JP4017721B2 - ポリアミド粒状物の製造方法 - Google Patents

ポリアミド粒状物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド粒状物に関する。詳しくは、高温時の剛性にすぐれた繊維および樹脂用材料として好適な多孔質ポリアミド粒状物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミドは、その成形性と優れた機械特性を有することから、従来よりタイヤコードなどの繊維用材料や、機械部品、電気部品、自動車部品などの樹脂用材料として広く用いられているが、近年、金属代替などを目的として、要求される特性レベルはさらに厳しくなっており、特に高温時の剛性の改良が強く望まれている。
【0003】
ポリアミドの高温時の剛性を改良する方法としては、種々の方法が提案されているが、その中の1つの方法として、固相重合により得た副生成物が少なく結晶性の高いポリアミドを用いる方法があげられる。例えばWO94/21711では、ジアミンまたはジカルボン酸をフィードしながら、実質的に大気圧下、不活性ガス環境下に一度も溶融状態を取らない条件で重縮合する製造方法が開示されており、この方法により得られるポリアミドは高い融解熱量を有することが記載されている。またPolymer,Vol.26,1582(1985)では、固相重合により得られたポリアミドが、高い融点および融解熱量を持つことが開示されている。融解熱量は、一般的に結晶化度の指標として用いられており、固相重合により得られるポリアミドは高い結晶性を持つことを意味している。しかしながら、本発明者らの研究によれば、これらの従来技術では、常に固体状態で重縮合したポリアミド粒状物を得ることができないため、製品化するまでに、押出機などによる粒状化(ペレット化)工程や、成形工程などの複数回の溶融工程を経ることになり、その特性、すなわち高い結晶性が消失することがわかった。一方、特開平4−27728号公報では、溶媒中でジアミン成分とジカルボン酸成分、および次亜リン酸金属塩などの触媒的に有効なリン化合物とを混合しその溶媒を除去して、ジアミンとジカルボン酸との固体塩を形成した後、不活性ガスを流通し、発生する水を除去しながら、該塩の融点以下の温度にて重縮合させ予備重縮合物を得、さらに高温にて重縮合する方法が開示されている。しかしながら、この方法ではジアミン成分とジカルボン酸のモルバランスのずれが非常に大きく、高分子量のポリアミドを得ることができない。また、特開平7−90077号公報では、ポリテトラメチレンアジパミドの粉末を、例えば、圧縮し得られた0.1〜20容量%の気孔率を有するペレットが、中実ペレットより押出操作などが温和な条件下で操作できることが開示されているが、結晶性や剛性などに関する記載は全くなく、また本発明者らの研究によれば、これらの従来の技術では、高温時の剛性の改良ができないことが明らかになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高い結晶性を持ち、かつ最小限の熱履歴により製品化でき、高温時の剛性に優れる繊維および樹脂用材料として好適な多孔質ポリアミド粒状物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の大きさの細孔容積、粒状物寸法、および融解熱量から算出される結晶化度を有する多孔質ポリアミド粒状物を用いて得られた製品が、高温時の剛性が高いことを見出し本発明に至った。
【0006】
すなわち、本発明は、
(1)(A)全細孔容積が0.10〜0.30cc/gであり、かつ(B)粒状物の寸法が平均長さまたは平均直径にして1〜20mmであり、さらに(C)示差熱分析法で求めた融解熱量(ΔH)から算出される結晶化度が50%以上であるポリアミド粒状物の製造方法であって、ジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を得た後、該微粒状固体塩に溶剤を含有させ、混合、粒状化して多孔質固体塩を作成し、この多孔質固体塩を用いて常に固体状態で重縮合することを特徴とするポリアミド粒状物の製造方法。
2)(A)全細孔容積が0.10〜0.30cc/gであり、かつ(B)粒状物の寸法が平均長さまたは平均直径にして1〜20mmであり、さらに(C)示差熱分析法で求めた融解熱量(ΔH)から算出される結晶化度が50%以上であるポリアミド粒状物の製造方法であって、ジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を常に固体状態で予備重縮合し、得られた予備重縮合ポリアミドをスプレー乾燥や粉砕により微粒状予備重縮合ポリアミドとし、さらに該微粒状予備重縮合ポリアミドを多孔質予備重縮合ポリアミドとした後、目的の分子量まで固体状態で縮重合することを特徴とするポリアミド粒状物の製造方法。
3)微粒状予備重縮合ポリアミドから多孔質予備重縮合ポリアミドを作成する方法が、微粒状予備重縮合ポリアミドに溶剤を含有させ、混合、粒状化して多孔質予備重縮合ポリアミドを得ることを特徴とする(2)記載のポリアミド粒状物の製造方法。
