JP2006099052A - 反射防止フィルム、偏光板及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体、ハードコート層、低屈折率層が、この順で積層されている反射防止フィルムにおいて、下記式(I)により算出される消しゴム擦り試験での反射率の変化率が30%以下であること、または不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を擦る前と19.6N/cm2の荷重をかけて200往復擦った後とで、CIE標準光源D65の入射角40°の正反射光の色味の変化がCIE1976L*a*b*色空間における色差△Eab*が1以下。
(反射率Aは消しゴムを用いて低屈折率層が積層されている側の表面を擦る前の反射率を示し、反射率Bは9.8N/cm2の荷重をかけて50往復擦った後の反射率を示す。)
【選択図】 なし
Description
材料の屈折率を下げるには、(1)フッ素原子を導入する、(2)密度を下げる(空隙を導入する)という手段があるがいずれも皮膜強度が損なわれ耐擦傷性が低下する傾向であり、低い屈折率と高い耐傷性の両立は困難であった。
特許文献5には、粉塵とポリエステル製の繊維とを用いて耐擦傷性を試験する方法が記載されており、試験素材としては実用に近い素材を用いているが、試験方法が特殊な方法であり、また、試験結果の判定方法が目視による官能評価であり、やはり実用的な試験方法とは言えなかった。
さらに、特許文献6および7には、耐擦傷性を試験する方法として消しゴム擦り試験が記載されているが、詳細な試験条件が規定されておらず、また、試験結果の判定方法が目視による官能評価であり、やはり実用的な試験方法とは言えなかった。
また、本発明者らは、皮膜の耐擦傷性と反射防止性能との関係について鋭意検討した結果、新たな不織布擦り試験を導入して求めた反射光色味変化の測定値により反射防止フィルムの耐擦傷性を定量的に評価する方法を見出し、かかる方法を用いて測定した反射光色味変化量が1以下の反射防止フィルムが、耐擦傷性に優れることを見出した。
また、本発明者らは、皮膜を形成するポリマー自体が側鎖に自己架橋反応性の基である(メタ)アクリロイル基を有しているものが、上記の良好な耐擦傷性能と、低屈折率との両立に優れており、特に、皮膜硬化時に雰囲気中の酸素濃度を0.03体積%以下に抑えて硬化反応(架橋反応)を促進させてやることが皮膜硬度に対して有利であることを見出した。さらに、皮膜硬化(架橋)時に、フィルム面温度が60℃以上になるように加熱しながら光硬化反応を促進させてやることで、より顕著な効果を得られることを見出した。
本発明によれば、下記構成の反射防止防止フィルム(第1の態様)、偏光板、及び画像表示装置が提供でき、上記目的が達成される。
(3)前記共重合体が下記一般式1で表されることを特徴とする上記(2)に記載の反射防止フィルム。
(5)前記無機微粒子が中空のシリカ微粒子であって、該微粒子の屈折率が1.17〜1.40であることを特徴とする上記(4)に記載の反射防止フィルム。
(6)前記ハードコート層及び/または前記低屈折率層が、オルガノシラン化合物及び/またはその加水分解物及び/またはその部分縮合物を含有した塗布液によって形成されたことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(7)前記低屈折率層が、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において架橋されたことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(8)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光子の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
(9)偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外の保護フィルムが、光学補償能を有する光学補償フィルムであることを特徴とする上記(8)記載の偏光板。
(10)前記光学補償フィルムが、光学異方性層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであり、該光学異方性層がディスコティック構造単位を有する化合物からなる層であり、該ディスコティック構造単位の円盤面が該光学補償フィルムの透明支持体表面に対して傾いており、かつ該ディスコティック構造単位の円盤面と該透明支持体の表面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向において変化していることを特徴とする上記(9)に記載の偏光板。
(11)前記光学補償フィルムが、下記式(II)で定義されるReレターデーション値が20〜70nmであり、下記式(III)で定義されるRthレターデーション値が70〜400nmであり、該Reレターデーション値と該Rthレターデーション値との比(Re/Rth比)が0.2〜0.4である光学補償フィルムであり、該光学補償フィルムの遅相軸と偏光子の透過軸とが実質的に平行になるように配置されていることを特徴とする上記(9)に記載の偏光板。
式(II):Re=(nx−ny)×d
式(III):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さ、屈折率は633nmの値である。)
(12)上記(1)〜(7)のいずれかに記載の反射防止フィルム、または上記(8)〜(11)のいずれかに記載の偏光板を、ディスプレイの最表面に用いたことを特徴とする画像表示装置。
(13)上記(8)〜(11)のいずれかに記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする、TN、STN、VA、IPS、またはOCBのモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置。
(1)透明支持体、ハードコート層、及び透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が、この順で積層されている反射防止フィルムにおいて、下記式(II)により算出されるCIE1976L*a*b*色空間における色差ΔEab*値が1以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
式(II):ΔEab*=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2
ΔL*=L1 *−L2 *
Δa*=a1 *−a2 *
Δb*=b1 *−b2 *
(式中、L1 *,a1 *,b1 *及びL2 *,a2 *,b2 *は、反射防止フィルムのCIE標準光源D65の入射角40°の入射光に対する正反射光の色味をCIE1976L*a*b*色空間のL*値,a*値,b*値で表したものである。L1 *,a1 *,b1 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を擦る前の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示し、L2 *,a2 *,b2 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を19.6N/cm2の荷重をかけて200往復擦った後の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示す。)
(3)前記共重合体が下記一般式1で表されることを特徴とする上記(2)に記載の反射防止フィルム。
(5)前記無機微粒子が中空のシリカ微粒子であって、該微粒子の屈折率が1.17〜1.40であることを特徴とする上記(4)に記載の反射防止フィルム。
(6)前記ハードコート層及び/または前記低屈折率層が、オルガノシラン化合物、その加水分解物及びそれらの部分縮合物の少なくとも一つを含有した塗布液によって形成されたことを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(7)前記低屈折率層が、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において架橋されたことを特徴とする上記(1)〜(6)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(8)前記低屈折率層が、光重合開始剤を用い、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において、フィルム面温度が60℃以上になるように加熱しながら電離放射線を照射する工程によって架橋された層であることを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の反射防止フィルム。
(10)偏光子の2枚の保護フィルムのうち、反射防止フィルム以外の保護フィルムが、光学補償能を有する光学補償フィルムであることを特徴とする上記(9)に記載の偏光板。
(11)前記光学補償フィルムが、光学異方性層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであり、該光学異方性層がディスコティック構造単位を有する化合物からなる層であり、該ディスコティック構造単位の円盤面が該光学補償フィルムの透明支持体表面に対して傾いており、かつ該ディスコティック構造単位の円盤面と該透明支持体の表面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向において変化していることを特徴とする上記(10)に記載の偏光板。
(13)上記(9)〜(11)のいずれかに記載の偏光板を少なくとも1枚有することを特徴とする、TN、STN、VA、IPS、またはOCBのモードの透過型、反射型、または半透過型の液晶表示装置。
