JPH08183878A - 熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる成形体

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JPH08183878A
JPH08183878A JP33984194A JP33984194A JPH08183878A JP H08183878 A JPH08183878 A JP H08183878A JP 33984194 A JP33984194 A JP 33984194A JP 33984194 A JP33984194 A JP 33984194A JP H08183878 A JPH08183878 A JP H08183878A
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thermoplastic resin
filler
volume
pellet
pellets
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JP33984194A
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Inventor
Hiroshi Kawakami
博 川上
Kazuhiko Kono
和彦 河野
Seiji Kinoshita
誠二 木下
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本発明は、重量平均アスペクト比10以上の鱗
片状フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレット(a)
と、重量平均長さ3mm以上の繊維状フィラーを含有す
る熱可塑性樹脂ペレット(b)とを含み、両フィラーが
下記数式(I)〜(III)を満足する量的割合で存在す
るペレット混合物を溶融混練して得られる熱可塑性樹脂
組成物である。 【数1】 3 ≦ Va+Vb ≦ 30 (I) Va/Vb > 1 (II) Vb ≧ 0.1×(Va+Vb) (III) (式中、Vaは、ペレット混合物の真の体積を基準とす
る鱗片状フィラーの体積百分率(体積%)を表し、Vb
は、ペレット混合物の真の体積を基準とする繊維状フィ
ラーの体積百分率を表す。) 【効果】 力学的性能および熱的性能が高く、力学的性
能および成形収縮率における異方性が小さく、形状の良
好な成形体を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鱗片状フィラーと繊維
状フィラーとを含有する熱可塑性樹脂組成物、該熱可塑
性樹脂組成物からなる成形体および該熱可塑性樹脂組成
物を与えるペレット混合物に関する。本発明の熱可塑性
樹脂組成物からなる成形体は、力学的性能および熱的性
能に優れ、しかも形状が良好である。したがって、本発
明の熱可塑性樹脂組成物およびペレット混合物は成形体
の素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を射出成形などの成形のた
めの素材として用いる場合、得られる成形体の力学的性
能、熱的性能などの性能を向上させる目的で、ガラス繊
維、炭素繊維、雲母、タルク、炭酸カルシウム、ウォラ
ストナイトなどの無機フィラーを含有させた熱可塑性樹
脂ペレットを使用することが多い。
【0003】ガラス繊維、炭素繊維などの繊維状フィラ
ーを含有させた熱可塑性樹脂ペレットを使用した場合に
は、フィラーが巨視的に棒状の形状を有し、また溶融成
形時に溶融樹脂の流れ方向に配向し易いために、得られ
た成形体(とりわけ射出成形体)の力学的性能(曲げ強
さ等)、成形収縮率などの性能の向上が流れ方向に優先
的に生じ、その結果、流れ方向とその直角方向の間での
異方性が大きくなるという問題点がある。成形収縮率に
おける異方性は、得られる成形体において、反りなどの
形状不良の原因ともなる。溶融成形において使用される
繊維状フィラー含有熱可塑性樹脂ペレットとしては、繊
維長が0.5〜1mm程度の繊維状フィラーを含有する
ものが一般的であるが、近年、5〜10mm程度の比較
的長い繊維長を有する無機フィラーを含有するものも商
品化されている。このような比較的長い繊維長を有する
無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレットを使用し
た場合には、得られる成形体における異方性がいくぶん
軽減され、形状がいくぶん改善されるという傾向がある
ことが知られている。
【0004】また、雲母などの鱗片状フィラーを含有さ
せた熱可塑性樹脂ペレットを成形に使用した場合には、
得られた成形体における曲げ強さ、衝撃強さ等の力学的
性能の向上は繊維状フィラーの場合の流れ方向で認めら
れるほど大きくないものの、繊維状フィラーの場合と比
