JP2003094588A - ハードコートフィルム - Google Patents

ハードコートフィルム

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JP2003094588A
JP2003094588A JP2001286888A JP2001286888A JP2003094588A JP 2003094588 A JP2003094588 A JP 2003094588A JP 2001286888 A JP2001286888 A JP 2001286888A JP 2001286888 A JP2001286888 A JP 2001286888A JP 2003094588 A JP2003094588 A JP 2003094588A
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hard coating
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JP2001286888A
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English (en)
Inventor
Mitsunori Maruyama
光則 丸山
Kunito Kajitani
邦人 梶谷
Teruo Onuma
輝雄 大沼
Takaaki Kato
孝昭 加藤
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Kimoto Co Ltd
Original Assignee
Kimoto Co Ltd
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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚れの付着を防止する性能が溶剤を染み込ま
せたティッシュペーパー等によってその表面を拭いても
失われることがなく長期にわたって持続するという、防
汚持続性に優れるハードコート表面を有するハードコー
トフィルムを提供する。 【解決手段】 高分子フィルムの少なくとも一方の表面
にハードコート層、防汚層をこの順に設けたハードコー
トフィルムであって、前記ハードコート層がヘキサメト
キシメチルメラミンを含有してなるものであり、前記防
汚層がシランカップリング剤を添加した付加反応型シリ
コーン組成物を硬化させてなるものであって、前記シラ
ンカップリング剤として分子中にエポキシ基を有するγ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが含まれて
いるものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透明タッチパネル
等に好適なハードコートフィルムに関し、特にハードコ
ートフィルムの表面の防汚持続性に優れるハードコート
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、画像表示素子として液晶表示装置
が注目され、その用途の一つとして、携帯用の電子手
帳、情報端末などへの応用が期待されている。これらの
携帯用の電子手帳、情報端末などの入力装置としては、
液晶表示素子の上に透明タッチパネルを載せたもの、特
に価格などの点から抵抗膜方式のタッチパネルが一般的
に用いられている。
【0003】このタッチパネルは、その名の通り人の指
等によって表示画面を触れる(タッチする)ことによっ
て画面表示内容に対して選択を行ったりすることができ
る、いわゆる双方向インターフェース装置として注目さ
れているものである。
【0004】そしてこのようなタッチパネルの表面部材
としてハードコートフィルムが用いられているが、ここ
で用いられているハードコートフィルムの表面は、必ず
しも指先の油等の汚れが付着するのを防止する性能に十
分ではない。そこで、ハードコート層に防汚剤を混合し
たり又はハードコート層の表面に防汚剤を塗布したりす
ることで、ハードコート層の表面に指先の油等の汚れが
付着するのを防止する処理を施したハードコートフィル
ムも見受けられる。
【0005】しかし、そのような処理を施したハードコ
ートフィルムであっても、そもそも完全にそのような油
等の汚れが付着するのを防止することは不可能であり、
その表面に付着した汚れを溶剤等を染み込ませたティッ
シュペーパー等によって拭き取ることがあるため、その
拭き取り作業によってそのような処理が容易に脱落して
しまって効果が持続し難いという問題点を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、以
上のような問題点を解決するためになされたものであっ
て、そのハードコートフィルム表面における汚れの付着
を防止する性能(防汚性)が、溶剤を染み込ませたティ
ッシュペーパー等によってその表面を拭いても失われる
ことがなく長期にわたって持続することができる性能
(以下「防汚持続性」という。)に優れるハードコート
フィルムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
このような目的を達成するために鋭意研究を重ねた結