上記消しゴム擦り試験での反射率の変化率を測定する方法は、耐擦傷性をより正確に評価する方法として好適である。
反射率変化率と官能評価結果との対応は、ほぼ下記の通りであった。
ムの反射率を示す。)
反射率A:分光光度計(V−550、日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における正反射分光反射率を測定する。その測定結果から、450〜650nmの平均反射率を算出し、その値を反射率Aとする。
不織布擦り試験での反射光色味変化量を測定する上記方法は、耐擦傷性をより正確に評価する方法として好適である。本発明の特徴的な上記不織布擦り試験に用いる不織布としては、JIS L 0206(1999)に規定された不織布であれば特に制限はなく、例えば、ベンコットM−3(旭化成(株)製)など市販のものが得られる。その試験方法については後に詳述する。
反射光色味の算出には、正反射光の反射率曲線を用いるが、実際に画像表示装置のモニター画面を観察する事を考慮した場合、入射光の入射角としては5〜45度のいずれかの角度を採用するのが好ましい。特に、30〜45度のいずれかの角度がより好ましく、40度の角度が最も好ましい。
反射光色味変化量ΔEab*値と官能評価結果との対応は、ほぼ下記の通りであり、色味変化量は反射防止層の耐傷性を正しく反映する適切な評価特性であることが判る。
ΔL*=L1 *−L2 *
Δa*=a1 *−a2 *
Δb*=b1 *−b2 *
(式中、L1 *,a1 *,b1 *及びL2 *,a2 *,b2 *は、反射防止フィルムのCIE標準光源D65の入射角40°の入射光に対する正反射光の色味をCIE1976L*a*b*色空間のL*値,a*値,b*値で表したものである。L1 *,a1 *,b1 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を擦る前の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示す。L2 *,a2 *,b2 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を19.6N/cm2の荷重をかけて200往復擦った後の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示す。)
L1 *,a1 *,b1 *:分光光度計(V−550、日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角40°における正反射分光反射率を測定する。次に得られた分光反射率のデータをCIEのD65標準光源の分光分布データとを各波長ごとに掛け合わせてD65光源の照射光の40°反射光を求める。得られた標準光下の分光反射率データから、CIE標準光源D65におけるCIE1976L*a*b*色空間のL*値,a*値,b*値を算出し、L1 *,a1 *,b1 *とする。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層について以下に説明する。
本発明の反射防止フィルムの低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.49であり、好ましくは1.30〜1.44の範囲にある。
さらに、低屈折率層は下記式(IV)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
式(IV):(mλ/4)×0.7<n1d1<(mλ/4)×1.3
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、500〜550nmの範囲の値である。
なお、上記式(IV)を満たすとは、上記波長の範囲において式(IV)を満たすm(正の奇数、通常1である)が存在することを意味している。
本発明の低屈折率層は、低屈折率バインダーとして、含フッ素ポリマーを含む塗布液から形成される。含フッ素ポリマーとしては動摩擦係数0.03〜0.15、水に対する接触角90〜120°の熱または電離放射線により架橋する含フッ素ポリマーが好ましい。
また、本発明の低屈折率層には膜強度向上のための無機微粒子を用いることもできる。
架橋反応性付与のための構成単位としては主として以下の(A)、(B)、(C)で示される単位が挙げられる。
(A):グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、(B):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる構成単位、
(C):分子内に上記(A)、(B)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A)、(B)の構成単位と反応させて得られる構成単位、(例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
(1)水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法、
(2)水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法、
(3)エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法、
(4)カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法。
尚、上記光重合性基の導入量は任意に調節することができ、塗膜面状安定性・無機微粒子共存時の面状故障低下・膜強度向上などの点からカルボキシル基やヒドロキシル基等を一定量残すことも好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリレート」、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル酸」は、それぞれ「アクリレート又はメタクリレート」、「アクリロイル又はメタクリロイル」、「アクリル酸またはメタクリル酸」を表す。
これらのビニルモノマーは目的に応じて複数を組み合わせてもよく、合計で共重合体中の0〜65モル%を占めていることが好ましく、0〜20モル%を占めていることがより好ましく、0〜10モル%を占めていることが特に好ましい。
好ましいポリマーについては、特開2002−243907号、特開2002−372601号、特開2003−26732号、特開2003−222702号、特開2003−294911号、特開2003−329804号、特開2004−4444、特開2004−45462号等の各号報に記載のものを挙げることができる。
本発明に用いられる共重合体の好ましい形態として下記一般式1のものが挙げられる。
好ましい例としては、*−(CH2)2−O−**, *−(CH2)2−NH−**, *−(CH2)4−O−**, *−(CH2)6−O−**, *−(CH2)2−O−(CH2)2−O−**, *−CONH−(CH2)3−O−**, *−CH2CH(OH)CH2−O−**,*−CH2CH2OCONH(CH2)3−O−**(*はポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。)等が挙げられる。mは0または1を表わす。
nは2≦n≦10の整数を表し、2≦n≦6であることが好ましく、2≦n≦4であることが特に好ましい。
Bは任意のビニルモノマーから導かれる繰返し単位を表わし、単一組成であっても複数の組成によって構成されていても良い。例としては、前記一般式1におけるAの例として説明したものが当てはまる。
z1及びz2は、一般式2のポリマーの全構成繰り返し単位に対するそれぞれの繰返し単位のモル%を表わし、0≦z1≦65、0≦z2≦65を満たす値を表す。それぞれ0
≦z1≦30、0≦z2≦10であることが好ましく、0≦z1≦10、0≦z2≦5であることが特に好ましい。
以下に、低屈折率層において用いられる無機微粒子について記載する。
無機微粒子の塗設量は、1mg/m2〜100mg/m2が好ましく、より好ましくは5mg/m2〜80mg/m2、更に好ましくは10mg/m2〜60mg/m2である。少なすぎると、耐擦傷性の改良効果が減り、多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりなどの外観や反射防止性能が悪化する。
該無機微粒子は、低屈折率層に含有させることから、低屈折率であることが望ましい。
例えば、フッ化マグネシウムやシリカの微粒子が挙げられる。特に、屈折率、分散安定性、コストの点で、シリカ微粒子が好ましい。シリカ微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚みの30%以上100%以下が好ましく、より好ましくは35%以上80%以下、更に好ましくは40%以上60%以下である。即ち、低屈折率層の厚みが100nmであれば、シリカ微粒子の粒径は30nm以上100nm以下が好ましく、より好ましくは35nm以上80nm以下、更に好ましくは、40nm以上60nm以下である。
シリカ微粒子の粒径が小さすぎると、耐擦傷性の改良効果が少なくなり、大きすぎると低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、黒の締まりといった外観、反射防止性能が悪化する。シリカ微粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形が最も好ましいが、不定形であっても問題無い。以上シリカ微粒子について述べたことは、他の無機粒子についても適用される。
ここで、無機微粒子の平均粒径はコールターカウンターにより測定される。
式(V):k(%)=(4πa3/3) /(4πb3/3)×100
好ましくは10〜60%、さらに好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%
である。
