JP2002055342A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
なく、広い視野角を維持し、しかも、正面方向のコント
ラスト比の低下を防止可能な液晶表示装置を実現する。 【解決手段】 液晶表示装置1は、液晶セル11の両側
の液晶補償板14a・14bと両者14a・14bの外
側のλ/4板13a・13bとを備えている。さらに、
λ/4板13a(13b)と直線偏光フィルム12a
(12b)との間には、Rth補償フィルム16a(1
6b)が設けられており、λ/4板13a(13b)を
含まず、直線偏光フィルム12a(12b)からλ/4
板13a(13b)までの厚み方向のリターデーション
Rth1は、略0に設定されている。これにより、液晶セル
11の光学補償用のリターデーション(厚み方向)を液
晶セル11に近づけることができ、液晶表示装置1の表
示品位を向上できる。
Description
分の1波長層を有する液晶表示装置に関するものであ
る。
ッサなどの表示画面として用いられている液晶表示装置
では、液晶の光学異方性のため、CRTなどの表示装置
に比べて、視野角が狭く、斜めから見た場合の表示品位
が低下しがちである。したがって、例えば、特開平5−
113561号公報(1993年5月7日公開)に記載の液
晶表示装置501には、図42に示すように、視野角を
拡大するために、液晶セル511と、液晶セル511に
隣接して配され、液晶セル511を光学補償する液晶補
償板514と、液晶セル511および液晶補償板514
を挟むように配されたλ/4板513c・513dと、
両λ/4板513c・513dを挟むように配された直
線偏光フィルム512a・512bが設けられている。
上記両λ/4板513c・513dは、それぞれ、面内
方向のリターデーションが透過光の4分の1に設定され
ており、λ/4板513cが負の光学活性を有する一軸
性材料から、λ/4板513dが正の光学活性を有する
一軸性材料から形成されている。
を透過した光は、λ/4板513cで円偏光に変換され
た後、液晶補償板514を介して液晶セル511に入射
される。ここで、電荷を印加しない状態では、液晶セル
511のネマティック液晶は、基板に略垂直に配列して
いるので、液晶セル511の出射光は、入射光と略同じ
く円偏光状態であり、λ/4板513dで直線偏光に変
換される。ここで、上記両直線偏光フィルム512a・
512bは、それぞれの吸収軸が互いに直交するように
配されているので、上記直線偏光は、直線偏光フィルム
512bで吸収され、黒表示となる。また、液晶補償板
514が液晶セル511とは逆の光学活性を持っている
ので、黒表示の際、基板法線方向から傾斜した透過光に
液晶セル511が位相差を与えても、液晶補償板514
が位相差を打ち消すことができ、視野角を拡大できる。
に対して水平方向に傾き、液晶セル511の出射光は、
楕円偏光となる。したがって、λ/4板513dの出射
光は、直線偏光フィルム512bで完全には吸収され
ず、白表示となる。
成では、両λ/4板513c・513dは、光学活性が
の正負が互いに異なるため、それぞれ別個の製造工程で
製造する必要があり、両者の面内リターデーションを一
致させることが難しいという問題を生じる。
に独立した製造バラツキなどによって、両者の面内リタ
ーデーションが相違すると、黒表示の際、正面方向で光
漏れが発生し、正面方向のコントラスト比が低下してし
まう。
角度のコントラスト比を面内方位全てに渡って測定する
と、コントラスト比のピーク値にバラツキが生じやす
く、上下左右の視角特性のバランスを取りにくい。
ものであり、その目的は、上下左右の視角特性のバラン
スを損なうことなく、広い視野角を維持し、しかも、正
面方向のコントラスト比の低下を防止可能な液晶表示装
置を実現することにある。
置は、液晶セルと、当該液晶セルの両側に配された偏光
素子とを有する液晶表示装置であって、上記課題を解決
するために、上記各偏光素子および液晶セルの間にそれ
ぞれ配され、面内方向のリターデーションが透過光の波
長の略4分の1波長に設定されている4分の1波長層
と、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セ
ルの間に配され、厚み方向のリターデーションを有し、
上記液晶セルを光学補償する位相差層と、少なくとも上
記液晶補償層が設けられた方の4分の1波長層および偏
光素子の間に設けられた補償層とを備え、上記補償層の
厚み方向のリターデーションの値は、上記4分の1波長
層を含み上記偏光素子から4分の1波長層までの範囲に
おける厚み方向のリターデーションのうち、上記補償層
を除いた合計値と正負が逆に設定されていることを特徴
としている。
配向モードの液晶セルと、当該液晶セルの両側に配され
た偏光素子とを有する液晶表示装置であって、上記課題
を解決するために、上記各偏光素子および液晶セルの間
にそれぞれ配され、面内方向のリターデーションが透過
光の波長の略4分の1波長に設定されている4分の1波
長層と、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液
晶セルの間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、n
y1、法線方向の主屈折率をnz1としたとき、主屈折
率nz1が最も小さい位相差層と、少なくとも上記位相
差層が設けられた方の4分の1波長層および偏光素子の
間に設けられ、面内方向の主屈折率をnx2、ny2、
法線方向の主屈折率をnz2としたとき、主屈折率nz
2が最も大きな補償層とを備えていることを特徴として
いる。
の誘電異方性の液晶を含む液晶セルと、当該液晶セルの
両側に配された偏光素子とを有する水平配向モードの液
晶表示装置であって、上記課題を解決するために、上記
各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、面内
方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の1波
長に設定されている4分の1波長層と、上記4分の1波
長層の少なくとも一方および液晶セルの間に配された正
の一軸性の位相差層と、上記4分の1波長層の少なくと
も一方および液晶セルの間に配された負の一軸性の位相
差層と、少なくとも上記位相差層のいずれかが設けられ
た方の4分の1波長層および偏光素子の間に設けられ、
面内方向の主屈折率をnx2、ny2、法線方向の主屈
折率をnz2としたとき、主屈折率nz2が最も大きな
補償層とを備えていることを特徴としている。なお、上
記正および負の一軸性の位相差層に代えて、上記4分の
1波長層の少なくとも一方および液晶セルの間に、元の
屈折率楕円体がna=nb>ncであり、上記na軸が
面内のラビング直交方向に一致し、nc軸が法線方向か
ら予め定める角度をなすように傾斜した傾斜型の位相差
層を設けてもよい。
誘電異方性の液晶を含む液晶セルと、当該液晶セルの両
側に配された偏光素子とを有する光学的補償ベンドモー
ドの液晶表示装置であって、上記課題を解決するため
に、上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配さ
れ、面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4
分の1波長に設定されている4分の1波長層と、上記4
分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの間に配
され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法線方向
の主屈折率をnz1としたとき、nx1>ny1>nz
1の位相差層と、少なくとも上記位相差層が設けられた
方の4分の1波長層および偏光素子の間に設けられ、面
内方向の主屈折率をnx2、ny2、法線方向の主屈折
率をnz2としたとき、主屈折率nz2が最も大きな補
償層とを備えていることを特徴としている。なお、上記
位相差層に代えて、上記4分の1波長層の少なくとも一
方および液晶セルの間に、元の屈折率楕円体がna=n
b>ncであり、上記na軸が面内のラビング直交方向
に一致し、nc軸が法線方向から予め定める角度をなす
ように傾斜した傾斜型の位相差層を設けてもよい。
分の1波長層を通過した光が液晶セルに入射するので、
液晶セルには、略円偏光が入射され、液晶セルから出射
した光は、4分の1波長層によって、略4分の1波長の
位相差が与えられた後、偏光素子を介して出射される。
加時の初期配向状態など、画素電極と対向電極との間の
電圧が所定の電圧の場合には、液晶セルは、液晶分子の
配向状態に応じた位相差を透過光に与えるので、円偏光
は、楕円偏光に変換される。したがって、4分の1波長
層を透過しても直線偏光には戻らず、4分の1波長層の
出射光の一部が偏光素子から出射される。この結果、印
加電圧に応じて偏光素子からの出射光量を制御でき、階
調表示が可能となる。
液晶分子に配向乱れが発生しても、液晶分子の配向方向
と透過光とが、面内成分と基板法線方向との双方で一致
していない限り、液晶分子は、透過光に位相差を与える
ことができ、高い光利用効率を確保できる。
方向(垂直)に配向していると、液晶セルは、透過光に
位相差を与えることができない。この結果、透過光は、
略円偏光を維持したまま、出射される。当該出射光は、
4分の1波長層で直線偏光に変換された後、偏光素子へ
入力され、透過が制限される。したがって、液晶表示装
置は、黒表示できる。
も、基板法線方向から極角だけ傾いた斜め方向から見た
場合、液晶分子の配向方向と透過光の方向とが一致せ
ず、液晶セルは、極角に応じた位相差を透過光に与えて
しまう。ところが、上記各構成では、厚み方向のリター
デーションを有する位相差層が設けられており、液晶セ
ルを光学補償できる。したがって、広い視野角を保つこ
とができる。
デーションの正負が、上記4分の1波長層や位相差層と
は逆の補償層が、偏光素子と4分の1波長層との間に配
されている。したがって、例えば、偏光素子の支持体な
ど、位相差層と同傾向の光学活性に機能する部材が、偏
光素子と4分の1波長層との間に介在したり、4分の1
波長層が厚み方向のリターデーションを持っていたとし
ても、これらの部材のリターデーションを、上記補償層
で打ち消すことができる。
よび、液晶セルから偏光素子までにおける、厚み方向の
リターデーションの合計が同じであったとしても、上記
4分の1波長層を含み、上記偏光素子から4分の1波長
層までの範囲の厚み方向のリターデーションの絶対値を
小さくできるので、補償層を持たない場合に比べて、液
晶セルの補償用のリターデーション(厚み方向)を、液