果、特定の化合物を含有するハードコート層と、特定の
シランカップリング剤を添加してなる特定のシリコーン
組成物を硬化させた防汚層を、高分子フィルム表面にこ
の順に積層することによって、表面硬度に優れると共に
防汚持続性にも優れるようにすることができることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0008】即ち、本発明のハードコートフィルムは、
高分子フィルムの少なくとも一方の表面にハードコート
層、防汚層をこの順に設けたハードコートフィルムであ
って、前記ハードコート層がメラミン系化合物を含有し
てなるものであり、前記防汚層がシランカップリング剤
を添加した付加反応型シリコーン組成物を硬化させてな
るものであって、前記シランカップリング剤として分子
中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物が
含まれていることを特徴とするものである。
【0009】また、本発明のハードコートフィルムは、
前記アルコキシシラン加水分解物がγ−グリシドキシプ
ロピルトリメトキシシランであることを特徴とするもの
である。
【0010】また、本発明のハードコートフィルムは、
前記ハードコート層が電離放射線硬化型樹脂を含有して
なるものであることを特徴とするものである。
【0011】また、本発明のハードコートフィルムは、
前記メラミン系化合物がヘキサメトキシメチルメラミン
であることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明のハードコートフィ
ルムについて、詳細に説明する。
【0013】本発明のハードコートフィルムは、高分子
フィルムの少なくとも一方の表面にハードコート層、防
汚層をこの順に設けたものである。
【0014】ここで使用される高分子フィルムとして
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ト
リアセチルセルロース、アクリル、ポリ塩化ビニル等が
使用でき、タッチパネル用途におけるハードコートフィ
ルムとしては透明な高分子フィルムを使用することが好
ましい。特に二軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
トフィルムが機械的強度、寸法安定性に優れているため
に好適に使用され、適宜易接着層等を設けたものも好適
に使用される。このような高分子フィルムの厚みとして
は、適用される材料によって適宜選択されることになる
が、一般には25〜500μmであり、好ましくは50
〜200μmである。
【0015】次に高分子フィルムの一方の表面に設けら
れるハードコート層とは、表面硬度が高く、耐擦傷性、
耐磨耗性等に優れる層であり、少なくともメラミン系化
合物を含有してなるものである。
【0016】ここでハードコート層の表面硬度を高くし
て耐擦傷性や耐磨耗性等を得られるようにするには、ハ
ードコート層中に含有するメラミン系化合物が熱硬化す
ることによっても得られるが、好ましくはハードコート
層に電離放射線硬化型樹脂を含有させることが好まし
い。このようにハードコート層が電離放射線硬化型樹脂
を含有してなるものであるようにすることにより、耐熱
性に劣るような高分子フィルムの表面にハードコート層
を形成した際においても、可撓性を保持しつつ十分に硬
度を高くすることができるようになる。
【0017】ここで、ハードコート層の可撓性を保持し
つつ表面硬度を高くさせる観点からは、ハードコート層
に含有させる電離放射線硬化型樹脂の含有率を高くさせ
ることが有効であり、ハードコート層と防汚層との接着
性を向上させる観点からは、ハードコート層に含有させ
るメラミン系化合物の含有率を高くすることが有効であ
る。従って、ハードコート層の可撓性を保持しつつ表面
硬度を高くさせる観点からハードコート層に含有させる
電離放射線硬化型樹脂の含有率としては、50重量%以
上、好ましくは70重量%以上、より好ましくは90重
量%以上であることが望ましい。また、ハードコート層
と防汚層との接着性を向上させる観点からハードコート
層に含有させるメラミン系化合物の含有率としては、1
0重量%以上、好ましくは20重量%以上、より好まし
くは30重量%以上であることが望ましい。即ち、ハー
ドコート層の可撓性を保持しつつ表面硬度を高くさせ且
つハードコート層と防汚層との接着性を向上させる上で
は、電離放射線硬化型樹脂:メラミン系化合物=70〜
90重量%:30〜10重量%の範囲が好適な範囲とな
るが、ハードコート層にはその性能を阻害しない範囲で
熱可塑性樹脂等を含有させることも適宜可能である。
【0018】ここで電離放射線硬化型樹脂としては、光
重合性プレポリマー若しくは光重合性モノマーなどの1
種又は2種以上を混合した電離放射線硬化塗料に電離放
射線(紫外線又は電子線)を照射して硬化することによ
って形成されるものを使用することができる。
【0019】ここでこのような光重合性プレポリマーと
しては、1分子中に2個以上のアクリロイル基を有し、
架橋硬化することにより3次元網目構造となるアクリル
系プレポリマーが特に好ましく使用される。このアクリ
ル系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポ
リエステルアクリレート、エポキシアクリレート、メラ
