JPH11287902A - 反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム - Google Patents

反射防止材料及びそれを用いた偏光フィルム

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JPH11287902A
JPH11287902A JP10103776A JP10377698A JPH11287902A JP H11287902 A JPH11287902 A JP H11287902A JP 10103776 A JP10103776 A JP 10103776A JP 10377698 A JP10377698 A JP 10377698A JP H11287902 A JPH11287902 A JP H11287902A
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layer
refractive index
resin
silica
antireflection
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JP10103776A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Murata
力 村田
Yasuhiro Matsunaga
康弘 松永
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Tomoegawa Co Ltd
Original Assignee
Tomoegawa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスプレイへの太陽光及び蛍光灯等の外部
光の映り込みを防止することにより優れた反射防止性を
発揮し、画像コントラストを低下させることなく、ギラ
ツキ等のない鮮明な画像を得ることができるとともに、
光学的に安定で優れた耐薬品性を示し、かつ、優れた耐
摩耗性を示す反射防止材料と偏光フィルムを提供する。 【解決手段】 透明基体の片面もしくは両面に、直接或
は他の層を介して、粗面化層を設けた反射防止材料であ
り、粗面化層が少なくともシリカと樹脂フィラーの2種
類の顔料を含有し、かつ、顔料のうちシリカの平均粒子
径が樹脂フィラーの平均粒子径よりも大きいものを使用
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶ディスプレイ(LC
D)、プラズマディスプレイ(PDP)、CRT,EL
等の画像表示体等に好適に用いられ、特に、画像部の防
汚性、反射防止、耐薬品性、耐磨耗性に優れた反射防止
材料及びそれを使用した偏光フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】LCD、PDP、CRT、ELに代表され
る画像表示装置(以下、これを「ディスプレイ」とい
う。)は、テレビやコンピューターを始めとして、様々
な分野で繁用されており、目覚ましい発展を遂げてい
る。このディスプレイの開発は、当初においてはカラー
化が開発のキーワードであったが、最近はハイビジョン
がキーワードのひとつになり、画像の高精細化、高画質
化、さらには低消費電力化等へ努力が傾注されている。
マン−マシンインターフェイスの重要な役割を担うこれ
らディスプレイは今後、マルチメディア時代の到来と共
に一層の普及が予想され、特に、携帯電話、PHS、そ
の他各種携帯端末用としての普及が著しく拡大するもの
と予測される。
【0003】携帯端末用ディスプレイとしては、軽量、
コンパクト、汎用性等の特徴を有するLCDが市場を独
占するものと考えられているが、これらの携帯端末には
タッチパネルを搭載し、プラスチックのペンや指で直接
触れて操作するものが主流になってきている。そのた
め、ディスプレイ表面への耐磨耗性、耐薬品性、汚れ防
止に対する要求が高まっている。また、これらの機器を
屋外での使用も含めた比較的明るいところで使用する場
合の太陽光や蛍光等の外部光のディスプレイへの映り込
みを防止すること、すなわち反射防止に対する要求も強
くなっている。これらの要求は、現在、携帯端末機器に
限らず、小型から大型に至る様々なディスプレイに波及
している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】反射防止に関しては、
従来、磨りガラスのように、光を散乱もしくは拡散させ
て像をボカス手法が一般的に行われている。光を散乱も
しくは拡散させるためには、光の入射面を粗面化するこ
とが基本となっており、この粗面化処理には、サンドブ
ラスト法やエンボス法等により基材表面を直接粗面化す
る方法、基材表面にフィラーを含有させた塗工層を設け
る方法及び基材表面に海島構造による多孔質膜を形成す
る方法等が採用されている。
【0005】基材表面にフィラーを含有させた塗工層
(粗面化層)を設ける方法は、フィラーの粒子径により
粗面化面の凹凸の大きさを比較的容易にコントロールで
き、かつ製造が容易である等の利点から、現在、好んで
用いられている。塗工剤に使用する樹脂としては、透過
性、耐熱性、耐磨耗性、耐薬品性等に優れたものが望ま
しいが、基材が耐熱性に乏しい高透明なプラスチックフ
ィルムである場合が多いことから、UV硬化型樹脂が好
んで使用されている。その例として、UV硬化型樹脂と
樹脂ビーズを構成要素とする特開平6−18706など
が報告されている。
【0006】ところが、樹脂ビーズをフィラーとする粗
面化層では、樹脂ビーズの硬度が不充分なために耐摩耗
性に劣るという欠点がある。特に、タッチパネルなどデ
ィスプレイ表面に直接触れる用途では、その寿命が問題
となっていた。また、粗面化層の表面に反射防止層を設
けても、粗面化層の硬度が低いと反射防止層が粗面化層
ごと摩滅または剥離するという問題が生じる。そこで、
表面硬度を向上させるために前記樹脂ビーズのかわりに
シリカ等の無機顔料を使用する提案もなされているが、
かかる無機顔料は分散性に問題がある。特に、UV硬化
型樹脂との組み合わせにおいては、UV硬化型樹脂とシ
リカからなる粗面化層の分散性が必ずしも十分とはいえ
ない上に、UV硬化を行うまでの粗面化層は、塗料を基
材に塗布してからUVを照射するまでの間、塗膜は低粘
度の液状態を呈しているため、塗工膜中のフィラーどう
しが互いに付着し、凝集(オレンジピール)するという
問題を有していた。この問題は、粗面化層表面の凹凸を
緻密化する目的でフィラーの含有量を増加させたり、粗
面化層の厚さをコントロールするために粗面化層の塗料
を溶剤等で希釈する場合は特に顕著であった。
【0007】反射を防止する他の方法としては、屈折率
の高い材料と低い材料を交互に積層し、多層化(マルチ
コート)することで、表面の反射が抑えられ、良好な反
射防止効果を得ることが知られている。通常、SiO2
に代表される低屈折率材料と、TiO2、ZrO2等の高
屈折率材料を交互に蒸着等により成膜する気相法や、ゾ
ルゲル法等により形成される。
【0008】しかしながら、上述のマルチコートは、蒸
着等の気相法による場合には、大面積の加工に不向き
で、加工装置が高いこと、ゾルゲル法による場合は、塗
布、焼成を繰り返すこと等の理由から製造コストがかか
り経済性に問題がある上、表面が紫や緑系統の色を呈し
ているため、マルチコートがないものより汚れが目立つ
ことが大きな問題となっていた。一方、このような汚れ
の発生を防止するために、上記粗面化層上にフッ素系材
料をコーティング等により設ける提案もなされている
が、粗面化層の凹凸形状や素材による影響が大きく問題
を解決するには至っていない。
【0009】また、ディスプレイの解像度が向上するに
伴い、上記粗面化層の凹凸の高さや間隔にも緻密化が要
求されるようになってきた。画像の高精細化は、主に画
像ドットの高密度化によるが、凹凸の間隔がこの画像ド
ットのピッチより小さい場合は良いが、大きい場合は干
渉によるギラツキが発生する。反射防止性が良好で、ギ
ラツキがない鮮明な画像を得るためには、まず、この凹
凸の高さ及び間隔を、小さくかつバラツキがないようコ
ントロールしなければならない。
【0010】本発明は、従来技術における上記した実情
に鑑みてなされたもので、ディスプレイへの太陽光及び
蛍光灯等の外部光の映り込みを防止することにより、優
れた反射防止性を発揮し、かつ、画像コントラストを低
下させることなく、ギラツキ等のない鮮明な画像を得る
ことができ、耐薬品性を示すことは勿論のこと、優れた
