JP3162080B2 - 改良された表面硬度と引掻抵抗とを有するポリオレフィンアロイ及びその製造方法 - Google Patents

改良された表面硬度と引掻抵抗とを有するポリオレフィンアロイ及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は改良された表面硬度と引掻抵抗とを有するポ
リオレフィンアロイ(polyolefin alloy)及びその製造
方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、プロピレン
重合体と、グラフトプロピレン重合体と、無機物(mine
ral)と、非晶質シリカゲルと、場合によってはエチレ
ン/プロピレン/ポリレン・三元重合体(EPDM)とを基
剤とするポリオレフィンアロイ及び該ポリオレフィンア
ロイの製造方法に関する。
シリカを添加することなく、ポリオレフィンの引掻抵
抗を増大させるための種々の方法が知られている。すな
わち、特開平1−318051号明細書(東レシリコーン株式
会社)には、引掻抵抗を増大させることを目的として、
シリカ基剤の充填剤を用いて改質されているポリオレフ
ィン類が記載されている。前記充填剤はシラン型の化合
物で表面処理されていてもよい。しかしながら、記載さ
れているポリオレフィン類はアロイではなく、しかも該
ポリオレフィンには脂肪酸アミド処理されたシリカゲル
は使用されていない。特開平1−104637号明細書(昭和
電工株式会社)には、ポリプロピレン基剤の物質であっ
てそれにシリカ/アルミナ長球(spheroid)と、カルボ
ン酸又は無水カルボン酸で官能化されたポリプロピレン
とが添加されているポリプロピレン基剤の物質が記載さ
れている。これらの物質もまた脂肪酸アミド処理された
シリカゲルを含有していない。
今般、無機分を有するある種のポリオレフィンにグラ
フトプロピレン重合体と非晶質の脂肪酸アミド変性シリ
カゲルとを配すると、該ポリオレフィンの衝撃強さと熱
形状安定性(HDTA)とを保持しながら該ポリオレフィン
の引掻抵抗が大幅に(substantially)に向上すること
を認めた。
従って、本発明は、改良された表面硬度と引掻抵抗と
を有し且つ230℃/2.16kgで0.1〜50g/10の範囲のメルト
インデックスMI、特に230℃/2.16kgで3〜40g/10分の範
囲のメルトインデックスMIを有する新規なポリオレフィ
ンアロイを提供するものである。本発明のポリオレフィ
ンアロイは、 (A)プロピレン単独重合体からなるか又はプロピレン
とエチレン及び/又はブタジエンとの共重合体からなる
プロピレン重合体40〜80重量%(但し、該プロピレン重
合体はエチレン及び/又はブタジエン重合単位を5〜35
モル%含有し且つ100,000〜300,000の分子量Mwと230℃/
2.16kgで0.1〜20g/10分のメルトインデックスMIとを有
し得る)と、 (B)プロピレン単独重合体、又はプロピレンとエチレ
ン及び/又はブタジエンとの共重合体を変性して得られ
るグラフトプロピレン重合体であって、0.2〜10重量%
のグラフト率をもつグラフトプロピレン重合体1〜10重
量%と、 (C)2.5μmの平均粒度と20μmの最大粒度とを有し
且つ0.2〜5重量%のアミノシランで表面処理されてい
る無機物であって、ウォラストナイト、カオリン、雲
母、炭酸カルシウム及びタルクの中から選択される無機
物1〜50重量%と、 (D)シリカ25〜75重量%と脂肪酸アミド75〜25重量%
とを含有してなる非晶質の脂肪酸処理シリカゲル1〜15
重量%と、 (E)230℃/2.16kgで1〜10g/10分の範囲のメルトイン
デックスMIと、30〜70のショアーD硬度とを有するエチ
レン/プロピレン/ポリレン・三元共重合体(EPDM)0
〜40重量% との配合物によって構成されるものであることを特徴と
する。
欧州特許出願公開第0,567,058号明細書(平野ら)に
は、改良された弾性、剥離強度及び塗り重ね性(recoat
ing property)を有する組成物であってポリプロピレン
と、エチレン/α−オレフィン共重合体エラストマー
と、一端又は両端に官能基を有する改質ポリオレフィン
と、ある種の置換アミン/アミドとを含有してなる組成
物が記載されている。これらに加えて、前記組成物はま
たさらに種々の添加剤を含有し得、該添加剤の中からタ
ルクが挙げられる。しかしながら、前記の欧州特許出願
公開第0,567,058号明細書に記載の組成物は、本発明の
ポリオレフィンアロイの成分(B)と同じ種類の官能化