ミンアクリレート等を使用できる。
【0020】また光重合性モノマーとしては、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシ
ペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、トリプロピレングリコールトリアクリレート、
ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−へキサ
ンジオールジアクリレート等の多官能モノマーを挙げら
れる。
【0021】また、このような電離放射線硬化型塗料に
は、種々の添加剤を加えることができ、特に硬化の際に
紫外線を用いる場合には、架橋硬化性を向上させてハー
ドコート層の硬度をより高くさせるために、光重合開始
剤、紫外線増感剤等を加えることが好ましい。
【0022】ここで、光重合開始剤としては、アセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイ
ン、ベンジルメチルケタール、ベンゾインベンゾエー
ト、ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メ
チル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−(4
−モルフォリニル)−1−プロパン、α−アシロキシム
エステル、チオキサンソン類等が挙げられ、紫外線増感
剤としては、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ト
リ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
【0023】次にメラミン系化合物とは、メラミン、メ
チロールメラミン若しくはその誘導体、又はこれらを縮
合反応させるなどして得られるメラミン樹脂、等のメラ
ミンを出発原料とする化合物のことを意味する。特に反
応性の高いものとしては、メチロールメラミン若しくは
その誘導体を採用することが好ましく、特にモノメチロ
ールメラミンからヘキサメチロールメラミンまであるメ
チロールメラミンの中ではヘキサメチロールメラミンを
採用することが好ましい。更にこのメチロールメラミン
の誘導体としては、メチロールメラミンをアルキル化し
たアルコキシメチルメラミンが挙げられ、特に末端のア
ルキル基がメチル基であるメトキシメチルメラミン若し
くはブチル基であるブトキシメチルメラミンを採用する
ことが好ましく、中でもヘキサメトキシメチルメラミン
を採用することにより反応性が極めて向上して好まし
い。
【0024】このように反応性の高いメラミン系化合物
を採用することで、ハードコート層の高分子フィルム及
び防汚層に対する接着性をより向上させ、防汚持続性が
より優れたものにできる。
【0025】更に、メラミン系化合物の硬化温度を低く
して、硬化速度を上昇させる作用として、ハードコート
層に硬化触媒を含有させることが望ましい。そのような
硬化触媒としては、例えば塩酸、硫酸、リン酸、スルホ
ン酸、シュウ酸、マレイン酸、ヘキサミン酸、ジメチル
酸、ピロリン酸、フタル酸、アクリル酸等が挙げられ、
特にp−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフタ
レンジスルホン酸等のスルホン酸が好ましく用いられ
る。
【0026】またハードコート層には、この他にも、表
面硬度を低下させず且つハードコート層と防汚層との接
着向上作用を阻害しない範囲で、微粒子、可塑剤、酸化
防止剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、
防カビ剤などの各種の添加剤を含有させることが可能で
ある。
【0027】ここでハードコート層の厚みとしては、上
記性能を損なわない範囲であれば特に限定されるもので
はないが、ハードコート層に十分な硬度を付与しつつ、
塗膜収縮による極端なカールを防止する観点からは、1
〜20μm、好ましくは2〜15μm、より好ましくは
3〜10μmであることが望ましい。
【0028】次にハードコート層上に設けられる防汚層
とは、油等の汚れが付着するのを防止する機能を有する
ものであり、シランカップリング剤を添加した付加反応
型シリコーン組成物を硬化させてなるものである。
【0029】ここで付加反応型シリコーン組成物とは、
反応主成分としてのジオルガノポリシロキサンに架橋剤
として作用する成分を加え、必要に応じて溶剤等により
希釈した組成物であって、ハードコート層上に塗布して
加熱乾燥硬化させて積層することによって、防汚層を形
成するものである。
【0030】ここで付加反応型シリコーン組成物の反応
主成分となるジオルガノポリシロキサンとしては、ケイ
素原子に直結したビニル基若しくは高級アルケニル基が
ケイ素原子に直結したものが好適であり、メチルビニル
・ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル・メチルビ
ニル・ジメチルポリシロキサン等のビニル基含有ジオル
ガノポリシロキサンや、メチルブテニル・ジメチルポリ
シロキサン、メチルオクテニル・ジメチルポリシロキサ
ン、メチルへキセニル・ジメチルポリシロキサン等の炭
素数4〜8程度の高級アルケニル基を有するジオルガノ
ポリシロキサンが挙げられる。尚、特に高分子フィルム
の厚みが薄くて耐熱性に乏しいものである場合において
は、低温で架橋硬化しても防汚層の防汚持続性を得られ
るようにできるものとして、メチルへキセニル・ジメチ
ルポリシロキサンが特に好適に採用される。
【0031】次に付加反応型シリコーン組成物中に含ま
れる架橋剤として作用する成分としては、少なくとも1
分子中に3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガ
ノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。このケ
イ素原子に結合する水素原子以外の有機基としては、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチ
ル基等のアラルキル基のような脂肪族飽和結合を有しな
い一価炭化水素基が挙げられる。そして、このオルガノ
ハイドロジェンポリシロキサンは、反応主成分であるジ
オルガノポリシロキサン100重量部に対して0.5〜
30重量部の範囲が好適である。0.5重量部以上にす
ることにより、付加反応型シリコーン組成物の硬化を十
分にすることができ、30重量部以下にすることによ
り、防汚層の経時的な劣化を抑制することができるよう
になる。
【0032】また、防汚層を構成する付加反応型シリコ
ーン組成物には、組成物の保存安定性を向上するために
アルキルアルコール、エンイン化合物等の付加反応制御
剤等を加えることが有効である。また、付加反応型シリ
コーン組成物の架橋硬化を促進するためには、塩化白金
酸等の白金化合物からなる白金触媒をこれら組成物に加
えることが極めて有効である。
【0033】以上のような付加反応型シリコーン組成物
としては、市販品で言えば、例えば東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン社製LTC750A、LTC760A、
信越化学工業社製KS847H、KS3703等を用い
ることができ、白金触媒としては例えば東レ・ダウコー
ニング・シリコーン社製SRS212、信越化学工業社
製CAT−PL−50T等を用いることができる。
【0034】そして、本発明でハードコート層と防汚層
との接着向上作用をもたらすためには、この付加反応型
シリコーン組成物に添加するシランカップリング剤とし
て分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水分
解物が含まれていることを必要とする。
【0035】即ち、付加反応型シリコーン組成物には、
少なくとも分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラ
ン加水分解物を含んでいればよいが、好ましくは付加反
応型シリコーン組成物の固形分100重量部に対して少
なくとも1重量部以上添加していることが望ましい。こ
こでこの分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン
加水分解物としては、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルメチルジメトキシシラン等が挙げられ、
特にγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好
ましく採用される。
【0036】ここで何故、この分子中にエポキシ基を有
するアルコキシシラン加水分解物を付加反応型シリコー
ン組成物に添加することで、この付加反応型シリコーン
組成物を硬化させてなる防汚層とメラミン系化合物を含
有してなるハードコート層との接着が向上するのかは明
らかではない。しかし、何らかの作用によって付加反応
型シリコーン組成物が付加反応することによって形成さ
れるシリコーンポリマー中に当該アルコキシシラン加水
分解物が取りこまれ、それと前後して当該アルコキシシ
ラン加水分解物中のエポキシ基が開環することでヒドロ
キシル基が形成され、このヒドロキシル基がハードコー
ト層中のメラミン系化合物と反応することで化学的に結
合して、両層を強固に接着させているものと考えられ
る。よってこのように両層が強固に接着することによ
り、防汚層が失われる等によって防汚性が低下するよう
なことがなく、防汚持続性に極めて優れるハードコート
フィルムを得ることができるようになるものと考えられ
る。
【0037】また、この付加反応型シリコーン組成物に
は、例えばγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−
クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、ヘキサメチルジ
シラザン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセ
トキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジク
ロロシラン、トリメチルクロロシラン等の、他のシラン
カップリング剤を併用することも適宜行い得る。
【0038】ここで防汚層の厚みとしては、本発明のハ
ードコートフィルムの表面硬度及び防汚持続性を損なわ
なければ特に限定されるものではなく、好ましくは0.
05〜2.0μm、より望ましくは0.1〜1.0μm
の範囲が好適に採用される。
【0039】以上に説明してきたように本発明は、メラ
ミン系化合物を含有してなるハードコート層と、少なく
とも分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン加水
分解物を含むシランカップリング剤を添加した付加反応
型シリコーン組成物を硬化させてなる防汚層を、高分子
フィルム表面にこの順に積層することによって、表面硬
度に優れるのはもちろんのこと、防汚持続性にも優れる
表面を有するハードコートフィルムが得られるようにな
る。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
尚、「部」「%」は特記しない限り重量基準である。
【0041】[実施例1]厚み188μmの透明なポリ
エチレンテレフタレートフィルム(コスモシャインA430
0:東洋紡績社)の両面に下記組成のハードコート層用
塗工液aを塗布、乾燥し、高圧水銀灯により紫外線照射
を行って硬化させて厚み約6μmのハードコート層をそ
れぞれ形成し、次いで下記組成の防汚層用塗工液bを当
該ハードコート層上に塗布し、加熱乾燥硬化させること
により厚み約0.5μmの防汚層をそれぞれ形成して、
本発明のハードコートフィルムを作製した。尚、下記防
汚層用塗工液bに使用している付加反応型シリコーン組
成物中のジオルガノポリシロキサンの主成分はメチルヘ
キセニル・ジメチルポリシロキサンである。
【0042】
【0043】
【0044】[実施例2]実施例1の防汚層用塗工液b
を、下記組成の防汚層用塗工液cに変更し、防汚層の硬
化温度を130℃、1分で行った以外は実施例1と同様
にしてハードコートフィルムを作製した。尚、下記防汚
層用塗工液cに使用している付加反応型シリコーン組成
物中のジオルガノポリシロキサンの主成分はメチルビニ
ル・ジメチルポリシロキサンである。
【0045】
【0046】[比較例1]実施例1のハードコート層用
塗工液aを、下記組成のハードコート層用塗工液dに変
更した以外は実施例1と同様にしてハードコートフィル
ムを作製した。
【0047】
【0048】[比較例2]実施例1の防汚層用塗工液b
を、下記組成の防汚層用塗工液eに変更した以外は実施
例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0049】
【0050】[比較例3]実施例1の防汚層用塗工液b
を、下記組成の防汚層用塗工液fに変更した以外は実施
例1と同様にしてハードコートフィルムを作製した。
【0051】
【0052】以上のようにして実施例及び比較例で得ら
れたハードコートフィルムについて、以下のようにして
その表面の硬度及び防汚持続性の評価を行った。評価結
果を表1に示す。
【0053】[硬度の評価]ハードコートフィルムの表
面について、JIS−K5400の鉛筆引っかき値の試
験機法に基づいて評価を行った。
【0054】[防汚持続性の評価]防汚層の表面に油性
マーカーで文字を筆記しようとした際に、文字が掠れて
筆記できない(○)か、掠れずに筆記できてしまう
(×)かで評価した。尚、この評価は、溶剤(プロピレ
ングリコールモノメチルエーテル)を染み込ませたティ
ッシュペーパーにおいて、それぞれ10回、50回、2
00回、拭き取り操作を行った後についても行った。
【0055】
【表1】
【0056】表1の結果からも明らかなように、実施例
1及び2のハードコートフィルムの表面は、表面硬度に
優れると共に、溶剤を染み込ませたテッシュペーパーで
200回拭き取り操作を行った後についても、油性マー
カーで文字を筆記しようとした場合に文字が掠れて筆記
できないものであり、極めてその防汚持続性に優れるも
のであった。
【0057】一方、比較例1のハードコートフィルムの
表面は、ハードコート層にメラミン系化合物を含有して
いないために、溶剤を染み込ませたテッシュペーパーで
少なくとも10回拭き取り操作を行った後においては、
油性マーカーで文字を筆記しようとした場合に文字が掠
れずに筆記できてしまうものであり、防汚持続性に劣る
ものであった。
