JP2000001544A - 透明ポリアミド樹脂及びその製造法 - Google Patents

透明ポリアミド樹脂及びその製造法

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JP2000001544A JP9319299A JP9319299A JP2000001544A JP 2000001544 A JP2000001544 A JP 2000001544A JP 9319299 A JP9319299 A JP 9319299A JP 9319299 A JP9319299 A JP 9319299A JP 2000001544 A JP2000001544 A JP 2000001544A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】長時間沸騰水処理しても透明性やその成形品の
形状にほとんど変化が見られないポリアミド樹脂の提
供。 【解決手段】(A)ジカルボン酸から誘導される単位及
び(B)ジアミンから誘導される単位からなるポリアミ
ド樹脂であって、(A)のジカルボン酸が(A−1)炭
素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸から誘導される
単位50〜100モル%と(A−2)イソフタル酸から
誘導される単位0〜50モル%からなり、(B)のジア
ミンが構造式(1)で表されるジアミンであり、 (ここで、R1はCn2n(n=1〜3)の炭化水素、R
2およびR3はHあるいはCn2n+1(n=1〜3)の炭
化水素である。) ((A)のモル数):((B)のモル数)が100:9
5〜100:105である透明ポリアミド樹脂。又、
(C)脂肪族アミノカルボン酸及び/又はラクタムから
誘導される単位及び(A)、(B)からなるポリアミド
樹脂であって、(A)+(B)の合計量100モルに対
して(C)が0モルより多く、30モルより少ない割合
で配合された透明ポリアミド樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は特定のジカルボン酸
とジアミンから誘導される単位を有する新規な透明ポリ
アミド樹脂に関する。さらに詳しくは、炭素数が6〜2
2の分岐型飽和ジカルボン酸と特定の分子構造の脂環族
ジアミンを必須成分とするポリアミド樹脂に関し、長時
間沸騰水処理をしても透明性やその成形品の形状に変化
がほとんど見られないポリアミド樹脂とその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド樹脂は機械的性質、耐熱性、
耐油性、ガスバリヤー性などに優れており、繊維、フィ
ルム、自動車部品や電気・電子部品など各種用途に使用
されている。用途分野の拡大に伴い、繊維、フィルムや
各種機器のカバー類の用途で、ポリアミド樹脂の特性を
有し、かつ、透明性や成形品の形状保持性に優れたもの
が求められている。
【0003】従来、ポリアミド樹脂の結晶性を抑え、透
明でアモルファス(非晶)性のポリアミド樹脂を得る方
法に関し、種々の提案が行われている。例えば、外観上
透明でアモルファス性のポリアミド樹脂として、シクロ
ヘキサンやベンゼンの1,3位にアミド結合を持つポリ
アミド樹脂が知られている。例えば、特開昭51−11
9794号公報には、1,3−ビスアミノメチルシクロ
ヘキサン、ドデカンジオン酸などを原料とするコポリア
ミドが開示されている。しかし、このポリアミド樹脂は
沸騰水処理により、透明性が失われたり、その成形品の
形状が変化したりする。
【0004】2種以上のモノマー成分を共重合させるこ
とにより、透明でアモルファス性のポリアミド樹脂を得
られることが知られている。例えば、脂肪族の結晶性ポ
リアミド樹脂であるナイロン6、ナイロン66及び/又
はナイロン12を共重合させたポリアミド樹脂は特定の
組成割合で外観上透明なアモルファス性のコポリアミド
になることがJ.Appl.Polym.Sci.,vol.62,No.13,
2237−2245(1996)に報告されている。しかし、このコ
ポリアミドは、結晶性のポリアミド樹脂どおしの組合わ
せであるため、熱処理や沸騰水処理等によって結晶化が
進み、透明性が失われたり、その成形品の形状が変化し
たりする。
【0005】又、特公昭49−36959号公報で提案
のナイロン6T/6I=3/7(ヘキサメチレンジアミ
ンとテレフタル酸、ヘキサメチレンジアミンとイソフタ
ル酸を原料とし、組成比が3/7のコポリアミド)は透
明性を有するとされている。しかし、このポリアミド樹
脂も沸騰水処理によって透明性が失われたり、その成形
品の形状が変化したりする。
【0006】特開平5−310923号公報では、ナイ
ロン6N/6(ヘキサメチレンジアミンと2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、ε-カプロラクタムを原料とする