ポリプロピレンすなわちグラフトプロピレン重合体と、
アミノシランで表面処理されている無機物と、脂肪酸処
理シリカゲルとの組み合わせを含有しておらず、しかも
該組成物は引掻抵抗の向上を示唆していない。
米国特許第4,675,122号明細書(Luersら)には、ポリ
オレフィンを基剤とする粘着防止剤と潤滑剤とを組み合
わせた濃厚物(a combined antiblocking agent and lu
bricant concentrate)であって、粘着防止剤としてけ
い藻土、沈降シリカ及び/又はシリカゲルを含有し且つ
不飽和(C18〜C22)脂肪酸のアミドの1種又は以上を含
有する濃厚物が記載されている。しかし、引掻抵抗の改
良については何ら記載されていない。また、米国特許第
4,675,122号明細書の記載と、前記の欧州特許出願公開
第0,567,058号明細書の記載とを組み合わせることが近
い将来にあるとは考えられないし、また米国特許第4,67
5,122号明細書には引掻抵抗についても記載されていな
い。
欧州特許出願公開第0,297,693号明細書(McKinney
ら)には、少なくとも1種のエチレン共重合体(interp
olymer)と、アクリル酸、メタクリル酸又はこれらの酸
のいずれかのイオノマーと、滑りを増強する量の第二級
脂肪酸アミドとの均質混合物からなる組成物が記載され
ている。該組成物または微細無機物質例えばシリカ又は
タルクを少量含有していてもよい。欧州特許出願公開第
0,297,693号明細書に記載の発明の目的は、エチレン共
重合体の滑り特性及び/又はブロック特性を向上させる
ことにある。該明細書には引掻抵抗の改良については何
ら記載されていない。例え、前記の欧州特許出願公開第
0,297,693号明細書にシリカを使用し得且つ脂肪酸アミ
ドと接触するであろう組成物が記載されているとして
も、該明細書では本発明のポリオレフィンアロイにおけ
るようにシリカ25〜75重量%と、脂肪酸アミド75〜25重
量%とからなる脂肪酸処理シリカゲルについては問題に
されていない。欧州特許出願公開第0,297,693号明細書
に記載の組成物に微細無機物志知が使用されるという点
では、該微細無機物質をアミノシランで表面処理するこ
とは記載されていないし、グラフトプロピレン重合体に
ついても何ら記載されていない。同様の組成物が欧州特
許出願公開第0,257,803号明細書(山田ら)に記載され
ており、該組成物はエチレン/メタクリル酸メチル・共
重合体と、脂肪酸アミドであり得るスリップ剤と、少量
(0.01〜0.1重量%)の無機充填剤(これはシリカであ
ってもよいし又はタルクであってもよい)とを含有して
なるものである。該組成物は低い剥離強度を持つ剥離性
保護フィルムであって例えば粘着面を有するゴム状物質
の周りに巻き付けるための保護フィルムを製造するのに
使用される。欧州特許出願公開第0,257,803号明細書も
欧州特許出願公開第0,297,693号明細書もいずれも、改
良された表面硬度と引掻抵抗とを有する本発明のポリオ
レフィンアロイを示唆するものではない。
米国特許第5,286,791号明細書(De Nicolaら)には、
改良された曲げ弾性率と衝撃強さとを有する充填剤含有
組成物であって、プロピレン重合体と、1種又はそれ以
上のビニル単量体をグラフトさせたプロピレン重合体
と、ゴム成分とからなる組成部生が記載されている。該
組成物は充填剤として例えばタルク及びシリカを含有し
ていないものであり得、また該特許明細書の第3欄の第
25〜37行には、充填剤を有機化合物で被覆し得ることが
示されている。しかしながら、該特許明細書には、アミ
ノシラン処理した無機物と、脂肪酸アミド処理シリカゲ
ルとの組み合わせは示唆されていないし、また該特許明
細書にはかかる組み合わせが本発明により定義される様
なポリオレフィンアロイの表面硬度及び引掻抵抗を向上
させることは示唆されていない。
本発明の新規なポリオレフィンアロイは、前記の成分
(A)、(B)、(C)及び(D)並びに場合によって
使用する成分(E)を配合し;溶融し且つ得られた配合
物を混練りし;次いで冷却し、粗砕することによって製
造できる。
別法として、本発明の新規なポリオレフィンアロイ
は、前記の成分(A)及び(B)並びに場合によって使
用する成分(E)を配合し;得られた配合物を溶融し;
得られた溶融物に前記の成分(C)及び(D)を配合
し、得られた配合物を混練りし;次いで冷却し且つ粗砕
することによって製造できる。
前記ポリオレフィンアロイの製造は、当該な型の混合
