JPH07165911A - 芳香族ポリアミド樹脂の製造方法 - Google Patents

芳香族ポリアミド樹脂の製造方法

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JPH07165911A
JPH07165911A JP31710693A JP31710693A JPH07165911A JP H07165911 A JPH07165911 A JP H07165911A JP 31710693 A JP31710693 A JP 31710693A JP 31710693 A JP31710693 A JP 31710693A JP H07165911 A JPH07165911 A JP H07165911A
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polyamide resin
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Eizo Sueoka
岡 英 三 末
Satoshi Omori
森 智 大
Ryoji Ohori
堀 良 治 大
Kazuto Sugiyama
山 和 人 杉
Takeshi Yoshida
田 竹 巳 吉
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 テレフタル酸成分単位30〜100モル%と
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜7
0モル%と炭素原子数6〜18の直鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン酸成
分単位と、炭素原子数4〜25のアルキレン基を有する
脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
成分単位からなるジアミン成分単位とからなる芳香族ポ
リアミド前駆体を、加熱溶融状態で剪断応力を付与しな
がら、脂肪族ジアミンおよび/または脂環族ジアミンを
添加して、重縮合させることを特徴とする芳香族ポリア
ミド樹脂の製造方法。 【効果】 得られる芳香族ポリアミド樹脂は末端アミン
基の濃度を高くすることができ、添加するジアミンの量
に応じて芳香族ポリアミド樹脂の分子量を広い範囲で調
節することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、芳香族ポリアミド樹脂の
製造方法に関し、さらに詳しくは、分子量を広い範囲で
調節できる芳香族ポリアミド樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から、エンジニアリングプラ
スチックとしてナイロン6、ナイロン66あるいはナイ
ロン610のような脂肪族ポリアミド樹脂(ナイロン)
が使用されている。
【0003】このような脂肪族ポリアミド樹脂は、良好
な成形性を有するものの、ガラス転移温度が低く(たと
えばナイロン66のガラス転移温度は通常は60℃前後
である)、高温で使用するエンジニアリングプラスチッ
クとしては、必ずしも適しているとは言えない。
【0004】ポリアミド樹脂としては、上記脂肪族ポリ
アミド樹脂の他に、ジカルボン酸成分が主として芳香族
ジカルボン酸である芳香族ポリアミド樹脂が知られてい
る。芳香族ポリアミド樹脂は、耐熱性、耐水性の点でナ
イロン6,ナイロン66などの脂肪族ポリアミド樹脂よ
りも優れているが、一方において、成形温度が高いた
め、射出成形などによって成形する際に、射出成形され
た溶融体の降温速度(冷却速度)が通常のポリアミド樹
脂と比較して著しく大きく、このため結晶成長速度が遅
くなり得られる成形体の結晶化度が低くなってしまうと
いう問題点があった。このように成形体の結晶化度が低
くなると、この成形体の耐熱剛性が不足するという問題
点が生じてしまう。
【0005】このような問題点を解決するため、本発明
者らは、芳香族ポリアミド樹脂を探索したところ、テレ
フタル酸成分単位60〜100モル%とテレフタル酸以
外の芳香族ジカルボン酸成分単位または炭素原子数6〜
18の直鎖状脂肪族成分単位0〜40モル%とからなる
芳香族ジカルボン酸成分単位(a)、およびアルキレンジ
アミン成分単位(b)からなる繰返し単位から構成され、
かつ濃硫酸中30℃で測定した極限粘度が0.5〜3.0
dl/gの範囲内にある芳香族ポリアミド樹脂が、優れた
耐熱性、機械的特性などを発現できることを見い出し、
既に特開昭59-53536号公報において開示している。
【0006】しかしながら上記のような、芳香族ポリア
ミド樹脂の分子量は、低次縮合物を合成する際のジアミ
ン量とジカルボン酸量との比によってほぼ決定されてし
まうため、従来の製造方法では、この分子量の調節が必
