JP4594131B2 - セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 - Google Patents
セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4594131B2 JP4594131B2 JP2005048315A JP2005048315A JP4594131B2 JP 4594131 B2 JP4594131 B2 JP 4594131B2 JP 2005048315 A JP2005048315 A JP 2005048315A JP 2005048315 A JP2005048315 A JP 2005048315A JP 4594131 B2 JP4594131 B2 JP 4594131B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cellulose acylate
- film
- cellulose
- acylate film
- liquid crystal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Moulding By Coating Moulds (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Polarising Elements (AREA)
Description
一方、非特許文献1や特許文献2には、セルロースアセテートを混合脂肪酸エステルとすることで、溶媒への溶解性を向上させることができることが記載されている。しかしながら、単に混合脂肪酸エステルとするだけでは、光学特性に優れ、実用的なフィルムを提供することはできない。
このため、負のRthを有するセルロースエステルフィルムを製造することが切望されている。
Ind.Eng.Chem.、43巻、688頁、1951年
[1] リンタ由来で下記式(I)〜(III)を満足するセルロースアシレートからなり、ヘイズが0.6%以下であり、且つ膜厚方向のレターデーション値が0nm未満であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(I) 2.87≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SAはセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、SPはセルロースの水酸基に置換されているプロピオニル基の置換度を表す。)
[2] 微細異物が0〜10個/mm2であることを特徴とする[1]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[3] 膜厚方向のレターデーション値が−600〜−20nmであることを特徴とする[1]または[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[4] 膜厚方向のレターデーション値が−400〜−40nmであることを特徴とする[1]または[2]に記載のセルロースアシレートフィルム。
[5] 25℃・相対湿度10%における膜厚方向のレターデーション値と25℃・相対湿度80%における膜厚方向のレターデーション値との差が15nm以下であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[6] ヘイズが0.3%以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
[7] 偏光膜の少なくとも一方の面に、[1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを有することを特徴とする偏光板。
[8] [1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする位相差板。
[9] [1]〜[6]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
(I) 2.87≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SAはセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、SPはセルロースの水酸基に置換されているプロピオニル基の置換度を表す。)
(A) 前記溶媒に前記セルロースアシレートを−10〜35℃で膨潤させる工程
(B) 前記溶媒と前記セルロースアシレートとの混合物を0.2〜30Mpaで
40〜150℃にて加熱溶解させる工程
(C) 前記溶媒と前記セルロースアシレートとの混合物を0〜35℃で撹拌する
工程
[11] 前記溶媒の10〜30質量%がアルコールであることを特徴とする[10]に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[12] 前記溶媒が沸点が95℃以上の有機溶媒を1〜5質量%含有することを特徴とする[10]または[11]に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[13] 前記溶媒が、沸点が95℃以上のアルコールの少なくとも1種類と、沸点が95℃未満のアルコールの少なくとも1種類を含有することを特徴とする[10]〜[12]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
[14] 前記沸点が80℃以下の有機溶媒がジクロロメタンであることを特徴とする[10]〜[13]のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、Rthが負である点に1つの特徴がある。本発明のセルロースアシレートフィルムのRthは、−600〜−20nmが好ましく、−400〜−40nmがより好ましく、−200〜−40nmがさらに好ましい。
また、本発明のセルロースアシレートフィルムは、Rthの湿度依存性が小さい点にも特徴がある。Rthの湿度依存性は15nm以下であれば実用上問題はないが、より好ましくは13nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下である。
本願におけるフィルムのレターデーション値とRthの湿度依存性は、後述する実施例に記載される方法で得たものを意味する。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、綿花リンタ由来のセルロースアシレートを含む。ここでいう綿花リンタ由来のセルロースアシレートとは、綿花リンタ由来のセルロースを原料として生物的あるいは化学的にアシレート基を導入して得られるセルロース骨格を有する化合物を意味する。一般に、セルロースエステルの原料としては、綿花リンタから抽出されたセルロースと木材パルプから抽出されたセルロースがあるが、フィルムの白化防止の観点、および微小異物低減の観点をはじめとし、さらには製膜時の剥離荷重低減の観点から、本発明では綿花リンタ由来のセルロースアセテートを用いる。これによって、得られるフィルムに残存してしまう微細異物を減少させることができる。顕微鏡にてクロスニコル下で観測され、液晶表示装置の輝点となり得るフィルム中の微小異物の数は、0〜10個/mm2であることが好ましく、0〜5個/mm2であることがより好ましく、0〜2個/mm2であることが最も好ましい。