機、例えば連続式又は回分式の混合機で行うことができ
るが、押し出し機を使用することが好ましい。
本発明の新規なポリオレフィンアロイに使用するのに
特に適したプロピレン重合体(A)はプロピレンとエチ
レンとの共重合体である。特に適したプロピレン重合体
はプロピレンとエチレンとの重合体であって、エチレン
重合単位を5〜25重量%の含有量で有する重合体であ
る。
本発明の新規なポリオレフィンアロイに使用するのに
適したグラフトプロピレン重合体(B)は、プロピレン
単独重合体又はプロピレンとエチレン及び/又はブタジ
エンとの共重合体(B)であって、無水マレイン酸、ア
クリル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステ
ル、ビニルシラン類並びに他のビニル化合物の中から選
択される化合物でグラフト化されているものである。特
に良好な結果は、前記プロピレン単独重合体又は共重合
体に無水マレイン酸をグラフトすることによって得られ
る。前記グラフトプロピレン重合体は、230℃/2.16kgで
5〜250g/10分の範囲、さらに好ましくは230℃/2.16kg
で10〜150g/10分の範囲のメルトインデックスMIを有し
得る。
本発明のポリオレフィンアロイに使用するのに適した
無機物(C)は微細無機物であり、タルクの表面処理に
慣用されているアミノシランの1種又はそれ以上でシラ
ン化されている微細無機物である。前記アロイに使用す
るのに特に適したかかるシラン化処理後の無機物は、ウ
ォラストナイト、カオリン、雲母、炭酸カルシウム及び
タルクであり、特に好ましいものはタルクである。前記
のシラン化処理された無機物は、0.5〜10μm、さらに
好ましくは1〜6μmの範囲の平均(mean)粘度D50
有するものであるが好ましい。
本発明のポリオレフィンアロイに使用するシリカゲル
(D)は、脂肪酸アミド処理した非晶質の合成シリカゲ
ルであって、シリカ40〜65重量%と脂肪酸アミド60〜35
重量%とを含有するシリカゲルである。
本発明のポリマーアロイに任意成分として特に有用で
あるエチレン/プロピレン/ポリレン・三次元共重合体
(EPDM)は、30〜90重量%のエチレン含有率を有し且つ
ムーニー法(ML 101℃)に従って測定される流動性であ
って0〜60、さらに好ましくは0〜50の流動性を有する
ような三元共重合体である。
本発明は新規なアロイを用いて達成される改良された
表面硬度と引掻抵抗とを支持する機構に関する特定の理
論によって限定されるものではないが、化学反応は前記
グラフトプロピレン重合体(B)と前記の表面処理され
た無機物(C)との間で及び前記のグラフトプロピレン
重合体(B)と前記の非晶質の脂肪酸アミド処理シリカ
ゲル(D)との間で行われるように思われる。
以下の実施例により本発明の新規なポリオレフィンア
ロイの製造を例証する。製造したポリオレフィンアロイ
について下記の特定を特定した: 弾性率:ISO 527に従って23℃で測定した(MPa) ノッチ付きアイゾット(notched izod):ISO VSI 180/1
Aに従って−40℃で測定した(kJ/m2) 熱形状安定性(HDTA):ISO 75に従って測定した(℃) 収縮率:所定の射出成形条件下で成形した厚み2mmのシ
ートの打ち抜き正方形の長さと幅とを測定することによ
って直接に算出した(%で表示した)。本発明を例証す
る実施例及び比較実施例のそれぞれの対の試験シートを
同一成形条件下で成形した。
引掻抵抗:ISO 1518に従ってエリクソン(Ericsson)ペ
ンを用いて測定した 実施例1 ポリプロピレン基剤のアロイを下記の成分から調製し
た。
成分A. プロピレンとエチレンとの共重合体であって、
重合エチレンを14重量%含有し且つ230℃/2.16kgで8.0g
/10分のメルトインデックスMIを有する共重合体 成分B. 無水マレイン酸(MAH)を用いて変性して得ら
れるグラフトプロピレン重合体であって、MAHを0.7重量
%含有し且つ230℃/2.16kgで200g/10分のメルトインデ
ックスMIを有するグラフトプロピレン重合体 成分C. 表面をアミノシラン1.5〜2.0重量%で処理して
あるタルクであって、330kg/m3の密度と2〜5μmの粒
度D50とを有するタルク 成分D. 脂肪酸アミド処理した非晶質の合成シリカゲル
であって、脂肪酸アミド(本質的に13−ドコセンアミ
ド)を40〜50重量%含有し且つ300kg/m3の密度と2〜4
μmの粒度D50とを有するシリカゲル 成分E. 低結晶化度のエチレン/プロピレン/ポリレン
