JP2014153502A - ハードコートフィルム及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハードコートを鹸化処理した際にハードコート成分が万一溶出して再付着した場合でも、鹸化汚れやシミのない、特性に優れたハードコートを提供する。
【解決手段】基材11の一方面に、硬化性樹脂、重合開始剤、添加剤、及び溶媒を含有する塗液を塗布、乾燥、及び硬化させることで形成されたハードコート層12を備えた、ハードコートフィルム1である。硬化性樹脂、重合開始剤、及び添加剤には、フッ素原子及びケイ素原子を含まないアクリル樹脂を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、ハードコートフィルム及びその製造方法、並びにハードコートフィルムを用いた偏光板及びディスプレイに関するものである。
偏光板は、特に液晶表示装置(LCD;Liquid Crystal Panel)に於いて不可欠な光学材料である。偏光板は、一般に、偏光素子フィルムが2枚のハードコートフィルムによって表裏を保護されている構造をしている。偏光板に用いるハードコートフィルムは、偏光素子フィルムと貼り合わせるうえで、十分な密着性を有していることが必要である。このハードコートフィルムと偏光素子フィルムとの密着性を改良する手法として、ハードコートフィルムを鹸化処理してハードコートフィルムの表面を親水化処理することが行われている。
特開2005−248173号公報 国際公開第2009−001629号
鹸化処理では、アルカリ液によりハードコートの表面近傍が加水分解されると同時に、ハードコート成分の一部が溶出する。この溶出成分が鹸化処理の際にハードコートフィルムに再付着することにより、ハードコートフィルムにムラ状の欠陥が生じる。
特に、ハードコートの膜内にフッ素やケイ素(シリコン)の成分が多く含まれた際には、欠陥が顕著に出る。特に顕著に、物性値として面内で透過率や接触角にバラツキが生じる。
また、ハードコートフィルムの、変更膜に対する密着性を考慮した場合、鹸化処理後の表面接触角が低いほど密着性が良い。
上記の点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、ハードコート層にフッ素やケイ素(シリコン)を含まない系を用いることによって、ハードコート成分が万一溶出し再付着した場合でもフィルム面内で物性値が変わらないハードコートフィルムを作製することが可能となり、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、ハードコートフィルムであって、基材の一方面に、硬化性樹脂、重合開始剤、添加剤、及び溶媒を含有する塗液を塗布、乾燥、及び硬化させることで形成されたハードコート層を備え、硬化性樹脂、重合開始剤、及び添加剤には、フッ素原子及びケイ素原子を含まないアクリル樹脂を含むことを特徴としている。
このハードコートフィルムは、ハードコート層の添加剤の主成分がアクリル系であることを特徴とする。また、ハードコートフィルムは、鹸化処理前の表面の鉛筆硬度が3H以上であり、鹸化処理前のハードコート層の表面は、水の接触角が70°以上であることを特徴とする。また、ハードコートフィルムは、鹸化処理後の表面の鉛筆硬度が3H以上であり、鹸化処理後のハードコート層の表面は、水の接触角が60°以下であることを特徴とする。
上記ハードコートフィルムと、ハードコート層の面又はハードコート層が形成されていない基材の他方面のいずれかに積層された偏光素子フィルムとによって、偏光板を構成することができる。この偏光板は、ディスプレイに用いられてもよい。
上記本発明のハードコートフィルムを用いることにより、ハードコートを鹸化処理した際に、ハードコート成分が万一溶出して再付着した場合でも、フィルム面内で物性値が変わらないハードコートフィルムを作製することが可能となる。
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルム1の断面図
本発明の一実施形態に係るハードコートフィルム1の断面を示す図である。図1に示す本実施形態のハードコートフィルム1は、透明基材11の上にハードコート層12が積層された構造である。ハードコート層12は、透明基材11に対し、ハードコート層形成用塗液を塗布及び乾燥させた後、電離放射線により硬化させることによって完成する。
本発明のハードコートフィルム1における透明基材11としては、透明性や光の屈折率等の光学特性、更には耐衝撃性、耐熱性、耐久性等の諸物性を考慮して、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、セロファン等のセルロース系、6−ナイロン、6,6−ナイロン等のポリアミド系、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、エチレンビニルアルコール等の有機高分子からなるものが用いられる。特に、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートが好ましい。中でも、トリアセチルセルロースにあっては、複屈折率が小さく、かつ、透明性が良好であることから、各種ディスプレイに対し好適に用いることができる。