(I) 2.87≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SAはセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、SPはセルロースの水酸基に置換されているプロピオニル基の置換度を表す。)
より好ましくは、下記式(IV)〜(VI)の全てを満足するものである。
(IV) 2.89≦SA+SP≦2.99
(V) 0≦SA≦1.5
(VI) 1.5≦SP≦2.85
さらに好ましくは、下記式(VII)〜(IX)の全てを満足するものである。
(VII) 2.90≦SA+SP≦2.98
(VIII)0.1≦SA≦1.0
(IX) 2.0≦SP≦2.8
最も好ましくは、下記式(X)〜(XII)の全てを満足するものである。
(X) 2.92≦SA+SP≦2.98
(XI) 0.1≦SA≦0.6
(XII) 2.4≦SP≦2.8
セルロースアシレートの原料綿や合成方法については、公開技報2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)7〜12頁にも記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムを構成するポリマーの好ましくは55質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上は、リンタ由来で上記式(I)〜(III)を満足するセルロースアシレートであることが望ましい。リンタ由来で上記式(I)〜(III)を満足するセルロースアシレートは、本発明のセルロースアシレートフィルムに1種類だけ含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する際に用いるセルロースアシレート溶液は、セルロースアシレート粒子を原料として調製することが好ましい。使用する粒子の90質量%以上は、0.2〜5mmの粒子サイズを有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が0.4〜4mmの粒子サイズを有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
エステルとしては、メチルホルメート、エチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテートなどが挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
エーテルとしては、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフランなどが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、2−プロパノールなどが挙げられる。
炭化水素としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼンなどが挙げられる。
エステルとしては、メチルホルメート、エチルホルメート、プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルアセテート、ペンチルアセテートなどが挙げられる。
ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノンなどが挙げられる。
エーテルとしては、ジエチルエーテル、メチル−tert−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、4−メチルジオキソラン、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、アニソール、フェネトールなどが挙げられる。
アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、1−ペンタノール、2−メチル−2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールなどが挙げられる。
炭化水素としては、n−ペンタン、シクロヘキサン、n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
二種類以上の官能基を有する有機溶媒としては、2−エトキシエチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、メチルアセトアセテートなどが挙げられる。
また、Rth低減の観点から、乾燥過程初期において、ハロゲン化炭化水素とともに揮発する割合が小さく、次第に濃縮される溶媒も使用することが好ましい。すなわち、沸点が95℃以上の、セルロースエステルの貧溶媒である有機溶媒を好ましくは1〜5質量%、より好ましくは1.5〜5質量%、さらに好ましくは2〜5質量%使用することが望ましい。
バンドからの剥離荷重低減およびRth低減双方の観点から、沸点が95℃以上の有機溶媒はアルコールであることが好ましい。また、乾燥負荷低減による生産性向上の観点から、アルコールは2種類以上のアルコールの混合物であって、沸点が95℃以上のアルコールと沸点が95℃未満のアルコールとからなることが好ましい。
(2)ジクロロメタン/アセトン/メタノール/プロパノール=80/10/5/5
(3)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール/シクロヘキサン=80/10/5/5
(4)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/メタノール/ブタノール=80/10/5/5
(5)ジクロロメタン/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール/ブタノール=68/10/10/7/5
(6)ジクロロメタン/シクロペンタノン/メタノール/ペンタノール=80/2/15/3
(7)ジクロロメタン/メチルアセテート/エタノール/ブタノール=70/12/15/3
(8)ジクロロメタン/シクロヘキサノン/メタノール/ペンタノール=80/2/15/3
(9)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/ペンタノール=50/20/20/5/5
(10)ジクロロメタン/1,3−ジオキソラン/メタノール/ブタノール=70/20/5/5
(11)ジクロロメタン/ジオキサン/アセトン/メタノール/ブタノール=80/2/10/5/3
