JP3564710B2 - 扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を補強材とする熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を補強材とする熱可塑性樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を補強材として使用した熱可塑性樹脂組成物に関し、詳しくは、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性に優れ、樹脂の流れ方向の成型収縮率と樹脂の流れに直角な方向の成型収縮率をほぼ等しくし(収縮率の異方性が少ない)、且つ収縮率の異方性及び収縮率が小さく、寸法安定性が著しく良好で、熱変形温度が高く、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮き等の無い外観の良い成型品を得るのに好適な扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を補強材として使用した熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性に優れ、且つ収縮率の異方性及び収縮率が小さく、寸法安定性が著しく良好で、熱変形温度が高く、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮き等の無い外観の良い成型品を得ることを目的として、ガラスフレーク、通常の円形断面形状を有するガラス繊維の粉末であるガラスミルドファイバー、ガラス繊維(ガラス繊維の粉末を除く)、ガラスフレーク及び/又はガラスミルドファイバーとガラス繊維(ガラス繊維の粉末を除く)との混合物を補強材として使用した熱可塑性樹脂組成物が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ガラスフレークを補強材として用いた熱可塑性樹脂組成物より得られた成型品は、収縮率の異方性が少なく、線膨脹係数の異方性も少ないためにそりがなく、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮きが少ないために外観が良い等の利点があるが、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性が要求される分野への適用には問題があり、収縮率及び線膨脹係数についても十分でない。
【0004】
ガラスミルドファイバーを補強材として用いた熱可塑性樹脂組成物より得られた成型品は、収縮率の異方性が十分でなく、又線膨脹係数の異方性も十分でないので、そりがないことを要求される分野には問題があり、機械的物性向上のために、補強材を多く充填すると、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮きが発生するため外観が十分でない。
【0005】
ガラス繊維(ガラス繊維の粉末を除く)を補強材として用いた熱可塑性樹脂組成物より得られた成型品は、ガラス繊維の充填量が増すにつれて、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性、収縮率が向上する反面、材料の異方性が大きくなる。例えば、寸法安定性について言えば、線膨脹係数・成型収縮率ともに成型時の樹脂の流動方向については、小さくできるが、流動方向に対し直角の方向については、ガラス繊維の充填量を増しても小さくならないため、実際の製品の寸法安定性としては不充分であり、ゲート位置等の金型設計及び製品設計上、大きな制約を受ける。
【0006】
このような熱可塑性樹脂組成物より得られた成型品の異方性を低減するため、ガラスフレーク、ガラスミルドファイバー等比較的異方性の小さい補強材をガラス繊維(ガラス繊維の粉末を除く)と併用して添加する方法が知られているが、その方法では流動方向の線膨脹係数・成型収縮率が大きくなるため、結果として直角方向の差が小さくなるのであって、成型品の寸法安定性のレベルとしては、依然として問題が残る。さらに成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮きが発生するため外観も十分でない。事務機器、特に複写機、ファクシミリ用として機械的物性(ボルト等の締め付け。機械の重量を支える。振動しにくい。)が高く、外観が良好で、特に線膨脹係数(環境温度による寸法変化の少ないこと)・成型収縮率(設計寸法と成型品の寸法との誤差を小さくし、成型品の寸法のバラツキを小さくする)などの寸法安定性が流動方向・直角方向ともに極めて優れた熱可塑性樹脂組成物はない。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上述の問題を解決するために鋭意検討を行った結果、扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を補強材として使用した熱可塑性樹脂組成物より得られた成型品は、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性に優れ、樹脂流れ方向の成型収縮率と樹脂の流れに直角な方向の成型収縮率をほぼ等しくし(収縮率の異方向性が小さい)、且つ収縮率を低下させる等の寸法安定性が著しく良好で、熱変形温度が高く、成形品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮き等の無い外観の良い成型品が得られることを見出し、本発明に到達した。即ち、本発明は、熱可塑性樹脂100重量部に対し、ガラス繊維の粉末を5〜150重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、前記ガラス繊維の粉末は、断面の短径D1が0.5〜25ミクロンであり、前記ガラス繊維の断面の長径D2が0.6〜300ミクロンであり、前記ガラス繊維は断面の短径D1に対する長径D2の比D2/D1が1.2〜30である扁平な断面形状を有するガラス繊維を粉砕したものであり、且つ前記ガラス繊維の粉末において、前記ガラス繊維の粉末の長さが0.75×D2ミクロン以上で2×D2ミクロン以下である前記ガラス繊維の粉末は5〜60重量%であり、及び前記ガラス繊維の粉末の長さが2×D2ミクロン超過で3×D2ミクロン以下である前記ガラス繊維の粉末は1〜30重量%であること、を特徴とする熱可塑性樹脂組成物を要旨とするものである。
