JP2019014808A - ポリアミド組成物および成形品 - Google Patents
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Abstract
Description
一方において高温条件下で成形を行うと、ポリアミド樹脂の分解が発生したり、流動性変化が生じたりすることにより安定して成形体が得られない場合があるという問題がある。
よって、特に、上述したような過酷な成形条件下においても成形品表面外観の安定性に優れるポリアミド樹脂が要求されている。
(A)ジアミンとジカルボン酸とからなる脂肪族ポリアミド、
(B)イソフタル酸を50モル%以上含むジカルボン酸単位と炭素数4以上10以下のジアミンを含むジアミン単位とを含有する半芳香族ポリアミド、
(C1)難燃剤、および
(C2)難燃助剤、
を含有するポリアミド組成物であって、
ポリアミド組成物のtanδピーク温度は100℃以上であり、
ポリアミド組成物の重量平均分子量Mwは、10000≦Mw≦40000であり、
ポリアミド組成物全量に対するハロゲン含有量が2質量%超20質量%以下である。
(B)半芳香族ポリアミドの重量平均分子量Mwは、10000≦Mw≦25000であることが好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドの分子量分布Mw/Mnは2.4以下であることが好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドのMw/VRは1000以上2000以下であることが好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドはポリアミド6Iであることが好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドの含有量はポリアミド組成物中のポリアミド全量に対し30質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
(C2)難燃助剤はSb2O3であり、Sb2O3の含有量は、ポリアミド組成物100質量%に対して0.1質量%以上4質量%以下であることが好ましい。
(E)充填材はガラス繊維であり、ガラス繊維の含有量は、ポリアミド組成物100質量%に対して40質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
[ポリアミド組成物]
本発明のポリアミド組成物は、
(A)ジアミンとジカルボン酸とからなる脂肪族ポリアミド、
(B)イソフタル酸を50モル%以上含むジカルボン酸単位と炭素数4以上10以下のジアミンを含むジアミン単位とを含有する半芳香族ポリアミド、
(C1)難燃剤、および
(C2)難燃助剤、
を含有するポリアミド組成物であって、
ポリアミド組成物のtanδピーク温度が100℃以上であり、
ポリアミド組成物の重量平均分子量Mwが、10000≦Mw≦40000であり、
ポリアミド組成物全量に対するハロゲン含有量が2質量%超20質量%以下である。
本発明のポリアミド組成物に含有される(A)脂肪族ポリアミドは、(A−a)脂肪族ジカルボン酸単位と(A−b)脂肪族ジアミン単位とを含有する。
脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、およびジグリコール酸等の炭素数3〜20の直鎖または分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
(A−a)脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A−b)脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンは、直鎖であっても分岐していてもよい。
脂肪族ジアミン単位を構成する直鎖の脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、およびトリデカメチレンジアミン等の炭素数2〜20の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
これらの中でも、2−メチルペンタメチレンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンが好ましく、2−メチルペンタメチレンジアミンがより好ましい。このような脂肪族ジアミンを含むことにより、耐熱性および剛性等により優れるポリアミド組成物となる傾向にある。
(A−b)脂肪族ジアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に用いられる(B)半芳香族ポリアミドは、イソフタル酸を50モル%以上含む(B−a)ジカルボン酸単位と、炭素数4以上10以下のジアミンを含む(B−b)ジアミン単位とを含有するポリアミドである。
上記イソフタル酸単位および炭素数4以上10以下のジアミン単位の合計量は、(B)半芳香族ポリアミドの全構成単位100モル%に対して、50モル%以上含むことが好ましく、80〜100モル%であることがより好ましく、90〜100モル%であることがさらに好ましく、100モル%であることが特に好ましい。
なお、本発明において(B)半芳香族ポリアミドを構成する所定の単量体単位の割合は、核磁気共鳴分光法(NMR)等により測定することができる。
(B−a)ジカルボン酸単位は、イソフタル酸を50モル%以上含む(ジカルボン酸全モル数基準)。ジカルボン酸単位は、イソフタル酸を65〜100モル%含むことが好ましく、70〜100モル%含むことがより好ましく、80〜100モル%含むことがさらに好ましく、100モル%含むことが特に好ましい。
(B−a)ジカルボン酸単位中のイソフタル酸単位の割合が50モル%以上であることにより、機械的性質、特に吸水剛性、熱時剛性、流動性、表面外観性等を同時に満足する、ポリアミド組成物を得ることができる。
イソフタル酸単位以外の芳香族ジカルボン酸単位を構成する芳香族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、フェニル基、ナフチル基を有するジカルボン酸が挙げられる。芳香族ジカルボン酸の芳香族基は、無置換でも置換基を有していてもよい。
この置換基としては、特に限定されないが、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアリールアルキル基、クロロ基およびブロモ基等のハロゲン基、炭素数1〜6のシリル基、並びにスルホン酸基およびその塩(ナトリウム塩等)等が挙げられる。
具体的には、以下に限定されるものではないが、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、および5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の無置換または所定の置換基で置換された炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸等が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸単位を構成する芳香族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸単位を構成する脂肪族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、2,2−ジメチルコハク酸、2,3−ジメチルグルタル酸、2,2−ジエチルコハク酸、2,3−ジエチルグルタル酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、およびジグリコール酸等の炭素数3〜20の直鎖または分岐状飽和脂肪族ジカルボン酸等が挙げられる。
