JP2010518244A5 - - Google Patents

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JP2010518244A5
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よって、本発明者らは、実質的には逸脱しないが特許請求の範囲に記載される発明の文言範囲の外である任意の機構に関する本発明の合理的で正当な範囲を評価および査定する均等の原理に依拠するという意図を示す。
本発明は以下の態様を有する。
[1] セルロースエステルの製造方法であって:
(a)セルロースをカルボキシル化イオン液体中に溶解させることによってセルロース溶液を形成すること;
(b)該セルロース溶液をアシル化試薬と触媒の存在下で接触させることによって、該カルボキシル化イオン液体によって供与される少なくとも1つのアシル基を含むセルロースエステルを含むアシル化セルロース溶液を調製すること;
(c)該アシル化セルロース溶液を非溶媒と接触させて該セルロースエステルの少なくとも一部を沈殿させることによって、沈殿したセルロースエステルおよび該カルボキシル化イオン液体を含むスラリーを調製すること;
(d)該沈殿したセルロースエステルの少なくとも一部を該カルボキシル化イオン液体から分離することによって、回収されたセルロースエステルおよび分離されたカルボキシル化イオン液体を調製すること;ならびに
(e)該分離されたカルボキシル化イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させること;
を含む、方法。
[2] 前記触媒が、硫酸、アルキルスルホン酸,アリールスルホン酸,官能性イオン液体,ルイス酸およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記ルイス酸が、式MX n (式中、Mは、B,Al,Fe,Ga,Sb,Sn,As,Zn,MgおよびHgからなる群から選択される遷移金属であり、Xは、ハロゲン,カルボキシレート,スルホネート,アルコキシド,アルキルおよびアリールからなる群から選択される)によって特徴付けられる、上記[1]に記載の方法。
[3] 前記触媒が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり30モルパーセント未満の量で存在する、上記[1]に記載の方法。
[4] 前記触媒が、ルイス酸、官能性イオン液体およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記触媒が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり5モルパーセント未満の量で存在する、上記[1]に記載の方法。
[5] 前記触媒が、ZnCl 2 ,Zn(OAc) 2 およびこれらの混合物からなる群から選択されるルイス酸である、上記[1]に記載の方法。
[6] 前記触媒が、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンスルフェート,メチルスルホネート,トシレート,トリフルオロアセテートおよびこれらの混合物からなる群から選択される官能性イオン液体である、上記[1]に記載の方法。
[7] 前記カルボキシル化イオン液体のカチオンが、アルキル置換されたイミダゾリウム,ピラゾリウム,オキサゾリウム,トリアゾリウム,チアゾリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記カルボキシル化イオン液体のアニオンが、C 1 〜C 20 カルボキシレートまたは置換カルボキシレートである、上記[1]に記載の方法。
[8] 前記カルボキシル化イオン液体のカチオンが、以下の構造:
Figure 2010518244
(式中、R 1 およびR 2 は、各々独立に、C 1 〜C 8 アルキル基、C 1 〜C 8 アルコキシアルキル基およびC 1 〜C 8 アルコキシ基からなる群から選択される)
によって特徴付けられ、前記カルボキシル化イオン液体のアニオンが、C 2 〜C 6 直鎖カルボキシレートである、上記[1]に記載の方法。
[9] 前記カルボキシル化イオン液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブチレート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブチレートおよびこれらの混合物からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[10] 前記アシル化試薬が、無水カルボン酸,カルボン酸ハロゲン化物,ジケテン,アセト酢酸エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[11] 前記アシル化試薬が、無水酢酸,無水プロピオン酸,無水酪酸,2−エチルヘキサン酸無水物,無水ノナン酸およびこれらの混合物からなる群から選択される、上記[1]に記載の方法。