晶セルに近づけることができる。したがって、黒表示時
の光漏れを防止でき、良好な黒表示が可能になる。加え
て、正負の光学活性を有する4分の1波長層を用いる場
合と異なり、同じ種類の4分の1波長層を用いることが
できるので、両者の面内方向のリターデーションを容易
に揃えることができ、正面方向のコントラスト比を向上
できる。
ョン(絶対値)を削減できるので、法線方向から所定の
角度のコントラスト比を面内方位全てに渡って測定した
際、コントラスト比のピーク値を同様の値に維持でき、
上下左右の視角特性のバランスを取りやすい。
層を2軸性屈折率楕円体で表される位相差フィルムによ
り作成し、上記負フィルムの特性を4分の1波長層に付
加することで、4分の1波長層を負フィルムとして兼用
できる。この場合であっても、液晶セルの補償用のリタ
ーデーション(厚み方向)を液晶セルに近づけることが
できるので、良好な黒表示が可能となる。
差層が設けられている構成に加えて、少なくとも上記位
相差層が設けられた方の4分の1波長層および偏光素子
の間には、厚み方向および面内方向のリターデーション
を有し、面内方向のリターデーションで上記偏光素子を
光学補償する偏光素子補償層が設けられている方が好ま
しい。また、主屈折率nz2が最も大きな補償層が設け
られている構成の場合は、少なくとも上記位相差層が設
けられた方の4分の1波長層および偏光素子の間には、
面内方向の主屈折率をnx3、ny3、法線方向の主屈
折率をnz3としたとき、nx3>ny3であり、上記
液晶セルを基準に同じ側にある偏光素子の吸収軸とny
3軸とが平行となるように設定された偏光素子補償層が
設けられている方が望ましい。
よって、偏光素子を光学補償できる。例えば、偏光素子
の吸収軸と偏光素子補償層のy軸とを平行に配した場
合、吸収軸が互いに直交する偏光素子を有する液晶表示
装置を、上記吸収軸の45度の面内方位から斜めにみた
ときの光漏れを抑制できる。さらに、上記補償層にて、
偏光素子補償層の厚み方向のリターデーションを打ち消
すことができるので、偏光素子補償層が設けられている
にも拘らず、液晶セルの補償用のリターデーション(厚
み方向)を、液晶セルに近づけることができる。この結
果、全ての面内方位において、黒表示時の光漏れを防止
でき、良好に黒表示可能な液晶表示装置を実現できる。
が設けられている構成の場合、上記補償層の各主屈折率
は、nx2=ny2<nz2に設定されている方が望ま
しい。当該構成によれば、補償層の面内方向のリターデ
ーションが0nmなので、面内方向のリターデーション
が存在する場合に発生する色付き現象を防止でき、コン
トラスト比を高い値に維持できる。
りに、上記4分の1波長層として、面内方向の主屈折率
をnx4、ny4、法線方向の主屈折率をnz4とした
とき、(nx4+ny4)/2が概ねnz4の4分の1
波長層を用いてもよい。
のリターデーションが略0に抑制される。したがって、
上述の各液晶表示装置と同様に、偏光素子から液晶セル
まで、および、液晶セルから偏光素子までにおける、厚
み方向のリターデーションの合計が同じであったとして
も、上記4分の1波長層を含み、上記偏光素子から4分
の1波長層までの厚み方向のリターデーションを削減で
きる。これにより、液晶セルの補償用のリターデーショ
ン(厚み方向)を、液晶セルに近づけることができる。
この結果、補償層を設けた場合と略同様に、上下左右の
視角特性のバランスを損なうことなく、広い視野角を維
持し、しかも、正面方向のコントラスト比の低下を防止
可能な液晶表示装置を実現できる。
4)/2が概ねnz4に設定されているか否かや、補償
層の有無に拘らず、上記4分の1波長層を含み上記偏光
素子から4分の1波長層までの範囲における厚み方向の
リターデーションの絶対値は、いずれも上記透過光の波
長の8分の1未満に設定されていてもよい。
様に、液晶セルの補償用のリターデーション(厚み方
向)を、液晶セルに近づけることができる。したがっ
て、上記各液晶表示装置と同様に、上下左右の視角特性
のバランスを損なうことなく、広い視野角を維持し、し
かも、正面方向のコントラスト比の低下を防止可能な液
晶表示装置を実現できる。
ーデーションの絶対値は、いずれも略0に設定されてい
る方が望ましい。当該構成によれば、液晶セルを光学補
償するために有効な厚み方向のリターデーションを最も
液晶セルに近づけることができ、さらに液晶表示装置の
表示品位を向上できる。
は、画素に対応する画素電極が設けられた第1基板と、
対向電極が設けられた第2基板と、当該両基板間に設け
られた液晶層とを有し、当該液晶層は、上記画素電極と
対向電極との間の電圧が、少なくとも予め定められる値
の場合に、液晶分子の配向方向が画素中で互いに異なる
ように制御される方が望ましい。
中で互いに異なっているので、配向方向の互いに異なる
液晶分子が存在する領域同士が、互いに光学的に補償し
合うことができる。この結果、斜めから見た場合の表示
品位を改善し、視野角を拡大できる。
ために液晶分子の配向方向を画素中で互いに異なるよう
に制御した結果、配向状態の乱れが発生しやすい。した
がって、液晶層に直線偏光が入射され、液晶層の出射光
が検光子に入射される従来の液晶表示装置の場合は、液
晶分子の配向に乱れが発生して、配向方向の面内成分
が、偏光素子の吸収軸と一致すると、基板法線方向成分
に拘らず、当該液晶分子は、透過光に位相差を与えるこ
とができなくなってしまう。したがって、当該液晶分子
が存在する領域は、明るさ向上に寄与できず、ザラツキ
などが発生してしまう。また、配向方向の面内成分が検
光子の吸収軸と一致した液晶分子が明るさ向上に寄与で
きないので、光利用効率(実効開口率)が低下する。こ
れらの結果、コントラスト比の確保が難しくなり、階調
数の増加も困難になってしまう。
は、略円偏光が液晶層に入射されるので、液晶層の配向
方向についての異方性がなくなり、液晶分子の配向方向
と透過光とが、面内成分と基板法線方向との双方で一致
していない限り、液晶分子は、透過光に位相差を与える
ことができる。
子の配向方向を画素中で互いに異なるように制御した結
果、配向状態の乱れが発生しやすいにも拘らず、配向が
乱れた液晶分子の配向方向が視角と一致していない限
り、明るさ向上に寄与できる。この結果、広い視野角を
保ちながら、高い光利用効率を確保できる。
の各主屈折率nx1、ny1は、nx1=ny1に設定
されている方が好ましい。当該構成によれば、位相差層
の面内方向のリターデーションが0nmなので、面内方
向のリターデーションが存在する場合に発生する色付き
現象を防止でき、コントラスト比を高い値に維持でき
る。
に、上記位相差層は、上記4分の1波長層および液晶セ
ルの間の双方に配され、それぞれの主屈折率nx1、n
y1は、互いに異なっており、上記両位相差層のnx1
軸は、互いに直交していると共に、両位相差層のny1
軸は、互いに直交していてもよい。
位相差層は、互いのnx1軸およびny1軸がそれぞれ
直交している。したがって、一方の位相差層で発生した
面内方向のリターデーションは、他方の位相差層で打ち
消される。この結果、上記色付き現象を防止でき、コン
トラスト比を高い値に維持できる。
の1波長層は、厚み方向のリターデーションの正負が互
いに同一である方が望ましい。当該構成によれば、両4
分の1波長層を同一の工程で製造できるので、生産バラ
ツキが発生しても、双方の特性を容易に揃えることがで
きる。この結果、厚み方向のリターデーションの正負が
異なる4分の1波長層を用いる場合に比べて、液晶表示
装置の生産性を向上できる。
施形態について図1ないし図16に基づいて説明すると
以下の通りである。なお、詳細は後述するように、本発
明は、他の液晶セルにも適用できるが、以下では、好適
な一例として、例えば、放射状傾斜配向やマルチドメイ
ン配向など、液晶分子の配向方向が画素中で互いに異な
るように制御される液晶セルについて説明する。
に示すように、液晶セル11と、当該液晶セル11の両
側に配された直線偏光フィルム(偏光素子)12a・1
2bとを有する液晶表示装置1であって、以下の手段を
講じたことを特徴としている。すなわち、上記液晶セル
11は、画素に対応する画素電極21a(図2参照)が
設けられたTFT基板11a(第1基板)と、対向電極
21b(図2参照)が設けられた対向基板11b(第2
基板)と、当該両基板11a・11b間に設けられた液
晶層11cとを備えている。さらに、上記液晶層11c
は、上記画素電極21aと対向電極21bとの間の電圧
が、少なくとも予め定められる値の場合に、例えば、図
2中の矢印で示すように、液晶分子の配向方向が画素中
で互いに異なるように制御される。
装置1は、上記各直線偏光フィルム12a・12bおよ
び液晶セル11の間にそれぞれ配されたλ/4板13a
・13b(4分の1波長層)と、上記λ/4板13a・
13bの少なくとも一方(この場合は、両方)および液
晶セル11の間に配され、面内方向の主屈折率をnx
1、ny1、法線方向の主屈折率をnz1としたとき、
主屈折率nz1が最も小さい液晶補償板(位相差層;負
フィルム)14a・14bと、上記直線偏光フィルム1
2a(12b)とλ/4板13a(13b)との間の少
なくとも一方(この場合は、両方)に配され、面内方向
の主屈折率をnx2、ny2、法線方向の主屈折率をn
z2としたとき、主屈折率nz2が最も大きなRth補
償フィルム(補償層)16a・16bとを備えている。
は、面内方向のリターデーションが透過光の波長の4分
の1波長に設定されていると共に、互いの遅相軸SLa
(SLb)が直交し、かつ、隣接する上記直線偏光フィ
ルム12a(12b)の吸収軸AAa(AAb)と遅相
軸SLa(SLb)とが45度の角度をなすように設定
されている。
フィルム12aから光が入射する場合を例にすると、直
線偏光フィルム12aおよびλ/4板13aを通過した
光が、液晶セル11に入射するので、液晶セル11に
は、円偏光が入射され、液晶セル11から出射した光
は、λ/4板13bによって、4分の1波長の位相差が
与えられた後、直線偏光フィルム12bを介して出射さ
れる。
加時の初期配向状態など、画素電極21aと対向電極2
1bとの間の電圧が所定の電圧の場合には、液晶分子の
配向方向が画素中で互いに異なるように制御される。こ
の状態では、液晶セル11は、配向状態に応じた位相差
を透過光に与えるので、円偏光は、楕円偏光に変換され
る。したがって、液晶セル11を透過した光は、λ/4
板13bを透過しても直線偏光には戻らず、λ/4板1
3bの出射光の一部が直線偏光フィルム12bから出射
される。これらの結果、印加電圧に応じて直線偏光フィ
ルム12bからの出射光量を制御でき、階調表示が可能
となる。
に異なっているので、配向方向の互いに異なる液晶分子
が存在する領域同士が、互いに光学的に補償し合うこと
