JP2011075705A - ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板及びディスプレイパネル - Google Patents

ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板及びディスプレイパネル Download PDF

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Abstract

【課題】PET基材でも優れた硬度を有しながらカールを抑えたHCフィルム及びその製造方法及びHCフィルムを提供すること。
【解決手段】PET基材の両面にHC層が設けられたHCフィルムの製造方法であって、(i)光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び重合開始剤を含み、重合開始剤の量が特定の関係式を満たす2種類の組成物を準備する工程、(ii)PET基材の一面側に、重合開始剤の多い一つ目の組成物を塗布する工程、(iii)その塗膜を硬化させて膜厚5〜20μmの第一のHC層を形成する工程、(iv)PET基材の第一のHC層とは反対側に、重合開始剤の少ない二つ目の組成物を塗布する工程、(v)その塗膜を硬化させて膜厚が第一のHC層の膜厚の±25%以内である第二のHC層を形成する工程を含むことを特徴とする、ハードコートフィルムの製造方法。その製造方法により得られるハードコートフィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶ディスプレイ(LCD)、陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)又は有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等のディスプレイ(画像表示装置)の前面に設置されるハードコートフィルムの製造方法及びその方法により得られるハードコートフィルム並びに当該ハードコートフィルムを用いた偏光板及びディスプレイパネルに関する。
上記のようなディスプレイにおいては、例えば、テレビ、パソコン、携帯電話、GPS(グローバル ポジショニング システム)、カーナビゲーション、ペンタブレット、CAD(コンピュータ支援設計)、小型ゲーム機、ポータブルオーディオ等のディスプレイの画像表示面に取扱い時に傷がつかないように硬度を付与することが要求される。これに対して、基材フィルム上にハードコート(以下、HCということがある。)層を設けたハードコートフィルムを利用することにより、ディスプレイの画像表示面に硬度を付与することが一般になされている。
ハードコート層の硬度を向上させる方法として、ハードコート層の厚みを単純に増加させることが考えられる。しかしながら、厚みを増加させると硬度は向上するものの、ハードコート層のひび割れ(クラック)が生じやすくなったり、ハードコート層に含まれる硬化性樹脂等の硬化性成分の硬化収縮によるハードコートフィルム全体の反り(所謂カール)が発生するなど、ハードコートフィルムをディスプレイに貼り付ける際に作業性を著しく損なうという問題があった。
特許文献1では、光学フィルムの製造において、両端部のカールが大きく、製造工程で問題を生ずる原因になっているという知見の下、幅方向の両端部のカール防止層の膜厚を厚く塗布する光学フィルムの製造方法を提案している。
しかし、特許文献1の方法では、カール防止層へのアンチカール機能の付与は、具体的には樹脂フィルム基材を溶解又は膨潤させる溶媒を含む組成物と樹脂を塗布することにより行っており、セルローストリアセテート(TAC)基材についての検討のみで、溶剤により溶解又は膨潤し難いポリエチレンテレフタレート(PET)基材では検討を行っていない。また、TACのような溶解又は膨潤できる基材であっても、使用可能な溶剤が限られてしまう等の問題があった。
また、ハードコートフィルムや光学フィルムにおいては、ハードコート層等の機能層の基材に対する密着性も重要となる。
密着性が低いと、基材から当該機能層が剥がれてしまい、その剥がれた部分が干渉斑として視認されてしまい、外観が悪化してしまう問題がある。
このように、PET基材でも優れた硬度及び密着性を有しながらカールを抑えたハードコートフィルムが要求されている。
特開2004−250614号公報
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、PET基材でも優れた硬度及び密着性を有しながらカールを抑えたハードコートフィルム及びその製造方法並びに当該ハードコートフィルムを有する偏光板及びディスプレイパネルを提供することを目的とする。
PET基材の両面に単純に同じ厚さのHC層を設けて、HC層のカールする力を打ち消し合わせてカールを抑えようとしても、十分に抑えられない場合があることが分かった。さらに、同じ組成物を用いて同じ厚さのHC層をPET基材の両面側に形成する際、まずPET基材の一方の面にHC層の組成物を塗布し、光照射を行い、HC層を形成し、次いでPET基材の一つ目のHC層を形成した面とは反対側の面にHC層の組成物を塗布し、光照射を行い、HC層を形成するが、はじめに形成されたHC層よりも、後に形成された2つ目のHC層の方にカールすることが分かった。
本発明者らが鋭意検討した結果、PET基材の両面にHC層を形成する際、はじめに形成されるHC層の組成物に含まれる重合開始剤の量と、後に形成されるHC層の組成物に含まれる重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、2つのHC層の厚さを特定の範囲内とすることにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられ、且つ、HC層の組成物に含まれるバインダー成分が光硬化性基を3個以上有するものとすることにより、HC層のPET基材に対する密着性も良好となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法は、ポリエチレンテレフタレート基材の両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの製造方法であって、
(i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
(ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
(iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法においては、前記バインダー成分が、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、分子量が1000以下である多官能モノマー及び下記一般式(I)で表わされ、重量平均分子量が10000〜70000である反応性ポリマーであることが、クラック及びカールを抑え、HC層のPET基材に対する密着性及び耐スチールウール性に優れる点から好ましい。
Figure 2011075705
(一般式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。X、Y及びZは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、Xは0〜2000、Yは10〜1000及びZは0〜2000である。)
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法においては、前記バインダー成分が、1分子中にアクリロイル基を6個以上有し、重量平均分子量が1000〜10000のウレタンアクリレートであることが、密着性、硬度及び耐スチールウール性に優れる点から好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法においては、前記第一及び第二の硬化性樹脂組成物がさらに、前記バインダー成分との架橋反応性を有する反応性シリカ微粒子を含むことが、硬度をさらに高める点から好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法は、前記第一の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有する反応性レベリング剤を含み、且つ、前記第二の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有しない非反応性レベリング剤を含むことが、第二のHC層の表面の印刷適性を高める点から好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムは、上記製造方法により得られることを特徴とする。
本発明に係るハードコートフィルムの好適な実施形態においては、前記ハードコートフィルムの150℃で60分間の耐熱試験前後のカールの高さを、第一のハードコート層側に5mm以内、且つ、第二のハードコート層側に5mm以内とすることも可能である。
なお、本発明においてカールの高さとは、100mm四方の寸法のハードコートフィルムを用意し、当該ハードコートフィルムを平らな面に置いたときの四隅の平面からの浮きあがりの高さの平均値を意味する。
また、耐熱試験において、150℃まで温度上昇させるときは、27℃から10℃/分の昇温速度で温度上昇を行い、150℃から温度を下げるときは、150℃から20℃/分の降温速度で温度を下げる。
本発明に係るハードコートフィルムの好適な実施形態においては、前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に印刷層が設けられている構成とすることも可能である。
本発明に係るハードコートフィルムの好適な実施形態においては、前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側にSiO、Nb及びITOからなる群より選ばれる1種以上の蒸着層が設けられている構成とすることも可能である。
本発明に係るハードコートフィルムの好適な実施形態においては、前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に粘着層が設けられている構成とすることも可能である。
本発明に係る偏光板は、上記ハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が設けられていることを特徴とする。