(12)ジクロロメタン/アセトン/シクロペンタノン/エタノール/イソブタノール/シクロヘキサン=60/18/3/15/2/2
(13)ジクロロメタン/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/イソブタノール=70/10/10/5/5
(14)ジクロロメタン/アセトン/エチルアセテート/エタノール/ブタノール/ヘキサン=69/10/10/5/5/1
(15)ジクロロメタン/メチルアセテート/メタノール/イソブタノール=65/20/10/5
(16)ジクロロメタン/シクロペンタノン/エタノール/ブタノール=86/2/10/2
(17)アセトン/エタノール/ブタノール=82/15/3
(18)メチルアセテート/アセトン/メタノール/ブタノール=77/10/11/2
(19)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(81/15/4)
(20)ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2)
(21)ジクロロメタン/ブタノール(92/8)
本発明のセルロースアシレートフィルムは多層構造を有していてもよく、その場合は各層における添加剤の種類や量が異なってもよい(例えば、特開平2001−151902号公報記載)。
粘度および動的貯蔵弾性率は、試料溶液1mLを直径4cm/2°の容器(STEEL CONE、TA Instruments社製)に入れ、レオメーター(CLS500、TA Instruments社製)を用いて測定する。測定条件は、装置(Oscillation Step/Temperature Ramp)を用いて測定した。なお、試料溶液を予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に、測定を開始する。
セルロースアシレートフィルムは、従来から用いられている溶液流延製膜方法に従い、従来から用いられている溶液流延製膜装置を用いて製造することができる。溶解機(釜)で調製されたドープ(セルロースエステル溶液)は、ろ過後、貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。ドープは30℃に保温し、ドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体の上に均一に流延し、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。
流延工程では、2種類以上のセルロースエステル溶液を同時または逐次共流延してもよい。
2種類以上のセルロースエステル溶液は、組成が全く同一であってもよい。組成が異なる場合、溶媒または添加剤の種類を溶液毎に変更することができる。2種類以上の溶液は、濃度が異なっていてもよい。2種類以上の溶液は、セルロースエステルの会合体分子量が異なっていてもよい。2種類以上の溶液は、異なる温度で保持してもよい。
ここで、本発明の条件を満たす低Rthのフィルムを得るためには、セルロースアシレートのポリマー主鎖の間隔を広げる方法が有効である。そこで、既に述べたような高沸点のセルロースエステルの貧溶媒である有機溶媒を含有させる方法が有効であり、また、乾燥完了後にフィルムを冷却する際には、フィルム温度がガラス転移温度(Tg)を上回り、主鎖間隔が広くなっている状態から急速に冷却し、主鎖間隔が広いままクエンチさせる方法が有効である。したがって、通常は100℃/分程度で冷却しているが、−30〜10℃程度の除湿風を吹き込むことにより、110〜600℃/分、より好ましくは120〜350℃/分、さらに好ましくは150〜300℃/分で冷却することが好ましい。
このようにして乾燥の終了したフィルム中の残留溶剤は0〜5質量%が好ましく、より好ましくは0〜2質量%、さらに好ましくは0〜1質量%である。乾燥終了後、両端をトリミングして巻き取る。好ましい幅は0.5〜5mであり、より好ましくは0.7〜3m、さらに好ましくは1〜2mである。好ましい巻長は300〜30000mであり、より好ましくは500〜10000m、さらに好ましくは1000〜7000mである。
延伸はTg〜(Tg+50℃)以下で実施するのが好ましく、より好ましくは(Tg+1℃)〜(Tg+30℃)、さらに好ましくは(Tg+2℃)〜(Tg+20℃)である。好ましい延伸倍率は1%〜500%、より好ましくは3%〜400%、さらに好ましくは5%〜300%である。これらの延伸は1段で実施しても、多段で実施しても良い。ここで云う延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)−(延伸前の長さ)}/延伸前の長さ
このような延伸は出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸してもよく(縦延伸)、フィルムの両端をチャックで把持しこれを直交方向(長手方向と直角方向)に広げても良い(横延伸)。一般にいずれの場合も、延伸倍率を大きくすると、Rth大きくすることができる。また、縦延伸と横延伸の倍率の差を大きくすることでReを大きくすることができる。
このような延伸速度は10〜10000%/分が好ましく、より好ましくは20〜1000%/分、さらに好ましくは30〜800%/分である。
また製膜方向(長手方向)と、フィルムのReの遅相軸とのなす角度θが0±3°、+90±3°もしくは−90±3°であることが好ましく、0±2°、+90±2°もしくは−90±2°であることがより好ましく、0±1°、+90±1°もしくは−90±1°であることがさらに好ましい。
グロー放電処理は、10-3〜20Torrの低圧ガス下で実施する低温プラズマ処理を含む。また、大気圧下でのプラズマ処理も、好ましいグロー放電処理である。プラズマ励起性気体としては、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、フロン(例えば、テトラフルオロメタン)およびそれらの混合物が用いられる。大気圧でのプラズマ処理は、好ましくは10〜1000keV、さらに好ましくは30〜500keVで実施する。照射エネルギーは、20〜500kGyが好ましく、20〜300kGyがさらに好ましい。グロー放電処理については、公開技報2001−1745号(2001年3月15日発行、発明協会)30頁〜32頁に記載がある。
塗布方法は、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法またはE型塗布法を採用できる。塗布液の溶媒は、フィルムに対する濡れ性が良く、フィルム表面に凹凸を形成させずに面状を良好なまま保つことが望ましい。具体的には、溶媒は、アルコールが好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。また、水(好ましくは、界面活性剤の水溶液)を溶媒として使用することもできる。アルカリは、アルカリ金属の水酸化物が好ましく、KOHおよびNaOHがさらに好ましい。ケン化塗布液のpHは、10以上が好ましく、12以上がさらに好ましい。アルカリケン化時の反応条件は、室温で1秒〜5分が好ましく、5秒〜5分がさらに好ましく、20秒〜3分が最も好ましい。アルカリケン化反応後、ケン化液塗布面を水洗するか、あるいは酸で洗浄したあと水洗することが好ましい。また、塗布式鹸化処理と後述の配向膜解塗設を、連続して行うことができ、工程数を減少できる。これらの鹸化方法は、具体的には、例えば、特開2002−82226号公報、国際公開WO02/46809号公報に内容の記載が挙げられる。
