する。
発明の技術的背景 芳香族ジカルボン酸成分単位と脂肪族系アルキレンジ
アミン成分単位とから形成される溶融成形可能なポリア
ミドが数多く提案されている。例えば本出願人は、特開
昭59−53536号公報において、芳香族ジカルボン酸成分
単位と脂肪族系アルキレンジアミン成分単位とから形成
される結晶性ポリアミドを開示している。この結晶性ポ
リアミドは、従来のポリアミドに比べて著しく耐熱特
性、機械的強度および化学的物理的特性に優れている。
しかし、利用分野によってはさらに高い結晶性が必要と
される分野があり、このような分野においては、さらに
高い結晶性を有するポリアミドの出現が望まれている。
アミン成分単位とから形成される溶融成形可能なポリア
ミドが数多く提案されている。例えば本出願人は、特開
昭59−53536号公報において、芳香族ジカルボン酸成分
単位と脂肪族系アルキレンジアミン成分単位とから形成
される結晶性ポリアミドを開示している。この結晶性ポ
リアミドは、従来のポリアミドに比べて著しく耐熱特
性、機械的強度および化学的物理的特性に優れている。
しかし、利用分野によってはさらに高い結晶性が必要と
される分野があり、このような分野においては、さらに
高い結晶性を有するポリアミドの出現が望まれている。
また、特開昭59−155426号公報には、芳香族ジカルボ
ン酸成分単位およびアジピン酸成分単位と、ヘキサメチ
レンジアミン成分単位とからなる結晶性ポリアミドが開
示されている。このポリアミドは、優れた結晶性を有し
ているが、ガラス転移温度(Tg)が低く、高温時の剛性
が不充分である等、耐熱性については改善の余地があっ
た。さらに、このポリアミドには、融点(Tm)と熱分解
温度との差が小さいため、成形可能な温度範囲が狭いと
いう問題もあった。
ン酸成分単位およびアジピン酸成分単位と、ヘキサメチ
レンジアミン成分単位とからなる結晶性ポリアミドが開
示されている。このポリアミドは、優れた結晶性を有し
ているが、ガラス転移温度(Tg)が低く、高温時の剛性
が不充分である等、耐熱性については改善の余地があっ
た。さらに、このポリアミドには、融点(Tm)と熱分解
温度との差が小さいため、成形可能な温度範囲が狭いと
いう問題もあった。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、結晶性、耐熱特性及び機械
的特性に優れた新規なポリアミド樹脂およびこのポリア
ミド樹脂を製造する方法を提供することを目的としてい
る。
しようとするものであって、結晶性、耐熱特性及び機械
的特性に優れた新規なポリアミド樹脂およびこのポリア
ミド樹脂を製造する方法を提供することを目的としてい
る。
発明の概要 本発明に係るポリアミド樹脂は、 ジカルボン酸成分単位(a)が、テレフタル酸成分単
位;50〜90モル%および4,4′−ビフェニルジカルボン
酸;50〜10モル%からなり、 ジアミン成分単位(b)が、炭素原子数4〜25の脂肪
族ジアミン成分単位からなり、かつ、 濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.5〜30d
l/gの範囲内にあり、DSCで測定した融点が270〜370℃に
ある結晶性を有することを特徴としている。
位;50〜90モル%および4,4′−ビフェニルジカルボン
酸;50〜10モル%からなり、 ジアミン成分単位(b)が、炭素原子数4〜25の脂肪
族ジアミン成分単位からなり、かつ、 濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.5〜30d
l/gの範囲内にあり、DSCで測定した融点が270〜370℃に
ある結晶性を有することを特徴としている。
また、本発明に係るポリアミド樹脂の製造方法は、 テレフタル酸;50〜90モル%および4,4′−ビフェニル
ジカルボン酸;50〜10モル%からなるジカルボン酸成分
(a′)と、炭素原子数4〜25の脂肪族ジアミン成分
(b′)とから形成されるオリゴマー、あるいは上記ジ
カルボン酸成分(a′)とジアミン成分(b′)とから
形成される塩を反応型押出機を用いて、濃硫酸中30℃で
測定した極限粘度[η]が、0.5〜30dl/gの範囲内にあ
り、DSCで測定した融点が270〜370℃にある結晶性を有
することを特徴としている。
ジカルボン酸;50〜10モル%からなるジカルボン酸成分
(a′)と、炭素原子数4〜25の脂肪族ジアミン成分
(b′)とから形成されるオリゴマー、あるいは上記ジ
カルボン酸成分(a′)とジアミン成分(b′)とから
形成される塩を反応型押出機を用いて、濃硫酸中30℃で
測定した極限粘度[η]が、0.5〜30dl/gの範囲内にあ
り、DSCで測定した融点が270〜370℃にある結晶性を有
することを特徴としている。
そして、この反応型押出機として、ベント付き二軸押
出機を使用することが特に好ましい。
出機を使用することが特に好ましい。
本発明のポリアミド樹脂は特性の成分単位から構成さ
れているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性およ
び機械的特性に優れている。そして、このポリアミド樹
脂は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから形成され
るオリゴマーあるいはこれらの塩を反応型押出機を用い
て溶融重縮合させているため、短時間で所望の分子量を
有するポリアミド樹脂を製造することができる。しか
も、この方法を採用することにより、得られるポリアミ
ド樹脂の品質が非常に安定する。
れているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性およ
び機械的特性に優れている。そして、このポリアミド樹
脂は、ジカルボン酸成分とジアミン成分とから形成され
るオリゴマーあるいはこれらの塩を反応型押出機を用い
て溶融重縮合させているため、短時間で所望の分子量を
有するポリアミド樹脂を製造することができる。しか
も、この方法を採用することにより、得られるポリアミ
ド樹脂の品質が非常に安定する。
発明の具体的説明 以下、本発明に係るポリアミド樹脂およびその製造方
法について具体的に説明する。
法について具体的に説明する。
本発明に係るポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分単
位(a)とジアミン成分単位(b)とから形成されてい
る。ジカルボン酸成分単位(a)は、特定の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位からなり、ジアミン成分単位(b)
は、特定の脂肪族系アルキレンジアミン成分単位から形
成されている。
位(a)とジアミン成分単位(b)とから形成されてい
る。ジカルボン酸成分単位(a)は、特定の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位からなり、ジアミン成分単位(b)
は、特定の脂肪族系アルキレンジアミン成分単位から形
成されている。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分
単位(a)は、テレフタル酸成分単位および4,4−ビフ
ェニルジカルボン酸成分単位である。