4)ポリアミドの数平均分子量が10000以上であることを特徴とする(1)から(3)のいずれかに一項に記載のポリアミド粒状物の製造方法。
5)ポリアミドがポリヘキサメチレンアジパミドである(1)から(4)のいずれか一項に記載のポリアミド粒状物の製造方法。
【0007】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明におけるポリアミドとは、主鎖中にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体を意味しており、例えば、ジアミン成分およびジカルボン酸成分からなる塩を重縮合したものである。
ジアミン成分としては、例えば、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,3−ビス(アミンメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミンメチル)シクロヘキサン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−トリメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチルピペラジン等を挙げることができる。
【0008】
また、ジカルボン酸成分としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等を挙げることができる。
【0009】
かかるジアミンとジカルボン酸の組み合わせは、任意に選択でき、ジアミンとジカルボン酸との成分比(ジアミン/ジカルボン酸)は、モル比にして1.3〜0.9の範囲が好ましいが、1.2〜0.95の範囲がより好ましい。
また、本発明を損なわない程度にラクタム、例えばε−カプロラクタム、ζ−エナントラクタム、η−カプリルラクタム、ω−ラウロラクタムなどを加えてもかまわない。
【0010】
さらに、分子量調節あるいは耐熱水性の向上のために末端封止剤を添加してもよい。末端封止剤としては、ポリアミド末端のカルボキシル基またはアミノ基と反応性を有する単官能性の化合物であれば特に制限はないが、反応性及び封止末端の安定性などの点から、モノアミンまたはモノカルボン酸が好ましい。その他、無水フタル酸などの酸無水物、モノイソシアネート、モノハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類なども使用できる。
【0011】
末端封止剤として使用するモノアミンとしては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチルアミンなどの芳香族モノアミン、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
【0012】
末端封止剤として使用できるモノカルボン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸、あるいはこれらの任意の混合物を挙げることができる。
【0013】
本発明のポリアミドにおいては、ジアミン成分としてヘキサメチレンジアミン、ジカルボン酸成分としてアジピン酸から得られる塩を重縮合したものが好ましく、分子鎖の繰り返し単位数の95モル%以上がヘキサメチレンアジパミドの場合が最も好ましい。分子鎖中のヘキサメチレンアジパミドの繰り返し単位数が95モル%未満であると結晶性の低下が大きく、高温時の剛性の低下が大きくなる傾向にある。
【0014】
本発明のポリアミド粒状物は、全細孔容積が0.10〜0.30cc/g、好ましくは0.13〜0.27cc/g、さらに好ましくは0.15〜0.25cc/gである。全細孔容積は、水銀ポロシメータ(カルロエルバ社製1800型)を用いて測定した。ディラトメータ(試料管)にサンプルを取り、水銀充填装置にて室温、真空中で脱気処理し、水銀ポロシメータを用いて、細孔半径3.5nm〜5μmの範囲で測定を行うことにより全細孔容積を求めた。全細孔容積が0.10cc/g未満であるポリアミド粒状物は成形性、例えば可塑化時間に長時間を有するなど問題が発生する。また、全細孔容積が0.30cc/gを越えるポリアミド粒状物では強度が不足するため取扱う時に微粒化しやすい、成形品にボイドが発生しやすいなどの問題が発生する。
【0015】
本発明のポリアミド粒状物は、平均長さまたは平均直径が1〜20mmという寸法を有する。平均長さまたは平均直径は、例えば任意に選んだ100〜1000個のポリアミド粒状物の長さまたは直径をノギス、マイクロメーター、顕微鏡あるいは投影図を用いて測定し、その数平均を算出することにより求めることができる。
【0016】
本発明のポリアミド粒状物の形状としては任意のものが選択できるが、好ましくは円柱状または球状である。円柱状の場合には平均長さが1〜20mmの範囲、平均直径が1〜20mmの範囲である。また球状では平均直径が1〜20mmの範囲である。平均長さまたは平均直径が1mm未満である場合、成形時取扱う場合に機器への付着などの問題が発生し、また20mmを越えると、取扱いが難しくなったり、成形ができないなどの問題が発生する。
