JP2002006109A - 反射防止材料およびそれを用いた偏光フィルム - Google Patents

反射防止材料およびそれを用いた偏光フィルム

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JP2002006109A
JP2002006109A JP2001107472A JP2001107472A JP2002006109A JP 2002006109 A JP2002006109 A JP 2002006109A JP 2001107472 A JP2001107472 A JP 2001107472A JP 2001107472 A JP2001107472 A JP 2001107472A JP 2002006109 A JP2002006109 A JP 2002006109A
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film
low reflection
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antireflection
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JP2001107472A
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Kazuya Oishi
和也 大石
Tsutomu Murata
力 村田
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防眩性、反射防止性、および耐久性を
示し、これらの特性を保持しつつ帯電防止性を付与した
反射防止材料およびそれを用いた偏光フィルムを提供す
る。 【解決手段】 透明基体の片面に、直接あるいは他の層
を介して防眩層を設け、この防眩層の表面に防眩層の屈
折率よりも低い屈折率を有する低反射層を設け、さら
に、この最表面に表面親水処理を施して反射防止材料を
製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、CR
T、EL等の画像表示体等に好適に用いられ、特に、防
眩性、反射防止性、帯電防止性に優れた反射防止材料お
よびそれを用いた偏光フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】上記LCD、PDP、CRT、EL等に
代表される画像表示装置(以下、これを「ディスプレ
イ」と称する)は、テレビやコンピュータをはじめとし
て様々な分野で繁用されており、目覚ましい発展を遂げ
ている。特にLCDは、薄く、軽量で、かつ汎用性に富
むディスプレイとして、ラップトップ型のパーソナルコ
ンピュータやワードプロセッサ、携帯電話、PHS、そ
の他各種携帯端末用としての普及が著しい。
【0003】一般にLCDは、図3に示すように、多層
積層体である液晶表示パネル30の背面(図3で下面)
にバックライト40が配された構成となっている。液晶
表示パネル30は、TFTガラス基板31の表面側(図
3で上側)に液晶セル32、反射防止層付き偏光フィル
ム33が順次積層され、TFTガラス基板31の背面側
に低反射層のない偏光フィルム34が積層された構成と
なっている。各偏光フィルム33,34は、PVA(ポ
リビニルアルコール)フィルム等からなる偏光材35の
表面および背面に、TAC(トリアセチルセルロース)
等からなる透明基材36および保護層37がそれぞれ積
層された積層体が基本構成となっており、低反射層付き
偏光フィルム33は、この積層体の表面に、防眩層3
8、低反射層39が順次積層されている。防眩層38に
は、例えばアクリル系化合物を主剤とする紫外線硬化型
樹脂塗料が用いられ、低反射層39には、例えばフッ素
系の樹脂塗料が用いられる。
【0004】また、このようなディスプレイにおいて
は、表面に発生する静電気によりホコリ等の汚れが付着
してしまうといった問題を有していた。このディスプレ
イ表面での静電気を防止する方法としては、具体的に
は、上記構成のディスプレーにおいて、防眩層を形成
する材料として、帯電防止効果を有する導電性の材料を
用いる、防眩層中に導電性フィラーを含有させる、
低反射層を形成する材料として、導電性材料を用いる等
が挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
の方法では、帯電性の改善はなされるものの、表面硬
度の低下や透明基材であるけん化処理TACとの密着不
良といった物理的特性上の問題を生じ、上記の方法で
は、防眩層の濁度の上昇や透過率の減少等といった光学
特性上の問題を生じてしまう。また、上記の方法にお
いても、帯電性の改善に反して、低反射特性の消失およ
び表面硬度の低下を生じてしまうことから実用上問題を
有するものであった。
【0006】したがって、本発明は、従来技術における
上記した実情に鑑みてなされたもので、優れた防眩性、
反射防止性、および耐久性を示すことは勿論のこと、こ
れらの特性を保持しつつ帯電防止性を付与した反射防止
材料を提供することを目的としている。また、本発明
は、上記反射防止材料を使用した偏光フィルムを提供す
ることも目的としており、これにより、特に、フルカラ
ー液晶ディスプレイ等の性能を大幅に向上させることを
目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ディスプレ
イ等の表面に生じる静電気を防止するために反射防止材
料の最表面の帯電防止性について鋭意検討を重ねた結
果、従来の優れた光学特性および物理的特性を有する反
射防止材料の最表面に対して、コロナ処理等の表面親水
処理を施すことにより、処理前の優れた光学特性および
物理的特性を保持しつつ、帯電防止性を付与することが
できることを見い出した。
【0008】よって、本発明の反射防止材料は、透明基
体の片面に、直接あるいは他の層を介して防眩層を設
け、この防眩層の表面に防眩層の屈折率よりも低い屈折
率を有する低反射層を設けた反射防止材料であって、該
反射防止材料の低反射層側の最表面に表面親水処理を施
したことを特徴としている。以下、本発明のより好適な
実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】(1)反射防止材料 A.透明基体 本発明の反射防止材料に使用する透明基体としては、公
知の透明なフィルム、ガラス等を使用することができ
る。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリ
アクリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、セロフ