[12] 前記セルロースエステルが、複数のエステル基を有し、該エステル基の少なくとも10パーセントが、前記カルボキシル化イオン液体によるアシル基の供与により得られる、上記[1]に記載の方法。
[13] 前記エステル基の少なくとも50パーセントが、前記カルボキシル化イオン液体によるアシル基の供与により得られる、上記[1]に記載の方法。
[14] 前記カルボキシル化イオン液体の少なくとも1つのアニオンを、前記アシル化試薬から生じるカルボキシレートイオンで置換することを更に含む、上記[1]に記載の方法。
[15] 前記アシル化試薬から生じる前記アニオンが、置換される元のアニオンと異なる種類のアニオンである、上記[14]に記載の方法。
[16] 前記カルボキシル化イオン液体が、15質量パーセント未満の水、窒素含有塩基、アルコール、および/またはカルボン酸を含有する、上記[1]に記載の方法。
[17] 前記カルボキシル化イオン液体が、200ppmw未満の硫黄、200ppmw未満のハロゲン化物、および200ppmw未満の遷移金属を含有する、上記[1]に記載の方法。
[18] 前記カルボキシル化イオン液体が、5質量パーセント未満の水、窒素含有塩基、アルコール、および/またはカルボン酸を含有し、前記カルボキシル化イオン液体が、50ppmw未満の硫黄および50ppmw未満のハロゲン化物を含有する、上記[1]に記載の方法。
[19] 前記ステップ(b)の接触を、1分〜48時間の範囲の時間、および0〜120℃の範囲の温度で行なう、上記[1]に記載の方法。
[20] 前記ステップ(b)の接触を、30分〜24時間の範囲の時間、および20〜80℃の範囲の温度で行なう、上記[1]に記載の方法。
[21] 前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも90質量パーセントで重合度が少なくとも10であり、前記セルロースが、平均粒子サイズ300ミクロン未満の粉末であり、前記セルロース溶液が、溶解したセルロースを1〜40質量パーセントの範囲の量で含む、上記[1]に記載の方法。
[22] 前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも95質量パーセントで重合度が少なくとも250である、上記[1]に記載の方法。
[23] 前記セルロース溶液が、溶解したセルロースを5〜20質量パーセントの範囲の量で含む、上記[1]に記載の方法。
[24] 前記分離されたイオン液体が、1種より多いアニオンを含み、前記再循環が、前記分離されたイオン液体の実質的に全てのアニオンを単一種のアニオンに変換することによって中間イオン液体を形成することを含む、上記[1]に記載の方法。
[25] 前記変換に続いて、前記中間イオン液体に付随する揮発性成分を除去することを更に含む、上記[24]に記載の方法。
[26] 前記変換が、前記分離されたイオン液体をメチルホルメートと接触させることによって前記中間イオン液体を形成することを含み、前記中間イオン液体が、アルキルアミンホルメートイオン液体を含む、上記[24]に記載の方法。
[27] 前記分離されたイオン液体のメチルホルメートとの前記接触を、メタノールの存在下で行なう、上記[26]に記載の方法。
[28] 前記変換が、アニオン交換を生じさせることによって再循環イオン液体を生成するのに十分な条件下で、前記中間イオン液体を1種以上のカルボン酸、無水物またはアルキルカルボキシレートと接触させることを更に含む、上記[26]に記載の方法。
[29] 前記再循環イオン液体を用いて追加のセルロースを溶解させることを更に含む、上記[28]に記載の方法。
[30] 前記中間イオン液体の前記1種以上のカルボン酸、無水物またはアルキルカルボキシレートとの前記接触を、アルコールを含む接触混合物中で行なう、上記[28]に記載の方法。
[31] 前記アルコールが、前記接触混合物中に、アルキルアミンホルメート当たり0.01〜20モル当量の範囲で存在する、上記[30]に記載の方法。
[32] メタノールが、前記接触混合物中に、アルキルアミンホルメート当たり1〜10モル当量の範囲で存在する、上記[30]に記載の方法。
[33] 前記セルロースエステルの置換度が0.1〜3.0の範囲である、上記[1]に記載の方法。
[34] 前記セルロースエステルの置換度が2.0〜2.6の範囲で重合度が少なくとも10である、上記[1]に記載の方法。