本発明に係るディスプレイパネルは、ハードコートフィルムの第二のハードコート層側にディスプレイが配置されていることを特徴とする。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法によれば、第一の重合開始剤の量と、第二の重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、第一のHC層を形成した後に、第一のHC層の厚さに対して特定の範囲内の厚さの第二のHC層を形成することにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられ、且つ、HC層の組成物に含まれるバインダー成分を3個以上の光硬化性基を有するものとすることにより、HC層のPET基材に対する密着性も良好なハードコートフィルムを製造することができる。
図1は、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の一例を示した模式図である。 図2は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の一例を示した模式図である。 図3は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図4は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図5は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図6は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図7は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図8は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図9は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図10は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。 図11は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示した模式図である。
以下、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法、その製造方法により得られるハードコートフィルム、当該ハードコートフィルムを用いた偏光板及びディスプレイパネルについて説明する。
本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表す。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、電磁波と粒子線を総称する放射線及び電離放射線が含まれる。
本発明において、「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で、「H」以上の硬度を示すものをいう。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。従って、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの、および薄いものの両方の意味を含めて、「フィルム」と定義する。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念であり、硬化後にHC層やその他の機能層のマトリクスとなる成分を意味する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、THF溶剤におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明において、微粒子の平均粒径とは、組成物における微粒子の場合は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定した値を意味し、硬化膜中の微粒子の場合は、硬化膜の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子10個の平均値を意味する。
(ハードコートフィルムの製造方法)
本発明に係るハードコートの製造方法は、ポリエチレンテレフタレート基材の両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの製造方法であって、
(i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
(ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
(iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
第一の重合開始剤の量と、第二の重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、第一のHC層を形成した後に、第一のHC層の厚さに対して特定の範囲内の厚さの第二のHC層を形成することにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられるハードコートフィルムを製造することができる。
このように第一の重合開始剤の量と第二の重合開始剤の量を特定範囲とすることによりカールが抑えられる理由は定かではないが、第二の重合開始剤の量を第一の重合開始剤の量よりも少なくすることにより、第二のHC層の熱収縮率が小さくなり、第一及び第二のHC層の熱収縮率の差が小さくなるためと推測される。
図1は、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の一例を示した模式図である。
後述する第一及び第二の硬化性樹脂組成物を準備し、次いで、図1の(i)に示すようにポリエチレンテレフタレート基材10を準備する。次いで、図1の(ii)に示すようにポリエチレンテレフタレート基材10の一面側に第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、光照射を行い、第一のハードコート層20を形成する。次いで、ポリエチレンテレフタレート基材10の第一のハードコート層20を形成した面とは反対側の面に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、光照射を行い、第二のハードコート層30を形成し、ハードコートフィルム1を得る。
以下、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の各工程について説明する。
(i)工程では、後述する第一及び第二の硬化性樹脂組成物を準備する。
(ii)工程では、PET基材の一面側に、上記第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする。
塗布方法は、従来公知の方法を用いれば良く、特に限定されず、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法及びピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
(iii)工程では、上記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて5〜20μmの厚さの第一のHC層を形成する。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線又は電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜500mJ/cm程度である。
光照射に加えて、加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。
第一の硬化性樹脂組成物の塗布後、光照射を行う前に、乾燥を行っても良い。乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥又は加熱乾燥、更にはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、第一の硬化性樹脂組成物の溶剤としてメチルエチルケトンを用いる場合は、室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜3分、好ましくは30秒〜1分の時間で乾燥工程を行うことができる。
(iv)工程では、PET基材の第一のHC層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする。
(v)工程では、上記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向、すなわち、第一のHC層とは反対側から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のHC層を形成する。
光照射の方法は、塗膜方向から光照射すれば、上記(iii)工程と同様に行っても良い。
このとき、第一のHC層側から光照射すると、第二のHC層を十分に硬化することができない。また、製造ラインが汚染されるおそれもある。
また、適宜必要に応じて上記(iii)工程と同様に乾燥を行っても良い。
第二のHC層の膜厚は第一のHC層の膜厚の±25%以内である。この範囲を超えると、ハードコートフィルムのカールを十分に抑えることができなくなる。カールを抑える点から第一のHC層と第二のHC層の厚さは同じであることが好ましい。
第一及び第二のHC層の表面には後述するように、低屈折率層や帯電防止層等のその他の層を設けても良い。その他の層は、上記HC層の形成方法と同じく、組成物を準備し、塗布し、光照射や熱により硬化させて形成すれば良い。
以下、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法で用いるポリエチレンテレフタレート基材並びに第一の硬化性樹脂組成物及び第二の硬化性樹脂組成物について、説明する。
(ポリエチレンテレフタレート基材)
本発明に用いられるPET基材は、従来公知のハードコートフィルムや光学フィルムで用いられているPET基材を用いることができる。
可視光域380〜780nmにおけるPET基材の平均光透過率は50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
PET基材の材料としては、ポリエチレンテレフタレートを主体とするものであれば良い。ここで、「主体とする」とは、基材構成成分の中で最も含有割合が高い成分を意味する。
また、PET基材にけん化処理やプライマー層を設ける等の表面処理が施されていても良いし、帯電防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤が添加されていても良い。