耐摩耗性を示す反射防止材料を提供することを目的とし
ている。また、本発明は、上記反射防止材料を使用した
偏光フィルムを提供することも目的としており、これに
より、特に、フルカラー液晶ディスプレイ等の性能を大
幅に向上させることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】(1)反射防止材料の内
容 本発明の反射防止材料は、透明基体の片面もしくは両面
に、直接或は他の層を介して、粗面化層を設けた反射防
止材料において、粗面化層がシリカと樹脂フィラーから
なる2種類の顔料を含有していることを特徴としてい
る。このような反射防止材料にあっては、顔料が硬度の
高いシリカと分散性に優れた樹脂フィラーとを含有して
いるから、耐摩耗性および反射防止性能共に向上させる
ことができる。以下、本発明の好適な実施の形態につい
て説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】A.透明基体 本発明の反射防止材料に使用する透明基体としては、公
知の透明なフィルム、ガラス等を使用することができ
る。その具体例としては、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリ
アリレート、ポリイミド、ポリエーテル、ポリカーボネ
ート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、
セロファン、芳香族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリビニルアルコール等の各種樹脂フィルム
及び石英ガラス、ソーダガラス等のガラス基材等を好適
に使用することができる。PDP、LCDに用いる場合
は、PET、PC、TACが好ましい。
【0013】これら透明基体の透明性は高いもの程良好
であるが、光線透過率(JIS C−6714)として
は80%以上、より好ましくは90%以上が良い。ま
た、その透明基体を小型軽量の液晶ディスプレイに用い
る場合には、透明基体はフィルムであることがより好ま
しい。透明基体の厚さは、軽量化の観点から薄いほうが
望ましいが、その生産性を考慮すると、1μ〜700μ
mの範囲のもの、好ましくは10〜200μmの範囲の
ものを使用することが好適である。
【0014】また、透明基体に、アルカリ処理、コロナ
処理、プラズマ処理、フッ素処理、スパッタ処理等の表
面処理や、界面活性剤、シランカップリング剤等の塗
布、あるいはSi蒸着などの表面改質処理を行うことに
より、粗面化層と透明基体との密着性を向上させること
ができる。また、透明基体の表面には、ディスプレイ表
面に静電的に付着するホコリ等の汚れを防止するために
帯電防止層を設けても良い。帯電防止層は、アルミ、錫
等の金属、ITO等の金属酸化膜を蒸着、スパッタ等で
極めて薄く設ける方法、アルミ、錫等の金属微粒子やウ
イスカー、酸化錫等の金属酸化物にアンチモン等をドー
プした微粒子やウィスカー、7,7,8,8−テトラシ
アノキノジメタンと金属イオンや有機カチオンなどの電
子供与体(ドナー)との間でできた電荷移動錯体をフィ
ラー化したもの等をポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂等に分散し、ソルベントコーティング等に
より設ける方法、ポリピロール、ポリアニリン等にカン
ファースルホン酸等をドープしたものをソルベントコー
ティング等により設ける方法等により設けることができ
る。帯電防止層の透過率は光学用途の場合、80%以上
が好ましい。
【0015】B.粗面化層 (a)バインダー樹脂 次に、本発明における粗面化層について説明する。本発
明の粗面化層を構成する樹脂としては、放射線、熱の何
れかもしくは組み合わせにより硬化する樹脂を用いるこ
とができる。放射線硬化型樹脂としては、アクリロイル
基、メタアクリロイル基、アクリロロイルオキシ基、メ
タアクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモ
ノマー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合した組成
物が用いられる。モノマーの例としては、スチレン、ア
クリル酸メチル、メチルメタクリレート、メトキシポリ
エチレンメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレー
ト、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ート等を挙げることができる。オリゴマー、プレポリマ
ーとしては、ポリエステルアクリレート、ポリウレタン
アクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルア
クリレート、アルキットアクリレート、メラミンアクリ
レート、シリコンアクリレート等のアクリレート、不飽
和ポリエステル、エポキシ系化合物等を挙げることがで
きる。これらは単独、もしくは複数混合して使用しても
良い。モノマーは硬化膜の可撓性が要求される場合は少
な目にし、さらに架橋密度を低くするためには、1官
能、2官能のアクリレート系モノマーを使用することが
好ましく、逆に、硬化膜に耐熱性、耐摩耗性、耐溶剤性
等過酷な耐久性を要求される場合は、モノマーの量を増
やし、3官能以上のアクリレート系モノマーを使用する
ことが好ましい。
【0016】上記のような放射線硬化型樹脂を硬化する
には、例えば紫外線、電子線、X線などの放射線を照射
すれば良いが、必要に応じて適宜重合開始剤を添加する
ことができる。なお、紫外線により硬化させる場合は、
光重合開始剤を添加する必要がある。光重合開始剤とし
ては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2
−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フ
ェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオ
メチルフェニル)プロパン−1−オン等のアセトフェノ
ン類、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエ
ーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン
イソブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニ
ルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジ
フェニルサルファイド、4−ベンゾイル−N,N−ジメ
チル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキ
シ)エチル]ベンゼンメタナミニウムプロミド、(4−
ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド
等のベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサント
ン、1−クロロ−4−ジクロロチオキサントン等のチオ
キサントン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフ
ェニルベンゾイルオキサイド等を挙げることができる。
これらは単独もしくは複数、混合して使用することがで
きる。また、促進剤(増感剤)として、N,N−ジメチ
ルパラトルイジン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフ
ェノン等アミン系化合物を混合し、使用することもでき
る。光重合開始剤の含有量としては、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜10重量%の範囲が良い。この範囲よ
り多くても少なくても効果が悪くなる。
【0017】本発明においては、放射線硬化型樹脂とし
て紫外線により硬化するエポキシ系化合物を用い、か
つ、光重合開始剤として、カチオン重合開始剤を少なく
とも含有していることが以下の理由により特に好まし
い。 酸素阻害が少ない。 硬化収縮が非常に少ない。 透明基体への密着性に優れている。特に、偏光フィ
ルムに使用される密着が困難なTACフィルムにも良好
な密着性を示す。また、該TACフィルムは偏光フィル
ムの製造においてけん化処理を必要とするが、このけん
化処理TACとも優れた密着性が達成される。これによ