[35] 前記セルロースエステルが非ランダムコポリマーである、上記[1]に記載の方法。
[36] 前記セルロースエステルをランダムコポリマーに変換することを更に含む、上記[35]に記載の方法。
[37] 前記変換が、前記セルロースエステルをアルコールまたは水と接触させることを含む、上記[36]に記載の方法。
[38] 前記変換が、前記セルロースエステルをアルコールまたは水と反応混合物中で接触させることを含み、前記アルコールまたは水が、前記反応混合物中に、0.5〜20質量パーセントの範囲の量で存在する、上記[36]に記載の方法。
[39] メタノールが、前記反応混合物中に、3〜10質量パーセントの範囲の量で存在する、上記[38]に記載の方法。
[40] セルロースエステルの製造方法であって:
(a)セルロース、カルボキシル化イオン液体、およびアシル化試薬を組合せることによって反応媒体を形成すること;ならびに
(b)前記セルロースの少なくとも一部を、前記反応媒体中、置換度少なくとも2のセルロースエステルを生成するのに十分な反応条件下でエステル化し、前記アシル化試薬が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり4モル当量未満の量で存在すること;
を含む、方法。
[41] 前記ステップ(a)の組合せが、前記カルボキシル化イオン液体を含む初期液体中で前記セルロースを溶解させることによって初期溶液を形成することを包含し、前記ステップ(a)の組合せが、前記アシル化試薬を前記初期溶液と組合せることを更に包含する、上記[40]に記載の方法。
[42] 前記アシル化試薬が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり3モル当量未満で存在する、上記[40]に記載の方法。
[43] 前記セルロースエステルの置換度が3.0未満である、上記[40]に記載の方法。
[44] 前記反応条件が、1分〜48時間の範囲の時間および0〜120℃の範囲の温度を包含する、上記[40]に記載の方法。
[45] 前記カルボキシル化イオン液体が、200ppmw未満の硫黄および/または200ppmw未満のハロゲン化物を含有する、上記[40]に記載の方法。
[46] 前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも95質量パーセントで重合度が少なくとも10である、上記[40]に記載の方法。
[47] 前記アシル化試薬が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり2.7モル当量未満の量で存在し、前記セルロースエステルの置換度が2.9未満であり、前記反応条件が、1〜5時間の範囲の時間および20〜80℃の範囲の温度を包含し、前記カルボキシル化イオン液体が、50ppmw未満の硫黄および50ppmw未満のハロゲン化物を含有し、前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも98質量%である、上記[40]に記載の方法。
[48] 前記セルロースエステルが、複数の側鎖アシル基を含み、前記側鎖アシル基のうち少なくとも1つが前記カルボキシル化イオン液体によって供与される、上記[40]に記載の方法。
[49] 前記側鎖アシル基のうち少なくとも75パーセントが前記カルボキシル化イオン液体によって供与される、上記[48]に記載の方法。
[50] 前記カルボキシル化イオン液体のカチオンが、アルキル置換されたイミダゾリウム,ピラゾリウム,オキサゾリウム,トリアゾリウム,チアゾリウムおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記カルボキシル化イオン液体のアニオンが、C 1 〜C 20 カルボキシレートまたは置換カルボキシレートである、上記[40]に記載の方法。
[51] 前記アシル化試薬が、無水カルボン酸,カルボン酸ハロゲン化物,ジケテン,アセト酢酸エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、上記[40]に記載の方法。
[52] 前記カルボキシル化イオン液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブチレート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブチレートおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記アシル化試薬が、無水酢酸,無水プロピオン酸,無水酪酸,2−エチルヘキサン酸無水物,無水ノナン酸およびこれらの混合物の群から選択される、上記[40]に記載の方法。