ずしも容易ではなかった。
【0007】このような問題点を解決するため、分子量
を広い範囲で調節できる芳香族ポリアミド樹脂の製造方
法の出現が強く望まれていた。本発明者は、分子量を広
い範囲で調節できる芳香族ポリアミド樹脂の製造方法に
ついて鋭意検討したところ、ジカルボン酸成分単位と、
ジアミン成分単位とからなる低次縮合物である芳香族ポ
リアミド前駆体を、加熱溶融状態で剪断応力を付与しな
がら、脂肪族ジアミンおよび/または脂環族ジアミンを
連続的に添加し、重縮合させることにより、上記問題点
を一挙に解決できることを見い出し、本発明を完成する
に至った。
【0008】
【発明の目的】本発明は、芳香族ポリアミド樹脂の分子
量を広い範囲で調節できる製造方法を提供することを目
的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る芳香族ポリアミド樹脂の製
造方法は、テレフタル酸成分単位30〜100モル%と
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜7
0モル%と炭素原子数6〜18の直鎖状脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン酸成
分単位と、炭素原子数4〜25のアルキレン基を有する
脂肪族ジアミン成分単位および/または脂環族ジアミン
成分単位からなるジアミン成分単位とからなる芳香族ポ
リアミド前駆体を、加熱溶融状態で剪断応力を付与しな
がら、脂肪族ジアミンおよび/または脂環族ジアミンを
添加し、重縮合させることを特徴としている。
【0010】脂肪族ジアミンおよび/または脂環族ジア
ミンの添加は、連続的に行なうことが好ましい。上記の
ような芳香族ポリアミド樹脂の製造方法によれば、芳香
族ポリアミド樹脂の製造時には、カルボン酸の当量に対
して過剰なジアミンを添加しているので、得られる芳香
族ポリアミド樹脂は末端アミン基の濃度を高くすること
ができ、添加するジアミンの量に応じて芳香族ポリアミ
ド樹脂の分子量を広い範囲で調節することができる。
【0011】
【発明の具体的な説明】以下に、本発明に係る芳香族ポ
リアミド樹脂の製造方法について具体的に説明する。
【0012】本発明において芳香族ポリアミド樹脂は、
低次縮合物である芳香族ポリアミド前駆体[A]を調製
した後、この前駆体を加熱溶融状態で剪断応力を付与し
ながらジアミン[B]を添加して、重縮合させることに
より製造される。
【0013】芳香族ポリアミド前駆体[A]の調製 まず、低次縮合物である芳香族ポリアミド前駆体[A]
の調製について説明する。
【0014】本発明で用いられる芳香族ポリアミド前駆
体[A]は、テレフタル酸成分単位(a-1)と炭素原子数
4〜25のアルキレン基を有するジアミン成分単位(b)
とからなる繰返し単位を有している。このようなテレフ
タル酸成分単位(a-1)を有する繰返し単位は、次式[1
−a]で表わすことができる。
【0015】
【化1】
【0016】ただし、上記式[1−a]において、R1
は、後述するジアミン成分単位に対応する2価の炭化水
素基、好ましくは炭素原子数4〜25のアルキレン基を
有するジアミン成分単位(b)を表わす。
【0017】また、芳香族ポリアミド前駆体[A]の繰
返し単位を構成するジカルボン酸成分単位(a)は、全部
が上記式[1−a]で表わされる成分単位である必要は
なく、上記のようなテレフタル酸成分単位(a-1)の一部
が他のジカルボン酸成分単位であってもよい。
【0018】このようなテレフタル酸成分単位以外のカ
ルボン酸成分単位には、テレフタル酸以外の芳香族ジカ
ルボン酸成分単位(a-2)と炭素原子数6〜18の直鎖状
脂肪族成分単位(a-3)とがある。
【0019】テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成
分単位(a-2)の具体例としては、イソフタル酸成分単
位、2-メチルテレフタル酸成分単位およびナフタレンジ
カルボン酸成分単位を挙げることができる。本発明で用
いられる芳香族ポリアミド前駆体[A]がテレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a-2)を含む場合、
このような成分単位としては、特にイソフタル酸成分単
位が好ましい。
【0020】ジカルボン酸成分単位がイソフタル酸を有
する場合には、芳香族ポリアミド樹脂を構成する繰返し
単位は、次式[1−b]で表わすことができる。
【0021】
【化2】
【0022】ただし、上記式[1−b]において、R1
は、後述するジアミン成分単位に対応する2価の炭化水
素基、好ましくは炭素原子数4〜25のアルキレン基を
有するジアミン成分単位(b)を表わす。
【0023】さらに、本発明に係る芳香族ポリアミド
