JP5013497B2 - 繊維強化ポリアセタール樹脂組成物およびそれを含む樹脂成形品 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化ポリアセタール樹脂組成物およびそれを含む樹脂成形品に関する。詳しくは、熱安定性に優れ、また優れた機械的強度を有し、かつ成形品の反りを低減した繊維強化ポリアセタール樹脂組成物およびそれを含む樹脂成形品に関する。
ポリアセタール樹脂は機械的物性(耐摩擦性・磨耗性、耐薬品性、耐クリープ性、寸法安定性)のバランスに優れ、また極めて優れた耐疲労性を有し、吸水性も少ないエンジニアリングプラスチックである。近年、ポリアセタール樹脂は、これらの特性を生かして自動車や各種電気・電子機器に用いる樹脂部品等に使用され、需要が伸びている。
またポリアセタール樹脂に各種補強材を添加して更に機械的物性を向上させる検討がなされている。そしてこのような樹脂組成物においては、樹脂組成物の収縮率の異方性(樹脂組成物の流れ方向と直角方向での成形収縮率の差)の抑制、収縮率自体の抑制による寸法安定性の向上、熱変形温度の向上、更には成形品表面の凹凸、ざらつき、補強材の浮き等の無い良好な外観となる為の検討がなされている(例えば特許文献1、2参照)。そして補強材としては例えば、燐片状(フレーク)や略球状(ガラスビーズ)のガラス粉末や、ガラス繊維、炭素繊維などが知られており、これらについても様々な改良がなされている。例えば特殊なガラス繊維として、繊維断面における最長径と最短径の比が約1である(繊維断面形状が略真円の)一般的なガラス繊維ではない、いわゆる異形断面のガラス繊維等が知られている(例えば特許文献3、4参照)。
特開平11181231号公報 特開2000−169667号公報 特開平6−228806号公報 特開平7−300335号公報
繊維強化樹脂組成物、特に繊維強化ポリアセタール樹脂組成物を製造するにあたり、例えば補強材としてガラスフレークを用いた場合には、得られる樹脂成形品の収縮率の異方性は低く、また線膨張係数の異方性も少ないため、反りが殆ど無く、また成形品表面性状(外観)も良好となる。しかしその反面、機械的物性の向上は不十分であり、また収縮率や線膨張係数そのものの値は未だに高く、近年、微小化、精密化が著しい電子・電気機器用部品への要求に対して未だ不十分なままであるという問題があった。
また補強材として、繊維断面形状が略真円の一般的なガラス繊維を用いた際には、その充填量の増加の伴い機械的物性や収縮率が向上する反面、材料の異方性が大きくなるために、得られる樹脂成形品の反りが大きくなるという問題があった。また異形断面ガラス繊維が記載されている先述の特許文献3、4には、繊維強化ポリアセタール樹脂組成物及びこれを用いた樹脂成形品の特性改善については、何らの示唆もされておらず、熱安定性、機械的強度、そして成形品の反り抑制等を同時になし得る、繊維強化ポリアセタール樹脂組成物の提供が切望されていた。
本発明の目的は、熱安定性、機械的強度、そして成形品の反り抑制等の効果を同時に奏する、繊維強化ポリアセタール樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、ポリアセタール樹脂に、補強材として特定の異形断面ガラス繊維を用い、且つ特定の、複数の添加剤を配合することによって、高剛性で且つ反りの少ないポリアセタール樹脂成形品が得られることを見出し、本発明を完成させた。すなわち本発明の要旨は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、以下の(A)〜(C)を含有することを特徴とする、繊維強化ポリアセタール樹脂組成物、およびこれを含むポリアセタール樹脂成形品に関する。
(A)繊維断面の最短径に対する最長径の比が2.4以上12以下である異形断面ガラス繊維を1重量部以上100重量部以下
(B)アミノ置換トリアジン類を0.01重量部以上10重量部以下
(C)多官能性シアン酸エステル類を0.01重量部以上10重量部以下
本発明の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物は、熱安定性に優れ、また優れた機械的強度を有する。そしてこれを含むポリアセタール樹脂成形品は、上述の効果と同時に反りをも低減出来ることから、プリンター、複写機、ファクシミリなどの事務用機器や、時計部品などの精密機器等の樹脂部品として極めて有用なものとなる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いるポリアセタール樹脂は、アセタール構造―(―O―CRH―)―(但しRは水素原子、有機基を示す。)を繰り返し構造に有する高分子であり、通常はRが水素原子であるオキシメチレン基(−CHO−)を主たる構成単位とするものである。本発明に用いるポリアセタール樹脂は、この繰り返し構造のみからなるアセタールホモポリマー以外に、前記オキシメチレン基以外の繰り返し構成単位を1種以上含むコポリマー(ブロックコポリマー)やターポリマー等も含み、更には線状構造のみならず分岐、架橋構造を有していてもよい。