較して、成形収縮率などにおける異方性の緩和および成
形体の形状の点で好結果を与えることが知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】樹脂成形体の用途は拡
大される傾向にあり、力学的性能、熱的性能などの性能
を、力学的性能、成形収縮率などにおける異方性を生じ
ることなく向上させ、かつ形状の良好な成形体を与える
成形用樹脂が要求されている。上記のように、鱗片状フ
ィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレットを成形に使用し
た場合には異方性の緩和および形状の改善が期待される
が、曲げ強さ、衝撃強さ等の力学的性能の向上が不十分
である。また、繊維状フィラーを含有させた熱可塑性樹
脂ペレットを使用した場合には、繊維状フィラーの繊維
長が上記のように比較的長いものであっても異方性の緩
和および形状の改善の点で、不十分である。
【0006】本発明の第一の目的は、力学的性能、熱的
性能等の諸性能が高く、かつ力学的性能および成形収縮
率における異方性が極めて小さく、形状の良好な、射出
成形体等の成形体を構成する熱可塑性樹脂組成物を提供
することにある。また本発明の第二の目的は、かかる諸
性能が高く、異方性が極めて小さく、形状の良好な成形
体を提供することにある。さらに、本発明の第三の目的
は、上記の熱可塑性樹脂組成物を製造するために有用な
熱可塑性樹脂ペレットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定のアスペクト比を有する鱗片状フィラーを
含有する熱可塑性樹脂ペレットの一部を、特定の繊維長
さを有する無機フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレッ
トに置き換えた場合、両フィラーが特定の量的関係を満
足するときには、意外にも、力学的性能および熱的性能
が顕著に向上するのみならず、鱗片状フィラーの使用量
が低減しているにもかかわらず異方性緩和および形状改
善の効果が高度に保持されることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明によれば、上記の第一の
目的は、重量平均アスペクト比が10以上である鱗片状
フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレット(a)と、重
量平均長さが3mm以上である繊維状フィラーを含有す
る熱可塑性樹脂ペレット(b)とを含むペレット混合物
であって、かつ該ペレット混合物の真の体積を基準とす
る該鱗片状フィラーの体積百分率Va(体積%)および
該ペレット混合物の真の体積を基準とする該繊維状フィ
ラーの体積百分率Vb(体積%)が、下記数式(I)、
下記数式(II)および下記数式(III)を満足するペレ
ット混合物を溶融混練することによって得られる熱可塑
性樹脂組成物を提供することにより達成される。
【0009】
【数7】3 ≦ Va+Vb ≦ 30 (I)
【0010】
【数8】Va/Vb > 1 (II)
【0011】
【数9】Vb ≧ 0.1×(Va+Vb) (III)
【0012】本発明によれば、上記の第二の目的は、上
記熱可塑性樹脂組成物からなる成形体を提供することに
より達成される。
【0013】また本発明によれば、上記の第三の目的
は、上記熱可塑性樹脂ペレット(a)と上記熱可塑性樹
脂ペレット(b)とを含むペレット混合物であって、か
つ該ペレット混合物の真の体積を基準とする該鱗片状フ
ィラーの体積百分率Va(体積%)および該ペレット混
合物の真の体積を基準とする該繊維状フィラーの体積百
分率Vb(体積%)が、上記数式(I)、上記数式(I
I)および上記数式(III)を満足するペレット混合物を
提供することにより達成される。
【0014】本発明において、熱可塑性樹脂ペレット
(a)は、熱可塑性樹脂および重量平均アスペクト比が
10以上である鱗片状フィラーを主成分とする。また、
熱可塑性樹脂ペレット(b)は、熱可塑性樹脂および重
量平均長さが3mm以上である繊維状フィラーを主成分
とする。
【0015】該熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン等の結晶性ポリオレフィン系樹脂;ポリ
ブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート
等の熱可塑性ポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロ
ン66等のポリアミド系樹脂;ポリスチレン、アクリロ
ニトリル−スチレン(AS)樹脂、アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂等のポリスチレン
系樹脂などを例示することができる。該熱可塑性樹脂と