膜厚方向のレターデーション値が負の値であるセルロースエステルフィルムは、そのまま位相差板や、位相差板の機能を持たせた偏光板の保護フィルムとして用いることができ、また、膜厚方向のレターデーション値が正の値であるセルロースエステルフィルムと積層することで、膜厚方向のレターデーション値が自在に制御された位相差板として用いることができる。
膜厚方向のレターデーション値が負の値であるセルロースエステルフィルム、あるいはそれを複数枚積層した位相差板、もしくは、それと膜厚方向のレターデーション値が正の値であるセルロースエステルフィルムとを積層したフィルムは、そのまま位相差板として用いることもでき、偏光板保護フィルムとして用いることもできる。また、上記セルロースエステルフィルムおよび位相差板を支持体とし、その上に光学異方性層(例えば、液晶性分子から形成される層)を設け、位相差板を製造することもできる。例えば、1対の偏光膜の間に備えられた液晶セルと前記偏光膜の液晶セル側に備えられた位相差板とを有する液晶表示装置の、前記位相差板として用いることができる。
アルカリケン化処理以外の表面処理(特開平6−94915号、同6−118232号の各公報に記載)を実施してもよい。
本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セルとTN型液晶表示装置とについては、古くからよく知られている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平3−9325号、特開平6−148429号、特開平8−50206号、特開平9−26572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.143や、Jpn. J. Appl. Phys. Vol.36(1997)p.1068)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360℃の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのReレターデーション値を0〜150nmとし、Rthレターデーション値を70〜400nmとすることが好ましい。Reレターデーション値は、20〜70nmであることがさらに好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は70〜250nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的異方性ポリマーフィルムを使用する場合、フィルムのRthレターデーション値は150〜400nmであることが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平10−123576号公報に記載されているような配向分割された方式であっても構わない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、IPSモードおよびECBモードの液晶セルを有するIPS型液晶表示装置およびECB型液晶表示装置の光学補償シートの支持体、または偏光板の保護膜としても特に有利に用いられる。これらのモードは黒表示時に液晶材料が略平行に配向する態様であり、電圧無印加状態で液晶分子を基板面に対して平行配向させて、黒表示する。これらの態様において本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板は色味の改善、視野角拡大、コントラストの良化に寄与する。この態様においては、液晶セルの上下の前記偏光板の保護膜のうち、液晶セルと偏光板との間に配置された保護膜(セル側の保護膜)に本発明のセルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を少なくとも片側一方に用いることが好ましい。さらに好ましくは、偏光板の保護膜と液晶セルとの間に光学異方性層を配置し、配置された光学異方性層のリターデーションの値を、液晶層のΔn・dの値の2倍以下に設定するのが好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートには、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光学的異方性層と支持体との配置により決定される。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開平9−197397号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文(Jpn. J. Appl. Phys. Vol.38(1999)p.2837)に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くからよく知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号公報、国際公開第98/48320号パンフレット、特許第3022477号公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、国際公開第00−65384号パンフレットに記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、またハードコートフィルム、防眩フィルム、反射防止フィルムへの適用が好ましく実施できる。LCD、PDP、CRT、EL等のフラットパネルディスプレイの視認性を向上する目的で、本発明のセルロースアシレートフィルムの片面または両面にハードコート層、防眩層、反射防止層の何れかあるいは全てを付与することができる。このような防眩フィルム、反射防止フィルムとしての望ましい実施態様は、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)54頁〜57頁に詳細に記載されており、本発明のセルロースアシレートフィルムを好ましく用いることができる。
まず、実施例中で用いた特性の測定法、評価法を以下に示す。
幅方向3点(中央、端部(両端から全幅の5%の位置))を長手方向に10mごとに3回サンプリングし、1cm□の大きさのサンプルを9枚取り出し、下記の方法にしたがって求めた各点の平均値を求めた。