コポリアミド)が、又、特開平6−65371号公報で
は、ナイロン6N/6I(ヘキサメチレンジアミンと
2,6−ナフタレンジカルボン酸,ヘキサメチレンジア
ミンとイソフタル酸を原料とするコポリアミド)が透明
性を有するポリアミドとして紹介されている。しかし、
いずれのポリアミドも、示差走査熱量分析の吸熱ピーク
や動的固体粘弾性測定の弾性率の変化から結晶性である
ことが判る。そのため、沸騰水処理により、結晶化が容
易に進み、透明性が失われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上、公知の透明性を
有するとされるポリアミド樹脂は、炭素−炭素結合とア
ミド基からなる直鎖状の主鎖骨格をもっており、本質的
には結晶化することにより安定的な構造になると考えら
れる。すなわち、公知の透明性を有するとされるポリア
ミド樹脂のほとんどは、重合直後、透明であっても、長
期間経過したり、ポリアミド樹脂の結晶化が促進される
沸騰水処理を受けると、透明性が失われたり、その成形
品の形状が変化したりするものであった。そこで、本発
明は長時間の沸騰水処理を受けた後でも透明性やその成
形品の形状がほとんど変化しないアモルファス性の高い
新規なポリアミド樹脂及びその製造法の提供を目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、長時間沸
騰水処理しても透明性が失われず、その成形品の形状が
ほとんど変化しないポリアミド樹脂を得るため、透明性
とポリアミド樹脂の分子構造との関係について検討を重
ねた結果、炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸と
特定の脂環族ジアミンを必須成分とするポリアミドが透
明性に優れていることを見出し、本発明に到った。
【0009】すなわち、本発明は、(A)ジカルボン酸
から誘導される単位及び、(B)ジアミンから誘導され
る単位、からなるポリアミド樹脂であって、(A)のジ
カルボン酸が(A−1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジ
カルボン酸から誘導される単位50〜100モル%と
(A−2)イソフタル酸から誘導される単位0〜50モ
ル%からなり、(B)のジアミンが構造式(1)で表さ
れるジアミンであり、
【化2】 (ここで、R1はCn2n(n=1〜3)の炭化水素、R
2およびR3はHあるいはCn2n+1(n=1〜3)の炭
化水素である。) ((A)のモル数):((B)のモル数)が100:9
5〜100:105である透明ポリアミド樹脂。
【0010】又、本発明は、(C)脂肪族アミノカルボ
ン酸及び/又はラクタムから誘導される単位及び前記の
(A)、(B)からなるポリアミド樹脂であって、
(A)+(B)の合計量100モルに対して(C)が0
モルより多く、30モルより少ない割合で配合された透
明ポリアミド樹脂である。
【0011】又、前記の透明ポリアミドを製造する際、
前重合工程で数平均分子量が800〜4,000の範囲
になるまで重合し、後重合工程で数平均分子量が7,0
00〜30,000の範囲になるまで重合する前記の透
明ポリアミド樹脂の製造法である。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を詳細に説明す
る。本発明のポリアミド樹脂を形成する(A)のジカル
ボン酸は、(A−1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジカ
ルボン酸と(A−2)イソフタル酸で構成される。(A
−1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸の具体
例としては、1,6−デカンジカルボン酸(「2−ブチ
ルオクタンジオン酸」と呼ぶこともある)、2,3−ジ
ブチルブタンジオン酸、8−エチルオクタデカンジオン
酸、8,13−ジメチルエイコサジオン酸、2−オクチ
ルウンデカンジオン酸、2−ノニルデカンジオン酸など
が挙げられる。これらは単独で使用しても良く、2種類
以上を適宜組合せて使用しても良い。これらの(A−
1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸は、シク
ロヘキサノンの酸化、7−シアノウンデカン酸の加水分
解、オレイン酸など不飽和カルボン酸のヒドロホルミル
化、コッホ(Koch)−カルボキシル化、レッペ(R
eppe)ーカルボキシル化などの公知の方法によって
製造される。イソフタル酸は市販品をそのまま使用して
も良いし、再結晶などにより精製してから使用しても良
い。(A)のジカルボン酸を構成する(A−1)炭素数
6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸の割合は50〜10