中空のシリカ粒子をより低屈折率に、より空隙率を大きくしようとすると、外殻の厚みが薄くなり、粒子の強度としては弱くなるため、耐擦傷性の観点から1.17未満の低屈折率の粒子は成り立たない。
なお、これら中空シリカ粒子の屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定をおこなった。
上記カップリング剤は、低屈折率層の無機微粒子の表面処理剤として該層塗布液調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられるが、該層塗布液調製時にさらに添加剤として添加して該層に含有させることが好ましい。
シリカ微粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
オルガノシラン化合物は、下記一般式3で表されるものが好ましい。
一般式3:(R10)m−Si(X1)4-m
上記一般式3において、R10は置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基を表す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヘキシル、デシル、ヘキサデシル等が挙げられる。アルキル基として好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは1〜6のものである。アリール基としてはフェニル、ナフチル等が挙げられ、好ましくはフェニル基である。
X1は、水酸基または加水分解可能な基を表し、例えばアルコキシ基(炭素数1〜6の
アルコキシ基が好ましく、例えばメトキシ基、エトキシ基等が挙げられる)、ハロゲン原子(例えばCl、Br、I等)、及びR2COO(R2は水素原子または炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。例えばCH3COO、C2H5COO等が挙げられる)で表される基
が挙げられ、好ましくはアルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基またはエトキシ基である。
mは1〜3の整数を表し、好ましくは1または2であり、特に好ましくは1である。
も異なっていても良い。R10に含まれる置換基としては特に制限はないが、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素等)、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、プロピル、t−ブチル等)、アリール基(フェニル、ナフチル等)、芳香族ヘテロ環基(フリル、ピラゾリル、ピリジル等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、i−プロポキシ、ヘキシルオキシ等)、アリールオキシ(フェノキシ等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ等)、アルケニル基(ビニル、1−プロペニル等)、アシルオキシ基(アセトキシ、アクリロイルオキシ、メタクリロイルオキシ等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル等)、カルバモイル基(カルバモイル、N−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−メチル−N−オクチルカルバモイル等)、アシルアミノ基(アセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、アクリルアミノ、メタクリルアミノ等)等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
一般式4:
ル基、シアノ基、フッ素原子、または塩素原子を表す。アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。水素原子、メチル基、メトキシ基、メトキシカルボニル基、シアノ基、フッ素原子、及び塩素原子が好ましく、水素原子、メチル基、メトキシカルボニル基、フッ素原子、及び塩素原子が更に好ましく、水素原子及びメチル基が特に好ましい。
Yは単結合もしくは*−COO−**、*−CONH−**又は*−O−**を表し、単結合、*−COO−**及び*−CONH−**が好ましく、単結合及び*−COO−**が更に好ましく、*−COO−**が特に好ましい。*は=C(R1)−に結合する位置を、**はLに結合する位置を表す。
しくは無置換のアリーレン基、内部に連結基(例えば、エーテル、エステル、アミドなど)を有する置換もしくは無置換のアルキレン基、内部に連結基を有する置換もしくは無置換のアリーレン基が挙げられ、置換もしくは無置換のアルキレン基、置換もしくは無置換のアリーレン基、内部に連結基を有するアルキレン基が好ましく、無置換のアルキレン基、無置換のアリーレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が更に好ましく、無置換のアルキレン基、内部にエーテルあるいはエステル連結基を有するアルキレン基が特に好ましい。置換基は、ハロゲン、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、エポキシ基、アルキル基、アリール基等が挙げられ、これら置換基は更に置換されていても良い。
R10は一般式3におけるR10と同義であり、置換もしくは無置換のアルキル基、無置換のアリール基が好ましく、無置換のアルキル基、無置換のアリール基が更に好ましい。
X1は一般式3におけるX1と同義であり、ハロゲン原子、水酸基、無置換のアルコキシ基が好ましく、塩素原子、水酸基、無置換の炭素数1〜6のアルコキシ基が更に好ましく、水酸基、炭素数1〜3のアルコキシ基が更に好ましく、メトキシ基が特に好ましい。
オルガノシランの加水分解反応及び/または縮合反応は、一般に触媒の存在下で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等が挙げられる。無機酸では塩酸、硫酸、有機酸では、水中での酸解離定数(pKa値(25℃))が4.5以下のものが好まし
く、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が3.0以下の有機酸がより好ましく、塩酸、硫酸、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、水中での酸解離定数が2.5以下の有機酸が更に好ましく、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸が更に好ましく、シュウ酸が特に好ましい。
溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものが好ましい。また、有機溶媒が塗布液あるいは塗布液の一部として用いることが工程上好ましく、含フッ素ポリマーなどのその他の素材と混合した場合に、溶解性あるいは分散性を損なわないものが好ましい。
これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテルなどを挙げることができる。
これらの有機溶媒は、1種単独であるいは2種以上を混合して使用することもできる。
該反応における固形分の濃度は特に限定されるものではないが通常1%〜90%の範囲であり、好ましくは20%〜70%の範囲である。
本発明においては、一般式R3OH(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基を示す)で表されるアルコールと一般式R4COCH2COR5 (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする少なくとも1種の金属キレート化合物の存在下で、25〜100℃で撹拌することにより加水分解を行うことが好ましい。
示す)で表されるアルコールとR4COCH2 COR5 (式中、R4は炭素数1〜10のアルキル基、R5は炭素数1〜10のアルキル基または炭素数1〜10のアルコキシ基を示
す)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti、Alから選ばれる金属を中心金属とするものであれば特に制限なく好適に用いることができる。この範疇であれば、2種以上の金属キレート化合物を併用しても良い。本発明に用いられる 金属キレート化合物は
、一般式 Zr(OR3)p1(R4COCHCOR5)p2、Ti(OR3)q1(R4COCHCOR5)q2、及びAl(OR3)r1(R4COCHCOR5)r2で表される化合物群から選ばれるものが好ましく、前記オルガノシラン化合物の加水分解物及び/または部分縮合物の縮合反応を促進する作用をなす。
金属キレート化合物中のR3及びR4は、同一または異なってもよく炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、フェニル基などである。また、R5は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、及びr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となる様に決定される整数を表す。
これらの金属キレート化合物のうち好ましいものは、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウムである。これらの金属キレート化合物は、1種単独であるいは2種以上混合して使用することができる。また、これらの金属キレート化合物の部分加水分解物を使用することもできる。
以下にさらに説明する。
ハードコート層への添加量は、全固形分の0.001〜50質量%が好ましく、0.01〜20質量%がより好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。