【0017】
本発明のポリアミドは、融解熱量(△H(j/g))から算出される結晶化度が50%以上、好ましくは55%以上である。。融解熱量は、JIS K7122に準じ、例えば示差熱分析法(以下、DSCという。)で、5〜15mgのポリアミドを用いて、昇温速度20℃/minで得られた融解曲線の面積により求めることができる。また、融解熱量からの結晶化度の算出は、ポリアミドの完全結晶物の融解熱量の値、例えばポリヘキサメチレンアジパミドの場合には、J.Polym.Sci.,Polym・Phys.Ed.,Vol.22,1651(1984)などに示されている190(j/g)で除することにより算出することができる。融解熱量から算出される結晶化度が50%未満の場合には、高温時の剛性が十分でない。
【0018】
本発明のポリアミドの分子量としては、数平均分子量にして10000以上が好ましく、12500以上がより好ましい。ポリアミドの分子量は、ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)により解析することができ、例えば、溶媒にヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、サンプル濃度は0.5〜1.0mg/mlの条件で、得られた溶出曲線を、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算により、分子量分布曲線に変換し、数平均分子量を求めることができる。数平均分子量が10000未満の場合、成形時の溶融粘度が低く、成形しにくくなると同時に、特性、特に靱性が低下する傾向にある。数平均分子量が10000未満の場合、成形時の溶融粘度が低く、成形しにくくなると同時に、特性、特に靱性が低下する傾向にある。
【0019】
本発明のポリアミド粒状物を得るための方法としては、例えばジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を得た後、該微粒状固体塩から多孔質固体塩を作成し、この多孔質固体塩を用いて常に固体状態で重縮合する方法や、ジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を常に固体状態で予備重縮合し、得られた予備重縮合ポリアミドをスプレー乾燥や粉砕により微粒子状予備重縮合ポリアミドとし、さらに該微粒子状予備重縮合ポリアミドを多孔質予備重縮合ポリアミドとした後、目的の分子量まで固体状態で縮重合する方法などが例示されるが、ジアミンとジカルボン酸からなる多孔質固体塩を用いて常に固体状態で重縮合する方法がより好ましい。
【0020】
微粒状固体塩を得る方法としては、例えば、50〜180℃の沸点を有する水、アルコール類、これらの混合物またはアセトン、ブタノン等のケトン等の溶媒中に溶解又は懸濁した状態から得る方法が例示されるが、好ましくは、水中にジカルボン酸とジアミンを添加し、水溶液としてPHを調整することにより中和塩を含む水溶液とした後、例えば、冷却又は濃縮して固体の塩を析出させる方法、貧溶媒中に該水溶液を添加して一気に析出させる方法、水溶液を噴霧乾燥する方法等により、この水溶液から微粒状固体塩を得ることができる。得られる微粒状固体塩のサイズは、1〜650μmの範囲が好ましく、10〜500μmの範囲がより好ましい。
【0021】
微粒状固体塩には、重縮合速度の増加および重合時の劣化防止のために、リン化合物を添加することができる。リン化合物としては、例えばリン酸、次亜リン酸、亜リン酸、オルト亜リン酸、ピロ亜リン酸、ホスフィン酸類、例えばフェニルホスフィン、ホスホン酸類、例えばフェニルホスホン酸、2−メトキシフェニルホスホン酸、2−(2′−ピリジル)エチルホスホン酸、およびそれらの金属塩や部分的中和塩類が例示される。金属塩の金属としては、カリウム、ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、バナジウム、マンガン、亜鉛、鉛、ニッケル、コバルト、アンモニウム等が例示される。また、リン酸エステル類、ポリメタリン酸類、ポリリン酸類、ホスフィンオキサイド類、ホスホニウムハロゲン化合物なども例示される。
【0022】
さらに、本発明の目的を損なわない程度に微粒状固体塩に酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、難燃剤、結晶核剤、繊維状フィラー、帯電防止剤等の通常の添加剤を添加できる。
添加する方法としては、公知の方法により添加できるが、ヘンシェルミキサーを用いて添加する方法が好ましい。
【0023】
微粒状固体塩から多孔質固体塩を得る方法としては、例えばペリエのケミカル・エンジニアズ・ハンドブック第4版(Perry’s Chemical Engineere’ Handbook,4th.Edition,Mc.graw.H.II.New York,)8−62/61(1963)(1)に記載されている方法のうち、固体塩が溶融しない方法が採用できるが、その中でも微粒状固体塩に溶剤を含有させ、ヘンシェルミキサー等を用いて十分混合し、該微粒状固体塩をロータリープレス造粒機によって粒状化し、多孔質固体塩を得る方法が好ましい。