単位(a)は、テレフタル酸成分単位および4,4−ビフ
ェニルジカルボン酸成分単位である。
そして、ジカルボン酸成分単位(a)中におけるテレ
フタル酸成分単位の含有率は、50〜90モル%の範囲内に
あることが必要であり、さらにこの含有率が60〜80モル
%の範囲内にあることが好ましい。また、ジカルボン酸
成分単位(b)中における4,4′−ビフェニルジカルボ
ン酸成分単位の含有率は、50〜10モル%の範囲内にある
ことが必要であり、この含有率が40〜20モル%の範囲内
にあることが好ましい。なお、両者の合計は、100モル
%である。
フタル酸成分単位の含有率は、50〜90モル%の範囲内に
あることが必要であり、さらにこの含有率が60〜80モル
%の範囲内にあることが好ましい。また、ジカルボン酸
成分単位(b)中における4,4′−ビフェニルジカルボ
ン酸成分単位の含有率は、50〜10モル%の範囲内にある
ことが必要であり、この含有率が40〜20モル%の範囲内
にあることが好ましい。なお、両者の合計は、100モル
%である。
ジカルボン鞍成分単位(a)として、テレフタル酸成
分単位および4,4−ビフェニルジカルボン酸成分単位を
上記のような量で含有することにより、本発明のポリア
ミド樹脂は、高い結晶性を示すようになる。さらに、融
点およびガラス転移温度が高くなり、耐熱特性が向上す
ると共に、機械的特性も良好になる。殊に4,4−ビフェ
ニルジカルボン酸成分単位の含有率を50モル%以下に抑
えることにより、ポリアミド樹脂が良好な成形性を有す
るようになると共に、結晶性、耐熱特性および機械的特
性とのバランスも良好になる。
分単位および4,4−ビフェニルジカルボン酸成分単位を
上記のような量で含有することにより、本発明のポリア
ミド樹脂は、高い結晶性を示すようになる。さらに、融
点およびガラス転移温度が高くなり、耐熱特性が向上す
ると共に、機械的特性も良好になる。殊に4,4−ビフェ
ニルジカルボン酸成分単位の含有率を50モル%以下に抑
えることにより、ポリアミド樹脂が良好な成形性を有す
るようになると共に、結晶性、耐熱特性および機械的特
性とのバランスも良好になる。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジアミン成分単位
(b)は、炭素原子数4〜25の脂肪族系ジアミン成分単
位であり、この脂肪族系ジアミン成分単位には、アルキ
レンジアミン成分単位の他、脂環族系ジアミン成分単位
も含まれる。従って、本発明のポリアミド樹脂を構成す
るジアミン成分単位(b)としては、アルキレンジアミ
ン成分単独、アルキレンジアミン成分単位および脂環族
系ジアミン成分単位の混成、ならびに脂環族ジアミン成
分単位単独の場合がある。
(b)は、炭素原子数4〜25の脂肪族系ジアミン成分単
位であり、この脂肪族系ジアミン成分単位には、アルキ
レンジアミン成分単位の他、脂環族系ジアミン成分単位
も含まれる。従って、本発明のポリアミド樹脂を構成す
るジアミン成分単位(b)としては、アルキレンジアミ
ン成分単独、アルキレンジアミン成分単位および脂環族
系ジアミン成分単位の混成、ならびに脂環族ジアミン成
分単位単独の場合がある。
アルキレンジアミン成分単位は、直鎖状のアルキレン
ジアミン成分単位であっても、分枝を有する鎖状のアル
キレンジアミン成分単位であってもよい。このようなア
ルキレンジアミン成分単位のうちでは、炭素原子数が4
〜25の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジ
アミン成分単位が好ましく、さらに炭素原子数が6〜18
の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミ
ン成分単位が特に好ましい。
ジアミン成分単位であっても、分枝を有する鎖状のアル
キレンジアミン成分単位であってもよい。このようなア
ルキレンジアミン成分単位のうちでは、炭素原子数が4
〜25の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジ
アミン成分単位が好ましく、さらに炭素原子数が6〜18
の直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキレンジアミ
ン成分単位が特に好ましい。
このようなアルキレンジアミン成分単位としては、具
体的には、たとえば、 1,4−ジアミノブタン、 1,5−ジアミノペンタン、 1,6−ジアミノヘキサン、 1,7−ジアミノヘプタン、 1,8−ジアミノオクタン、 1,9−ジアミノノナン、 1,10−ジアミノデカン、 1,11−ジアミノウンデカン、 および 1,12−ジアミノドデカンのような直鎖状アルキレンジ
アミンから誘導される成分単位; ならびに 1,4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,4−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、 1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、 1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,2−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,4,4−トリメチルヘキサン、 1,7−ジアミノ−2,3−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、 1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタン、 1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、 および 1,9−ジアミノ−5−メチルノナンのようなの分枝を
有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単
位を挙げることができる。
体的には、たとえば、 1,4−ジアミノブタン、 1,5−ジアミノペンタン、 1,6−ジアミノヘキサン、 1,7−ジアミノヘプタン、 1,8−ジアミノオクタン、 1,9−ジアミノノナン、 1,10−ジアミノデカン、 1,11−ジアミノウンデカン、 および 1,12−ジアミノドデカンのような直鎖状アルキレンジ