・三元重合体(EPDM)であって、重合エチレンを47重量
%を含有し且つ230℃/2.16kgで0.6g/10分のメルトイン
デックスMIを有するエチレン/プロピレン/ポリレン・
三次元重合体(EPDM) 57mmの一緒に回転する複数個のスクリューをもつ“Wern
er & Pfleiderer"二軸スクリュー押し出し機、型式ZSK
中で前記ポリオレフィンアロイを調製した。調製の前又
は後に、調製をほぼ不活性雰囲気中で行うためにホッパ
ーを窒素ガスで洗浄した。前記スクリューの回転速度は
200rpmであり、押し出し速度は80kg/時間であった。原
料全てを供給口1で重力により導入した。前記押し出し
機の温度分布は210〜230℃の範囲に維持した。添加した
成分、その量(配合物全体の重量%で表示)及び得られ
た結果を以下の表に示す。第1図は、得られたポリオレ
フィンアロイの試験試料の引掻抵抗ISO 1518に従ってエ
リクソン(Ericsson)ペンを用いて測定した後の該ポリ
オレフィンアロイの試験試料の外観を表すものである。
実施例2(比較実施例) 脂肪酸アミド処理したシリカゲル(成分D)を除いた
以外は、実施例1の操作に従った。添加した成分、その
量(配合物全体の重量%で表示)及び得られた結果を以
下の表に示す。第2図は、得られたポリオレフィンアロ
イの試験試料の引掻抵抗をISO 1518に従ってエリクソン
(Ericsson)ペンを用いて測定した後の該ポリオレフィ
ンアロイの試験試料の外観を表すものである。
実施例3 タルク(成分C)の量を10重量%から30重量%に増量
した以外は、実施例1に記載のようにして操作を進め
た。添加した成分、その量(配合物全体の重量%で表
示)及び得られた結果を以下の表に示す。第3図は、得
られたポリオレフィンアロイの試験試料の引掻抵抗をIS
O 1518に従ってエリクソン(Ericsson)ペンを用いて測
定した後の該ポリオレフィンアロイの試験試料の外観を
表すものである。
実施例4 タルク(成分C)の量を10重量%から30重量%に増量
した以外は、実施例2に記載のようにして操作を進め
た。添加した成分、その量(配合物全体の重量%で表
示)及び得られた結果を以下の表に示す。第4図は、得
られたポリオレフィンアロイの試験試料の引掻抵抗をIS
O 1518に従ってエリクソン(Ericsson)ペンを用いて測
定した後の該ポリオレフィンアロイの試験試料の外観を
表すものである。
前記の表に示した結果から、本発明を例証する実施例
1と、従来技術を例証する比較実施例2とを比較するこ
とにより、脂肪酸アミド処理したシリカゲルを5重量%
添加すると、得られるポリオレフィンアロイの引掻抵抗
が相当に向上し、0.5から3に増大することが認められ
る。この引掻抵抗の向上はまた、引掻抵抗を測定した後
の実施例1のポリオレフィンアロイの試験試料の表面を
表す第1図と、実施例2のポリオレフィンアロイの試験
試料の同様の写真である第2図とを比較することによっ
ても明白に認められる。前記の表はさらに、剛性(弾性
率)が幾分低下し、これに対して−40℃におけるノッチ
付き耐衝撃性(アイゾッド)と熱形状安定性(HDTA)と
が本発明の新規技術によって向上することを明らかにし
ている。
実施例3と実施例4(比較実施例)〔それぞれの実施
例ではタルクを30重量%使用した(これに対して実施例
1及び2では10重量%使用した)〕のポリオレフィンア
ロイについて得られた結果同士の間の同様の比較によ
り、脂肪酸アミド処理したシリカゲルを5重量%添加す
ることにより引掻抵抗の相当の向上が達成され、引掻抵
抗が1から5に増大することが明らかである。この引掻
抵抗の向上はまた、引掻抵抗を測定した後の実施例3の
新規なポリオレフィンアロイの表面を表す第3図と、実
施例4のポリオレフィンアロイの同様の写真である第4
図とを比較することによっても明白かに認められる。前
記の表からはまた、実施例3のポリオレフィンアロイに
ついては剛性(弾性率)と収縮率の値が幾分低下し、こ
れに対し−40℃におけるノッチ付き耐衝撃性(アイゾッ
ド)と熱形状安定性(HDTA)とが本発明の新規技術によ
って向上することも明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08K 5:20) (C08L 23/10 23:26 23:16) (C08L 23/10 51:06 23:16)

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】改良された表面硬度と引掻抵抗とを有し且