0モル%、好ましくは60〜95モル%であり、(A−
2)イソフタル酸の割合は0〜50モル%、好ましくは
5〜40モル%である。(A−1)炭素数6〜22の分
岐型飽和ジカルボン酸の割合が50モル%未満の場合、
得られるポリアミド樹脂のガラス転移温度が200℃よ
り高くなるため、重合時の溶融粘度が高くなり、均一な
状態で溶融重合することが難しく、均質で、良好なポリ
アミド樹脂を得ることが出来なくなることがあり、好ま
しくない。
【0013】本発明のポリアミド樹脂を形成する(B)
のジアミンは、構造式(1)で表される脂環族ジアミン
である。
【化3】 (ここで、R1はCn2n(n=1〜3)の炭化水素、R
2およびR3はHあるいはCn2n+1(n=1〜3)の炭
化水素である。) 脂環式ジアミンの具体例としては、4,4’−ジアミノ
ジシクロヘキシルメタン,4,4’−ジアミノ−3,
3’−ジメチルジシクロヘキシルメタンおよび4,4’
−ジアミノジシクロヘキシルプロパン等が挙げられる。
これらは単独でも使用できるし、2種以上を適宜組合せ
て使用しても良い。
【0014】(A)のジカルボン酸と(B)のジアミン
の使用量は、モル比で(A):(B)が100:95〜
100:105、、好ましくは100:98〜100:
102である。(A)のモル数は(A−1)炭素数6〜
22の分岐型飽和ジカルボン酸のモル数と(A−2)イ
ソフタル酸のモル数の合計量である。(A):(B)の
比が過度にこの範囲を外れると製造されるポリアミドの
数平均分子量の制御が難しくなり、目的のポリアミドを
得ることが難しくなる。
【0015】(A)と(B)とを重合させることにより
得られるポリアミドは本発明目的の好ましいポリアミド
である。又、(A)、(B)及び(C)を重合させるこ
とにより得られるポリアミドも、本発明目的の好ましい
ポリアミドである。本発明で使用される(C)の脂肪族
アミノカルボン酸は炭素数4〜12のω−アミノカルボ
ン酸であり、又、ラクタムは炭素数4〜12の環状アミ
ド化合物(三員環以上のラクタム)である。脂肪族アミ
ノカルボン酸の具体例としては、6−アミノカプロン
酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクチル酸、9
−アミノノナン酸、10−アミノカプリン酸、11−ア
ミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などがあ
る。ラクタムの具体例としては、ε−カプロラクタム、
ω−エナントラクタム、ω−ウンデカンラクタム、ω−
ドデカラクタムなどが挙げられる。このうち、本発明で
は11−アミノウンデカン酸及び12−アミノドデカン
酸が好ましく、使用される。
【0016】本発明の脂肪族アミノカルボン酸及び/又
はラクタムの使用量は(A)と(B)の合計量100モ
ル%に対して0より多く、30モル%より少ない量であ
る。この量が30モル%をこえる場合は、得られるポリ
アミド樹脂が結晶性となり易く、長時間の沸騰水処理に
より、透明性が失われたり、その成形品の形状が変化し
たりする。
【0017】本発明のポリアミドの製造法は上記原料が
重合できる方法であれば、特に制約はない。通常、溶融
重合法や溶液重合法が採用できるが、生産性の面から溶
融重合法が好ましく採用される。重合反応の際、原料と
して上記(A)及び(B)、又は、(A)、(B)及び
(C)をそのまま重合に使用しても良い。又、公知の方
法であらかじめ、炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボ
ン酸及び/又はイソフタル酸と脂環族ジアミンとのナイ
ロン塩をつくり、これを原料として使用しても良い。
【0018】本発明のポリアミド樹脂の具体的な重合法
の一例を以下に説明する。上記原料又は上記原料と水と
を重合槽に仕込み、所定温度で加圧下又は常圧下に溶融
重合を行う前重合工程とそれに引続いて前重合温度と同
じか又はそれより高温で常圧下及び/又は減圧下に溶融
重合を行う後重合工程により本発明の透明ポリアミド樹
脂を製造することができる。
【0019】前重合工程は、原料をドライブレンドする
か又は原料及び/又はナイロン塩を水溶液の形で混合す
るなどの方法により、所定の割合で原料を調整し、これ
に必要に応じて水を加えて重合槽に仕込み、撹拌下に温
度160〜320℃、圧力0〜50kgf/cm2Gの条件で5
分〜10時間重合させることにより実施される。
【0020】前重合工程での重合温度は160〜320
℃、好ましくは180〜280℃、さらに好ましくは1
80〜230℃である。重合温度が160℃未満である
と重合速度が遅くなり、重合時間が長くなりすぎるので
好ましくない。又、重合温度が320℃より高くなる
と、得られるポリアミド樹脂の物性に好ましくない副反
応や熱分解反応が起こり、ポリアミド樹脂が着色した
り、ゲル化物が生成したり、物性が低下したりすること
があるので好ましくない。