ってけん化処理のコーティング面への侵食による防眩性
の低下も改善される。
【0018】前記エポキシ系化合物としては、テトラメ
チレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレング
リコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコー
ルジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジ
ルエーテル等のグリシジルエーテル、2−ヒドロキシ−
3−フェノキシプロピルアクリレート、ビスフェノール
A−ジエポキシ−アクリル酸付加物等のエポキシエステ
ルや、以下の化学式からなる脂環式エポキシ等のモノマ
ー及びオリゴマーをあげることができる。
【0019】
【化1】
【0020】光カチオン重合開始剤としては、以下の化
学式からなる化合物をあげることができる。なお、これ
ら化合物は各単体で用いても良く、複数混合で使用して
も良い。
【0021】
【化2】
【0022】光カチオン重合開始剤の配合量は、主剤に
対し、0.1〜5.0重量%の範囲が望ましい。この配
合量は0.1より少なくても、5.0より多くても紫外
線硬化は不十分である。
【0023】本発明においては、上記のように放射線硬
化型樹脂として紫外線で硬化可能なエポキシ系化合物を
用い、重合開始剤として光カチオン重合開始剤を用いる
ことが好ましいが、この場合、粘度、架橋密度、耐熱
性、耐薬品性など塗料及び塗工膜の特性をコントロール
するためには、紫外線で硬化可能なアクリル系化合物を
混合することが好ましい。このようなアクリル系化合物
としては、ラウリルアクリレート、エトキシジエチレン
グリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコ
ールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、テ
トラヒドロフルフリルアクリレート、イソボルニルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−
フェノキシアクリレート等の単官能アクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサン
ジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールアクリレート、ジペンタエリ
スリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパ
ンアクリル酸安息香酸エステル、トリメチロールプロパ
ン安息香酸エステル等の多官能アクリレート等のアクリ
ル酸誘導体、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−
ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチル
メタクリレート等の単官能メタクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、グリセリンジメタクリレート
等の多官能メタクリレート等のメタクリル酸誘導体、グ
リセリンジメタクリレートヘキサメチレンジイソシアネ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメ
チレンジイソシアネート等のウレタンアクリレート等の
モノマー及びオリゴマーをあげることができる。
【0024】前記放射線硬化型樹脂を使用した粗面化層
の硬化に伴う体積収縮率(下記方法より算出)は、20
%以下が望ましい。体積収縮率が20%より大きくなる
と、透明基体がフィルムの場合はカールが著しくなり、
また基材がガラス等リジットな材料系の場合は粗面化層
の密着性が低下する。
【0025】
【数1】体積収縮率:D=(S−S')/S×100 S:硬化前の比重 S':硬化後の比重 (比重はJIS K−7112のB法ピクノメーター法
により測定)
【0026】なお、本発明における粗面化層には、放射
線硬化型樹脂に対し、ハイドロキノン、p−ベンゾキノ
ン、t−ブチルハイドロキノン等の安定化剤(熱重合禁
止剤)を添加しても良い。添加量は、放射線硬化型樹脂
に対し、0.1〜5.0重量%の範囲が好ましい。
【0027】粗面化層に使用することのできる熱硬化型
樹脂としては、フェノール樹脂、フラン樹脂、キシレン
・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン・ホルムアルデヒド樹
脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、アルキ
ド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等を挙
げることができる。これらは単独もしくは複数混合して
使用しても良い。透明基体がプラスチックフィルムであ
る場合は、熱硬化温度を高く設定することができない。
特に、PET、TACを使用する場合には、使用する熱
硬化樹脂は、100℃以下で硬化できることが望まし
い。
【0028】粗面化層に用いられる硬化型樹脂の透明性
は高いほど良く、光線透過率(JIS C−6714)
としては、透明基体同様、80%以上、好ましくは90
%以上が好ましい。反射防止材料の透明性は該硬化型樹
脂の屈折率によって影響を受けるが、屈折率は、1.4
5〜1.70の範囲、特に、1.5〜1.65の範囲が
好ましく、この範囲を越えると反射防止効果が損なわれ
る。
【0029】(b)顔料 本発明の粗面化層には、樹脂フィラーとシリカを含有さ
せ、粗面化層表面を粗面化することで、耐摩耗性と反射
防止効果を向上させている。シリカは球状のものが適し
ており、球状シリカとしては、アンモニアを触媒として
アルコール溶液中でケイ酸エステルを加水分解する方法
で得たものや、水ガラスからイオン交換や透析などの処
理によって得たケイ酸を微小なシリカ粒子に付着させて
成長させたものなどを用いることができる。無機系の顔
料としてはシリカを単独で用いることが好ましいが、必
要に応じて、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、クレー、タルク、二酸化チタン等顔
料を用いることができる。この場合、併用される顔料の
平均粒子径はシリカの平均粒子径より小さい方が好まし
い。また、樹脂フィラーとしては、アクリル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、エポキシ樹脂、シリ
コン樹脂、ビーズ等有機系の透明または白色顔料等をあ
げることができる。特に、球状で給油性を示さない樹脂
フィラーが好ましく、球状のフィラーを用いることによ
って、粗面化層の表面から突出する部分がなだらかにな
り、油分等の汚れが付着し難くなるとともに付着した汚
れを拭い易くなる。
【0030】シリカによる耐摩耗性を高めるために、そ
の他のフィラーの平均粒子径よりシリカの平均粒子径が
大きくなるように設定することが望ましい。そのように
フィラーの粒子径を設定することにより、粗面化層から
シリカ粒子が突出して摩耗の原因となる指やペンとの接
触を負担し、シリカ以外の樹脂フィラー等で構成された
部分を保護する。また、シリカの割合はフィラー全体の
5〜70重量%、好ましくは10〜50重量%であるこ
とが望ましい。シリカの割合が5重量%未満では耐摩耗
性が悪くなり、70重量%を越えると耐汚染性が悪くな
り、更に、高精細ディスプレイに適用した時、画像ギラ
ツキが顕著になる。
【0031】このような顔料の粒子径D(JIS B9
921)は、0.5μm≦D≦6.0μmの範囲のもの
が60重量%以上、6.0μm<D≦10.0μmの範
囲のものが20重量%未満、10μm<D≦15.0μ
mの範囲のものが5重量%以下であることが望ましく、
15.0μmより大きいものが1重量%以下であればさ
らに好適である。さらに、15.0μmより大きい粒子
は、できれば含有されない(0%)ことが好ましく、特
に、0.5μm≦D≦6.0μmの範囲のものが80重
量%以上、6.0μm<D≦10.0μmの範囲のもの
が10重量%未満、10μm<D≦15.0μmの範囲
のものは全く含まないことが好ましい。0.5μm≦D
≦6.0μmの範囲にある顔料の重量%と、6.0μm
<D≦10.0μmの範囲にある顔料の重量%、さら
に、10μm<D≦15.0μmの範囲にある顔料の重
量%が、それぞれ60%未満、20%未満、5%未満の
場合は、ディスプレイの反射防止効果が悪くなり、6.