して、無水マレイン酸、アクリル酸、グリシジルメタク
リレート、エチレン性不飽和結合を有するシラン化合物
等の極性基または反応性基を有する単量体を共重合させ
た樹脂を使用する場合には、フィラーとの接着性が向上
し、得られる成形体の力学的性能が一層向上することが
ある。熱可塑性樹脂ペレット(a)を構成する熱可塑性
樹脂と熱可塑性樹脂ペレット(b)を構成する熱可塑性
樹脂とは、同種であっても、また異種であってもよい。
【0016】本発明において、鱗片状フィラーとして
は、雲母粉末、ガラスフレークなどを例示することがで
きる。本発明においては、熱可塑性樹脂ペレット(a)
中に含有される鱗片状フィラーの重量平均アスペクト比
が10以上であることが重要である。重量平均アスペク
ト比が10未満の場合には、上記熱可塑性樹脂ペレット
(b)とともに使用して得られる熱可塑性樹脂組成物に
おいて、成形収縮率の異方性(とくに溶融成形時におけ
る樹脂流れ方向とそれに対する直角方向との間での差
異)が大きくなり、得られる成形体の形状が不良とな
る。またこの場合、得られる成形体の力学的性能および
熱的性能も低下する傾向がある。なお、重量平均アスペ
クト比の上限値について、成形体の力学的性能、熱的性
能および成形収縮率の異方性の点からは特に制限はない
が、重量平均アスペクト比をあまり大きくしても成形加
工時に鱗片状フィラーが破損しやすくなり、もはやそれ
以上の効果の向上が期待できないので、実用的には20
0以下で十分である。上記鱗片状フィラーの重量平均ア
スペクト比は、該鱗片状フィラーについて下記の測定方
法によりそれぞれ決定される重量平均フレーク径および
重量平均フレーク厚さから算出され、下記数式(IV)で
表されるように、重量平均フレーク径を重量平均フレー
ク厚さで除して求められる商として定義される。
【0017】
【数10】 重量平均アスペクト比=L/D (IV)
【0018】(式中、Lは重量平均フレーク径(μm)
を表し、Dは重量平均フレーク厚さ(μm)を表す)
【0019】鱗片状フィラーの重量平均フレーク径は、
該フィラーについて各種の目開きの標準ふるいを用いて
湿式分級を行い、その結果をロジン−ラムラー(Rosin-
Rammlar)線図にプロットし、該フィラーの50重量%
が通過するふるいの目開き(L50)を求め、該L50の値
を下記数式(V)に代入することによって算出される。
【0020】
【数11】L=21/2・L50 (V)
【0021】(式中、Lは重量平均フレーク径(μm)
を表し、L50はフィラーの50重量%が通過するふるい
の目開き(μm)を表す)
【0022】鱗片状フィラーの重量平均フレーク厚さ
は、シー・イー・ケープス(C. E. Capes)およびアー
ル・シー・コールマン(R. C. Coleman)の報告による
水面単分子膜法[インダストリー・アンド・エンジニア
リング・ケミストリー・ファンダメンタルス(Ind. En
g. Chem. Fundam.)、第12巻、第124頁(1973
年)参照]により測定される該フィラーの水面での占有
面積(S)等に基づき、下記数式(VI)から算出され
る。
【0023】
【数12】 D=104×W/[ρ(1−ε)S] (VI)
【0024】(式中、Dは重量平均フレーク厚さ(μ
m)を表し、Sはフィラーの水面での占有面積(c
2)を表し、Wは該占有面積の測定に供したフィラー
の重量(g)を表し、ρはフィラーの真の比重(g/c
3)を表し、(1−ε)はフィラーを水面で最密充填
状態をとって分散させた場合におけるフィラーの水面に
対する面積占有率(−)を表す)
【0025】例えば、鱗片状フィラーが雲母粉末の場
合、上記数式(VI)中のフィラーの比重ρとして2.8
6g/cm3を、面積占有率(1−ε)として0.9を
採用して、重量平均フレーク厚さDを計算することがで
きる。熱可塑性樹脂ペレット(a)中に含有される鱗片
状フィラーの重量平均フレーク径は特に制限されるもの
ではないが、成形収縮率の異方性を一層低減し、力学的
性能等を一層向上させることができる点から、20〜3
00μmの範囲内であることが好ましい。
【0026】本発明において、繊維状フィラーとして
は、ガラス繊維、炭素繊維などを例示することができ
る。本発明においては、熱可塑性樹脂ペレット(b)中
に含有される繊維状フィラーの重量平均長さが3mm以
上であることが重要である。該重量平均長さが3mm未
満である場合には、上記熱可塑性樹脂ペレット(a)と
ともに使用して得られる熱可塑性樹脂組成物において、
成形収縮率の異方性(とくに溶融成形時における樹脂流
れ方向とそれに対する直角方向との間での差異)が大き
く、得られる成形体の形状が不良となる。またこの場
合、得られる成形体の力学的性能および熱的性能が成形
条件に依存し易くなるので、均質な成形体を再現性よく
製造することが困難であり、大量生産に不向きである。
成形体の力学的性能および熱的性能の向上が特に大きい