ァン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルムおよび
石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適に使
用することができる。PDP、LCDに用いる場合は、
PET、TACが好ましい。
【0010】これら透明基体の透明性は高いもの程良好
であるが、光線透過率(JIS C−6714)として
は80%以上、より好ましくは90%以上がよい。ま
た、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用い
る場合には、透明基体はフィルムであることがより好ま
しい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほうが
望ましいが、その生産性を考慮すると、1μ〜5μmの
範囲のものを使用することが好適である。
【0011】また、透明基体に、アルカリ処理、コロナ
処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表
面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗
布、あるいはSi蒸着などの表面改質処理を行うことに
より、防眩層と透明基体との密着性を向上させることが
できる。
【0012】B.防眩層 次に、本発明における防眩層について説明する。防眩層
を構成する樹脂としては、放射線、熱の何れかもしくは
組み合わせにより硬化する樹脂を用いることができる。
放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル基、メタクリ
ロイル基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキ
シ基等重合性不飽和結合を有するモノマー、オリゴマ
ー、プレポリマーを適宜混合した組成物が用いられる。
モノマーの例としては、スチレン、アクリル酸メチル、
メチルメタクリレート、メトキシポリエチレンメタクリ
レート、シクロヘキシルメタクリレート、フェノキシエ
チルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ト
リメチロールプロパントリメタクリレート等を挙げるこ
とができる。オリゴマー、プレポリマーとしては、ポリ
エステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エ
ポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレート、アル
キットアクリレート、メラミンアクリレート、シリコン
アクリレート等のアクリレート、不飽和ポリエステル、
エポキシ系化合物等を挙げることができる。これらは単
独、もしくは複数混合して使用してもよい。モノマーは
硬化膜の可撓性が要求される場合は少な目にし、さらに
架橋密度を低くするためには、1官能、2官能のアクリ
レート系モノマーを使用することが好ましく、逆に、硬
化膜に耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性等過酷な耐久性を要
求される場合は、モノマーの量を増やし、3官能以上の
アクリレート系モノマーを使用することが好ましい。
【0013】上記のような放射線硬化型樹脂を硬化する
には、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照射
すればよいが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加する
ことができる。なお、紫外線により硬化させる場合は、
光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤とし
ては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フ
ェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオ
メチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフ
ェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−ジメチ
ル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)
エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベン
ゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド等の
ベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、
1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオキサ
ントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニ
ルベンゾイルオキサイド等を挙げることができる。これ
らは単独もしくは複数、混合して使用することができ
る。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチル
パラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェ
ノン等アミン系化合物を混合し、使用することもでき
る。光重合開始剤の含有量としては、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜10重量%の範囲がよい。この範囲よ
り多くても少なくても効果が悪くなる。
【0014】本発明においては、放射線硬化型樹脂とし
て紫外線により硬化するエポキシ系化合物を用い、か
つ、光重合開始剤として、カチオン重合開始剤を少なく
とも含有していることが以下の理由により特に好まし
い。 酸素阻害が少ない。 硬化収縮が非常に少ない。 透明基体への密着性に優れている。特に、透明基体
の中では、偏光フィルム に使用される密着性がほとんどないTACフィルムにも
良好な密着性を示し、特に、けん化処理を施したTAC
との優れた密着性が達成され、けん化処理による防眩性
の低下もかかる密着性により改善されるという効果が達
成される。
【0015】上記エポキシ系化合物としては、テトラメ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル等のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノール
A−ジエポキシ−アクリル酸付加物等のエポキシエステ
