JP2011075705A - ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板及びディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】PET基材の両面にHC層が設けられたHCフィルムの製造方法であって、(i)光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び重合開始剤を含み、重合開始剤の量が特定の関係式を満たす2種類の組成物を準備する工程、(ii)PET基材の一面側に、重合開始剤の多い一つ目の組成物を塗布する工程、(iii)その塗膜を硬化させて膜厚5〜20μmの第一のHC層を形成する工程、(iv)PET基材の第一のHC層とは反対側に、重合開始剤の少ない二つ目の組成物を塗布する工程、(v)その塗膜を硬化させて膜厚が第一のHC層の膜厚の±25%以内である第二のHC層を形成する工程を含むことを特徴とする、ハードコートフィルムの製造方法。その製造方法により得られるハードコートフィルム。
【選択図】図1
Description
密着性が低いと、基材から当該機能層が剥がれてしまい、その剥がれた部分が干渉斑として視認されてしまい、外観が悪化してしまう問題がある。
本発明者らが鋭意検討した結果、PET基材の両面にHC層を形成する際、はじめに形成されるHC層の組成物に含まれる重合開始剤の量と、後に形成されるHC層の組成物に含まれる重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、2つのHC層の厚さを特定の範囲内とすることにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられ、且つ、HC層の組成物に含まれるバインダー成分が光硬化性基を3個以上有するものとすることにより、HC層のPET基材に対する密着性も良好となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
(i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
(ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
(iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
なお、本発明においてカールの高さとは、100mm四方の寸法のハードコートフィルムを用意し、当該ハードコートフィルムを平らな面に置いたときの四隅の平面からの浮きあがりの高さの平均値を意味する。
また、耐熱試験において、150℃まで温度上昇させるときは、27℃から10℃/分の昇温速度で温度上昇を行い、150℃から温度を下げるときは、150℃から20℃/分の降温速度で温度を下げる。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、電磁波と粒子線を総称する放射線及び電離放射線が含まれる。
本発明において、「ハードコート層」とは、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)で、「H」以上の硬度を示すものをいう。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。従って、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの、および薄いものの両方の意味を含めて、「フィルム」と定義する。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念であり、硬化後にHC層やその他の機能層のマトリクスとなる成分を意味する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、THF溶剤におけるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明において、微粒子の平均粒径とは、組成物における微粒子の場合は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計を用いて測定した値を意味し、硬化膜中の微粒子の場合は、硬化膜の断面の透過型電子顕微鏡(TEM)写真により観察される粒子10個の平均値を意味する。
本発明に係るハードコートの製造方法は、ポリエチレンテレフタレート基材の両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの製造方法であって、
(i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
(ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
(iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする。
このように第一の重合開始剤の量と第二の重合開始剤の量を特定範囲とすることによりカールが抑えられる理由は定かではないが、第二の重合開始剤の量を第一の重合開始剤の量よりも少なくすることにより、第二のHC層の熱収縮率が小さくなり、第一及び第二のHC層の熱収縮率の差が小さくなるためと推測される。
後述する第一及び第二の硬化性樹脂組成物を準備し、次いで、図1の(i)に示すようにポリエチレンテレフタレート基材10を準備する。次いで、図1の(ii)に示すようにポリエチレンテレフタレート基材10の一面側に第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、光照射を行い、第一のハードコート層20を形成する。次いで、ポリエチレンテレフタレート基材10の第一のハードコート層20を形成した面とは反対側の面に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、光照射を行い、第二のハードコート層30を形成し、ハードコートフィルム1を得る。