点から、重量平均長さは5mm以上であることが好まし
い。なお、重量平均長さの上限値について、得られる成
形体の力学的性能、熱的性能、成形収縮率、異方性およ
び形状の点から特に制限はないが、成形加工時の均一混
合性の点から、重量平均長さは20mmより大きくない
ことが好ましい。なお、上記繊維状フィラーの重量平均
長さは、熱可塑性樹脂ペレット(b)から取り出した繊
維状フィラー試料について光学顕微鏡により長さを実測
し、個々の試料の長さの実測値の分布に基づいて、次の
式により決定される。すなわち、実測された長さについ
て最小値から最大値までの範囲を等間隔にm個(ただ
し、mは7以上の整数)に区分し、最小長さを有する繊
維状フィラーが属する区分を「第1の区分」と称し、最
大長さを有する繊維状フィラーが属する区分を「第mの
区分」と称する場合、繊維状フィラーの重量平均長さは
下記数式(VII)に従って算出される。
【0027】
【数13】
【0028】(式中、mは区分の総数を表し、liは第
iの区分における長さの下限値と上限値との算術平均値
(mm)を表し、niは第iの区分に属する繊維状フィ
ラー試料の数(本)を表し、lxは繊維状フィラーの重
量平均長さ(mm)を表し、nxは第x(xは1以上、
かつm以下の整数)の区分(その区分における長さの下
限値と上限値との算術平均値が繊維状フィラーの重量平
均長さに一致する区分)に属する繊維状フィラー試料の
数(本)を表す)
【0029】繊維状フィラーの繊維径は、特に制限され
ることなく、通常の成形用熱可塑性樹脂ペレットに含有
されている繊維状フィラーと同程度のものを採用するこ
とができ、一般的には、平均値において5〜30μmの
範囲内である。
【0030】上記熱可塑性樹脂ペレット(a)中の鱗片
状フィラーの重量平均フレーク径および重量平均アスペ
クト比ならびに熱可塑性樹脂ペレット(b)中に含有さ
れる繊維状フィラーの重量平均長さは、いずれもペレッ
トに含有されているフィラーにおける数値であり、該フ
ィラーは、各ペレットについて灰化処理、溶解処理、溶
融処理等で熱可塑性樹脂を除去し、さらに必要に応じて
分別操作に付することによって取得することができるの
で、それを測定試料として使用して上記の方法により決
定することができる。なお、熱可塑性樹脂ペレット
(b)の製造において、溶融混練等のせん断応力を付加
する方法を採用した場合、繊維状フィラーが破断される
ので、ペレットの製造に使用した繊維状フィラーとペレ
ット中に含有されている繊維状フィラーとでは重量平均
長さが必ずしも一致しない。
【0031】本発明においては、上記熱可塑性樹脂ペレ
ット(a)と上記熱可塑性樹脂ペレット(b)とを含む
ペレット混合物の真の体積(ペレット単粒子相互間の間
隙を含まない体積)を基準とする鱗片状フィラーの体積
百分率Va(体積%)および該ペレット混合物の真の体
積を基準とする該繊維状フィラーの体積百分率Vb(体
積%)が、上記数式(I)、上記数式(II)および上記
数式(III)の全てを満足することが重要である。(V
a+Vb)の値が3体積%未満の場合、得られる成形体
の力学的性能および熱的性能が不十分となり、また成形
収縮率の異方性が高く、成形体の形状が不良となる。一
方、(Va+Vb)の値が30体積%より大きい場合に
は、溶融流動性が損なわれ、良好な形状の成形体が得ら
れない。Va/Vbの値が1以下の場合、成形収縮率の
異方性が高く、得られる成形体の形状が不良となる。ま
たこの場合、得られる成形体における力学的性能の異方
性が大きくなることがある。さらに、この場合、得られ
る成形体の力学的性能および熱的性能が成形条件に依存
し易くなるので、均質な成形体を再現性よく製造するこ
とが困難であり、大量生産に不向きである。また、Vb
の値が[0.1×(Va+Vb)]の値より小さい場
合、得られる成形体の力学的性能および熱的性能が不十
分となる。
【0032】熱可塑性樹脂ペレット(a)および/また
は熱可塑性樹脂ペレット(b)には、上記の熱可塑性樹
脂およびフィラー以外に、他の少量成分を含有させても
よい。併用することのできる少量成分としては、γ−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリ
ング剤;炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ガラスビーズ
等の非鱗片状かつ非繊維状のフィラー;着色剤;可塑
剤;滑剤;酸化防止剤などが例示される。シランカップ
リング剤の使用は、熱可塑性樹脂とフィラーとの親和性
が向上し、得られる成形体の力学的性能が一層向上する
ので好ましい。各ペレットにおけるシランカップリング
剤の配合割合は、少量の割合であれば特に制限はない
が、熱可塑性樹脂とフィラーとの重量の和に対して0.
05〜3重量%となる割合が一般的である。シランカッ
プリング剤は、熱可塑性樹脂ペレット(a)または
(b)の製造に際して、熱可塑性樹脂との溶融混練に使