ルや、以下の化学式からなる脂環式エポキシ等のモノマ
ーおよびオリゴマーを挙げることができる。
【0016】
【化1】
【0017】光カチオン重合開始剤としては、以下の化
学式からなる化合物を挙げることができる。下記の化学
式において、RおよびRは炭素数1〜6のアルキル
基を表す。また、ベンゼン環はいずれも置換基を有して
いてもよく、置換基としては炭素数1〜6のアルキル
基、ハロゲンなどが挙げられる。なお、これら化合物は
各単体で用いてもよく、複数混合で使用してもよい。
【0018】
【化2】
【0019】光カチオン重合開始剤の配合量は、主剤に
対し、0.1〜5.0重量%の範囲が望ましい。この配
合量は0.1より少なくても、5.0より多くても紫外
線硬化は不十分である。
【0020】本発明においては、上記のように放射線硬
化型樹脂として紫外線で硬化可能なエポキシ系化合物を
用い、重合開始剤として光カチオン重合開始剤を用いる
ことが好ましいが、この場合、粘度、架橋密度、耐熱
性、耐薬品性など塗料および塗工膜の特性をコントロー
ルするためには、紫外線で硬化可能なアクリル系化合物
を混合することが好ましい。このようなアクリル系化合
物としては、ラウリルアクリレート、エトキシジエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリ
コールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、
テトラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルア
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3
−フェノキシアクリレート等の単官能アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロール
プロパンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロール
プロパン安息香酸エステル等の多官能アクリレート等の
アクリル酸誘導体、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシブチルメタクリレート等の単官能メタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、グリセリンジメタ
クリレート等の多官能メタクリレート等のメタクリル酸
誘導体、グリセリンジメタクリレートヘキサメチレンジ
イソシアネート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
トヘキサメチレンジイソシアネート等のウレタンアクリ
レート等のモノマーおよびオリゴマーを挙げることがで
きる。
【0021】上記放射線硬化型樹脂を使用した防眩層の
硬化に伴う体積収縮率(下記方法より算出)は、20%
以下が望ましい。体積収縮率が20%より大きくなる
と、透明基体がフィルムの場合はカールが著しくなり、
また基材がガラス等リジットな材料系の場合は防眩層の
密着性が低下する。
【0022】
【数1】体積収縮率:D=(S−S’)/S×100 S:硬化前の比重 S’:硬化後の比重 (比重はJIS K−7112のB法ピクノメーター法
により測定)
【0023】なお、本発明における防眩層には、放射線
硬化型樹脂に対し、ハイドロキノン、p−ベンゾキノ
ン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤(熱重合禁
止剤)を添加してもよい。添加量は、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0024】防眩層に使用することのできる熱硬化型樹
脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン・
ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙
げることができる。これらは単独もしくは複数混合して
使用してもよい。透明基体がプラスチックフィルムであ
る場合は、熱硬化温度を高く設定することができない。
特に、PET、TACを使用する場合には、使用する熱
硬化樹脂は、100℃以下で硬化できることが望まし
い。
【0025】防眩層に用いられる硬化型樹脂の透明性は
高いほどよく、光線透過率(JISC−6714)とし
ては、透明基体同様、80%以上、好ましくは90%以
上が好ましい。反射防止材料の透明性は該硬化型樹脂の
屈折率によって影響を受けるが、屈折率は、1.45〜
1.70の範囲、特に、1.5〜1.65の範囲が好ま
しく、この範囲を越えると反射防止効果が損なわれる。
【0026】防眩層にはフィラーを含有させ、防眩層表
面を粗面化することで、反射防止効果を向上させること
ができる。フィラーとしてはシリカ、炭酸カルシウム、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、クレー、タ
ルク、二酸化チタン等の無機系白色顔料、アクリル樹
脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹
脂、シリコン樹脂等有機系の透明または白色顔料等を挙
げることができる。特に、球状で吸油性を示さない有機
フィラーが好ましく、球状のフィラーを用いることによ
って、防眩層の表面から突出する部分がなだらかにな
り、油分等の汚れが付着し難くなるとともに付着した汚
れを拭い易くなる。
【0027】このようなフィラーの粒子径D(JIS
B9921)は、0.5μm≦D≦6.0μmの範囲の
ものが60重量%以上、6.0μm<D≦10.0μm
の範囲のものが20重量%未満、10μm<D≦15.
0μmの範囲のものが5重量%以下、15.0μmより
大きいものが1重量%以下であることが望ましい。さら
に、15.0μmより大きい粒子は、できれば含有され
ない(0%)ことが好ましく、特に、0.5μm≦D≦
6.0μmの範囲のものが80重量%以上、6.0μm
<D≦10.0μmの範囲のものが10重量%未満、1
0μm<D≦15.0μmの範囲のものは全く含まない
ことが好ましい。0.5μm≦D≦6.0μmの範囲に
あるフィラーの重量%と、6.0μm<D≦10.0μ
mの範囲にあるフィラーの重量%、さらに、10μm<
D≦15.0μmの範囲にあるフィラーの重量%が、そ
れぞれ60%未満、20%未満、5%未満の場合は、デ
ィスプレイの反射防止効果が悪くなり、6.0μm<D
≦10.0μmの範囲にあるフィラーが20重量%以上
もしくは、10μm<D≦15.0μmの範囲にあるフ
ィラーが5重量%の場合は、ディスプレイの画像にギラ
ツキが発生する。フィラーの配合量については、防眩層