塗布方法は、従来公知の方法を用いれば良く、特に限定されず、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法及びピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線又は電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜500mJ/cm2程度である。
光照射に加えて、加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。
第一の硬化性樹脂組成物の塗布後、光照射を行う前に、乾燥を行っても良い。乾燥方法としては、例えば、減圧乾燥又は加熱乾燥、更にはこれらの乾燥を組み合わせる方法等が挙げられる。また、常圧で乾燥させる場合は、30〜110℃で乾燥させることが好ましい。例えば、第一の硬化性樹脂組成物の溶剤としてメチルエチルケトンを用いる場合は、室温〜80℃、好ましくは40℃〜70℃の範囲内の温度で、20秒〜3分、好ましくは30秒〜1分の時間で乾燥工程を行うことができる。
光照射の方法は、塗膜方向から光照射すれば、上記(iii)工程と同様に行っても良い。
このとき、第一のHC層側から光照射すると、第二のHC層を十分に硬化することができない。また、製造ラインが汚染されるおそれもある。
また、適宜必要に応じて上記(iii)工程と同様に乾燥を行っても良い。
第二のHC層の膜厚は第一のHC層の膜厚の±25%以内である。この範囲を超えると、ハードコートフィルムのカールを十分に抑えることができなくなる。カールを抑える点から第一のHC層と第二のHC層の厚さは同じであることが好ましい。
本発明に用いられるPET基材は、従来公知のハードコートフィルムや光学フィルムで用いられているPET基材を用いることができる。
可視光域380〜780nmにおけるPET基材の平均光透過率は50%以上が好ましく、より好ましくは70%以上、特に好ましくは85%以上である。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
また、PET基材にけん化処理やプライマー層を設ける等の表面処理が施されていても良いし、帯電防止剤や紫外線吸収剤等の添加剤が添加されていても良い。
本発明のハードコートフィルムの製造方法において用いる第一の硬化性樹脂組成物(以下、単に第一の組成物ということがある。)は、1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分並びに第一の重合開始剤を含み、第一の組成物の第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たし、硬化して第一のHC層を形成するものである。
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
第一の組成物のバインダー成分は、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、硬化して第一のHC層のマトリクスとなる成分である。バインダー成分は光照射によりバインダー成分同士での架橋反応性を有する。バインダー成分の有する光硬化性基は、重合性不飽和基であることが好ましく、より好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
バインダー成分の1分子中に含まれる光硬化性基が1つの場合は、架橋密度が不足し、HC層の十分な硬度が得られない。
本発明のバインダー成分は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明に用いられる多官能モノマーは、硬化してHC層のマトリクスとなるバインダー成分の一つであり、光硬化性基を3個以上有し、分子量が1000以下である。光硬化性基は硬化する際に光硬化性基同士や後述する反応性ポリマーの光硬化性基との間で架橋結合が可能であり、架橋結合により網目構造が形成され、HC層の硬度を更に高める。
多官能モノマーの光硬化性基は3個以上であるが、6個以上有することが好ましい。3個以上であれば、HC層とPET基材との十分な密着性が得られやすくなる。
多官能モノマーとして、1種又は2種以上を用いることができる。
なお、変性体としては、EO(エチレンオキサイド)変性体、PO(プロピレンオキサイド)変性体、CL(カプロラクトン)変性体及びイソシアヌル酸変性体等が挙げられる。
上記多官能モノマーにおいて、硬化反応性の点から、光硬化性基はメタクリロイル基よりもアクリロイル基が好ましい。
多官能モノマーとしては、特にペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、イソシアヌル酸EO変性トリアクリレート及びポリエステルトリアクリレート等が好ましく用いられる。
また、後述する第二の組成物においても上記多官能モノマーを用いる場合は、その第二の組成物の全固形分の合計質量に対する多官能モノマーの含有割合(質量百分率)は、第一の組成物における多官能モノマーの含有割合の±15%であることが、HC層形成直後や、後述する本発明の実施形態の一つである第二のHC層に印刷層を設けた場合及び耐熱試験前後の両方のカールをより抑制できる点から好ましい。
本発明に用いられる反応性ポリマーは、下記一般式(I)で表され、重量平均分子量が10000〜70000である。
本来、架橋する硬化反応によって、共有結合を形成してゆく際に、重合収縮があるが、この反応性ポリマーは、あらかじめポリマー構造となっているために、硬化反応での重合収縮が軽減されるため、カールを低減する効果があると推測される。
一般式(I)において、直鎖状に連なる原子の数が1〜15のような比較的短い連結基によって、(メタ)アクリロイルオキシ基とポリマーの主鎖を連結していることにより、硬度を高める機能を有する。中でも直鎖状に連なる原子の数は、1〜10、更に1〜7であることが、硬度を高くする点から好ましい。
上記置換基としては、ハロゲン原子若しくは水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキル基、メルカプト基、シアノ基、シリル基、シラノール基、ニトロ基、アセチル基、アセトキシ基又はスルホン基等が挙げられるが特に限定されない。中でも、水酸基、カルボキシル基、アミノ基又はアルキル基が好適に用いられる。