0μm<D≦10.0μmの範囲にある顔料が20重量
%以上もしくは、10μm<D≦15.0μmの範囲に
ある顔料が5重量%以上の場合は、ディスプレイの画像
にギラツキが発生する。顔料の配合量については、粗面
化層の全固形分比で、0.5〜30%の範囲が良い。特
に、1〜15%の範囲が好ましい。配合量が0.5%以
下では、反射防止効果が不充分となり、30%以上で
は、透明性、画像のコントラストが劣るばかりでなく、
耐摩耗性や耐環境性等の耐久性が悪くなる。また、顔料
の屈折率(JIS K−7142によるB法)は、硬化
型樹脂と同等であることが好ましい。顔料の屈折率が硬
化型樹脂の屈折率と異なる場合は、顔料と樹脂界面で光
が拡散し、透明性が損なわれる。硬化型樹脂と同等の屈
折率を有する顔料の例としては、有機系の樹脂フィラ
ー、特に、分散性に優れ、耐摩耗性も良好な架橋アクリ
ル樹脂ビーズが好適である。
【0032】架橋アクリル樹脂ビーズとしては、アクリ
ル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステ
ル、アクリルアミド、アクリルニトリル等のアクリル系
モノマーと過硫酸等の重合開始剤、エチレングリコール
ジメタクリレート等の架橋剤を用い、懸濁重合法等によ
り重合して得られる重合体及び共重合体からなる架橋ア
クリル樹脂ビーズが好適に使用できる。特にアクリル系
のモノマーとして、メチルメタクリレートを使用した構
成が好ましい。この様にして得られた架橋アクリル樹脂
ビーズは球状で吸油性を示さないことから、粗面化層に
使用した場合、優れた耐汚染性を発現できる。また、架
橋アクリル樹脂ビーズには、塗料の分散性を向上させる
ために油脂類、シランカップリング剤、金属酸化物等の
有機・無機材料による表面改質を行っても良い。
【0033】(c)粗面化層の製造方法 本発明において、透明基体の片面または両面に、直接或
は他の層を介して粗面化層を設ける方法としては、上記
で述べたUV硬化型樹脂中に、必要に応じて架橋アクリ
ル樹脂ビーズ等のフィラーや水或は有機溶剤を混合し、
これをペイントシェーカー、サンドミル、パールミル、
ボールミル、アトライター、ロールミル、高速インペラ
ー分散機、ジェットミル、高速衝撃ミル、超音波分散機
等によって分散して塗料またはインキとし、これをエア
ドクターコーティング、ブレードコーティング、ナイフ
コーティング、リバースコーティング、トランスファロ
ールコーティング、グラビアロールコーティング、キス
コーティング、キャストコーティング、スプレーコーテ
ィング、スロットオリフィスコーティング、カレンダー
コーティング、電着コーティング、ディップコーティン
グ、ダイコーティング等のコーティングやフレキソ印刷
等の凸版印刷、ダイレクトグラビア印刷、オフセットグ
ラビア印刷等の凹版印刷、オフセット印刷等の平版印
刷、スクリーン印刷等の孔版印刷等の印刷手法により透
明基体の片面もしくは両面上に単層もしくは多層に分け
て設け、溶媒を含んでいる場合は、熱乾燥工程を経て、
放射線(紫外線の場合、光重合開始剤が必要)照射等に
より塗工層もしくは印刷層を硬化させることによって得
る方法が挙げられる。なお、放射線が電子線による場合
は、コックロフトワルトン型、バンデグラフ型、共振変
圧型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、
高周波型等の各種電子線加速器から放出される50〜1
000KeVのエネルギーを有する電子線等が使用さ
れ、紫外線の場合は、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧
水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハラ
イドランプ等の光線から発する紫外線等が利用できる。
【0034】塗料、インクの塗工適性または印刷適性を
向上させるために、必要に応じ、シリコーンオイル等の
レベリング剤、ポリエチレンワックス、カルナバワック
ス、高級アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の油
脂、イソシアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシリ
カゾル、合成雲母等0.1μm以下の超微粒子等の添加
剤を適宜使用することができる。また、ディスプレイ表
面に静電的に付着するホコリ等の汚れを防止するために
帯電防止剤を添加しても良い。帯電防止剤は、上述の帯
電防止層で説明した材料がそのまま適用できる。
【0035】粗面化層の厚さは0.5〜10μmの範囲
が、好ましくは1〜5μmの範囲が良い。粗面化層が
0.5μmより薄い場合は、粗面化層の耐磨耗性が劣化
したり、紫外線硬化型樹脂を使用した場合など、酸素阻
害により硬化不良を起こす。10μmより厚い場合は、
樹脂の硬化収縮によりカールが発生したり、粗面化層に
マイクロクラックが発生したり、さらに、透明基体との
密着性が低下したりする。
【0036】C.表面層 本発明では粗面化層の表面に表面層を設けると反射防止
性能がさらに向上される。本発明では粗面化層の耐摩耗
性が高いため、その表面に設けられた表面層の耐摩耗性
も向上し、長期に渡って表面層の機能を維持することが
できる。表面層は、以下に述べる低屈折率層だけでも良
いが、低屈折率層と粗面化層の間に高屈折率層を設ける
と好適である。以下、高屈折率層と低屈折率層について
説明する。
【0037】(a)低屈折率層 本発明においては、より優れた反射防止機能を得るため
に、粗面化層上に低屈折率層を設けることが好適であ
り、特に、粗面化層上に高屈折率層を介してこれよりも
屈折率の小さい低屈折率層を設けて2層構成の表面層を
設けることが好ましい。以下、低屈折率層について説明
する。低屈折率層の組成は特に限定されるものではない
が、その臨海表面張力が20dyne/cm以下となる
ように構成されることが好ましい。臨界表面張力が20
dyne/cmより大きい場合は、低屈折率層に付着し
た汚れが取れにくくなる。また、反射防止効果を向上さ
せるためには、低屈折率層の屈折率は、1.45以下で
あることが好ましい。これらの特徴を有する材料として
は、例えばLiF(屈折率n=1.4)、MgF2(n
=1.4)、3NaF・AlF3(n=1.4)、Al
3(n=1.4)Na3AlF6(n=1.33)Si
2(n=1.45)等の無機材料を微粒子化し、アク
リル系樹脂やエポキシ系樹脂等に含有させた無機系低反
射材料、フッ素系、シリコーン系の有機化合物、熱可塑
性樹脂、熱硬化型樹脂、放射線硬化型樹脂等の有機低反
射材料を挙げることができる。その中で、特に、フッ素
系の含フッ素材料が汚れ防止の点において好ましい。
【0038】前記含フッ素材料としては、有機溶剤に溶
解し、その取り扱いが容易であるフッ化ビニリデン系共
重合体や、フルオロオレフィン/炭化水素オレフィン共
重合体、含フッ素エポキシ樹脂、含フッ素エポキシアク
リレート、含フッ素シリコーン、含フッ素アルコキシシ
ラン、さらに、TEFRON AF1600(デュポン
社製、n=1.30)、CYTOP(旭硝子(株)社
製、n=1.34)、17FM(三菱レーヨン(株)社
製、屈折率n=1.35)、オプスターJN−7212
(日本合成ゴム(株)社製、n=1.40)、LR20
1(日産化学工業(株)社製、n=1.38)等を挙げ
ることができる。これらは単独でも複数組み合わせて使
用することも可能である。
【0039】また、2−(パーフルオロデシル)エチル
メタクリレート、2−(パーフロロ−7−メチルオクチ
ル)エチルメタクリレート、3−(パーフロロ−7−メ
チルオクチル)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、2−(パーフロロ−9−メチルデシル)エチルメタ
クリレート、3−(パーフロロ−8−メチルデシル)2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート等の含フッ素メタ
クリレート、3−パフロロオクチル−2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチ
ルアクリレート、2−(パーフルオロ−9−メチルデシ
ル)エチルアクリレート等の含フッ素アクリレート、3
−パーフルオロデシル−1,2−エポキシプロパン、3
−(パーフロロ−9−メチルデシル)−1,2−エポキ
シプロパン等のエポキサイド、エポキシアクリレート等
の放射線硬化型の含フッ素モノマー、オリゴマー、プレ