本発明においてはまず前記オルガノシラン化合物の加水分解物及び/または部分縮合物並びに金属キレート化合物を含有する組成物を調製し、これにβ−ジケトン化合物及び/またはβ−ケトエステル化合物を添加した液をハードコート層もしくは低屈折率層の少なくとも1層の塗布液に含有せしめて塗設することが好ましい。
くは0.1〜5質量%の場合である。
ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。分子量に特に制限はないが、10万以下であることが好ましく、5万以下であることが特に好ましく、3000〜30000であることが最も好ましい。シリコーン系化合物のシリコーン原子含有量には特に制限はないが18.0質量%以上であることが好ましく、25.0〜37.8質量%であることが特に好ましく、30.0〜37.0質量%で
あることが最も好ましい。好ましいシリコーン系化合物の例としては信越化学(株)製、X-22-174DX、X-22-2426、X-22-164B、X22-164C、X-22-170DX、X-22-176D、X-22-1821(以上商品名)やチッソ(株)製、FM-0725、FM-7725、FM-4421、FM-5521、FM6621、FM-1121やGelest製DMS-U22、RMS-033、RMS-083、UMS-182、DMS-H21、DMS-H31、HMS-301、FMS121、FMS123、FMS131、FMS141、FMS221 (以上商品名)などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
フッ素系化合物は、さらに低屈折率層皮膜との結合形成あるいは相溶性に寄与する置換基を有していることが好ましい。該置換基は同一であっても異なっていても良く、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などが挙げられる。フッ素系化合物はフッ素原子を含まない化合物とのポリマーであってもオリゴマーであってもよく、分子量に特に制限はない。フッ素系化合物のフッ素原子含有量には特に制限は無いが20質量%以上であることが好ましく、30〜70質量%であることが特に好ましく、40〜70質量%であることが最も好ましい。好ましいフッ素系化合物の例としてはR−2020、M−2020、R−3833、M−3833(以上商品名、ダイキン化学工業(株)製)、メガファックF−171、F−172、F−179A、ディフェンサMCF−300(以上商品名、大日本インキ(株)製)等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
光ラジカル重合開始剤としては、オキシムエステル類、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。オキシムエステル類の例には、4−フェニルスルファニルベンズアルデヒド=オキシム−O−アセタートおよび2,4−ジメチル−6−メチルスルファニルベンズアルデヒド=オキシム−O−ベンゾアートが含まれる。アセトフェノン類の例には、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4'−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−4'−モルフォリノブチロフェノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノンが含まれる。ホスフィンオキシド類の例には、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシドが含まれる。特に、オキシムエステル類、アセトフェノン類が好ましい。
最新UV硬化技術(P.159,発行人;高薄一弘,発行所;(株)技術情報協会,1
991年発行)にも種々の例が記載されており本発明に有用である。
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガキュア(651,184,907)等が好ましい例として挙げられる。
光重合開始剤は、多官能モノマー100質量部に対して、0.1〜15質量部の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量部の範囲である。
酸素濃度が0.01体積%以下の雰囲気で硬化反応を行うことが好ましく、更に酸素濃度が0.005体積%以下の雰囲気が好ましく、特に酸素濃度が0.001体積%以下の雰囲気が最も好ましい。
酸素濃度を0.03体積%以下にする手法としては、大気(窒素濃度約79体積%、酸素濃度約21体積%)を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換(窒素パージ)することである。
0mJ/cm2の範囲であり、特に好ましくは100〜800mJ/cm2の範囲である。
電離放射線を照射し、硬化反応を進行させる際のフィルム面の温度は、高温であればあるほど好ましいが、実際には透明支持体の耐熱性の点から、上限の温度が決められる。具体的には、60〜120℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは70〜110℃の範囲であり、特に好ましくは80〜100℃の範囲である。
硬化反応を十分に進行させるためには、電離放射線照射後もしばらくの間は酸素濃度が0.03体積%以下の雰囲気下においておくことが好ましい。時間としては、硬化反応が十分に進むのに必要な時間であればよく、具体的には、0.1秒以上であることが好ましく、より好ましくは0.3秒以上であり、特に好ましくは0.5秒以上である。
本発明のハードコート層について以下に説明する。
本発明のハードコート層を形成するバインダーとしては、飽和炭化水素鎖またはポリエーテル鎖を主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。また、バインダーポリマーは架橋構造を有することが好ましい。
飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーとしては、エチレン性不飽和モノマーの重合体が好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの(共)重合体が好ましい。
ハードコート層をより高屈折率にするには、このモノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、低屈折率層の項において記載したものをそのまま適用することができる。
具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
従って、多官能エポキシ化合物、光酸発生剤あるいは熱酸発生剤、マット粒子および無機微粒子を含有する塗液を調製し、該塗液を透明支持体上に塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化してハードコート層を形成することができる。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
ハードコート層の屈折率を高めるためには、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.1μm以下、より好ましくは0.06μm以下である無機微粒子が含有されることが好ましい。
また逆に、屈折率差を低くするために、ケイ素の酸化物を用いることもありうる。好ましい粒径は上記の無機微粒子と同じである。
ハードコート層に用いられる無機微粒子の具体例としては、TiO2、ZrO2、Al2
O3、In2O3、ZnO、SnO2、Sb2O3、ITO、SiO2等が挙げられる。TiO2およびZrO2が高屈折率化の点で特に好ましい。該無機微粒子は表面をシランカップリ
ング処理又はチタンカップリング処理されることも好ましく、微粒子表面にバインダー種と反応できる官能基を有する表面処理剤が好ましく用いられる。
これらの無機微粒子の添加量は、ハードコート層の全質量の10〜90質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜80質量%であり、特に好ましくは30〜75質量%である。
なお、このような無機微粒子は、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じず、バインダーポリマーに該無機微粒子が分散した分散体は光学的に均一な物質として振舞う。
屈折率を上記範囲とするには、バインダー及び無機微粒子の種類及び量割合を適宜選択すればよい。どのように選択するかは、予め実験的に容易に知ることができる。
面状均一性を高めつつ、高速塗布適性を持たせることにより生産性を高めることが目的である。
一般式5:
nは1〜3の整数を表す。R12は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。X11は酸素原子が好ましい。
一般式5中のnは1〜3であって、1〜3の混合物を用いてもよい。
一般式6:
子または−N(R15)−を表し、R15は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子またはメチル基である。Y1は酸素原子、−N(H)−、および−N(CH3)−が好ましい。
R14は置換基を有しても良い炭素数4以上70以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基を表す。R14のアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。炭素数4以上20以下の直鎖、分岐または環状のアルキル基としては、直鎖及び分岐してもよいブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等、また、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基、等の多環シクロアルキル基が好適に用いられる。