【0058】また、比較例2のハードコートフィルムの
表面は、防汚層にシランカップリング剤を添加していな
いために、溶剤を染み込ませたテッシュペーパーで少な
くとも10回拭き取り操作を行った後においては、油性
マーカーで文字を筆記しようとした場合に文字が掠れず
に筆記できてしまうものであり、防汚持続性に劣るもの
であった。
【0059】また、比較例3のハードコートフィルムの
表面は、防汚層にシランカップリング剤として分子中に
エポキシ基を有するアルコキシシラン加水分解物を含ま
ないために、溶剤を染み込ませたテッシュペーパーで少
なくとも10回拭き取り操作を行った後においては、油
性マーカーで文字を筆記しようとした場合に文字が掠れ
ずに筆記できてしまうものであり、防汚持続性に劣るも
のであった。
【0060】
【発明の効果】本発明のハードコートフィルムによれ
ば、メラミン系化合物を含有してなるハードコート層
と、少なくとも分子中にエポキシ基を有するアルコキシ
シラン加水分解物を含むシランカップリング剤を添加し
た付加反応型シリコーン組成物を硬化させてなる防汚層
を、高分子フィルム表面にこの順に積層することによ
り、表面硬度に優れるのはもちろんのこと、防汚持続性
にも優れる表面を有するハードコートフィルムを提供す
ることができるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 7/04 CEZ C08J 7/04 CEZ // C08L 101:00 C08L 101:00 (72)発明者 大沼 輝雄 埼玉県さいたま市鈴谷4丁目6番35号 株 式会社きもと技術開発センター内 (72)発明者 加藤 孝昭 埼玉県さいたま市鈴谷4丁目6番35号 株 式会社きもと技術開発センター内 Fターム(参考) 4F006 AA02 AA12 AA15 AA17 AA22 AA35 AA36 AB33 AB39 BA02 BA11 CA08 EA03 4F100 AH06C AH06E AH06H AK01A AK01B AK01D AK35B AK35D AK42 AK52C AK52E AR00B AR00D BA03 BA05 BA06 BA07 BA10A BA10C BA10E EH46 EH46B EH46D EH462 EJ08 EJ082 EJ42 EJ422 EJ54 EJ542 GB41 JB14B JB14D JK12B JK12D JL06 JL06C JL06E

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高分子フィルムの少なくとも一方の表面に
    ハードコート層、防汚層をこの順に設けたハードコート
    フィルムであって、前記ハードコート層がメラミン系化
    合物を含有してなるものであり、前記防汚層がシランカ
    ップリング剤を添加した付加反応型シリコーン組成物を
    硬化させてなるものであって、前記シランカップリング
    剤として分子中にエポキシ基を有するアルコキシシラン
    加水分解物が含まれていることを特徴とするハードコー
    トフィルム。
  2. 【請求項2】前記アルコキシシラン加水分解物が、γ−
    グリシドキシプロピルトリメトキシシランであることを
    特徴とする請求項1記載のハードコートフィルム。
  3. 【請求項3】前記ハードコート層が、電離放射線硬化型
    樹脂を含有してなるものであることを特徴とする請求項
    1記載のハードコートフィルム。
  4. 【請求項4】前記メラミン系化合物が、ヘキサメトキシ
    メチルメラミンであることを特徴とする請求項1記載の
    ハードコートフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011075705A (ja) * 2009-09-29 2011-04-14 Dainippon Printing Co Ltd ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板及びディスプレイパネル

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