ポリマー等を挙げることができる。これらは単独もしく
は複数種類混合して使用することも可能である。
【0040】さらに、5〜30nmのシリカ超微粒子を
水もしくは有機溶剤に分散したゾルとフッ素系の皮膜形
成剤を混合した材料を使用することもできる。該5〜3
0nmのシリカ超微粒子を水もしくは有機溶剤に分散し
たゾルは、ケイ酸アルカリ塩中のアルカリ金属イオンを
イオン交換等で脱アルカリする方法や、ケイ酸アルカリ
塩を鉱酸で中和する方法等で知られた活性ケイ酸を縮合
して得られる公知のシリカゾル、アルコキシシランを有
機溶媒中で塩基性触媒の存在下に加水分解と縮合するこ
とにより得られる公知のシリカゾル、さらには上記の水
性シリカゾル中の水を蒸留法等により有機溶剤に置換す
ることにより得られる有機溶剤系のシリカゾル(オルガ
ノシリカゾル)が用いられる。これらのシリカゾルは水
系及び有機溶剤系のどちらでも使用することができる。
有機溶剤系シリカゾルの製造に際し、完全に水を有機溶
剤に置換する必要はない。前記シリカゾルはSiO2
して0.5〜50重量%濃度の固形分を含有する。シリ
カゾル中のシリカ超微粒子の構造は球状、針状、板状等
様々なものが使用可能である。
【0041】また、被膜形成剤としては、アルコキシシ
ラン、金属アルコキシドや金属塩の加水分解物や、ポリ
シロキサンをフッ素変性したものなどを用いることがで
きる。上記のような被膜形成剤を用いることにより、低
屈折率層の臨界表面張力が低下して油分の付着を抑制す
ることができる。本発明において低屈折率層は、上記で
述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコーター、ロ
ールコーター、印刷等の方法で粗面化層上または高屈折
率層上に設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上
述の光重合開始剤を使用する)等により硬化させること
によって得ることができる。放射線硬化型の含フッ素モ
ノマー、オリゴマー、プレポリマーは耐汚染性には優れ
ているが、ヌレ性が悪いため、組成によっては粗面化層
又は高屈折率層上で低屈折率層をはじくという問題や、
低屈折率層が粗面化層又は高屈折率層から剥がれるとい
う問題が生じるおそれがあるため、粗面化層に使用する
前述の放射線硬化型樹脂として説明した、アクリロイル
基、メタアクリロイル基、アクリロイルオキシ基、メタ
アクリロイルオキシ基等重合性不飽和結合を有するモノ
マー、オリゴマー、プレポリマーを適宜混合し、使用す
ることが望ましい。なお、透明基体がTAC、PET等
樹脂フィルムの場合は、熱によるダメージを受けやすい
ことから、低屈折率層の材料は、放射線硬化型樹脂が好
ましい。
【0042】低屈折率層はこれらの材料を用い、ロール
コーティングや印刷等によるウェットコーティング法
や、真空蒸着、スパッタリング、プラズマCVD、イオ
ンプレーティング等による気相法により、高屈折率層上
に設けられる。ウェットコーティング法で設ける場合
は、塗工適性または印刷適性を向上させるために、必要
に応じ、粗面化層同様、シリコーンオイル等のレベリン
グ剤、ポリエチレンワックス、カルナバワックス、高級
アルコール、ビスアマイド、高級脂肪酸等の油脂、イソ
シアネート等の硬化剤、炭酸カルシウムやシリカゾル、
合成雲母等0.05μm以下の超微粒子等の添加剤を適
宜使用することができる。
【0043】低屈折率層が良好な反射防止機能を発揮す
るための厚さについては、公知の計算式で算出すること
ができる。公知の文献(サイエンスライブラリ、物理学
9「光学」70〜72頁)によれば、入射光が低屈折率
層に垂直に入射する場合に、低屈折率層が光を反射せ
ず、かつ100%透過するための条件は次の関係式を満
たせば良いとされている。なお、式中N0は低屈折率層
の屈折率、Nsは下層の屈折率、hは低屈折率層の厚
さ、λ0は光の波長を示す。
【0044】
【数2】N0=Ns1/2 式(1) N0h=λ0/4 式(2)
【0045】前記(1)式によれば、光の反射を100
%防止するためには、低屈折率層の屈折率が下層(粗面
化層又は高屈折率層)の屈折率の平方根になるような材
料を選択すればよいことが分かる。但し、実際は、この
数式を完全に満たす材料は見出し難く、限りなく近い材
料を選択することになる。前記(2)式では(1)式で
選択した低屈折率層の屈折率と、光の波長から低屈折率
層の反射防止膜としての最適な厚さが計算される。たと
えば、高屈折率層、低屈折率層の屈折率をそれぞれ1.
50、1.38、光の波長を550nm(視感度の基
準)とし、これらの値を前記(2)式に代入すると、低
屈折率層の厚さは0.1μm前後の光学膜厚、好ましく
は0.10±0.01μmの範囲が最適であると計算さ
れる。このように、低屈折率層は極めて薄く、そして極
めて均一に設ける必要がある(厚さの面内バラツキは高
屈折率層との干渉により、色ムラになる)。よって、低
屈折率層を設ける方法としては、スパッタリング、蒸
着、CVD、イオンプレーティング等の気相法が好まし
い。
【0046】また、ディスプレイ表面に静電的に付着す
るホコリ等の汚れを防止するために帯電防止剤を低屈折
率層に添加したり、もしくは低屈折率層上に静電防止層
を設けても良い。帯電防止剤は、前述の帯電防止層で説
明した材料がそのまま適用できる。
【0047】(b)高屈折率層 高屈折率層は、前記粗面化層の表面に直接あるいは接着
剤層など他の層を介して設けられる。屈折率を高くする
ためには高屈折率を持つバインダー樹脂を使用するか、
高い屈折率を有する超微粒子をバインダー樹脂に添加す
ることによって行うか、あるいはこれらを併用すること
によって行う。高屈折率層の屈折率は粗面化層より必ず
高く、1.55〜2.70の範囲にあることが好まし
い。屈折率が粗面化層より低い場合、もしくは前記範囲
外の場合は、反射防止効果が損なわれる。
【0048】高屈折率層に用いる樹脂は、透明なもので
あれば任意であり、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂、放射
線(紫外線を含む)硬化型樹脂などを用いることができ
る。熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレー
ト樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ア
ミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、グア
ナミン樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等を用いる
ことができ、これらの樹脂に、必要に応じて架橋剤、重
合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等
を加えることができる。
【0049】放射線硬化型樹脂としては、ポリエステル
樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂、アルキッド樹脂、ポリブタジエン樹脂、スピロール
アセタール樹脂、ウレタン樹脂、多価アルコール等の多
官能化合物の(メタ)アクリレート等のオリゴマーまた
はプレポリマーおよび反応性希釈剤としてエチル(メ
タ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、スチレン、メチルスチレン、N−ビニル
ピロリドン等の単官能モノマー及び多官能モノマー等を
用いることができる。
【0050】上記樹脂を紫外線硬化型樹脂として用いる
場合には、光重合開始剤として、アセチフェノン類、ベ
ンゾフェノン類、α−アミロキシムエステル、ミヒラー
ベンゾイルベンゾエート、テトラメチルチウラムモノサ
ルファイド、チオキサントン類や、光増感剤としてn−
ブチルアミン、トリエチルアミンなどを混合して用いる
ことができる。
【0051】上記樹脂を高屈折率とするためには、芳香
環やBr、I、Cl等のハロゲン化元素を含むものを選
定する。芳香環を含む樹脂の例としては、ポリスチレン
等のスチロール樹脂、PET、ビスフェノールAのポリ
カーボネート等が挙げられる。また、ハロゲン化元素を
含む樹脂の例としては、ポリ塩化ビニル、ポリテトラブ
ロモビスフェノールAグリシジルエーテル等が挙げられ
る。また、S、N、P等を含む樹脂も高屈折率であり、
例えば、ポリビニルピリジン、ポリビスフェノールSグ
リシジルエーテル等が挙げられる。
【0052】高屈折超微粒子としては、たとえば、Zn
O(屈折率n=1.9)、TiO2(n=2.3〜2.