は、炭素原子数6〜18の直鎖状脂肪族成分単位(a-3)
を有していてもよい。この脂肪族ジカルボン酸成分単位
(a-3)は、炭素原子数6〜18のアルキレン基を有する
直鎖状脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このような
直鎖状脂肪族ジカルボン酸成分単位(a-3)を誘導するた
めに用いられる脂肪族ジカルボン酸の具体例としては、
コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸およびセバシン酸
を挙げることができる。
【0024】芳香族ポリアミド前駆体[A]が脂肪族ジ
カルボン酸成分単位(a-3)を有する場合、このような成
分単位としては、特にアジピン酸成分単位およびセバシ
ン酸成分単位が好ましい。
【0025】ジカルボン酸成分単位が、脂肪族ジカルボ
ン酸成分単位(a-3)を有する場合には、芳香族ポリアミ
ド樹脂を構成する繰返し単位は、次式[1−c]で表わ
すことができる。
【0026】
【化3】
【0027】ただし、上記式[1−c]において、R1
は上記式[1−b]と同じ意味であり、nは通常6〜1
8の整数を表わす。本発明で用いられる芳香族ポリアミ
ド前駆体[A]は、上述のようにジカルボン酸成分単位
(a)とジアミン成分単位(b)とから形成されている。
【0028】ここでジアミン成分単位(b)には、脂肪族
ジアミン成分単位と脂環族ジアミン成分単位とがある。
脂肪族ジアミン成分単位は、通常は炭素原子数4〜2
5、好ましくは6〜18の脂肪族アルキレンジアミンか
ら誘導される成分単位である。この脂肪族アルキレンジ
アミンは、直鎖状のアルキレンジアミンであっても、分
岐を有する鎖状のアルキレンジアミンであってもよい。
【0029】このようなアルキレンジアミンの具体例と
しては、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、
1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジ
アミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、1,10-ジアミノ
デカン、1,11-ジアミノウンデカンおよび1,12-ジアミノ
ドデカンなどの直鎖状アルキレンジアミン;1,4-ジアミ
ノ-1,1-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1-エチルブタ
ン、1,4-ジアミノ-1,2-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-
1,3-ジメチルブタン、1,4-ジアミノ-1,4-ジメチルブタ
ン、1,4-ジアミノ-2,3-ジメチルブタン、1,5-ジアミノ-
2-メチルペンテン、1,2-ジアミノ-1-ブチルエタン、1,6
-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4-
ジメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-3,3-ジメチルヘキサ
ン、1,6-ジアミノ-2,2-ジメチルヘキサン、1,6-ジアミ
ノ-2,2,4-トリメチルヘキサン、1,6-ジアミノ-2,4,4-ト
リメチルヘキサン、1,7-ジアミノ-2,3-ジメチルヘプタ
ン、1,7-ジアミノ-2,4-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミ
ノ-2,5-ジメチルヘプタン、1,7-ジアミノ-2,2-ジメチル
ヘプタン、1,8-ジアミノ-1,3-ジメチルオクタン、1,8-
ジアミノ-1,4-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-2,4-ジ
メチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,4-ジメチルオクタ
ン、1,8-ジアミノ-4,5-ジメチルオクタン、1,8-ジアミ
ノ-2,2-ジメチルオクタン、1,8-ジアミノ-3,3-ジメチル
オクタン、1,8-ジアミノ-4,4-ジメチルオクタン、1,6-
ジアミノ-2,4-ジエチルヘキサンおよび1,9-ジアミノ-5-
メチルノナンなどの分岐を有する鎖状のアルキレンジア
ミンを挙げることができる。
【0030】芳香族ポリアミド前駆体[A]のジアミン
成分単位(b)としては、このような直鎖状アルキレンジ
アミンあるいは分岐を有する鎖状のアルキレンジアミン
のうち、直鎖状アルキレンジアミンから誘導された成分
単位が好ましく、特に1,6-ジアミノヘキサン、1,8-ジア
ミノオクタン、1,10-ジアミノデカンおよび1,12-ジアミ
ノドデカンなどの直鎖状のアルキレンジアミンから誘導