更に、これらの有機高分子に公知の添加剤、例えば、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、可塑剤、滑剤、着色剤、酸化防止剤、難燃剤等を添加することにより機能を付加させたものも、透明基材11として使用できる。また、透明基材11は、上記有機高分子から選ばれる1種又は2種以上の混合物、又は重合体からなるものでもよく、複数の層を積層させたものであってもよい。
なお、透明基材11の厚みは、15μm以上200μm以下の範囲内にあることが好ましく、更には、20μm以上80μm以下の範囲内にあることが好ましい。
ハードコートフィルム1におけるハードコート層形成用塗液の主剤には、電離放射線型材料を用いる。電離放射線型材料としては、アクリル系材料が挙げられ、多価アルコールのアクリル酸又はメタクリル酸エステルのような多官能又は多官能の(メタ)アクリレート化合物、ジイソシアネートと多価アルコール及びアクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキシエステル等から合成されるような多官能のウレタン(メタ)アクリレート化合物を使用することができる。またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができる。
なお、本発明に於いて「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」と「メタクリレート」の両方を示している。例えば、「ウレタン(メタ)アクリレート」は「ウレタンアクリレート」と「ウレタンメタアクリレート」との両方を示していることとなる。
単官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルフォリン、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリールアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、リン酸(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性フェノキシ(メタ)アクリレート、ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロハイドロゲンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロハイドロゲンフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ヘキサフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−アダマンタン、アダマンタンジオールから誘導される1価のモノ(メタ)アクリレートを有するアダマンチルアクリレート等のアダマンタン誘導体モノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコ−ルジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス2−ヒドロキシエチルイソシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート等のトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の3官能の(メタ)アクリレート化合物や、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の多官能(メタ)アクリレート化合物や、これら(メタ)アクリレートの一部をアルキル基やε−カプロラクトンで置換した多官能(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
アクリル系材料の中でも、所望する分子量、分子構造を設計し、形成されるハードコート層12の物性バランスを容易にとることが可能であるといった理由から、多官能ウレタンアクリレートを好適に用いることができる。ウレタンアクリレートは、多価アルコール、多価イソシアネート、及び水酸基含有アクリレートを反応させることによって得られる。具体的には、共栄社化学社製、UA−306H、UA−306T、UA−306l等、日本合成化学社製、UV−1700B、UV−6300B、UV−7600B、UV−7605B、UV−7640B、UV−7650B等、新中村化学社製、U−4HA、U−6HA、UA−100H、U−6LPA、U−15HA、UA−32P、U−324A等、ダイセルユーシービー社製、Ebecryl−1290、Ebecryl−1290K、Ebecryl−5129等、根上工業社製、UN−3220HA、UN−3220HB、UN−3220HC、UN−3220HS等を挙げることができるが、この限りではない。
またこれらの他にも、電離放射線型材料として、アクリレート系の官能基を有するポリエーテル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等を使用することができ、特にその材料を限定しない。