アミンから誘導される成分単位; ならびに 1,4−ジアミノ−1,1−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1−エチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,2−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,3−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−1,4−ジメチルブタン、 1,4−ジアミノ−2,3−ジメチルブタン、 1,2−ジアミノ−1−ブチルエタン、 1,6−ジアミノ−2,5−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,4−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−3,3−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,2−ジメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,2,4−トリメチルヘキサン、 1,6−ジアミノ−2,4,4−トリメチルヘキサン、 1,7−ジアミノ−2,3−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,4−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,5−ジメチルヘプタン、 1,7−ジアミノ−2,2−ジメチルヘプタン、 1,8−ジアミノ−1,3−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−1,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−2,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−3,4−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−4,5−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−2,2−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−3,3−ジメチルオクタン、 1,8−ジアミノ−4,4−ジメチルオクタン、 1,6−ジアミノ−2,4−ジエチルヘキサン、 および 1,9−ジアミノ−5−メチルノナンのようなの分枝を
有する鎖状のアルキレンジアミンから誘導される成分単
位を挙げることができる。
このような直鎖状あるいは分枝を有する鎖状のアルキ
レンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状のアルキレン
ジアミン成分単位が好ましく、特に1,6−ジアミノヘキ
サン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,12−ジアミノドデカンのような直鎖状アルキレン
ジアミンから誘導される繰り返し単位が単独で、あるい
は組み合わされていることが好ましい。
レンジアミン成分単位のうちでは、直鎖状のアルキレン
ジアミン成分単位が好ましく、特に1,6−ジアミノヘキ
サン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカ
ン、1,12−ジアミノドデカンのような直鎖状アルキレン
ジアミンから誘導される繰り返し単位が単独で、あるい
は組み合わされていることが好ましい。
脂環族ジアミン成分単位は、通常、炭素原子数が6〜
25程度であり、かつ少なくとも1個の脂環族炭化水素環
を含むジアミンから誘導される成分単位である。
25程度であり、かつ少なくとも1個の脂環族炭化水素環
を含むジアミンから誘導される成分単位である。
このような脂環族ジアミン成分単位としては、 具体的には、たとえば、 1,3−ジアミノシクロヘキサン、 1,4−ジアミノシクロヘキサン、 1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、 1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、 イソホロンジアミン、 ピペラジン、 2,5−ジメチルピペラジン、 ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、 ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシル
プロパン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシル
メタン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチ
ルジシクロヘキシルメタン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチ
ルジシクロヘキシルプロパン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−
ジイソプロピルベンゼン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−
ジイソプロピルベンゼン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,4
−シクロヘキサン、 および α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3
−シクロヘキサンのような脂環族ジアミンから誘導され
る成分単位が挙げることができる。
プロパン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシル
メタン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチ
ルジシクロヘキシルメタン、 4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチル−5,5′−ジメチ
ルジシクロヘキシルプロパン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−
ジイソプロピルベンゼン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−
ジイソプロピルベンゼン、 α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,4
−シクロヘキサン、 および α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3
−シクロヘキサンのような脂環族ジアミンから誘導され
る成分単位が挙げることができる。
これらの脂環族ジアミン成分単位のうちでは、ビス
(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメ
チルジシクロヘキシルメタンから誘導される繰り返し単
位が好ましく、特にビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタン、1,3−ビス(アミンシクロヘキシル)メタン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族
ジアミンから誘導される成分単位が好ましい。
(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメ
チルジシクロヘキシルメタンから誘導される繰り返し単
位が好ましく、特にビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタン、1,3−ビス(アミンシクロヘキシル)メタン、
1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族