された成分単位が好ましい。これらのジアミンは単独
で、あるいは組み合わせて用いることもできる。
【0031】また、脂環族ジアミン成分単位は、通常は
炭素原子数が3〜25、好ましくは6〜18であり、か
つ少なくとも1個の脂環族炭化水素環を有する脂環族ジ
アミンから誘導される成分単位である。
【0032】このような脂環族ジアミンの具体例として
は、1,3-ジアミノシクロヘキサン、1,4-ジアミノシクロ
ヘキサン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、
1,4-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロン
ジアミン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、ビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシ
クロヘキシル)プロパン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチ
ルジシクロヘキシルプロパン、4,4'-ジアミノ-3,3'-ジ
メチルジシクロヘキシルメタン、4,4'-ジアミノ-3,3'-
ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'
-ジアミノ-3,3'-ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘキ
シルプロパン、α,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシ
ル)-p-ジイソプロピルベンゼン、α,α'-ビス(4-アミ
ノシクロヘキシル)-m-ジイソプロピルベンゼン、α,
α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-1,4-シクロヘキ
サンおよびα,α'-ビス(4-アミノシクロヘキシル)-1,
3-シクロヘキサンを挙げることができる。
【0033】これらの脂環族ジアミンのうち、ビス(ア
ミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4-アミノシクロヘ
キシル)メタン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メ
タン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンおよび
4,4'-ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン
が好ましく、さらに、ビス(4-アミノシクロヘキシル)
メタン、1,3-ビス(アミノシクロヘキシル)メタンおよ
び1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンが特に好ま
しい。これらのジアミンは単独で、あるいは組み合わせ
て用いることもできる。
【0034】本発明で用いられる芳香族ポリアミド前駆
体中[A]を構成する全ジカルボン酸成分(100モル
%)中におけるテレフタル酸成分単位(a-1)の含有率は
30〜100モル%、好ましくは40〜80モル%、さ
らに好ましくは45〜75モル%であり、テレフタル酸
以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a-2)の含有率は0
〜70モル%、好ましくは0〜60モル%、さらに好ま
しくは0〜30モル%であり、脂肪族ジカルボン酸成分
単位(a-3)の含有率は0〜70モル%、好ましくは0〜
60モル%、さらに好ましくは0〜55モル%の範囲内
に設定される。
【0035】このような芳香族ポリアミド前駆体[A]
は、テレフタル酸、ジアミン、必要により他の芳香族ジ
カルボン酸、および必要により直鎖状脂肪族ジカルボン
酸を、水の存在下に、加圧条件下、加熱することにより
製造することができる。
【0036】本発明において、芳香族ポリアミド前駆体
[A](オリゴマー)を調製する方法としては、ジカル
ボン酸とジアミンとを、またはジカルボン酸とジアミン
との塩などを、水およびリン系化合物の存在下に加熱す
る方法を用いることができる。
【0037】ここで使用されるリン化合物としては、リ
ン酸、その塩およびリン酸エステル化合物;亜リン酸、
その塩およびエステル化合物;次亜リン酸、その塩およ
びエステル化合物を用いることができる。
【0038】リン酸塩の具体例としては、リン酸カリウ
ム、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸マグ
ネシウム、リン酸マンガン、リン酸ニッケルおよびリン
酸コバルトを挙げることができる。