[53] 前記セルロースが、前記反応媒体中に1〜40質量パーセントの範囲の量で存在する、上記[40]に記載の方法。
[54] 窒素含有塩基およびカルボン酸が、累積的に、前記反応媒体中に15質量パーセント未満の量で存在する、上記[40]に記載の方法。
[55] 前記セルロースが、前記反応媒体中に、5〜20質量パーセントの範囲の量で存在し、窒素含有塩基およびカルボン酸が、累積的に、前記反応媒体中に5質量パーセント未満の量で存在する、上記[40]に記載の方法。
[56] 前記反応媒体が、前記ステップ(b)のエステル化を促進するための触媒を含み、前記触媒が、前記反応媒体中に無水グルコース単位当たり30モルパーセント未満の量で存在する、上記[40]に記載の方法。
[57] 前記触媒が、硫酸、アルキルスルホン酸,アリールスルホン酸,官能性イオン液体,ルイス酸およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記ルイス酸が、式MX n (式中、Mは、B,Al,Fe,Ga,Sb,Sn,As,Zn,MgおよびHgからなる群から選択される遷移金属であり、Xは、ハロゲン,カルボキシレート,スルホネート,アルコキシド,アルキルおよびアリールからなる群から選択される)によって特徴付けられる、上記[56]に記載の方法。
[58] 前記触媒が、ZnCl 2 ,Zn(OAc) 2 およびこれらの混合物からなる群から選択されるルイス酸である、上記[56]に記載の方法。
[59] 前記触媒が、1−アルキル−3−メチルイミダゾリウムハイドロゲンスルフェート,メチルスルホネート,トシレート,トリフルオロアセテートおよびこれらの組合せからなる群から選択される官能性イオン液体である、上記[56]に記載の方法。
[60] 前記セルロースを前記アシル化試薬と接触させる前に、前記セルロースを水と接触させることを更に含み、前記セルロースと水との前記接触が、付随水を含む改良セルロースを生成する、上記[40]に記載の方法。
[61] 前記カルボキシル化イオン液体を含む初期液体中で前記改良セルロースを溶解させることによって初期溶液を形成することを更に含む、上記[60]に記載の方法。
[62] 前記改良セルロースが、付随水を、前記セルロースと付随水との組合せ質量基準で少なくとも5質量パーセントの量で含む、上記[61]に記載の方法。
[63] 前記初期溶液が、溶解したセルロースを少なくとも10質量パーセントの量で含む、上記[61]に記載の方法。
[64] 前記ステップ(b)のエステル化の前に水を前記初期溶液から除去することを更に含む、上記[61]に記載の方法。
[65] 前記初期溶液が、1種以上のカルボン酸を0.01〜25質量パーセントの範囲の量で含む、上記[61]に記載の方法。
[66] 前記セルロースエステルが、非ランダムコポリマーである、上記[40]に記載の方法。
[67] 前記セルロースエステルをランダムコポリマーに変換することを更に含む、上記[66]に記載の方法。
[68] 前記ステップ(b)のエステル化が、前記セルロースエステルと改変イオン液体とを含むエステル化セルロース溶液を生成し、前記セルロースエステルの少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含む、上記[40]に記載の方法。
[69] 前記改変イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させることを更に含む、上記[68]に記載の方法。
[70] 前記再循環が、前記改変イオン液体の少なくとも一部をアニオン交換に供することを包含する、上記[69]に記載の方法。
[71] セルロースエステルの製造方法であって:
(a)セルロース、カルボキシル化イオン液体、およびアシル化試薬を組合せることによって反応媒体を形成すること;ならびに
(b)前記セルロースの少なくとも一部を前記反応媒体中でエステル化することによって混合セルロースエステルを生成し、前記混合セルロースエステルが互いに異なる第1および第2の側鎖アシル基を含み、前記第1の側鎖アシル基が前記イオン液体に由来し、かつ前記第2の側鎖アシル基が前記アシル化試薬に由来すること;
を含む、方法。
[72] 前記混合セルロースエステルの、前記第1の側鎖アシル基の前記第2の側鎖アシル基に対するモル比が、1:10〜10:1の範囲である、上記[71]に記載の方法。
[73] 前記第1および第2の側鎖アシル基が、各々独立に、アセチル基、プロピオニル基およびブチリル基からなる群から選択される、上記[71]に記載の方法。
[74] 前記第1の側鎖アシル基の少なくとも1つが前記カルボキシル化イオン液体によって供与されるか、または、前記第2の側鎖アシル基の少なくとも1つが前記カルボキシル化イオン液体によって供与される、上記[71]に記載の方法。