【0008】
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末に使用されるガラス繊維の断面の短径D1に対するガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1は断面の顕微鏡写真から実寸を測定することにより求める。又本発明の0.75×D2ミクロン以上で2×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の粉末の重量%及び2×D2ミクロン超過で3×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の粉末の重量%は画像処理により粉末の長さのヒストグラムを作成し、重量に変換することにより求める。
【0009】
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維の断面の短径D1に対するガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1が1.2未満の場合、成型品の収縮率・線膨張係数の異方性が十分でないために、そりの問題が発生し、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮きが発生するため外観が悪化する。また、D2/D1が30を超え、極端に大きい場合、樹脂等との混合、成形等でガラス繊維の粉末に加わる荷重により粉末が破細され、成型品の強度が減少する場合がある。
【0010】
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維の太さが、細すぎる場合、ガラス繊維の紡糸が困難な場合があり、太すぎる場合、樹脂との接触面積の減少などにより成型品の強度が減少する場合がある。
【0011】
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維は、特公平3−59019号公報、特公平4−13300号公報、特公平4−32775号公報及び特願平4−326677号、特願平4−353561号等を用いて製造することができる。特に、底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み該オリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレート又は単数又は複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造された扁平な断面形状を有するガラス繊維が好ましい。ガラス繊維の組成は、任意であるが、溶融ガラスよりガラス繊維化が可能な組成が良く、好ましい組成として、Eガラス組成、Cガラス組成、Sガラス組成、耐アルカリガラス等をあげることができる。ガラス繊維の引張り強度は、任意であるが、290kg/mm以上が好ましい。
【0012】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末は、上述の手法により得られた扁平な断面形状を有するガラス繊維を粉砕することにより得られる。粉砕機については、特に制限はなく、公知の粉砕機例えばボールミル粉砕機、フレットミル粉砕機等を用いることができる。本発明の扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末に含まれるガラス繊維の長さ及び含有重量%が、0.75×D2ミクロン以上で2×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の重量%及び2×D2ミクロン超過で3×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の重量%が少なすぎる場合、成型品の曲げ強度等の機械的特性の低下の問題が起きる場合がある。0.75×D2ミクロン以上で2×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の重量%及び2×D2ミクロン超過で3×D2ミクロン以下の長さのガラス繊維の重量%が多すぎる場合、成型品の収縮率の異方性が大きくなり、そりの問題が起きる場合がある。
【0013】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に含まれる扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末のアスペクト比(ガラス繊維の長さ/ガラス繊維の断面の長径D2)は任意であるが、好ましいアスペクト比は、150で、特に好ましくは210である。アスペクト比が小さすぎる場合、成型品の引張り強度等の機械的特性の低下の問題が起きる場合がある。アスペクト比が大きすぎる場合、成型品の線膨脹係数、成型収縮率等の異方性の問題が起きる場合がある。なお、アスペクト比は、画像処理により平均繊維長を測定し、断面の顕微鏡写真より断面の長径D2を測定することにより得た。
【0014】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末の断面形状は任意であるが、図1−(2)に示す如く、充填効率が良い形状が好ましく、特に図1−(3)に示す如く凸部が凹部に嵌まり込むような断面形状が好ましい。
【0015】
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維は、例えば、γーメタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γーアミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤等で表面処理されていることが望ましく、付着量は、ガラス繊維重量の0.01重量%以上とすることが好ましい。