脂環族ジカルボン酸単位(以下、「脂環式ジカルボン酸単位」ともいう。)を構成する脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環構造の炭素数が3〜10の脂環族ジカルボン酸が挙げられ、脂環構造の炭素数が5〜10の脂環族ジカルボン酸が好ましい。
このような脂環族ジカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、および1,3−シクロペンタンジカルボン酸等が挙げられる。この中でも、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が好ましい。
なお、脂環族ジカルボン酸単位を構成する脂環族ジカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
イソフタル酸単位以外のジカルボン酸単位としては、芳香族ジカルボン酸単位を含むことが好ましく、炭素数が6以上である芳香族ジカルボン酸を含むことがより好ましい。
このようなジカルボン酸を用いることにより、ポリアミド組成物の機械的性質、特に吸水剛性、熱時剛性、流動性、表面外観性等がより優れる傾向にある。
ここで「ジカルボン酸と等価な化合物」とは、上記ジカルボン酸に由来するジカルボン酸構造と同様のジカルボン酸構造となり得る化合物をいう。このような化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ジカルボン酸の無水物およびハロゲン化物等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)半芳香族ポリアミドを構成する(B−b)ジアミン単位は、炭素数4以上10以下のジアミンを含むものである。以下に限定されるものではないが、例えば、脂肪族ジアミン単位、脂環族アミン単位、および芳香族ジアミン単位等が挙げられる。
脂肪族ジアミン単位を構成する脂肪族ジアミンとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、およびトリデカメチレンジアミン等の炭素数4以上20以下の直鎖飽和脂肪族ジアミン等が挙げられる。
脂環族ジアミン単位を構成する脂環族ジアミン(以下、「脂環式ジアミン」ともいう。)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、1,4−シクロヘキサンジアミン、1,3−シクロヘキサンジアミン、および1,3−シクロペンタンジアミン等が挙げられる。
芳香族ジアミン単位を構成する芳香族ジアミンとしては、芳香族を含有するジアミンであれば以下に限定されるものではないが、例えば、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
このようなジアミンを用いることにより、機械的性質、特に吸水剛性、高温使用下での剛性(熱時剛性)、流動性、表面外観性等により優れるポリアミド組成物となる傾向にある。
なお、ジアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
3価以上の多価脂肪族アミンは、1種のみ単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)脂肪族ポリアミドおよび(B)半芳香族ポリアミドは、ラクタム単位および/またはアミノカルボン酸単位をさらに含有することができる。このような単位を含むことにより、靭性により優れるポリアミドが得られる傾向にある。なお、ここでラクタム単位およびアミノカルボン酸を構成するラクタムおよびアミノカルボン酸とは、重(縮)合可能なラクタムおよびアミノカルボン酸をいう。
中でも、ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が好ましく、ε−カプロラクタムがより好ましい。このようなラクタムを含むことにより、靭性により優れるポリアミド組成物となる傾向にある。
アミノカルボン酸としては、ω位がアミノ基で置換された炭素数4〜14の直鎖または分岐状飽和脂肪族カルボン酸が好ましい。このようなアミノカルボン酸としては、以下に限定されるものではないが、例えば、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、および12−アミノドデカン酸等が挙げられる。また、アミノカルボン酸としては、パラアミノメチル安息香酸等も挙げられる。
ラクタム単位およびアミノカルボン酸単位を構成するラクタムおよびアミノカルボン酸は、それぞれ1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラクタム単位およびアミノカルボン酸単位の合計割合が上記範囲であることにより、流動性の向上等の効果が得られる傾向にある。
本発明において用いるポリアミドの末端は、公知の末端封止剤により末端封止されていてもよい。
このような末端封止剤は、上述したジカルボン酸とジアミンと、必要に応じて用いるラクタムおよび/またはアミノカルボン酸とから、ポリアミドを製造する際に、分子量調節剤としても添加することができる。
この中でも、モノカルボン酸、およびモノアミンが好ましい。ポリアミドの末端が末端封止剤で封鎖されていることにより、熱安定性により優れるポリアミド組成物となる傾向にある。
末端封止剤は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、(B)芳香族ポリアミドの末端は、流動性、機械的強度の観点から、酢酸によって封止されていることが好ましい。
モノカルボン酸は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
モノアミンは、1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
末端封止剤により末端封止されたポリアミドを含有するポリアミド組成物は、耐熱性、流動性、靭性、低吸水性、および剛性に優れている傾向にある。
本発明のポリアミドを得る際に、ジカルボン酸の添加量とジアミンの添加量とは、同モル量付近であることが好ましい。重合反応中のジアミンの反応系外への逃散分もモル比においては考慮して、ジカルボン酸全体のモル量1に対して、ジアミン全体のモル量は、0.9〜1.2であることが好ましく、より好ましくは0.95〜1.1であり、さらに好ましくは0.98〜1.05である。
1)ジカルボン酸−ジアミン塩、またはジカルボン酸とジアミンとの混合物の水溶液、あるいはこれらの水の懸濁液を加熱し、溶融状態を維持したまま重合させる方法(以下、「熱溶融重合法」ともいう。)。
2)熱溶融重合法で得られたポリアミドを融点以下の温度で固体状態を維持したまま重合度を上昇させる方法(以下、「熱溶融重合・固相重合法」ともいう。)。
3)ジカルボン酸−ジアミン塩、またはジカルボン酸とジアミンとの混合物を固体状態を維持したまま重合させる方法(以下、「固相重合法」ともいう。)。
4)ジカルボン酸と等価なジカルボン酸ハライド成分とジアミン成分を用いて重合させる方法(以下、「溶液法」ともいう。)。
中でも、熱溶融重合法を含む製造方法が好ましく、熱溶融重合法によりポリアミドを製造する際には、重合が終了するまで、溶融状態を保持することが好ましい。溶融状態を保持するためには、ポリアミド組成物に適した重合条件で製造することが必要となる。例えば、熱溶融重合法における重合圧力を14〜25kg/cm2(ゲージ圧)に制御し、加熱を続けながら、槽内の圧力が大気圧(ゲージ圧は0kg/cm2)になるまで30分以上かけながら降圧する方法などが挙げられる。