ができる。この結果、斜めから見た場合の表示品位を改
善し、視野角を拡大できる。
確保のために液晶分子の配向方向を画素中で互いに異な
るように制御した結果、配向状態の乱れが発生しやす
い。したがって、液晶セルに直線偏光が入射され、液晶
セルの出射光が検光子に入射される従来の液晶表示装置
の場合は、液晶分子の配向に乱れが発生して、配向方向
の面内成分が、偏光素子の吸収軸と一致すると、基板法
線方向成分に拘らず、当該液晶分子は、透過光に位相差
を与えることができなくなってしまう。したがって、当
該液晶分子が存在する領域は、明るさ向上に寄与でき
ず、ザラツキなどが発生してしまう。また、配向方向の
面内成分が検光子の吸収軸と一致した液晶分子が明るさ
向上に寄与できないので、光利用効率(実効開口率)が
低下する。これらの結果、コントラスト比の確保が難し
くなり、階調数の増加も困難になってしまう。
装置1では、略円偏光が液晶セル11に入射されるの
で、液晶セル11の配向方向についての異方性がなくな
り、液晶分子の配向方向と透過光とが、面内成分と基板
法線方向との双方で一致していない限り、液晶分子は、
透過光に位相差を与えることができる。したがって、広
視野角確保のために液晶分子の配向方向を画素中で互い
に異なるように制御した結果、配向状態の乱れが発生し
やすいにも拘らず、配向が乱れた液晶分子の配向方向が
視角と一致していない限り、明るさ向上に寄与できる。
この結果、広い視野角を保ちながら、高い光利用効率を
確保できる。
法線方向(垂直)に配向していると、液晶セル11は、
透過光に位相差を与えることができない。この結果、透
過光は、略円偏光を維持したまま、出射される。当該出
射光は、λ/4板13bで直線偏光に変換された後、直
線偏光フィルム12bへ入力され、透過が制限される。
したがって、液晶表示装置1は、黒表示できる。
も、基板法線方向から極角だけ傾いた斜め方向から見た
場合、液晶分子の配向方向と透過光の方向とが一致せ
ず、液晶セル11は、極角に応じた位相差を透過光に与
えてしまう。ところが、上記液晶補償板14a・14b
は、主屈折率nz1が最も小さいので、液晶セル11が
与える位相差とは逆の位相差を与えることができる。
デーションの正負が、上記液晶補償板14a・14bと
は逆のRth補償フィルム16a・16bが、直線偏光
フィルム12a・12bとλ/4板13a・13bとの
間に配されている。したがって、例えば、直線偏光フィ
ルム12a・12bの支持体など、負フィルムとして機
能する部材が、偏光素子と4分の1波長層との間に介在
したり、4分の1波長層が厚み方向のリターデーション
を持っていたとしても、これらの部材のリターデーショ
ンを、上記補償層で打ち消すことができる。なお、負フ
ィルムは、面内方向の主屈折率をnxおよびny、法線
方向の主屈折率をnz、厚みをdとし、厚み方向のリタ
ーデーションRth={nz−(nx+ny)/2}・
dと定義するとき、Rthが負の値を持つ位相差層であ
る。
晶セル11まで、および、液晶セル11から直線偏光フ
ィルム12bまでにおける、厚み方向のリターデーショ
ンの合計が同じであったとしても、上記λ/4板13a
(13b)を含み、上記直線偏光フィルム12a(12
b)からλ/4板13a(13b)までの厚み方向のリ
ターデーションを削減できる。これにより、Rth補償
フィルム16a(16b)を持たない場合に比べて、液
晶セル11の補償用のリターデーション(厚み方向)
を、液晶セル11に近づけることができる。したがっ
て、黒表示時の光漏れを防止でき、良好な黒表示が可能
になる。
分子の配向方向を画素中で互いに異なるように制御した
結果、配向状態の乱れが発生しやすいにも拘らず、広い
視野角で高いコントラスト比を維持可能な液晶表示装置
を実現できる。
よび効果について、比較例と比較しながら詳細に説明す
る。すなわち、上記液晶セル11は、電圧無印加時に
は、液晶分子が基板に垂直に配向し、電圧印加時には、
配向方向が連続的に変化する放射状傾斜配向を呈する垂
直配向(VA)方式の液晶セルであって、薄膜トランジ
スタ素子(図示せず)と画素電極21aとをマトリクス
状に配列したTFT基板11a、および、対向電極21
bを有する対向基板11bの双方に、図示しない垂直配
向膜を塗布した後、両基板を貼り合わせ、さらに、両基
板の間隙に負の誘電率異方性を有するネマティック液晶
を封入するなどして作成される。これにより、電圧無印
加時には、液晶層11cの液晶分子が略垂直に配向する
と共に、電圧印加時には、液晶分子が傾斜して水平に配
向できる。
率異方性Δnは、0.1であり、セル厚は、3μmに設
定している。この場合、厚み方向のリターデーション
は、300nmとなる。なお、本実施形態では、上記屈
折率異方性Δnは、例えば、常光屈折率no=1.5、
異常光屈折率ne=1.6の素材を用いて実現されてい
る。
は、図2に示すように、上記TFT基板11aに設けら
れた各画素電極21aに、円形のスリット22が形成さ
れている。これにより、電圧を印加した際、画素電極2
1aの表面のうち、スリット22の直上の領域では、液
晶分子を傾斜させる程の電界がかからない。したがっ
て、この領域では、電圧印加時でも液晶分子は垂直に配
向する。一方、画素電極21aの表面のうち、スリット
22近傍の領域では、電界は、スリット22へ厚み方向
で近づくに従って、スリット22を避けるように傾斜し
て広がる。ここで、液晶分子は、長軸が垂直な方向に傾
き、液晶の連続性によって、スリット22から離れた液
晶分子も同様の方向に配向する。したがって、画素電極
21aに電圧を印加した場合、各液晶分子は、配向方向
の面内成分が、図中、矢印で示すように、スリット22
を中心に放射状に広がるように配向、すなわち、スリッ
ト22の中心を軸として軸対称に配向できる。ここで、
上記電界の傾斜は、印加電圧によって変化するため、液
晶分子の配向方向の基板法線方向成分(傾斜角度)は、
印加電圧によって制御できる。なお、印加電圧が増加す
ると、基板法線方向に対する傾斜角が大きくなり、各液
晶分子は、表示画面に略平行で、しかも、面内では放射
状に配向する。
液晶テレビを形成する場合、各画素のサイズは、1mm
四方程度と大きくなり、画素電極21aに1つずつスリ
ット22を設けただけでは、配向規制力が弱まり、配向
が不安定になる虞れがある。したがって、配向規制力が
不足する場合には、各画素電極21a上に複数のスリッ
ト22を設ける方が望ましい。
3b)は、例えば、一軸延伸した高分子フィルムで構成
するなどして、正の一軸光学異方性を有している。当該
フィルムは、複屈折異方性を有しているので、常光線と
異常光線との光路差が入射光の4分の1波長になるよう
に、厚み(基板法線方向の長さ)を設定することで、遅
相軸SLaに対して45度の偏光方向を有する直線偏光
を円偏光に変換できる。また、円偏光が入射された場
合、λ/4板13bの遅相軸SLbに対して、45度の
偏光方向を有する直線偏光に変換できる。本実施形態で
は、波長550nmにて、各λ/4板13a・13bの
面内のリターデーションが、137.5nmになるよう
に設定している。一例として、本実施形態では、面内方
向の主屈折率を、それぞれ、nx、ny、法線方向の主
屈折率をnzとしたとき、nx=1.501375、か
つ、ny=nz=1.5で、厚みdが100μmの一軸
延伸フィルムを使用している。この場合、面内方向のリ
ターデーションは、波長550nmの光に対して、13
7.5nmとなり、厚み方向のリターデーションは、一
軸延伸フィルムなので、−68.75nmとなる。
000−47217号公報(2000年2月18日公開)記
載の液晶表示装置と同様に、ツイスト角が90度となる
ように、カイラル剤を添付して、TNモードの液晶表示
装置と同様に、光の利用効率および白表示時の色バラン
スを最適化している場合は、液晶セル11でのツイスト
角に応じて、λ/4板13a(13b)の光路差を、4
分の1波長からズラす方が望ましい。
は、図1に示すように、直線偏光フィルム12aの吸収
軸AAaと、直線偏光フィルム12bの吸収軸AAbと
が互いに直交するように配されている。また、両λ/4
板13a・13bの遅相軸SLa・SLbは、互いに直
交するように配されている。さらに、隣接するλ/4板
13a(13b)と直線偏光フィルム12a(12b)
とは、遅相軸SLa(SLb)と吸収軸AAa(AA
b)とが、それぞれ45度の角度をなすように配置され
る。
は、面内方向の主屈屈折率をnx、ny、法線方向の主
屈折率をnzとしたとき、nx=ny>nzのフィルム
から形成されている。当該フィルムの厚み方向のリター
デーションRthは、厚みをdとすると、Rth=d・
{nz−(nx+ny)/2}と定義できるので、液晶
補償板14a・14bの厚み方向のリターデーションR
thが、それぞれ、−100nmになるように、フィル
ム材料や厚みを選択している。一例として、本実施形態
では、nx=ny=1.502、nz=1.5のフィル
ムを、厚さd=50μmに設定することで、上記リター
デーションRthを達成している。
は、上記λ/4板13a・13bの厚み方向のリターデ
ーションを打ち消すように、厚み方向のリターデーショ
ンRthを、それぞれ68.75nmに設定している。
本実施形態では、一例として、各Rth補償フィルム1
6a・16bは、それぞれ、面内方向の主屈折をnx、
ny、厚み方向の主屈折率をnzとしたとき、nx=n
y<nzなる1軸性屈折率楕円体で特性が表されるフィ
ルムで構成され、それぞれ、厚みd=100μm、面内
方向の主屈折率nx=ny=1.5、法線方向の主屈折
率nz=1.5006875に設定されている。なお、
nx=nyなので、面内のリターデーションReは、0
nmである。
21bとの間に電圧を印加していない間、液晶セル11
の液晶分子は、垂直配向状態にある。この状態(電圧無
印加時)において、液晶表示装置1へ入射した光は、直
線偏光フィルム12aを通り、偏光方向がλ/4板13
aの遅相軸SLaに対して45度の直線偏光となる。さ
らに、当該直線偏光は、λ/4板13aを通過すること
で、円偏光に変換される。
向に入射する光に位相差を与えない。したがって、液晶
セル11は、垂直に入射した光へ位相差を与えることが
できず、殆ど複屈折性を持たない。この結果、λ/4板
13aを出射した円偏光は、偏光状態を維持したままで
液晶セル11を通過し、λ/4板13bへ入射される。
円偏光がλ/4板13bを通過すると、当該円偏光は、
偏光方向がλ/4板13bの遅相軸SLbに対して45
度の方向、すなわち、直線偏光フィルム12bの吸収軸
AAbに沿った方向の直線偏光に変換される。したがっ
て、当該直線偏光は、直線偏光フィルム12bで吸収さ
れ、液晶表示装置1は、電圧無印加状態で黒表示でき
る。
電極21bとの間に電圧を印加すると、液晶セル11の