【0024】
微粒状固体塩に含有させる溶剤としては、50〜180℃の沸点を有する溶剤、例えば水、アルコール類、これらの混合物またはアセトン、ブタノン等のケトン等が例示される。その溶剤の中でも、経済性、安定性から水を用いるのが最も好ましい。溶剤の含有率が少なすぎると多孔質固体塩の収率が大きく低下し、また多すぎると取扱いが難しくなる傾向にある。
【0025】
また、微粒子状予備重縮合ポリアミドから多孔質予備重縮合ポリアミドを作成する方法としては、常に固体状態で重縮合し予備重縮合ポリアミドを得、スプレー乾燥や粉砕等により微粒状予備重縮合ポリアミドとした後、上記多孔質固体塩の作成方法と同様に、溶剤を含有させ、ヘンシェルミキサー等を用いて十分混合し、該微粒子状ポリアミドをロータリープレス造粒機によってペレット化し多孔質予備重縮合ポリアミドを得る方法が例示される。
【0026】
微粒状予備重縮合ポリアミドに含有させる溶剤としては、上記多孔質固体塩の作成方法と同様に、50〜180℃の沸点を有する溶剤、例えば水、アルコール類、これらの混合物またはアセトン、ブタノン等のケトン等が例示される。
さらに、微粒状予備重縮合ポリアミドに、本発明の目的を損なわない程度に、リン化合物、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、離型剤、難燃剤、結晶核剤、繊維状フィラー、帯電防止剤等の通常の添加剤を添加できる。
【0027】
得られた微粒状固体塩、または多孔質固体塩を常に固体状態のまま重縮合するための方法としては、不活性ガスの存在下において、微粒状固体塩、多孔質固体塩および生成する重縮合物の融点以下で重縮合する方法が例示される。好ましくは、重縮合の出発原料として多孔質固体塩を用いた場合には、第1段階として、多孔質固体塩の融点以下で多孔質予備重縮合ポリアミドを得た後、さらに第2段階で、多孔質予備重縮合ポリアミドの融点以下で目的の重合度まで重縮合を継続する方法が例示される。さらに出発原料として微粒状固体塩を用いた場合には、第1段階として、微粒状固体塩の融点以下で予備重縮合ポリアミドを得た後、上記記載方法により多孔質予備重縮合ポリアミドを作成し、さらに第2段階で、多孔質予備重縮合ポリアミドの融点以下で目的の重合度まで重縮合を継続する方法が例示される。
【0028】
不活性ガスとしては、過熱水蒸気、窒素、二酸化炭素、およびそれらの混合ガス等が例示される。重縮合の工程において、不活性ガスは反応器に封入し密閉にして用いても良いし、常時反応器に流通させて用いても良い。また密閉と流通を必要に応じて組み合わせもかまわない。不活性ガスを流通させる場合には、その流量は、1分間あたり、反応器の容量の1/20〜20倍、好ましくは1/10〜10倍、さらに好ましくは1/7.5〜7.5倍である。
【0029】
第1段階の予備重縮合を得る工程における温度としては、130℃から微粒状固体塩、または多孔質固体塩の融点より5℃以下の温度が好ましい。また、圧力としては、ゲージ圧にして2〜50Kg/cm2が好ましい。
第2段階の重縮合工程における温度は、第1段階で用いた温度より高く、かつ第1段階で得られた予備重縮合ポリアミドの融点より、低い温度で行うことが好ましい。またその圧力は、第1段階で用いた圧力より低い圧力で行うことが好ましい。
【0030】
第1段階および第2段階工程においては、上記条件範囲内で温度、圧力を多段に変化させ実施することもできる。
目的のポリアミド得るための重合装置としては、公知の装置を採用することができるが、特に加圧条件下で生成する水を冷却し除去できる分縮器を備え、底部から加熱した不活性ガスを流せ、底部に抜き出し部が付いた攪拌翼付きオートクレーブ型の重合装置が好ましい。
【0031】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。
【0032】
【発明の実施の形態】
なお、物性評価は、以下の方法により行った。
(1)全細孔容積〔cc/g〕
ディラトメータ(試料管)にサンプルを0.5g秤量し、水銀充填装置にて室温、5×10-2mmHg、1時間で脱気処理し、カルロエルバ社製1800型の水銀ポロシメータを用いて、細孔半径が3.5nm〜5μmの範囲で測定を行った。
(2)粒状物の平均長さ、平均直径〔mm〕
サンプルの中から200個を任意に選び、それぞれの長さ、直径をマイクロメーターにより測定し、数平均値を算出し求めた。
(3)数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミッションクロマトグラフィー(GPC)により求めた。装置は東ソー社製HLC−8020、検出器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)、カラムは東ソー社製TSKgel−SuperHM−Hを2本とH1000を1本用いた。溶媒流量は0.3ml/min、サンプル濃度は0.5mg/mlである。得られた溶出曲線は、ポリメタクリル酸メチル換算(PMMA)により、により分子量分布曲線に変換し、数平均分子量および重量平均分子量を算出した。