PET基材の厚さは要求される性能に応じて適宜調節すれば良く、通常30〜200μm程度であり、好ましくは35〜190μmである。本発明のハードコートフィルムでは、40μm以下の薄いPET基材であってもカールを抑えられる利点がある。
(第一の硬化性樹脂組成物)
本発明のハードコートフィルムの製造方法において用いる第一の硬化性樹脂組成物(以下、単に第一の組成物ということがある。)は、1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分並びに第一の重合開始剤を含み、第一の組成物の第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たし、硬化して第一のHC層を形成するものである。
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
以下、本発明の第一の組成物に含まれる必須成分であるバインダー成分及び第一の重合開始剤並びに必要に応じて適宜含まれていてもよい反応性シリカ微粒子、溶剤、レベリング剤及び帯電防止剤等のその他の成分について説明する。
(第一の硬化性樹脂組成物のバインダー成分)
第一の組成物のバインダー成分は、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、硬化して第一のHC層のマトリクスとなる成分である。バインダー成分は光照射によりバインダー成分同士での架橋反応性を有する。バインダー成分の有する光硬化性基は、重合性不飽和基であることが好ましく、より好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
バインダー成分の1分子中に含まれる光硬化性基が1つの場合は、架橋密度が不足し、HC層の十分な硬度が得られない。
本発明のバインダー成分は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
バインダー成分の分子量は、特に制限されないが、200〜70000が好ましく、250〜40000が好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法においては、バインダー成分として、多官能モノマー及び反応性ポリマーを併用することが、クラック及びカールを抑え、HC層のPET基材に対する密着性及び耐スチールウール性に優れる点から好ましい。
(多官能モノマー)
本発明に用いられる多官能モノマーは、硬化してHC層のマトリクスとなるバインダー成分の一つであり、光硬化性基を3個以上有し、分子量が1000以下である。光硬化性基は硬化する際に光硬化性基同士や後述する反応性ポリマーの光硬化性基との間で架橋結合が可能であり、架橋結合により網目構造が形成され、HC層の硬度を更に高める。
多官能モノマーの光硬化性基は3個以上であるが、6個以上有することが好ましい。3個以上であれば、HC層とPET基材との十分な密着性が得られやすくなる。
多官能モノマーとして、1種又は2種以上を用いることができる。
多官能モノマーとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート及びポリエステルトリアクリレート並びにこれらの変性体が挙げられる。
なお、変性体としては、EO(エチレンオキサイド)変性体、PO(プロピレンオキサイド)変性体、CL(カプロラクトン)変性体及びイソシアヌル酸変性体等が挙げられる。
上記多官能モノマーにおいて、硬化反応性の点から、光硬化性基はメタクリロイル基よりもアクリロイル基が好ましい。
多官能モノマーとしては、特にペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート及びポリエステルトリアクリレート等が好ましく用いられる。
本発明の第一の組成物において、上記多官能モノマーと後述する反応性ポリマーを併用する場合は、多官能モノマーと反応性ポリマーの合計質量が第一の組成物の全固形分の合計質量に対して35〜65質量%、更に40〜60質量%となるように含まれることが硬度向上の点から好ましい。
また、後述する第二の組成物においても上記多官能モノマーを用いる場合は、その第二の組成物の全固形分の合計質量に対する多官能モノマーの含有割合(質量百分率)は、第一の組成物における多官能モノマーの含有割合の±15%であることが、HC層形成直後や、後述する本発明の実施形態の一つである第二のHC層に印刷層を設けた場合及び耐熱試験前後の両方のカールをより抑制できる点から好ましい。
(反応性ポリマー)
本発明に用いられる反応性ポリマーは、下記一般式(I)で表され、重量平均分子量が10000〜70000である。
Figure 2011075705
(一般式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。X、Y及びZは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、Xは0〜2000、Yは10〜1000及びZは0〜2000である。)
上記特定の構造を有する反応性ポリマーは、主鎖がエチレン性不飽和結合を反応して得られた直鎖構造を有しているため、主鎖のガラス転移温度が高くなり、硬度を高める機能を有すると推定される。そのような直鎖構造に、比較的短い連結基で末端にエチレン性不飽和結合を含む特定の側鎖を有するため、当該反応性ポリマーは、反応性ポリマー同士及び反応性ポリマーの周りの多官能モノマーと架橋する硬化反応によって、HC層の硬度を向上することができる。
更に、上記特定の構造を有する反応性ポリマーは、上記特定の分子量であるため、高硬度を実現しつつ、HC層のカールを低減する効果及びHC層のクラックを抑制する効果を有する。
本来、架橋する硬化反応によって、共有結合を形成してゆく際に、重合収縮があるが、この反応性ポリマーは、あらかじめポリマー構造となっているために、硬化反応での重合収縮が軽減されるため、カールを低減する効果があると推測される。
一般式(I)において、Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。ここで、直鎖状に連なる原子の数は、Aが結合する2つの酸素原子を結ぶ直鎖の骨格を構成する原子の数を表す。例えば、メチレン基(−CH−)の場合は直鎖状に連なる原子は−C−となり、直鎖状に連なる原子の数は1個と数える。アミド基(−C(=O)−N(−H)−)の場合は、直鎖状に連なる原子は、−C−N−となり、直鎖状に連なる原子の数は2個と数える。また、−CHCH(OH)CH−の場合は、直鎖状に連なる原子は−C−C−C−となり、直鎖状に連なる原子の数は3個と数える。
一般式(I)において、直鎖状に連なる原子の数が1〜15のような比較的短い連結基によって、(メタ)アクリロイルオキシ基とポリマーの主鎖を連結していることにより、硬度を高める機能を有する。中でも直鎖状に連なる原子の数は、1〜10、更に1〜7であることが、硬度を高くする点から好ましい。
連結基を構成する単位としては、例えば、置換基を有していても良いメチレン基(−CR−(Rは水素、フッ素、または置換基である))の他、−O−、−S−、−NQ−(Qは水素又はアルキル基である)、―NHCO−、−S(=O)−、−S(=O)−、カルボニル基(−C(=O)−)、―COO−、―CH=CH−、―Si(CH3)−O−、―Si(CH3)−等が挙げられる。連結基としては、上記の連結基を構成する単位が、1種類そのままの構造で用いられるか、又は2種類以上組み合わされた構造が挙げられる。
上記置換基としては、ハロゲン原子若しくは水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、アセチル基、アセトキシ基又はスルホン基等が挙げられるが特に限定されない。中でも、水酸基、カルボキシル基、アミノ基又はアルキル基が好適に用いられる。
連結基Aとしては、例えば、置換基を有していても良い炭素数1〜15のアルキレン基、各種ポリオキシアルキレン基、等が挙げられる。更に具体的には、置換基を有していても良い、エチレン基、プロピレン基、各種ブチレン基、各種ペンチレン基、各種ヘキシレン基、各種オクチレン基、−CHCHCONQCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCONQCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCHOCONQCHCHOCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCHOCONQCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)−CHCHOCHCH−、−CHOCH−、−(CHCHO)CHCH−、−CHCHCOOCHCH−等が挙げられる。
好適な連結基Aとしては、−CHCH(OH)CH−、エチレン基、−CHCHCONQCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCONQCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCHOCHCH−、−CHCHOCONQCHCHOCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)、−CHCHOCONQCHCH−(Qは水素又はアルキル基である)等が挙げられる。
平均繰り返し数Yを有する重合単位において、Rは水素又はメチル基である。いずれでも良いが、硬化速度の点からは、水素が好ましい。また、Rは水素又はメチル基である。いずれでも良いが、硬化速度の点からは、水素が好ましい。
平均繰り返し数Zを有する重合単位において、Rは水素又はメチル基であり、また、Rは水素又はメチル基である。
一般式(I)において、X、Y及びZは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、Xは0〜2000、Yは10〜1000及びZは0〜2000である。X、Y及びZは、反応性ポリマーが重量平均分子量10000〜70000を満たすようにすれば特に制限はなく、硬度や、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。中でも好ましくは、Xは0〜1000、Yは10〜800、及びZは0〜1000である。反応性ポリマーは、平均繰り返し数Yを有する重合単位の単独重合体であっても良い。反応性ポリマーが共重合体である場合、各重合単位は、ランダムに結合していても、規則性を有して結合していても良い。中でも、下記一般式(II)で表される構造を有していることが好ましい。
Figure 2011075705