また、本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の他の好適な実施形態においては、バインダー成分として、1分子中にアクリロイル基を6個以上有し、重量平均分子量が1000〜10000のウレタンアクリレートを用いることが、密着性、硬度及び耐スチールウール性に優れる点から好ましい。
これに対して、本発明のウレタンアクリレートは反応性が適度であるため、反応性シリカ微粒子と併用して、300〜600mJ/cm2の光照射量で硬化させてもHC層のクラックやカールが生じ難く、HC層とPET基材の十分な密着性を得られやすいという利点がある。
また、上記多官能モノマー、反応性ポリマー及びウレタンアクリレートを組み合わせて用いても良い。この場合、これら3種の合計質量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して35〜70質量%であることが好ましい。
第一の重合開始剤は、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の反応を開始又は促進させるはたらきを有する。第一の重合開始剤は、上記バインダー成分の光硬化性基に応じて従来公知の重合開始剤から適宜選択して用いることができる。
ラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等が挙げられ、更に具体的には、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・ジャパン(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
第一の組成物には、上記バインダー成分及び重合開始剤の他、必要に応じて適宜溶剤、反応性シリカ微粒子、レベリング剤及び帯電防止剤等が含まれていても良い。以下、第一の組成物に含まれていても良いその他の成分について説明する。
溶剤は特に限定されず、第一の組成物の塗布性及び後述する反応性シリカ微粒子の分散性等を考慮して従来公知の溶剤を適宜選択して用いることができる。
例えば、メチルイソブチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール等の溶剤が挙げられる。また、メチルエチルケトン等のケトン系や酢酸エチル等のエステル系の溶剤も挙げられる。
上記溶剤は1種単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。
本発明の第一の組成物には、硬化膜の硬度向上を目的として、反応性シリカ微粒子が含まれていても良い。反応性シリカ微粒子は硬度に優れ、且つ、その微粒子表面にメタクリロイル基等の光硬化性基を有するため、上記バインダー系に含まれるバインダー成分と架橋が可能であり、硬化膜に硬度を付与することができる。
反応性シリカ微粒子としては、従来公知のものを用いて良く、例えば、特開2008−165040号公報記載の反応性シリカ微粒子を用いることができる。また、特開2009−108123号公報記載のシリカ微粒子が鎖状に連結し、シランカップリング剤で表面処理された粒子(反応性異型シリカ微粒子)も用いることができる。
反応性シリカ微粒子の平均1次粒径は、硬化膜の透明性(ヘイズ)の点から、1〜100nmが好ましい。
反応性シリカ微粒子を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して30〜65質量%であることが好ましい。
帯電防止剤としては、従来公知の帯電防止剤を用いることができ、例えば、第4級アンモニウム塩等のカチオン性帯電防止剤や、スズドープ酸化インジウム(ITO)等の微粒子を用いることができる。
帯電防止剤を用いる場合、その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して1〜30質量%であることが好ましい。
防眩剤としてはスチレンビーズ(屈折率1.59)等の微粒子など従来公知の防眩剤を用いて良い。微粒子状の防眩剤を用いる場合その含有量は、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して2〜30質量%であることが好ましい。
本発明の第一の組成物には、滑り性、防汚性又は耐擦傷性を付与する目的で、従来公知のレベリング剤(防汚染剤)が含まれていても良い。
レベリング剤(防汚染剤)としては、従来公知の反射防止フィルムに用いられている、フッ素やケイ素を含有しているもの及びフッ素やケイ素を含有していないもの並びに電離放射線硬化性基を有するもの及び電離放射線硬化性基を有しないものから適宜選択して用いることができる。すなわち、フッ素やケイ素の有無と、電離放射線硬化性基の有無を組み合わせてレベリング剤を選択することができる。
ケイ素やフッ素を含有しているレベリング剤は、油汚れ、指紋及びマジックインキ等の汚れを細かくはじき、簡単に拭き取りができる点から好ましい。
また、ケイ素やフッ素を含有していないレベリング剤を用いると、油汚れや指紋が付着しても目立ち難いという利点がある。
これらの市販品としては、例えば、フッ素を含有し、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、DIC(株)製のメガファックシリーズ(MCF350−5、F444、F445、F470、F482及びF486等)が挙げられる。
ケイ素を含有し、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では例えば、信越化学工業(株)製のX22−163A並びにビックケミージャパン(株)製のBYKUV3500、BYKUV3510及びBYKUV3570等が挙げられる。
ケイ素を含有し、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、例えば、大日精化工業(株)製の10−28並びにビックケミージャパン(株)製のBYK325、BYK330、BYK333等が挙げられる。