(4)融点(℃)および融解熱量(△H)(j/g)
JIS K7121およびK7122に準じ行った。DSC(PERKIN−ELMER7型)を用いて求めた。サンプル8mgを用いて、昇温速度20℃/minの条件下で得られた融解曲線のピーク温度から融点を求め、またその面積から融解熱量を求めた。
(5)80℃における曲げ弾性率および曲げ強さ(Kg/cm2
ポリアミドを射出成形機(日精樹脂工業社製PS40E)を用いて、試験片を作成した。成形はシリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し、射出17秒、冷却20秒のサイクルで行った。また80℃の曲げ弾性率および曲げ強さは、80℃にコントロールされた恒温槽中でASTM790に準じ行った。
(6)水分含有率(重量%)
水分気化装置(三菱化学社製VA−06型)を用い、サンプル0.7gを電量滴定法(カール・フィッシャー法)により測定し求めた。
【0033】
【実施例1】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
5リットルの攪拌翼付き容器に1500gの蒸留水を入れ、60℃に加熱した後、2324g(20.0mol)のヘキサメチレンジアミンを入れる。その後2923g(20.0mol)のアジピン酸を入れ中和させる。この中和水溶液の温度を23℃まで下げ、1昼夜放置し水を除去し、白色沈殿物を得た後、窒素気流中80℃で60時間乾燥し、微粒状固体塩を得た。得られた固体塩の水分含有率は1.6重量%であった。
2.多孔質固体塩の作成工程
得られた微粒状固体塩3000gに125gの蒸留水を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて十分混合した。この固体塩を造粒機(不二パウダル社製F5−11−175)を用いて、ローラー回転数130rpm、レート30kg/hr、および温度150℃の条件で円筒形の固体塩を作成し、窒素気流中80℃で60時間乾燥し、フルイ(孔眼寸法0.850mm)によりふるいわけを行い、目的の多孔質固体塩を得た。得られた多孔質固体塩の収率は重量比にして98.7重量%であった。全細孔容積は0.18cc/gであった。また、水分含有率は1.3重量%であり、平均直径および平均長さは、それぞれ2.8mm及び8.2mmであった。融点(Tm)は207℃であった。
3.重縮合工程
底部に抜き出し部がある攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、多孔質状固体塩を2000g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、ゲージ圧にして20kg/cm2に加圧し、その圧力を保ったまま、オートクレーブ下部より常時、窒素を流量にして4リットル/分で流通させる。流通する窒素およびオートクレーブ内の温度を170℃に昇温し、3時間その状態を保った。引き続き連続して、窒素の流量及び圧力を保ったまま、反応器内温度及び窒素の温度を10時間かけ温度を190℃まで昇温した。流通する窒素を停止し、15分かけ圧力を5kg/cm2まで減圧し、2時間かけて温度を240℃まで昇温した後、4時間その状態を保った。このとき、常時、約5kg/cm2になるように調整した。温度を室温まで下げ、重縮合物を抜き出した。この一連の昇圧および昇温工程における生成する水は分縮器により除去した。重縮合物の抜き出しはスムーズに行われ、得られたポリマーはほぼ多孔質固体塩の形状を保持していた。またオートクレーブ内に付着物はほとんど見られなかった。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.17cc/gであり、粒状物の平均直径および平均長さは、それぞれ、2.5および6.7mmであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ12500および36200であった。また、融点(Tm)は261℃であり、融解熱量は110(j/g)であり、結晶化度は57.9(%)と算出された。成形はスムーズに行われ、得られた成形片の80℃における曲げ弾性率および曲げ強さは、それぞれ7950および370(kg/cm2)であった。
【0034】
【実施例2】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
実施例1と同様にして作成した。
2.予備重縮合工程(第1段階)
攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、微粒状固体塩を2000g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、ゲージ圧に5kg/cm2に加圧し、オートクレーブ内を密閉にした。温度を190℃に昇温し、3時間その状態を保った。圧力は15kg/cm2まで上昇した。引き続き冷却し、常圧にした。この一連の昇圧および昇温工程における生成する水は分縮器により除去した。重縮合物は、塊になっていたため、オートクレーブを分解し抜き出した。その後粉砕機により微粒状になるまで粉砕した。この一連の重合操作を2回行った。