(一般式(II)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。x、y、zは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、xは0〜10、yは1〜10、及びzは0〜10であり、nは、平均繰り返し数を表し、30〜300である。)
上記反応性ポリマーの重量平均分子量は、高硬度を実現する点から、10000〜70000であり、更に好ましくは10000〜40000である。
上記反応性ポリマーとしては、市販品を用いても良く、当該市販品としては、例えば、荒川化学工業(株)製、ビームセット371、ビームセット371MLV、ビームセットDK1、ビームセットDK2、ビームセットDK3及びビームセットDA100、日立化成工業(株)製、ヒタロイド7975D2、ヒタロイド7975D5、7975D12及び7975D24等のヒタロイド7975Dシリーズ並びに大成ファインケミカル(株)製、8KXシリーズ等を好ましく用いることができる。
反応性ポリマーと上記多官能モノマーの質量比(反応性ポリマー/多官能モノマー)は0.2〜10であることが好ましく、更に0.5〜4であることが好ましく、より更に0.5〜3であることが好ましい。このような質量比とする場合には、高い硬度を実現しながら、カール及びクラックが低減され、基材との密着性が優れたHC層になる。
(ウレタンアクリレート)
また、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の他の好適な実施形態においては、バインダー成分として、1分子中にアクリロイル基を6個以上有し、重量平均分子量が1000〜10000のウレタンアクリレートを用いることが、密着性、硬度及び耐スチールウール性に優れる点から好ましい。
第一の組成物に含まれるウレタンアクリレートは、1分子中にアクリロイル基を6個以上有する。当該アクリロイル基は、アクリロイル基同士の架橋により硬化し、網目構造を形成し得る。アクリロイル基を6個以上有することによりPET基材とも十分な密着性を発揮し、ハードコート層の耐スチールウール性及び硬度向上に寄与する。
ウレタンアクリレートは、アクリロイル基を6個以上有すれば、電離放射線硬化性不飽和基等の他の架橋反応性の官能基が含まれていても良い。その具体例としては、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
本発明のウレタンアクリレートとしては、ウレタン結合(−NH−CO−O−)を有し、アクリロイル基を6個以上有すれば特に限定されないが、塗膜とした時に光が透過する透光性のものが好ましく、紫外線又は電子線で代表される電離放射線により硬化する樹脂である電離放射線硬化性ウレタンアクリレート、その他公知のウレタンアクリレートなどを要求性能などに応じて適宜採用すればよい。
本発明のウレタンアクリレートは、後述する反応性シリカ微粒子と併用する場合に好適に用いることができる。反応性シリカ微粒子は上記多官能モノマーやポリマーアクリレートよりも光硬化性(反応性)が低く、当該反応性シリカ微粒子の反応を十分に進行させてHC層の硬度を高めようと光照射量を多くすると、HC層のクラックやカールが生じやすくなってしまう。
これに対して、本発明のウレタンアクリレートは反応性が適度であるため、反応性シリカ微粒子と併用して、300〜600mJ/cmの光照射量で硬化させてもHC層のクラックやカールが生じ難く、HC層とPET基材の十分な密着性を得られやすいという利点がある。
上記ウレタンアクリレートは、市販品を用いても良く、市販品としては例えば、日本合成化学工業(株)製:UV1700B(分子量2000、10官能)、UV6300B(分子量3700、7官能)及びUV7640B(分子量1500、7官能)、日本化薬(株)製:DPHA40H(分子量7000、8官能)、UX5000(分子量1000、5官能)及びUX5001T(分子量6200、8官能)、根上工業(株)製:UN3320HS(分子量5000、15官能)、UN904(分子量4900、10官能)、UN3320HC(分子量1500、6官能)及びUN3320HA(分子量1500、6官能)、荒川化学工業(株)製:BS577(分子量1000、6官能)、並びに新中村化学工業(株)製:U15H(15官能)及びU6H(6官能)等を挙げることができる。
本発明の第一の組成物において、上記ウレタンオリゴマーを用いる場合は、第一の組成物の全固形分に対して35〜65質量%、更に40〜60質量%となるように含まれることが硬度向上の点から好ましい。
また、上記多官能モノマー、反応性ポリマー及びウレタンアクリレートを組み合わせて用いても良い。この場合、これら3種の合計質量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して35〜70質量%であることが好ましい。
(第一の重合開始剤)
第一の重合開始剤は、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の反応を開始又は促進させるはたらきを有する。第一の重合開始剤は、上記バインダー成分の光硬化性基に応じて従来公知の重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等が挙げられ、更に具体的には、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・ジャパン(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
カチオン重合開始剤としては、例えば、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示され、さらに具体的には、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第一の組成物の第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する第一の重合開始剤の質量百分率M1は、上記式1で表わされるように1質量%より多く、10質量%以下である。M1は、2〜8質量%であることが好ましい。
(第一の硬化性樹脂組成物のその他の成分)
第一の組成物には、上記バインダー成分及び重合開始剤の他、必要に応じて適宜溶剤、反応性シリカ微粒子、レベリング剤及び帯電防止剤等が含まれていても良い。以下、第一の組成物に含まれていても良いその他の成分について説明する。
(溶剤)
溶剤は特に限定されず、第一の組成物の塗布性及び後述する反応性シリカ微粒子の分散性等を考慮して従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができる。
例えば、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の溶剤が挙げられる。また、メチルエチルケトン等のケトン系や酢酸エチル等のエステル系の溶剤も挙げられる。
上記溶剤は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
(反応性シリカ微粒子)
本発明の第一の組成物には、硬化膜の硬度向上を目的として、反応性シリカ微粒子が含まれていても良い。反応性シリカ微粒子は硬度に優れ、且つ、その微粒子表面にメタクリロイル基等の光硬化性基を有するため、上記バインダー系に含まれるバインダー成分と架橋が可能であり、硬化膜に硬度を付与することができる。
反応性シリカ微粒子としては、従来公知のものを用いて良く、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ微粒子を用いることができる。また、特開2009−108123号公報記載のシリカ微粒子が鎖状に連結し、シランカップリング剤で表面処理された粒子(反応性異型シリカ微粒子)も用いることができる。
反応性シリカ微粒子の平均1次粒径は、硬化膜の透明性(ヘイズ)の点から、1〜100nmが好ましい。
反応性シリカ微粒子を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して30〜65質量%であることが好ましい。
(帯電防止剤)
帯電防止剤としては、従来公知の帯電防止剤を用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩等のカチオン性帯電防止剤や、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の微粒子を用いることができる。
帯電防止剤を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
(防眩剤)
防眩剤としてはスチレンビーズ(屈折率1.59)等の微粒子など従来公知の防眩剤を用いて良い。微粒子状の防眩剤を用いる場合その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して2〜30質量%であることが好ましい。
(レベリング剤)
本発明の第一の組成物には、滑り性、防汚性又は耐擦傷性を付与する目的で、従来公知のレベリング剤(防汚染剤)が含まれていても良い。
レベリング剤(防汚染剤)としては、従来公知の反射防止フィルムに用いられている、フッ素やケイ素を含有しているもの及びフッ素やケイ素を含有していないもの並びに電離放射線硬化性基を有するもの及び電離放射線硬化性基を有しないものから適宜選択して用いることができる。すなわち、フッ素やケイ素の有無と、電離放射線硬化性基の有無を組み合わせてレベリング剤を選択することができる。
ケイ素やフッ素を含有しているレベリング剤は、油汚れ、指紋及びマジックインキ等の汚れを細かくはじき、簡単に拭き取りができる点から好ましい。
また、ケイ素やフッ素を含有していないレベリング剤を用いると、油汚れや指紋が付着しても目立ち難いという利点がある。
これらの市販品としては、例えば、フッ素を含有し、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、DIC(株)製のメガファックシリーズ(MCF350−5、F444、F445、F470、F482及びF486等)が挙げられる。
ケイ素を含有し、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では例えば、信越化学工業(株)製のX22−163A並びにビックケミージャパン(株)製のBYKUV3500、BYKUV3510及びBYKUV3570等が挙げられる。
ケイ素を含有し、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、例えば、大日精化工業(株)製の10−28並びにビックケミージャパン(株)製のBYK325、BYK330、BYK333等が挙げられる。