更に、本発明で用いられるフッ素系ポリマーの好ましい添加量は、塗布液に対して0.001〜5質量%の範囲であり、好ましくは0.005〜3質量%の範囲であり、更に好ましくは0.01〜1質量%の範囲である。フッ素系ポリマーの添加量が0.001質量%未満では効果が不十分であり、また5質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、塗膜としての性能(例えば反射率、耐擦傷性)に悪影響を及ぼす。
上記マット粒子の具体例としては、例えばシリカ粒子、TiO2粒子等の無機化合物の粒子;アクリル粒子、架橋アクリル粒子、ポリスチレン粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子等の樹脂粒子が好ましく挙げられる。なかでも架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子、シリカ粒子が好ましい。
マット粒子の形状は、球形あるいは不定形のいずれも使用できる。
マット粒子の粒度分布はコールターカウンター法により測定し、測定された分布を粒子数分布に換算する。
好ましくは酸素濃度が6体積%以下の雰囲気で電離放射線硬化性化合物の架橋反応、又は、重合反応により形成することであり、更に好ましくは酸素濃度が2体積%以下、特に好ましくは酸素濃度が1体積%以下、最も好ましくは0.1体積%以下である。
酸素濃度を10体積%以下にする手法としては、前記したように大気を別の気体で置換することが好ましく、特に好ましくは窒素で置換することである。
加熱する方法に特に限定はないが、ロールを加熱してウェッブに接触させる方法、加熱した窒素を吹き付ける方法、遠赤外線あるいは赤外線の照射などが好ましい。特許2523574号に記載の回転金属ロールに温水や蒸気・オイルなどの媒体を流して加熱する方法も利用できる。加熱の手段としては誘電加熱ロールなどを使用しても良い。
本発明に係るハードコート層、低屈折率層を形成するために用いる塗布液の溶媒組成としては、ケトン系溶剤を用いることが好ましく、単独および混合のいずれでもよく、混合のときはケトン系溶媒の含有量が塗布組成物に含まれる全溶媒の10質量%以上であることが好ましい。好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。
セルロースアシレートフィルムは、単層または複数の層からなる。単層のトリアセチルセルロースフィルムは、特開平7−11055号等で開示されているドラム流延、あるいはバンド流延等により作製され、後者の複数の層からなるトリアセチルセルロースフィルムは、公開特許公報の特開昭61−94725号、特公昭62−43846号等で開示されている、いわゆる共流延法により作製される。すなわち、原料フレークをハロゲン化炭化水素類(ジクロロメタン等、アルコール類(メタノール、エタノール、ブタノール等)、エステル類(蟻酸メチル、酢酸メチル等)、エーテル類(ジオキサン、ジオキソラン、ジエチルエーテル等)等の溶剤にて溶解し、これに必要に応じて可塑剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤、滑り剤、剥離促進剤等の各種の添加剤を加えた溶液(ドープと称する)を、水平式のエンドレスの金属ベルトまたは回転するドラムからなる支持体の上に、ドープ供給手段(ダイと称する)により流延する際、単層ならば単一のドープを単層流延し、複数の層ならば高濃度のセルロースアシレートドープの両側に低濃度ドープを共流延し、支持体上である程度乾燥して剛性が付与されたフィルムを支持体から剥離し、次いで各種の搬送手段により乾燥部を通過させて溶剤を除去することからなる方法である。
ジクロロメタン等を実質的に含まない溶剤を用いてセルロースアシレートのドープを調製する場合には、後述するような特殊な溶解法が必須となる。
次に、混合物は−100〜−10℃(好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃)に冷却する。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。このように冷却すると、セルロースアシレートと溶剤の混合物は固化する。さらに、これを0〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温すると、溶剤中にセルロースアシレートが流動する溶液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよし、温浴中で加温してもよい。
本発明のセルロースアシレート溶液は、各種溶剤を含有する混合溶剤中にセルロースアシレートを添加し予め膨潤させることが好ましい。本法において、セルロースアシレートの溶解濃度は30質量%以下が好ましいが、フィルム製膜時の乾燥効率の点から、なるべく高濃度であることが好ましい。次に有機溶剤混合液は、0.2MPa〜30MPaの加圧下で70〜240℃に加熱される(好ましくは80〜220℃、更に好ましく100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布できないため、使用された溶剤の最も低い沸点以下に冷却する必要がある。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却はセルロースアシレート溶液が内蔵されている高圧高温容器やラインを、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアシレートフィルムおよびその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に記載されている。
鹸化処理することにより、反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面が親水化される。
親水化された表面は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を改良するのに特に有効である。また、親水化された表面は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と反射防止フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止するのに有効である。
鹸化処理は、反射防止層を有する側とは反対側の透明支持体の表面の純水に対する接触角が40゜以下になるように実施することが好ましい。更に好ましくは30゜以下、特に好ましくは20゜以下である。
(1)透明支持体上に反射防止層を形成後に、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明支持体上に反射防止層を形成する前または後に、アルカリ液を該反射防止フィルムの反射防止フィルムを形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱、水洗および/または中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。次に、ハードコート層を形成するための塗布液を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)により透明支持体上に塗布し、加熱・乾燥するが、マイクログラビアコート法とエクストルージョンコート法とが好ましく、マイクログラビアコート法が特に好ましい。その後、光照射あるいは加熱して、ハードコート層を形成するためのモノマーを重合して硬化する。これによりハードコート層が形成される。
ここで、必要であればハードコート層を複数層とし、ハードコート層塗布の後に同様な方法で防眩性ハードコート層塗布および硬化を行うことができる。
次に、同様にして低屈折率層を形成するための塗布液をハードコート層上に塗布し、光照射あるいは加熱し低屈折率層が形成される。このようにして、本発明の反射防止フィルムが得られる。
このようにして形成された本発明の反射防止フィルムは、反射率A(入射角5°における正反射分光反射率の450〜650nmの平均反射率)が2.0%以下、好ましくは1.5%以下である。
即ち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸した偏光子で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持す
る工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
本発明の画像表示装置は、以上述べた本発明の反射防止フィルム又は反射防止フィルムを保護膜に有する偏光板が画像表示面に配置されていることを特徴とする。このように、本発明の反射防止フィルム又は反射防止フィルムを保護膜に有する偏光板は、液晶表示装置(LCD)、有機ELディスプレイのような画像表示装置に適用することができる。そして、本発明の画像表示装置は、TN、STN、IPS、VA及びOCBのいずれかのモードの透過型、反射型又は半透過型の液晶表示装置に適用するのが好ましい。以下、さらに説明する。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献の記載が挙げられる。TNモードの黒表示における液晶セル中の配向状態は、セル中央部で棒状液晶性分子が立ち上がり、セルの基板近傍では棒状液晶性分子が寝た配向状態にある。
TNモード用の光学補償フィルムとしては、光学異方性層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムが有用である。光学異方性層がディスコティック構造単位を有する化合物からなる層であり、ディスコティック構造単位の円盤面が光学補償フィルムの透明支持体表面に対して傾いており、かつディスコティック構造単位の円盤面と該透明支持体の表面とのなす角度が、光学異方性層の深さ方向において変化している光学補償フィルムが特に好ましい。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルである。ベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置は、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている装置が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