3.多孔質予備重縮合ポリアミドの作成工程
得られた微粒子状予備重縮合ポリアミド3000gに125gの蒸留水を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて十分混合した。この微粒子状予備重縮合ポリアミドを造粒機(不二パウダル社製F5−11−175)を用いて、ローラー回転数130rpm、レート30Kg/hr、および温度150℃の条件で円筒形の多孔質予備重縮合ポリアミドを作成し、フルイ(孔眼寸法0.850mm)によりふるいわけを行った。得られた多孔質予備重縮合ポリアミドの収率は重量比にして80.1重量%であった。全細孔容積は0.27cc/gであった。また、水分含有率は2.3重量%であり、平均直径および平均長さは、それぞれ2.8mm及び7.5mmであった。融点(Tm)は271℃であった。
4.重縮合工程(第2段階)
底部に抜き出し部がある攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、該多孔質予備重縮合ポリアミドを2000g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、ゲージ圧にして5kg/cm2に加圧し、温度を240℃まで昇温した後、4時間その状態を保った。このとき、常時、約5kg/cm2になるように調整した。この一連の工程における生成する水は分縮器により除去した。温度を室温まで下げ、重縮合物を抜き出した。サンプル抜き出しはスムーズに行われ、得られたポリマーはほぼ多孔質予備重縮合品の形状を保持していたが、微粉化したものも若干ではあるが見うけられた。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.26cc/gであり、平均直径および平均長さは、それぞれ、2.5および6.0mmであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ29700および63700であった。また、融点(Tm)は279℃であり、融解熱量は120(j/g)であり、結晶化度は63.2(%)と算出された。成形は、成形品にボイドが発生しやすい傾向にあったものの問題なく行われた。得られた成形品の80℃における曲げ弾性率および曲げ強さは、それぞれ7500および360(Kg/cm2)であった。
【0035】
【実施例3】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
5リットルの攪拌翼付き容器に1500gの蒸留水を入れ、60℃に加熱した後、2324g(20.0mol)のヘキサメチレンジアミンを入れる。その後2923g(20.0mol)のアジピン酸を入れ中和させる。この中和水溶液にさらに49.0gの次亜リン酸ナトリウム・1水和物を加えて、水溶液の温度を23℃まで下げ、1昼夜放置し水を除去し、白色沈殿物を得た後、真空乾燥器中、60℃で60時間乾燥した。
2.多孔質固体塩の作成工程
得られた微粒状固体塩3000gに62.5gの蒸留水を加えて、ヘンシェルミキサーを用いて十分混合した。この固体塩を造粒機(不二パウダル社製F5−11−175)を用いて、ローラー回転数130rpm、レート30Kg/hr、および温度150℃の条件で円筒形の固体塩を作成し、真空乾燥器中、60℃で60時間乾燥し、フルイ(孔眼寸法0.850mm)によりふるいわけを行い、目的の多孔質固体塩を得た。得られた多孔質固体塩の収率は重量比にして93.0重量%であった。全細孔容積は0.24cc/gであった。また、水分含有率は0.04重量%であり、平均直径および平均長さは、それぞれ2.8mm及び5.3mmであった。融点(Tm)は208℃であった。
3.重縮合工程
底部に抜き出し部がある攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、該多孔質状固体塩を500g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、ゲージ圧に2kg/cm2に加圧し、オートクレーブ内を密閉にした。温度を190℃に昇温し、3時間その状態を保った。圧力は13.5kg/cm2まで上昇した。引き続き連続して、ゲージ圧にして5kg/cm2に減圧し、240℃に昇温し、4時間その状態を保った。このとき、常時、約5kg/cm2になるように調整した。この一連の昇圧および昇温工程における生成する水は分縮器により除去した。得られたポリマーには、やや塊がみられたもののほぼ多孔質固体塩の形状を保持していた。以下の評価は塊状のものを除去し行った。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.14cc/gであり、平均直径および平均長さは、それぞれ、2.5および5.0mmであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ22300および50200であった。また、融点(Tm)は270℃であり、融解熱量は115(j/g)であり、結晶化度は60.5(%)と算出された。成形はやや可塑化に時間を要したものの問題なく行われた。得られた成形片の80℃における曲げ弾性率および曲げ強さは、それぞれ7550および360(kg/cm2)であった。