フッ素を含有し、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では、例えば、特開2008−040262号公報記載の含フッ素表面改質剤(ダイキン工業(株)製のオプツールDAC)、DIC(株)製のメガファックRSシリーズ(RS71、RS101、RS102、RS201、RS401、RS601、RS602及びRS701)、DIC(株)製のディフェンサシリーズ(TF3000、TF3001、TF3002、TF3025及びTF3026)並びに三菱化学(株)製のH513X及びH514X等が挙げられる。
ケイ素及びフッ素を含有せず、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、例えば、ビックケミージャパン(株)製のBYK350、BYK354、BYK361N及びBYK380N等が挙げられる。
ケイ素及びフッ素を含有せず、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では、例えば、共栄社化学(株)製のUCRL72及びUCRL93等が挙げられる。
これらのレベリング剤(防汚染剤)は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の組成物でレベリング剤を用いる場合には、ハードコートフィルムをロールで巻き取った際に裏移りを防ぐ点及び防汚性能を長期間維持する点から、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤を用いることが好ましい。
レベリング剤を用いる場合の含有量としては、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。
(抗菌剤)
抗菌剤としては、一般に市販されている工業用抗菌剤が使用できる。工業用抗菌剤には有機系抗菌剤と無機系抗菌剤があり、どちらを用いても良い。
無機系抗菌剤としては、例えば、東亞合成(株)製:ノバロンAG330、AG020、AG300及びAG1100等が挙げられる。
有機系抗菌剤としては、例えば、新中村化学工業(株)製:NKエコノマーADP−51、ADP−33、AL、AL−4G、AL−8G、AL−12G、ML、ML−4G、ML−8G及びML−12G並びに日華化学(株)製:BZBEHS(X8129)、BZBEHP(X8128)及びAL00GT等が挙げられる。
抗菌剤を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して、0.001〜10質量%であることが好ましい。
(第二の硬化性樹脂組成物)
本発明のハードコートフィルムの製造方法において用いる第二の硬化性樹脂組成物(以下、単に第二の組成物ということがある。)は、1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分並びに第二の重合開始剤を含み、第二の組成物の第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たし、PET基材の第一のHC層が形成された面とは反対側に塗布され、硬化して第二のHC層を形成するものである。
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
以下、本発明の第二の組成物に含まれる必須成分であるバインダー成分及び第二の重合開始剤並びに必要に応じて適宜含まれていてもよい反応性シリカ微粒子、溶剤、レベリング剤及び帯電防止剤等のその他の成分について説明する。
(第二の硬化性樹脂組成物のバインダー成分)
第二の組成物のバインダー成分は、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、硬化して第二のHC層のマトリクスとなる成分である。バインダー成分は光照射によりバインダー成分同士での架橋反応性を有する。
第二の組成物のバインダー成分は、上記第一の組成物のバインダー成分で挙げたものと同様のものを用いることができる。
第二の組成物のバインダー成分は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(第二の重合開始剤)
第二の重合開始剤は、上記第一の重合開始剤で挙げたものを用いることができる。
第二の組成物の第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する第二の重合開始剤の質量百分率M2は、上記式2で表わされるように1〜6質量%であり、且つ、上記式3で表わされるように、(M1−M2)が0より大きく、4以下である。
M2は、1〜5質量%であり、且つ、(M1−M2)は、1〜3質量%であることがカールを十分に抑える点から好ましい。
(第二の硬化性樹脂組成物のその他の成分)
第二の組成物には、上記バインダー成分及び重合開始剤の他、必要に応じて適宜溶剤、反応性シリカ微粒子、レベリング剤、帯電防止剤及び易滑剤等が含まれていても良い。以下、第二の組成物に含まれていても良いその他の成分について説明する。
溶剤、反応性シリカ微粒子及び帯電防止剤は特に限定されず、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
(レベリング剤)
本発明の第二の組成物にはレベリング剤が含まれていても良い。
レベリング剤としては、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
本発明のハードコートフィルムの好適な実施形態においては、第二のHC層に隣接してその表面の少なくとも一部に後述する印刷層を設けることがある。この場合、当該印刷層を第二のHC層によってはじかれずにきれいに形成し、且つ、第一のHC層のレベリング剤の耐久性を得るために、第一の組成物に含まれるレベリング剤が、上記電離放射線硬化性基等の光硬化性を有する反応性レベリング剤であり、且つ、後述する第二の組成物に含まれるレベリング剤が、上記電離放射線硬化性基等の光硬化性を有しない非反応性レベリング剤であることが好ましい。
レベリング剤を用いる場合の含有量としては、第二の組成物の全固形分の合計質量に対して0.05〜10質量%であることが好ましい。
(易滑剤)
易滑剤(アンチブロッキング剤)は、ロール状態にするなどハードコートフィルム同士を重ね合わせた際の意図しない箇所における貼り付きを防止する成分である。
易滑剤としては、従来公知の易滑剤を使用することができ、例えば、平均1次粒径100〜1000nmの特開2004−284126号公報に記載のシリカ等の無機化合物の微粒子及び高密度ポリエチレンや、ポリスチレン、ポリスチレンアクリル等の有機化合物の微粒子を用いることができる。
易滑剤を用いる場合、その含有量は、第二の組成物の全固形分の合計質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
(その他の層の組成物)
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法では、第一のHC層のPET基材とは反対側の面に高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層、帯電防止層及び防眩層を設けても良く、第二のHC層のPET基材とは反対側の面に印刷層及び粘着層を設けても良い。
以下、これらのその他の層を形成するための組成物について説明する。
(高屈折率層及び中屈折率層用組成物)
高屈折率層及び中屈折率層は、本発明に係るハードコートフィルムの反射率を調整するために設けられる層である。
高屈折率層及び中屈折率層は通常、バインダー成分と屈折率調整用の粒子とを主に含有する。バインダー成分としては、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
屈折率調整用の粒子としては、例えば、粒子径が100nm以下の微粒子を挙げることができる。このような微粒子としては、酸化亜鉛(屈折率:1.90)、チタニア(屈折率:2.3〜2.7)、セリア(屈折率:1.95)、スズドープ酸化インジウム(屈折率:1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(屈折率:1.80)、イットリア(屈折率:1.87)、ジルコニア(屈折率:2.0)からなる群から選ばれた1種以上を挙げることができる。
高屈折率層は具体的には、1.50〜2.80の屈折率であることが好ましい。
中屈折率層は高屈折率層用理も屈折率が低く、1.50〜2.00の屈折率であることが好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層の膜厚は、適宜調節すればよく、1〜1000nmであることが好ましい。
(低屈折率層用組成物)
低屈折率層は、シリカやフッ化マグネシウム等の屈折率の低い成分とバインダー成分を含む組成物又はフッ化ビニリデン共重合体等のフッ素含有樹脂を含む組成物の硬化物からなり、従来公知の低屈折率層とすることができる。
低屈折率層を形成するための組成物には、低屈折率層の屈折率を低減させるために中空粒子を含有させても良い。
中空粒子は、外殻層を有し外殻層に囲まれた内部が多孔質組織又は空洞である粒子をいう。当該多孔質組織や空洞には空気(屈折率:1)が含まれており、屈折率1.20〜1.45の中空粒子を低屈折率層に含有させることで低屈折率層の屈折率を低減することができる。
中空粒子の平均粒径は1〜100nmであることが好ましい。
中空粒子は従来公知の低屈折率層に用いられているものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報に記載の空隙を有する微粒子が挙げられる。
低屈折率層の膜厚は要求される性能に応じて適宜選択すればよく、80〜120nmであることが好ましい。
(帯電防止層用組成物)
帯電防止層は、静電気の発生を抑えてゴミの付着を防止したり、液晶ディスプレイなどに組みこまれた際の外部からの静電気障害を防止するはたらきを有する層である。
帯電防止層は、帯電防止剤とバインダー成分とを含む組成物の硬化物からなる。帯電防止層の膜厚は、適宜調節すればよく、30nm〜10μmであることが好ましい。
帯電防止層の性能としてはハードコートフィルム形成後の表面抵抗が1012Ω/□以下となることが好ましい。なお、表面抵抗値は、三菱油化(株)製のハイレスター HT−210を用いて測定することができる。
帯電防止剤は従来公知のものを用いることができ、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
硬化して帯電防止層を形成するバインダー成分としては、従来公知の帯電防止剤のバインダー成分を用いればよく、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
(防眩層用組成物)
防眩層はバインダー成分と防眩剤とを含む組成物の硬化物からなり、バインダー成分は、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)及びアクリルビーズ(屈折率1.49)等が挙げられる。