ジアミンから誘導される成分単位が好ましい。
本発明のポリアミド樹脂を構成するジカルボン酸成分
単位(a)とジアミン成分単位(b)の成分比は通常は
モル比で1:0.9〜1:1.1の範囲内にあるが、この構成成分
比と仕込量とは必ずしも一致するものではなく、得られ
るポリアミド樹脂の構成成分比が上記の範囲内になるよ
うに仕込み量を調整することができる。そして、本発明
においては、ジカルボン酸成分とジアミン成分とをモル
比で1:0.9〜1:1.2の範囲内の割合で仕込むことが好まし
い。
単位(a)とジアミン成分単位(b)の成分比は通常は
モル比で1:0.9〜1:1.1の範囲内にあるが、この構成成分
比と仕込量とは必ずしも一致するものではなく、得られ
るポリアミド樹脂の構成成分比が上記の範囲内になるよ
うに仕込み量を調整することができる。そして、本発明
においては、ジカルボン酸成分とジアミン成分とをモル
比で1:0.9〜1:1.2の範囲内の割合で仕込むことが好まし
い。
本発明に係るポリアミドの製造方法では、テレフタル
酸および4,4′−ビフェニルジカルボン酸とからなるジ
カルボン酸と、脂肪族系アルキレンジアミンとを共重合
させてオリゴマーを調製した後に、このオリゴマーを反
応型押出機を用いて重縮合反応することにより好ましく
製造することができる。
酸および4,4′−ビフェニルジカルボン酸とからなるジ
カルボン酸と、脂肪族系アルキレンジアミンとを共重合
させてオリゴマーを調製した後に、このオリゴマーを反
応型押出機を用いて重縮合反応することにより好ましく
製造することができる。
本発明の製造方法において、オリゴマーを調製する方
法としては、ジカルボン酸成分とジアミン成分、ジカル
ボン酸成分とジアミン成分との塩などを、水およびリン
系化合物の存在下に加熱する方法を利用することができ
る。
法としては、ジカルボン酸成分とジアミン成分、ジカル
ボン酸成分とジアミン成分との塩などを、水およびリン
系化合物の存在下に加熱する方法を利用することができ
る。
ここで使用されるリン系化合物としては、リン酸、そ
の塩およびエステル化合物、亜リン酸、その塩およびエ
ステル化合物、ならびに次亜リン酸およびその塩を使用
することができる。
の塩およびエステル化合物、亜リン酸、その塩およびエ
ステル化合物、ならびに次亜リン酸およびその塩を使用
することができる。
具体的には、リン酸塩の例としては、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグ
ネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルおよびリン
酸コバルトを挙げることができる。リン酸エステルの例
としては、具体的には、リン酸の、メチルエステル、エ
チルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデ
シルエステル、デシルエステル、ステアリルエステルお
よびフェニルエステルを挙げることができる。
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグ
ネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルおよびリン
酸コバルトを挙げることができる。リン酸エステルの例
としては、具体的には、リン酸の、メチルエステル、エ
チルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデ
シルエステル、デシルエステル、ステアリルエステルお
よびフェニルエステルを挙げることができる。
また、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウム、
亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マ
グネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケルおよ
び亜リン酸コバルトを挙げることができる。亜リン酸エ
ステルの例としては、亜リン酸トリエステルを挙げるこ
とができ、具体的には、亜リン酸の、メチルエステル、
エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデ
シルエステル、デシルエステル、ステアリルエステルお
よびフェニルエステルを挙げることができる。
亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸マ
グネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケルおよ
び亜リン酸コバルトを挙げることができる。亜リン酸エ
ステルの例としては、亜リン酸トリエステルを挙げるこ
とができ、具体的には、亜リン酸の、メチルエステル、
エチルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステ
ル、ヘキシルエステル、イソデシルエステル、オクタデ
シルエステル、デシルエステル、ステアリルエステルお
よびフェニルエステルを挙げることができる。
さらに、亜リン酸塩の例としては、亜リン酸カリウ
ム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン
酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケル
および亜リン酸コバルトを挙げることができる。
ム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン
酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン酸ニッケル
および亜リン酸コバルトを挙げることができる。
また、次亜リン酸塩の例としては、次亜リン酸カリウ
ム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次
亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リ
ン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン酸コ
バルトを挙げることができる。これらのリン酸化合物
は、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
ム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン酸カルシウム、次
亜リン酸バナジウム、次亜リン酸マグネシウム、次亜リ
ン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよび次亜リン酸コ
バルトを挙げることができる。これらのリン酸化合物
は、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。
このようなリン系化合物は、上記のようなジカルボン
酸成分に対して、通常は0.01〜5モル%、好ましくは0.
02〜2モル%の割合で用いられる。
酸成分に対して、通常は0.01〜5モル%、好ましくは0.