フッ素を含有し、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では、例えば、特開2008−040262号公報記載の含フッ素表面改質剤(ダイキン工業(株)製のオプツールDAC)、DIC(株)製のメガファックRSシリーズ(RS71、RS101、RS102、RS201、RS401、RS601、RS602及びRS701)、DIC(株)製のディフェンサシリーズ(TF3000、TF3001、TF3002、TF3025及びTF3026)並びに三菱化学(株)製のH513X及びH514X等が挙げられる。
ケイ素及びフッ素を含有せず、電離放射線硬化性基を有しないレベリング剤では、例えば、ビックケミージャパン(株)製のBYK350、BYK354、BYK361N及びBYK380N等が挙げられる。
ケイ素及びフッ素を含有せず、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤では、例えば、共栄社化学(株)製のUCRL72及びUCRL93等が挙げられる。
これらのレベリング剤(防汚染剤)は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第一の組成物でレベリング剤を用いる場合には、ハードコートフィルムをロールで巻き取った際に裏移りを防ぐ点及び防汚性能を長期間維持する点から、電離放射線硬化性基を有するレベリング剤を用いることが好ましい。
レベリング剤を用いる場合の含有量としては、第一の組成物の全固形分の合計質量に対して0.01〜5質量%であることが好ましい。
抗菌剤としては、一般に市販されている工業用抗菌剤が使用できる。工業用抗菌剤には有機系抗菌剤と無機系抗菌剤があり、どちらを用いても良い。
有機系抗菌剤としては、例えば、新中村化学工業(株)製:NKエコノマーADP−51、ADP−33、AL、AL−4G、AL−8G、AL−12G、ML、ML−4G、ML−8G及びML−12G並びに日華化学(株)製:BZBEHS(X8129)、BZBEHP(X8128)及びAL00GT等が挙げられる。
本発明のハードコートフィルムの製造方法において用いる第二の硬化性樹脂組成物(以下、単に第二の組成物ということがある。)は、1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分並びに第二の重合開始剤を含み、第二の組成物の第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たし、PET基材の第一のHC層が形成された面とは反対側に塗布され、硬化して第二のHC層を形成するものである。
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
第二の組成物のバインダー成分は、1分子中に光硬化性基を3個以上有し、硬化して第二のHC層のマトリクスとなる成分である。バインダー成分は光照射によりバインダー成分同士での架橋反応性を有する。
第二の組成物のバインダー成分は、上記第一の組成物のバインダー成分で挙げたものと同様のものを用いることができる。
第二の組成物のバインダー成分は1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
第二の重合開始剤は、上記第一の重合開始剤で挙げたものを用いることができる。
第二の組成物の第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する第二の重合開始剤の質量百分率M2は、上記式2で表わされるように1〜6質量%であり、且つ、上記式3で表わされるように、(M1−M2)が0より大きく、4以下である。
M2は、1〜5質量%であり、且つ、(M1−M2)は、1〜3質量%であることがカールを十分に抑える点から好ましい。
第二の組成物には、上記バインダー成分及び重合開始剤の他、必要に応じて適宜溶剤、反応性シリカ微粒子、レベリング剤、帯電防止剤及び易滑剤等が含まれていても良い。以下、第二の組成物に含まれていても良いその他の成分について説明する。
これらは1種単独で用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明の第二の組成物にはレベリング剤が含まれていても良い。
レベリング剤としては、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
本発明のハードコートフィルムの好適な実施形態においては、第二のHC層に隣接してその表面の少なくとも一部に後述する印刷層を設けることがある。この場合、当該印刷層を第二のHC層によってはじかれずにきれいに形成し、且つ、第一のHC層のレベリング剤の耐久性を得るために、第一の組成物に含まれるレベリング剤が、上記電離放射線硬化性基等の光硬化性を有する反応性レベリング剤であり、且つ、後述する第二の組成物に含まれるレベリング剤が、上記電離放射線硬化性基等の光硬化性を有しない非反応性レベリング剤であることが好ましい。
レベリング剤を用いる場合の含有量としては、第二の組成物の全固形分の合計質量に対して0.05〜10質量%であることが好ましい。
易滑剤(アンチブロッキング剤)は、ロール状態にするなどハードコートフィルム同士を重ね合わせた際の意図しない箇所における貼り付きを防止する成分である。
易滑剤としては、従来公知の易滑剤を使用することができ、例えば、平均1次粒径100〜1000nmの特開2004−284126号公報に記載のシリカ等の無機化合物の微粒子及び高密度ポリエチレンや、ポリスチレン、ポリスチレンアクリル等の有機化合物の微粒子を用いることができる。
易滑剤を用いる場合、その含有量は、第二の組成物の全固形分の合計質量に対して、0.1〜5質量%であることが好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法では、第一のHC層のPET基材とは反対側の面に高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層、帯電防止層及び防眩層を設けても良く、第二のHC層のPET基材とは反対側の面に印刷層及び粘着層を設けても良い。
以下、これらのその他の層を形成するための組成物について説明する。