の全固形分比で、0.5〜30%の範囲がよい。特に、
1〜15%の範囲が好ましい。配合量が0.5%以下で
は、反射防止効果が不充分となり、30%以上では、透
明性、画像のコントラストが劣るばかりでなく、耐摩耗
性や耐環境性等の耐久性が悪くなる。また、フィラーの
屈折率(JIS K−7142によるB法)は、硬化型
樹脂と同等であることが好ましい。フィラーの屈折率が
硬化型樹脂の屈折率と異なる場合は、フィラーと樹脂界
面で光が拡散し、透明性が損なわれる。硬化型樹脂と同
等の屈折率を有するフィラーの例としては、有機系のフ
ィラー、特に、架橋アクリルビーズが好適である。
【0028】架橋アクリルビーズとしては、アクリル酸
およびそのエステル、メタクリル酸およびそのエステ
ル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリル系
モノマーと過硫酸等の重合開始剤、エチレングリコール
ジメタクリレート等の架橋剤を用い、懸濁重合法等によ
り重合して得られる重合体および共重合体からなる架橋
アクリル系ビーズが好適に使用できる。特にアクリル系
のモノマーとして、メチルメタクリレートを使用した構
成が好ましい。この様にして得られた架橋アクリルビー
ズは球状で吸油性を示さないことから、防眩層に使用し
た場合、優れた耐汚染性を発現できる。また、架橋アク
リルビーズには、塗料の分散性を向上させるために油脂
類、シランカップリング剤、金属酸化物等の有機・無機
材料による表面改質を行ってもよい。
【0029】本発明において、透明基体の片面に、直接
あるいは他の層を介して防眩層を設ける方法としては、
上記で述べたUV硬化型樹脂中に、必要に応じて架橋ア
クリルビーズ等のフィラーや水あるいは有機溶剤を混合
し、これをペイントシェーカー、サンドミル、パールミ
ル、ボールミル、アトライター、ロールミル、高速イン
ペラー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、超音波分
散機等によって分散して塗料またはインキとし、これを
エアドクターコーティング、ブレードコーティング、ナ
イフコーティング、リバースコーティング、トランスフ
ァロールコーティング、グラビアロールコーティング、
キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコ
ーティング、スロットオリフィスコーティング、カレン
ダーコーティング、電着コーティング、ディップコーテ
ィング、ダイコーティング等のコーティングやフレキソ
印刷等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセッ
トグラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版
印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷手法により
透明基体の片面上に単層もしくは多層に分けて設け、溶
媒を含んでいる場合は、熱乾燥工程を経て、放射線(紫
外線の場合、光重合開始剤が必要)照射等により塗工層
もしくは印刷層を硬化させることによって得る方法が挙
げられる。なお、放射線が電子線による場合は、コック
ロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変圧型、絶縁
コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等
の各種電子線加速器から放出される50〜1000Ke
Vのエネルギーを有する電子線等が使用され、紫外線の
場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カー
ボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等
の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0030】塗料、インクの塗工適性または印刷適性を
向上させるために、必要に応じ、シリコーンオイル等の
レベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワック
ス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の油
脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシリ
カゾル、合成雲母等0.1μm以下の超微粒子等の添加
剤を適宜使用することができる。
【0031】防眩層の厚さは、0.5〜10μmの範
囲、好ましくは1〜5μmの範囲がよい。防眩層が0.
5μmより薄い場合は、防眩層の耐摩耗性が劣化した
り、紫外線硬化型樹脂を使用した場合などに、酸素阻害
による硬化不良を起こしたりする。10μmより厚い場
合は、樹脂の硬化収縮によりカールが発生したり、防眩
層にマイクロクラックが発生したり、さらに、透明基体
との密着性が低下したりする。
【0032】C.低反射層 次に本発明の低反射層は、反射防止効果を向上させるた
めには、低反射層の屈折率が防眩層の屈折率より低く、
かつ、1.45以下であることが好ましい。これらの特
徴を有する材料としては、例えばLiF(屈折率n=
1.4)、MgF (n=1.4)、3NaF・AlF
(n=1.4)、AlF(n=1.4)、Na
lF(n=1.33)等の無機材料を微粒子化し、ア
クリル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低
反射材料、フッ素系、シリコーン系の有機化合物、熱可
塑性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低
反射材料を挙げることができる。その中で、特に、フッ
素系の含フッ素材料が汚れ防止の点において好ましい。
また、低反射層は、臨界表面張力が20dyne/cm
以下であることが好ましい。臨界表面張力が20dyn
e/cmより大きい場合は、低反射層に付着した汚れが
取れにくくなる。
【0033】上記含フッ素材料としては、有機溶剤に溶
解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共
重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素共重合体、含
フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアクリレート、
含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシラン、さら
に、TEFRON AF1600(デュポン社製、n=
1.30)、CYTOP(旭硝子(株)社製、n=1.