02〜2モル%の割合で用いられる。
またオリゴマーを調製するに際しては、上記のような
リン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モ
ノカルボン酸などの化合物を用いてることもできる。
リン酸化合物以外に、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モ
ノカルボン酸などの化合物を用いてることもできる。
オリゴマーを調製する際の重合原料であるジカルボン
酸成分(a′)およびジアミン成分(b′)は、水溶液
として使用することが好ましい。なお、ジカルボン酸成
分およびジアミン成分は、塩の形態で使用することもで
きる。
酸成分(a′)およびジアミン成分(b′)は、水溶液
として使用することが好ましい。なお、ジカルボン酸成
分およびジアミン成分は、塩の形態で使用することもで
きる。
この水溶液では、水は、重合原料100重量部に対して
5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で用いら
れる。
5〜40重量部、好ましくは10〜20重量部の割合で用いら
れる。
このような水溶液に、次亜リン酸塩などを添加した
後、得られた水溶液を加熱し、上記重合原料を重合させ
ることにより、オリゴマーが調製される。
後、得られた水溶液を加熱し、上記重合原料を重合させ
ることにより、オリゴマーが調製される。
このようなオリゴマーの調製は、窒素雰囲気下のよう
な不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
な不活性雰囲気下で行われることが好ましい。
また、オリゴマー調製時の圧力は、通常は、自生圧で
あり、例えば上記のような不活性雰囲気下で、密閉状態
で220〜280℃に加熱することにより反応させるため、オ
リゴマー調製時の圧力は加圧状態になる。
あり、例えば上記のような不活性雰囲気下で、密閉状態
で220〜280℃に加熱することにより反応させるため、オ
リゴマー調製時の圧力は加圧状態になる。
またこのような圧力および温度で行われる重合反応
は、通常0.2〜5時間行われる。
は、通常0.2〜5時間行われる。
このようにして得られたオリゴマーの極限粘度[η]
は、通常0.05〜0.3dl/g、好ましくは0.1〜0.2dl/gであ
る。
は、通常0.05〜0.3dl/g、好ましくは0.1〜0.2dl/gであ
る。
オリゴマーの極限粘度[η]を上記の範囲内に調製す
ることにより、取扱いが容易で、かつ次に行われる溶融
重合工程でのポリマー化が容易となる。
ることにより、取扱いが容易で、かつ次に行われる溶融
重合工程でのポリマー化が容易となる。
なお、上記のような極限粘度[η]は、濃硫酸中にオ
リゴマーまたはポリマーを溶解し、30℃の温度で測定し
た粘度から求めた値である。
リゴマーまたはポリマーを溶解し、30℃の温度で測定し
た粘度から求めた値である。
上記のようにして得られたオリゴマーあるいはその塩
を重縮合することにより、本発明のポリアミド樹脂を製
造することができる。
を重縮合することにより、本発明のポリアミド樹脂を製
造することができる。
そして、本発明のポリアミド樹脂は、反応型押出機を
用いて製造することが好ましく、さらに反応型押出機の
中でもベント付き二軸押出機を使用することが特に好ま
しい。このような反応型押出機の例としては、ニーダ
ー、ブラベンダーなどを挙げることができる。
用いて製造することが好ましく、さらに反応型押出機の
中でもベント付き二軸押出機を使用することが特に好ま
しい。このような反応型押出機の例としては、ニーダ
ー、ブラベンダーなどを挙げることができる。
上記のような反応型押出機に供給されたオリゴマーあ
るいはその塩を、加熱溶融することにより重縮合してポ
リアミド樹脂が得られる。この重縮合反応に際して、オ
リゴマーなどに含まれる水および反応生成水は、通常
は、反応させながら系外に除去される。この水は、例え
ば押出機のバレルの一部を不活性ガスパージした大気解
放ベントにすることにより除去することができる。
るいはその塩を、加熱溶融することにより重縮合してポ
リアミド樹脂が得られる。この重縮合反応に際して、オ
リゴマーなどに含まれる水および反応生成水は、通常
は、反応させながら系外に除去される。この水は、例え
ば押出機のバレルの一部を不活性ガスパージした大気解
放ベントにすることにより除去することができる。
オリゴマーあるいはこの塩を重合させる際の重合温度
は、通常は280〜360℃、好ましくは280〜350℃である。
重合反応時間は、得ようとするポリアミド樹脂の特性を
考慮して適宜設定することができるが、上記のような重
合温度では、通常は1分〜3時間である。
は、通常は280〜360℃、好ましくは280〜350℃である。
重合反応時間は、得ようとするポリアミド樹脂の特性を
考慮して適宜設定することができるが、上記のような重
合温度では、通常は1分〜3時間である。
このようにオリゴマーあるいは塩を溶融重縮合させる
ことにより、色相がよく、高い重合度を有するポリアミ
ド樹脂を得ることができる。
ことにより、色相がよく、高い重合度を有するポリアミ
ド樹脂を得ることができる。
例えば上記のようにして得られる本発明のポリアミド
樹脂は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.