用するフィラーの表面に付着させておく方法、熱可塑性
樹脂およびフィラーと独立に添加する方法等により、熱
可塑性樹脂ペレット中に含有させることができる。
【0033】本発明において、熱可塑性樹脂ペレット
(a)および熱可塑性樹脂ペレット(b)の形状・寸法
は、特に限定されることなく、例えば、成形材料として
使用される通常のフィラー配合熱可塑性樹脂ペレットと
同様な形状(例えば、円柱状、平板状など)および寸法
を有することができる。
【0034】熱可塑性樹脂ペレット(a)および熱可塑
性樹脂ペレット(b)の製造方法は特に限定されること
なく、例えば、通常のフィラー配合熱可塑性樹脂ペレッ
トの製造方法に準じて、両ペレットをそれぞれ製造する
ことができる。例えば、熱可塑性樹脂、鱗片状フィラー
および所望によりその他の少量成分を、単軸押出機、二
軸押出機、ロール混練機等の混練装置により溶融混練
し、次いで所定の形状・寸法にペレット化することによ
り、熱可塑性樹脂ペレット(a)を製造することができ
る。また、マット型樹脂含浸装置、ロービング型樹脂含
浸装置等の樹脂含浸装置により、繊維状フィラーを与え
る長繊維の集合体(ロービング等)に、熱可塑性樹脂お
よび所望によりその他の少量成分を含浸させ、次いで所
定の形状・寸法に切断し、ペレット化することにより、
熱可塑性樹脂ペレット(b)を製造することができる。
【0035】熱可塑性樹脂ペレット(a)と熱可塑性樹
脂ペレット(b)とを含む本発明のペレット混合物は、
本発明の効果を損なわない範囲において、熱可塑性樹脂
ペレット(a)および熱可塑性樹脂ペレット(b)に加
えて、それら以外の熱可塑性樹脂ペレットを含有してい
てもよい。なお、ペレット混合物が他の熱可塑性樹脂ペ
レットを含有する場合、VaおよびVbの基準となる
「ペレット混合物の真の体積」においても、該他の熱可
塑性樹脂ペレットの体積を付加しておくべきであること
は、いうまでもない。
【0036】混合ペレットは、熱可塑性樹脂ペレット
(a)、熱可塑性樹脂ペレット(b)および所望により
他の熱可塑性樹脂ペレットを、所定の割合で、ブレンダ
ー等により混合することによって製造することができ
る。
【0037】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記ペレ
ット混合物を溶融混練することによって得られる。ペレ
ット混合物の溶融混練方法としては、通常の熱可塑性樹
脂ペレットの溶融混練と同様な方法を採用することがで
きる。すなわち、ペレット混合物を、例えば、単軸押出
機、二軸押出機、ロール混練機等の混練装置中で溶融混
練することができる。溶融混練された熱可塑性樹脂組成
物は、ペレットの形状に付形することも可能であるが、
熱可塑性樹脂ペレット(b)中の繊維状フィラーの破断
を極力防止するために、直接、所望の成形体に成形する
ことが好ましい。
【0038】本発明の成形体は、上記ペレット混合物を
溶融混練することによって得られる熱可塑性樹脂組成物
からなる。成形体を得るための成形方法としては、射出
成形、押出成形、ブロー成形、カレンダー成形、熱成形
(サーモフォーミング)等の溶融成形法などを採用する
ことができるが、射出成形の場合、得られる成形体にお
ける異方性の緩和、形状の改善などの本発明の効果が特
に効果的に奏されるので好ましい。成形体の形状として
は、シート状、板状、管状、棒状、箱状等の任意の形状
を採用することができるが、少なくとも一部に板状構造
を有する成形体が、本発明の効果が特に効果的に奏され
る点から好ましい。本発明の成形体は、力学的性能およ
び熱的性能が高く、力学的性能における異方性が極めて
小さく、しかも形状が良好であることから、機械部材等
として有用である。
【0039】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例により限定されるもので
はない。
【0040】実施例1 ヘンシェルミキサーにより、メルトフローレート15g
/10分の耐衝撃グレード・ポリプロピレン(宇部興産
社製J−915HK)(以下、ポリプロピレンをPPと
略記することがある)に対し、重量平均アスペクト比6
5の白雲母(クラレ製クラライトマイカ80−C)およ
びシランカップリング剤としてのγ−アミノプロピルト
リエトキシシランを、PP/雲母の体積比が71.8/
13.1となり、かつシランカップリング剤/雲母の重
量比が1/200となる割合で、配合し、次いで単軸押
出機によりシリンダー温度230℃の条件で混練し、ペ
レット化した。このようにして、重量平均アスペクト比
65の雲母を含有するPPペレットを製造した。単繊維
径13μmのガラスロービングを一方向に引き揃えたガ
ラスロービングマットに対し、上記のものと同種のメル
トフローレート15g/10分の耐衝撃グレード・ポリ
プロピレンを、PP/ガラス繊維(以下、ガラス繊維を
GFと略記することがある)の体積比が10.2/4.