【0021】前重合工程での圧力は重合槽内の圧力であ
り、主として重合槽に仕込んだ水と縮合反応によって生
じた水とが示す水蒸気圧力である。従って、この圧力は
温度及び水の使用量によって飽和水蒸気圧力以下の圧力
に適宜調節できる。通常、この圧力は0〜50kgf/cm
2G、好ましくは0〜30kgf/cm2Gである。この圧力は、
例えば、重合槽に直結された圧力調節弁などによって調
節される。この圧力が0kgf/cm2G未満であると、原料中
の蒸気圧の高いジアミンが重合槽外に蒸発してジカルボ
ン酸とのモルバランスが崩れ、前重合物が所定の数平均
分子量に到達しなくなることがある。又,圧力が50kg
f/cm2Gを越えると縮合反応が抑制され、前重合物が所定
の数平均分子量に到達しなくなることがある。
【0022】前重合工程での重合時間は5分〜10時
間、好ましくは10分〜7時間、さらに好ましくは30
分〜5時間である。重合時間が5分未満であると、重合
が十分に進まず、前重合物が所定の数平均分子量に到達
しなくなることがある。又、10時間より長いと、長時
間の加熱によって得られるポリアミド樹脂の物性が低下
することがある。
【0023】本発明の原料に水を加えて前重合を行う場
合、重合槽に水を仕込む方法は特に制約はない。原料及
び/又はナイロン塩を水溶液として供給しても良く、
又、所定量のイオン交換水などの純水または蒸留水など
を別に供給しても良い。使用する水はイオン交換水など
の純水または蒸留水を供給する直前に沸騰させて水中に
溶存している酸素を取り除いた脱気水が好ましく使用さ
れる。水を使用する場合、重合槽に仕込む水の量は、通
常、前記原料の合計量100重量部当たり1〜150重
量部である。水の量が1重量部より少なくなると、前重
合を溶融状態で安定して行うことが難しくなるため、好
ましくない。また,水の量が150重量部より多くなる
と、前重合物が所定の数平均分子量に到達しなくなるこ
とがある。
【0024】本発明において、前重合物の数平均分子量
は前重合物の末端基であるアミノ基濃度(以下「[NH
2]」と記載することがある。)及びカルボキシル基濃度
(以下「[COOH]」と記載することがある。)から求
められる数平均分子量(以下「Mn」と略記することが
ある。)が800以上、好ましくは800〜4,000
である。前重合物のMnが800未満の場合、後重合工
程でジアミンが系外へ留去し易くなり、末端基のアミノ
基とカルボキシル基の濃度がアンバランスとなり、数平
均分子量が上昇しないことがあるので好ましくない。数
平均分子量が4,000を越えると前重合時の溶融状態
が不安定となることがあるので好ましくない。
【0025】本発明において、前重合を行う装置(前重
合装置)は特に制約がなく、バッチ反応釜、又は1槽式
ないし多槽式の連続反応装置、管状連続反応装置など公
知のポリアミド樹脂の製造装置が使用できる。これらの
中でも、前重合工程の重合時間が均一となるバッチ反応
釜が好ましく用いられる。
【0026】以上の方法で得られた前重合物は、引続い
て、後重合が行われる。後重合工程は溶融重合で行わ
れ、重合温度は前重合と同じ温度又はそれより高温であ
り、圧力は常圧及び/又は減圧である。後重合工程での
重合温度は160〜320℃、好ましくは200〜30
0℃、さらに好ましくは230〜280℃である。重合
温度が160℃未満であると重合速度が遅くなり、重合
時間が長くなるので好ましくない。又、重合温度が32
0℃より高い場合、ポリアミド樹脂の物性に好ましくな
い副反応や熱分解反応が起こってポリアミド樹脂が着色
したり、ゲル化物が生成したり、得られたポリアミド樹
脂の物性が低下したりするので好ましくない。
【0027】後重合工程での圧力は常圧及び/又は減圧
であり、通常、10〜760mmHg、好ましくは50
〜760mmHgである。圧力が760mmHgを越え
る加圧下では、前重合物中に含まれる水及び前重合物の
縮合反応により生成する水からなる水蒸気を系外へ除去
することが難しくなり、重縮合反応が十分進行しなくな
ることがあるので、好ましくない。又、圧力が10mm
Hg未満では、重縮合反応の促進効果がそれ以上望めな
いだけてなく、排気のための減圧設備に多大のコストが
必要となるので好ましくない。
【0028】減圧のための排気は、後重合工程に使用す
る装置に少なくとも1個のベント口を設け、該ベント口
を大気解放状態にするか、又は、該ベント口をナッシュ
ポンプ、メカニカルブースター、スチームエゼクターな
どの公知の真空設備に接続して強制的に排気するなどの
方法で行われる。
【0029】常圧下及び/又は減圧下における後重合の
時間は数平均分子量が十分に大きくなり、かつ、重合物
が熱分解しない条件で選ばれる。通常、1分〜10時間
である。重合時間が前記下限より短いと重合物の数平均
分子量が十分に大きくならず、又、長くなると重合物が
熱劣化を起こしたりするので、いずれの場合も所望の物