5〜3.0dl/gの範囲内にあるものである。そして、この極
限粘度[η]が、0.7〜2.5dl/gsの範囲内にあることが
好ましい。
樹脂は、濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.
5〜3.0dl/gの範囲内にあるものである。そして、この極
限粘度[η]が、0.7〜2.5dl/gsの範囲内にあることが
好ましい。
また、このようにして得られたポリアミド樹脂の融点
(Tm)は、通常は270〜370℃、好ましくは300〜360℃の
範囲内にある。また、ガラス転移温度(Tg)は、通常は
60〜160℃、好ましくは100〜160℃の範囲内にある。
(Tm)は、通常は270〜370℃、好ましくは300〜360℃の
範囲内にある。また、ガラス転移温度(Tg)は、通常は
60〜160℃、好ましくは100〜160℃の範囲内にある。
そして、結晶性、即ち結晶化速度を、融点と降温時の
結晶化温度との差(Tm−Tc)で表すと、本発明のポリア
ミド樹脂におけるTm−Tcの値は、通常は15〜40℃、好ま
しくは15〜35℃の範囲内にある。このTm−Tcの値が、従
来のポリアミドよりも少なくも5℃、好ましくは10℃程
度低い値を示すということは、本発明のポリアミド樹脂
が高い結晶化速度を有していることを示している。従っ
て、本発明のポリアミド樹脂は、優れた結晶性を有して
いるということができる。
結晶化温度との差(Tm−Tc)で表すと、本発明のポリア
ミド樹脂におけるTm−Tcの値は、通常は15〜40℃、好ま
しくは15〜35℃の範囲内にある。このTm−Tcの値が、従
来のポリアミドよりも少なくも5℃、好ましくは10℃程
度低い値を示すということは、本発明のポリアミド樹脂
が高い結晶化速度を有していることを示している。従っ
て、本発明のポリアミド樹脂は、優れた結晶性を有して
いるということができる。
なお、本発明におけるポリアミド樹脂の融点、ガラス
転移温度および降温時の結晶化温度は、後述するように
DSCを用いて測定した値を基にして決定される。
転移温度および降温時の結晶化温度は、後述するように
DSCを用いて測定した値を基にして決定される。
上記のようにして製造されたポリアミド樹脂は、その
まま使用することもできるが、上記のようにして合成し
たポリアミドをさらに高重合度化することもできる。
まま使用することもできるが、上記のようにして合成し
たポリアミドをさらに高重合度化することもできる。
この高重合度化には、上記のようにして得られたポリ
アミド樹脂を、例えば200〜300℃の温度範囲で、0.1〜1
0mmHgの減圧下、あるいは窒素等の不活性ガス雰囲気下
で、通常1〜50時間固相重合する方法が採用される。
アミド樹脂を、例えば200〜300℃の温度範囲で、0.1〜1
0mmHgの減圧下、あるいは窒素等の不活性ガス雰囲気下
で、通常1〜50時間固相重合する方法が採用される。
上記のような本発明のポリアミド樹脂は、ポリアミド
の通常の用途に使用できる他、高い結晶性が必要な用
途、例えば、リレーケース、SMT用コネクター、コイル
ボビン、LCフィルターケース、マイクロモーター部品、
スウィッチ部品および自動車用コネクター等として特に
好ましく使用される。
の通常の用途に使用できる他、高い結晶性が必要な用
途、例えば、リレーケース、SMT用コネクター、コイル
ボビン、LCフィルターケース、マイクロモーター部品、
スウィッチ部品および自動車用コネクター等として特に
好ましく使用される。
さらに、本発明のポリアミド樹脂は、融点と分解温度
の差が、通常20℃以上と大きいため、成形の際に着色な
ど樹脂劣化が起こりにくく、耐熱性を要求される大型の
成形体等を容易に製造することことができる。
の差が、通常20℃以上と大きいため、成形の際に着色な
ど樹脂劣化が起こりにくく、耐熱性を要求される大型の
成形体等を容易に製造することことができる。
発明の効果 本発明のポリアミド樹脂は特性の成分単位から構成さ
れているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性およ
び機械的特性に優れている。
れているので、特に結晶性が高く、さらに耐熱特性およ
び機械的特性に優れている。
そして、このポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分単
位(aとジアミン成分単位(b)とからなるポリアミド
オリゴマーあるいはこの塩を反応型押出機を用いて溶融
重縮合させているため、短時間で所望の分子量を有する
ポリアミド樹脂を製造することができる。しかも、この
方法を採用することにより、得られるポリアミド樹脂の
品質が非常に安定する。
位(aとジアミン成分単位(b)とからなるポリアミド
オリゴマーあるいはこの塩を反応型押出機を用いて溶融
重縮合させているため、短時間で所望の分子量を有する
ポリアミド樹脂を製造することができる。しかも、この
方法を採用することにより、得られるポリアミド樹脂の
品質が非常に安定する。
以下、本発明を実施例を示して説明するが、本発明
は、これら実施例によって限定的に解釈されるべきでは
ない。
は、これら実施例によって限定的に解釈されるべきでは
ない。
本発明におけるポリアミド樹脂のガラス転移温度(T
g)、融点(Tm)、降温時の結晶化温度(Tc)および極
限粘度[η]の測定方法を次に示す。
g)、融点(Tm)、降温時の結晶化温度(Tc)および極
限粘度[η]の測定方法を次に示す。
(1)ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、降温時の結
晶化温度(Tc) パーキンエルマー社製MODEL DSC−2示差走査熱量計
(DSC)を用いて、毎分10℃の昇降温度で樹脂の示差熱
分析を行って測定値からガラス転移温度(Tg)、融点
(Tm)および降温時の結晶化温度(Tc)を求めた。
晶化温度(Tc) パーキンエルマー社製MODEL DSC−2示差走査熱量計
(DSC)を用いて、毎分10℃の昇降温度で樹脂の示差熱
分析を行って測定値からガラス転移温度(Tg)、融点
(Tm)および降温時の結晶化温度(Tc)を求めた。
また、融点と降温時の結晶化温度との差(Tm−Tc)を
結晶性(結晶化速度)の尺度とした。
結晶性(結晶化速度)の尺度とした。
(2)極限粘度[η] ポリアミド樹脂濃度が0.500g/dl、0.770g/dlおよび1.