ポリアミドの製造に用いる重合装置としては、特に限定されるものではなく、公知の装置を用いることができ、例えば、オートクレーブ型の反応器、タンブラー型反応器、およびニーダー等の押出機型反応器等が挙げられる。
まず、例えば、ポリアミドの原料成分(ジカルボン酸、ジアミン、および、必要に応じて、ラクタムおよび/またはアミノカルボン酸)を、約40〜60質量%含有する水溶液を、110〜180℃の温度および約0.035〜0.6MPa(ゲージ圧)の圧力で操作される濃縮槽で、約65〜90質量%に濃縮して濃縮溶液を得る。
次いで、得られた濃縮溶液をオートクレーブに移し、オートクレーブにおける圧力が約1.2〜2.2MPa(ゲージ圧)になるまで加熱を続ける。
その後、オートクレーブにおいて、水および/またはガス成分を抜きながら圧力を約1.2〜2.2MPa(ゲージ圧)に保ち、温度が約220〜260℃に達した時点で、大気圧まで降圧する(ゲージ圧は、0MPa)。
オートクレーブ内の圧力を大気圧に降圧後、必要に応じて減圧することにより、副生する水を効果的に除くことができる。
その後、オートクレーブを窒素等の不活性ガスで加圧し、オートクレーブからポリアミド溶融物をストランドとして押し出す。押し出されたストランドを、冷却、カッティングすることにより、ポリアミドのペレットを得る。
本発明に用いるポリアミドのポリマー末端としては、特に限定されないが、以下のように分類され、定義することができる。
すなわち、1)アミノ末端、2)カルボキシル末端、3)封止剤による末端、4)その他の末端である。
2)カルボキシル末端は、カルボキシル基(−COOH基)を有するポリマー末端であり、原料のジカルボン酸に由来する。
3)封止剤による末端は、重合時に封止剤を添加した場合に形成される末端である。封止剤としては、上述した末端封止剤が挙げられる。
4)その他の末端は、上述した1)〜3)に分類されないポリマー末端であり、アミノ末端が脱アンモニア反応して生成した末端や、カルボキシル末端から脱炭酸反応して生成した末端等が挙げられる。
(A)脂肪族ポリアミドの分子量、融点Tm2、結晶化エンタルピーΔH、tanδピーク温度は、具体的には下記に示す方法により測定することができる。
(A)脂肪族ポリアミドの分子量の指標としては、Mw(A)(重量平均分子量)を利用できる。(A)脂肪族ポリアミドのMw(A)(重量平均分子量)は好ましくは10000〜50000であり、より好ましくは15000〜45000であり、さらに好ましくは20000〜40000であり、よりさらに好ましくは25000〜35000である。
(A)脂肪族ポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は好ましくは1.8〜2.2であり、より好ましくは1.9〜2.1である。分子量分布の下限は1.0である。Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
また、(A)脂肪族ポリアミドの融点Tm2は、好ましくは300℃以下であり、より好ましくは290℃以下であり、さらに好ましくは280℃以下であり、よりさらに好ましくは270℃以下である。
(A)脂肪族ポリアミドの融点Tm2が220℃以上であることにより、熱時剛性等により優れるポリアミド組成物を得ることができる傾向にある。
また、(A)脂肪族ポリアミドの融点Tm2が300℃以下であることにより、押出、成形等の溶融加工におけるポリアミド組成物の熱分解等をより抑制することができる傾向にある。
(A)脂肪族ポリアミドの融点Tm2および結晶化エンタルピーΔHの測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
(A)脂肪族ポリアミドのtanδピーク温度は、粘弾性測定解析装置等(レオロジ製:DVE−V4)を用いて測定することができる。
(B)半芳香族ポリアミドの分子量、融点Tm2、結晶化エンタルピーΔH、tanδピーク温度は、具体的には下記に示す方法により測定することができる。
(B)半芳香族ポリアミドの分子量の指標としては、Mw(B)(重量平均分子量)を利用できる。(B)ポリアミドのMw(重量平均分子量)は好ましくは10000〜25000であり、より好ましくは13000〜24000であり、さらに好ましくは15000〜23000であり、よりさらに好ましくは18000〜22000であり、特に好ましくは、19000〜21000である。
(B)半芳香族ポリアミドのMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は好ましくは2.4以下であり、より好ましくは1.7〜2.4であり、さらに好ましくは1.8〜2.3であり、よりさらに好ましくは1.9〜2.2であり、最も好ましくは1.9〜2.1ある。Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の下限は1.0である。Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
ポリアミドの分子構造中に芳香族化合物単位を含有していると、高分子量化に伴い、分子量分布(Mw/Mn)が高くなる傾向がある。分子量分布が高いことは分子の三次元構造を有するポリアミド分子の割合が高いことを示し、高温加工時において分子の三次元構造化がさらに進行しやすく、流動性が低下し、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観が悪化する。
(B)半芳香族ポリアミドの結晶化エンタルピーΔHを上記範囲内に制御する方法としては、ジカルボン酸単位に対する芳香族モノマー比率を高めること必要がある。ジカルボン酸単位としてイソフタル酸を75モル%以上含むことが重要であり、100モル%含むことが最も好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドの結晶化エンタルピーΔHの測定装置としては、例えば、PERKIN−ELMER社製Diamond−DSC等が挙げられる。
(B)半芳香族ポリアミドのtanδピーク温度を上記範囲内に制御する方法としては、ジカルボン酸単位に対する芳香族モノマー比率を高めること必要がある。ジカルボン酸単位としてイソフタル酸を50モル%以上含むことが重要であり、100モル%含むことが最も好ましい。
(B)半芳香族ポリアミドのtanδピーク温度が90℃以上であることにより、吸水剛性、熱時剛性に優れるポリアミド組成物を得ることができる傾向にある。また、ポリアミド組成物のtanδピーク温度が160℃以下であることにより、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
(B)半芳香族ポリアミドのtanδピーク温度は、例えば、粘弾性測定解析装置等(レオロジ製:DVE−V4)を用いて測定することができる。
本発明において用いられる(C1)難燃剤としては、ハロゲン元素を含む難燃剤であれば、特に限定されるものではなく、例えば、塩素系難燃剤や臭素系難燃剤などが挙げられる。
これら(C1)難燃剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアミド組成物は、(C2)難燃助剤を含有することにより、難燃性により優れるポリアミド組成物とすることができる。