[75] 前記第1の側鎖アシル基の少なくとも50パーセントが前記カルボキシル化イオン液体によって供与されるか、または、前記第2の側鎖アシル基の少なくとも50パーセントが前記カルボキシル化イオン液体によって供与される、上記[71]に記載の方法。
[76] 前記第1の側鎖アシル基の第1の部分が、初期に前記アシル化試薬から前記カルボキシル化イオン液体に供与され、その後前記カルボキシル化イオン液体から前記混合セルロースエステルに供与され、前記第1の側鎖アシル基の第2の部分が、前記アシル化試薬から前記混合セルロースエステルに直接供与される、上記[71]に記載の方法。
[77] 前記アシル化試薬が、前記反応媒体中に無水グルコース単位当たり3モル当量未満の量で存在し、前記セルロースエステルの置換度が1.8〜2.9の範囲であり、前記反応条件が、1〜5時間の範囲の時間および20〜80℃の範囲の温度を包含し、前記カルボキシル化イオン液体が、50ppmw未満の硫黄および50ppmw未満のハロゲン化物を含有し、前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも98質量パーセントである、上記[71]に記載の方法。
[78] 前記混合セルロースエステルが、非ランダムポリマーである、上記[71]に記載の方法。
[79] 前記セルロースエステルをランダムコポリマーに変換することを更に含む、上記[78]に記載の方法。
[80] 前記変換を、前記セルロースエステルを水、アルコールおよびこれらの混合物からなる群から選択されるランダム化剤と接触させることにより行なう、上記[79]に記載の方法。
[81] 前記エステル化が、前記セルロースエステルと改変イオン液体とを含むエステル化セルロース溶液を生成し、前記セルロースエステルの少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させることを更に含む、上記[71]に記載の方法。
[82] 前記再循環が、前記改変イオン液体の少なくとも一部を少なくとも1つのアニオン交換ステップに供することを包含する、上記[81]に記載の方法。
[83] 前記改変イオン液体が、第1および第2のアニオンを含み、前記アニオン交換ステップが、前記改変イオン液体に対して、前記第1のアニオンのモル濃度が増大されかつ前記第2のアニオンのモル濃度が低減された再循環イオン液体を生成し、前記再循環イオン液体を、前記追加のセルロースを溶解させるために使用する、上記[82]に記載の方法。
[84] 前記カルボキシル化イオン液体が、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−エチル−3−メチルイミダゾリウムブチレート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムプロピオネート,1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムブチレートおよびこれらの混合物からなる群から選択され、前記アシル化試薬が、無水酢酸,無水プロピオン酸,無水酪酸,2−エチルヘキサン酸無水物,無水ノナン酸、メチルプロピオネート、メチルブチレートおよびこれらの混合物の群から選択される、上記[71]に記載の方法。
[85] 窒素含有塩基およびカルボン酸が、累積的に、前記反応媒体中に15質量パーセント未満の量で存在する、上記[71]に記載の方法。
[86] 前記反応媒体が、前記エステル化を促進するための触媒を含み、前記触媒が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり30モルパーセント未満の量で存在し、前記触媒が、硫酸、アルキルスルホン酸,アリールスルホン酸,官能性イオン液体,ルイス酸およびこれらの混合物からなる群から選択され、前記ルイス酸が、式MX n (式中、Mは、B,Al,Fe,Ga,Sb,Sn,As,Zn,MgおよびHgからなる群から選択される遷移金属であり、Xは、ハロゲン,カルボキシレート,スルホネート,アルコキシド,アルキルおよびアリールからなる群から選択される)によって特徴付けられる、上記[71]に記載の方法。
[87] 複数のアシル化無水グルコースポリマー鎖を含むセルロースエステルであって、前記セルロースエステルが、以下の特徴:
(i)非ランダムポリマー構造;
(ii)前記アシル化無水グルコースポリマー鎖の少なくとも1つに対する少なくとも2つの異なる側鎖アシル基;
(iii)置換度(DS)が、0.1〜3.0の範囲であること;および
(iv)重合度(DP)が5〜1000の範囲であること;