34)、17FM(三菱レーヨン(株)社製、屈折率n
=1.35)、オプスターJN−7212(日本合成ゴ
ム(株)社製、n=1.40)、LR201(日産化学
工業(株)社製、n=1.38)等を挙げることができ
る。これらは単独でも複数組み合わせて使用することも
可能である。
【0034】また、2−(パーフルオロデシル)エチル
メタクリレート、2−(パーフルオロ−7−メチルオク
チル)エチルメタクリレート、3−(パーフルオロ−7
−メチルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシル)エチ
ルメタクリレート、3−(パーフルオロ−8−メチルデ
シル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含
フッ素メタクリレート、3−パーフルオロオクチル−2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−(パーフルオ
ロデシル)エチルアクリレート、2−(パーフルオロ−
9−メチルデシル)エチルアクリレート等の含フッ素ア
クリレート、3−パーフルオロデシル−1,2−エポキ
シプロパン、3−(パーフルオロ−9−メチルデシル)
−1,2−エポキシプロパン等のエポキサイド、エポキ
シアクリレート等の放射線硬化型の含フッ素モノマー、
オリゴマー、プレポリマー等を挙げることができる。こ
れらは単独もしくは複数種類混合して使用することも可
能である。
【0035】さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を
水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形
成剤を混合した低反射材料を使用することもできる。5
〜30nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分
散したゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオ
ンをイオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アル
カリ塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を
縮合して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシラン
を有機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合す
ることにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記
の水性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置
換することにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オ
ルガノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾル
は水系および有機溶剤系のどちらでも使用することがで
きる。有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を
有機溶剤に置換する必要はない。上記シリカゾルは、S
iOとして0.5〜50重量%濃度の固形分を含有す
る。シリカゾル中のシリカ超微粒子の構造は、球状、針
状、板状等様々なものが使用可能である。
【0036】また、皮膜形成剤としては、アルコキシシ
ラン、金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリ
シロキサンをフッ素変性したものなどを用いることがで
きる。上記のような皮膜形成剤のなかでも、特にフッ素
化合物を用いることにより、低反射層の臨界表面張力が
低下して油分の付着を抑制することができるので好まし
い。本発明の低反射層は、上記で述べた材料を例えば溶
剤で希釈し、スピンコーター、ロールコーター、印刷等
の方法で防眩層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線
の場合は上述の光重合開始剤を使用する)等により硬化
させることによって得ることができる。放射線硬化型の
含フッ素モノマー、オリゴマー、プレポリマーは耐汚染
性には優れているが、濡れ性が悪いため、組成によって
は防眩層上で低反射層をはじくという問題や、低反射層
が防眩層から剥がれるという問題が生じるおそれがある
ため、防眩層に使用する前述の放射線硬化型樹脂として
説明した、アクリロイル系、メタクリロイル系、アクリ
ロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基等重合性不飽
和結合を有するモノマー、オリゴマー、プレポリマーを
適宜混合し、使用することが望ましい。なお、熱による
ダメージを受けやすいPET、TAC等のプラスチック
フィルムを透明基体に使用する場合は、これら低反射層
の材料としては、放射線硬化型樹脂を選択することが好
ましい。
【0037】低反射層の塗料、インクの塗工適性または
印刷適性を向上させるために、必要に応じ、防眩層同
様、シリコーンオイル等のレベリング剤、ポリエチレン
ワックス、カルナバワックス、高級アルコール、ビスア
マイド、高級脂肪酸等の油脂、イソシアネート等の硬化
剤、炭酸カルシウムやシリカゾル、合成雲母等0.05
μm以下の超微粒子等の添加剤を適宜使用することがで
きる。
【0038】低反射層が良好な反射防止機能を発揮する
ための厚さについては、公知の計算式で算出することが
できる。公知の文献(サイエンスライブラリ、物理学9
「光学」70〜72頁)によれば、入射光が低反射層に
垂直に入射する場合に、低反射層が光を反射せず、かつ
100%透過するための条件は次の関係式を満たせばよ
いとされている。なお、式中Nは低反射層の屈折率、