式(II):Re=(nx−ny)×d
式(III):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(式中、nxはフィルム面内の遅相軸方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向の屈折率であり、dはフィルムの厚さである。)
光学補償フィルムの遅相軸と偏光子の透過軸とは実質的に平行になるように配置される。具体的には、光学補償フィルムの遅相軸と偏光子の透過軸とのなす角度が5°以下であることが好ましく、3°以下であることがより好ましく、1°以下であることがさらに好ましい。
IPSモードの液晶セルでは、液晶分子を基板に対して常に水平面内で回転させるモードで、電界無印加時には電極の長手方向に対して若干の角度を持つように配向されている電界を印加すると電界方向に液晶分子は向きを変える。液晶セルを挟持する偏光板を所定角度に配置することで光透過率を変えることが可能となる。液晶分子としては、誘電率異方性Δεが正のネマチック液晶を用いる。液晶層の厚み(ギャップ)は、2.8μm超4.5μm未満とする。これは、レターデーションΔn・dが0.25μm超0.32μm未満の時、可視光の範囲内で波長依存性が殆どない透過率特性が得られる。偏光板の組み合わせにより、液晶分子がラビング方向から電界方向に45°回転したとき最大透過率を得ることができる。なお液晶層の厚み(ギャップ)はポリマビーズで制御している。もちろんガラスビーズヤファイバー、樹脂製の柱状スペーサでも同様のギャップを得ることができる。また液晶分子は、ネマチック液晶であれば、特に限定したものではない。誘電率異方性Δεは、その値が大きいほうが、駆動電圧が低減でき、屈折率異方性Δnは小さいほうが液晶層の厚み(ギャップ)を厚くでき、液晶の封入時間が短縮され、且つギャップばらつきを少なくすることができる。
STNモードの液晶表示装置に対しては、上記と同様の考え方で本発明の偏光板を供することができる。ECBモードにも同様に適用することができる。
(パーフルオロオレフィン共重合体(1)の合成)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器、メチルエチルケトン120部、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン(KBM−5103;商品名、信越化学工業(株)製)100部、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム(商品名:ケロープEP−12、ホープ製薬(株)製)3部を加え混合したのち、イオン交換水30部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液を得た。質量平均分子量は1600であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100%であった。また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)15gと、トリメチロールプロパンEO付加トリアクリレート(ビスコート#360、大阪有機化学工業(株)製)24gを混合し、更にメチルイソブチルケトン10g、メチルエチルケトン6gで希釈した。更に、重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を2g添加し、混合攪拌した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.5μmの分級強化架橋ポリスチレン粒子(SXS−350H;商品名、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を23g加え、混合攪拌し、完成液とした。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層用塗布液Aを調製した。
上記ハードコート用塗布液Aに、オルガノシランのゾル成分を1.2g加えた以外は同様にして混合液を調製し、最後にやはり同様に孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層用塗布液Bを得た。
市販ジルコニア含有UV硬化型ハードコート液(デソライトZ7404;商品名、JSR(株)製、固形分濃度約61%、固形分中ZrO2含率約70%、重合性モノマー、重合開始剤含有)285g、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)85gを混合し、更に、メチルイソブチルケトン60g、メチルエチルケトン17gで希釈した。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.61であった。
さらにこの溶液に平均粒径3.0μmの分級強化架橋PMMA粒子(MXS−300;商品名、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで20分分散した分散液を35g加え、次いで、平均粒径1.5μmの分級強化高架橋PMMA粒子(MXS−150H;商品名、綜研化学(株)製、架橋剤エチレングリコールジメタクリレート、架橋剤量30%)の30%メチルエチルケトン分散液をポリトロン分散機にて10000rpmで30分分散した分散液を130g加え、混合攪拌し、完成液とした。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層の塗布液Cを調製した。
上記ハードコート用塗布液Cに、シランカップリング剤(KBM−5103;商品名、信越化学工業(株)製)を28g加えた以外は同様にして混合液を調製し、最後にやはり同様に孔径30μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、ハードコート層用塗布液Dを得た。
パーフルオロオレフィン共重合体(1)18.5gに反応性シリコーンX−22−164B(商品名、信越化学工業(株)製)0.4g、光重合開始剤(イルガキュア907;商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.9g、メチルエチルケトン305.8g、シクロヘキサノン9.4gを添加し、攪拌した後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液aを調製した。
パーフルオロオレフィン共重合体(1)12.4gにシリカゾル(MEK−ST−L;商品名、日産化学(株)製、平均粒径45nm、固形分濃度30%)20.3g、反応性シリコーンX−22−164B(商品名、信越化学工業(株)製)0.3g、光重合開始剤(イルガキュア907;商品名、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)0.6g、メチルエチルケトン292.0g、シクロヘキサノン9.4gを添加し、攪拌した後、孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液b1を調製した。
低屈折率層用塗布液b1のシリカゾルを、中空シリカゾル(CS−60;商品名、触媒化成工業(株)、屈折率1.20、平均粒径60nm、シェル厚み10nm、空隙率58%、固形分濃度20%)30.5gに変更し、メチルエチルケトンの量を281.8gに変更した以外は同様にして混合液を調製し、最後にやはり同様に孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液c1aを得た。
低屈折率層用塗布液b1のシリカゾルを、中空シリカゾル(イソプロピルアルコールシリカゾル、平均粒子径60nm、シェル厚み10nm、シリカ濃度20質量%、シリカ粒子の屈折率1.31、特開2002−79616の調製例4に準じサイズを変更して作成)30.5gに変更し、メチルエチルケトンの量を281.8gに変更した以外は同様にして混合液を調製し、最後にやはり同様に孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して低屈折率層用塗布液c1bを得た。
上記低屈折率層用塗布液b1に、オルガノシランのゾル成分を0.8g加えた以外は同様にして混合液を調製し、最後にやはり同様に孔径5μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液d1を調製した。
屈折率1.42の熱架橋性含フッ素ポリマー(JN7228A;商品名、JSR(株)製、固形分濃度6%)15gにシリカゾル(MEK−ST−L;商品名、日産化学(株)製、平均粒径45nm、固形分濃度30%)1.4g、オルガノシランのゾル成分0.4g、メチルエチルケトン3.0g、シクロヘキサノン0.6gを添加し、攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液eを調製した。
(反射防止フィルム(第1の態様)実施例試料1−1の作製)
(1)ハードコート層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液Aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下(酸素濃度0.1体積%)で120W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ7.0μmのハードコート層を形成し、巻き取った。
(2)低屈折率層の塗設
該ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフイルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度15m/分の条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下(酸素濃度0.03体積%)で240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して、厚さ100nmの低屈折率層を形成し、巻き取った。
(3)反射防止フィルムの鹸化処理
製膜後、前記試料について、以下の処理を行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.005mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した反射防止フィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルムを作製した。これを試料1とする。
得られた反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
分光光度計(V−550、日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における正反射分光反射率を測定し、その測定結果から、450〜650nmの平均反射率を算出した。この値を反射率Aとした。
速度1m/minで往復する装置(表面性測定機HEIDON−14型、新東科学(株)製)に、JIS−S−6050(1994)「プラスチック字消し」に適合した消しゴムを直径8mm、高さ5mmの円柱状に整えたものを両面テープ等で取り付け、低屈折率層が積層されている側の表面を9.8N/cm2の荷重をかけて50往復擦った後に、上記記載の分光光度計を用いて同様に測定、算出した平均反射率の値を反射率Bとした。下記式(I)を用いて消しゴム擦り試験での反射率の変化率を算出した。
表3〜6の記載の通り、実施例試料1−1において、ハードコート層用塗布液(B〜D)あるいは低屈折率層用塗布液(b〜e)を変更した以外は実施例試料1−1と同様にして実施例試料1−2〜1−40、比較例試料A及びB、比較例試料1−1〜1−8をそれぞれ作製し、評価を行った。
ここで、低屈折率層用塗布液b2〜b4、c2〜c4、d2〜d4は、シリカ微粒子の平均粒径、中空シリカゾル(微粒子)の空隙率、オルガノシランのゾル成分の比率(各層の全固形分に対する添加量比率)を下表に記載した通りに変更した以外は低屈折率層用塗布液b1、c1a、d1と同じである。
なお、ハードコート層の乾燥後の膜厚は、ハードコート層用塗布液A、Bでは7.0μm、C、Dでは3.4μmとなるようにした。
また、ゾル成分比率は、各層における全固形分に対する添加量比率(%)である。
本発明の含フッ素ポリマー(含フッ素ビニルモノマーから導かれる重合単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位を含み、主鎖が炭素原子のみからなる共重合体)を、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において硬化(架橋)させた低屈折率層を備えた反射防止フィルムは、優れた耐擦傷性および反射防止性能を示す。
無機微粒子であるシリカ微粒子を低屈折率層中に含有させることにより、さらに、耐擦傷性を向上させることができる。ただし、低屈折率層の厚みよりも大きいサイズのシリカ微粒子を用いた場合(実施例試料1−8、1−28)は、耐擦傷性、反射防止性能には問題無いものの、塗布面状が悪化しており、実用には不適なものであった。
シリカ微粒子を中空シリカ微粒子に置き換えると、シリカ微粒子自体の屈折率を低減できるため、反射率を大幅に低減させることができ、優れた反射防止フィルムを得ることが出来る。ただし、空隙率を上げていくと、シリカ微粒子としての強度が低下していくため、耐擦傷性向上への寄与は低下していく。空隙率が65%を超える中空シリカ微粒子の場合(比較例試料1−A、1−B)は、耐擦傷性試験において中空シリカ微粒子そのものが破壊されてしまい、反射防止フィルムとしての耐擦傷性をかえって低下させてしまう結果となった。
また、ハードコート層及び/又は低屈折率層形成塗布液に、オルガノシラン化合物及び/またはその加水分解物及び/またはその部分縮合物を含有させることにより、反射率はやや高くなるものの、耐擦傷性はさらに向上する。
(反射防止フィルム(第2の態様)実施例試料2−1の作製)
(1)ハードコート層の塗設
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)をロール形態で巻き出して、上記のハードコート層用塗布液Aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度10m/分の条件で塗布し、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下(酸素濃度0.1体積%)で120W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度300mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ7.0μmのハードコート層を形成させて巻き取った。
(2)低屈折率層の塗設
該ハードコート層を塗設したトリアセチルセルロースフィルムを再び巻き出して、上記低屈折率層用塗布液aを線数180本/インチ、深度40μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、グラビアロール回転数30rpm、搬送速度15m/分の条件で塗布し、120℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下(酸素濃度0.03体積%)、240W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量250mJ/cm2の紫外線を照射して、厚さ100nmの低屈折率層を形成させて巻き取った。
フィルム表面の温度は、フィルム裏面に接触している金属版の温度を変えることで調整した。
(3)反射防止フィルムの鹸化処理
製膜後、前記試料について、以下の処理を行った。
1.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を調製し、55℃に保温した。0.005mol/Lの希硫酸水溶液を調製し、35℃に保温した。作製した反射防止フィルムを上記の水酸化ナトリウム水溶液に2分間浸漬した後、水に浸漬し水酸化ナトリウム水溶液を十分に洗い流した。次いで、上記の希硫酸水溶液に1分間浸漬した後、水に浸漬し希硫酸水溶液を十分に洗い流した。最後に試料を120℃で十分に乾燥させた。
このようにして、鹸化処理済み反射防止フィルムを作製した。これを試料1とする。
得られた反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
反射防止フィルムの基本性能として、5°正反射平均反射率を測定。
分光光度計(V−550、日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における正反射分光反射率を測定し、その測定結果から、450〜650nmの平均反射率を算出する。
分光光度計(V−550、日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角40°における正反射分光反射率を測定する。その測定結果とCIE標準光源D65の分光データから、前記したようにCIE標準光源D65におけるCIE1976L*a*b*色空間のL*値,a*値,b*値を算出し、L1 *,a1 *,b1 *とする。
速度6m/minで往復する装置(学振型摩擦堅牢度試験機AB−301型、テスター産業(株)製)の摩擦子に不織布(ベンコットM−3、旭化成(株)製)を取り付け、試験片台に反射防止フィルムを設置し、低屈折率層が積層されている側の表面を19.6N/cm2の荷重をかけて200往復擦った後に、前記記載の分光光度計を用いて同様に測
定、算出したL*値,a*値,b*値をL2 *,a2 *,b2 *とする。
下記式(II)を用いて不織布擦り試験での反射光色味変化量ΔEab*を算出
する。
式(II):ΔEab*=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2
ΔL*=L1 *−L2 *
Δa*=a1 *−a2 *
Δb*=b1 *−b2 *
反射光色味変化量ΔEab*が1以下のものを、耐擦傷性が合格と判定し、1を超える
ものは不合格と判定して表7〜10中にNGと記載した。
表7〜10の記載の通り、実施例試料2−1において、ハードコート層用塗布液(B〜D)あるいは低屈折率層用塗布液(b1〜b4、c1b〜c4、d1〜d4、e)を変更した以外は実施例試料2−1と同様にして実施例試料2−2〜2−52、比較例試料2−A及び2−B、比較例試料2−1〜2−12をそれぞれ作製し、評価を行った。
ここで、低屈折率層用塗布液b2〜b4、c2〜c4、d2〜d4は、シリカ微粒子の平均粒径、中空シリカゾル(微粒子)の空隙率、オルガノシランのゾル成分の比率(各層の全固形分に対する添加量比率)を下表に記載した通りに変更した以外は低屈折率層用塗布液b1、c1b、d1と同じである。
なお、ハードコート層の乾燥後の膜厚は、ハードコート層用塗布液A、Bでは7.0μm、C、Dでは3.4μmとなるようにした。
また、ゾル成分比率は、各層における全固形分に対する添加量比率(%)である。
含フッ素ポリマー(含フッ素ビニルモノマーから導かれる重合単位及び側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する重合単位を含み、主鎖が炭素原子のみからなる共重合体)を、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において硬化(架橋)させた低屈折率層を備えた本発明の反射防止フィルムは、優れた耐擦傷性および反射防止性能を示す。