7)、CeO2(n=1.95)の微粒子を含有させる
ことで、紫外線遮蔽の効果を得ることができる。また、
アンチモンがドープされたSnO2(n=1.95)ま
たはITO(n=1.95)の微粒子を含有させること
により、帯電防止効果が付与されて埃の付着を防止する
ことができる。その他の微粒子としては、Al23(n
=1.63)、La23(n=1.95)、ZrO
2(n=2.05)、Y23(n=1.87)等を挙げ
ることができる。これらの超微粒子は単独または混合し
て使用され、有機溶剤または水に分散したコロイド状に
なったものが分散性の点において良好であり、その粒径
としては、1〜100nm、塗膜の透明性から好ましく
は、5〜20nmであることが望ましい。
【0053】高屈折率層を粗面化層上に直接設けるに
は、上記で述べた材料を例えば溶剤に希釈し、スピンコ
ーター、ロールコーター、印刷等の方法で粗面化層上に
設けて乾燥後、熱や放射線(紫外線の場合は上述の光重
合開始剤を使用する)等により硬化させれば良い。ま
た、その際には、乾燥後の高屈折率層の厚さが0.05
〜0.15μmとなるように塗工厚さを調節する。高屈
折率層の厚さがこの範囲外となる場合は、反射防止の効
果が損なわれるおそれがある。
【0054】このようにして作製した本発明の反射防止
材料のJIS K7105によるHAZE値は、3〜3
0の範囲、特に好ましくは5〜15の範囲であることが
好ましい。この場合、この値が3未満では、光拡散の効
果が少なくそれ程大きな反射防止効果を得ることができ
ない。一方、HAZE値が30を超えると、画像コント
ラストが悪く視認性不良となり、ディスプレイとしての
機能低下を招くことから好ましくない。なお、HAZE
値とは、曇価を意味するものであり、積分球式光線透過
率測定装置を用いて、拡散透過率(Hd%)と全光線透
過率(Ht%)を測定し、下記式にて算出する。
【0055】
【数3】HAZE値=Hd/Ht×100
【0056】また、表面粗さは、Ra;0.03〜0.
30μm、Sm;10〜50μm、好ましくは15〜2
5μmの範囲が良い。Raが0.03μmより小さい場
合は、光拡散性の低下に伴い、防眩性が悪くなる。0.
30μmより大きい場合は、HAZEが高くなり画像コ
ントラストが悪くなる。Smが10μmより小さい場合
は、防眩性が悪くなる。50μmより大きい場合は、画
像のギラツキがひどくなる。
【0057】(2)偏光フィルムの内容 上記構成の反射防止材料をフィルム状の偏光基体の片面
に設けることにより、偏光フィルムを構成することがで
きる。また、偏光基体の他方の面に保護材を積層するこ
とも可能である。以下、本発明の偏光フィルムの詳細に
ついて説明する。
【0058】A.偏光基体 偏光基体は、透明フィルムを形成できる材料で構成さ
れ、具体的には、ポリビニルアルコール、ポリビニレン
等が使用できる。そして、このような材料を延伸させて
フィルム化することにより偏光基体を得ることができ
る。例えば、2色性素子として沃素または染料を吸着さ
せたポリビニルアルコールを一軸延伸して得られたポリ
ビニルアルコール(PVA)フィルムを用いることが好
ましい。偏光基体は10〜80μmの厚みを有するもの
が使用される。具体的には、PVAフィルムを一軸方向
に3〜4倍程度延伸し、高次の沃素イオン中に延伸した
PVAフィルムを含浸させることにより偏光基体を得る
ことができる。
【0059】B.透明基体及び保護材 上記で得られるPVAフィルムは、強度等が不足してい
ることから、裂け易く、湿度変化に対して収縮率が大き
いという欠点を有していることから、偏光基体の両面に
透明基体及び保護材がそれぞれ積層される。これらは偏
光基体の両面に、ポリエステル系接着剤、ポリアクリル
系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接
着剤等により接着される。
【0060】透明基体には、前述した材料が用いられ、
保護材としては、透明な高分子化合物のフィルム、例え
ば、TAC等のセルロース系フィルム、ポリエステルフ
ィルム、ポリカーボネートフィルム等が使用される。そ
の中でも特にTACが好ましい。これらのフィルムの厚
さは10〜2000μmが好ましい。また、これらのフ
ィルムには特にほう酸等のゲル化剤を使用したり、熱処
理やホルマール化を行うことによって、フィルムの耐水
性を向上させることが好ましい。また、偏光基体との密
着性を向上させるために、偏光基体との接着面の表面エ
ネルギーが50dyne/cm以上になるように、けん
化処理やコロナ処理等の表面処理を行うことが好まし
い。
【0061】以下図面を用いて、本発明の反射防止材料
と偏光フィルムをさらに詳細に説明する。図1は、本発
明の反射防止材料の構成を示す概略断面図であり、反射
防止材料10は、透明基体11の片面上に粗面化層12
を有する構成である。なお、粗面化層12の表面には高
屈折率層および低屈折率層からなる表面層が形成されて
いるが、表面層は極めて薄いために図示を省略している
(以下においても同じ)。図2は、本発明の偏光フィル
ム20の構成を示す概略断面図であり、偏光基体24の
片面に、透明基体21と粗面化層22とを有する反射防
止材料23が設けられ、偏光基体24の他の面に保護材
25が設けられていることを示している。
【0062】図3は本発明の反射防止材料により防眩性
を改善した液晶表示体30の構成を示している。この液
晶表示体30は、上面の液晶パネル31と下面の導光板
装置(EL)やランプ等の背面光源32とを積層して形
成されている。液晶パネル31には、例えば、ツイステ
ッドネマチック(TN)液晶セルなどが使用可能であ
る。
【0063】TN液晶セルは、所望のパターンからなる
透明電極付きの2枚のガラス基板33,34の透明電極
面33'、及び34'上に、ポリイミドの溶液を塗布して
配向膜を形成し、これをラビング操作により配向させ、
その後、このガラス基板33,34間にネマチック液晶
35を注入し、ガラス基板33,34周辺部をエポキシ
樹脂等で封着することにより形成される。このネマチッ
ク液晶35は、配向膜の作用により90゜捻れ配向す
る。このようなTN液晶セルの2枚のガラス基板33,
34の背面光源とは反対側には、図2に示される粗面化
層22を有する反射防止材料23と保護材25とで偏光
基体24の両面を保護された偏光フィルム36を、ま
た、その背面光源側には、粗面化層のない偏光フィルム
37を、偏光角度が互いに90゜捻れるように貼ること
で液晶パネル31が形成される。
【0064】上記TN液晶パネル31の透明電極に駆動
信号を印加すると信号が印加された電極間には電界が発
生する。その際、液晶分子の持つ電子的異方性により、
液晶分子の長軸が電界方向と平行になるため、液晶分子
による光の旋光性が失われることとなり、その結果、液
晶パネルには光が透過しない状態となる。画像の表示は
この時の光透過の差に基づくコントラストにより視覚情
報として認識される。上記液晶表示体30においては、
液晶パネル31に透過させ、液晶パネル31の光の透過
する部分と透過しない部分にコントラストを持たせるこ
とにより画像表示を可能とするものである。
【0065】図4は、本発明の反射防止材料10を使用
した他の液晶表示体の構成を示す断面図である。図4に
おいて、液晶パネル41は、2枚のガラス基板43、4
4及びその間に介在するネマチック液晶45と、ガラス