は防眩層の屈折率、hは低反射層の厚さ、λは光
の波長を示す。
【0039】
【数2】N=N 1/2 (1) Nh=λ/4 (2)
【0040】上記(1)式によれば、光の反射を100
%防止するためには、低反射層の屈折率が下層(防眩
層)の屈折率の平方根になるような材料を選択すればよ
いことが分かる。ただし、実際は、この数式を完全に満
たす材料は見出し難く、限りなく近い材料を選択するこ
とになる。上記(2)式では(1)式で選択した低反射
層の屈折率と、光の波長から低反射層の反射防止膜とし
ての最適な厚さが計算される。たとえば、防眩層、低反
射層の屈折率をそれぞれ1.50、1.38、光の波長
を550nm(視感度の基準)とし、これらの値を上記
(2)式に代入すると、低反射層の厚さは0.1μm前
後の光学膜厚、好ましくは0.1±0.01μmの範囲
が最適であると計算される。
【0041】このようにして作製した本発明の反射防止
材料のJIS K7105によるHAZE値は、3〜3
0の範囲、特に好ましくは5〜15の範囲であることが
よい。この場合、この値が3未満では、光拡散の効果が
少なくそれ程大きな反射防止効果を得ることができな
い。一方、HAZE値が30を超えると、画像コントラ
ストが悪く視認性不良となり、ディスプレイとしての機
能低下を招くことから好ましくない。なお、HAZE値
とは、曇価を意味するものであり、積分球式光線透過率
測定装置を用いて、拡散透過率(Hd%)と全光線透過
率(Ht%)を測定し、下記式にて算出する。
【0042】
【数3】HAZE値=Hd/Ht×100
【0043】(2)反射防止材料の表面親水化処理 本発明の反射防止材料は、ディスプレイ表面に生じる静
電気によりホコリ等の汚れが付着するのを防止するた
め、反射防止材料の最表面に対して表面親水処理を施す
ことを最大の特徴としている。本発明によれば、帯電防
止材料または導電性フィラーを含有させた帯電防止層を
設ける必要がなく、さらに、光学特性および物理的特性
に優れた従来の反射防止材料に対しても容易に帯電防止
性を付与することができることから、生産的および経済
的に優れた反射防止材料を提供することができる。
【0044】この表面親水処理としては、コロナ処理、
プラズマ処理、けん化処理等が挙げられるが、これらの
中では、良好な親水性を付与でき、さらに最も実用的な
方法であることから、コロナ処理が特に好ましい。良好
な帯電防止性を発揮するためには、最表面の減衰半減期
が500秒以下、特に300秒以下となるように表面親
水処理を施すことが好ましい。また、表面親水処理され
た最表面は、水との接触角が85°以下であり、好まし
くは75〜10°であり、特に65〜20°が好適であ
る。水との接触角が85°より大きいと十分な帯電防止
性が得られないおそれがあり、接触角が10°未満に小
さくなると、指紋が付着しやすく、また拭き取り難くな
り、耐指紋性が悪くなるなど、ディスプレイ表面の汚れ
の問題を生じるおそれがある。
【0045】表面親水処理としてコロナ処理を施す際の
コロナ放電量は、40〜200W・min/mである
ことが好ましい。この場合、40W・min/m未満
では、良好な帯電防止性が得られず、逆に、200W・
min/mを越えて大きいと、上記の接触角が小さす
ぎる場合と同様に表面に汚れが生じ易くなったり、処理
時に表面の破壊などを生じてしまうという問題がある。
【0046】(3)偏光フィルム A.偏光フィルム−1 上記構成の反射防止材料をフィルム状の偏光基体の片面
に設けることにより、偏光フィルムを構成することがで
きる。ここで、偏光基体は、透明フィルムを形成できる
材料で構成され、具体的には、ポリビニルアルコール、
ポリビニレン等が使用できる。そして、このような材料
を延伸させてフィルム化することにより偏光基体を得る
ことができる。例えば、2色性素子として沃素または染
料を吸着させたポリビニルアルコールを一軸延伸して得
られたポリビニルアルコール(PVA)フィルムを用い
ることが好ましい。偏光基体は10〜80μmの厚みを
有するものが使用される。
【0047】B.偏光フィルム−2 本発明の他の偏光フィルムは、上記フィルム状の偏光基
体の片面に、反射防止機能を有する防眩層、低反射層を
順次設けた透明基体からなる第1の保護材(上記(1)
の反射防止材料に相当)を設け、他面に第2の保護材を
設けた積層構成を有する。具体的には、PVAフィルム
を一軸方向に3〜4倍程度延伸し、高次の沃素イオン中
に延伸したPVAフィルムを含浸させることにより得ら
れた偏光基体の両側にポリエステル系接着剤、ポリアク
リル系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリ酢酸ビニル
系接着剤等により、第1および第2の保護材をラミネー
トした構造を有するものが好ましい。
【0048】上記で得られるPVAフィルムは、強度等
が不足しており、裂け易く、湿度変化に対して収縮率が
大きいという欠点を有していることから、偏光基体の両
側に保護材がラミネートされる。この第1の保護材に用
いられる透明基体および第2の保護材としては、透明な
高分子化合物のフィルム、例えば、トリアセチルセルロ
ース等のセルロース系フィルム、ポリエステルフィル
ム、ポリカーボネートフィルム等が使用される。その中
でも特にトリアセチルセルロースが好ましい。該フィル
ムの厚さは10〜2000μmが好ましい。また、これ
らのフィルムには特にほう酸等のゲル化剤を使用した
り、熱処理やホルマール化を行うことによって、フィル
ムの耐水性を向上させることが好ましい。また、偏光基
体との密着性を向上させるために、偏光基体との接着面
の表面エネルギーが50dyne/cm以上になるよう
に、けん化処理やコロナ処理等の表面処理を行うことが
好ましい。
【0049】以下、図面を用いて本発明の反射防止材料
と偏光フィルムをさらに詳細に説明する。図1は、本発
明の反射防止材料の構成を示す概略断面図であり、反射
防止材料10は、透明基体11の片面上に防眩層12が