【0039】リン酸エステルの具体例としては、リン酸
メチルエステル、リン酸エチルエステル、リン酸イソプ
ロピルエステル、リン酸ブチルエステル、リン酸ヘキシ
ルエステル、リン酸イソデシルエステル、リン酸オクタ
デシルエステル、リン酸デシルエステル、リン酸ステア
リルエステルおよびリン酸フェニルエステルを挙げるこ
とができる。
【0040】また、亜リン酸塩の具体例としては、亜リ
ン酸カリウム、亜リン酸ナトリウム、亜リン酸カルシウ
ム、亜リン酸マグネシウム、亜リン酸マンガン、亜リン
酸ニッケルおよび亜リン酸コバルトを挙げることができ
る。
【0041】亜リン酸エステルの具体例としては、亜リ
ン酸メチルエステル、亜リン酸エチルエステル、亜リン
酸イソプロピルエステル、亜リン酸ブチルエステル、亜
リン酸ヘキシルエステル、亜リン酸イソデシルエステ
ル、亜リン酸オクタデシルエステル、亜リン酸デシルエ
ステル、亜リン酸ステアリルエステルおよび亜リン酸フ
ェニルエステルを挙げることができる。
【0042】さらに、次亜リン酸塩の具体例としては、
次亜リン酸カリウム、次亜リン酸ナトリウム、次亜リン
酸カルシウム、次亜リン酸バジウム、次亜リン酸マグネ
シウム、次亜リン酸マンガン、次亜リン酸ニッケルおよ
び次亜リン酸コバルトを挙げることができる。これらの
リン酸化合物は、単独であるいは組み合わせて使用する
ことができる。
【0043】このようなリン化合物は、上記のようなジ
カルボン酸に対して、通常は0.01〜5モル%、好ま
しくは0.02〜2モル%の割合で用いられる。この反
応において、ジアミンは、芳香族ジカルボン酸の総量
(テレフタル酸と、必要により用いられる他の芳香族ジ
カルボン酸あるいは直鎖状脂肪族ジカルボン酸との合計
量)1モルに対して、ほぼ1モルの割合で使用される。
この反応は、通常は不活性ガス雰囲気下で行われ、一般
には反応容器内を窒素ガス等の不活性ガスでパージす
る。
【0044】このような芳香族ポリアミド前駆体[A]
を調製する際の反応条件は、具体的には、反応温度は通
常は200〜290℃、好ましくは220〜280℃で
あり、反応時間は通常は0.5〜5時間、好ましくは1
〜3時間である。さらにこの反応は常圧から加圧のいず
れの条件で行うことができるが、加圧条件で反応を行う
ことが好ましく、反応圧は、通常20〜60kg/cm2、好
ましくは25〜50kg/cm2の範囲内に設定される。
【0045】このようにして重縮合反応を行うことによ
り、30℃、濃硫酸中での極限粘度[η]が通常は0.
05〜0.6dl/g、好ましくは0.08〜0.3dl/gの範
囲内にある芳香族ポリアミド前駆体[A]が得られる。
【0046】この芳香族ポリアミド前駆体[A]は、水
を含んでいるため、本発明では、この芳香族ポリアミド
前駆体[A]を乾燥した後、次の工程で使用する。ジアミン[B]の添加 本発明に係る芳香族ポリアミドの製造方法では、上記の
ようにして得られた芳香族ポリアミド前駆体[A]に、
ジアミン[B]を添加しながら、加熱溶融状態で剪断応
力を付与し、重縮合反応させる。このジアミン[B]の
添加は、連続的に行なうことが好ましい。
【0047】このようなジアミン[B]としては、前述
の脂肪族ジアミンおよび脂環族ジアミンから選ばれる少
なくとも1種以上のジアミンが用いられる。具体的には
ジアミンとしては、アルキレンジアミンが好ましく、さ
らに炭素原子数6〜18の直鎖状あるいは分岐を有する
鎖状のアルキレンジアミンが好ましく、特に1,6-ジアミ
ノヘキサンもしくは1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンが
好ましい。
【0048】また、芳香族ポリアミド前駆体[A]とジ
アミン[B]とは、芳香族ポリアミド前駆体[A]85
〜99.5重量%に対して、ジアミン[B]を0.5〜1
5重量%の割合で用いることが好ましく、特に芳香族ポ
リアミド前駆体[A]90〜99重量%に対して、ジア
ミン[B]を1.0〜10重量%の割合で用いることが
好ましい。
【0049】本発明では、上記の芳香族ポリアミド前駆
体[A]にジアミン[B]を添加しながら、加熱溶融状
態で重縮合反応させる。ジアミンの添加は、連続的に行
なうことが好ましいが、断続的に行なうこともできる。
【0050】すなわちこの芳香族ポリアミド前駆体
[A]を少なくとも該前駆体の溶融する温度に加熱し、
一般には、芳香族ポリアミド前駆体[A]の融点以上の
温度、好ましくは融点よりも10〜60℃高い温度に加
熱し、ジアミンを添加して重縮合反応させる。
【0051】また、本発明では、溶融状態にある芳香族
ポリアミド前駆体[A]に、剪断応力を付与しながら重
縮合反応させる。ここで、溶融状態にある芳香族ポリア
ミド前駆体[A]に、剪断応力を付与するには、例えば
ベント付き二軸押出機、ニーダー、ブラベンダーなどが
用いられる。そして、溶融状態にある芳香族ポリアミド