サンプルフィルムを25℃・相対湿度60%にて24時間調湿後、自動複屈折測定装置(ABR−10A:ユニオプト(株)製)を用いて、25℃・相対湿度60%において、サンプルフィルム表面に対し垂直方向および、フィルム面法線から±40°傾斜させた方向から波長633nmにおけるレターデーション値を測定し、さらに、プリズムカップラー(MODEL2010、Metricon製)を用いて、25℃・相対湿度60%においてサンプルフィルムの平均屈折率nを測定し、下記式にしたがって面内レターデーション値(Re)と膜厚方向のレターデーション値(Rth)とを算出した(n=(nx+ny+nz)/3)。
Re=(nx−ny)×d
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nxはフィルム面内の遅相軸(x)方向の屈折率であり、nyはフィルム面内の進相軸(y)方向の屈折率であり、nzはフィルムの厚み方向(フィルム面と直交する方向)の屈折率であり、dはフィルムの厚み(nm)である。遅相軸はフィルム面内で屈折率が最大となる方向であり、進相軸はフィルム面内で屈折率が最小となる方向である。
ΔRth=|Rth(10%)−Rth(80%)|
幅方向3点(中央、端部(両端から全幅の5%の位置))を長手方向に10mごとに3回サンプリングし、2cm×2cmの大きさのサンプルを9枚取り出した。各サンプルを25℃・相対湿度60%にて24時間調湿後、偏光顕微鏡にてクロスニコル下で観察し、輝点として観察される異物の数を数えた。各点の数を平均することにより、微細異物数とした。
幅方向3点(中央、端部(両端から全幅の5%の位置))を長手方向に10mごとに3回サンプリングし、4cm×8cmの大きさのサンプルを9枚取り出した。各サンプルを25℃・相対湿度60%にて24時間調湿後、ヘイズメーター(HGM−2DP:スガ試験機(株)製)を用いてJIS K−6714に準じて測定した。各測定値を平均することにより、ヘイズ値とした。
フィルムのヘイズは低いほうが望ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムのヘイズは0.6%以下であり、好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.3%以下である。
セルロースアシレートのアシル置換度は、Carbohydr. Res.273 (1995) 83-91頁(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
(セルロースアシレートの調製)
表1に記載されるように原料と置換度を変えて、セルロースアシレートを調製した。まず、表1に記載の原料由来のセルロース150質量部と、酢酸75質量部を内温40℃で2時間撹拌し、−30℃に冷却したプロピオン酸無水物1545質量部、硫酸20質量部の混合物を加え、0.5時間後に内温が10℃、2時間後に内温が23℃になるように調節し、内温を23℃に保ってさらに3時間攪拌した。その後、内温を5℃まで冷却し、5℃に冷却した25質量%含水酢酸120質量部を1時間かけて添加した。内温を40℃に上昇させ、1.5時間攪拌した。硫酸触媒の2倍モル相当の酢酸マグネシウム4水和物に、等重量の水と、等重量の酢酸を加えて溶解した混合溶液を作成し、反応容器に添加して、30分間攪拌した。25質量%含水酢酸1000質量部、33質量%含水酢酸500質量部、50質量%含水酢酸1000質量部、水1000質量部をこの順に加え、セルロースアセテートプロピオネートを沈殿させた。得られたセルロースアセテートプロピオネートは温水にて十分に洗浄した。洗浄後、20℃の0.005質量%水酸化カルシウム水溶液中で0.5時間攪拌し、洗浄液のpHが7になるまで、さらに水で洗浄を行った後、70℃で真空乾燥させた。なお、セルロースアシレートの置換度は、加える酸および酸無水物の量および反応時間を調節することによって調整した。
1)セルロースアシレートの乾燥
調製したセルロースアシレートを120℃に加熱して乾燥し、含水率を0.5質量%以下として以下の溶液調製に用いた。溶媒との混合に際しては、溶媒100質量部に対してセルロースアシレート30質量部を混合した。但し、比較例3および比較例4の場合は、溶解性の観点からセルロースアシレート濃度を低下させる必要があるため、セルロースアシレートを15質量部として溶媒と混合させた。
表1に記載される下記のいずれかの溶媒を使用した。これらの溶媒の含水率は、いずれも0.2質量%以下であった。
・溶媒1:ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(81/15/4質量部)
・溶媒2:ジクロロメタン/メタノール/ブタノール(83/15/2質量部)
・溶媒3:ジクロロメタン/ブタノール(92/8質量部)
・溶媒4:ジクロロメタン/メタノール(87/13質量部)
実施例6を除く全ての溶液調製に際し、トリメチロールプロパントリアセテート0.9質量部を添加した。また、全ての溶液調製に際し、二酸化ケイ素(粒子サイズ20nm、モース硬度約7)0.25質量%を添加した。
攪拌羽根を有し外周を冷却水が循環する400リットルのステンレス製溶解タンクに、上記溶媒、添加剤を投入して撹拌、分散させながら、上記セルロースアシレートを徐々に添加した。投入完了後、室温にて2時間撹拌し、3時間膨潤させた後に再度撹拌を実施し、セルロースアシレート溶液を得た。
なお、攪拌には、15m/sec(剪断応力5×104kgf/m/sec2)の周速で攪拌するディゾルバータイプの偏芯攪拌軸および中心軸にアンカー翼を有して周速1m/sec(剪断応力1×104kgf/m/sec2)で攪拌する攪拌軸を用いた。膨潤は、高速攪拌軸を停止し、アンカー翼を有する攪拌軸の周速を0.5m/secとして実施した。
上記で得られたセルロースアシレート溶液を、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(#63、東洋濾紙(株)製)で濾過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの濾紙(FH025、ポール社製)にて濾過してセルロースアシレート溶液を得た。
上記セルロースアシレート溶液を25℃に加温し、20℃に設定した流延ギーサー(特開平11−314233号公報に記載)を通して15℃に設定したバンド長60mの鏡面ステンレス支持体上に流延した。流延スピードは15m/分、塗布幅は200cmとした。流延部全体の空間温度は、15℃に設定した。そして、流延部の終点部から50cm手前で、流延して回転してきたポリマーフィルムをバンドから剥ぎ取り、100℃で10分、さらに105℃で20分乾燥し、100μmの厚みのセルロースアシレートフィルムを得た。得られたフィルムは両端を3cm裁断し、さらに端から2〜10mmの部分に高さ125μmのナーリングを付与し、1000mロール状に巻き取った。
これに対して、パルプ由来のセルロースアシレートから製膜しようとした比較例1では、フィルムが白化してしまった。また、比較例2のようにSA+SPが低いパルプ由来のセルロースアシレートを用いた場合は、透明なフィルムが得られたものの、Rthが高く、また、微細異物の数も多くなってしまった。