9の割合で、ダブルベルト式樹脂含浸装置により、ダブ
ルベルト温度280℃の条件で含浸させることによっ
て、厚み2mmのPP含浸一方向ガラスロービングマッ
トを製造した。このPP含浸一方向ガラスロービングマ
ットを、幅2mm、長さ6mmに切断することによって
ペレット化し、長さ6mmのGFを含有するPPペレッ
トを製造した。上記の雲母含有PPペレットとGF含有
PPペレットとを、雲母含有PPペレット/GF含有P
Pペレットの体積比が84.9/15.1となる割合で
混合し、ペレット混合物を得た。
【0041】上記ペレット混合物を、射出成形機を用い
てシリンダー温度230℃の条件で溶融混練して熱可塑
性樹脂組成物とし、所定の金型内に射出することによ
り、厚さ3mm、幅100mm、長さ100mmの平板
状成形体(曲げ試験用);幅12.7mm、厚さ3m
m、長さ63mmのアイゾット衝撃試験用成形体;直径
150mm、厚さ2mmのセンターゲート円板(成形歪
み評価用試験片);幅6.35mm、高さ12.7m
m、長さ127mmの荷重たわみ温度測定用試験片およ
び厚さ2mm、幅100mm、長さ100mmのフィル
ムゲート正方形板(成形収縮率測定用試験片)をそれぞ
れ得た。上記の平板状成形体から、射出成形時における
樹脂の溶融流れ方向(MD)を長辺とする短辺10mm
の短冊状の試験片およびMDに対する直角方向(TD)
を長辺とする短辺10mmの短冊状の試験片を切り出
し、これら2種の試験片を使用しMDおよびTDの各方
向について、オートグラフ(島津製作所製AG−500
0D)で曲げ試験を行った。上記のアイゾット衝撃試験
用成形体の中央にノッチを入れ、アイゾット試験機(東
洋精機製)で、MD方向について衝撃試験を行った。上
記の円板の反りは、該円板を水平な平面上に伏せて置い
た場合における円板外周面下端の最大高さ(h)と円板
の最大直径(d)との比(h/d)により評価した。荷
重たわみ温度は、JIS K 7207に記載された方
法に従い、上記の荷重たわみ温度測定用試験片を使用し
て、曲げ応力18.5kgf/cm2の条件でMD方向
について測定した。また、上記のフィルムゲート正方形
板について、MDおよびTDの各方向での成形収縮率を
測定した。上記の各評価で得られた結果を、下記表1に
示す。
【0042】実施例2、3;比較例1〜3 重量平均アスペクト比65の白雲母の代わりに、重量平
均アスペクト比50の白雲母(クラレ製クラライトマイ
カ200−D)(実施例2)、重量平均アスペクト比2
0の白雲母(クラレ製クラライトマイカ600W)(実
施例3)、重量平均アスペクト比8の白雲母(比較例
1)、重量平均アスペクト比4のタルク(比較例2)、
または重量平均アスペクト比1の炭酸カルシウム(比較
例3)を、同じ体積で使用した以外は、実施例1と同様
にして、各ペレットの製造および混合を行い、得られた
ペレット混合物を射出成形に供し、次いで得られた成形
体について評価した。得られた評価結果を、下記表1に
示す。
【0043】
【表1】
【0044】なお上記表1中、「円板の反り」において
は、上記h/dの値が、1%未満(○)、1%以上
かつ5%未満(△)、5%以上(×)の3段階評価に
おける判定結果を示す。
【0045】実施例4および5 PP含浸一方向ガラスロービングマットの切断長さを6
mmから10mm(実施例4)または3mm(実施例
5)に変更した以外は、実施例1と同様にして、各ペレ
ットの製造および混合を行い、得られたペレット混合物
を射出成形に供し、次いで得られた成形体について評価
した。得られた評価結果を、下記表2に示す。
【0046】比較例4 PP/雲母の体積比を71.8/13.1から50.6
/13.1に変更した以外は実施例1と同様にして、雲
母含有PPペレットを製造した。メルトフローレート1
5g/10分の耐衝撃グレード・ポリプロピレン(宇部
興産社製J−915HK)と単繊維径13μm、長さ3
mmのGFを、PP/GFの体積比が31.4/4.9
の割合で、二軸押出機に供給し溶融混練することによっ
て、重量平均長さが約1mmであるGFを含有するPP
ペレットを製造した。上記の雲母含有PPペレットとG
F含有PPペレットとを、雲母含有PPペレット/GF
含有PPペレットの体積比が63.7/36.3となる
割合で混合し、ペレット混合物を得た。得られたペレッ
ト混合物を使用する以外は実施例1と同様にして、射出
成形および得られた成形体の評価を行った。得られた評
価結果を、下記表2に示す。
【0047】
【表2】
【0048】なお上記表2中、「円板の反り」において
は、上記h/dの値が、1%未満(○)、1%以上
かつ5%未満(△)、5%以上(×)の3段階評価に
おける判定結果を示す。
【0049】実施例6 PP/雲母の体積比を71.8/13.1から63.6
/22.8に変更した以外は実施例1と同様にして、重
量平均アスペクト比が65の雲母を含有するPPペレッ
トを製造した。PP/GFの体積比を10.2/4.9
から7.9/5.7に変更した以外は実施例1と同様に
して、繊維長さが6mmのGFを含有するPPペレット
を製造した。上記の雲母含有PPペレットとGF含有P
Pペレットとを、雲母含有PPペレット/GF含有PP
ペレットの体積比が86.4/13.6となる割合で混
合し、ペレット混合物を得た。得られたペレット混合物