前駆体[A]に剪断応力をしながらジアミン[B]を連
続的に添加することにより、芳香族ポリアミド前駆体
[A]自体が重縮合するとともに、ジアミン[B]と芳
香族ポリアミド前駆体[A]との重縮合反応が進行す
る。
【0052】また本発明においては、ジアミン[B]の
添加量を変えることにより、得られる芳香族ポリアミド
樹脂の極限粘度を0.5〜3.0dl/gの範囲で調節するこ
とができ、目的や用途に応じた分子量の芳香族ポリアミ
ド樹脂が得られる。
【0053】本発明により得られた芳香族ポリアミド樹
脂のガラス転移温度は、通常は70〜125℃、好まし
くは80〜125℃の範囲内にある。さらにこの芳香族
ポリアミド樹脂は、通常は結晶性であるので融点を有し
ており、一般にこの融点は260〜360℃、多くの場
合280〜330℃の範囲内にある。
【0054】上記のようにして得られる芳香族ポリアミ
ド樹脂は、ジアミン[B]の添加量により異なった分子
量を有する芳香族ポリアミド樹脂である。
【0055】
【発明の効果】本発明に係る芳香族ポリアミド樹脂の製
造方法によれば、芳香族ポリアミド樹脂の製造時には、
カルボン酸の当量に対して過剰なジアミンを添加してい
るので、得られる芳香族ポリアミド樹脂は末端アミン基
の濃度を高くすることができ、添加するジアミンの量に
応じて芳香族ポリアミド樹脂の分子量を広い範囲で調節
することができる。
【0056】したがって、本発明に係る芳香族ポリアミ
ド樹脂の製造方法によれば、目的や用途に応じた分子量
を有する芳香族ポリアミド樹脂が得られる。
【0057】
【実施例】本発明の実施例によって説明するが、本発明
はこれら実施例によって限定されるものではない。
【0058】以下に記載するようにして5種類の芳香族
ポリアミド前駆体(ポリアミドAー1、A−2、Aー
3、A−4、A−5)を調製した。芳香族ポリアミド前駆体Aー1の調製 1,6-ジアミノヘキサン58.5kg(503モル)と、
テレフタル酸45.7kg(275モル)およびアジピ
ン酸32.9kg(225モル)と、触媒として次亜リ
ン酸ナトリウム106g(1.00モル)と、末端封止
剤として安息香酸763g(6.25モル)と、水14
リットルとを200リットルの反応器に仕込み、窒素置
換後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応させ
た。テレフタル酸とアジピン酸とのモル比(仕込み量)
は55:45である。
【0059】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、ノズルを介して大気中にフラッシュさせ、
固液分離と冷却とを同時に行い、次いで乾燥して、芳香
族ポリアミド前駆体122kgを得た。
【0060】芳香族ポリアミド前駆体Aー2の調製 1,6-ジアミノヘキサン58.5kg(503モル)と、
テレフタル酸37.4kg(225モル)およびアジピ
ン酸40.2kg(275モル)と、触媒として次亜リ
ン酸ナトリウム106g(1.00モル)と、末端封止
剤として安息香酸763g(6.25モル)と水14リ
ットルとを200リットルの反応器に仕込み、窒素置換
後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応させ
た。テレフタル酸とアジピン酸とのモル比(仕込み量)
は45:55である。
【0061】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、ノズルを介して大気中にフラッシュさせ、
固液分離と冷却とを同時に行い、次いで乾燥して、芳香
族ポリアミド前駆体121kgを得た。
【0062】芳香族ポリアミド前駆体Aー3の調製 1,6-ジアミノヘキサン57.8kg(497モル)と、
テレフタル酸58.1kg(350モル)およびイソフ
タル酸24.9kg(150モル)と、触媒として次亜
リン酸ナトリウム106g(1.00モル)と、末端封
止剤として安息香酸763g(6.25モル)と水14
リットルとを200リットルの反応器に仕込み、窒素置
換後、250℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応させ
た。テレフタル酸とイソフタル酸とのモル比(仕込み
量)は70:30である。
【0063】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、ノズルを介して大気中にフラッシュさせ、
固液分離と冷却とを同時に行い、次いで乾燥して、芳香
族ポリアミド前駆体125kgを得た。
【0064】芳香族ポリアミド前駆体Aー4の調製 1,6-ジアミノヘキサン56.9kg(490モル)と、
テレフタル酸58.1kg(350モル)、イソフタル
酸16.6kg(100モル)およびセバシン酸10.