00g/dlである96%濃硫酸溶液を調製し、これらの溶液に
ついて総体粘度をウベロード型粘度計を用いて測定して
比粘度を求めた。これらの値をプロットしたグラフから
極限粘度[η]を求めた。
00g/dlである96%濃硫酸溶液を調製し、これらの溶液に
ついて総体粘度をウベロード型粘度計を用いて測定して
比粘度を求めた。これらの値をプロットしたグラフから
極限粘度[η]を求めた。
実施例1 テレフタル酸169.5g、4,4′−ビフェニルジカルボン
酸164.7g、ヘキサメチレンジアミン199.9gおよび次亜リ
ン酸ナトリウム0.36gにイオン交換水133.5gを加えて原
料水溶液を調製した。
酸164.7g、ヘキサメチレンジアミン199.9gおよび次亜リ
ン酸ナトリウム0.36gにイオン交換水133.5gを加えて原
料水溶液を調製した。
次に、この原料水溶液を容量1のオートクレーブ中
に仕込み、窒素置換を充分に行った後、攪拌しながら2
時間で250℃の温度になるように加熱した。
に仕込み、窒素置換を充分に行った後、攪拌しながら2
時間で250℃の温度になるように加熱した。
さらに、この温度で、1時間重合原料の重合反応を行
わせてオリゴマーを調製した後、脱圧して反応混合物で
あるオリゴマーを取り出した。
わせてオリゴマーを調製した後、脱圧して反応混合物で
あるオリゴマーを取り出した。
取り出されたオリゴマーを、窒素中、100℃の温度お
よび100mmHgの圧力下で約12時間乾燥した。
よび100mmHgの圧力下で約12時間乾燥した。
得られたオリゴマーを2.5Kg/時間の供給量で二軸押出
機(スクリュー径30mm、L/D=42、バレル温度(℃)=1
80/290/350/350/340/340/330/330/330、第2、第4およ
び第6ゾーンは大気解放ベント、回転数60rpm、排気は
窒素バージ)に供給して溶融重合させてポリアミドを製
造した。
機(スクリュー径30mm、L/D=42、バレル温度(℃)=1
80/290/350/350/340/340/330/330/330、第2、第4およ
び第6ゾーンは大気解放ベント、回転数60rpm、排気は
窒素バージ)に供給して溶融重合させてポリアミドを製
造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は1.12dl/gであ
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は341℃、降温時の
結晶化温度(Tc)sは319℃、ガラス転移温度(Tg)は1
34℃であり、Tm−Tcの値は22℃であった。
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は341℃、降温時の
結晶化温度(Tc)sは319℃、ガラス転移温度(Tg)は1
34℃であり、Tm−Tcの値は22℃であった。
実施例2 実施例1において、テレフタル酸を232.6g、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸を145.3g、ヘキサメチレンジア
ミンを234.7g使用し、二軸押出機のバレル温度を190/29
0/350/350/340/340/330/330/330℃とした以外は同様に
してポリアミドを製造した。
ビフェニルジカルボン酸を145.3g、ヘキサメチレンジア
ミンを234.7g使用し、二軸押出機のバレル温度を190/29
0/350/350/340/340/330/330/330℃とした以外は同様に
してポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は1.0dl/gであ
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は330℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は304℃、ガラス転移温度(Tg)は135
℃であり、Tm−Tcの値は29℃であった。
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は330℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は304℃、ガラス転移温度(Tg)は135
℃であり、Tm−Tcの値は29℃であった。
実施例3 実施例1において、テレフタル酸を265.8g、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸を96.9g、ヘキサメチレンジア
ミンを234.7g使用し、二軸押出機のバレル温度を200/30
0/360/360/350/350/350/350/350℃とした以外は同様に
してポリアミドを製造した。
ビフェニルジカルボン酸を96.9g、ヘキサメチレンジア
ミンを234.7g使用し、二軸押出機のバレル温度を200/30
0/360/360/350/350/350/350/350℃とした以外は同様に
してポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は0.73dl/gであ
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は349℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は323℃、ガラス転移温度(Tg)は136
℃であり、Tm−Tcの値は26℃であった。
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は349℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は323℃、ガラス転移温度(Tg)は136
℃であり、Tm−Tcの値は26℃であった。
比較例1 実施例1において、テレフタル酸の使用量を255.8gと
し、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の代わりにイソフ
タル酸を109.6g使用し、ヘキサメチレンジアミンの使用
量を256.4gとし、二軸押出機のバレル温度を180/280/34
5/345/335/335/320/320/320℃とした以外は同様にして
ポリアミドを製造した。
し、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の代わりにイソフ
タル酸を109.6g使用し、ヘキサメチレンジアミンの使用
量を256.4gとし、二軸押出機のバレル温度を180/280/34
5/345/335/335/320/320/320℃とした以外は同様にして
ポリアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は0.98dl/gであ