高屈折率層及び中屈折率層は、本発明に係るハードコートフィルムの反射率を調整するために設けられる層である。
高屈折率層及び中屈折率層は通常、バインダー成分と屈折率調整用の粒子とを主に含有する。バインダー成分としては、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
屈折率調整用の粒子としては、例えば、粒子径が100nm以下の微粒子を挙げることができる。このような微粒子としては、酸化亜鉛(屈折率:1.90)、チタニア(屈折率:2.3〜2.7)、セリア(屈折率:1.95)、スズドープ酸化インジウム(屈折率:1.95)、アンチモンドープ酸化スズ(屈折率:1.80)、イットリア(屈折率:1.87)、ジルコニア(屈折率:2.0)からなる群から選ばれた1種以上を挙げることができる。
高屈折率層は具体的には、1.50〜2.80の屈折率であることが好ましい。
中屈折率層は高屈折率層用理も屈折率が低く、1.50〜2.00の屈折率であることが好ましい。
高屈折率層及び中屈折率層の膜厚は、適宜調節すればよく、1〜1000nmであることが好ましい。
低屈折率層は、シリカやフッ化マグネシウム等の屈折率の低い成分とバインダー成分を含む組成物又はフッ化ビニリデン共重合体等のフッ素含有樹脂を含む組成物の硬化物からなり、従来公知の低屈折率層とすることができる。
低屈折率層を形成するための組成物には、低屈折率層の屈折率を低減させるために中空粒子を含有させても良い。
中空粒子は、外殻層を有し外殻層に囲まれた内部が多孔質組織又は空洞である粒子をいう。当該多孔質組織や空洞には空気(屈折率:1)が含まれており、屈折率1.20〜1.45の中空粒子を低屈折率層に含有させることで低屈折率層の屈折率を低減することができる。
中空粒子の平均粒径は1〜100nmであることが好ましい。
中空粒子は従来公知の低屈折率層に用いられているものを用いることができ、例えば、特開2008−165040号公報に記載の空隙を有する微粒子が挙げられる。
低屈折率層の膜厚は要求される性能に応じて適宜選択すればよく、80〜120nmであることが好ましい。
帯電防止層は、静電気の発生を抑えてゴミの付着を防止したり、液晶ディスプレイなどに組みこまれた際の外部からの静電気障害を防止するはたらきを有する層である。
帯電防止層は、帯電防止剤とバインダー成分とを含む組成物の硬化物からなる。帯電防止層の膜厚は、適宜調節すればよく、30nm〜10μmであることが好ましい。
帯電防止層の性能としてはハードコートフィルム形成後の表面抵抗が1012Ω/□以下となることが好ましい。なお、表面抵抗値は、三菱油化(株)製のハイレスター HT−210を用いて測定することができる。
帯電防止剤は従来公知のものを用いることができ、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
硬化して帯電防止層を形成するバインダー成分としては、従来公知の帯電防止剤のバインダー成分を用いればよく、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
防眩層はバインダー成分と防眩剤とを含む組成物の硬化物からなり、バインダー成分は、上記第一の組成物で挙げたものを用いることができる。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)及びアクリルビーズ(屈折率1.49)等が挙げられる。
微粒子の平均粒径は100〜500nmであることが好ましい。
防眩性微粒子の含有量は、バインダー成分の全質量に対して、2〜30質量%であることが好ましい。
防眩層の膜厚は1〜15μmであることが好ましい。
印刷層は、主に本発明のハードコートフィルムの縁部分に設けられ、ハードコートフィルムの意匠性を高めるはたらきを有する。
印刷層の厚さは0.5〜10μmであることが好ましい。
印刷層は、ポリウレタン系又はポリエステル系の熱硬化性樹脂で形成することができる。また、黒色等に着色するために顔料(染料)を加えても良い。
粘着層は粘着剤により形成され、ハードコートフィルムを被着体に貼りつけるはたらきを有する層である。粘着剤としては公知の粘着剤を用いて良く、例えば、特開2009−188298号公報記載のアクリル系粘着剤を用いることができる。
粘着層の厚さは要求される粘着性に応じて適宜選択すればよいが、5〜100μmであることが好ましい。
本発明に係るハードコートフィルムにおいては、第二のHC層のPET基材とは反対側にSiO2、Nb2O5及びITOからなる群より選ばれる1種以上の蒸着層が設けられていても良い。この蒸着層は、ITOの場合は、透明導電膜としてはたらき、SiO2の場合は、低屈折率化やITOをさらに設けた場合は当該ITOの耐薬品性向上というはたらきを有し、Nb2O5の場合は、高屈折率化というはたらきをする。
蒸着の方法は、従来公知の真空蒸着法、スパッタリング法等により形成することができる。例えば、特開2005−268185号公報の条件で行うことができる。
本発明に係るハードコートフィルムは、上記製造方法により得られるハードコートフィルムであり、第一の重合開始剤の量と、第二の重合開始剤の量を特定の範囲内とし、且つ、第一のHC層を形成した後に、第一のHC層の厚さに対して特定の範囲内の厚さの第二のHC層を形成することにより、PET基材でも優れた硬度を有しながらカールが十分に抑えられたハードコートフィルムが得られる。
ポリエチレンテレフタレート基材10の一面側に第一のハードコート層20が設けられ、ポリエチレンテレフタレート基材10の第一のハードコート層20を設けた面とは反対側に第二のハードコート層30が設けられている。
図1と同じハードコートフィルムの第一のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に低屈折率層40が設けられている。
このように低屈折率層が最表面に設けられていることにより、当該低屈折率層側からハードコートフィルムを見たときに表面の反射率が低減され、視認性が高まる。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面の一部に印刷層50及び粘着層60が設けられている。