液晶分子は、スリット22を中心軸とした放射状に傾斜
配向する。この状態であっても、液晶セル11までは、
電圧無印加時と同様に偏光状態が変換され、液晶セル1
1へ円偏光が入射される。
方向が変化して、放射状に傾斜配向している。ここで、
液晶分子は、配向方向に平行な方向に入射する光には位
相差を与えないが、配向方向と入射方向とが異なってい
る場合には、両者の角度に応じた位相差を透過光へ与え
ることができる。
光の場合、例えば、スリット22の真上の領域など、電
圧印加時にも液晶分子が基板法線方向に配向している僅
かな領域を除いて、液晶セル11は、透過光に位相差を
与えることができ、透過光の偏光状態を変更できる。し
たがって、液晶セル11からの出射光は、一般には、楕
円偏光に変化する。この楕円偏光は、λ/4板13bを
通過しても、電圧無印加時とは異なり、直線偏光になら
ない。したがって、液晶セル11からλ/4板13bを
介して直線偏光フィルム12bへ与えられる光のうち、
一部は、直線偏光フィルム12bを透過できる。ここ
で、直線偏光フィルム12bを透過する偏光の量は、液
晶セル11が与える位相差の大きさに依存する。したが
って、画素電極21aへ印加する電圧を制御して、液晶
分子の配向方向を調整することで、液晶表示装置1の各
画素の出射光量を変更でき、階調表示が可能となる。
放射状に傾斜配向するので、各液晶分子同士が光学的に
補償し合う。したがって、ある面内方位から液晶表示装
置1を見た場合、他の面内方位から見た場合と比較し
て、ある液晶分子を透過した光の出射光量が減少したと
しても、当該液晶分子とは配向方向が異なる他の液晶分
子の中には、出射光量を増加させるものも存在する。こ
の結果、ある画素の表示に関連する液晶分子全体では、
透過光に与える位相差が略同じになる。このように、各
画素において、画素配向方向が互いに異なる液晶分子が
存在する領域同士が、互いに光学的に補償し合うので、
ある画素の表示に関連する全液晶分子が単一の特定方向
に傾斜配向する場合に比べて、斜めから見た場合の表示
品位を改善し、視野角を拡大できる。
装置101のように、広い視野角を確保するために、液
晶セル111の液晶分子が放射状に傾斜配向する構成で
あっても、液晶セル111に直線偏光が入射される構成
の場合には、配向方向の面内成分が、直線偏光の向きと
一致する方向に傾斜配向する液晶分子群が存在する。こ
こで、これらの液晶分子群は、配向方向の法線方向成分
に拘らず、透過光に位相差を与えることができないの
で、当該液晶分子群を透過した光は、垂直配向時と同様
に出射側の直線偏光フィルム112bで吸収されてしま
う。
偏光の方向に沿った領域、および、それに垂直な方向に
沿った領域の透過率が低下してしまう。したがって、透
過率の低下が大きい場合には、例えば、図4に示すよう
に、白表示の際、直線偏光フィルム112a・112b
の吸収軸の方向(クロスニコル)に沿った黒い影が視認
される虞れがある。
画素内の配向方向を別個に制御しようとすると、配向乱
れが発生しやすいので、例えば、ソース信号線やゲート
信号線などからの外部電界など、単一の配向方向の場合
には問題にならなかったような僅かな要因によっても配
向乱れが発生する。当該配向乱れは、箇所毎や画素毎に
異なっているため、上記黒い影は、表示中のザラツキと
して観測され、表示品位を低下させる虞れがある。
と、全ての箇所で予定した透過率を維持する場合に比べ
て、画素全体の輝度も低下してしまう。この結果、液晶
表示装置の光利用効率(実効開口率)も低下してしま
う。
は、年々、向上しており、1画素の面積が小さくなって
も、より多くの階調を表示可能な液晶表示装置が求めら
れている。ところが、上記配向乱れによって実効開口率
が低下すると、白表示時の輝度が低下して階調数の向上
が困難になってしまう。なお、画素面積を拡大すると輝
度を向上できるが、解像度の向上が難しくなる。
晶セル11に円偏光が入射されているので、放射状に傾
斜配向によって広い視野角を確保しているにも拘らず、
透過光に位相差を与えることのできない液晶分子は、面
内成分および法線方向成分の双方で視角と同一の方向に
配向している液晶分子のみである。したがって、寄与で
きない液晶分子数が少なくなり、影を視認しにくくな
る。さらに、影が視認される程度に透過率が低下すると
しても、面内成分および法線方向成分の双方で視角と同
一でなければ、位相差を与えることができる。したがっ
て、影が表示される領域は、図5に示すように、スリッ
ト22の位置のみとなり、影が表示される領域を大幅に
縮小できる。さらに、影が視認されるか否かに拘らず、
透過光に位相差を与えることのできる液晶分子の数が多
くなる。これらの結果、λ/4板13a・13bの無い
従来の液晶表示装置101に比べて、透過率を約2倍に
向上でき、光利用効率(実効開口率)および輝度を向上
できる。
13aの遅相軸SLaとλ/4板13bの遅相軸SLb
とが互いに直交しているので、λ/4板13aおよび1
3bのそれぞれが有する屈折率異方性の波長分散が、互
いに相殺し合う。この結果、黒表示状態において、より
広い波長範囲の透過光を直線偏光フィルム12bが吸収
でき、色付きのない良好な黒表示を実現できる。
に配向しており、液晶セル11は、基板法線方向に入射
した光に位相差を与えない。ところが、特に、透過型の
液晶表示装置では、反射型の液晶表示装置に比べて、液
晶セル11に対して斜め方向(基板法線方向から傾斜し
た方向)に入射する光の光量が多い。したがって、基板
法線方向から見る場合であっても、基板法線方向の入射
光だけではなく、斜め方向からの入射光も表示に関係す
る。
液晶層11cによっても位相差が与えられる。したがっ
て、比較例として、図6に示すように、図1に示す液晶
表示装置1から液晶補償板14a・14bおよびRth
補償フィルム16a・16bを省略した液晶表示装置5
1の場合は、位相差が与えられた光(楕円偏光)がλ/
4板13bを通過しても直線偏光に戻らず、一部が直線
偏光フィルム12bを通過してしまう。この結果、本来
黒表示であるべき、垂直配向状態であるにも拘らず、光
漏れが発生し、表示のコントラスト比が低下する虞れが
ある。
表示面を斜め方向から見る場合は、基板に対して斜め方
向からの入射光が、さらに大きく表示に寄与するので、
より大きな光漏れが発生し、コントラスト比がさらに低
下してしまう。この結果、例えば、基板法線方向に対す
る角度(極度)が60度の方向におけるコントラスト比
は、図8に示すように、最大でも、10程度であり、4
を下回っている方位も多い。なお、図8は、極度が60
度の全ての方向におけるコントラスト比について、面内
成分(方位)を変えながら描いている。
装置1では、液晶補償板14a・14bが設けられお
り、垂直配向状態の液晶セル11が極度に応じて付加し
た位相差を、液晶補償板14a・14bで打ち消すこと
ができる。
では、Rth補償フィルム16a・16bが設けられて
いるので、λ/4板13a(13b)を含み、直線偏光
フィルム12a(12b)からλ/4板13a(13
b)までの範囲の厚み方向のリターデーションのうち、
例えば、λ/4板13a・13b自体の厚み方向のリタ
ーデーションを相殺できる。これにより、厚み方向のリ
ターデーションを有し、液晶セル11を光学補償するた
めの液晶補償板14a・14bを、液晶セル11に近づ
けることができる。
よって、上記範囲に負フィルムが設けられている場合で
あっても、上記範囲のリターデーションRth1が略0
になっているので、液晶セル11の補償に有効な厚み方
向のリターデーションが、液晶セル11と接する負フィ
ルム(14a・14b)のみに存在している場合と等価
にできる。
0度の全方位におけるコントラスト比は、50を超えた
値となり、図6に示す液晶表示装置51よりも、視野角
の広い液晶表示装置1を実現できる。
係る液晶表示装置1では、90度おきの4方向に、特に
コントラスト比の高い領域が現れており、それぞれのピ
ーク値は、略同じ値になっている。したがって、4方向
の視角特性のバランスのよい液晶表示装置1が実現され
ている。
セル11までの厚み方向のリターデーションと、液晶セ
ル11から直線偏光フィルム12bまでの厚み方向のリ
ターデーションとの合計Sは、視角に応じて液晶セル1
1が不所望に与える位相差を打ち消すように設定する必
要があり、変更できない。
ション(厚み方向)を、液晶セル11に近づけることの
効果を確認するために、λ/4板13a(13b)を含
み、直線偏光フィルム12a(12b)からλ/4板1
3a(13b)までの範囲における厚み方向のリターデ
ーションRth1と、λ/4板13a(13b)を含ま
ず、λ/4板13a(13b)から液晶セル11までの
範囲における厚み方向のリターデーションRth2との
比率Kを変化させながら、シミュレーションによってコ
ントラスト比を求めた。
厳密には、液晶層11cまでのリターデーションであっ
て、液晶層11c自体のリターデーションを含まない。
ただし、液晶セル11内であっても、各基板11a・1
1bや薄膜など、液晶層11cに至るまでの層で位相差
が発生していれば、これらの層での位相差は、上記リタ
ーデーションRth2に含まれる。
比較などによって、上記厚み方向のリターデーションと
の合計Sが同じであっても、液晶補償板14a(14
b)を液晶セル11に近づけた方がコントラスト比が向
上することが判明した。
に、 K=Rth2/(Rth1+Rth2) ≧ 0.1 …(1) を満たしていれば、コントラスト比の向上が認められ
た。さらに、比率Kは、1.0に近い程良く、1.0の
場合、すなわち、Rth1=0の場合が、最も表示品位
が高いことが判明した。
の変形例としての液晶表示装置1aでは、図1に示す構
成からRth補償フィルム16a・16bが削除されて
おり、液晶補償板14a・14bの厚み方向のリターデ
ーションRthが、フィルム材料や厚みによって、それ
ぞれ、−60nmに設定されている。この例でも、上記
比率Kは、0.1以上であり、図11に示すように、極
度60度の全方位におけるコントラスト比は、10を超
えた値となる。したがって、図6に示す液晶表示装置5
1よりも、視野角の広い液晶表示装置が実現されてい
る。
晶補償板14a・14bを配した場合を説明したが、厚
み方向のリターデーションの合計Sが同じであれば、例
えば、図12に示す液晶表示装置1bのように、厚み方
向のリターデーションが2倍の液晶補償板14(例え
ば、Rth=200nm)を、液晶セル11の一方のみ
に配しても、本実施形態と略同様の効果が得られる。さ
らに、この場合であっても、負フィルム(液晶補償板)
の挿入位置は、λ/4板13a(13b)と液晶セル1
1との間のように、液晶セル11に近づけた方がよく、
上記比率Kを0.1以上に設定する方が好ましく、1.