性を有するポリアミド樹脂が得られなくなることがある
ので好ましくない。
【0030】本発明のポリアミド樹脂を製造するプロセ
スは、特に制約はなく、バッチプロセスであっても、連
続プロセスであってもよい。バッチプロセスの場合、前
記前重合工程と後重合工程を一つの反応装置で行っても
良いし、又、前重合工程のみを加圧反応釜で行い、後重
合工程は表面更新性に優れる1軸型混練押出機、2軸型
混練押出機又は多軸型混練押出機などの混練押出機や特
公平4-32096号公報に開示された横型第2重合槽
(2軸混合撹拌機)などの装置を用い、短時間で重合さ
せても良い。連続プロセスの場合、1槽式ないし多槽式
の連続反応装置又は管状連続反応装置など公知の装置が
使用できる。
【0031】後重合工程を経て得られる本発明の透明ポ
リアミド樹脂のMnは7,000〜30,000の範囲
にある。Mnが7,000未満では所望の材料物性が得
られなくなるので好ましくなく、30,000を越える
と、得られたポリアミド樹脂の溶融粘度が高くなり溶融
成形が困難となることがあるので好ましくない。
【0032】本発明の前重合工程又は後重合工程におい
て、必要ならば重合促進剤や熱安定剤として無機系リン
化合物などを添加しても良い。無機系リン化合物の具体
例としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、ピロリン
酸、ポリリン酸ならびにこれらのアルカリ金属塩やアル
カリ土類金属塩などがある。これら無機系リン化合物の
使用量は,通常,得られるポリアミド樹脂に対して50
〜1000ppmである。添加方法は、特に制約がな
く、例えば、前重合工程の際に原料モノマーとドライブ
レンドしたり、あるいは、前重合工程または後重合工程
の際に水溶液として供給するなどの方法で行われる。
【0033】得られるポリアミド樹脂のMnや成形加工
時の溶融粘度を安定化させるため、必要ならば、前重合
工程又は後重合工程の際にアミンやカルボン酸などを分
子量調節剤として添加することができる。添加するアミ
ンやカルボン酸は一官能及び/又は二官能のものであれ
ば特に制約はなく、具体例としては、ラウリルアミン、
ステアリルアミン、ベンジルアミンなどのモノアミン、
1,6-ジアミノヘキサン、1,7-ジアミノヘプタン、
1,8-ジアミノオクタン、1,9-ジアミノノナン、
1,10-ジアミノデカン、1,11-ジアミノウンデカ
ン、1,12-ジアミノドデカン、メタキシリレンジア
ミン、パラキシリレンジアミンなどのジアミン、酢酸、
安息香酸、ラウリン酸、ステアリン酸などのモノカルボ
ン酸及びブタンジオン酸、ペンタンジオン酸、ヘキサン
ジオン酸、オクタンジオン酸、ノナンジオン酸、デカン
ジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸が挙げら
れる。これらの分子量調節剤の使用量は、最終的に得よ
うとするポリアミド樹脂のMnが7,000〜30,0
00の範囲になるように、適宜選択される。
【0034】さらに、本発明のポリアミド樹脂は前重合
時あるいは後重合時に必要に応じ、耐熱剤、酸化防止
剤、耐候剤、滑剤、帯電防止剤、顔料、染料、アンチブ
ロッキング剤などをポリアミドの物性を損なわない範囲
で添加することができる。
【0035】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をさ
らに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらの実施例
及び比較例によって何ら限定されるものではない。実施
例及び比較例に示したポリアミド樹脂の諸物性は下記方
法により測定した。
【0036】(1)相対粘度(ηr)の測定 JIS K6810に準じ、98重量%の濃硫酸を溶媒
として、1重量/容量%のポリマー濃度で25℃におい
て、ウベローデ粘度計を用い、測定した。
【0037】(2)末端アミノ基濃度([NH2])の測
定(単位はeq/g) 約1gのポリマーをフェノール/メタノール混合溶媒
(容量比:9/1)40mlに溶解し、指示薬としてチ
モールブルーを用い、得られた試料溶液を1/20規定
の塩酸で滴定する方法で測定した。
【0038】(3)末端カルボキシル基濃度([COO
H])の測定(単位はeq/g) 約1gのポリマーに40mlのベンジルアルコールを加
え、窒素ガス雰囲気下で加熱溶解し、指示薬としてフェ
ノールフタレインを用い、得られた試料溶液を1/20
規定の水酸化カリウム−エタノール溶液で滴定する方法
で測定した。
【0039】(4)数平均分子量(Mn)の求め方 前記(2)項記載の方法により求めた末端アミノ基濃度
([NH2])と前記(3)項記載の方法により求めた末
端カルボキシル基濃度([COOH])の平均値の逆数と
して求めた。
【0040】(5)ガラス転移温度(Tg)の測定 試料ポリマーのガラス転移温度は1−ヘプタンとインジ
ウムによって検定した(株)島津製作所製示差走査熱量
計DSC-50を用い、試料ポリマーを液体窒素によっ
て−50℃まで冷却し、次に、10℃/minの昇温速度で
200℃まで昇温して測定した。なお、測定中、試料ポ
リマーは30ml/minの割合で供給されるヘリウムガス
の雰囲気下に保った。Tgの単位は℃である。
【0041】(6)沸騰水処理試験 加熱圧縮成形機((株)神藤金属工業所製、F−37
型、型締力37T)を使用し、230℃、100kgf/cm
2G、保持時間3分の条件で、試料のポリアミドを圧縮成
形して、縦約20mm、横約20mm、厚さ約1mmの
シートをつくった。このシートを沸騰水(95〜99
℃)中に浸漬し、1週間後のシートの透明性や変形の程
度を目視で評価した。
【0042】実施例1 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた1lの圧力容器に、4,4’−ジアミ
ノジシクロヘキシルメタン(以降「DADCHM」と記
載する。)168g(0.798モル)と1,6−デカ
ンジカルボン酸184g(0.799モル)を仕込ん
だ。次いで、圧力容器内を十分窒素置換した後、撹拌下
密閉状態で昇温し、圧力は10kgf/cm2Gに保ちながら2
00℃で3時間、前重合を行った。圧力を維持したまま
で、生成した前重合物を圧力容器底部の重合物取出口か
ら数グラム抜き出した。得られたこのポリアミド樹脂は
脆いガラス状ポリマーであった。30〜45℃で、48
時間以上真空乾燥した後、このポリアミド樹脂の[NH
2]と[COOH]を測定してMnを求めた。Mnは2,8
00であった。次いで、圧力容器内の温度を280℃ま
で30分かけて昇温した。その時、圧力は25kgf/cm2G
になった。温度を280℃に維持したままで、圧力容器
内の圧力を30分かけて徐々に放圧し、常圧にしてか
ら、該容器内に200ml/minの速度で窒素ガスを流し
ながら、280℃、760mmHgで3時間、後重合を
行った。その後、撹拌を止め、生成したポリアミド樹脂
を圧力容器底部の重合物取出口からひも状に取り出し、
水槽で冷却してから円柱状チップに切断した。このチッ
プを80℃で72時間真空乾燥した。得られたポリアミ
ド樹脂は無色透明であり、このポリアミド樹脂を圧縮成
形して得たシートを沸騰水中で1週間処理したが、透明
なままであり、変形は観察されなかった。このポリアミ
ド樹脂の示差走査熱量分析ではTg以外の変化は観察さ
れず、アモルファス性であることが確認された。使用し
た原料名と仕込み組成を表1に、得られたポリアミド樹
脂の諸物性を表2にそれぞれ示す。
【0043】実施例2 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器に4,4’−ジア
ミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン(以
降「DAMDCHM」と記載する。)179g(0.7
51モル)と1,6−デカンジカルボン酸173g
(0.751モル)を仕込んだ。次に、圧力容器内を十
分窒素置換した後、撹拌下密閉状態で昇温し、圧力を1
2kgf/cm2Gに保ちながら210℃で4時間、前重合を行
った。圧力を維持したままで、生成した前重合物を圧力
容器底部の重合物取出口から数グラム抜き出した。得ら
れたこのポリアミド樹脂は脆いガラス状ポリマーであっ
た。30〜45℃で、48時間以上真空乾燥した後、こ
のポリアミド樹脂の[NH2]と[COOH]を測定してM
nを求めた。Mnは2,500であった。次いで、圧力
容器内の温度を280℃まで30分かけて昇温した。そ
の時、圧力は25kgf/cm2Gになった。温度を280℃に
維持したままで、圧力容器内の圧力を30分かけて、徐
々に常圧まで放圧してから、該容器内に200ml/min
の速度で窒素ガスを流しながら、280℃、760mm
Hgで4時間、後重合を行った。その後、撹拌を止め、
生成したポリアミド樹脂を圧力容器底部の重合物取出口
からひも状に取り出し、水槽で冷却してから円柱状チッ
プに切断した。このチップを80℃で72時間真空乾燥
した。得られたポリアミド樹脂は無色透明であり、この
ポリアミド樹脂を圧縮成形して得たシートを沸騰水中で
1週間処理したが、透明なままであり、変形は観察され
なかった。このポリアミド樹脂の示差走査熱量分析では
Tg以外は観察されず、アモルファス性であることが確
認された。使用した原料名と仕込み組成を表1に、得ら
れたポリアミド樹脂の諸物性を表2にそれぞれ示す。
【0044】実施例3 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器に、4,4’−ジ
アミノジシクロヘキシルプロパン(以降、「DADCH
P」と記載する。)186g(0.780モル)と1,
6−デカンジカルボン酸180g(0.781モル)を
仕込んだ。次に、圧力容器内を十分窒素置換した後、撹
拌下密閉状態で昇温し、圧力は13kgf/cm2Gに保ちなが
ら220℃で4時間、前重合を行った以外は、実施例2
と同様の方法で実施した。前重合で得られたポリアミド
樹脂のMnは2,100であった。後重合で得られたポ
リアミド樹脂は、無色透明であり、このポリアミド樹脂
を圧縮成形して得られたシートを沸騰水中で1週間処理
したが、透明なままであり、変形も観察されなかった。
このポリアミド樹脂の示差走査熱量分析ではTg以外は
観察されなかった。使用した原料名と仕込み組成を表1
に、得られたポリアミド樹脂の諸物性を表2にそれぞれ
示す。
【0045】実施例4 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口および重
合物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM
160g(0.760モル)、1,6−デカンジカルボ
ン酸131g(0.569モル)、イソフタル酸32g
(0.192モル)及び12−アミノドデカン酸36g
(0.167モル)を仕込んだ。次に,圧力容器内を十
分窒素置換した後,撹拌下密閉状態で昇温し,圧力は1
3kgf/cm2Gに保ちながら200℃で4時間、前重合を行
った以外は、実施例2と同様の方法で実施した。前重合
で得たポリアミド樹脂のMnは3,000であった。後
重合で得られたポリアミド樹脂は、無色透明であり、こ
のポリアミド樹脂を圧縮成形して得られたシートを沸騰
水中で1週間処理したが、透明なままであり、変形も観
察されなかった。このポリアミド樹脂の示差走査熱量分
析ではTg以外は観察されなかった。使用した原料名と
仕込み組成を表1に、得られたポリアミド樹脂の諸物性
を表2にそれぞれ示す。
【0046】実施例5 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
58g(0.751モル)、1,6−デカンジカルボン
酸173g(0.751モル)、ω−ドデカラクタム4
8g(0.243モル)及びイオン交換水18gを仕込
んだ。次に、圧力容器内を十分窒素置換した後、撹拌下
密閉状態で昇温し、圧力を30kgf/cm2Gに保ちながら2
80℃で5時間、前重合を行った以外は実施例2と同様
の方法で実施した。前重合で得られたポリアミド樹脂の
Mnは3,300であった。後重合で得られたポリアミ
ド樹脂は、無色透明であり、このポリアミド樹脂を圧縮
成形して得られたシートを沸騰水中で1週間処理した
が、透明なままであり、変形も観察されなかった。この
ポリアミド樹脂の示差走査熱量分析ではTg以外は観察
されなかった。使用した原料名と仕込み組成を表1に、
得られたポリアミド樹脂の諸物性を表2にそれぞれ示
す。
【0047】実施例6 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
47g(0.701モル)、8−エチルオクタデカンジ
オン酸240g(0.701モル)及びイオン交換水1
8gを仕込んだ。次に、圧力容器内を十分窒素置換した
後、攪拌下密閉状態で昇温し、圧力を17kgf/cm
2Gに保ちながら230℃で5時間、前重合を行った以
外は、実施例2と同様の方法で実施した。前重合で得ら
れたポリアミド樹脂のMnは3,800であった。後重
合で得られたポリアミド樹脂は、無色透明であり、この
ポリアミド樹脂を圧縮成形して得られたシートを沸騰水
中で1週間処理したが、透明なままであり、変形も観察
されなかった。このポリアミド樹脂の示差走査熱量分析
ではTg以外は観察されなかった。使用した原料名と仕
込み組成を表1に、得られたポリアミド樹脂の諸物性を
表2にそれぞれ示す。
【0048】実施例7 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
26g(0.599モル)、8,13−ジメチルエイコ
サジオン酸222g(0.600モル)及びイオン交換
水20gを仕込んだ。次に、圧力容器内を十分窒素置換
した後、攪拌下密閉状態で昇温し、圧力を20kgf/
cm2Gに保ちながら230℃で5時間、前重合を行っ
た以外は、実施例2と同様の方法で実施した。前重合で
得られたポリアミド樹脂のMnは3,600であった。
後重合で得られたポリアミド樹脂は、無色透明であり、
このポリアミド樹脂を圧縮成形して得られたシートを沸
騰水中で1週間処理したが、透明なままであり、変形も
観察されなかった。このポリアミド樹脂の示差走査熱量
分析ではTg以外は観察されなかった。使用した原料名
と仕込み組成を表1に、得られたポリアミド樹脂の諸物
性を表2にそれぞれ示す。
【0049】比較例1 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
30g(0.619モル)、1,6−デカンジカルボン
酸57g(0.247モル)、イソフタル酸62g(0.