微粒子の平均粒径は100〜500nmであることが好ましい。
防眩性微粒子の含有量は、バインダー成分の全質量に対して、2〜30質量%であることが好ましい。
防眩層の膜厚は1〜15μmであることが好ましい。
(印刷層用組成物)
印刷層は、主に本発明のハードコートフィルムの縁部分に設けられ、ハードコートフィルムの意匠性を高めるはたらきを有する。
印刷層の厚さは0.5〜10μmであることが好ましい。
印刷層は、ポリウレタン系又はポリエステル系の熱硬化性樹脂で形成することができる。また、黒色等に着色するために顔料(染料)を加えても良い。
(粘着層用組成物)
粘着層は粘着剤により形成され、ハードコートフィルムを被着体に貼りつけるはたらきを有する層である。粘着剤としては公知の粘着剤を用いて良く、例えば、特開2009−188298号公報記載のアクリル系粘着剤を用いることができる。
粘着層の厚さは要求される粘着性に応じて適宜選択すればよいが、5〜100μmであることが好ましい。
(蒸着層用材料)
本発明に係るハードコートフィルムにおいては、第二のHC層のPET基材とは反対側にSiO、Nb及びITOからなる群より選ばれる1種以上の蒸着層が設けられていても良い。この蒸着層は、ITOの場合は、透明導電膜としてはたらき、SiOの場合は、低屈折率化やITOをさらに設けた場合は当該ITOの耐薬品性向上というはたらきを有し、Nbの場合は、高屈折率化というはたらきをする。
蒸着の方法は、従来公知の真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。例えば、特開2005−268185号公報の条件で行うことができる。
(ハードコートフィルム)
本発明に係るハードコートフィルムは、上記製造方法により得られるハードコートフィルムであり、第一の重合開始剤の量と、第二の重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、第一のHC層を形成した後に、第一のHC層の厚さに対して特定の範囲内の厚さの第二のHC層を形成することにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられたハードコートフィルムが得られる。
図2は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の一例を示した模式図である。
ポリエチレンテレフタレート基材10の一面側に第一のハードコート層20が設けられ、ポリエチレンテレフタレート基材10の第一のハードコート層20を設けた面とは反対側に第二のハードコート層30が設けられている。
図3は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの第一のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に低屈折率層40が設けられている。
このように低屈折率層が最表面に設けられていることにより、当該低屈折率層側からハードコートフィルムを見たときに表面の反射率が低減され、視認性が高まる。
図4は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面の一部に印刷層50及び粘着層60が設けられている。
このように印刷層50が設けられていることにより、ハードコートフィルム3を用いたディスプレイの意匠性が高まる。また、粘着層60が設けられていることにより、ハードコートフィルム3をディスプレイ前面に直接貼り付けることが可能となる。
図5は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、粘着層60が設けられている。
図6は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図4と同じハードコートフィルムの粘着層60の第二のハードコート層30とは反対側の面にポリエチレンテレフタレート基材70が接着されており、ポリエチレンテレフタレート基材70の粘着層60とは反対側にITOの蒸着層80が設けられている。
この場合、ITOの蒸着層が透明導電膜として機能する。
図7は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、ITOの蒸着層80が設けられている。
図8は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図5と同じハードコートフィルムの粘着層60の第二のハードコート層30とは反対側の面にポリエチレンテレフタレート基材70が接着されており、ポリエチレンテレフタレート基材70の粘着層60とは反対側にITOの蒸着層80が設けられている。
図9は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの両面に、保護フィルム90が設けられている。
なお、保護フィルムについては、後述する偏光板において説明する。
図10は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を示した模式図である。
図1と同じハードコートフィルムの第一のハードコート層20のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、保護フィルム90が設けられている。
本発明に係るハードコートフィルムの好適な実施形態においては、ハードコートフィルムの150℃で60分間の耐熱試験前後のカールの高さを、第一のハードコート層側に5mm以内、且つ、第二のハードコート層側に5mm以内とすることも可能である。
このようにカールの高さが低く抑えられることにより、本発明のハードコートフィルムをディスプレイ前面に貼り付けやすくなり、作業効率が高まる。
(偏光板)
本発明に係る偏光板は、上記ハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が設けられていることを特徴とする。
図11は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す模式図である。図11に示す偏光板120は、ハードコートフィルム1並びに保護フィルム90及び偏光層100が積層された偏光子110とを有しており、ハードコートフィルム1の第二のハードコート層30側に偏光子110が設けられている。
なお、ハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が配置されているとは、ハードコートフィルムと偏光子とが別に形成されている場合だけでなく、ハードコートフィルムを構成する部材が偏光子を構成する部材を兼ねている場合をも含むものである。
また、本発明に係る偏光板をディスプレイパネルに用いる場合、通常、偏光子側にディスプレイパネルが配置される。
なお、ハードコートフィルムについては、上述したハードコートフィルムを用いればよいので、ここでの説明は省略する。以下、本発明に係る偏光板における他の構成について説明する。
(偏光子)
本発明に用いられる偏光子としては、所定の偏光特性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる偏光子を用いることができる。
偏光子は、所定の偏光特性を長期間保持できる形態であれば特に限定されるものではなく、例えば、偏光層のみから構成されていてもよく、保護フィルムと偏光層とが貼り合わされたものであってもよい。保護フィルムと偏光層とが貼り合わされている場合、偏光層の片面のみに保護フィルムが形成されていてもよく、偏光層の両面に保護フィルムが形成されていてもよい。
偏光層としては、通常、ポリビニルアルコールからなるフィルムにヨウ素を含浸させ、これを一軸延伸することによってポリビニルアルコールとヨウ素との錯体を形成させたものが用いられる。
また、保護フィルムとしては、上記偏光層を保護することができ、且つ、所望の光透過性を有するものであれば特に限定されるものではない。
保護フィルムの光透過性としては、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、上記保護フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
保護フィルムを構成する樹脂としては、例えば、セルロース誘導体、シクロオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート等を挙げることができる。中でも、セルロース誘導体またはシクロオレフィン系樹脂を用いることが好ましい。
保護フィルムは、単一の層からなるものであっても良く、複数の層が積層されたものであっても良い。また、保護フィルムが複数の層が積層されたものである場合は、同一組成の複数の層が積層されても良く、また、異なる組成を有する複数の層が積層されても良い。
また、保護フィルムの厚さは、本発明の偏光板の可撓性を所望の範囲内にすることができ、且つ、偏光層と貼り合わせることにより、偏光子の寸法変化を所定の範囲内にできる範囲であれば特に限定されるものではないが、5〜200μmの範囲内であることが好ましく、特に15〜150μmの範囲内であることが好ましく、さらに30〜100μmの範囲内であることが好ましい。上記厚さが5μmよりも薄いと、本発明の偏光板の寸法変化が大きくなってしまうおそれがある。また、上記厚みが200μmよりも厚いと、例えば、本発明の偏光板を裁断加工する際に、加工屑が増加したり、裁断刃の磨耗が早くなってしまうおそれがある。
保護フィルムは、位相差性を有するものであってもよい。位相差性を有する保護フィルムを用いることにより、本発明の偏光板をディスプレイパネルの視野角補償機能を有するものにできるという利点がある。
保護フィルムが位相差性を有する態様としては、所望の位相差性を発現できる態様であれば特に限定されるものではない。このような態様としては、例えば、保護フィルムが単一の層からなる構成を有し、位相差性を発現する光学特性発現剤を含有することにより位相差性を有する態様と、上述した樹脂からなる保護フィルム上に、屈折率異方性を有する化合物を含有する位相差層が積層された構成を有することにより、位相差性を有する態様とを挙げることができる。本発明においては、これらのいずれの態様であっても好適に用いることができる。
(ディスプレイパネル)
本発明に係るディスプレイパネルは、上記ハードコートフィルムの第二のハードコート層側にディスプレイが配置されていることを特徴とする。
ディスプレイとしては、LCD、PDP、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等が挙げられる。