0の場合、すなわち、Rth1=0の場合が、最も表示
品位が高いことが確認できた。
表示装置52は、図6に示す液晶表示装置51の構成に
加えて、液晶補償板14a(14b)が設けられてい
る。ただし、液晶補償板14a(14b)は、図1のよ
うに、λ/4板13a(13b)と液晶セル11との間
ではなく、λ/4板13a(13b)と直線偏光フィル
ム12a(12b)との間に配されている。加えて、R
th補償フィルム16a・16bが設けられていないの
で、液晶補償板14a(14b)の厚み方向のリターデ
ーションは、λ/4板13a(13b)の分だけ、図1
の構成よりも絶対値が小さく設定され、それぞれ−60
nmに設定されている。
おけるコントラスト比を測定すると、図14に示すよう
に、液晶補償板14a・14bを持たない液晶表示装置
51に比べると、コントラスト比が向上しているが、図
1に示す液晶表示装置1よりは、コントラスト比が低下
しており、コントラスト比が5を下回っている方位も存
在する。このように、液晶補償板14a(14b)の挿
入位置は、λ/4板13a(13b)と直線偏光フィル
ム12a(12b)との間よりも、図1に示す液晶表示
装置1のように、λ/4板13a(13b)と液晶セル
11との方が、より広い視野角を確保できる。
表示装置1のRth補償フィルム16a・16bをλ/
4板13a・13bの内側に配した場合と比較すると、
図1に示すように、Rth補償フィルム16a・16b
を外側に配する方が極度60度の全方位におけるコント
ラスト比を向上できることも確認できた。
ン(厚み方向)を液晶セル11に近づける際の程度を、
上述の式(1)で定義される比率Kではなく、Rth1
の値自体に着目してシミュレーションによって確認する
と、Rth1の絶対値がλ/8未満であれば、効果があ
り、比率Kで確認した場合と同様に、Rth1=0の場
合が最も表示品位が高くなることが確認できた。また、
λ/8未満の範囲の中でも、液晶層11cの両側におけ
るRth1の絶対値は、それぞれ、透過光の波長が55
0nmの場合で11nm未満の範囲、すなわち、それぞ
れ、波長の50分の1未満の範囲であれば、特に好まし
いことが確認できた。
に示す液晶表示装置53では、図1と同様の直線偏光フ
ィルム12a・12bの間に、負および正の光学活性を
有する上記λ/4板13c・13dが配され、両λ/4
板13c・13dの間に、図1と同様の液晶セル11が
配されている。さらに、液晶セル11と、負の光学活性
を有するλ/4板13cとの間には、図1と同様の液晶
補償板14が配されている。ここで、上記両λ/4板1
3c・13dは、それぞれ、一軸光学異方性を有してお
り、厚み方向のリターデーションは、それぞれ、68.
75nm、−68.75nmである。
の厚み方向のリターデーションの正負が逆なので、互い
に打ち消し合い、厚み方向のリターデーションとの合計
Sは、図1の構成と同じである。ただし、上記比率K
は、λ/4板13d側で0に、λ/4板13c側で1を
超えた値になっており、いずれも、0.1〜1.0の範
囲から外れている。さらに、λ/4板13c・13dの
厚み方向のリターデーションは、面内方向のリターデー
ションの半分、すなわち、λ/8であり、例えば、Rt
h補償フィルム16a・16bなど、リターデーション
Rth1をλ/8未満(最適値0)にするための手段が
特に講じられていない。
角度(極度)が60度の方向におけるコントラスト比
は、図16に示すようになり、いずれの方位をとって
も、図1の場合(図9参照)よりも下回っている。さら
に、当該構成では、図9と異なって、コントラスト比の
4つのピークの値が略同一ではなく、図16の例では、
方位0度近傍および180度近傍のピーク値は、90度
近傍および270度近傍のピーク値よりも大きく下回っ
ている。これは、実用条件(ピーク値が上下方向または
左右方向になるように配置する条件)において、上下と
左右とのコントラスト比のバランスが悪いことを意味し
ており、例えば、「上下方向では、特にコントラスト比
が高いのに、左右方向では、上下方向に比べて、余りコ
ントラスト比が高くない」と、観察者に判断される虞れ
がある。
では、Rth補償フィルム16a・16bを配すること
で、厚み方向のリターデーションRth1がλ/4板1
3a側およびλ/4板13b側の双方で、略0(少なく
ともλ/8未満)に設定されている。したがって、図1
6に示すように、コントラスト比の4つのピーク値が略
同一の値となり、上下および左右のコントラスト比のバ
ランスのよい液晶表示装置を実現できる。
/4板13c・13dは、異なる種類の位相差フィルム
であり、生産条件や工程も異なるので、それぞれ独立し
た生産バラツキが発生してしまう。この結果、両者の面
内方向のリターデーションを厳密に一致させることは、
極めて難しい。この結果、黒表示でも光が漏れてしま
い、特に、正面方向(極度0度)のコントラスト比を大
きく低下させる虞れがある。
板13a・13bが同じ種類の位相差フィルムであり、
生産条件や工程を一致させることができる。この結果、
生産バラツキが発生しても、両者の面内方向のリターデ
ーションを厳密に一致させることができる。この結果、
黒表示時の光漏れを抑制でき、正面のコントラスト比を
向上できる。
bを、nx=ny>nzの一軸延伸フィルムで形成した
場合を例にして説明したが、液晶セル11の両側に液晶
補償板14a・14bを配する場合は、面内の主屈折率
nxおよびnyが等しくない負フィルムを用いてもよ
い。この場合は、互いのx軸およびy軸が直交するよう
に配置することで、nxとnyとの不一致に起因する面
内のリターデーションを互いに相殺できる。この結果、
本実施形態と略同様の効果が得られる。
a・16bの厚み方向のリターデーションを、λ/4板
13a・13bの厚み方向のリターデーションを相殺す
るように設定することで、上記厚み方向のリターデーシ
ョンRth1を略0に設定する場合を例にして説明した
が、λ/4板13a(13b)自体を含み、直線偏光フ
ィルム12a(12b)から、λ/4板13a(13
b)までの範囲に、厚み方向のリターデーションを有す
る部材として、例えば、直線偏光フィルム12a(12
b)の支持体が存在する場合、Rth補償フィルム16
a(16b)は、当該支持体の分も考慮して、上記厚み
方向のリターデーションRth1が略0になるように設
定される。例えば、直線偏光フィルム12a(12b)
の支持フィルムとして、各主屈折率nx=ny<nzの
トリアセチルセルロース(TAC)からなるフィルムが
それぞれ使用されており、当該フィルムの厚み方向のリ
ターデーションが、−30nmの場合、各Rth補償フ
ィルム16a・16bの厚み方向のリターデーション
は、それぞれ、98.75nmに設定される。この場合
も、上記厚み方向のリターデーションRth1が略0と
なるので、図1の構成と同様の効果が得られる。
表示装置1cは、図17に示すように、図1に示す構成
に加え、直線偏光フィルム12a(12b)とλ/4板
13a(13b)との間に、直線偏光フィルム12a
(12b)の吸収軸AAa(AAb)と直交するように
遅相軸が配された偏光板補償フィルム(偏光素子補償
層)15a・15b(15b)が設けられている。当該
偏光板補償フィルム15a(15b)は、直線偏光フィ
ルム12a・12bの支持体やλ/4板13a・13b
と同様、Rth補償フィルム16a・16bと厚み方向
のリターデーションの正負が逆であり、Rth補償フィ
ルム16a・16bの厚み方向のリターデーションは、
これらの支持体、偏光板補償フィルム15a(15b)
の厚み方向のリターデーションおよびλ/4板13a
(13b)の厚み方向のリターデーションを相殺するよ
うに設定されている。
a(15b)は、面内リターデーションが100nmで
ある一軸延伸フィルムである。したがって、厚み方向の
リターデーションは、−50nmとなる。
5b)は、遅相軸Sa(Sb)が隣接する直線偏光フィ
ルム12a(12b)の吸収軸AAa(AAb)と直交
している。この結果、吸収軸AAa・AAbが互いに直
交する直線偏光フィルム12a・12bを有する液晶表
示装置を、吸収軸AAa(AAb)から45度方向の方
位から、斜めに見た場合の光漏れを防止できる。
に、厚み方向のリターデーションが−30nmの支持フ
ィルムで、直線偏光フィルム12a(12b)を支持し
ている。また、Rth補償フィルム16a・16bの厚
み方向のリターデーションは、それぞれ、148.75
nmに設定されている。これにより、厚み方向のリター
デーションRth1は、それぞれ略0に設定される。
記λ/4板13a(13b)を含みλ/4板13a(1
3b)から直線偏光フィルム12a(12b)までの範
囲に負フィルムが設けられているにも拘らず、厚み方向
のリターデーションRth1が略0に設定されている。
これにより、図18に示すように、極度60度の全方位
におけるコントラスト比は、100を超えた値となり、
全方位に渡って、図1の場合(図9参照)を上回ってい
る。加えて、特に、コントラスト比が谷間(極小値)の
部分で向上しており、さらに視野角の広い液晶表示装置
を実現できる。
ルム15a・15bおよび両支持体の厚み方向のリター
デーションを−30nm、液晶補償板14a・14bの
厚み方向のリターデーションを−130nm、Rth補
償フィルム16a・16bの厚み方向のリターデーショ
ンをそれぞれ90nmとした場合、極度60度における
コントラスト比は、図19に示すようになり、図1の構
成に比べて、さらに視野角の広い液晶表示装置が実現さ
れている。
晶補償板14a・14bを挿入する場合について説明し
たが、液晶セル11の一方のみに、双方に挿入する場合
の倍のリターデーションRthを有する液晶補償板14
