JP4649920B2 - ポリアセタール樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、機械的強度、耐熱エージング性、耐加水分解性に優れた、ポリアセタール樹脂組成物に関するものである。
近年、ポリアセタール樹脂はその優れた機械的強度、熱的特性、摺動特性、成形性、成形品の寸法安定性、クリープ特性、電気特性を有するため、例えば自動車部品、電子・電気部品、産業用機械部品など広範な分野の構造材料や構造部品として広く使用されている。しかし、かかる分野における要求性能は高度化かつ多様化しており、機械的強度や剛性を向上させるために、他樹脂と同様に無機充填材などの強化材を配合することが従来より知られている。しかし、ポリアセタール樹脂は他物質との親和性が低いため、単純に無機充填材を添加しても、機械的強度や剛性に大きな向上が見られないという問題がある。
このような要求に応えるべく、従来から種々の試みがなされている。
特許文献1にはポリアセタール樹脂にポリウレタンエマルジョンで予め表面処理されている無機充填剤を配合することにより、機械的強度や熱安定性が向上することが開示されている。また、特許文献2にはポリアセタール樹脂に炭素数12以上の脂肪酸、及びその金属塩から選ばれた1種又は2種以上の表面処理剤又は付着剤0.1〜20重量%で予め表面処理されている無機充填材を配合することにより、機械的強度や光沢性が向上することが開示されている。しかしながら、両文献に記載の方法では、機械的強度に大きな向上が見られず、耐熱エージング性および耐加水分解性に劣るものしか得られないことがわかった。更に、特許文献3にはポリアセタール樹脂にガラス繊維、イソシアネート化合物、場合によって重金属含有化合物を添加することでクリープ特性、耐加水分解性を改善しうる技術が開示されている。しかしながら特許文献3の方法は、耐加水分解性は向上するものの機械的強度および耐熱エージング性の向上は未だ十分ではない。特許文献4には、ポリアセタール樹脂にガラス系無機充填剤およびヒドロキシカルボン酸化合物を配合することで機械的物性が向上することが開示されている。しかしながら特許文献4の方法は、機械的強度は向上するもののその効果は未だ十分ではない。
特開昭62−22846号公報(第1−2頁) 特開平1−170641号公報(第1−2頁) 特開平11−181231号公報(第1−2頁) 特開2002−371168号公報(第1−2頁)
したがって、本発明は、上述した従来技術における問題点、即ち、ポリアセタールの本来持つ高い耐熱性を維持しつつ、無機充填材がブレンドされた場合に顕著に強度が改善され、さらに耐熱エージング性、耐加水分解性に良好な製品を得ることができるポリアセタール樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリアセタール樹脂と無機充填材とポリアルキレングリコールモノアクリレートからなるポリアセタール樹脂組成物により、機械的強度に代表される機械的物性が顕著に改善できるばかりか、耐熱エージング性、耐加水分解性にも優れることを見い出し、本願発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリアセタール樹脂100重量部に対し、無機充填材1〜100重量部、ポリアルキレングリコールモノアクリレート0.01〜5重量部を配合してなるポリアセタール樹脂組成物を提供するものである。
本発明のポリアセタール樹脂組成物によれば、機械的強度、耐熱エージング性、耐加水分解性に優れるため、本発明のポリアセタール樹脂組成物はこれらの特性が要求される部材に好適である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いられるポリアセタール樹脂とは、オキシメチレン単位を主たる繰り返し単位とするポリマーであり、ホルムアルデヒドもしくはトリオキサンを主原料とする重合反応によって得られるいわゆるポリアセタールホモポリマー、および主としてオキシメチレン単位からなり、主鎖中に2〜8個の隣接する炭素原子を有するオキシアルキレン単位を15重量%以下含有するいわゆるポリアセタールコポリマーのいずれであってもよく、また他の構造単位を含有するコポリマー、つまりブロックコポリマー、ターポリマーおよび架橋ポリマーのいずれであってもよい。これらは1種または2種以上で用いることができるが、熱安定性の観点からはポリアセタールコポリマーの使用が好ましい。
ポリアセタール樹脂の製造方法については特に制限はなく、公知の方法により製造することができる。ポリアセタールホモポリマーの代表的な製造方法の例としては、高純度のホルムアルデヒドを有機アミン、有機あるいは無機の錫化合物、金属水酸化物のような塩基性重合触媒を含有する有機溶媒中に導入して重合し、重合体を濾別した後、無水酢酸中、酢酸ナトリウムの存在下で加熱してポリマー末端をアセチル化することにより製造する方法などが挙げられる。
また、代表的なポリアセタールコポリマーの製造方法の例としては、高純度のトリオキサンおよびエチレンオキシドや1,3−ジオキソランなどの共重合成分をシクロヘキサンのような有機溶媒中に導入し、三弗化ホウ素ジエチルエーテル錯体のようなルイス酸触媒を用いてカチオン重合した後、触媒の失活と末端基の安定化を行うことにより製造する方法、あるいは溶媒を全く使用せずに、セルフクリーニング型撹拌機の中へトリオキサン、共重合成分および触媒を導入して塊状重合した後、さらに不安定末端を分解除去することにより製造する方法などが挙げられる。
これらポリマーの粘度は、成形材料として使用できる程度のものであれば特に制限はないが、ASTM D1238法によるメルトフローレート(MFR)が測定可能であり、測定荷重2,160gの条件下においてMFRが0.1〜100g/10分の範囲のものであることが好ましく、1.0〜50g/10分のものであることが特に好ましい。
本発明で使用する無機充填材としては、ガラス繊維、チタン酸カリウム繊維、ホウ酸アルミニウム繊維、炭素繊維、ワラステナイトなどの繊維状無機充填材、ガラスビーズ、ガラスバルーン、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナ、フェライトなどの粉粒状無機充填材、ガラスフレーク、マイカ、タルク、黒鉛などの板状無機充填材が挙げられる。これらの無機充填材はそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良い。これらの無機充填材は未処理のものも使用できるが、シラン系、チタネート系、ジルコニウム系、ボラン系などのカップリング剤で予め表面処理されているものがより好ましい。無機充填材の配合量は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、1〜100重量部であり、5〜50重量部であることが好ましく、5〜40重量部であることがより好ましい。
本発明で使用するポリアルキレングリコールモノアクリレートとしては、ポリエチレングリコールモノアクリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレート、ポリブチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、メトキシポリブチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシポリプロピレングリコールモノアクリレート、エトキシポリブチレングリコールモノアクリレート、などが挙げられる。これらのポリアルキレングリコールモノアクリレートはそれぞれ単独で用いても良いし、2種以上組み合わせても良い。いずれの化合物を用いても、ある程度の効果を得ることができるが、ポリアルキレングリコールモノアクリレートのアルキル基がエチル基またはプロピル基であるものがより好ましい。ポリアルキレングリコールモノアクリレートの配合量はポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部であることが好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は、このようなポリアセタール樹脂、無機充填材、ポリアルキレングリコールモノアクリレートから構成されるが、さらに酸化防止剤を含有してもよい。
本発明で使用する酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。具体的には、例えば、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−オクタデシル−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、n−テトラデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、1,4−ブタンジオール−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]、2,2’−メチレンビス−(4−メチル−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、N,N’−ビス−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−テトラメチレン−ビス−3−(3’−メチル−5’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオニルジアミン、N,N’−ビス−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオニル]ヒドラジン、N−サリチロイル−N’−サリチリデンヒドラジン、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4−トリアゾール、N、N’−ビス[2−{3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]オキシアミド等がある。好ましくは、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンである。これらの酸化防止剤は1種類用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。特に、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンから選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。また、この酸化防止剤は、ポリアセタール樹脂100重量部に対して、0.01〜1重量部配合することが好ましい。
本発明のポリアセタール樹脂組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリアセタール樹脂、無機充填材、ポリアルキレングリコールモノアクリレート、酸化防止剤および必要に応じてその他添加剤を予めドライブレンドした後、またはしないで、ポリアセタール樹脂の融点以上において1軸または2軸押出機で溶融混練する方法が好ましく用いられる。またポリアセタール樹脂、ポリアルキレングリコールモノアクリレート、酸化防止剤および必要に応じてその他添加剤を予めドライブレンドした後、またはしないで、ポリアセタール樹脂の融点以上において1軸または2軸押出機で溶融混練し、その後押出機の中段にて無機充填材をサイドフィードする方法が好ましく用いられ、ポリアセタール樹脂、酸化防止剤および必要に応じてその他添加剤を予めドライブレンドした後、またはしないで、ポリアセタール樹脂の融点以上において1軸または2軸押出機で溶融混練し、その後押出機の中段にて、無機充填材とポリアルキレングリコールモノアクリレートを予めドライブレンドしたものをサイドフィードする方法が一層好ましく用いられる。
本発明の組成物に、さらに用途に応じて各種特性を付与する添加剤を配合することにより、一層優れたポリアセタール樹脂組成物を得ることができる。具体的には、ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物、および離型(潤滑)剤等を本発明のポリアセタール樹脂組成物100重量部に対して0〜5重量部含有させることができる。
ホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体、または化合物の例としては、ナイロン4−6、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン12等のポリアミド樹脂、およびこれらの共重合物、例えば、ナイロン6/6−6/6−10、ナイロン6/6−12等を挙げられる。またアクリルアミドおよびその誘導体、アクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体やアミノ置換基を有するホルムアルデヒド反応性窒素原子を含む化合物を挙げることができる。アクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとの共重合体の例としては、アクリルアミドおよびその誘導体と他のビニルモノマーとを金属アルコラートの存在下で重合して得られたポリ−β−アラニン共重合体を挙げることができる。これらホルムアルデヒド反応性窒素を含む重合体または化合物は1種類用いても良いし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。ポリアセタール樹脂100重量部に対して、好ましくは0.01〜1重量部配合される。
離型剤としては、アルコール、平均重合度が10〜500であるオレフィン化合物、シリコーン等が挙げられる。中でも、炭素数12〜22の脂肪酸由来のエチレングリコールジ脂肪酸エステルが好ましく、特にエチレングリコールジステアレート、エチレングリコールジパルミテート、エチレングリコールジヘプタデシレートが好ましい。本発明においては、これら炭素数12〜22の脂肪酸由来のエチレングリコールジ脂肪酸エステルからなる群から選ばれる2種以上をポリアセタール100重量部に対して、0.01〜0.9重量部配合することが特に有効である。
さらに本発明においては、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明のポリアセタール樹脂組成物にその他のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、未硬化のエポキシ樹脂、またはこれらの変性物等に代表される熱可塑性樹脂、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等に代表される熱可塑性エラストマーを配合することができる。
本発明のポリアセタール樹脂組成物は射出成形法、押出成形法等の方法により成形品とすることが可能であり、射出成形法が好ましいが、押出成形法により板材、丸棒等を得た後に旋盤やスライス盤等で切削加工し成形品を作製することも可能である。本発明のポリアセタール樹脂組成物の射出成形する場合の金型温度としては、結晶化の観点から、30℃以上が好ましく、60℃以上がさらに好ましく、80℃以上がさらに好ましい。上限としては、成形サイクル等の成形性の点から130℃以下であることが好ましい。
かくして得られる成形品は、機械的強度に優れ、かつ耐熱エージング性、耐加水分解性に優れるため、高い圧力が作用する駆動部品を構成しても初期の形状を長時間に渡り維持できるため、機械的運動機構を構成する部品、例えば、ギア、レバー、スライダー、ケース、リール、ガイド部材、カム、各種焼結合金軸受(モータ軸受、エンドブラケット、ギャプスタン軸受等)の代替などの成形体を得る上で有用である。さらには耐熱エージング性、耐加水分解性に優れるため、温度、湿度の高い環境および/または水中で長期間に渡り良好な特性を維持することができるという特性を有するため、水と接触して用いられる部品、例えば水回り部品や高湿度環境下で使用される機械機構部品に好適に用いることができる。例えば、バルブ部品、水中スライダー、水中ガイド部材、水中使用ギア、水中カムなどが好ましく挙げらる。
本発明を更に具体的に説明するために以下実施例および比較例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(参考例1)
[ポリアルキレングリコールモノアクリレート(P−a)の調整]
2−ヒドロキシエチルアクリレート300重量部を反応器に仕込み、四塩化スズ2.1重量部、ハイドロキノン0.3重量部を添加し、反応器中を窒素置換しかきまぜ、エチレンオキシド400重量部を圧入し30〜40℃で6時間付加反応させる。その後1時間熟成させエチレンオキシドを留去する。生成物にキヨワード#300(協和化学工業製)10.2重量部、AD−6(協和化学工業製)2.0重量部を加え30分間吸着処理した後、吸引濾過しポリエチレングリコールモノアクリレート(P−a)を得た。
(参考例2)
[ポリアルキレングリコールモノアクリレート(P−b)の調整]
2−ヒドロキシプロピルアクリレート400重量部を反応器に仕込み、四塩化スズ8重量部、ハイドロキノン0.53重量部を添加し、反応器中を窒素置換しかきまぜ、プロピレンオキシド565重量部を圧入し40〜50℃で5時間付加反応させる。その後30分間熟成させプロピレンオキシドを留去する。生成物をn−ヘキサン800重量部に溶かし40℃の1%苛性ソーダ水溶液550重量部にて水洗し、さらに500重量部の水で2回水洗を繰り返す。水洗後、ハイドロキノン0.21重量部を加え、脱溶剤・脱水を3時間行う。脱水後、吸引濾過しポリプロピレングリコールモノアクリレート(P−b)を得た。
[実施例1〜12]
東レ(株)製ポリアセタール樹脂“アミラス”S761(MFR:9g/10min)100重量部に上記調整により得られたポリアルキレングリコールモノアクリレート(P−a)または(P−b)を表1に示す割合で添加し、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤IRGANOX245を1重量部ドライブレンドし、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150回転に設定した30mmφ2軸押出機(日本製鋼所製“TEX”30)を用いて溶融混練を行い、押出機中段から平均粒径3μmのタルクまたは直径10μm、繊維長3mmのガラス繊維を表1に示す割合でサイドフィードし、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をシリンダー温度200℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(東芝IS−80)を用いてASTM1号ダンベルを成形した。
成形して得られたASTM1号ダンベルについて、ASTM D638に従って引張強度の測定を行った。耐熱エージング性の評価については、熱風オーブン中でASTM1号ダンベルを150℃×1000時間処理を行い処理後サンプルをASTM D638に従い引張り強度の測定を実施し、未処理品の強度からの保持率を測定した。耐加水分解性の評価については、ASTM1号ダンベルを60℃×95%RHに設定した恒温恒湿槽中で1000時間処理を行い処理後サンプルをASTM D638に従い引張り強度の測定を実施し、未処理品の強度からの保持率を測定した。評価結果を表1に示す。
[実施例13〜19]
東レ(株)製ポリアセタール樹脂“アミラス”S761(MFR:9g/10min)100重量部にチバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製ヒンダードフェノール系酸化防止剤IRGANOX245を1重量部ドライブレンドし、シリンダー温度200℃、スクリュー回転数150回転に設定した30mmφ2軸押出機(日本製鋼所製“TEX”30)を用いて溶融混練を行い、押出機中段から上記調整により得られたポリアルキレングリコールモノアクリレート(P−a)または(P−b)を、平均粒径3μmのタルクまたは直径10μm、繊維長3mmのガラス繊維に表2に示す割合で予めドライブレンドした混合物をサイドフィードし、樹脂組成物を得た。評価については実施例1〜12と同様に行った。評価結果を表2に示す。
なお、配合順序については、実施例1〜12におけるようにポリアセタール樹脂に(P−a)または(P−b)を添加して溶融混練を行い、これにガラス繊維を添加する(ポリアセタール樹脂にポリアルキレングリコールモノアクリレートを添加し、つぎに無機充填材を添加)よりもむしろ、実施例13〜19におけるように(P−a)または(P−b)とガラス繊維とを予めドライブレンドした混合物を、溶融ポリアセタール樹脂に添加する方がよい(ポリアルキレングリコールモノアクリレートと無機充填材との混合物を溶融ポリアセタール樹脂に添加)。これは、実施例13〜19において得られる樹脂組成物の方が実施例1〜12において得られる樹脂組成物よりも機械的強度(引張強度)、耐熱エージング性、および耐加水分解性において優れているからである(表1、表2参照)。
[比較例1〜4]
実施例1〜12で使用したポリアセタール樹脂、タルクまたはガラス繊維およびヒンダードフェノール系酸化防止剤を表3に記載の比率で配合し(P−a、P−bは配合しない)、実施例1〜12と同様に製造・評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例5〜6]
ポリウレタンエマルジョンで予め表面処理したタルクを用いて表3に記載の比率で配合を行い(P−a、P−bは配合しない)、実施例1〜12と同様に製造評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例7〜8]
ステアリン酸カルシウムで予め表面処理したタルクを用いて表3に記載の比率で配合を行い(P−a、P−bは配合しない)、実施例1〜12と同様に製造評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例9〜10]
実施例1〜12で使用したポリアセタール樹脂、ガラス繊維、イソホロジイソシアネート3量体およびステアリン酸亜鉛を用いて表3に記載の比率で配合を行い(P−a、P−bは配合しない)、実施例1〜12と同様に製造評価を行った。評価結果を表3に示す。
[比較例11〜12]
実施例1〜12で使用したポリアセタール樹脂、ガラス繊維およびグリコール酸を用いて表3に記載の比率で配合を行い(P−a、P−bは配合しない)、実施例1〜12と同様に製造評価を行った。評価結果を表3に示す。
Figure 0004649920
Figure 0004649920
Figure 0004649920
表1〜3から明らかなように、本発明の場合(実施例1〜20)には、比較例1〜12に比して機械的強度(引張強度)、耐熱エージング性、および耐加水分解性のいずれにも優れていることがわかる。

Claims (6)

  1. ポリアセタール樹脂100重量部に対し、無機充填材1〜100重量部、ポリアルキレングリコールモノアクリレート0.01〜5重量部を配合してなる、ポリアセタール樹脂組成物。
  2. 前記無機充填材がシランカップリング剤で予め表面処理されていることを特徴とする、請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
  3. 前記ポリアルキレングリコールモノアクリレートのアルキル基がエチル基、プロピル基のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  4. ポリアセタール樹脂100重量部に対し、酸化防止剤0.01〜1重量部を配合してなる請求項1〜3のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物。
  5. 前記酸化防止剤が、トリエチレングリコール−ビス−[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオネート]およびテトラキス[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンから選ばれた少なくとも1種である請求項4に記載のポリアセタール樹脂組成物。
  6. 無機充填材とポリアルキレングリコールモノアクリレートを予めドライブレンドした混合物を溶融ポリアセタール樹脂に添加する請求項1〜5のいずれかに記載のポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
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