前記オキシメチレン基以外の構成単位としては例えば、オキシエチレン基(−CHCHO−)、オキシプロピレン基(−CHCHCHO−)、オキシブチレン基(−CHCHCHCHO−)等の炭素数2以上10以下の、分岐していてもよいオキシアルキレン基が挙げられ、中でも炭素数2以上4以下の分岐していてもよいオキシアルキレン基が好ましく、特にオキシエチレン基が好ましい。またこの様な、オキシメチレン基以外のオキシアルキレン構造単位の含有量としては、ポリアセタール樹脂中において0.1重量%以上20重量%以下であることが好ましい。
本発明に用いるポリアセタール樹脂の製造方法は任意であり、従来公知の任意の方法によって製造すればよい。例えば、オキシメチレン基と、炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を構成単位とするポリアセタール樹脂の製造方法としては、ホルムアルデヒドの3量体(トリオキサン)や4量体(テトラオキサン)等のオキシメチレン基の環状オリゴマーと、エチレンオキサイド、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキソカン、1,3−ジオキセパン等の炭素数2以上4以下のオキシアルキレン基を含む環状オリゴマーとを共重合することによって製造することができる。中でも本発明に用いるポリアセタール樹脂としては、トリオキサンやテトラオキサン等の環状オリゴマーと、エチレンオキサイドまたは1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましく、中でもトリオキサンと1,3−ジオキソランとの共重合体であることが好ましい。
本発明において繊維断面とは、繊維の長手方向に対する略垂直な断面を意味する。また異形断面とは、該繊維断面が例えば長円形、楕円形、まゆ形等の細長い扁平な形状や、三角形、V字形、星形等のいわゆる略真円形状ではない、扁平比の高い繊維断面を意味する。ここで扁平比とは、該繊維断面形状における長手方向の最大長さを、それに直角方向の最大長さ(幅)で割った値を意味しており、断面形状が湾曲していた場合には、長手方向の最大長さはその湾曲に沿って計った長さ(即ち湾曲を直線に矯正した長さ)を意味する。
本発明において用いる(A)異形断面ガラス繊維は、繊維断面の最短径に対する最長径の比が2.4以上12以下である。この比が前記範囲未満の場合には、得られる繊維強化ポリアセタール樹脂組成物を含む樹脂成形品の収縮率や線膨張係数の異方性が大きくなるために、「反り」の抑制が困難となり、また補強材の「浮き」による成形品表面の凹凸、ざらつきが発生し外観が悪化する。逆にこの比が極端に大きくてもポリアセタール樹脂等の樹脂との混合や成形品成形時に、該繊維に加わる荷重により繊維が破砕され、補強効果が減少する場合がある。よってこの比は2.4以上であり、2.5以上であることが好ましく、その上限は12である
本発明に用いる異形断面ガラス繊維の太さは、目的とする繊維強化ポリアセタール樹脂組成物や樹脂成形品の特性によって適宜選択して決定すればよい。一般的には、異形断面ガラス繊維断面での最短径が0.1μm以上、中でも0.5μm以上であることが好ましく、その上限は30μm以下、中でも25μm以下であることが好ましい。また最長径は1μm以上、中でも1.2μm以上であることが好ましく、300μm以下、中でも100μm以下であることが好ましい。異形断面ガラス繊維が細すぎると、ポリアセタール樹脂との混合時等に繊維が破砕されてしまうことがあり、逆に太すぎてもポリアセタール樹脂等との接触面積が減少してしまうために、補強材としての補強効果が減少する場合がある。
本発明に用いる異形断面繊維の材質はガラス繊維である。異形断面ガラス繊維を用いることによって、本発明の効果が顕著となる
本発明に用いる異形断面ガラス繊維の組成は、溶融ガラスよりガラス繊維化が可能な組成であればよく、中でもEガラス組成、Cガラス組成、Sガラス組成、耐アルカリガラス組成等が好ましい。
本発明に用いる異形断面ガラス繊維は、そのまま用いても良いが、例えばγ―メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。これらのシランカップリング剤の量はガラス繊維重量の0.01重量%以上とすることが好ましい。更に必要に応じて、脂肪酸アミド化合物、シリコーンオイル等の潤滑剤、第4級アンモニウム塩等の帯電防止剤、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の被膜形成能を有する樹脂や、これらの樹脂に熱安定剤、難燃剤等を併用したものにより表面処理されていてもよい。
本発明に用いる異形断面ガラス繊維においては、繊維断面の最短径に対する最長径の比が2.4以上12以下であれば、その他の形態については特に制限はなく、熱可塑性樹脂の補強材として用いる従来公知のものを使用できる。具体的には、チョップトストランド、ロービング、ガラス糸または織物等が挙げられ、中でもチョップトストランドが効果的であり、好ましい。また異形断面ガラス繊維の長さも、適宜選択して決定すればよいが、例えばチョップトストランドの場合には、短すぎると得られる繊維強化ポリアセタール樹脂組成物の機械的物性が不十分となる場合があり、期待する補強効果が得られない場合がある。また逆に長すぎてもポリアセタール樹脂中での流動性の低下や、また樹脂中での均一分散が困難となる場合があるので、本発明に用いる異形断面ガラス繊維のカット長は1mm以上、中でも3mm以上であることが好ましく、その上限は100mm以下、中でも50mm以下、特に25mm以下であることが好ましい。
本発明に用いる(A)異形断面ガラス繊維の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して1重量部以上100重量部以下である。中でも3重量部以上、特に5重量部以上であることが好ましく、その上限は中でも80重量部以下、特に50重量部以下であることが好ましい。
本発明に用いる(B)アミノ置換トリアジン類は、従来公知の任意のアミノ置換トリアジン類を使用できるが、中でも下記一般式(1)で示される構造を有するアミノ置換トリアジン類を用いることが好ましい。
Figure 0005013497
(但し式(1)において、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、R〜Rのうち少なくとも一つはアミノ基または置換アミノ基を示す)
アミノ置換トリアジン化合物の具体例としては、例えばグアナミン、メラミン、メチロールメラミン、N−ブチルメラミン、N−フェニルメラミン、N,N−ジフェニルメラミン、N,N−ジアリルメラミン、N,N’,N”−トリフェニルメラミン、N,N’,N”−トリメチロールメラミン、ベンゾグアナミン、2,4−ジアミノ−6−メチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブチル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ベンジルオキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ブトキシ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−シクロヘキシル−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−クロロ−sym−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メルカプト−sym−トリアジン、アメリン(N,N,N’,N’−テトラシアノエチルベンゾグアナミン)等が挙げられる。またこれらアミノ置換トリアジン類は、ホルムアルデヒドとの初期重縮合物(プレポリマー)として用いてもよく、具体的にはメラミン、メチロールメラミン、ベンゾグアナミンとホルムアルデヒドとの初期重縮合物であることが好ましく、これらの中でも水溶性のメラミン−ホルムアルデヒド樹脂が特に好ましい。
本発明に用いる(B)アミノ置換トリアジン化合物の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01重量部以上、10重量部以下、中でも7重量部以下、特に5重量部以下であることが好ましい。含有量が多すぎると、ポリアセタール樹脂との混練時に樹脂への分散が不良となり、得られる繊維強化ポリアセタール樹脂成形品中にて凝集し、いわゆる異物となる場合がある。
本発明に用いる(C)多官能性シアン酸エステル類としては、具体的には分子中に2個以上のシアン酸エステル基を有する、下記一般式(2)で表されるポリシアン酸エステル化合物およびこれから誘導されるオリゴマーを示す。

−(−O−C≡N)(2)
(但し式(2)において、Rは芳香族性の多価有機基を示し、mは2以上の整数を示す)。
一般式(2)においてRで表される芳香族性の多価有機基としては、例えば以下の(a)〜(c)が挙げられる。
(a)炭素数6以上16以下の単環または複数の芳香環が縮合した芳香族炭化水素基;
(b)複数個の芳香族基同士が単結合にて直接結合した有機基;
(c)複数個の芳香族基が連結基によって結合した芳香環含有基;
(a)の具体例としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等が挙げられる。(b)の具体例としてはビフェニル基等が挙げられる。(c)の具体例としては、例えば芳香族基がベンゼン環である場合に、下記一般式(3)で表される構造を有する芳香環含有有機基、
Figure 0005013497
(但し式(3)において連結基Yは、炭素数1〜14の直鎖状、分岐状または環状の脂肪族炭化水素基;フェニレン基;キシリレン基等の芳香族炭化水素基;酸素原子;硫黄原子;カルボニル基;スルホニル基;スルフィニル基;ホスフォニル基;ホスフィイル基;イミノ基;アルキレンオキシアルキレン基などで例示される多価の結合基を示す。)が挙げられる。また、フェノールとホルムアルデヒドを反応させて得られるフェノール樹脂オリゴマー(通常、ベンゼン環が10核体以下)残基等が挙げられる。
これらの多価有機基における芳香環は、アルキル基、アルコキシ基などの不活性な置換基で置換されていてもよい。上述した(a)〜(c)の具体例としては、ジフェニルメタン、2,2−ジフェニルプロパン、ジフェニルエーテル、ジフェニルジメチレンエーテル、ジフェニルケトン、ジフェニルアミン、ジフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホン等やこれらから誘導される多価有機基が挙げられる。中でも、ジフェニルアルカン類、特に2,2−ジフェニルプロパンが好ましい。
本発明に用いる、ポリシアン酸エステル化合物から誘導されるオリゴマーとしては、前記シアン酸エステル中のシアノ基が三量化することによって形成されるsym−トリアジン環を分子中に有しており、平均分子量400〜6000を持つことが好ましい。
本発明に用いるポリシアン酸エスエル化合物や、これから誘導されるオリゴマーは、単独または二種以上を任意の割合で併用してもよい。
本発明に用いる(C)多官能性シアン酸エステル類の量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し0.01重量部以上、10重量部以下であり、中でも7重量部以下、特に5重量部以下であることが好ましい。含有量が多すぎると、ポリアセタール樹脂との混練時の加熱等により、得られる繊維強化ポリアセタール樹脂成形品の変色や「焼け」が生ずる場合がある。
本発明においては、さらに立体障害性フェノール類を添加することができる。立体障害性フェノールとしては、具体的には例えば、下記一般式(4)で示される構造を少なくとも一つ以上有する化合物を示す。
Figure 0005013497
(但し式(4)において、RおよびRは、各々独立して、置換または非置換のアルキル基を示し、ヒドロキシ基に対してメタ位および/またはパラ位に任意の置換基を有していてもよい。)。
この様な立体障害性フェノールの具体例としては、2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−メチレン−ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルジメチルアミン、ステアリル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、ジエチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート、2,6,7−トリオキサ−1−ホスファ−ビシクロ〔2,2,2〕−オクト−4−イル−メチル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−3,5−ジステアリル−チオトリアジルアミン、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシメチルフェノール、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等が挙げられる。これらの中でも特に、下記一般式(5)で示される構造を少なくとも一個以上有する化合物が好ましい。
Figure 0005013497
(但し式(5)において、RおよびRは、一般式(4)と同義である。)
一般式(4)における立体障害性フェノールの好ましい具体例としては、前記の中でも一般式(5)を含むものとして、N,N’−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、オクタデシル−3−(3,5−ジ−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が挙げられる。
更に、これらの中でもより好ましいものは、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,2’−チオジエチル−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕である。
本発明の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物は、上述した成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲内で公知の添加剤および/または充填剤を添加することが可能である。添加剤としては、例えば滑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等が挙げられる。また充填剤としては異形断面ガラス繊維以外のガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、タルク、マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカー等が挙げられる。更に顔料、染料を加えて所望の色目に仕上げてもよい。
本発明の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではなく、ポリアセタール樹脂に上述した各成分(A)〜(C)等や、必要に応じて他の樹脂添加剤および/または充填剤が所定の量比となるように、任意の順序で混合し、混練することによって製造すればよい。混合・混練の温度、圧力等の条件は、従来公知の方法に鑑みて適宜選択して決定すればよく、また製造装置としても従来公知の混合、混練装置を用いればよい。混練の際には、ポリアセタール樹脂が溶融する温度以上、具体的には原料のポリアセタール樹脂の流動開始温度以上、通常は170℃以上で行うことが好ましい。
具体的には例えば、ポリアセタール樹脂に対して、(A)異形断面ガラス繊維、(B)アミノ置換トリアジン化合物、および(C)多官能性シアン酸エステル類を同時に又は任意の順序で混合し、必要に応じて他の樹脂添加剤を添加した後、タンブラー型ブレンダー等によって混合し、得られた混合物を1軸または2軸押出し機にて溶融混練してストランド状に押出し、ペレット化することにより所望の組成の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物ペレットを得ることができる。
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す実施例に限定されるものではない。
<材料>
(1)ポリアセタール樹脂:
コモノマーとして1,3−ジオキソランを樹脂全体に対して4.2重量%含有するアセタールコポリマー。メルトインデックス(10.5g/10分)。
(2)異形断面ガラス繊維:
ガラス繊維断面における最長径の最短径に対する比が4(ガラス繊維20本の繊維断面測定の平均値)の異形断面ガラス繊維、商品名:CSG 3PA−820、日東紡社製。
(3)ガラス繊維:
ガラス繊維断面における最長径の最短径に対する比が1のガラス繊維。商品名:CS03MA486A 旭ファイバーグラス社製
(4)ガラスフレーク:
ガラスビーズ。商品名:ガラスビーズEGB731D−PN、ボッターズ・バロティーニ社製
(5)アミノ置換トリアジン化合物:
メラミン。
(6)多官能性シアン酸エステル類:
2,2’−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン。
<物性評価方法>
(a)引張強度:ASTM D638に準拠して測定した。
(b)曲げ強度:ASTM D790に準拠して測定した。
(c)反り量:40×100×1mm外観片を成形し、ゲート側を基準にした際の反ゲート側の浮いている高さを確認した。
[実施例1比較例1〜
ポリアセタール樹脂100重量部に対し、表1に示す配合処方で原料を秤量し、タンブラー型ブレンダーによって混合し、得られた混合物を40mmΦ単軸押出機(田辺プラスチックス社製、型式:VS−40)にてシリンダー温度200℃、吐出速度20kg/hrで溶融混練してペレット化し、所望のポリアセタール樹脂組成物のペレットを得た。
得られたペレットを用い、射出成形機にて物性測定に供する試験片を成形し、成形品の引張強度と反り量を測定した。結果を表1に示した。
Figure 0005013497

Claims (4)

  1. ポリアセタール樹脂100重量部に対して、以下の(A)〜(C)を含有することを特徴とする繊維強化ポリアセタール樹脂組成物。
    (A)繊維断面の最短径に対する最長径の比が2.4以上12以下である異形断面ガラス繊維を1重量部以上100重量部以下
    (B)アミノ置換トリアジン類を0.01重量部以上10重量部以下
    (C)多官能性シアン酸エステル類を0.01重量部以上10重量部以下
  2. (B)アミノ置換トリアジン類が、下記一般式(1)で表される置換または非置換トリアジン類であることを特徴とする請求項に記載の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物。
    Figure 0005013497
    (式中、R、R、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアラルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、アミノ基または置換アミノ基を示し、R〜Rのうち少なくとも一つはアミノ基または置換アミノ基を示す)。
  3. (C)多官能性シアン酸エステル類が、下記一般式(2)で表されるポリシアン酸エステル化合物および/またはそのプレポリマーであることを特徴とする請求項1または2に記載の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物。
    −(−O−C≡N) (2)
    (式中、Rは芳香族性の多価有機基を示し、mは2以上の整数を示す)。
  4. 請求項1乃至の何れかに記載の繊維強化ポリアセタール樹脂組成物を含む繊維強化ポリアセタール樹脂成形品。
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