を挿入しても、略同様の効果が得られる。
7の構成では、厚み方向のリターデーションRth1を
略0にするために、Rth補償フィルム16a・16b
を設けているが、本実施形態では、Rth補償フィルム
16a・16bを設けず、厚み方向のリターデーション
が小さなλ/4板13a(13b)を使用する場合につ
いて説明する。
態に係る液晶表示装置1dでは、図1に示す構成から、
Rth補償フィルム16a・16bが削除されており、
λ/4板13a(13b)として、(nx+ny)/2
=nzなる2軸性屈折率楕円体で、特性が表されるフィ
ルムを用いている。
ターデーションRthは、Rth=d・{nz−(nx
+ny)/2}より、上記フィルムの厚み方向のリター
デーションは、0nmになる。一方、面内方向のリター
デーションReは、d・(nx−ny)なので、当該フ
ィルムの厚みや材質を選択することで、4分の1波長、
すなわち、Re=137.5nmに設定した。また、本
実施形態では、液晶補償板14a・14bとして、厚み
方向のリターデーションが−100nmのフィルムをそ
れぞれ使用している。
全方位のコントラスト比を測定すると、図9と同様の特
性を示す。また、他の数値例として、液晶補償板14a
・14bとして、厚み方向のリターデーションが−13
0nmのフィルムをそれぞれ使用した場合は、コントラ
スト比は、図21に示すようになる。いずれの場合であ
っても、全方位に渡って、10以上と、高いコントラス
ト比を確保できることが確認できた。加えて、いずれの
場合であっても、コントラスト比の4つのピーク値が略
同じ値となっており、上下方向および左右方向のコント
ラスト比のバランスのとれた液晶表示装置を実現でき
る。
3a(13b)の厚み方向のリターデーションを抑制す
ることで、厚み方向のリターデーションを液晶セル11
に近づけ、より視野角の広い液晶表示装置を実現でき
る。
晶補償板14a・14bを挿入する場合について説明し
たが、液晶セル11の一方のみに、双方に挿入する場合
の倍のリターデーションを有する液晶補償板14を挿入
しても、略同様の効果が得られる。
は、スリット22によって、液晶分子を軸対称配向させ
る場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、図22に示すように、スリット22に代えて、
画素電極21a上に略半球状の突起23を設けてもよ
い。この場合、突起23の近傍では、液晶分子は、突起
23の表面に垂直になるように配向する。加えて、電圧
印加時において、突起23の部分の電界は、突起23の
表面に平行になる方向に傾く。これらの結果、電圧印加
時に液晶分子が傾斜する際、液晶分子は、面内方向で突
起23を中心にした放射状に傾きやすくなり、液晶セル
11の各液晶分子は、放射状に傾斜配向できる。なお、
上記各突起23は、画素電極21a上に、光感応性樹脂
を塗布し、フォトリソグラフィー工程で加工することで
形成できる。
に軸対称配向に限るものではなく、画素を複数の範囲
(ドメイン)に分割し、各ドメインで液晶分子の配向方
向が異なるように制御してもよい。例えば、図23の構
成では、上記突起23に代えて、四角錐状の突起23a
が設けられている。この構成でも、突起23aの近傍で
は、液晶分子が各斜面に垂直になるように配向する。加
えて、電圧印加時において、突起23aの部分の電界
は、突起23aの斜面に平行になる方向に傾く。これら
の結果、電圧印加時において、液晶分子の配向角度の面
内成分は、最も近い斜面の法線方向の面内成分(方向P
1、P2、P3またはP4)と等しくなる。したがっ
て、画素領域は、傾斜時の配向方向が互いに異なる、4
つのドメインD1〜D4に分割される。この結果、ある
ドメイン側から液晶表示装置を見た場合、当該ドメイン
の透過率が低下したとしても、残余のドメインの透過率
は低下せず、全体的な透過率の低下を抑制できる。これ
により、液晶表示装置の明るさは、視角の面内方位に依
存しにくくなる。
方向の形状が山型で、面内の形状がジグザグと略直角に
曲がるストライプ状の凸部24…を画素電極21aに設
けると共に、対向基板11bの対向電極21bにも、同
様形状の凸部25を設けて実現することもできる。これ
らの両凸部24・25の面内方向における間隔は、凸部
24の斜面の法線と凸部25の斜面の法線とが一致する
ように配されている。また、上記各凸部24・25は、
突起23などと同様に、上記画素電極21aおよび対向
電極21b上に光感応性樹脂を塗布し、フォトリソグラ
フィー工程で加工することで形成できる。
外の線部L1(L2)では、線部近傍の領域D1・D2
(D3・D4)の液晶分子が山型の両斜面に沿って配向
する。なお、両線部L1・L2は、互いに直交してい
る。この結果、各画素を、配向方向の互いに異なる複数
のドメインD1・D2(D3・D4)に分割できる。
向基板11bの対向電極21b上にY字状のスリットを
上下方向(面内で、略方形状の画素電極21aのいずれ
かの辺に平行な方向)に対称に連結してなる配向制御窓
26を設けても、マルチドメイン配向を実現できる。
と同様に、対向基板11bの表面のうち、配向制御窓2
6の直下の領域では、液晶分子を傾斜させる程の電界が
かからず、液晶分子が垂直に配向する。一方、対向基板
11bの表面のうち、配向制御窓26の周囲の領域で
は、対向基板11bに近づくに従って、配向制御窓26
を避けて広がるような電界が発生する。この結果、液晶
分子は、長軸が電界に垂直な方向に傾き、液晶分子の配
向方向の面内成分は、図中、矢印で示すように、配向制
御窓26の各辺に略垂直になる。
ドメイン配向では、配向方向の面内成分が限定されてい
る。したがって、上述した放射状傾斜配向の場合と異な
り、直線偏光を入射する場合であっても、上記方向P1
〜P4と直線偏光の方向との角度が45度になるように
設定することで、透過光に位相差を与えることのできな
い液晶分子数を削減できる。
ドメイン間の境界領域(B12など)、あるいは、画素
電極21aのうち、外周のエッジ領域では、液晶分子の
配向状態が乱れやすいので、配向状態の乱れによって、
直線偏光の方向と配向方向の面内成分とが一致し、透過
光に位相差を与えることのできない液晶分子数が増大す
る虞れがある。
側のドメインに存在する液晶分子に支えられるように配
向しているので、液晶分子の配向が固定されず、不安定
な状態にある。この結果、ちょっとしたきっかけで、両
側のドメインからの配向規制力のバランスが崩れると、
境界領域の配向状態が変化(傾斜)してしまう。ここ
で、バランスは、製造工程における配向規制力の僅かな
バラツキだけではなく、ゲート信号線やソース信号線に
印加される電圧による横方向電界や経時劣化などによっ
ても変化する。したがって、配向状態の変化は、境界領
域内の各部分毎に異なるだけではなく、各絵素毎でも異
なっている。この結果、直線偏光を入射すると、ザラツ
キとなって視認される虞れがある。例えば、図25に示
す液晶セルに直線偏光を入射すると、配向制御窓26に
おいて、直線偏光フィルム12a(12b)の吸収軸の
方向(クロスニコル)に沿ったディスクリネーションラ
インDLが発生し、場所毎および画素毎にディスクリネ
ーションラインDLの状態が異なるため、ザラツキが視
認される虞れがある。
に変化しており、画素電極21aの中央部に比べて、例
えば、ソース信号線やゲート信号線からの電界など、外
部の電界の影響を受けやすい。また、壁構造で配向を制
御している場合には、立体的なひずみを受けやすい。こ
のように、エッジ領域では、周囲の影響を受けやすいた
め、配向規制力が不均一になりやすく、液晶分子の配向
状態が変化(傾斜)しやすい。この配向状態の変化も、
境界領域内の各部分毎に異なるだけではなく、各画素毎
でも異なっている。この結果、マルチドメイン構成の液
晶層に直線偏光を入射すると、配向状態の乱れが、ザラ
ツキとなって視認される虞れがある。
4板13aによって、マルチドメイン配向の液晶セルに
円偏光が入射される。この結果、液晶分子の配向状態が
乱れたとしても、放射状傾斜配向の場合と同様に、液晶
分子の配向方向および視角が面内成分だけではなく基板
法線成分も一致しない限り、当該液晶分子Mは、表示に
寄与できる。これにより、例えば、図25の液晶セルを
用いた場合であっても、配向制御窓26には、ディスク
リネーションラインDLが観察されにくくなる。この結
果、広視野角確保のためにマルチドメイン配向の液晶層
を用いた結果、画素電極21aのエッジ領域だけではな
く、ドメインの境界領域が存在しているにも拘らず、ザ
ラツキがなく、表示品位の高い液晶表示装置を実現でき
る。
負の誘電率異方性を有し、初期配向として、基板面に対
して垂直に配向すると共に、電圧印加時に、画素内の液
晶分子が複数方位に傾斜する液晶層を用いた場合を例に
して説明したが、正の誘電率異方性を有するネマチック
液晶やスメクチック液晶あるいはコレスティック液晶と
水平配向膜とを組み合わせて、初期配向時には、基板面
に対して水平かつ複数方位に配向するように液晶セル1
1を形成してもよい。
した状態で、各液晶分子の配向方向の面内成分が1画素
内で互いに異なるように、配向方向が制御された液晶層
を用いた液晶表示装置であれば、配向状態が乱れやす
く、直線偏光を入射するとザラツキが目視しやすいの
で、本実施形態と略同様の効果が得られる。
一方向となるように、液晶分子の配向方向が制御された
液晶層であっても、画素のエッジ部分では、例えば、ソ
ース信号線やゲート信号線などのバス配線からの斜め電
界によって、配向方向が乱れる虞れがある。また、壁構
造で配向を制御しているような場合には、画素周辺に設
けられる配線などによって、立体的なひずみが発生する
と、配向状態が乱れ、ザラツキが発生する虞れがある。