【0036】
【比較例1】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
実施例1と同様にして作成した。
2.予備重縮合工程(第1段階)
攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、微粒状固体塩を2000g仕込み、さらに純水2000gを仕込みよく攪拌した。密閉後、十分窒素で置換を行った後、温度を220℃に昇温し、この状態を2時間保った。この際、オートクレーブの圧力は、常時、約18kg/cm2になるように生成する水は分縮器により系外に除去した。その後、オートクレーブを冷却した。重縮合物は凝集していたため、オートクレーブを分解し抜き出した。その後、粉砕機により微粒状になるまで粉砕した。この重合操作を2回行った。
3.多孔質予備重縮合ポリアミドの作成工程
実施例2と同様にして行った。得られた多孔質予備重縮合ポリアミドの収率は重量比にして82.1重量%であった。全細孔容積は0.27cc/gであった。また、水分含有率は2.4重量%であり、平均直径および平均長さは、それぞれ2.8mm及び7.3mmであった。
4.重縮合工程(第2段階)
実施例2と同様にして行った。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.24cc/gであり、平均直径および平均長さは、それぞれ、2.5および6.2mmであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ21700および44200であった。また、融点(Tm)は267℃であり、融解熱量は72(j/g)であり、結晶化度は37.9(%)と算出された。成形はスムーズに行われ、得られた成形品の80℃における曲げ弾性率および曲げ強さは、それぞれ6250および325(kg/cm2)であった。
【0037】
【比較例2】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
5リットルの攪拌翼付き容器に1500gの蒸留水を入れ、60℃に加熱した後、2324g(20.0mol)のヘキサメチレンジアミンを入れる。その後2923g(20.0mol)のアジピン酸を入れ中和させる。この中和水溶液の温度を23℃まで下げ、1昼夜放置し水を除去し、白色沈殿物を得た後、窒素気流中80℃で60時間乾燥し、さらにこの固体塩3000gに90gのヘキサメチレンジアミンを加えヘンシェルでよく攪拌し、微粒状固体塩を得た。
2.重縮合工程
底部に抜き出し部がある攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、微粒状固体塩を2000g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、大気圧下で、オートクレーブ下部より常時、窒素を流量にして4リットル/分で流通させ、流通する窒素およびオートクレーブ内の温度を180℃に昇温し、1時間その状態を保った。引き続き連続して、窒素の流量を保ったまま、反応器内温度および窒素の温度を4時間かけて240℃まで昇温した後、4時間その状態を保った。この一連の昇圧および昇温工程における生成する水は分縮器により除去した。重縮合物は、塊になっていたため、オートクレーブを分解し抜き出した。その後、粉砕機により粉砕し、粒状ポリアミドを得た。
3.押出工程
小型二軸押出機(東洋精機社製ラボプラストミルME型)を用いて、シリンダー温度280℃、スクリュー回転数70rpm、レート4kg/hrの条件でのペレット化した。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.08cc/gであり、平均直径および平均長さは、それぞれ、1.5mmおよび5.8mmであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ14500および34500であった。また、融点(Tm)は267℃であり、融解熱量は80(j/g)であり、結晶化度は42.1(%)と算出された。成形は可塑化時間が極めて長く、非常にやりにくかった。得られた成形品の80℃における曲げ弾性率および曲げ強さは、それぞれ6300および330(kg/cm2)であった。
【0038】
【比較例3】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
比較例2と同様にして行った。
2.重縮合工程