形成され、さらに、この防眩層12の表面に低反射層1
3が形成されている。
【0050】図2は、本発明の偏光フィルムの構成を示
す概略断面図であり、偏光フィルム20は、透明基体2
4上に防眩層25および低反射層26を有する第1の保
護材23、すなわち反射防止材料が、偏光基体22の片
面に、さらに他の面に第2の保護材21が形成されてい
る。
【0051】図3は本発明の反射防止材料により防眩性
を改善した液晶表示パネル30の構成を示すものであ
る。この液晶表示パネル30は、背面(図3で下面)に
バックライト40が配され、TFTガラス基板31の表
面側(図3で上側)に液晶セル32、反射防止層付き偏
光フィルム33が順次積層され、TFTガラス基板31
の背面側に低反射層のない偏光フィルム34が積層され
た構成となっている。
【0052】液晶セル32には、例えば、ツイステッド
ネマチック(TN)液晶セルなどが使用可能である。T
N液晶セルは、所望のパターンからなる透明電極付きの
2枚のガラス基盤の透明電極面上に、ポリイミドの溶液
を塗布して配向膜を形成し、これをラビング操作により
配向させ、その後、この基板間にネマチック液晶を注入
し、ガラス基盤周辺部をエポキシ樹脂等で封着すること
により形成される。このネマチック液晶は、配向膜の作
用により90゜捻れ配向する。
【0053】各偏光フィルム33,34は、偏光材35
の表面および背面に、透明基材36および保護層37が
それぞれ積層された積層体が基本構成となっており、低
反射層付き偏光フィルム33は、この積層体の表面に、
防眩層38、低反射層39が順次積層されている。この
偏光フィルム33,34は、偏光角度が互いに90゜捻
れるように、TFTガラス基板31および液晶セル32
を挟む構成となっている。
【0054】上記TN液晶表示パネル30の透明電極に
駆動信号を印加すると信号が印加された電極間には電界
が発生する。その際、液晶分子の持つ電子的異方性によ
り、液晶分子の長軸が電界方向と平行になるため、液晶
分子による光の旋光性が失われることとなり、その結
果、液晶パネルには光が透過しない状態となる。画像の
表示はこの時の光透過の差に基づくコントラストにより
視覚情報として認識される。上記液晶表示体において
は、バックライト40の光を液晶パネル30に透過さ
せ、光の透過する部分と透過しない部分にコントラスト
を持たせることにより画像表示を可能とするものであ
る。
【0055】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
る。なお、以下の説明において「部」は「重量部」を意
味するものとする。 <実施例1>まず、架橋アクリルビーズとトルエンの混
合物をサンドミルにて30分間分散することによって得
られた下記分散液と、下記ベース塗料をディスパーにて
15分間攪拌、混合した塗料を、膜厚80μm、透過率
92%からなる透明基体であるトリアセチルセルロース
(商品名:富士タックUVD80、富士写真フィルム社
製、屈折率1.49)の片面上に、リバースコーティン
グ方式にて塗布し、100℃で2分間乾燥後、出力12
0W/cmの集光型高圧水銀灯1灯を用いて、照射距離
(ランプ中心から塗工面までの距離)10cm、処理速
度(塗工基体側の水銀灯に対する速度)5m/分で紫外
線照射を行い、塗工膜を硬化させた。このようにして、
厚さ1.7μm、屈折率1.53の防眩層を形成した。
その後、含フッ素シリカゾル(商品名:LR201、日
産化学工業(株)社製、(全固形分濃度;4%、溶媒;
エタノール/ブチルセロソルブ=50/50)を上記防
眩層上にスピンコーティングにより塗布し、100℃で
1分間乾燥後、120℃で6時間熱キュアーし、厚さ
0.1μm、屈折率1.38、臨界表面張力11dyn
e/cmの低反射層を形成し、HAZE値10.5、反
射率1.4%の本発明の反射防止フィルムを得た。
【0056】 [分散液の配合] ・架橋アクリルビーズ (商品名:MX150、粒径1.5±0.5μm、綜研化学社製) 9部 ・トルエン 210部 [ベース塗料の配合] ・アクリル系化合物 ジペンタエリスリトールトリアクリレート 45部 ・エポキシ系化合物 (商品名:セロキサイト2021、ダイセル化学工業社製) 45部 ・下記化学式の光カチオン重合開始剤 2部
【0057】
【化3】
【0058】 ・イソプロピルアルコール 5部
【0059】次に、この反射防止フィルムに対して、内
圧送風式片面処理フレームのコロナ放電表面処理装置
(商品名:AGI−021型、春日電機社製、(放電電
極部:10t×900mmの5型電極×6本、1極=1
2山、処理ロール:187φ×195φ×1050m
m))により、処理出力:400W、処理スピード:1
0m/分でコロナ処理を行い、本発明の実施例1の反射
防止フィルムを得た。
【0060】<実施例2〜4>表面親水処理における処
理出力を下記表1に記載の出力に変更した以外は実施例
1と同様にして、本発明の実施例2〜4の反射防止フィ
ルムを得た。
【0061】
【表1】
【0062】<比較例1>実施例1の表面親水処理を行
わなかった反射防止フィルムを、比較例1として得た。
【0063】上記のようにして得られた実施例1〜4お
よび比較例1の反射防止フィルムを用い、コロナ処理か
ら12時間経過後に、表面の水との接触角、表面抵抗
値、減衰半減期、帯電防止性、5度正反射率、および鉛
筆硬度を下記方法により測定、評価した。
【0064】(1)接触角 反射防止フィルムの最表面に水滴を滴下し、接触角計
(商品名:エルマG−I型接触計、エルマ社製)を使用
して、接触角を測定した。
【0065】(2)表面抵抗値 高抵抗率計(商品名:ハイレスタ・アップ、三菱化学社
製)を使用して表面抵抗値を測定した。
【0066】(3)減衰半減期 スタティック・オネストメーター(シシド静電気社製)
を使用し、JIS L1094に従って、減衰半減期を
測定した。
【0067】(4)帯電防止性1 まず、反射防止フィルムの最表面をポリエステル製布で
擦り帯電させた。5分後、タバコの灰の入った灰皿にこ