このように印刷層50が設けられていることにより、ハードコートフィルム3を用いたディスプレイの意匠性が高まる。また、粘着層60が設けられていることにより、ハードコートフィルム3をディスプレイ前面に直接貼り付けることが可能となる。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、粘着層60が設けられている。
図4と同じハードコートフィルムの粘着層60の第二のハードコート層30とは反対側の面にポリエチレンテレフタレート基材70が接着されており、ポリエチレンテレフタレート基材70の粘着層60とは反対側にITOの蒸着層80が設けられている。
この場合、ITOの蒸着層が透明導電膜として機能する。
図1と同じハードコートフィルムの第二のハードコート層30のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、ITOの蒸着層80が設けられている。
図5と同じハードコートフィルムの粘着層60の第二のハードコート層30とは反対側の面にポリエチレンテレフタレート基材70が接着されており、ポリエチレンテレフタレート基材70の粘着層60とは反対側にITOの蒸着層80が設けられている。
図1と同じハードコートフィルムの両面に、保護フィルム90が設けられている。
なお、保護フィルムについては、後述する偏光板において説明する。
図1と同じハードコートフィルムの第一のハードコート層20のポリエチレンテレフタレート基材10とは反対側の面に、保護フィルム90が設けられている。
このようにカールの高さが低く抑えられることにより、本発明のハードコートフィルムをディスプレイ前面に貼り付けやすくなり、作業効率が高まる。
本発明に係る偏光板は、上記ハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が設けられていることを特徴とする。
図11は、本発明に係る偏光板の層構成の一例を示す模式図である。図11に示す偏光板120は、ハードコートフィルム1並びに保護フィルム90及び偏光層100が積層された偏光子110とを有しており、ハードコートフィルム1の第二のハードコート層30側に偏光子110が設けられている。
本発明に用いられる偏光子としては、所定の偏光特性を備えるものであれば特に限定されるものではなく、一般的に液晶表示装置に用いられる偏光子を用いることができる。
偏光子は、所定の偏光特性を長期間保持できる形態であれば特に限定されるものではなく、例えば、偏光層のみから構成されていてもよく、保護フィルムと偏光層とが貼り合わされたものであってもよい。保護フィルムと偏光層とが貼り合わされている場合、偏光層の片面のみに保護フィルムが形成されていてもよく、偏光層の両面に保護フィルムが形成されていてもよい。
保護フィルムの光透過性としては、可視光領域における透過率が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
なお、上記保護フィルムの透過率は、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光透過率の試験方法)により測定することができる。
本発明に係るディスプレイパネルは、上記ハードコートフィルムの第二のハードコート層側にディスプレイが配置されていることを特徴とする。
ディスプレイとしては、LCD、PDP、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等が挙げられる。
反応性シリカ微粒子として、日産化学工業(株)製、商品名MIBK−SD(平均1次粒径12nm、固形分30%、MIBK溶剤、光硬化性基はメタクリロイル基)を用いた。
多官能モノマーとして、日本化薬(株)製:DPHA(6官能、分子量578)を用いた。
反応性ポリマーとして、荒川化学工業(株)製、商品名ビームセットDK1(重量平均分子量20000、一般式(I)においてX=0、Y=50、Z=0、Aは−CH2CH(OH)CH2−で直鎖状に連結する原子数は3個、R1はメチル基、R2は水素、固形分75%、MIBK溶剤)を用いた。
重合開始剤(2)として、チバ・ジャパン(株)製:イルガキュアー(Irg)907を用いた。
重合開始剤(3)として、チバ・ジャパン(株)製:DAROCUR TPOを用いた。
各化合物の略語はそれぞれ、以下の通りである。
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
MIBK:メチルイソブチルケトン
PET:ポリエチレンテレフタレート
TAC:トリアセチルセルロース
それぞれ、下記に示す組成の成分を配合して、HC層用硬化性樹脂組成物1〜20を調製した。
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
ビームセットDK1:25質量部
重合開始剤(1)Irg184:1質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
ビームセットDK1:25質量部
重合開始剤(1)Irg184:2質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:3質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:4質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:7質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:8質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:9質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:10質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
重合開始剤(2)Irg907:1質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:3質量部