したがって、ある電圧を印加した状態で、各液晶分子の
配向方向の面内成分が1画素内で互いに異なる液晶層を
用いた液晶表示装置であれば、ある程度の効果が得られ
る。
配向のように、ある電圧を印加した状態で、各液晶分子
の配向方向の面内成分が1画素内で互いに異なるよう
に、配向方向が制御された液晶層であれば、単一方向と
なるように配向方向が制御された液晶層に比べて、配向
状態が乱れやすく、表示品位が低下しやすい。したがっ
て、当該液晶層に円偏光を入射する方が表示品位をさら
に大きく向上できる。
(Twisted Nematic )方式の液晶セルに比べて、表示の
コントラストが高く、白黒レベル応答速度が速い。さら
に、放射状傾斜配向またはマルチドメイン配向を組み合
わせることによって、視角の面内方位依存性を抑制でき
る。したがって、垂直配向方式で、マルチドメイン配向
または放射状傾斜配向の液晶セルへ円偏光を入射するこ
とで、コントラスト、応答速度、視野角、視角の面内方
位依存性および表示品位の全てを満たした液晶表示装置
を実現できる。特に、放射状傾斜配向は、マルチドメイ
ン配向と比べて、直線偏光と組み合わせた場合にザラツ
キが視認されやすいが、面内方位依存性が少ない。した
がって、本実施形態のように、略円偏光を入射して、ザ
ラツキを抑えることによって、表示品位を低下させるこ
となく、面内方位依存性が少ない液晶表示装置を実現で
きる。
メイン配向で垂直配向モードの液晶セルの場合、図26
に示すように、図2・図22〜図25と異なり、画素電
極21a・対向電極22bは、スリット22などが設け
られず、それぞれ平坦に形成されている。なお、図26
では、TFT基板11aおよび対向基板11b上に設け
られた垂直配向膜27a・27bを図示している。
合、マルチドメイン配向や放射状傾斜配向の液晶セルと
は異なり、製造工程にラビング工程が設けられており、
液晶層11cの液晶分子のラビング方向が、両基板11
a・11bで反平行となるように設定される。また、上
記ラビング方向と、直線偏光フィルム12a・12bの
吸収軸AAa(AAb)とが45度の角度になるよう
に、液晶セル11や直線偏光フィルム12a・12bが
配される。
26に示すように、基板法線方向(垂直)に配向してい
た液晶分子が、図27に示すように、画素電極21aお
よび対向電極21b間の電圧印加に伴って傾斜する。た
だし、この構成の場合は、モノドメイン配向なので、図
28に示すように、画素内の各液晶分子は、基本的に一
方向のみに配向する。なお、同図では、液晶分子の配向
方向を、液晶分子の下がった方向が先端となる矢印で示
している。
も、画素電極21aの周辺部分では、ソースバスライン
28aやゲートバスライン28bからの影響によって、
電界が歪み、電圧印加時の液晶分子の配向方向が乱れ、
ラビング方向からズレる虞れがある。ここで、上述した
ように、λ/4板13a・13bを持たない構成では、
上記吸収軸AAa(AAb)と液晶分子の配向方向と
が、面内方向成分で一致すると、当該液晶分子の存在す
る領域が黒くなるので、図29に示すように、画素電極
21aの周辺部分に黒い領域αが発生してしまう。
置では、λ/4板13a・13bが設けられているの
で、液晶分子の配向方向と吸収軸AAa(AAb)とが
一致しないと黒くならず、図30に示すように、液晶分
子の配向方向が互いに異なる領域間の境界領域で、液晶
分子が基板に垂直のまま残っている領域のみが黒くな
る。したがって、黒くなる領域αの面積を大幅に縮小で
きる。
4板13a(13b)を含み直線偏光フィルム12a
(12b)からλ/4板13a(13b)までの範囲の
厚み方向のリターデーションRth1が略0(少なくと
もλ/8未満)に設定されているので、上下左右の視角
特性のバランスを損なうことなく、広い視野角を維持
し、しかも、正面方向のコントラスト比の低下を防止可
能な液晶表示装置を実現できる。
の液晶表示装置の液晶セル11では、図31に示すよう
に、液晶層11cに代えて、正の誘電率異方性を有する
液晶からなる液晶層11dが用いられている。また、T
FT基板11aおよび対向基板11bには、垂直配向膜
27a・27bに代えて、水平配向膜27cおよび27
dが設けられている。また、図25と同様に、画素電極
21aや対向電極21bは、平坦に形成されており、ラ
ビング方向は、両基板11a・11bで反平行(平行で
向きが逆)となるように設定されている。
は、図32に示すように、上述の液晶補償板14a・1
4bまたは14に代えて、液晶補償板14c〜14fが
設けられている。液晶補償板14c・14dは、正の一
軸光学異方性を持つように(nx>ny=nz)形成さ
れており、両者で、液晶セル11を挟むように配されて
いる。また、液晶補償板14e・14fは、負の一軸光
学異方性を持つように(nx=ny>nz)形成されて
おり、上記両液晶補償板14c・14dをさらに挟むよ
うに配されている。さらに、各液晶補償板14c〜14
fのy軸は、ラビング方向と一致するように配されてい
る。
の屈折率異方性Δnが0.09、セル厚d=3.0μ
m、d・Δn=270nmの液晶セル11が使用されて
いる。また、上記液晶補償板14c(14d)の面内方
向のリターデーションは、黒表示を行う際(5Vを印加
する際)に、液晶層11dの残留リターデーション値
(15nm)を打ち消すことができるように、上記両部
材14c・14dの合計で、d・(nx−ny)=15
nmに設定されている。さらに、液晶補償板14e(1
4f)の厚み方向のリターデーションは、液晶セル11
のd・Δn(270nm)の約70%程度のリターデー
ションを補償することで、良好な視野角が得られるた
め、両部材14e・14fの合計で、d(nx−nz)
=100nmに設定されている。なお、この数値は、例
えば、第3の実施形態のように、直線偏光フィルム12
a・12bの支持体のリターデーション(例えば、それ
ぞれ40nm)が補償されない場合であり、270×
0.7−40×2が約100nmになることから決定し
た。
は、両電極21a・21b間に電圧が印加されていない
場合、図31に示すように、ラビング方向に沿うよう
に、基板11a・11bの面に沿った方向に配向してい
る。ただし、図28と同様、図33に示すように、画素
電極21aの周辺部分では、ソースバスライン28aや
ゲートバスライン28bからの影響によって、電界が歪
み、配向方向がラビング方向からズレている。なお、垂
直配向の場合と異なり、ラビング方向に沿っているた
め、ゲートバスライン28b近傍であっても、ラビング
方向と逆に配向することはない。一方、両電極21a・
21b間に電圧が印加されると、図34に示すように、
液晶層11dの液晶分子が基板法線方向に傾斜する。こ
のように、電圧に応じて液晶分子の傾斜方向が変化する
ので、垂直配向の場合と同様に、画素の明るさを制御で
きる。
a・13bがないと、図35に示すように、画素電極2
1aの周辺部分など、液晶分子の配向が乱れる領域にお
いて、液晶分子の配向方向と直線偏光フィルム12a
(12b)の吸収軸AAa(AAb)とが面内方向で一
致すると、その液晶分子が存在する領域が黒くなってし
まう。一方、λ/4板13a・13bを設けると、水平
配向モードでは、電圧無印加時に垂直に配向している液
晶分子が存在しないため、図36に示すように、黒くな
る領域が存在しないが、厚み方向のリターデーションR
th1によって、液晶補償用のリターデーション(厚み
方向)を液晶セル11に十分に近づけることができず、
視野角が制限される虞れがある。
は、上記各実施形態と同様に、上記リターデーションR
th1が略0(少なくともλ/8未満)に設定されてい
るので、λ/4板13a・13bが設けられているにも
拘らず、上下左右の視角特性のバランスを損なうことな
く、広い視野角を維持し、しかも、正面方向のコントラ
スト比の低下を防止可能な液晶表示装置を実現できる。
fによって、水平配向モードの液晶セル11を光学補償
する場合について説明したが、光学補償できれば、他の
位相差層を用いてもよい。例えば、図37に示す構成で
は、上記液晶補償板14c〜14fに代えて、傾斜型の
位相差フィルムからなる液晶補償板14g・14hが液
晶セル11の両側に設けられている。
折率楕円体を、na=nb>ncとし、ラビング直交方
向(基板面内)をx軸、ラビング方向(基板面内)をy
軸、基板方向をz軸とするとき、a軸がx軸と平行、b
軸がy軸と所定の角度θをなすように形成されている。
この場合、c軸とz軸との間の角度もθになる。この例
では、例えば、na=nb=1.5、nc=1.49
7、θ=35度およびフィルム厚d=50μmの傾斜型
位相差フィルムで、液晶補償板14g・14hのそれぞ
れを形成している。この場合でも、液晶補償板14g・
14hによって液晶セル11が光学補償されるので、図
32の構成と同様の効果が得られる。
(Optically Compensated Bend:光学的補償ベンド)モ
ードでモノドメイン配向の液晶セルを用いた場合を説明
すると、図38に示すように、本変形例に係る液晶セル
11は、図31と同様に、正の誘電率異方性を有する液
晶層11dと、水平配向膜27c・27dとを備えてい
る。ただし、図31とは異なり、液晶セル11は、ラビ
ング方向が両基板11a・11bで平行になるように形
成されている。
示装置では、図39に示すように、液晶補償板14c〜
14fに代えて、液晶補償板14i・14jが液晶セル
11の両側に配されている。上記両液晶補償板14i・
14jは、いずれも2軸光学異方性を有する位相差層か
ら構成されており、各主屈折率がnx>ny>nzに設
定されている。この例では、液晶セル11の厚み方向の
リターデーションを補償するために、d・((nx+n