1kg(50モル)と、触媒として次亜リン酸ナトリウ
ム106g(1.00モル)と、末端封止剤として安息
香酸763g(6.25モル)と水14リットルとを2
00リットルの反応器に仕込み、窒素置換後、250
℃、35Kg/cm2の条件で1時間反応させた。テレフタ
ル酸とイソフタル酸とセバシン酸とのモル比(仕込み
量)は70:20:10である。
【0065】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、ノズルを介して大気中にフラッシュさせ、
固液分離と冷却とを同時に行い、次いで乾燥して、芳香
族ポリアミド前駆体126kgを得た。
【0066】芳香族ポリアミド前駆体Aー5の調製 1,6-ジアミノヘキサン29.6kg(255モル)およ
び1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン29.0kg(25
0モル)と、テレフタル酸83.1kg(500モル)
と、触媒として次亜リン酸ナトリウム106g(1.0
0モル)と、末端封止剤として安息香酸763g(6.
25モル)と水14リットルとを200リットルの反応
器に仕込み、窒素置換後、250℃、35Kg/cm2の条
件で1時間反応させた。1,6-ジアミノヘキサンと1,5-ジ
アミノ-2-メチルペンタンとのモル比(仕込み量)は5
1:50である。
【0067】1時間経過後、この反応器内に生成した反
応生成物を、ノズルを介して大気中にフラッシュさせ、
固液分離と冷却とを同時に行い、次いで乾燥して、芳香
族ポリアミド前駆体126kgを得た。
【0068】
【実施例1】シリンダー設定温度を350℃の57mm
φ二軸押出機に上記芳香族ポリアミド前駆体A−1を3
0kg/時間(以下、「/h」という)および1,6-ジア
ミノヘキサンを300g/hで連続的に供給し、溶融重
縮合して芳香族ポリアミドを得た。
【0069】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0070】この芳香族ポリアミド樹脂の物性を表1に
示す。表中、極限粘度[η]は30℃濃硫酸中の測定値
であり、単位はdl/gである。また表中、末端アミノ基含
量は、メタクレゾール溶液中の芳香族ポリアミド樹脂を
パラトルエンスルホン酸で滴定した値であり、単位はミ
リ当量/g である。
【0071】
【実施例2】実施例1で1,6-ジアミノヘキサンを570
g/hで連続的に供給した以外は、実施例1と同様に行
った。
【0072】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0073】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表1に示す。
【0074】
【比較例1】実施例1で1,6-ジアミノヘキサンを供給し
ない以外は、実施例1と同様に行った。
【0075】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0076】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表1に示す。
【0077】
【実施例3】実施例1で1,6-ジアミノヘキサンの代わり
に1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを300g/hで供
給した以外は実施例1と同様に行った。
【0078】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0079】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表1に示す。
【0080】
【実施例4】実施例1で1,6-ジアミノヘキサンの代わり
に1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを570g/hで供
給した以外は実施例1と同様に行った。
【0081】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0082】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表1に示す。
【0083】
【実施例5】実施例1で1,6-ジアミノヘキサンの代わり
に1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを910g/hで供
給した以外は実施例1と同様に行った。
【0084】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が55モル%、アジピン酸成分単位含有率が45
モル%であった。
【0085】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】
【実施例6】シリンダー設定温度を350゜Cの57m
mφ二軸押出機に上記ポリアミド前駆体A−2を25k
g/h、および1,6-ジアミノヘキサンを250g/hで
連続的に供給し、溶融重縮合して芳香族ポリアミドを得
た。
【0088】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が45モル%、アジピン酸成分単位含有率が55
モル%であった。
【0089】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表2に示す。
【0090】
【実施例7】実施例6で1,6-ジアミノヘキサンを375
g/hで連続的に供給した以外は、実施例6と同様に行
った。
【0091】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が45モル%、アジピン酸成分単位含有率が55
モル%であった。
【0092】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表2に示す。
【0093】