の帯電させた面を近づけ、灰の付着を観察し、帯電防止
性の評価を行った。灰の付着がない場合を○、付着があ
る場合を×とした。
【0068】(5)帯電防止性2 反射防止フィルムの表面上に印刷用紙をのせ、この印刷
用紙の端部を持ち、用紙の自重でフィルム面と20回擦
り合わせた後、フィルムを床に対して垂直に垂らした際
の用紙の落下を観察し、帯電防止性の評価を行った。用
紙が落下した場合を○(摩擦帯電なし)、落下しない場
合を×(摩擦帯電あり)とした。
【0069】(6)5度正反射率 反射率は、分光光度計(商品名:UV3100、島津製
作所社製)を使用し、波長領域400〜700nmの範
囲の5゜の正反射を測定し、JIS Z8701に従っ
て視感度補正したY値で表した。なお、測定は非測定面
を黒マジックで完全に黒塗りして行った。
【0070】(7)鉛筆硬度 鉛筆硬度計(ヨシミツ精機社製)を使用し、JIS K
5400に従って、鉛筆硬度を測定した。以上の評価結
果を表2に示す。
【0071】
【表2】
【0072】表2の結果から明らかなように、従来の反
射防止フィルムである比較例1では、帯電防止性に問題
を有しているが、本発明の反射防止フィルムによれば、
5度正反射率および鉛筆硬度を良好に保持したまま、優
れた帯電防止性を発揮することが示された。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、従来の
優れた光学特性および物理的特性を発揮する反射防止材
料に表面親水処理を行うことにより、これらの優れた特
性を保持したまま帯電防止性を改善することができ、ほ
こり等の付着を防ぐことができる。
【図面の簡単な発明】
【図1】 本発明の反射防止材料の構成を示す概略断面
図である。
【図2】 本発明の反射防止材料を使用した偏光フィル
ムの構成を示す概略断面図である。
【図3】 反射防止材料を使用した偏光フィルムを具備
する液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10…反射防止材料、11…透明基体、12…防眩層、
13…低反射層、20…偏光フィルム、21…第2の保
護材、22…偏光基体、23…第1の保護材、24…透
明基体、25…防眩層、26…低反射層、30…液晶パ
ネル、31…TFTガラス基板、32…液晶セル、3
3,34…偏光フィルム、35…偏光材、36…透明基
材、37…保護層、38…防眩層、39…低反射層、4
0…バックライト。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H049 BA02 BB65 BB68 BC01 BC22 2H091 FA07 FA08 FA37 FD06 FD14 FD15 FD16 FD17 LA03 LA07 LA16 2K009 AA02 CC02 CC26 CC42 DD17 EE00 EE02 4F100 AJ06E AK17C AK25 AK53 AR00B AR00E AS00E BA10A BA10D BA10E BA25 DE01 EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ54 EJ54C EJ542 EJ86 EJ862 GB41 JB05D JN01A JN06 JN10 JN10E JN18B JN18C JN18E JN30B JN30E

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体の片面に、直接あるいは他の層
    を介して防眩層を設け、この防眩層の表面に防眩層の屈
    折率よりも低い屈折率を有する低反射層を設けた反射防
    止材料であって、該反射防止材料の低反射層側の最表面
    に表面親水処理を施したことを特徴とする反射防止材
    料。
  2. 【請求項2】 前記表面親水処理は、コロナ処理である
    ことを特徴とする請求項1に記載の反射防止材料。
  3. 【請求項3】 前記低反射層は、少なくとも含フッ素材
    料からなることを特徴とする請求項1または2に記載の
    反射防止材料。
  4. 【請求項4】 透明基体の片面に、直接あるいは他の層
    を介して防眩層を設け、この防眩層の表面に防眩層の屈
    折率よりも低い屈折率を有する低反射層を設けた反射防
    止材料であって、該反射防止材料の低反射層側の最表面
    の水との接触角が85°以下であることを特徴とする反
    射防止材料。
  5. 【請求項5】 前記水との接触角は、10〜75°であ
    ることを特徴とする請求項4に記載の反射防止材料。
  6. 【請求項6】 前記低反射層は、少なくとも含フッ素材
    料からなることを特徴とする請求項4または5に記載の
    反射防止材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の反射防
    止材料の透明基体の防眩層および低反射層が設けられて
    いない他方の面に、偏光基体を介して保護材を積層した
    ことを特徴とする偏光フィルム。
  8. 【請求項8】 透明基体の片面に、直接あるいは他の層
    を介して防眩層を設け、次に、該防眩層の表面に防眩層
    の屈折率よりも低い屈折率を有する低反射層を設けた
    後、該低反射層の表面を親水処理したことを特徴とする
    反射防止材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記親水処理は、コロナ処理であること
    を特徴とする請求項8に記載の反射防止材料の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 前記低反射層は、少なくとも含フッ素
    材料からなることを特徴とする請求項8または9に記載
    の反射防止材料の製造方法。
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