さらに必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウンム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂、被膜形成能を有する樹脂と熱安定剤、難燃剤等を併用したもの等によって表面処理されたものを用いることもできる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物のガラス繊維の粉末は、粉末を顆粒化して用いることもできる。
【0016】
本発明の熱可塑性樹脂組成物に使用される扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末は、一般にクラフト紙にポリビニルが被覆された紙袋やドラム缶等に詰められて入手される。使用時、ガラス繊維の粉末の包装体を開封し、その全量を供給用ホッパーに投入したり、又は包装体より一部を取出して計量してホッパーに投入する方式で使用される。例えば、ナイロン、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンンサルファイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂等の熱可塑性樹脂100重量部に対し扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を5−150重量部配合したものをペレット化したり、2種以上の樹脂をアロイ化した樹脂、上述の樹脂に熱安定材、難燃剤等を添加したもの100重量部に対し扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を5−150重量部配合したものをペレット化したりして使用される。扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末が5重量部未満の場合、本発明の熱可塑性樹脂組成物から得られた成型品の機械的物性が十分でなく、150重量部超過の場合、扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末の浮きにより外観が悪くなる。熱可塑性樹脂100重量部に対し、好ましい扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末は10−100重量部で、特に、好ましい扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末は15−80重量部である。又、本発明の扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末の効果を損なわない程度に他の補強材、例えば、ガラスフレーク、通常の円形断面形状を有するガラス繊維の粉末であるガラスミルドファイバー、ガラス繊維、クレイ、タルク、等の無機材料の補強材、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等の有機材料の補強材、セラミク材料の補強材、金属材料の補強材等と併用して使用することもできる。
【0017】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する樹脂としては、ナイロン、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンンサルファイド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン等が好ましく、特に、ナイロン、飽和ポリエステル、ポリカーボネート等が好ましい。
【0018】
【作用】
本発明の熱可塑性樹脂組成物を構成する扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末は、従来の円形断面にくらべ、比表面積が大きいので、ガラス繊維と樹脂との間の全接着力が大きく熱可塑性樹脂組成物から得られた成型品の機械的物性が向上する。さらに、ガラス繊維の粉末の断面の凸部が他のガラス繊維の粉末の凹部に嵌まり込むような相互配置、ブロックを並べて積むような相互配置等を取り得る結果、補強材の充填量の増大が可能となり、上述の全接着力の増大による熱可塑性樹脂組成物から得られた成型品の機械的物性が向上と相俟って成型品の曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性を著しく向上させる。断面の凸部が他のガラス繊維の粉末の凹部に嵌まり込むような相互配置は、粉末である故、自由度が高く繊維状のものより取りやすいと思われる。又、扁平な断面形状を有するために、異方性に関しては、ガラスフレークのような効果を示し、成型品の収縮率の異方性が少なく、線膨脹係数の異方性も少ないためにそりがなく、成型品の表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮きが少ないために外観が良い。
【0019】
以下に参考例及び実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0020】
参考例1
特願平4−353561号に記載の底面に多数のオリフィスを有するオリフィスプレートにおいて、複数のオリフィス出口を囲み該オリフィスプレート底面より下方に延びる凸状縁を設けたオリフィスプレートを用いてガラス繊維の断面の短径D1に対するガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1が2.0であり、短径が13ミクロンの扁平な断面形状を有するガラス繊維を得、これをアスペクト比(ガラス繊維の長さ/ガラス繊維の断面の長径D2)が3.0になるように粉砕し、扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を得た。得られた粉末及び市販のガラスミルドファイバー(繊維径13ミクロン、アスペクト比4.0)をそれぞれ20重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%及び70重量%をナイロン−6(東レ(株)製、品名アミランCM1001)に添加し、エクストルーダーを用いてシリンダー温度270℃で溶融混合した。得られたナイロン−6組成物をチップ化し、射出成形機を用いて成形温度270℃、成形サイクルを一次圧(油圧:700kg/cm)、及び冷却時間20秒とし、型温度90℃で厚さ1/4インチ、幅1/2インチ、長さ5インチの板状体(A1)及び厚さ1/24インチ、3インチ角の板状体(A2)とを成形した。得られた成形品A1は、ASTM−D−790に準拠して曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。A2を用い、A2表面に樹脂の流動方向(縦方向)及び直角方向(横方向)に付けられたマーク間の距離を三次元寸法測定装置を用いて測定し、金型の実際の寸法との比率から収縮率を算出した。結果を表1に示す。