373モル)及び12−アミノドデカン酸109g
(0.506モル)を仕込んだ以外は、実施例4と同様
の方法で実施した。前重合で得られたポリアミド樹脂の
Mnは3,000であった。後重合で得られたポリアミ
ド樹脂は無色透明であったが、このポリアミド樹脂を圧
縮成形して得たシートを沸騰水中で処理すると約1時間
で透明性は失われた。使用した原料名と仕込み組成を表
1に、得られたポリアミド樹脂の諸物性を表2にそれぞ
れ示す。
【0050】比較例2 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
90g(0.903モル)、1,6−デカンジカルボン
酸75g(0.326モル)、イソフタル酸96g(0.
577モル)及びイオン交換水36gを仕込んだ。次
に、圧力容器内を十分窒素置換した後、撹拌下密閉状態
で昇温し、圧力を30kgf/cm2Gに保ちながら240℃で
4時間、前重合を行った。前重合で得られたポリアミド
樹脂のMnは1,100であった。後重合後、生成した
ポリアミド樹脂を圧力容器底部の重合物取出口からひも
状で取り出すために圧力容器内を20kgf/cm2Gの窒素ガ
スで加圧したが、粘度が高く取り出すことができなかっ
た。そのため、このポリアミド樹脂の沸騰水処理や示差
走査熱量分析は実施しなかった。使用した原料名と仕込
み組成を表1に示す。
【0051】比較例3 撹拌機、温度計、圧力計、窒素導入口、放圧口及び重合
物取出口を備えた容量1lの圧力容器にDADCHM1
15g(0.546モル)、1,6−デカンジカルボン
酸125g(0.544モル)及び12−アミノドデカ
ン酸120g(0.557モル)を仕込んだ以外は実施
例4と同様の方法で実施した。前重合で得られたポリア
ミド樹脂のMnは3,000であった。後重合で得られ
たポリアミド樹脂は無色透明であったが、このポリアミ
ド樹脂を圧縮成形して得たシートを沸騰水中で処理する
と約1時間で透明性は失われ、変形していた。使用した
原料名と仕込み組成を表1に、得られたポリアミド樹脂
の諸物性を表2にそれぞれ示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】本発明は、特定の分岐型飽和ジカルボン
酸と構造式(1)で表される脂環族ジアミンを必須成分
とし、必要により脂肪族アミノカルボン酸及び/又はラ
クラムを構成成分とするポリアミド樹脂であって、該ポ
リアミド樹脂は、長時間の沸騰水処理後でも、透明性及
びその成形品の形状はほとんど変化が見られない。
【化4】 (ここで、R1はCn2n(n=1〜3)の炭化水素、R
2およびR3はHあるいはCn2n+1(n=1〜3)の炭
化水素である。)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ジカルボン酸から誘導される単位
    及び、(B)ジアミンから誘導される単位からなるポリ
    アミド樹脂であって、(A)のジカルボン酸が(A−
    1)炭素数6〜22の分岐型飽和ジカルボン酸から誘導
    される単位50〜100モル%と(A−2)イソフタル
    酸から誘導される単位0〜50モル%からなり、(B)
    のジアミンが構造式(1)で表されるジアミンであり、 【化1】 (ここで、R1はCn2n(n=1〜3)の炭化水素、R
    2およびR3はHあるいはCn2n+1(n=1〜3)の炭
    化水素である。) ((A)のモル数):((B)のモル数)が100:9
    5〜100:105であることを特徴とする透明ポリア
    ミド樹脂。
  2. 【請求項2】 (C)脂肪族アミノカルボン酸及び/又
    はラクタムから誘導される単位及び、請求項1記載の
    (A)、(B)からなるポリアミド樹脂であって、
    (A)+(B)の合計量100モルに対して(C)が0
    モルより多く、30モルより少ないこと割合で配合され
    ることを特徴とする透明ポリアミド樹脂。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の(A−1)の炭素数6〜
    22の分岐型飽和ジカルボン酸が1,6−デカンジカル
    ボン酸であることを特徴とする請求項1又は2記載の透
    明ポリアミド樹脂。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載の透明ポリアミドを
    製造する際、前重合工程で数平均分子量が800〜4,
    000の範囲になるまで重合し、後重合工程で数平均分
    子量が7,000〜30,000の範囲になるまで重合
    することを特徴とする請求項1又は2記載の透明ポリア
    ミド樹脂の製造法。
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