さらに、比較例3のように、式(I)〜(III)のいずれかを満足しないセルロースアシレートを用いた場合は、Rthが高くなったり、湿度変化に伴うRthの変化が大きくなったりする問題が生じた。また、比較例4のように、高置換度のセルロースアセテートを用いた場合や、比較例5のように、沸点が95℃以上の有機溶媒を含有しない場合は、フィルムの面状が荒れてしまい、光学測定ができないものしか得られなかった。
上記本発明のフィルムから、下記方法に従って、偏光板を作製した。
(ケン化処理)
水酸化ナトリウム400質量部を水3000質量部に溶解させたアルカリ水溶液をケン化液として用いて、液温を55℃としてフィルムを2分間浸漬した後、フィルムを水洗した。その後、0.05mol/Lの硫酸水溶液に30秒浸漬した後、さらに水洗浴を通した。そして、エアナイフによる水切りを3回繰り返し、水を落とした後に70℃の乾燥ゾーンに15秒間滞留させて乾燥し、ケン化処理したフィルムを作製した。
各実施例および比較例において、特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光膜を調製した。
得られた偏光膜と、ケン化処理したフィルムで偏光膜を挟んだ後、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とフィルムとの長手方向が直交するように貼り合わせた。
上記本発明の偏光板を用い、特開2004−12731号公報の図11に記載のIPS型液晶表示装置に用いたところ、良好な液晶表示装置が得られた。
Claims (14)
- リンタ由来で下記式(I)〜(III)を満足するセルロースアシレートからなり、ヘイズが0.6%以下であり、且つ膜厚方向のレターデーション値が0nm未満であることを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
(I) 2.87≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SAはセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、SPはセルロースの水酸基に置換されているプロピオニル基の置換度を表す。) - 微細異物が0〜10個/mm2であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 膜厚方向のレターデーション値が−600〜−20nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 膜厚方向のレターデーション値が−400〜−40nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 25℃・相対湿度10%における膜厚方向のレターデーション値と25℃・相対湿度80%における膜厚方向のレターデーション値との差が15nm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- ヘイズが0.3%以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルム。
- 偏光膜の少なくとも一方の面に、請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを有することを特徴とする偏光板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする位相差板。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムを用いたことを特徴とする液晶表示素子。
- リンタ由来で下記式(I)〜(III)を満足するセルロースアシレートと沸点が80℃以下のハロゲン化炭化水素と沸点が95℃以上のアルコールを含む溶媒とを用いて下記工程(A)〜(C)の少なくとも1つを実施し、得られた混合物をろ過することにより溶液を得て、さらに該溶液を用いて流延製膜することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(I) 2.87≦SA+SP≦3
(II) 0≦SA≦1.7
(III) 1.3≦SP≦2.9
(式中、SAはセルロースの水酸基に置換されているアセチル基の置換度を表し、SPはセルロースの水酸基に置換されているプロピオニル基の置換度を表す。)
(A) 前記溶媒に前記セルロースアシレートを−10〜35℃で膨潤させる工程
(B) 前記溶媒と前記セルロースアシレートとの混合物を0.2〜30Mpaで
40〜150℃にて加熱溶解させる工程
(C) 前記溶媒と前記セルロースアシレートとの混合物を0〜35℃で撹拌する
工程 - 前記溶媒の10〜30質量%がアルコールであることを特徴とする請求項10に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記溶媒が沸点が95℃以上の有機溶媒を1〜5質量%含有することを特徴とする請求項10または11に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記溶媒が、沸点が95℃以上のアルコールの少なくとも1種類と、沸点が95℃未満のアルコールの少なくとも1種類を含有することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
- 前記沸点が80℃以下の有機溶媒がジクロロメタンであることを特徴とする請求項10〜13のいずれか1項に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048315A JP4594131B2 (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005048315A JP4594131B2 (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006232959A JP2006232959A (ja) | 2006-09-07 |
JP4594131B2 true JP4594131B2 (ja) | 2010-12-08 |
Family
ID=37040972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005048315A Expired - Fee Related JP4594131B2 (ja) | 2005-02-24 | 2005-02-24 | セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4594131B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230006144A (ko) | 2021-07-02 | 2023-01-10 | 효성화학 주식회사 | 광학 필름 및 이를 포함하는 패널 |