重合開始剤(2)Irg907:1質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:5質量部
重合開始剤(3)DAROCUR TPO:1質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:0.5質量部
MIBK:80質量部
反応性異型シリカ微粒子:100質量部(固形分30質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):20質量部
多官能モノマー(DPHA):25質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):25質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:133質量部(固形分40質量部)
多官能モノマー(DPHA):30質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):30質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
反応性シリカ微粒子:133質量部(固形分40質量部)
ウレタンアクリレート(BS577):60質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
多官能モノマー(DPHA):50質量部
反応性ポリマー(ビームセットDK1):50質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
ウレタンアクリレート(BS577):100質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
2官能のバインダー成分(東亞合成(株)製の商品名M215):100質量部
重合開始剤(1)Irg184:6質量部
MIBK:80質量部
(実施例1)
PET基材(U46)の一面側に、第一の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物6を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第一のHC層を形成した。次いで、PET基材の第一のHC層を形成した面とは反対側の面に、第二の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物4を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、その塗膜側(PET基材の第一のHC層とは反対側)から紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第二のHC層を形成し、ハードコートフィルムを作製した。
実施例1において、第一の組成物及び第二の組成物を下記表1に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムについて、それぞれ、100mm四方の寸法のハードコートフィルムとし、それを平らな面に置き、四隅の平面からの浮きあがりの高さの平均値をカールの高さとして、ハードコートフィルム作製直後(下記耐熱試験前)のものと、下記耐熱試験後のものについて測定した。
なお、カールの高さは第二のHC層(第一のHC層とは反対側の面)を下側にした場合、第一のHC層を下側にした場合のそれぞれについて測定を行った。そして、後述する表2においては、第二のHC層を下側にした場合の第一のHC層側へのカール高さを正の値に、第一のHC層を下側にした場合の第二のHC層側へのカール高さを負の値として示している。つまり、例えば、第二のHC層側を下側にした場合の第一のHC層側へのカール高さが3mmの場合は、3mmとし、第一のHC層を下側にした場合の第二のHC層側へのカール高さが7mmの場合は、−7mmとした。
本発明において、耐熱試験は、27℃から10℃/分の昇温速度で150℃まで温度上昇を行い、次いで、150℃を60分間保持し、次いで、150℃から20℃/分の降温速度で27℃まで温度を下げて行った。
作製した実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムの第一のHC層について、温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行い、傷のつかなかった最も高い硬度を求めた。
作製した実施例1〜13及び比較例1〜10のハードコートフィルムの温度60℃、湿度90%で24時間調湿した後のものについて、JIS K5400の碁盤目試験の方法に準じて、第一のHC層面に1mm間隔で縦及び横、それぞれ11本の切れ目を入れて100個の碁盤目を作り、ニチバン(株)製セロテープ(登録商標)を碁盤目上に貼り付けた後、これを速やかに90°の方向に引張って剥離させ、下記基準で密着性を評価した。
評価○:碁盤目100個中、剥がれなかった碁盤目の数が90個以上
評価×:碁盤目100個中、剥がれなかった碁盤目の数が89個以下
表2より、実施例1〜13については、耐熱試験前後のカール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好な結果が得られた。
しかし、比較例1〜8については、第二のHC層側に大きくカールしてしまった。
また、比較例9及び10については、第一のHC層側に大きくカールしてしまい、耐熱試験後の密着性も不良となった。これは、第二の重合開始剤の量が少ないためと考えられる。
実施例1において、第一のHC層及び第二のHC層の膜厚を下記表3に示すように代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
PET基材(U46)の一面側に、第一の組成物として、上記HC層用硬化性樹脂組成物6を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第一のHC層を形成し、第二のHC層は形成せずにハードコートフィルムを作製した。
表4より、実施例14及び15については、カール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好であった。
しかし、重合開始剤の量は適量だが、第一のHC層と第二のHC層の膜厚差が大きい比較例11及び12では、耐熱試験前のカール高さが大きくなってしまった。
また、第一のHC層と第二のHC層の膜厚が厚すぎる比較例13では、耐熱試験後に第二のHC層側へ大きくカールしてしまった。
第一のHC層と第二のHC層の膜厚が薄い比較例14では、鉛筆硬度が低くなってしまった。
第一のHC層のみで、第二のHC層の無い比較例15では、耐熱試験前後のカールが大きくなってしまった。
実施例1において、第一の組成物を下記表5に示すように代え、第二の組成物はその表5の第一の組成物のM1をM2=4質量%と代えた以外は実施例1と同様にしてハードコートフィルムを得た。
実施例16〜20については、カール高さが小さく、鉛筆硬度も高く、且つ、密着性も良好であった。
しかし、比較例16では、鉛筆硬度が低く、密着性も不良となってしまった。これは、第一及び第二のHC層を形成する組成物に含まれるバインダー成分の官能基が2官能と少ないためと考えられる。
10 ポリエチレンテレフタレート基材
20 第一のハードコート層
30 第二のハードコート層
40 低屈折率微粒子
50 印刷層
60 粘着層
70 ポリエチレンテレフタレート基材
80 ITOの蒸着層
90 保護フィルム
100 偏光層
110 偏光子
120 偏光板
Claims (12)
- ポリエチレンテレフタレート基材の両面にハードコート層が設けられたハードコートフィルムの製造方法であって、
(i)1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第一の重合開始剤を含み、第一の硬化性樹脂組成物の当該第一の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第一の重合開始剤の質量百分率がM1であり、且つ、下記式(1)を満たす第一の硬化性樹脂組成物並びに1分子中に光硬化性基を3個以上有するバインダー成分及び第二の重合開始剤を含み、第二の硬化性樹脂組成物の当該第二の重合開始剤を除いた全固形分に対する当該第二の重合開始剤の質量百分率がM2であり、且つ、下記式(2)及び(3)を満たす第二の硬化性樹脂組成物を準備する工程、
1質量%<M1≦10質量%・・・(式1)
1質量%≦M2≦6質量%・・・(式2)
0<(M1−M2)≦4・・・(式3)
(ii)当該ポリエチレンテレフタレート基材の一面側に、第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(iii)前記(ii)工程で得られた塗膜に光照射し、硬化させて膜厚5〜20μmの第一のハードコート層を形成する工程、
(iv)当該ポリエチレンテレフタレート基材の当該第一のハードコート層が形成された側とは反対側に、第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜とする工程、
(v)前記(iv)工程で得られた塗膜に当該塗膜方向から光照射し、硬化させて膜厚が当該第一のハードコート層の膜厚の±25%以内である第二のハードコート層を形成する工程、を含むことを特徴とする、ハードコートフィルムの製造方法。 - 前記バインダー成分が、1分子中にアクリロイル基を6個以上有し、重量平均分子量が1000〜10000のウレタンアクリレートであることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルムの製造方法。
- 前記第一及び第二の硬化性樹脂組成物がさらに、前記バインダー成分との架橋反応性を有する反応性シリカ微粒子を含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
- 前記第一の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有する反応性レベリング剤を含み、且つ、前記第二の硬化性樹脂組成物がさらに、光硬化性を有しない非反応性レベリング剤を含むことを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
- 前記請求項1乃至5のいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする、ハードコートフィルム。
- 前記請求項6に記載のハードコートフィルムの150℃、60分間の耐熱試験前後のカールの高さが、第一のハードコート層側に5mm以内、且つ、第二のハードコート層側に5mm以内であることを特徴とする、請求項6に記載のハードコートフィルム。
- 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に印刷層が設けられていることを特徴とする、請求項6又は7に記載のハードコートフィルム。
- 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側にSiO2、Nb2O5及びITOからなる群より選ばれる1種以上の蒸着層が設けられていることを特徴とする、請求項6乃至8のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。
- 前記第二のハードコート層のポリエチレンテレフタレート基材とは反対側の少なくとも一部に粘着層が設けられていることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか一項に記載のハードコートフィルム。
- 前記請求項6乃至10のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの第二のハードコート層側に偏光子が設けられていることを特徴とする、偏光板。
- 前記請求項6乃至10のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの第二のハードコート層側にディスプレイが配置されていることを特徴とする、ディスプレイパネル。
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