比較例2と同様にして行った。得られた塊状ポリアミドを、粉砕機により細かく粉砕した。フルイ(孔眼寸法0.850mm)を用いてふるい分け、フルイを通過したものだけを集めた。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.15cc/gであり、平均直径は1mm未満であった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ14200および35000であった。また、融点(Tm)は260℃であり、融解熱量は113(j/g)であり、結晶化度は59.4(%)と算出された。成形機による成形を試みたところ、ホッパー等への付着が非常に多く、成形品を得ることができなかった。
【0039】
【比較例4】
(ポリアミド粒状物の作成)
1.微粒状固体塩の生成工程
実施例3と同様にして行った。
2.多孔質固体塩の作成工程
得られた微粒状固体塩を造粒機(不二パウダル社製F5−11−175)を用いて、ローラー回転数130rpm、レート30kg/hr、および温度150℃の条件で円筒形の固体塩を作成し、真空乾燥器中、60℃で60時間乾燥し、フルイ(孔眼寸法0.850mm)によりふるいわけを行い、目的の多孔質固体塩を得た。得られた多孔質固体塩の収率は重量比にして35.0重量%であった。全細孔容積は0.43cc/gであった。また、水分含有率は0.04重量%であり、平均直径および平均長さは、それぞれ2.8mm及び5.3mmであった。
3.重縮合工程
底部に抜き出し部がある攪拌翼付き5リットルオートクレーブ型の容器に、多孔質固体塩を慎重に2000g仕込み密閉後、十分窒素で置換を行った後、大気圧下で、オートクレーブ下部より常時、窒素を流量にして4リットル/分で流通させ、流通する窒素およびオートクレーブ内の温度を160℃に昇温し、10時間その状態を保った。引き続き連続して、窒素の流量を2リットル/分にし、温度を170℃に昇温し、4時間その状態を保った。引き続き連続して、窒素流量は保ったまま、180℃で5時間、190℃で6時間、198℃で3時間の条件で重縮合を実施した。この一連の昇圧および昇温工程における生成する水は分縮器により除去した。得られたポリマーは、多孔質固体塩の形状を保持しているものと、微粒化したものがあった。
(得られたポリアミド粒状物の特性)
全細孔容積は、0.32cc/gであった。GPCの数平均および重量平均分子量の測定結果はそれぞれ6200および15000であった。また、融点(Tm)は260℃であり、融解熱量は96(j/g)であり、結晶化度は50.5(%)と算出された。成形を試みたが、微粒化によるホッパーへの付着が多く、また成形品にボイドが多量に発生し、評価を行うことができなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明のポリアミド粒状物は、
(1)製品化する場合、押出工程を省略でき、工業的に極めて有効である。
(2)高温時の剛性に優れた製品を得ることができる。
(3)各種添加剤、充填剤を添加配合する場合、得られるポリアミドが多孔質であるため、その添加効率が従来に比較し高く、工業的に極めて有効である。

Claims (5)

  1. (A)全細孔容積が0.10〜0.30cc/gであり、かつ(B)粒状物の寸法が平均長さまたは平均直径にして1〜20mmであり、さらに(C)示差熱分析法で求めた融解熱量(ΔH)から算出される結晶化度が50%以上であるポリアミド粒状物の製造方法であって、ジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を得た後、該微粒状固体塩に溶剤を含有させ、混合、粒状化して多孔質固体塩を作成し、この多孔質固体塩を用いて常に固体状態で重縮合することを特徴とするポリアミド粒状物の製造方法。
  2. (A)全細孔容積が0.10〜0.30cc/gであり、かつ(B)粒状物の寸法が平均長さまたは平均直径にして1〜20mmであり、さらに(C)示差熱分析法で求めた融解熱量(ΔH)から算出される結晶化度が50%以上であるポリアミド粒状物の製造方法であって、ジアミンとジカルボン酸からなる微粒状固体塩を常に固体状態で予備重縮合し、得られた予備重縮合ポリアミドをスプレー乾燥や粉砕により微粒状予備重縮合ポリアミドとし、さらに該微粒状予備重縮合ポリアミドを多孔質予備重縮合ポリアミドとした後、目的の分子量まで固体状態で縮重合することを特徴とするポリアミド粒状物の製造方法。
  3. 微粒状予備重縮合ポリアミドから多孔質予備重縮合ポリアミドを作成する方法が、微粒状予備重縮合ポリアミドに溶剤を含有させ、混合、粒状化して多孔質予備重縮合ポリアミドを得ることを特徴とする請求項記載のポリアミド粒状物の製造方法。
  4. ポリアミドの数平均分子量が10000以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに一項に記載のポリアミド粒状物の製造方法。
  5. ポリアミドがポリヘキサメチレンアジパミドである請求項1から4のいずれか一項に記載のポリアミド粒状物の製造方法。
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