を使用した以外は実施例1と同様にして、射出成形およ
び得られた成形体の評価を行った。得られた評価結果
を、下記表3に示す。
【0050】実施例7〜9;比較例5、6 雲母含有PPペレットにおけるPP/雲母の体積比およ
びそれとGF含有PPペレット[PP/GFの体積比は
7.9/5.7の近辺]との混合を、雲母含有PPペレ
ット/GF含有PPペレットの体積比を、それぞれ所定
の値に変更した以外は実施例6と同様にして、各ペレッ
トの製造および混合を行い、得られたペレット混合物を
射出成形に供し、次いで得られた成形体について評価し
た。なお、比較例5では、ペレット混合物を射出成形に
供したところ、熱可塑性樹脂組成物の溶融流動性が悪く
満足な成形体が得られなかったので、評価を行うことが
できなかった。得られたペレット混合物における雲母と
GFの体積百分率および成形体の評価結果を、下記表3
に示す。
【0051】
【表3】
【0052】なお上記表3中、「円板の反り」において
は、上記h/dの値が、1%未満(○)、1%以上
かつ5%未満(△)、5%以上(×)の3段階評価に
おける判定結果を示す。
【0053】比較例7 雲母含有PPペレットにおけるPP/雲母の体積比を8
2.5/17.5に変更した以外は実施例1と同様にし
て、雲母含有PPペレットを製造した。得られた雲母含
有PPペレットを、そのまま(GF含有PPペレットと
混合することなく)、射出成形に供した以外は実施例1
と同様にして、成形体を得、該成形体について評価し
た。得られた評価結果を、下記表4に示す。
【0054】比較例8、9 雲母含有PPペレットにおけるPP/雲母の体積比、G
F含有PPペレットにおけるPP/GFの体積比、およ
び両ペレットの混合における雲母含有PPペレット/G
F含有PPペレットの体積比を、それぞれ所定の値に変
更した以外は実施例1と同様にして、各ペレットの製造
および混合を行い、得られたペレット混合物を射出成形
に供し、次いで得られた成形体について評価した。得ら
れたペレット混合物における雲母とGFの体積百分率お
よび評価結果を、下記表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】なお上記表4中、「円板の反り」において
は、上記h/dの値が、1%未満(○)、1%以上
かつ5%未満(△)、5%以上(×)の3段階評価に
おける判定結果を示す。
【0057】比較例10 雲母含有PPペレットにおけるPP/雲母の体積比を8
8.0/12.0に変更した以外は実施例1と同様にし
て、雲母含有PPペレットを製造した。得られた雲母含
有PPペレットを、そのまま(GF含有PPペレットと
混合することなく)、射出成形に供した以外は実施例1
と同様にして、成形体を得、該成形体について評価し
た。得られた評価結果を、下記表5に示す。
【0058】実施例10;比較例11、12 雲母含有PPペレットにおけるPP/雲母の体積比、G
F含有PPペレットにおけるPP/GFの体積比、およ
び両ペレットの混合における雲母含有PPペレット/G
F含有PPペレットの体積比を、それぞれ所定の値に変
更した以外は実施例1と同様にして、各ペレットの製造
および混合を行い、得られたペレット混合物を射出成形
に供し、次いで得られた成形体について評価した。得ら
れたペレット混合物における雲母とGFの体積百分率お
よび評価結果を、下記表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】なお上記表5中、「円板の反り」において
は、上記h/dの値が、1%未満(○)、1%以上
かつ5%未満(△)、5%以上(×)の3段階評価に
おける判定結果を示す。
【0061】上記表1から、鱗片状フィラー含有熱可塑
性樹脂ペレット中の鱗片状フィラーの重量平均アスペク
ト比を変化させた場合、重量平均アスペクト比が10以
上であり本発明に従う実施例1〜3では、曲げ強さ、曲
げ弾性率、衝撃強さおよび荷重たわみ温度が高く、かつ
曲げ強さ、曲げ弾性率および成形収縮率の異方性ならび
に円板の反りが小さいことが判る。これに対し、重量平
均アスペクト比が10より小さい、本発明以外の比較例
1〜3では、成形収縮率の異方性が大きく、円板の反り
も大きいことが判る。上記表2から、繊維状フィラー含
有熱可塑性樹脂ペレット中の繊維状フィラーの重量平均
長さを変化させた場合、重量平均長さが3mm以上であ
り本発明に従う実施例1、4および5では、曲げ強さ、
曲げ弾性率、衝撃強さおよび荷重たわみ温度が高く、か
つ曲げ強さ、曲げ弾性率および成形収縮率の異方性なら
びに円板の反りが小さいことが判る。これに対し、重量
平均長さが3mmより短い、本発明以外の比較例4で
は、曲げ強さおよび成形収縮率の異方性が大きく、円板
の反りも大きいことが判る。上記表3から、ペレット混
合物基準における鱗片状フィラーと繊維状フィラーの体
積百分率の和(Va+Vb)を変化させた場合、該体積
百分率の和が3〜30体積%の範囲内であり本発明に従
う実施例6〜9では、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さ
および荷重たわみ温度が高く、かつ曲げ強さ、曲げ弾性
率および成形収縮率の異方性ならびに円板の反りが小さ
いことが判る。これに対し、該体積百分率の和が30体
積%より大きい、本発明以外の比較例5では、ペレット
混合物を溶融混練して得られる熱可塑性樹脂組成物の溶
融流動性が悪く、成形性が不良であり、また該体積百分
率の和が3体積%より小さい、本発明以外の比較例6で
は、曲げ強さ、曲げ弾性率および荷重たわみ温度が低
く、しかも成形収縮率の異方性が大きく、円板の反りも
大きいことが判る。上記表4から、ペレット混合物基準
における鱗片状フィラーと繊維状フィラーの体積百分率
の和がほぼ一定(18体積%前後)の条件の下で、鱗片
状フィラー/繊維状フィラーにおける体積百分率の比
(Va/Vb)を変化させた場合、該比の値が1より大
きく、本発明に従う実施例1では、上記のとおり、曲げ
強さ、曲げ弾性率、衝撃強さおよび荷重たわみ温度が高
く、かつ曲げ強さ、曲げ弾性率および成形収縮率の異方
性ならびに円板の反りが小さいのに対し、GFを全く使
用しない本発明以外の比較例7では、曲げ強さおよび衝
撃強さが低く、また該比の値が1以下であり本発明以外
の比較例8および9では、曲げ強さおよび成形収縮率の
異方性が大きく、しかも円板の反りも大きいことが判
る。また上記表5から、ペレット混合物基準における鱗
片状フィラーと繊維状フィラーの体積百分率の和がほぼ
一定(12〜13体積%程度)の条件の下で、鱗片状フ
ィラー/繊維状フィラーにおける体積百分率の比(Va
/Vb)を変化させた場合、該比の値が1より大きく、
本発明に従う実施例10では、曲げ強さ、曲げ弾性率、
衝撃強さおよび荷重たわみ温度が高く、かつ曲げ強さ、
曲げ弾性率および成形収縮率の異方性ならびに円板の反
りが小さいことが判る。これに対し、GFを全く使用し
ない本発明以外の比較例10では、曲げ強さおよび衝撃
強さが低く、また該比の値が1以下であり本発明以外の
比較例11および12では、成形収縮率の異方性が大き
く、しかも円板の反りも大きいことが判る。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、上記の実施例から明ら
かなとおり、曲げ強さ、曲げ弾性率、衝撃強さなどの力
学的性能および荷重たわみ温度などの熱的性能が高く、
しかも力学的性能および成形収縮率における異方性が小
さく、形状の良好な成形体および該成形体を与える熱可
塑性樹脂組成物が提供される。また本発明によれば、該
熱可塑性樹脂組成物を与えるペレット混合物が提供され
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量平均アスペクト比が10以上である
    鱗片状フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレット(a)
    と、重量平均長さが3mm以上である繊維状フィラーを
    含有する熱可塑性樹脂ペレット(b)とを含むペレット
    混合物であって、かつ該ペレット混合物の真の体積を基
    準とする該鱗片状フィラーの体積百分率Va(体積%)
    および該ペレット混合物の真の体積を基準とする該繊維
    状フィラーの体積百分率Vb(体積%)が、下記数式
    (I)、下記数式(II)および下記数式(III)を満足
    するペレット混合物を溶融混練することによって得られ
    る熱可塑性樹脂組成物。 【数1】3 ≦ Va+Vb ≦ 30 (I) 【数2】Va/Vb > 1 (II) 【数3】 Vb ≧ 0.1×(Va+Vb) (III)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物から
    なる成形体。
  3. 【請求項3】 重量平均アスペクト比が10以上である
    鱗片状フィラーを含有する熱可塑性樹脂ペレット(a)
    と、重量平均長さが3mm以上である繊維状フィラーを
    含有する熱可塑性樹脂ペレット(b)とを含むペレット
    混合物であって、かつ該ペレット混合物の真の体積を基
    準とする該鱗片状フィラーの体積百分率Va(体積%)
    および該ペレット混合物の真の体積を基準とする該繊維
    状フィラーの体積百分率Vb(体積%)が、下記数式
    (I)、下記数式(II)および下記数式(III)を満足
    するペレット混合物。 【数4】3 ≦ Va+Vb ≦ 30 (I) 【数5】Va/Vb > 1 (II) 【数6】Vb ≧ 0.1×(Va+Vb) (III)
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013510013A (ja) * 2009-11-06 2013-03-21 ザ・ボーイング・カンパニー 圧縮成形法及び同成形法により成形される強化熱可塑性部品
WO2013108815A1 (ja) * 2012-01-17 2013-07-25 独立行政法人産業技術総合研究所 ナノフィラーを混合した炭素繊維強化プラスチック材料およびその製造方法
JP2015096586A (ja) * 2013-10-11 2015-05-21 住友化学株式会社 成形体
JP2019147861A (ja) * 2018-02-26 2019-09-05 Dic株式会社 組成物および成形体、並びにこれらの製造方法

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