本発明において用いられる(C2)難燃助剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、三酸化二アンチモン(Sb2O3)、四酸化二アンチモン、五酸化二アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなどの酸化アンチモン類;一酸化スズ、二酸化スズなどの酸化スズ類;酸化第二鉄、γ酸化鉄などの酸化鉄類;その他酸化亜鉛、ホウ酸亜鉛、酸化カルシウム、酸化アルミニウム(アルミナ)、酸化アルミニウム(ベーマイト)、酸化ケイ素(シリカ)、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マンガン、酸化モリブデン、酸化コバルト、酸化ビスマス、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、および酸化タングステンなどの金属酸化物;水酸化マグネシウム、および水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物;アルミニウム、鉄、チタン、マンガン、亜鉛、モリブデン、コバルト、ビスマス、クロム、スズ、アンチモン、ニッケル、銅、およびタングステンなどの金属粉末;炭酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、および炭酸バリウムなどの金属炭酸塩;ホウ酸マグネシウム、ホウ酸カルシウム、およびホウ酸アルミニウムなどの金属ホウ酸塩;並びにシリコーン;などが挙げられる。
これら(C2)難燃助剤は1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
難燃効果を上げるためには、平均粒径が0.01〜10μmである(C2)難燃助剤を用いることが好ましい。
平均粒径は、レーザー回折散乱法粒度分布測定装置や精密粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明のポリアミド組成物は、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体をさらに含有してもよい。(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体を含有することにより、靭性、剛性などの機械物性に優れるポリアミド組成物とすることができる。
α,β不飽和ジカルボン酸無水物としては、例えば、下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
α,β不飽和ジカルボン酸無水物で変性された重合体としては、例えば、α,β不飽和ジカルボン酸無水物で変性されたポリフェニレンエーテルやポリプロピレンなどが挙げられる。特に、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルが好ましい。
α,β不飽和ジカルボン酸無水物を共重合成分として含む重合体としては、難燃性を向上させる効率(添加量が少なくて発現する)の観点で、芳香族ビニル化合物とα,β不飽和ジカルボン酸無水物との共重合体が好ましい。
本発明のポリアミド組成物は、(E)充填材をさらに含有してもよい。(E)充填材を含有することにより、靭性および剛性などの機械物性にさらに優れるポリアミド組成物とすることができる。
(E)充填材は、1種類で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアミド組成物中の(C1)難燃剤の含有量は、ポリアミド組成物100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上30質量%以下であり、より好ましくは5〜20質量%であり、さらに好ましくは5〜15質量%である。
(C1)難燃剤の含有量を0.1質量%以上とすることにより、難燃性に優れるポリアミド組成物を得ることができる。また、(C1)難燃剤の含有量を15質量%以下とすることにより、溶融混練時に分解ガスの発生、成形加工時の流動性の低下や、成形金型に汚染性物質の付着を抑制することができる。さらに、靭性および剛性などの機械物性や成形品外観の低下も抑制することができる。
(C2)難燃助剤の含有量を10質量%以下とすることにより、溶融加工時の粘度を適切な範囲に制御することができ、押出時のトルクの上昇、成形時の成形性の低下および成形品外観の低下を抑制することができる。また、靭性および剛性などの機械物性に優れるポリアミドの性質を損なうことなく、靭性などに優れるポリアミド組成物を得ることができる。
(E)充填材を上記範囲で含有することにより、ポリアミド組成物の強度および剛性などの機械物性が良好に向上し、また、無機充填材の含有量を70質量%以下とすることにより、成形性に優れるポリアミド組成物を得ることができる。
添加剤の含有量は、その種類やポリアミド組成物の用途等によって様々であるため、本発明の目的を損なわない範囲であれば特に制限されることはない。
本発明のポリアミド組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、成形性改良剤を添加してもよい。成形性改良剤としては、特に限定されないが、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸エステル、および高級脂肪酸アミド等が挙げられる。
金属塩の金属元素としては、元素周期律表の第1,2,3族元素、亜鉛、およびアルミニウム等が好ましく、カルシウム、ナトリウム、カリウム、およびマグネシウム等の、第1,2族元素、並びにアルミニウム等がより好ましい。
高級脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、モンタン酸カルシウム、およびモンタン酸ナトリウム、パルミチン酸カルシウム等が挙げられる。これらの中でも、モンタン酸の金属塩およびステアリン酸の金属塩が好ましい。
炭素数8〜40の脂肪族カルボン酸と炭素数8〜40の脂肪族アルコールとのエステルが好ましい。脂肪族アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、およびラウリルアルコール等が挙げられる。高級脂肪酸エステルとしては、例えば、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル等が挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスオレイルアミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等が挙げられる。
本発明のポリアミド組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、および耐候性の向上を目的に劣化抑制剤を添加してもよい。
劣化抑制剤としては、特に限定されないが、例えば、酢酸銅およびヨウ化銅等の銅化合物;ヒンダードフェノール化合物等のフェノール系安定剤;ホスファイト系安定剤;ヒンダードアミン系安定剤;トリアジン系安定剤;ベンゾトリアゾール系安定剤、ベンゾフェノン系安定剤、シアノアクリレート系安定剤、サリシレート系安定剤;およびイオウ系安定剤等が挙げられる。
これらの劣化抑制剤は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
造核剤とは、添加によりポリアミド組成物の、結晶化ピーク温度を上昇させたり、結晶化ピークの補外開始温度と補外終了温度との差を小さくしたり、得られる成形品の球晶を微細化またはサイズの均一化させたりする効果が得られる物質のことを意味する。