を含む、セルロースエステル。
[88] 前記セルロースエステルの数平均分子量(Mn)が1,200〜200,000の範囲であり、重量平均分子量(Mw)が2,500〜420,000の範囲であり、Z平均分子量(Mz)が、4,000〜850,000の範囲であり、そして多分散性(Mw/Mn)が1.3〜7の範囲である、上記[87]に記載のセルロースエステル。
[89] 前記セルロースエステルのDSが、2.0〜2.6の範囲である、上記[87]に記載のセルロースエステル。
[90] 前記セルロースエステルのDPが10〜250の範囲である、上記[87]に記載のセルロースエステル。
[91] 前記2つの異なる側鎖アシル基のモル比が、1:10〜10:1の範囲である、上記[87]に記載のセルロースエステル。
[92] 前記2つの異なる側鎖アシル基が、各々独立に、アセチル基、プロピオニル基およびブチリル基からなる群から選択される、上記[87]に記載のセルロースエステル。

Claims (20)

  1. セルロースエステルの製造方法であって:
    (a)セルロースをカルボキシル化イオン液体中に溶解させることによってセルロース溶液を形成すること;
    (b)該セルロース溶液をアシル化試薬と接触させることによって、該カルボキシル化イオン液体によって供与される少なくとも1つのアシル基を含むセルロースエステルを含むアシル化セルロース溶液を調製すること;
    (c)該アシル化セルロース溶液を非溶媒と接触させて該セルロースエステルの少なくとも一部を沈殿させることによって、沈殿したセルロースエステルおよび該カルボキシル化イオン液体を含むスラリーを調製すること;
    (d)該沈殿したセルロースエステルの少なくとも一部を該カルボキシル化イオン液体から分離することによって、回収されたセルロースエステルおよび分離されたカルボキシル化イオン液体を調製すること;ならびに
    (e)該分離されたカルボキシル化イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させること;
    を含む、方法。
  2. 前記カルボキシル化イオン液体のカチオンが、以下の構造:
    Figure 2010518244
    (式中、R1およびR2は、各々独立に、C1〜C8アルキル基、 2 〜C 8 アルケニル基、および1〜C8アルコキシアルキル基からなる群から選択され、R 3 、R 4 およびR 5 は、各々独立に、ヒドリド、C 1 〜C 8 アルキル基、C 2 〜C 8 アルケニル基、C 1 〜C 8 アルコキシアルキル基、およびC 1 〜C 8 アルコキシ基からなる群から選択される)
    によって特徴付けられ、前記カルボキシル化イオン液体のアニオンが、C2〜C6直鎖カルボキシレートである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記アシル化試薬が、無水カルボン酸,カルボン酸ハロゲン化物,ジケテン,アセト酢酸エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記セルロースエステルが、複数のエステル基を有し、該エステル基の少なくとも10パーセントが、前記カルボキシル化イオン液体によるアシル基の供与により得られる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記カルボキシル化イオン液体の少なくとも1つのアニオンを、前記アシル化試薬から生じるカルボキシレートイオンで置換することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも90質量パーセントで重合度が少なくとも10であり、前記セルロース溶液が、溶解したセルロースを1〜40質量パーセントの範囲の量で含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記分離されたイオン液体が、1種より多いアニオンを含み、前記再循環が、前記分離されたイオン液体の実質的に全てのアニオンを単一種のアニオンに変換することによって中間イオン液体を形成すること;および、アニオン交換を生じさせることによって追加のセルロースの溶解において使用するために好適な再循環イオン液体を生成するのに十分な条件下で、前記中間イオン液体を1種以上のカルボン酸、無水物またはアルキルカルボキシレートと接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記セルロースエステルの置換度が0.1〜3.0の範囲で重合度が少なくとも10である、請求項1に記載の方法。
  9. セルロースエステルの製造方法であって:
    (a)セルロース、カルボキシル化イオン液体、およびアシル化試薬を組合せることによって反応媒体を形成すること;ならびに
    (b)前記セルロースの少なくとも一部を、前記反応媒体中、置換度少なくとも2のセルロースエステルを生成するのに十分な反応条件下でエステル化し、前記アシル化試薬が、前記反応媒体中に、無水グルコース単位当たり4モル当量未満の量で存在すること;
    を含む、方法。
  10. 前記セルロースのα−セルロース量が少なくとも90質量パーセントで重合度が少なくとも10であり、前記セルロースが、前記反応媒体中に1〜40質量パーセントの範囲の量で存在する、請求項に記載の方法。
  11. 前記セルロースエステルが、複数の側鎖アシル基を含み、前記側鎖アシル基のうち少なくとも1つが前記カルボキシル化イオン液体によって供与される、請求項に記載の方法。
  12. 前記カルボキシル化イオン液体のカチオンが、アルキル置換されたイミダゾリウムからなる群から選択され、前記カルボキシル化イオン液体のアニオンが、C1〜C20カルボキシレートまたは置換カルボキシレートであり、前記カルボキシル化イオン液体が、200ppmw未満の硫黄および/または200ppmw未満のハロゲン化物を含有する、請求項に記載の方法。
  13. 前記アシル化試薬が、無水カルボン酸,カルボン酸ハロゲン化物,ジケテン,アセト酢酸エステルおよびこれらの混合物からなる群から選択される、請求項に記載の方法。
  14. 前記セルロースを前記アシル化試薬と接触させる前に、前記セルロースを水と接触させることを更に含み、前記セルロースと水との前記接触が、付随水を含む改良セルロースを生成し、1種以上のカルボン酸を0.01〜15質量パーセントの範囲の量で含むカルボキシル化イオン液体を含む初期液体中で前記改良セルロースを溶解させることによって初期溶液を形成することを更に含み、前記溶液が、前記セルロースと付随水との組合せ質量基準で少なくとも5質量パーセントのセルロースを含む、請求項に記載の方法。
  15. 前記ステップ(b)のエステル化が、前記セルロースエステルと改変イオン液体とを含むエステル化セルロース溶液を生成し、前記セルロースエステルの少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含む、請求項に記載の方法。
  16. 前記改変イオン液体の少なくとも一部をアニオン交換に供すること、および、前記改変イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させることを更に含む、請求項15に記載の方法。
  17. セルロースエステルの製造方法であって:
    (a)セルロース、カルボキシル化イオン液体、およびアシル化試薬を組合せることによって反応媒体を形成すること;ならびに
    (b)前記セルロースの少なくとも一部を前記反応媒体中でエステル化することによって混合セルロースエステルを生成し、前記混合セルロースエステルが互いに異なる第1および第2の側鎖アシル基を含み、前記第1の側鎖アシル基が前記イオン液体に由来し、かつ前記第2の側鎖アシル基が前記アシル化試薬に由来すること;
    を含む、方法。
  18. 前記エステル化が、前記セルロースエステルと改変イオン液体とを含むエステル化セルロース溶液を生成し、前記セルロースエステルの少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を前記エステル化セルロース溶液から回収することを更に含み、前記改変イオン液体の少なくとも一部を少なくとも1つのアニオン交換ステップに供すること、および前記改変イオン液体の少なくとも一部を、追加のセルロースの溶解において使用するために再循環させることを更に含む、請求項17に記載の方法。
  19. 複数のアシル化無水グルコースポリマー鎖を含むセルロースエステルであって、前記セルロースエステルが、以下の特徴:
    (i)非ランダムポリマー構造;
    (ii)前記アシル化無水グルコースポリマー鎖の少なくとも1つに対する少なくとも2つの異なる側鎖アシル基;
    (iii)置換度(DS)が、0.1〜3.0の範囲であること;および
    (iv)重合度(DP)が5〜1000の範囲であること;
    を含み、該側鎖アシル基のうち少なくとも1つがイオン液体によって供与される、セルロースエステル。
  20. 前記セルロースエステルのDSが、2.0〜2.6の範囲であり、前記セルロースエステルのDPが10〜500の範囲であり、前記2つの異なる側鎖アシル基のモル比が、1:10〜10:1の範囲である、請求項19に記載のセルロースエステル。
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