また、電離放射線硬化型材料は、紫外線により硬化されるため、ハードコート層形成用塗液には光重合開始剤を添加する。光重合開始剤としては、紫外線が照射された際にラジカルを発生するものであれば良く、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、及びチオキサントン類を用いることができる。また、光重合開始剤の添加量は、電離放射線硬化型材料100重量部に対して0.1重量部〜10重量部、好ましくは1重量部〜7重量部、更に好ましくは1重量部〜5重量部である。
ハードコート層形成用塗液に対しては、ハードコート層12の塗膜の表面状態を良化するために各種添加剤を加えることができる。添加剤には、アクリル系添加剤が好適に用いられる。具体的には、BYK社製のBYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−381、BYK−392、BYK394等のアクリル系添加剤が挙げられるが、フッ素やケイ素(シリコン)を含まなければ特に限定しない。
更に、ハードコート層形成用塗液には、必要に応じて、溶媒を加えることができる。溶媒としては、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、n−ヘキサンなどの炭化水素類、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、プロピレンオキシド、ジオキサン、ジオキソラン、トリオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール及びフェネトール等のエーテル類、また、メチルイソブチルケトン、メチルブチルケトン、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、及びメチルシクロヘキサノン等のケトン類、また蟻酸エチル、蟻酸プロピル、蟻酸n−ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸n−ペンチル、及びγ−プチロラクトン等のエステル類、更には、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のセロソルブ類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類の中から、塗工適正等を考慮して適宜選択される。
また、塗液には、添加剤として、表面調整剤、屈折率調整剤、密着性向上剤、硬化剤等を加えることもできる。但し、これらはフッ素原子やケイ素原子(シリコン)を含まないことが要求される。
上記の材料を十分に混合することにより、ハードコート層形成用塗液が完成する。
ハードコート層12を形成するには、ハードコート層形成用塗液を、ドクターブレードコーティング、ディッピング、スクリーン印刷、ラミネータロールコーティング、スプレー、ダイコーティング、グラビアコーティングなどによって塗布する方法が挙げられるが、特に限定しない。生産性と、面内の膜厚均一性を鑑みて、ダイコーティング、グラビアコーティングが好適に用いられる。
透明基材11に対しては、ハードコート層12の形成前に適宜エンボス処理、ブラスト処理、粗化、及びコロナ処理などの表面処理を行ってもよい。
ハードコート層12は、ハードコート層形成用塗液を透明基材11に塗布して、乾燥させ、硬化させることにより完成する。
ハードコートフィルム1は、2層以上のハードコート層12を持つ、重層構造を有していてもよい。ハードコートフィルム1に機能性を持たせるため、その中の1層について導電性微粒子、又はイオン性ポリマーを含有する帯電防止層を持たせても構わない。また、透明基材11と最も離れた最表層以外については、鉛筆硬度を向上させるためにシリカ微粒子などを導入しても構わない。
ハードコートフィルム1と偏光素子フィルムとの密着性を高めるためにハードコートフィルムに施される鹸化処理は、ハードコートフィルム1を鹸化液に浸潰した後、水洗や温水洗して乾燥する手順で行う。鹸化溶液としては、通常アルカリ溶液が用いられる。具体的には、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液等が挙げられ、水酸化物イオンの規定濃度は0.1〜5規定であることが好ましく、1〜4規定であることが更に好ましい。この規定の範囲とすることで、優れた偏光素子フィルムとの密着性が得られる。
アルカリ溶液温度は、アルカリ溶液の析出性等の点から、25〜90℃の範囲が好ましく、40〜70℃が更に好ましい。
ハードコートフィルム1表面の鉛筆硬度は、ディスプレイの強度を保持するためにも、鹸化処理前後で3H以上であることが好ましい。
本発明に於ける、ハードコートフィルム1のハードコート層12側の表面は、鹸化処理前の水の接触角が70°以上であることが望ましい。より好ましくは、水の接触角が80°以上であることが望ましい。また、面内での接触角のばらつきは、±1°以内であることが望ましい。
本発明に於ける、ハードコートフィルム1のハードコート層12側の表面は、偏光素子フィルムとの密着を考慮して、鹸化処理後の水の接触角が60°以下であることが望ましい。より好ましくは、水の接触角が50°以下であることが望ましい。また、面内での接触角のばらつきは、±1°以内であることが望ましい。
本発明に於ける、ハードコートフィルム1の透過率の面内でのばらつきは、鹸化処理前後何れにおいても±1%以内であることが望ましい。
[実施例]
(ハードコート層形成用塗液の調整)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部、BYK−350(BASF社製(アクリル系添加剤))0.1質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成用塗液を調整した。
(ハードコート層形成)
トリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム製:膜厚80μm)の片面にハードコート層形成用塗液をダイコーターを用いて塗布し、60℃40秒間オーブンで乾燥し、紫外線照射装置を用いて照射線量300mJ/m2で紫外線照射を行うことにより、乾燥膜厚8μmの透明なハードコート層12を形成させた。
(鹸化処理)
ハードコートフィルム1を40℃、3Nの水酸化カリウム溶液に1分含浸させ、純水で1分洗浄した。その後80℃2分乾燥させた。
[比較例1]
(ハードコート層形成用塗液の調整)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部、BYK−330(BYK社製(シリコン系添加剤))0.1質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成用塗液を調整した。
(ハードコート層形成)(鹸化処理)
実施例と同様の方法でハードコート層12の形成及び鹸化処理を行った。
[比較例2]
(ハードコート層形成用塗液の調整)
ジペンタエリスリトールトリアクリレート50質量部、ペンタエリスリトールテトラアクリレート25質量部、ウレタンアクリレート50質量部、イルガキュア184(BASF社製(光重合開始剤))5質量部、メガファックF―444(DIC社製(フッ素系添加剤))0.1質量部を用い、これをメチルエチルケトンに溶解してハードコート層形成用塗液を調整した。
(ハードコート層形成)(鹸化処理)
実施例と同様の方法でハードコート層12の形成及び鹸化処理を行った。
実施例、比較例1、及び比較例2で得られたハードコートフィルム1について、以下の方法で評価を行った。
(全光線透過率及びヘイズ値)
得られたハードコートフィルム1(反射防止フィルム)について、写像性測定器[日本電色工業(株)製、NDH−2000]を使用して全光線透過率を測定した。
(表面接触角)
FACE CA−X型(協和界面科学社製)にて水の接触角測定を行った。
(鉛筆硬度)
JIS K 5400に準拠し、500g荷重で測定した。
(面性評価)
ハードコート層の塗布欠陥、シミなどの表面欠陥を目視にて観察した。
表1に評価結果を示す。
Figure 2014153502
表1の結果から、本発明のハードコートフィルム1は、比較例1及び比較例2に比べて、面内で透過率や接触角にバラツキが生じず、優れた性能を持つことがわかる。
本発明のハードコートフィルムは、液晶表示装置、プラズマ表示装置、エレクトロクロミック表示装置、発光ダイオード表示装置、EL表示装置、タッチパネルなどの保護フィルムとして利用可能であり、また、機能性フィルムとしても使用できる。
1 ハードコートフィルム
11 透明基材
12 ハードコート層

Claims (7)

  1. ハードコートフィルムであって、
    基材の一方面に、硬化性樹脂、重合開始剤、添加剤、及び溶媒を含有する塗液を塗布、乾燥、及び硬化させることで形成されたハードコート層を備え、
    前記硬化性樹脂、重合開始剤、及び添加剤には、フッ素原子及びケイ素原子を含まないアクリル樹脂を含むことを特徴とする、ハードコートフィルム。
  2. 前記ハードコート層の添加剤の主成分がアクリル系であることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 鹸化処理前の表面の鉛筆硬度が3H以上であり、かつ、
    鹸化処理前の前記ハードコート層の表面は、水の接触角が70°以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
  4. 鹸化処理後の表面の鉛筆硬度が3H以上であり、かつ、
    鹸化処理後の前記ハードコート層の表面は、水の接触角が60°以下であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のハードコートフィルム。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハードコートフィルムと、
    前記ハードコート層が形成されていない前記基材の他方面に積層された偏光素子フィルムとを備える、偏光板。
  6. 請求項1乃至4のいずれかに記載のハードコートフィルムと、
    前記ハードコート層の面に積層された偏光素子フィルムとを備える、偏光板。
  7. 請求項5又は6に記載の偏光板を備えた、ディスプレイ。
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