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は325℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は280℃、ガラス転移温度(Tg)は125
℃であり、Tm−Tcの値は45℃であった。
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は325℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は280℃、ガラス転移温度(Tg)は125
℃であり、Tm−Tcの値は45℃であった。
比較例2 実施例1において、テレフタル酸の使用量を255.9gと
し、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の代わりにアジピ
ン酸を96.5g使用し、ヘキサメチレンジアミンの使用量
を258.0gとし、二軸押出機のバレル温度を180/280/345/
345/340/340/340/340/340℃とした以外は同様にしてポ
リアミドを製造した。
し、4,4′−ビフェニルジカルボン酸の代わりにアジピ
ン酸を96.5g使用し、ヘキサメチレンジアミンの使用量
を258.0gとし、二軸押出機のバレル温度を180/280/345/
345/340/340/340/340/340℃とした以外は同様にしてポ
リアミドを製造した。
得られたポリアミドの極限粘度[η]は1.19dl/gであ
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は332℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は294℃、ガラス転移温度(Tg)は87
℃であり、Tm−Tcの値は38℃であった。
った。また、DSCで求めた融点(Tm)は332℃、降温時の
結晶化温度(Tc)は294℃、ガラス転移温度(Tg)は87
℃であり、Tm−Tcの値は38℃であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/00 - 69/50 B29C 47/40 CA(STN)
Claims (3)
- 【請求項1】ジカルボン酸成分単位(a)が、テレフタ
ル酸成分単位;50〜90モル%および4,4′−ビフェニルジ
カルボン酸;50〜10モル%からなり、 ジアミン成分単位(b)が、炭素原子数4〜25の脂肪族
ジアミン成分単位からなり、かつ、 濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.5〜30dl/
gの範囲内にあり、DSCで測定した融点が270〜370℃にあ
る結晶性ポリアミド樹脂。 - 【請求項2】テレフタル酸;50〜90モル%および4,4′−
ビフェニルジカルボン酸;50〜10モル%からなるジカル
ボン酸成分(a′)と、炭素原子数4〜25の脂肪族ジア
ミン成分(b′)とから形成されるオリゴマー、あるい
は上記ジカルボン酸成分(a′)とジアミン成分
(b′)とから形成される塩を反応型押出機を用いて、
濃硫酸中30℃で測定した極限粘度[η]が、0.5〜30dl/
gの範囲内にあり、DSCで測定した融点が270〜370℃にあ
る結晶性ポリアミド樹脂を製造する方法。 - 【請求項3】反応型押出機が、ベント付き二軸押出機で
あることを特徴とする請求項第2項記載のポリアミド樹
脂の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2159186A JP2996695B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | ポリアミド樹脂およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2159186A JP2996695B2 (ja) | 1990-06-18 | 1990-06-18 | ポリアミド樹脂およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0450230A JPH0450230A (ja) | 1992-02-19 |
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ID=15688195
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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CN101346412B (zh) * | 2005-12-23 | 2012-09-19 | 索维高级聚合物股份有限公司 | 高熔点聚酰胺 |
WO2011118441A1 (ja) * | 2010-03-26 | 2011-09-29 | ユニチカ株式会社 | 半芳香族ポリアミド、およびその製造方法 |
JP2013056969A (ja) * | 2011-09-07 | 2013-03-28 | Unitika Ltd | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
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JP6046958B2 (ja) * | 2011-09-08 | 2016-12-21 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物およびそれからなる成形体 |
JP2013060534A (ja) * | 2011-09-14 | 2013-04-04 | Unitika Ltd | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
JP2013064032A (ja) * | 2011-09-15 | 2013-04-11 | Unitika Ltd | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
JP2013064091A (ja) * | 2011-09-20 | 2013-04-11 | Unitika Ltd | ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体 |
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EP3529298B1 (en) * | 2016-10-19 | 2020-09-16 | DSM IP Assets B.V. | Semi-crystalline semi-aromatic polyamide and compositions comprising the same |
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1990
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