基板43,44の外側に位置する粗面化層を有しない上
部の偏光フィルム46、粗面化層を有しない下部の偏光
フィルム47及び該上部の偏光フィルム46の上に積層
された反射防止材料10より構成されている。また、液
晶表示体40は、液晶パネル41とその下面に位置する
背面光源32を積層して形成されている。
【0066】
【実施例】本発明を実施例によってさらに詳細に説明す
る。なお、以下の説明において「部」は「重量部」を意
味するものとする。 <実施例1>まず、シリカ、架橋アクリル樹脂ビーズお
よび溶剤の混合物をサンドミルにて30分間分散するこ
とによって得られた下記分散液と、下記ベース塗料をデ
ィスパーにて15分間撹拌、混合した塗料を、膜厚80
μm、透過率92%からなる透明基体のトリアセチルセ
ルロース(商品名:富士タックUVD80、富士写真フ
ィルム社製、屈折率1.49)の片面上に、リバースコ
ーティング方式にて塗布し、100℃で2分間乾燥後、
UVランプ出力120w/cmの集光型高圧水銀灯1灯
を用いて、照射距離(ランプ中心から塗工面までの距
離)10cm、処理速度(塗工基体側のUVランプに対
する速度)5m/分でUV照射を行い、塗工膜を硬化さ
せた。このようにして、厚さ2.3μm、屈折率1.5
3の粗面化層を形成した。この反射防止材料のHAZE
値は8.48、光線透過率は91.34%であった。
【0067】 [分散液の配合] ・球状シリカ 4部 (商品名:UNKハイプレシカFQ N3N 粒径4μm、屈折率1.40 宇部日東化成社製) ・架橋アクリル樹脂ビーズ (商品名:MX150 粒径1.5±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 4部 (商品名:MX220 粒径2.2±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 4部 ・トルエン 110部 ・イソプロピルアルコール 100部
【0068】 [ベース塗料の配合] ・アクリル系化合物 ジペンタエリストリールトリアクリレート 44部 ・エポキシ系化合物 (商品名:セロキサイト2021 ダイセル化学工業社製) 45部 ・下記化学式の光カチオン重合開始剤 2部
【0069】
【化3】 ・イソプロピルアルコール 5部
【0070】<実施例2>粗面化層の組成を下記に変更
した以外は実施例1と同様にして、本発明の反射防止材
料を得た。この反射防止材料のHAZE値は12.3
0、光線透過率は90.83%であり、粗面化層の厚さ
は3.8μm、屈折率は1.53であった。
【0071】 [分散液の配合] ・球状シリカ (商品名:UNKハイプレシカFQ N3N 粒径3μm、屈折率1.40 宇部日東化成社製) 1部 (商品名:UNKハイプレシカFQ N3N 粒径4μm、屈折率1.40 宇部日東化成社製) 2部 ・架橋アクリル樹脂ビーズ (商品名:MX150 粒径1.5±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 2部 (商品名:MX220 粒径2.2±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 1部 ・トルエン 100部 ・イソプロピルアルコール 100部
【0072】 [ベース塗料の配合] ・アクリル系化合物 トリペンタエリスリトールポリアクリレート 45部 ・エポキシ系化合物 45部 (商品名:サイラキュアUVR−6110 ユニオンカーバイド社製) ・光カチオン重合開始剤 2部 (商品名:サイラキュアUVI−6990 ユニオンカーバイド社製) ・イソプロピルアルコール 5部
【0073】<実施例3>粗面化層の分散液、ベース塗
料を下記に変更した以外は実施例1と同様にして、本発
明の反射防止材料を得た。この反射防止材料のHAZE
値は16.27、光線透過率は90.90%であり、粗
面化層の厚さは2.8μm、屈折率は1.55であっ
た。
【0074】 [分散液の配合] ・球状シリカ (商品名:ハイプレシカ FQ 粒径2.0±0.1μm、屈折率1.45 宇部日東化成社製) 3部 (商品名:ハイプレシカ UF 粒径4.0±0.1μm、屈折率1.43 宇部日東化成社製) 4部 ・架橋アクリル樹脂ビーズ (商品名:MX150 粒径1.5±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 2部 (商品名:MX220 粒径2.2±0.5μm、屈折率1.50 綜研化学社製) 2部 ・トルエン 210部
【0075】 [ベース塗料の配合] ・アクリル系化合物 テトラペンタエリスリトールポリアクリレート 15部 ネオペンチルグリコールジアクリレート 30部 ・エポキシ系化合物 45部 (商品名:エピコート828 油化シェルエポキシ社製) ・光カチオン重合開始剤 2部 (商品名:サイラキュアUVI−6990 ユニオンカーバイド社製) ・イソプロピルアルコール 5部
【0076】(比較例1)分散液とベース塗料を下記に
変更した以外は実施例1と同様にし、厚さ3.2μm、
屈折率1.52の粗面化層を形成し、表面層は設けず、
HAZE値16.50、光線透過率89.17%である
比較用の反射防止材料を得た。
【0077】 [分散液の配合] ・架橋アクリル樹脂ビーズ (商品名:MX150 粒子径1.5μm±0.5、綜研化学社製) 2部 (商品名:MX220 粒子径2.2μm±0.5、綜研化学社製) 2部 (商品名:MX300 粒子径3.0μm±0.5、綜研化学社製) 2部 ・トルエン 200部
【0078】 [ベース塗料の配合] ・アクリル系化合物 1,6ヘキサンジオールジメタクリレート 45部 ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアネート 45部 ・光重合開始剤 5部 (商品名:イルガキュア 184 チバガイギー社製) ・イソプロピルアルコール 10部
【0079】(比較例2)比較例1の架橋アクリル樹脂
ビーズを以下の球状シリカにした以外は比較例1と同様
にして、厚さ3.0μ、屈折率1.53の粗面化層を形
成し、HAZE値21.74、光線透過率90.44%
の比較用の反射防止材料を得た。
【0080】 ・球状シリカ (商品名:ハイプレシカ FQ 粒径2.0±0.1μm、屈折率1.45 宇部日東化成社製) 3部 (商品名:ハイプレシカ FQ 粒径3.0±0.1μm、屈折率1.45 宇部日東化成社製) 3部 (商品名:ハイプレシカ UF 粒径4.0±0.1μm、屈折率1.43 宇部日東化成社製) 4部
【0081】前記反射防止材料10を用い、図2に示さ
れる構成の偏光フィルム20を作製した。次いで、前記
偏光フィルム20を図3に示されるようにガラス基盤3
3に貼り付け、液晶表示体30を得た。なお、これらの
各液晶表示体30の画像サイズは10.4インチとし、
解像度は800×600ドットとして、下記方法によっ
て、画像コントラストの評価を行った。
【0082】画面コントラストはJIS C7072 1
988に於ける液晶表示パネルのコントラスト比(C
R)測定方法に準拠し、評価した。画像コントラストの
評価における光源60−液晶パネル61−測光器62の
位置関係を図5に示す。この場合、光源60と液晶パネ
ル61との間は例えば1cm、液晶パネル61と測光器
との間は50cm、測光器の開口角は5゜に設定した。
なお、光源には5WのELを使用し、測光器にはミノル
タカメラ社製のLS−100を使用した。CRが4以上
の場合を◎、同、3以上で4未満の場合を○、同、2以
上〜3未満の場合を△、同、2未満を×とした。
【0083】防眩性はスガ試験機社製の写像性測定器I
CM−1DP(JIS K7105)を使用、透過モー
ドで、光学くし幅2mmで測定した。測定値が小さいほ
ど防眩性が高い。ここでは、50%未満を○、50%以
上、70%未満を△、70%以上を×として評価した。
画像ギラツキは防眩性の評価と同じ測定器を使用し、透
過モードで、光学くし幅0.125mmで測定した。測
定値が大きいほど画像ギラツキが少ない。ここでは、1
0%以上を○、5%以上、10%未満を△、5%未満を
×とした。反射率は分光光度計UV3100(島津製作
所社製)を使用し、波長領域400〜700nmの範囲
の5゜の正反射を測定、JIS Z8701に従い、視
感度補正したY値で表した。なお、測定は非測定面を黒
マジックで完全に黒塗りし、行った。
【0084】耐摩耗性は日本スチールウール社製のスチ
ールウール#0000を板紙耐摩耗試験機(熊谷理機工
業社製)に取り付け、反射防止材料の表面層面を荷重2
00gにて50回往復させる。その後、その部分のHA
ZE値の変化δH(下記計算に基づく)を東洋精機社製
HAZEメーターで測定した。測定値が大きいほど耐摩
耗性が悪い。なお、HAZE値の測定は反射防止材料単
体で行った。HAZE値変化δH=試験後のHAZE値
−試験前のHAZE値
【0085】耐薬品性は、表面層面をイソプロピルアル
コールを含ませた綿棒(ジョンソン社製)で、50往復
擦った後に、粗面化層に剥がれ等著しい変化があった場
合を×、変化がない場合を○、その中間を△として評価
した。耐汚染性は、表面層面に菜種油をスポイトで1
滴、滴下した後、滴下した菜種油をリグロインを含ませ
た旭化成社製のベンコットで20往復ラビングする。さ
らにその後、拭き取った面のSEM写真を撮影、面の傷
やベンコットの繊維の付着の有無を確認した。粗面化層
に傷やベンコットの繊維の付着が顕著に認められる場合
を×、全く変化がない場合を○、その中間を△とした。
以上の評価結果を表1に示す。
【0086】
【表1】
【0087】表1の結果から明らかなように、本発明の
反射防止材料は、耐摩耗性は勿論のこと画像コントラス
トやギラツキ防止などの反射防止性能のいずれにおいて
も良好な特性が得られている。これに対して比較例1で
は、フィラーがアクリル樹脂ビーズのみであるために耐
摩耗性に劣り、比較例2では、フィラーがシリカのみで
あるために反射防止性能が劣る結果となった。
【0088】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、デ
ィスプレイへの太陽光及び蛍光灯等の外部光の映り込み
を防止することにより優れた反射防止性を発揮し、画像
コントラストを低下させることなく、ギラツキ等のない
鮮明な画像を得ることができるとともに、光学的に安定
で優れた耐薬品性を示し、かつ、優れた耐摩耗性を示す
反射防止材料と偏光フィルムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の反射防止材料の構成を示す概略断面
図である。
【図2】 本発明の反射防止材料を使用した偏光フィル
ムの構成を示す概略断面図である。
【図3】 反射防止材料を使用した偏光フィルムを具備
する液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
【図4】 反射防止材料を使用した偏光フィルムを具備
する他の液晶表示体の構成を示す概略断面図である。
【図5】 画像コントラストの測定装置の配置図を示す
概略図である。
【符号の説明】
10…反射防止材料、11…透明基体、12…粗面化
層、20…粗面化層付偏光フィルム、21…透明基体、
22…粗面化層、23…第1の保護材、24…偏光基
体、25…第2の保護材、30…液晶表示体、31…液
晶パネル、32…背面光源、33,34…ガラス基盤、
33´,34´…透明電極面、35…ネマチック液晶、
36…偏光フィルム、40…液晶表示体、41…液晶パ
ネル、42…背面光源、43,44…ガラス基盤、45
…ネマチック液晶、46,47…偏光フィルム、60…
光源、61…液晶パネル、62…測光器。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02B 5/30 G02B 5/30 G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 G09F 9/00 318 G09F 9/00 318A H01J 5/16 H01J 5/16 // B05D 7/24 303 B05D 7/24 303B

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基体の片面もしくは両面に、直接或
    は他の層を介して、粗面化層を設けた反射防止材料にお
    いて、前記粗面化層が少なくともシリカと樹脂フィラー
    との2種類の顔料を含有していることを特徴とする反射
    防止材料。
  2. 【請求項2】 前記シリカの平均粒子径が樹脂フィラー
    の平均粒子径より大きいことを特徴とする請求項1に記
    載の反射防止材料。
  3. 【請求項3】 前記シリカの割合が顔料全体の5〜70
    重量%であることを特徴とする請求項1〜2のいずれか
    に記載の反射防止材料。
  4. 【請求項4】 前記顔料の粒子径Dは15.0μm以下
    で、かつ、0.5μm≦D≦6.0μmの範囲の粒子が
    60重量%以上、6.0μm<D≦10.0μmの範囲
    の粒子が20重量%未満、10.0μm<D≦15.0
    μmの範囲の粒子が5重量%以下である粒度分布を有す
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射
    防止材料。
  5. 【請求項5】 前記シリカ及び樹脂フィラーのいずれも
    が球状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    に記載の反射防止材料。
  6. 【請求項6】 前記樹脂フィラーが架橋アクリル樹脂ビ
    ーズであることを特徴とする請求項5に記載の反射防止
    材料。
  7. 【請求項7】 前記粗面化層の表面に、粗面化層よりも
    屈折率が小さい表面層を設けたことを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の反射防止材料。
  8. 【請求項8】 前記表面層は、前記粗面化層側の高屈折
    率層と、この高屈折率層よりも屈折率が小さい低屈折率
    層からなることを特徴とする請求項7に記載の反射防止
    材料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれかに記載の反射防
    止材料の前記透明基体の前記粗面化層が設けられていな
    い他方の面に、偏光基体を介して保護材を積層したこと
    を特徴とする偏光フィルム。
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