上記ディスプレイの代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、それを背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。上記ディスプレイがLCDの場合、この透過性表示体の表面に、本発明のハードコートフィルムや当該ハードコートフィルムを備える上記偏光板が配置されてなるものである。
上記ディスプレイの他の一例であるPDPは、表面ガラス基板と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板とを備えてなるものである。上記ディスプレイがPDPの場合、表面ガラス基板の表面又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上記ハードコートフィルムを備えるものでもある。
上記ディスプレイは、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質等の発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行うELD装置又は電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどのディスプレイであっても良い。この場合、ELD装置又はCRTの最表面又はその前面板の表面に上記ハードコートフィルムを備えるものである。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
反応性異形シリカ微粒子として、日揮触媒化成(株)製、商品名DP1039SIV(平均1次粒径20nm、平均連結数3.5個、平均2次粒径55nm、固形分30%、MIBK溶剤、光硬化性基はメタクリロイル基)を用いた。
反応性シリカ微粒子として、日産化学工業(株)製、商品名MIBK−SD(平均1次粒径12nm、固形分30%、MIBK溶剤、光硬化性基はメタクリロイル基)を用いた。
ウレタンアクリレートとして、荒川化学工業(株)製:商品名BS577(分子量1000、6官能)を用いた。
多官能モノマーとして、日本化薬(株)製:DPHA(6官能、分子量578)を用いた。
反応性ポリマーとして、荒川化学工業(株)製、商品名ビームセットDK1(重量平均分子量20000、一般式(I)においてX=0、Y=50、Z=0、Aは−CHCH(OH)CH−で直鎖状に連結する原子数は3個、Rはメチル基、Rは水素、固形分75%、MIBK溶剤)を用いた。
重合開始剤(1)として、チバ・ジャパン(株)製:イルガキュアー(Irg)184を用いた。
重合開始剤(2)として、チバ・ジャパン(株)製:イルガキュアー(Irg)907を用いた。
重合開始剤(3)として、チバ・ジャパン(株)製:DAROCUR TPOを用いた。
ポリエチレンテレフタレート基材として、東レ(株)製の製品名U46(厚さ125μm、プライマー層厚100nm)を用いた。
各化合物の略語はそれぞれ、以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
MIBK:メチルイソブチルケトン
PET:ポリエチレンテレフタレート
TAC:トリアセチルセルロース
(HC層用硬化性樹脂組成物の調製)
それぞれ、下記に示す組成の成分を配合して、HC層用硬化性樹脂組成物1〜20を調製した。
(HC層用硬化性樹脂組成物1)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
ビームセットDK1:25質量部
重合開始剤(1)Irg184:1質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物2)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
ビームセットDK1:25質量部
重合開始剤(1)Irg184:2質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物3)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:3質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物4)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:4質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物5)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物6)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物7)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:7質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物8)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:8質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物9)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:9質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物10)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:10質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物11)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
重合開始剤(2)Irg907:1質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物12)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:3質量部
重合開始剤(2)Irg907:1質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物13)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
重合開始剤(3)DAROCUR TPO:1質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物14)
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:0.5質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物15)
反応性異型シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物16)
反応性シリカ微粒子:133質量部(固形分40質量部)
多官能モノマー(DPHA):30質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):30質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物17)
反応性シリカ微粒子:133質量部(固形分40質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):60質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物18)
多官能モノマー(DPHA):50質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):50質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物19)
ウレタンアクリレート(BS577):100質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(HC層用硬化性樹脂組成物20)
2官能のバインダー成分(東亞合成(株)製の商品名M215):100質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(ハードコートフィルムの作製)
(実施例1)
PET基材(U46)の一面側に、第一の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物6を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第一のHC層を形成した。次いで、PET基材の第一のHC層を形成した面とは反対側の面に、第二の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物4を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その塗膜側(PET基材の第一のHC層とは反対側)から紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第二のHC層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
(実施例2〜13及び比較例1〜10)
実施例1において、第一の組成物及び第二の組成物を下記表1に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
Figure 2011075705
(カールの高さの測定)
実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムについて、それぞれ、100mm四方の寸法のハードコートフィルムとし、それを平らな面に置き、四隅の平面からの浮きあがりの高さの平均値をカールの高さとして、ハードコートフィルム作製直後(下記耐熱試験前)のものと、下記耐熱試験後のものについて測定した。
なお、カールの高さは第二のHC層(第一のHC層とは反対側の面)を下側にした場合、第一のHC層を下側にした場合のそれぞれについて測定を行った。そして、後述する表2においては、第二のHC層を下側にした場合の第一のHC層側へのカール高さを正の値に、第一のHC層を下側にした場合の第二のHC層側へのカール高さを負の値として示している。つまり、例えば、第二のHC層側を下側にした場合の第一のHC層側へのカール高さが3mmの場合は、3mmとし、第一のHC層を下側にした場合の第二のHC層側へのカール高さが7mmの場合は、−7mmとした。
本発明において、耐熱試験は、27℃から10℃/分の昇温速度で150℃まで温度上昇を行い、次いで、150℃を60分間保持し、次いで、150℃から20℃/分の降温速度で27℃まで温度を下げて行った。
(鉛筆硬度の測定)
作製した実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムの第一のHC層について、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行い、傷のつかなかった最も高い硬度を求めた。
(密着性の評価)
作製した実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムの温度60℃、湿度90%で24時間調湿した後のものについて、JIS K5400の碁盤目試験の方法に準じて、第一のHC層面に1mm間隔で縦及び横、それぞれ11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作り、ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を碁盤目上に貼り付けた後、これを速やかに90°の方向に引張って剥離させ、下記基準で密着性を評価した。
評価○:碁盤目100個中、剥がれなかった碁盤目の数が90個以上
評価×:碁盤目100個中、剥がれなかった碁盤目の数が89個以下
実施例1〜13及び比較例1〜10についての上記カール高さ、鉛筆硬度及び密着性の評価結果をまとめたものを下記表2に示す。
Figure 2011075705
(実施例1〜13及び比較例1〜10の結果のまとめ)
表2より、実施例1〜13については、耐熱試験前後のカール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好な結果が得られた。
しかし、比較例1〜8については、第二のHC層側に大きくカールしてしまった。
また、比較例9及び10については、第一のHC層側に大きくカールしてしまい、耐熱試験後の密着性も不良となった。これは、第二の重合開始剤の量が少ないためと考えられる。
(実施例14及び15並びに比較例11〜14)
実施例1において、第一のHC層及び第二のHC層の膜厚を下記表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
(比較例15)
PET基材(U46)の一面側に、第一の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物6を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cmになるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第一のHC層を形成し、第二のHC層は形成せずにハードコートフィルムを作製した。
Figure 2011075705
実施例14及び15並びに比較例11〜15のハードコートフィルムについて、実施例1と同様に、作製直後(耐熱試験前)及び耐熱試験後のカールの高さ、鉛筆硬度並びに密着性について測定を行った。その結果を下記表4に示す。
Figure 2011075705
(実施例14及び15並びに比較例11〜15の結果のまとめ)
表4より、実施例14及び15については、カール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好であった。
しかし、重合開始剤の量は適量だが、第一のHC層と第二のHC層の膜厚差が大きい比較例11及び12では、耐熱試験前のカール高さが大きくなってしまった。
また、第一のHC層と第二のHC層の膜厚が厚すぎる比較例13では、耐熱試験後に第二のHC層側へ大きくカールしてしまった。
第一のHC層と第二のHC層の膜厚が薄い比較例14では、鉛筆硬度が低くなってしまった。
第一のHC層のみで、第二のHC層の無い比較例15では、耐熱試験前後のカールが大きくなってしまった。
(実施例16〜20及び比較例16)
実施例1において、第一の組成物を下記表5に示すように代え、第二の組成物はその表5の第一の組成物のM1をM2=4質量%と代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
Figure 2011075705
実施例16〜20及び比較例16のハードコートフィルムについて、実施例1と同様に、作製直後(耐熱試験前)及び耐熱試験後のカールの高さ、鉛筆硬度並びに密着性について測定を行った。その結果を下記表6に示す。
Figure 2011075705
(実施例16〜20及び比較例15の結果のまとめ)
実施例16〜20については、カール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好であった。
しかし、比較例16では、鉛筆硬度が低く、密着性も不良となってしまった。これは、第一及び第二のHC層を形成する組成物に含まれるバインダー成分の官能基が2官能と少ないためと考えられる。
以上の結果より、第一及び第二のHC層を形成するための組成物に含まれる重合開始剤の量を上述した式(1)〜(3)を満たす範囲とし、光硬化性基を3個以上有するバインダー成分を用い、且つ、第一及び第二のHC層の膜厚を特定の範囲とすることにより、PET基材でも優れた硬度及び密着性を有しながらカールを抑えたハードコートフィルムとすることができる。
1、2、3、4、5、6、7、8、9 ハードコートフィルム
10 ポリエチレンテレフタレート基材
20 第一のハードコート層
30 第二のハードコート層
40 低屈折率微粒子
50 印刷層
60 粘着層
70 ポリエチレンテレフタレート基材
80 ITOの蒸着層
90 保護フィルム
100 偏光層
110 偏光子
120 偏光板

Claims (12)

  1. ポリエチレンテレフタレート基材の両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの製造方法であって、
    (i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
    1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
    1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
    0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
    (ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
    (iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
    (iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
    (v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする、ハードコートフィルムの製造方法。
  2. 前記バインダー成分が、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、分子量が1000以下である多官能モノマー及び下記一般式(I)で表わされ、重量平均分子量が10000〜70000である反応性ポリマーであることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
    Figure 2011075705
    (一般式(I)において、R〜Rはそれぞれ独立に、水素又はメチル基を表す。Aは、直鎖状に連なる原子の数が1〜15の連結基を表す。X、Y及びZは、各重合単位の平均繰り返し数を表し、Xは0〜2000、Yは10〜1000及びZは0〜2000である。)
  3. 前記バインダー成分が、1分子中にアクリロイル基を6個以上有し、重量平均分子量が1000〜10000のウレタンアクリレートであることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  4. 前記第一及び第二の硬化性樹脂組成物がさらに、前記バインダー成分との架橋反応性を有する反応性シリカ微粒子を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  5. 前記第一の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有する反応性レベリング剤を含み、且つ、前記第二の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有しない非反応性レベリング剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
  6. 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする、ハードコートフィルム。
  7. 前記請求項6に記載のハードコートフィルムの150℃、60分間の耐熱試験前後のカールの高さが、第一のハードコート層側に5mm以内、且つ、第二のハードコート層側に5mm以内であることを特徴とする、請求項6に記載のハードコートフィルム。
  8. 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に印刷層が設けられていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のハードコートフィルム。
  9. 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側にSiO、Nb及びITOからなる群より選ばれる1種以上の蒸着層が設けられていることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。
  10. 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に粘着層が設けられていることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。
  11. 前記請求項6乃至10のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が設けられていることを特徴とする、偏光板。
  12. 前記請求項6乃至10のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの第二のハードコート層側にディスプレイが配置されていることを特徴とする、ディスプレイパネル。
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