Families Citing this family (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5317151B2 (ja) * | 2006-11-24 | 2013-10-16 | 株式会社ダイセル | セルロース混合脂肪酸エステル、その製造方法及びそれを用いた光学フィルム |
JP4849075B2 (ja) * | 2007-02-08 | 2011-12-28 | コニカミノルタオプト株式会社 | セルロースエステルフィルム、その製造方法、セルロースエステルフィルムを用いた偏光板、及び表示装置 |
US8148518B2 (en) | 2007-02-14 | 2012-04-03 | Eastman Chemical Company | Cellulose esters and their production in carboxylated ionic liquids |
US10174129B2 (en) | 2007-02-14 | 2019-01-08 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a carboxylated ionic liquid process and products produced therefrom |
US9834516B2 (en) * | 2007-02-14 | 2017-12-05 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a carboxylated ionic liquid process and products produced therefrom |
US9777074B2 (en) | 2008-02-13 | 2017-10-03 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a halogenated ionic liquid process and products produced therefrom |
US8354525B2 (en) | 2008-02-13 | 2013-01-15 | Eastman Chemical Company | Regioselectively substituted cellulose esters produced in a halogenated ionic liquid process and products produced therefrom |
US8188267B2 (en) | 2008-02-13 | 2012-05-29 | Eastman Chemical Company | Treatment of cellulose esters |
US8158777B2 (en) | 2008-02-13 | 2012-04-17 | Eastman Chemical Company | Cellulose esters and their production in halogenated ionic liquids |
US8067488B2 (en) | 2009-04-15 | 2011-11-29 | Eastman Chemical Company | Cellulose solutions comprising tetraalkylammonium alkylphosphate and products produced therefrom |
US8729253B2 (en) | 2011-04-13 | 2014-05-20 | Eastman Chemical Company | Cellulose ester optical films |
JP5623445B2 (ja) * | 2012-03-02 | 2014-11-12 | 富士フイルム株式会社 | 光学フィルムの製造方法 |
JP5764155B2 (ja) * | 2013-03-15 | 2015-08-12 | 株式会社ダイセル | 混合脂肪酸セルロースエステル |
Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002055342A (ja) * | 2000-05-31 | 2002-02-20 | Sharp Corp | 液晶表示装置 |
JP2002249599A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-09-06 | Konica Corp | セルロースエステルフィルム及びその製造方法 |
JP2002341136A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 低透湿性フィルム |
JP2003294944A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-15 | Konica Corp | 位相差フィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2003315538A (ja) * | 2002-04-18 | 2003-11-06 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 位相差フィルム |
JP2004117625A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Konica Minolta Holdings Inc | 位相差フィルム、偏光板、光学補償フィルム、液晶表示装置 |
JP2006010828A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムとその製造方法 |
JP2006008768A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムとその製造方法 |
JP2006071965A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 |
-
2005
- 2005-02-24 JP JP2005048315A patent/JP4594131B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002055342A (ja) * | 2000-05-31 | 2002-02-20 | Sharp Corp | 液晶表示装置 |
JP2002249599A (ja) * | 2000-12-18 | 2002-09-06 | Konica Corp | セルロースエステルフィルム及びその製造方法 |
JP2002341136A (ja) * | 2001-05-11 | 2002-11-27 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 低透湿性フィルム |