【0021】
参考例2
特願平4−326677号に記載の単数又は複数のオリフィス孔を有するノズルチップの外周部先端から下方に延びる複数の凸状縁を設けた異形断面ガラス繊維紡糸用ノズルチップを用いて製造した、ガラス繊維の断面の短径D1に対するガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1が15.3であり、短径が9.8ミクロンの扁平な断形状を有するガラス繊維を粉砕し、アスペクト比(ガラス繊維の長さ/ガラス繊維の断面の長径D2)が2.0の扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を得た。得られた粉末及び市販のガラスフレーク(平均厚さ4ミクロン、平均粒径40ミクロン)をそれぞれ70重量%を飽和ポリエステル(ポリプラスチックス(株)製、品名ジュラネックス2000)に添加し、エクストルーダーを用いてシリンダー温度270℃で溶融混合した。得られた飽和ポリエステル樹脂をチップ化し、射出成形機を用いて成形温度270℃、成形サイクルを一次圧(油圧:800kg/cm)、及び冷却時間20秒とし、型温度100℃で厚さ1/4インチ、幅1/2インチ、長さ5インチの板状体(A1)及び厚さ1/24インチ、3インチ角の板状体(A2)とを成形した。得られた成形品A1は、ASTM−D−256に準拠してアイゾッド衝撃強度を測定し、ASTM−D−790に準拠して曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。A2を用い、実施例1と同様の方法にて収縮率(縦方向及び横方向)を測定した。結果を表2に示す。
【0022】
実施例1
ガラス繊維の断面の短径D1に対するガラス繊維の断面の長径D2の比D2/D1が1.4であり、短径D1が11.5ミクロン、長径D2が16.1ミクロンの扁平な断面形状を有するガラス繊維を、ボールミル粉砕機にて粉砕し、12ミクロン以上で32.2ミクロン以下の長さのガラス繊維の粉末を43重量%、32.2ミクロン超過で48.3ミクロン以下の長さのガラス繊維の粉末を18重量%、12μm未満の長さのガラス繊維の粉末を29重量%及び48.3ミクロン超過の長さのガラス繊維の粉末を10重量%含む扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末を得た。得られた粉末及び市販のガラスミルドファイバー(繊維径10ミクロン、アスペクト比3.5)をそれぞれ20重量%、30重量%、40重量%及び50重量%をポリカーボネート樹脂(帝人化成(株)製、品名パンライトL1250J)に添加し、エクストルーダーを用いてシリンダー温度300℃で溶融混合した。得られた樹脂組成物をチップ化し、射出成形機を用いて成形温度300℃、成形サイクルを一次圧(油圧:1200kg/cm)、及び冷却時間25秒とし、型温度120℃で厚さ1/4インチ、幅1/2インチ、長さ5インチの板状体(A1)及び厚さ1/24インチ、3インチ角の板状体(A2)とを成形した。得られた成形品A1は、アイゾッド衝撃強度及び熱変形温度の測定に供し、A2は、変形量及び外観の測定に供した。変形量は、A2をフラットな定盤の上に置いて、A2の変形の最大(定盤TA2との隙間の最大値)を変形量として測定し、外観は目視により9段階(A、A−B、B、B−C、C、C−D、D、D−E、E)評価(Aが最も良好でEが最も悪い)した。結果を表3に示す。
【0023】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明の繊熱可塑性樹脂組成物から得られた成型品は、曲げ強度、曲げ弾性率、アイゾッド衝撃強度等の機械的物性が著しく優れていると共に、成型品の収縮率等の異方性が少なく、機械的物性と収縮率等の異方性とのバランスが極めて優れているので、機械的強度、寸法精度、外観等が要求される事務機器、特に複写機、ファクシミリ用として好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(1)(2)及び(3)は、本発明の扁平な断面形状を有するガラス繊維の粉末の例を示す斜視図である。
【表1】
Figure 0003564710
【表2】
Figure 0003564710
【表3】
Figure 0003564710

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂100重量部に対し、ガラス繊維の粉末を5〜150重量部配合してなる熱可塑性樹脂組成物であって、
    前記ガラス繊維の粉末は、断面の短径D1が0.5〜25ミクロンであり、前記ガラス繊維の断面の長径D2が0.6〜300ミクロンであり、前記ガラス繊維は断面の短径D1に対する長径D2の比D2/D1が1.2〜30である扁平な断面形状を有するガラス繊維を粉砕したものであり
    且つ前記ガラス繊維の粉末において、前記ガラス繊維の粉末の長さが0.75×D2ミクロン以上で2×D2ミクロン以下である前記ガラス繊維の粉末は5〜60重量%、及び前記ガラス繊維の粉末の長さが2×D2ミクロン超過で3×D2ミクロン以下である前記ガラス繊維の粉末は1〜30重量%であること、
    を特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
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