    つ230℃/2.16kgで0.1〜50g/10分の範囲のメルトインデ
    ックスMIを有するポリオレフィンアロイであって、 (A)プロピレン単独重合体からなるか又はプロピレン
    とエチレン及び/又はブタジエンとの共重合体からなる
    プロピレン重合体40〜80重量%(但し、該プロピレン重
    合体はエチレン及び/又はブタジエン重合単位を5〜35
    モル%含有し且つ100,000〜300,000の分子量Mwと230℃/
    2.16kgで0.1〜20g/10分のメルトインデックスMIとを有
    し得る)と、 (B)プロピレン単独重合体、又はプロピレンとエチレ
    ン及び/又はブタジエンとの共重合体を変性して得られ
    るグラフトプロピレン重合体であって、0.2〜10重量%
    のグラフト率をもつグラフトプロピレン重合体1〜10重
    量%と、 (C)2.5μmの平均粒度と20μmの最大粒度とを有し
    且つ0.2〜5重量%のアミノシランで表面処理されてい
    る無機物であって、ウォラストナイト、カオリン、雲
    母、炭酸カルシウム及びタルクの中から選択される無機
    物1〜50重量%と、 (D)シリカ25〜75重量%と脂肪酸アミド75〜25重量%
    とを含有してなる非晶質の脂肪酸処理シリカゲル1〜15
    重量%と、 (E)230℃/2.16kgで1〜10g/10分の範囲のメルトイン
    デックスMIと、30〜70のショアーD硬度とを有するエチ
    レン/プロピレン/ポリレン・三元共重合体(EPDM)0
    〜40重量% との配合物によって構成されるものであることを特徴と
    するポリオレフィンアロイ。
  2. 【請求項2】前記のグラフトプロピレン重合体(B)が
    プロピレン単独重合体又はプロピレンとエチレン及び/
    又はブタジエンとの共重合体を無水マレイン酸、アクリ
    ル酸、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステル、
    ビニルシラン類並びに他のビニル化合物の中から選択さ
    れる化合物を用いてグラフト化したものであることを特
    徴とする請求項1記載のポリオレフィンアロイ。
  3. 【請求項3】前記のプロピレン重合体(A)がプロピレ
    ンとエチレンとの共重合体であり且つエチレン重合単位
    を5〜25重量%の含有率で有するものであることを特徴
    とする請求項1又は2記載のポリオレフィンアロイ。
  4. 【請求項4】(A)が60〜80重量%と、 (B)が2.5〜7.5重量%と、 (C)が7.5〜35重量%と、 (D)が2.5〜7.5重量%と、 (E)が0〜25重量%と の配合物によって構成されるものであることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリオレフィン
    アロイ。
  5. 【請求項5】前記のグラフトプロピレン重合体(B)が
    0.5〜2重量%のグラフト率を有するものであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリオ
    レフィンアロイ。
  6. 【請求項6】前記の表面処理されている無機物(C)が
    アミノシラン1重量%で表面処理されているものである
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリオレフィンア
    ロイ。
  7. 【請求項7】前記の無機物(C)がタルクであることを
    特徴とする請求項1記載のポリオレフィンアロイ。
  8. 【請求項8】前記の成分(A)、(B)、(C)及び
    (D)並びに場合によって使用される成分(E)を配合
    し;溶融し且つ得られた配合物を混練りし;次いで冷却
    し且つ粗砕する工程を特徴とする請求項1〜7のいずれ
    か1項に記載のポリオレフィンアロイの製造方法。
  9. 【請求項9】前記の成分(A)及び(B)並びに場合に
    よって使用される成分(E)を配合し;得られた配合物
    を溶融し;得られた溶融物に前記の成分(C)及び
    (D)を配合し、得られた配合物を混練りし;次いで冷
    却し且つ粉砕する工程を特徴とする請求項1〜7のいず
    れか1項に記載のポリオレフィンアロイの製造方法。
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