JP2003294944A (ja) * | 2002-04-01 | 2003-10-15 | Konica Corp | 位相差フィルム、セルロースエステルフィルムの製造方法、偏光板及び液晶表示装置 |
JP2003315538A (ja) * | 2002-04-18 | 2003-11-06 | Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd | 位相差フィルム |
JP2004117625A (ja) * | 2002-09-25 | 2004-04-15 | Konica Minolta Holdings Inc | 位相差フィルム、偏光板、光学補償フィルム、液晶表示装置 |
JP2006010828A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムとその製造方法 |
JP2006008768A (ja) * | 2004-06-23 | 2006-01-12 | Fuji Photo Film Co Ltd | セルロースアシレートフィルムとその製造方法 |
JP2006071965A (ja) * | 2004-09-02 | 2006-03-16 | Fuji Photo Film Co Ltd | 偏光板一体型光学補償フイルム及び液晶表示装置 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20230006144A (ko) | 2021-07-02 | 2023-01-10 | 효성화학 주식회사 | 광학 필름 및 이를 포함하는 패널 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2006232959A (ja) | 2006-09-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4594131B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、位相差板、偏光板、液晶表示装置およびセルロースアシレートフィルムの製造方法 | |
JP4485301B2 (ja) | セルロースエステルフイルムおよび積層位相差板 | |
KR101218025B1 (ko) | 셀룰로오스아실레이트 필름과 그 제조 방법 | |
JP5072393B2 (ja) | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4147584B2 (ja) | セルロースアシレートフィルム、偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4186063B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用の改質剤 | |
JP2007084608A (ja) | 透明フィルム及びその製造方法、並びにその透明フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
JP2005139263A (ja) | セルロース溶液、セルロースフイルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4912009B2 (ja) | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4667047B2 (ja) | セルロース体組成物、セルロース体フイルム、セルロース体フイルム用改質剤、偏光板保護膜、液晶表示装置、ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP2007023157A (ja) | 透明フィルム及びその製造方法、並びにその透明フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
JP4530735B2 (ja) | セルロースアシレートフィルムとその製造方法 | |
JP2003128838A (ja) | セルロースアシレートドープ溶液およびそれを用いたセルロースアシレートフィルムの製造方法 | |
JP2007002021A (ja) | 透明フィルム及びその製造方法、並びにその透明フィルムを用いた偏光板及び液晶表示装置 | |
KR101109443B1 (ko) | 셀룰로오스체 조성물, 셀룰로오스체 필름, 셀룰로오스체필름용 개질제, 편광판 보호막, 액정표시장치, 할로겐화은 사진 감광재료 | |
JP3791678B2 (ja) | セルロースアシレート溶液、その調製方法、セルロースアシレートフィルム及びその製造方法 | |
JP4257456B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用改質剤 | |
JP2005156734A (ja) | 偏光板、およびそれを用いた液晶表示装置 | |
JP4272038B2 (ja) | セルロースアシレートフイルム、偏光板保護膜、液晶表示装置、ハロゲン化銀写真感光材料 | |
JP4953668B2 (ja) | セルロースアシレートフィルムおよびその製造方法、並びに、それを用いた位相差フィルム、偏光板および液晶表示装置 | |
JP4601225B2 (ja) | セルロースアシレートフイルムの製造方法 | |
JP4536972B2 (ja) | セルロースアシレートフイルムの製造方法 | |
JP2003226761A (ja) | セルロースアシレートフィルム | |
JP4269868B2 (ja) | セルロース組成物、セルロースフィルム、およびセルロースフィルム用改質剤 | |
JP2003055476A (ja) | セルロースアシレートフイルム |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712 Effective date: 20061206 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20070614 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20100108 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20100119 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20100319 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20100824 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20100916 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4594131 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |