JP2684056B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体

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JP2684056B2 JP63109466A JP10946688A JP2684056B2 JP 2684056 B2 JP2684056 B2 JP 2684056B2 JP 63109466 A JP63109466 A JP 63109466A JP 10946688 A JP10946688 A JP 10946688A JP 2684056 B2 JP2684056 B2 JP 2684056B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱可塑性樹脂組成物及びそれからなる成形体
に関し、更に詳しくは、ポリオレフィンやポリアミド等
の熱可塑性樹脂にアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを
配合し、ウエルドライン面の強度の改善された樹脂組成
物及び該組成物からなる成形体に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、熱可塑性樹脂には物性向上、増量等の目的で、
タルク、マイカ、クレー、炭酸カルシウム、ウォラスト
ナイト等が使用されている。しかし、これらの無機物は
ほとんどが天然物であるため、粒径、形状等の調節が十
分に出来ず、これらを樹脂に配合しても、所望の物性が
十分に得られていないのが実情である。
例えば、ポリオレフィン等の樹脂においては、剛性付
与のためにタルク、重質炭酸カルシウム等の無機物が使
用されている。一方、ここ数年間に射出成形が一段と進
み、且つ射出成形体の形状も複雑化しつつある。このよ
うに射出成形体の形状が複雑化してくると、生産スピー
ドを上げるためにゲートの数を増加しなければならな
い。このように樹脂組成物を数カ所のゲートより流入さ
せると、成形体に数カ所のウエルドラインが生じる。こ
のウエルドライン面は他の部分に比べて強度的に弱い。
そして、無機充填剤に配合すると、配合しない場合(樹
脂だけの場合)に比べてウエルドライン面の強度低下は
より顕著となる。しかし、この中でもウォラストナイト
等の針状結晶をしたものは、タルク、重質炭酸カルシウ
ムのような板状もしくは無定形をしたものに比べて、ウ
エルドライの強度が比較的優れている。従って、現状、
ポリオレフィン分野でウエルドラインの強度が要求され
る複雑な射出成形体の場合は、一般にウォラストナイト
が使用されている。
また、特開昭59−223225号公報には、長さ0.2〜1.5μ
m、巾0.01〜0.2μm、アスペクト比7以上の針柱状ア
ラゴナイト質炭酸カルシウムをポリプロピレン樹脂に配
合し射出成形したことが記載されている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかし乍ら、上記ウォラストナイトは天然品であるた
めに色々な問題点を含んでいる。具体的には、先ず第1
に、粒子径が不整で且つ巨大粒子が混在するため、成形
体の表面平滑性が著しく損なわれる。ウォラストナイト
は天然に産出するメタケイ酸カルシウムであるが、これ
を機械的に粉砕、分級しても粒子が不整で長径が1〜20
0μm程度の範囲のものしか得られない。第2に、ウォ
ラストナイトが使用される主たる目的であるウエルドラ
イン面の強度もマイカ、タルク、重質炭酸カルシウムに
比べれば良いが、未だ十分とは云えず、無充填物に比べ
るとかなり見劣りする。第3に、ウォラストナイトは天
然品であるため、純粋な合成粉体に比べて粉体白度が悪
い。アスペクト比の大きい粒度の粗いものでは粉体白度
は85程度である。これをポリオレフィンに配合すると、
当然のことながら白色度の高い成形品は得られない。
また、特開昭59−223225号公報については、ウエルド
ラインの強度低下を防止するにはアスペクト比のみなら
ず長径が一定以上であることが必要であり、同公報に記
載の0.2〜1.5μm程度の長径では、充分な改善効果が得
られない。
本発明者らは、かかる事情に鑑み鋭意研究の結果、特
定の長径、短径、アスペクト比を有する合成アラゴナイ
ト結晶形炭酸カルシウムを使用することによって、上述
の問題点を解決することに成功したものである。
〔問題点を解決するための手段〕
即ち、本発明の第1は、熱可塑性樹脂に短径0.01〜1.
5μm、長径3.0〜20.0μm、アスペクト比4以上の柱状
又は針状のアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物を、本発明の第2は、上記熱
可塑性樹脂組成物を成形してなる熱可塑性樹脂成形体
を、それぞれ内容とするものである。
本発明に用いられるアラゴナイト結晶形炭酸カルシウ
ムは短径0.01〜1.5μm、長径3.0〜20.0μm、アスペク
ト比4以上の柱状又は針状のものである。このようなア
ラゴナイト結晶形炭酸カルシウムは、例えば特願昭62−
91222、同62−94218等により製造することができる。こ
れらの方法で作られるアラゴナイト結晶形炭酸カルシウ
ムは、その明細書中にも記載されているように、粒子径
の大きさやアスペクト比を自由に調節することが出来
る。また合成品であるために、純度が高く、その結果と
して粉体白度は98以上と、天然のウォラストナイトに比
べて数段高い。勿論のことであるが、粉体自身の白度が
高ければ高い程、ポリオレフィン等に配合した場合その
成形体の白色度も高くなる。一方、成形体の表面平滑性
に関しては、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムは合成
品であるため粒子形が極めて均一であり、その結果とし
てポリオレフィン等に配合した場合、表面が非常に平滑
な成形体が得られる。成形体の用途、要求性能等に応じ
て、引張強度、曲げ弾性率、衝撃強度、ウエルドライン
面の強度、表面平滑性、白色度等のバランスを考えなが
ら、針状のアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムについて
最良の粒径を設定することができる。このような観点に
立った配合設計は、従来の天然ウォラストナイトの場合
には到底なし得ないことである。
本発明に用いられるアラゴナイト結晶形炭酸カルシウ
ムは、必要に応じて表面処理を施すことができる。表面
処理剤としては、シラン化合物、チタン化合物等とカッ
プリング剤、アクリル酸等のポリマー、モノマー又はこ
れらの共重合体等のアクリル酸系化合物、脂肪酸、樹脂
酸、各種エステル化合物等が考えられる。カップリング
剤等で表面処理する際に、場合によっては表面処理剤を
吸着もしくは結合しやすいようにアラゴナイト結晶形炭
酸カルシウムの表面を改質することも可能である。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂としては特に制限さ
れず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン
−プロピレンの共重合体、エチレン又はプロピレンと他
のモノマーとの共重合体等のポリオレフィン系樹脂;ポ
リスチレン系樹脂;アクリル系樹脂;メタクリル系樹
脂;塩化ビニル系樹脂;塩化ビニリデン系樹脂;ポリア
ミド系樹脂;ポリエーテル系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;
ポリビニルアルコール系樹脂等が挙げられる。
アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムと熱可塑性樹脂と
の配合割合は特に限定されず、所望の物性に応じて適宜
決定すればよい。また安定剤等の各種の添加剤を添加し
てもよいことは勿論である。
本発明の樹脂組成物は公知の成形方法により成形され
るが、特にウエルドライン面の強度低下が問題とされる
射出成形に好適である。
〔作用・効果〕
ポリオレフィン系樹脂等において、ウエルドライン面
の強度を向上させるには、立方体や板状の粒子よりも針
状粒子の方が良好である理由については、必ずしも明ら
かでないが、針状粒子がウエルドラインの双方の界面で
架橋的な役割を果すためと考える。従って、天然ウォラ
ストナイトに比べて、よりシャープで均一な針状形状を
したアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの方が、このよ
うな架橋効果が強く、その結果としてウォラストナイト
以上のウエルドライン強度の向上効果が発現するものと
考えられる。また表面の平滑性については、長径100〜2
00μmの大きな粒子が混在するウォラストナイトに比べ
て、大きくても長径20μm程度で均一な粒径をしたアラ
ゴナイト結晶形炭酸カルシウムの方が当然表面の凹凸は
小さく、優れた平滑性が得られる。また衝撃強度につい
ては、粒子が小さい方が衝撃強度は高く、この点からも
100〜200μmの大きな粒子が混在するウォラストナイト
より、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの方が良好な
結果を与える。
更にアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムは合成品であ
るため純度が高く、その結果、高い粉体白色度を示す。
かくして、天然品であるウォラストナイトに比べて、白
色度の高い成形体を得ることが出来る。更にまた、ポリ
オレフィン等の樹脂に剛性寸法安定性等を付与させるた
めに一般に広く使用される板状のタルク、マイカ、クレ
ーや立方体、又は不定形の炭酸カルシウムに比べて、数
段優れたウエルドライン面の強度を発揮する上、曲げ弾
性率等に関してもこれらより優れた効果を発揮する。
〔実施例〕
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらにより何ら制限を受けるも
のではない。
実施例1 平均粒径が長径3.0〜6.0μm、短径0.3〜0.8μmの針
状形状をしたアラゴナイト結晶形炭酸カルシウム20重量
%と、ポリプロピレン80重量%とをヘンシェルミキサー
でドライブレンドした後、押出成形機でペレット化した
後、射出成形機により、引張強度、曲げ弾性率、衝撃強
度等をテストするための試験片(ダンベル片と柱状片)
を作製した。但し、ウエルドライン面の強度を測定する
試験片については2カ所のゲートから注入し、真中でウ
エルドライン界面を作った。その他は1カ所のゲートか
ら注入した。
実施例2 長径15.0〜20.0μm、短径0.5〜1.0μmの針状形状を
したアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを使用した以外
は実施例1と同様に操作した。
実施例3 実施例1でアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムをケイ
酸ソーダで表面改質した後、アミノ系シランカップリン
グ剤(商品名A−1100、日本ユニカー製)で表面処理す
る以外は全て実施例1と同じとした。
比較例1 実施例1でアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの代わ
りに長径10〜200μm、短径1〜40μmの天然ウォラス
トナイト(商品名NYAD、G;NYCO(株)製)を使用する以
外は全て実施例1と同じとした。
比較例2 実施例1で長径3.0〜8.0μm、厚さ0.1〜2.0μmの板
状形状をしたタルク(商品名、LMS−100、富士タルク
製)を使用する以外は全て実施例2と同じとした。
比較例3 実施例1でアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムの代わ
り平均粒子系0.15μmの立方体形状をしたコロイド炭酸
カルシウム(商品名、MSK−PO、丸尾カルシウム製)を
使用する以外は全て実施例1と同じとした。
比較例4 長径0.5〜1.0μm、短径0.05〜1.0μmの針状形状を
したアラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを使用した以外
は実施例1と同様に操作した。
上記実施例、比較例により得られた試験片を用いて測
定した物性の結果を第1表に示す。
以上の結果より、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウム
は従来から使用されているウォラストナイト、タルク、
一般汎用炭酸カルシウムと比較して、ウエルドライン面
の強度、表面平滑性、成形体の白色度、分散製において
優れていることが分かる。
また、アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムであっても
長径が一定以上でないと、充分な効果が得られないこと
が分かる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂に短径0.01〜1.5μm、長径
    3.0〜20.0μm、アスペクト比4以上の柱状又は針状の
    アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムを配合してなる熱可
    塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】アラゴナイト結晶形炭酸カルシウムが表面
    処理されたものである請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の熱可塑性樹脂組成物
    を成形してなる熱可塑性樹脂成形体。
  4. 【請求項4】成形が射出成形である請求項3記載の成形
    体。
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