造核剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、タルク、窒化ホウ素、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、窒化珪素、カーボンブラック、チタン酸カリウム、および二硫化モリブデン等が挙げられる。
造核剤は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
造核剤は、造核剤効果の観点で、タルク、窒化ホウ素が好ましい。
造核剤の数平均粒径は、成形品をギ酸等のポリアミドが可溶な溶媒で溶解し、得られた不溶成分の中から、例えば、100個以上の造核剤を任意に選択し、光学顕微鏡や走査型電子顕微鏡等で観察して測定することにより求めることができる。
造核剤の含有量を、ポリアミド100質量部に対して、0.001質量部以上とすることにより、ポリアミド組成物の耐熱性が向上し、また、造核剤の含有量を、ポリアミド100質量部に対して1質量部以下とすることにより、靭性に優れるポリアミド組成物が得られる。
安定剤としては、以下に制限されないが、例えば、フェノール系熱安定剤、リン系熱安定剤、アミン系熱安定剤、並びに元素周期律表の第3族、第4族および第11〜14族の元素の金属塩、並びにアルカリ金属およびアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、耐熱エージング性向上の観点から、好ましくはN,N'−へキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオンアミド)]である。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリアミド組成物には、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、他の樹脂を添加してもよい。
このような樹脂としては、特に限定されるものではないが、後述する熱可塑性樹脂やゴム成分等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
これらのゴム成分は、1種類を単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合せて用いてもよい。
本発明のポリアミド組成物の製造方法としては、(A)脂肪族ポリアミドと(B)半芳香族ポリアミド、(C1)難燃剤、(C2)難燃助剤、必要に応じ(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体、および(E)充填材、とを混合する方法であれば、特に限定されるものではない。
混練機での剪断速度は100sec-1以上程度であることが好ましく、混練時の平均滞留時間は0.5〜5分程度であることが好ましい。
本発明のポリアミド組成物の分子量、tanδピーク温度は、具体的には、後述する実施例に記載の方法により測定することができる。
ポリアミド組成物の分子量の指標としては、Mw(重量平均分子量)を利用できる。ポリアミド組成物のMw(重量平均分子量)は10000〜40000であり、好ましくは17000〜35000であり、より好ましくは20000〜35000であり、さらに好ましくは22000〜34000であり、よりさらに好ましくは24000〜33000であり、最も好ましくは25000〜32000である。Mw(重量平均分子量)が上記範囲であることにより、機械的性質、特に吸水剛性、熱時剛性、流動性等に優れるポリアミドが得られる。また、充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
ポリアミド組成物のMwを上記範囲内に制御する方法としては、(A)脂肪族ポリアミドおよび(B)半芳香族ポリアミドのMwを上述した範囲のものを使用すること等が挙げられる。
なお、Mw(重量平均分子量)の測定は、下記実施例に記載するように、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
なおポリアミド全量に対する数平均分子量Mnが500以上2000以下である(A)脂肪族ポリアミドおよび(B)半芳香族ポリアミドの合計含有量はGPCを用いて、後述する実施例での測定条件における溶出曲線より求める。
GPC測定の際に(A)脂肪族ポリアミドおよび(B)半芳香族ポリアミドを含有する組成物中に、ポリアミドを溶解させる溶媒に可溶である他の成分が含有される場合は、ポリアミドは不溶だが他の成分は可溶な溶媒を用いて、他の成分を抽出して除去した後、GPC測定を行う。また、ポリアミド樹脂を溶解させる溶媒に不溶である無機充填材などは、ポリアミド組成物を溶解させる溶媒に溶解させ、次いでろ過して不溶物を除去した後、GPC測定を行う。
本発明のポリアミド組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は好ましくは2.4以下であり、より好ましくは1.7〜2.3であり、さらに好ましくは1.8〜2.2であり、よりさらに好ましくは1.9〜2.1である。分子量分布の下限は1.0である。Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が上記範囲であることにより、流動性等に優れるポリアミド組成物が得られる。また、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
ポリアミド組成物の分子構造中に芳香族化合物単位が含有していると、高分子量化に伴い、分子量分布(Mw/Mn)が高くなる傾向がある。分子量分布が高いことは分子の三次元構造を有するポリアミド分子の割合が高いことを示し、高温加工時において分子の三次元構造化がさらに進行しやすく、流動性が低下し、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観が悪化する。
また、ポリアミド組成物のtanδピーク温度は、好ましくは150℃以下であり、より好ましくは140℃以下であり、さらに好ましくは130℃以下である。
ポリアミド組成物のtanδピーク温度が100℃以上であることにより、吸水剛性、熱時剛性に優れるポリアミド組成物を得ることができる傾向にある。また、ポリアミド組成物のtanδピーク温度が150℃以下であることにより、無機充填材に代表される成分を含有させたポリアミド組成物は、表面外観に優れたものとなる。
ポリアミド組成物のtanδピーク温度を上記範囲内に制御する方法としては、例えば、(A)脂肪族ポリアミド、(B)半芳香族ポリアミドの配合比率を上述した範囲に制御する方法等が挙げられる。
ハロゲン含有量は、下記実施例に記載するように、電位差滴定法による元素分析で測定することができる。
なお、ハロゲン含有量は、組成物中のハロゲン含有成分((C1)難燃剤、安定剤、その他の樹脂等)の含有量を調整することにより調整することができる。
本発明のポリアミド組成物を成形することにより、表面光沢値が50以上の成形品が得られる。本発明のポリアミド組成物の表面光沢値は、より好ましくは55以上であり、さらに好ましくは60以上である。ポリアミド組成物の表面光沢値が50以上であることにより、自動車用、電気および電子用、産業資材用、工業材料用、並びに日用および家庭品用等、各種部品の成形材料として好適に使用することができる。
例えば、押出成形、射出成形、真空成形、ブロー成形、射出圧縮成形、加飾成形、他材質成形、ガスアシスト射出成形、発砲射出成形、低圧成形、超薄肉射出成形(超高速射出成形)、および金型内複合成形(インサート成形、アウトサート成形)等の成形方法が挙げられる。
本発明の成形品は、上述したポリアミド組成物を含み、機械的性質(特に引張強度と曲げ弾性率、シャルピー衝撃)、表面外観性等に優れ、様々な用途に用いることができる。
例えば、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野において、好適に用いることができる。
以下、本実施例および比較例に用いたポリアミド組成物の構成成分について説明する。
〔(A)脂肪族ポリアミド〕
A−1:ポリアミド66
A−2:ポリアミド6(宇部興産製SF1013A)Mw=26000、Mw/Mn=2.0
B−1:ポリアミド6I
B−2:ポリアミド6I (ランクセス社製T40、Mw=44000、Mw/Mn=2.8、VR31、Mw/VR=1419、ジカルボン 酸単位のイソフタル酸比率は100モル%)
B−3:ポリアミド6I/6T(エムス社製G21、Mw=27000、Mw/Mn=2.2、VR27、Mw/VR=1000、ジカルボン酸単位のイソフタル酸比率は70モル%)
B−4:ポリアミド6I(高分子量)
B−5:ポリアミド66/6I
B−6:ポリアミドMXD6(東洋紡社製東洋紡ナイロン、T−600、ジカルボン酸単位のイソフタル酸比率は0モル%)
(C1)臭素化ポリスチレン(ALBEMARLE CORPORATION社製、商品名「SAYTEX(登録商標)HP−7010G」(元素分析より求めた臭素含有量:67質量%))を用いた。
〔(C2)難燃助剤〕
(C2)三酸化二アンチモン(第一エフ・アール社製 商品名「三酸化アンチモン」)を用いた。
〔(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体〕
(D)無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルを用いた。
〔(E)充填材〕
(E)ガラス繊維(GF)(日本電気硝子製、商品名「ECS03T275H」平均繊維径10μmφ、カット長3mm)を用いた。
次に、(A)脂肪族ポリアミド(A−1)、(B)半芳香族ポリアミド(B−1)、(B−4)、(B−5)および(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体の製造方法について説明する。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1500gを蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。この水溶液を、内容積5.4Lのオートクレーブに仕込み、窒素置換した。
110〜150℃の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。その後、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけて圧力を降圧した。その後、オートクレーブ内を真空装置で650torr(86.66kPa)の減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。Mw=35000、Mw/Mn=2.0であった。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1500g、および全等モル塩成分に対して1.5モル%過剰のアジピン酸、0.5モル%の酢酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
110〜150℃の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。その後、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、30分かけて圧力を降圧した。その後、オートクレーブ内を真空装置で650torr(86.66kPa)の減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。Mw=20000、Mw/Mn=2.0、VR12、Mw/VR=1667、ジカルボン 酸単位のイソフタル酸比率は100モル%であった。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1500g、および全等モル塩成分に対して1.0モル%過剰のアジピン酸、0.5モル%の酢酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
110〜150℃の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。その後、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、30分かけて圧力を降圧した。その後、オートクレーブ内を真空装置で650torr(86.66kPa)の減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。Mw=25000、Mw/Mn=2.1、VR16、Mw/VR=1563、ジカルボン 酸単位のイソフタル酸比率は100モル%であった。
「熱溶融重合法」によりポリアミドの重合反応を以下のとおり実施した。
アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩1044g、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩456g、および全等モル塩成分に対して0.5モル%過剰のアジピン酸を蒸留水1500gに溶解させ、原料モノマーの等モル50質量%均一水溶液を作製した。
110〜150℃の温度下で撹拌しながら、溶液濃度70質量%まで水蒸気を徐々に抜いて濃縮した。その後、内部温度を220℃に昇温した。このとき、オートクレーブは1.8MPaまで昇圧した。そのまま1時間、内部温度が245℃になるまで、水蒸気を徐々に抜いて圧力を1.8MPaに保ちながら1時間反応させた。
次に、1時間かけて圧力を降圧した。その後、オートクレーブ内を真空装置で650torr(86.66kPa)の減圧下に10分維持した。このとき、重合の最終内部温度は265℃であった。
その後、窒素で加圧し下部紡口(ノズル)からストランド状にし、水冷、カッティングを行いペレット状で排出して、100℃、窒素雰囲気下で12時間乾燥し、ポリアミドを得た。Mw=28000、Mw/Mn=2.3、VR22、Mw/VR=1273、ジカルボン酸単位のイソフタル酸比率は30モル%であった。
2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得られた還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測定)0.52のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(以下ポリフェニレンエーテルと略記)を100質量部と、相溶化剤として無水マレイン酸を1.0質量部とを上流側に1ヶ所(以下top−Fと略記)と、押出機中央部並びにダイに近い下流側の2ヶ所に供給口(以下押出機中央部をside−1、ダイに近い下流側をside−2とそれぞれ略記)を有する二軸押出機(Werner&Pfleiderer社製:ZSK−40)のside−1とside−2は塞いだ状態にして、シリンダー設定温度320℃、スクリュー回転300rpm、吐出量20.15kg/hrの条件下で、ポリフェニレンエーテルと無水マレイン酸をドライブレンドしたものをtop−Fより供給し、溶融混練してストランド状に取り出し、ストランドバス(水槽)で冷却後、カッターで造粒し無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルのペレットを得た。
上記(A)脂肪族ポリアミド、および(B)半芳香族ポリアミドを下記表1に記載の種類および割合で用いて、ポリアミド組成物を以下のとおり製造した。
なお、上記で得られたポリアミドは、窒素気流中で乾燥し水分率を約0.2質量%に調整してから、ポリアミド組成物の原料として用いた。
下記実施例記載の方法により溶融混練を行い、ポリアミド組成物のペレットを得た。得られたポリアミド組成物のペレットを、窒素気流中で乾燥し、ポリアミド組成物中の水分量を500ppm以下にした。
水分量を調整した後のポリアミド組成物を用いて下記の各種評価を実施した。評価結果を下記表1に示す。
日精工業(株)製PS40E射出成形機を用い、シリンダー温度290℃、金型温度を100℃に設定し、射出10秒、冷却10秒の射出成形条件で、JIS−K7139に準じた成形体を成形した。この成形体を、動的粘弾性評価装置(GABO社製、EPLEXOR500N)を用いて、以下の条件で測定した。測定モード:引張、測定周波数:8.00Hz、昇温速度:3℃/分、温度範囲:マイナス100〜250℃。貯蔵弾性率E1と損失弾性率E2の比E2/E1をtanδとし、最も高い温度をtanδピーク温度とした。
(ポリアミド組成物の分子量(Mn、Mw/Mn)
実施例および比較例で得られたポリアミド組成物のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、東ソー株式会社製、HLC−8020、ヘキサフルオロイソプロパノール溶媒、PMMA(ポリメチルメタクリレート)標準サンプル(ポリマーラボラトリー社製)換算)で測定したMwとMnを用いて計算した。なお、GPCカラムはTSK−GEL GMHHR−MとG1000HHRを使用した。
実施例および比較例で得られたポリアミド組成物において、ポリマー末端に結合するアミノ末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド組成物3.0gを90質量%フェノール水溶液100mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.025Nの塩酸で滴定を行い、アミノ末端量(μ当量/g)を求めた。終点はpH計の指示値から決定した。
実施例および比較例で得られたポリアミド組成物において、ポリマー末端に結合するカルボキシル末端量を、中和滴定により以下のとおり測定した。
ポリアミド組成物4.0gをベンジルアルコール50mLに溶解し、得られた溶液を用い、0.1NのNaOHで滴定を行い、カルボキシル末端量(μ当量/g)を求めた。終点はフェノールフタレイン指示薬の変色から決定した。
(B)半芳香族ポリアミドをギ酸に溶解し、ASTM―D789に準じて測定した。
ポリアミド組成物を高純度酸素で置換したフラスコ中で燃焼し、発生したガスを吸収液に捕集し、捕集液中のハロゲン元素を1/100N硝酸銀溶液による電位差滴定法を用いて定量した。
ハロゲン元素を複数含有する場合は、イオンクロマトグラフにて各元素を分離した後、上記電位差滴定法を用いて定量した。
装置は日精工業(株)製、「FN3000」を用いた。
シリンダー温度を290℃、金型温度を100℃に設定し、射出10秒、冷却10秒の射出成形条件で、ポリアミド組成物を用いて100ショットまで成形を行い、成形体(ISO試験片)を得た。
成形性は、成形時の離形の際、金型に固着した割合が100ショットの内10%以下を評価A、10%より大きく20%以下をB、20%より大きく50%以下をC、50%より大きい場合をDとした。
また、得た成形体の外観に関して、作製した成形体のつかみ部を、光沢計(HORIBA製IG320)を用いてJIS−K7150に準じて60度グロスを測定した。表面光沢値が60以上を評価A、55以上59以下を評価B、50以上54以下を評価C,50より低い値を評価Dとした。
上記成形性および外観の評価で得られた20〜25ショットISO試験片を用いて、ISO 527に準じて、曲げ弾性率を測定した。測定値はn=6の平均値とした。
上記成形性および外観の評価で得られた20〜25ショットISO試験片を用いて、ISO 178に準じて、曲げ弾性率を測定した。測定値はn=6の平均値とした。
上記成形性および外観の評価で得られた20〜25ショットISO試験片を用いて、ISO 179に準じてシャルピー衝撃強さを測定した。測定値はn=6の平均値とした。
UL94(米国Under Writers Laboratories Incで定められた規格)の方法を用いて測定を行った。なお試験片(長さ127mm、幅12.7mm、厚み1.6mm)は射出成形機(日精工業(株)製PS40E)にUL試験片の金型(金型温度=100℃)を取り付けて、シリンダー温度=290℃で、ポリアミド組成物を成形することにより作製した。射出圧力はUL試験片成形する際の完全充填圧力+2%の圧力で行った。難燃等級は、UL94規格(垂直燃焼試験)に準じた。
東芝機械社製、TEM35mm2軸押出機(設定温度:280℃、スクリュー回転数300rpm)を用いて、押出機最上流部に設けられたトップフィード口よりポリアミド(A−1)と(B−1)、(C1)難燃剤、(C2)難燃助剤、および(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体、とを予めブレンドしたものを供給し、押出機下流側(トップフィード口より供給された樹脂が充分溶融している状態)のサイドフィード口より(E)充填材を供給し、ダイヘッドより押し出された溶融混練物をストランド状で冷却し、ペレタイズしてポリアミド組成物ペレットを得た。配合量は(A−1)ポリアミド18.8質量%、(B−1)ポリアミド10.2質量%、(C1)難燃剤10.5質量%、(C2)難燃助剤2.0質量%、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体3.5質量%、および(E)充填材55質量%とした。
また、得られたポリアミド組成物ペレットを用いて、上記方法により成形品を製造し、成形時の成形性、外観、引張強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃強さ、難燃性の評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
配合量を(A−1)ポリアミド17.3質量%、(B−1)ポリアミド11.7質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド17.6質量%、(B−4)ポリアミド11.9質量%、(C1)難燃剤10.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド18.2質量%、(B−1)ポリアミド12.3質量%、(C1)難燃剤9.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド16.5質量%、(B−1)ポリアミド11.0質量%、(C1)難燃剤12.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド15.9質量%、(B−1)ポリアミド13.1質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド17.1質量%、(B−3)ポリアミド7.4質量%、(C1)難燃剤15.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド29.5質量%、(B−1)ポリアミド0質量%、(C1)難燃剤10.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド0質量%、(B−1)ポリアミド29.5質量%、(C1)難燃剤10.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド0質量%、(B−5)ポリアミド24.5質量%、(C1)難燃剤15.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド23.4質量%、(B−2)ポリアミド10.1質量%、(C1)難燃剤6.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド0質量%、(A−2)ポリアミド20.6質量%、(B−3)ポリアミド8.9質量%、(C1)難燃剤10.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド5.9質量%、(B−6)ポリアミド39.2質量%、(C1)難燃剤3.0質量%、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体0質量%、(E)充填材50質量%に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド21.9質量%、(B−4)ポリアミド14.6質量%、(C1)難燃剤3.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
配合量を(A−1)ポリアミド5.7質量%、(B−4)ポリアミド3.8質量%、(C1)難燃剤30.0質量%、に変更した以外は実施例1と同様に実施した。
比較例2は、(B)半芳香族ポリアミドのジカルボン酸単位がイソフタル酸を50モル%以上含むが、(A)脂肪族ポリアミドを含まないため、外観と難燃性、引張強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃のバランスが悪く、不充分であった。比較例4は、(B)半芳香族ポリアミドのジカルボン酸単位がイソフタル酸を50モル%以上含むが、重量平均分子量Mwが大きいため、外観と難燃性、引張強度、曲げ弾性率、シャルピー衝撃のバランスが悪く、不充分であった。比較例5は、(B)半芳香族ポリアミドのジカルボン酸単位がイソフタル酸を50モル%以上含むが、tanδピーク温度が100℃より低いので、ポリアミド組成物成形品の物性バランスが不充分であった。
比較例7は(B)半芳香族ポリアミドのジカルボン酸単位がイソフタル酸を50モル%以上含むが、ハロゲン含有量が2質量%以下であり、比較例8は(B)半芳香族ポリアミドのジカルボン酸単位がイソフタル酸を50モル%以上含むが、ハロゲン含有量が20質量%超であるため、ポリアミド組成物成形品の物性バランスが不充分であった。
Claims (19)
- (A)ジアミンとジカルボン酸とからなる脂肪族ポリアミド、
(B)イソフタル酸を50モル%以上含むジカルボン酸単位と炭素数4以上10以下のジアミンを含むジアミン単位とを含有する半芳香族ポリアミド、
(C1)難燃剤、および
(C2)難燃助剤、
を含有するポリアミド組成物であって、
該ポリアミド組成物のtanδピーク温度が100℃以上であり、
前記ポリアミド組成物の重量平均分子量Mwが、10000≦Mw≦40000であり、
前記ポリアミド組成物全量に対するハロゲン含有量が2質量%超20質量%以下であるポリアミド組成物。 - さらに、(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体を含有する請求項1記載のポリアミド組成物。
- 数平均分子量Mnが500以上2000以下である前記(A)脂肪族ポリアミドおよび前記(B)半芳香族ポリアミドの合計含有量が、前記ポリアミド組成物中のポリアミド全量に対し0.5質量%以上2.5質量%未満である請求項1または2記載のポリアミド組成物。
- 前記ポリアミド組成物の分子量分布Mw/Mnが2.4以下である請求項1から3いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記ポリアミド組成物中の、アミノ末端量とカルボキシル末端量との総量に対するアミノ末端量の比{アミノ末端量/(アミノ末端量+カルボキシル末端量)}が0.1以上0.5未満である請求項1から4いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)脂肪族ポリアミドがポリアミド66である請求項1から5いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドの前記ジカルボン酸単位における前記イソフタル酸の含有量が100モル%である請求項1から6いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドの重量平均分子量Mw(B)が、10000≦Mw≦25000である請求項1から7いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドの分子量分布Mw/Mnが2.4以下である請求項1から8いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドのMw/VRが1000以上2000以下である請求項1から9いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドがポリアミド6Iである請求項1から10いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドの含有量が、前記ポリアミド組成物中のポリアミド全量に対し30質量%以上50質量%以下である請求項1から11いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(A)脂肪族ポリアミドの重量平均分子量Mw(A)と前記(B)半芳香族ポリアミドの重量平均分子量Mw(B)の差{Mw(A)−Mw(B)}が10000以上である請求項1から12いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(B)半芳香族ポリアミドの末端が酢酸によって封止されている請求項1から13いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(C1)難燃剤が臭素化ポリスチレンであり、該臭素化ポリスチレンの含有量が、前記ポリアミド組成物100質量%に対して6質量%以上15質量%以下であり、かつ、
前記(C2)難燃助剤がSb2O3であり、該Sb2O3の含有量が、前記ポリアミド組成物100質量%に対して0.1質量%以上4質量%以下である請求項1から14いずれか1項記載のポリアミド組成物。 - 前記(D)α,β不飽和ジカルボン酸無水物を構成単位に含む重合体が、無水マレイン酸変性ポリフェニレンエーテルである請求項2から15いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- さらに、(E)充填材を含有する請求項1から16いずれか1項記載のポリアミド組成物。
- 前記(E)充填材がガラス繊維であり、該ガラス繊維の含有量が、ポリアミド組成物100質量%に対して40質量%以上60質量%以下である請求項17記載のポリアミド組成物。
- 請求項1から18いずれか1項記載のポリアミド組成物を成形してなり、表面光沢値が50以上である成形品。
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