硬化反応時の加熱温度が60℃以上の場合、70℃、80℃、90℃と高温になる程、反射防止フィルムはより優れた耐擦傷性を示した。ただし、80℃と90℃との耐擦傷性の差は僅かであった。加熱温度が50℃では、十分な耐擦傷性を反射防止フィルムに持たせることはできなかった。
無機微粒子であるシリカ微粒子を低屈折率層中に含有させることにより、さらに、耐擦傷性を向上させることができる。ただし、低屈折率層の厚みよりも大きいサイズのシリカ微粒子を用いた場合(実施例試料2−11、2−37)は、耐擦傷性、反射防止性能には問題無いものの、塗布面状が悪化しており、実用には不適なものであった。
シリカ微粒子を中空シリカ微粒子に置き換えると、シリカ微粒子自体の屈折率を低減できるため、反射率を大幅に低減させることができ、優れた反射防止フィルムを得ることが出来る。ただし、空隙率を上げていくと、シリカ微粒子としての強度が低下していくため、耐擦傷性向上への寄与は低下していく。空隙率が65%を超える中空シリカ微粒子の場合(比較例試料2−A、2−B)は、耐擦傷性試験において中空シリカ微粒子そのものが破壊されてしまい、反射防止フィルムとしての耐擦傷性をかえって低下させてしまう結果となった。
また、ハードコート層及び/又は低屈折率層形成塗布液に、オルガノシラン化合物及び/またはその加水分解物及び/またはその部分縮合物を含有させることにより、反射率はやや高くなるものの、耐擦傷性はさらに向上する。
PVAフィルムをヨウ素2.0g/L、ヨウ化カリウム4.0g/Lの水溶液に25℃にて240秒浸漬し、さらにホウ酸10g/Lの水溶液に25℃にて60秒浸漬後、特開2002−86554号公報の[図2]に記載の形態のテンター延伸機に導入し、5.3倍に延伸し、テンターを延伸方向に対し[図2]に示される如く屈曲させ、以降幅を一定に保った。80℃雰囲気で乾燥させた後テンターから離脱した。左右のテンタークリップの搬送速度差は、0.05%未満であり、導入されるフィルムの中心線と次工程に送られるフィルムの中心線のなす角は、46゜であった。ここで|L1−L2|は0.7m、Wは0.7mであり、|L1−L2|=Wの関係にあった。テンター出口における実質延伸方向Ax−Cxは、次工程へ送られるフィルムの中心線22に対し45゜傾斜していた。
テンター出口におけるシワ、フィルム変形は観察されなかった。
さらに、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理した富士写真フィルム(株)製フジタック(セルローストリアセテート、レターデーション値3.0nm)と貼り合わせ、さらに80℃で乾燥して有効幅650mmの偏光板を得た。得られた偏光板の吸収軸方向は、長手方向に対し45゜傾斜していた。この偏光板の550nmにおける透過率は43.7%、偏光度は99.97%であった。さらに前記公報の[図2]に記載の如く310×233mmサイズに裁断したところ、91.5%の面積効率で辺に対し45゜吸収軸が傾斜した偏光板を得た。
次に、実施例試料1−1および2−1の反射防止フィルムをそれぞれ別個に上記偏光板と貼り合わせて防眩性反射防止付き偏光板を作製した。この偏光板を用いて反射防止層を最表層に配置した液晶表示装置を作製したところ、外光の映り込みがないために優れたコントラストが得られ、防眩性により反射像が目立たず優れた視認性を有していた。
1.5mol/L、55℃のNaOH水溶液中に2分間浸漬したあと中和、水洗した、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士写真フイルム(株)製)と、実施例試料1の裏面鹸化済み反射防止フィルムに、ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させ、延伸して作製した偏光子の両面を接着、保護して偏光板を作製した。このようにして作製した偏光板を、反射防止層側が最表面となるように透過型TN液晶表示装置搭載のノートパソコンの液晶表示装置(偏光選択層を有する偏光分離フィルムである住友3M(株)製のD−BEFをバックライトと液晶セルとの間に有する)の視認側の偏光板と貼り代えたところ、背景の映りこみが極めて少なく、表示品位の非常に高い表示装置が得られた。
実施例試料1−1および2−1をそれぞれ貼りつけた透過型TN液晶セルの視認側の偏光板の液晶セル側の保護フィルム、およびバックライト側の偏光板の液晶セル側の保護フィルムとして、視野角拡大フィルム(ワイドビューフィルムSA 12B、富士写真フイルム(株)製)を用いたところ、明室でのコントラストに優れ、且つ上下左右の視野角が非常に広く極めて視認性に優れ、表示品位の高い液晶表示装置が得られた。
実施例試料1−1および2−1をそれぞれ有機EL表示装置の表面のガラス板に粘着剤を介して貼り合わせたところ、ガラス表面での反射が抑えられ、視認性の高い表示装置が得られた。
実施例試料1−1および2−1をそれぞれを用いて、片面反射防止フィルム付き偏光板を作製し、偏光板の反射防止フィルムを有している側とは反対面にλ/4板を張り合わせ、有機EL表示装置の表面のガラス板に本発明の反射防止フィルムが最表面になるように貼り付けたところ、表面反射および、表面ガラスの内部からの反射がカットされ、極めて視認性の高い表示装置が得られた。
2 透明支持体
3 防眩性ハードコート層
4 低屈折率層
5 マット粒子
Claims (10)
- 透明支持体、ハードコート層、及び透明支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層がこの順で積層されている反射防止フィルムにおいて、下記式(II)により算出されるCIE1976L*a*b*色空間における色差ΔEab*値が1以下であることを特徴とする反射防止フィルム。
式(II):ΔEab*=[(ΔL*)2+(Δa*)2+(Δb*)2]1/2
ΔL*=L1 *−L2 *
Δa*=a1 *−a2 *
Δb*=b1 *−b2 *
(式中、L1 *,a1 *,b1 *及びL2 *,a2 *,b2 *は、反射防止フィルムのCIE標準光源D65の入射角40°の入射光に対する正反射光の色味をCIE1976L*a*b*色空間のL*値,a*値,b*値で表したものである。L1 *,a1 *,b1 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を擦る前の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示し、L2 *,a2 *,b2 *は、不織布を用いて低屈折率層が積層されている側の表面を19.6N/cm2の荷重をかけて200往復擦った後の反射防止フィルムのL*値,a*値,b*値を示す。) - 前記低屈折率層が、含フッ素ビニルモノマーから導かれる重合単位及び側鎖に単独で架橋反応可能な(メタ)アクリロイル基を有する重合単位を含み、主鎖が炭素原子のみからなる共重合体である含フッ素ポリマーを含有した塗布液から形成された層であって、該低屈折率層の架橋が酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下においてなされたことを特徴とする請求項1または2に記載の反射防止フィルム。
- 前記低屈折率層が、前記含フッ素ポリマーと無機微粒子とを含有した塗布液から形成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記無機微粒子が中空のシリカ微粒子であって、該微粒子の屈折率が1.17〜1.40であることを特徴とする請求項5に記載の反射防止フィルム。
- 前記ハードコート層及び/または前記低屈折率層が、オルガノシラン化合物及び/またはその加水分解物及び/またはその部分縮合物を含有した塗布液によって形成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 前記低屈折率層が、光重合開始剤を用い、酸素濃度0.03体積%以下の雰囲気下において、フィルム面温度が60℃以上になるように加熱しながら電離放射線を照射する工程によって架橋された層であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の反射防止フィルム。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルムが、偏光板における偏光子の2枚の保護フィルムのうちの一方に用いられていることを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防止フィルム、または請求項9に記載の偏光板が用いられていることを特徴とする画像表示装置。
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JP2009098654A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-05-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 |
JP2014153502A (ja) * | 2013-02-07 | 2014-08-25 | Toppan Printing Co Ltd | ハードコートフィルム及びその製造方法 |
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2005
- 2005-07-05 JP JP2005196495A patent/JP2006099052A/ja active Pending
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JP2009098654A (ja) * | 2007-09-28 | 2009-05-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 |
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