【実施例8】実施例6で1,6-ジアミノヘキサンの代わり
に1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを250g/hで連
続的に供給した以外は、実施例6と同様に行った。
【0094】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が45モル%、アジピン酸成分単位含有率が55
モル%であった。
【0095】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表2に示す。
【0096】
【実施例9】実施例6で1,6-ジアミノヘキサンの代わり
に1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを375g/hで連
続的に供給した以外は、実施例6と同様に行った。
【0097】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が45モル%、アジピン酸成分単位含有率が55
モル%であった。
【0098】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表2に示す。
【0099】
【比較例2】実施例6で1,6-ジアミノヘキサンを供給し
ない以外は、実施例6と同様に行った。
【0100】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が45モル%、アジピン酸成分単位含有率が55
モル%であった。
【0101】また、この芳香族ポリアミド樹脂の物性を
表2に示す。
【0102】
【表2】
【0103】極限粘度[η]は、30℃濃硫酸中で測定
値で、単位はdl/gである。アミノ基(含量)はメタクレ
ゾール溶液中のパラトルエンスルホン酸による滴定値
で、単位はミリ当量/kgである。
【0104】
【実施例10】シリンダー設定温度を350゜Cの57
mmφ二軸押出機に上記ポリアミド前駆体B−1を23
kg/h、および1,6-ジアミノヘキサンを250g/h
で連続的に供給し、溶融重縮合して芳香族ポリアミドを
得た。
【0105】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が70モル%、イソフタル酸成分単位含有率が3
0モル%であった。
【0106】また、この芳香族ポリアミド樹脂の極限粘
度は1.00dl/gであった。
【0107】
【比較例3】実施例12で1,6-ジアミノヘキサンを供給
しない以外は、実施例12と同様に行ったが、重縮合反
応が十分進行せず、十分な分子量のポリマーが得られな
かった。
【0108】
【実施例11】シリンダー設定温度を350゜Cの57
mmφ二軸押出機に上記ポリアミド前駆体C−1を26
kg/h、および1,6-ジアミノヘキサンを850g/h
で連続的に供給し、溶融重縮合して芳香族ポリアミドを
得た。
【0109】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジカルボン酸成分単位中におけるテレフタル酸成分単位
含有率が70モル%、イソフタル酸成分単位含有率が2
0モル%、セバシン酸成分単位含有率が10モル%であ
った。
【0110】また、この芳香族ポリアミド樹脂の極限粘
度は1.10dl/gであった。
【0111】
【比較例4】実施例13で1,6-ジアミノヘキサンを供給
しない以外は、実施例13と同様に行ったが、重縮合反
応が十分進行せず、十分な分子量のポリマーが得られな
かった。
【0112】
【実施例12】シリンダー設定温度を350゜Cの57
mmφ二軸押出機に上記ポリアミド前駆体C−1を26
kg/h、および1,5-ジアミノ-2-メチルペンタンを2.
6kg/hで連続的に供給し、溶融重縮合して芳香族ポ
リアミド樹脂を得た。
【0113】得られた芳香族ポリアミド樹脂の組成は、
ジアミン成分単位中における1,6-ジアミノヘキサン成分
単位含有率が52モル%、1,5-ジアミノ-2-メチルペン
タン成分単位含有率が48モル%であった。
【0114】また、この芳香族ポリアミド樹脂の極限粘
度は1.12dl/gであった。
【0115】
【比較例5】実施例14で1,6-ジアミノヘキサンを供給
しない以外は、実施例14と同様に行ったが、重縮合反
応が十分進行せず、十分な分子量のポリマーが得られな
かった。
【0116】また、この芳香族ポリアミド樹脂の極限粘
度は0.47dl/gであった。
【0117】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉 山 和 人 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 吉 田 竹 巳 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テレフタル酸成分単位30〜100モル%
    とテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位0〜
    70モル%と炭素原子数6〜18の直鎖状脂肪族ジカル
    ボン酸成分単位0〜70モル%とからなるジカルボン酸
    成分単位と、 炭素原子数4〜25のアルキレン基を有する脂肪族ジア
    ミン成分単位および/または脂環族ジアミン成分単位か
    らなるジアミン成分単位とからなる芳香族ポリアミド前
    駆体を、 加熱溶融状態で剪断応力を付与しながら、脂肪族ジアミ
    ンおよび/または脂環族ジアミンを添加して、重縮合さ
    せることを特徴とする芳香族ポリアミド樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】脂肪族ジアミンおよび/または脂環族ジア
    ミンの添加を連続的に行なう請求項1に記載の芳香族ポ
    リアミド樹脂の製造方法。
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