y)/2−nz)=230nmに設定されており、黒表
示時の残留リターデーションを打ち消すために、d・
(nx−ny)=40nmに設定されている。なお、こ
れらの数値は、光学シミュレーションにより、液晶セル
11の光学補償に最適となる値として導出した。また、
液晶セル11および液晶補償板14i・14jは、液晶
補償板14i・14jのy軸とラビング方向とが一致す
るように配される。
晶層11dの液晶分子は、厚み方向の中心位置からTF
T基板11a側と、対向電極21b側とで、透過光に与
えるリターデーションが相殺されるように配向し、水平
配向モードの場合と同様に、白表示となる。なお、この
場合も、水平配向モードの場合と同様に、画素電極21
aの周辺部で液晶分子の配向乱れが発生する。一方、こ
の液晶セル11へ電圧を印加すると、液晶層11dの液
晶分子は、図40に示すように、両基板11a・11b
近傍を除いて、垂直に配向し、水平配向モードの場合と
同様に黒表示となる。
様に、λ/4板13a・13bにより配向乱れにより黒
くなる領域が発生せず、しかも、上記各実施形態と同様
に、上記リターデーションRth1が略0(少なくとも
λ/8未満)に設定されている。したがって、上下左右
の視角特性のバランスを損なうことなく、広い視野角を
維持し、しかも、正面方向のコントラスト比の低下を防
止可能な液晶表示装置を実現できる。
ドの場合と同様に、図41に示すように、液晶補償板1
4i・14jに代えて、傾斜型の位相差フィルムからな
る液晶補償板14k・14mで、液晶セル11を光学補
償できる。この例では、光学シミュレーションによっ
て、例えば、na=nb=1.5、nc=1.497、
θ=35度およびフィルム厚d=110μmの傾斜型位
相差フィルムで、液晶補償板14k・14mのそれぞれ
を形成している。この場合でも、液晶補償板14k・1
4mによって液晶セル11が光学補償されるので、図3
9の構成と同様の効果が得られる。
うに、λ/4板13a・13bのリターデーションを、
透過光の波長の4分の1に設定しているが、これに限る
ものではない。完全に円偏光でなくても、明るさが余り
低下せず、ザラツキが発生しない程度のズレであれば、
面内方向のリターデーションを透過光の波長の略4分の
1に設定し、略円偏光の楕円偏光を入射してもよい。一
例として、最も視感度の高い波長(550nm)におけ
る明るさの変化率が10%以内であれば、すなわち、透
過率が0.9以上であれば、明るさの低下が観察者に認
識されにくく、ザラツキも視認されにくい。この条件を
満たすリターデーションの範囲を、透過率の測定(シミ
ュレーション)で導出すると、λ/4板13a・13b
のリターデーションは、550nm付近の光に対して、
135nmであれば、最適であり、95nm以上かつ1
75nm以内の範囲であれば、完全に円偏光でなくて
も、同様の効果が得られる。
うに、各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配さ
れ、面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4
分の1波長に設定されている4分の1波長層と、上記4
分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの間に配
され、厚み方向のリターデーションを有し、上記液晶セ
ルを光学補償する位相差層と、少なくとも上記液晶補償
層が設けられた方の4分の1波長層および偏光素子の間
に設けられた補償層とを備え、上記補償層の厚み方向の
リターデーションの値は、上記4分の1波長層を含み上
記偏光素子から4分の1波長層までの範囲における厚み
方向のリターデーションのうち、上記補償層を除いた合
計値と正負が逆に設定されている構成である。
に、各偏光素子および垂直配向モードの液晶セルの間に
それぞれ配され、面内方向のリターデーションが透過光
の波長の略4分の1波長に設定されている4分の1波長
層と、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶
セルの間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny
1、法線方向の主屈折率をnz1としたとき、主屈折率
nz1が最も小さい位相差層と、少なくとも上記位相差
層が設けられた方の4分の1波長層および偏光素子の間
に設けられ、面内方向の主屈折率をnx2、ny2、法
線方向の主屈折率をnz2としたとき、主屈折率nz2
が最も大きな補償層とを備えている構成である。
に、各偏光素子および正の誘電異方性の液晶を含む液晶
セルの間にそれぞれ配され、面内方向のリターデーショ
ンが透過光の波長の略4分の1波長に設定されている4
分の1波長層と、上記4分の1波長層の少なくとも一方
および液晶セルの間に配された正の一軸性の位相差層
と、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セ
ルの間に配された負の一軸性の位相差層と、少なくとも
上記位相差層のいずれかが設けられた方の4分の1波長
層および偏光素子の間に設けられ、面内方向の主屈折率
をnx2、ny2、法線方向の主屈折率をnz2とした
とき、主屈折率nz2が最も大きな補償層とを備えてい
る構成である。また、上記正および負の一軸性の位相差
層に代えて、上記4分の1波長層の少なくとも一方およ
び液晶セルの間に、元の屈折率楕円体がna=nb>n
cであり、上記na軸が面内のラビング直交方向に一致
し、nc軸が法線方向から予め定める角度をなすように
傾斜した傾斜型の位相差層を設ける構成である。
晶表示装置は、以上のように、各偏光素子および正の誘
電異方性の液晶を含む液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、上記4分の
1波長層の少なくとも一方および液晶セルの間に配さ
れ、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法線方向の
主屈折率をnz1としたとき、nx1>ny1>nz1
の位相差層と、少なくとも上記位相差層が設けられた方
の4分の1波長層および偏光素子の間に設けられ、面内
方向の主屈折率をnx2、ny2、法線方向の主屈折率
をnz2としたとき、主屈折率nz2が最も大きな補償
層とを備えている構成である。また、上記位相差層に代
えて、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶
セルの間に、元の屈折率楕円体がna=nb>ncであ
り、上記na軸が面内のラビング直交方向に一致し、n
c軸が法線方向から予め定める角度をなすように傾斜し
た傾斜型の位相差層を設ける構成である。
デーションの正負が、上記4分の1波長層や位相差層と
は逆の補償層が、偏光素子と4分の1波長層との間に配
されている。したがって、偏光素子から液晶セルまで、
および、液晶セルから偏光素子までにおける、厚み方向
のリターデーションの合計が同じであったとしても、補
償層を持たない場合に比べて、液晶セルの補償用のリタ
ーデーション(厚み方向)を、液晶セルに近づけること
ができる。この結果、上下左右の視角特性のバランスを
損なうことなく、広い視野角を維持し、しかも、正面方
向のコントラスト比の低下を防止可能な液晶表示装置を
実現できるという効果を奏する。
ルの光学補償用の位相差層が設けられている構成に加え
て、少なくとも上記位相差層が設けられた方の4分の1
波長層および偏光素子の間には、厚み方向および面内方
向のリターデーションを有し、面内方向のリターデーシ
ョンで上記偏光素子を光学補償する偏光素子補償層が設
けられている構成である。また、主屈折率nz2が最も
大きな補償層が設けられている構成に加えて、少なくと
も上記位相差層が設けられた方の4分の1波長層および
偏光素子の間には、面内方向の主屈折率をnx3、ny
3、法線方向の主屈折率をnz3としたとき、nx3>
ny3であり、上記液晶セルを基準に同じ側にある偏光
素子の吸収軸とny3軸とが平行となるように設定され
た偏光素子補償層が設けられている構成である。
偏光素子補償層の厚み方向のリターデーションを打ち消
すことができるので、偏光素子補償層で偏光素子を光学
補償できるにも拘らず、液晶セルの補償用のリターデー
ション(厚み方向)を、液晶セルに近づけることができ
る。この結果、全ての面内方位において、黒表示時の光
漏れを防止でき、良好に黒表示可能な液晶表示装置を実
現できるという効果を奏する。
z2が最も大きな補償層が設けられている構成に加え
て、上記補償層の各主屈折率は、nx2=ny2<nz
2に設定されている構成である。当該構成によれば、補
償層の面内方向のリターデーションが0なので、面内方
向のリターデーションが存在する場合に発生する色付き
現象を防止でき、コントラスト比を高い値に維持できる
という効果を奏する。
の補償層を設ける代わりに、上記4分の1波長層とし
て、面内方向の主屈折率をnx4、ny4、法線方向の
主屈折率をnz4としたとき、(nx4+ny4)/2
が概ねnz4の4分の1波長層を用いる構成である。
のリターデーションが略0に抑制される。したがって、
液晶セルの補償用のリターデーション(厚み方向)を、
液晶セルに近づけることができ、補償層を設けた場合と
略同様に、上下左右の視角特性のバランスを損なうこと
なく、広い視野角を維持し、しかも、正面方向のコント
ラスト比の低下を防止可能な液晶表示装置を実現できる
という効果を奏する。
長層の(nx4+ny4)/2が概ねnz4に設定され
ているか否かや、補償層の有無に拘らず、上記4分の1
波長層を含み上記偏光素子から4分の1波長層までの範
囲における厚み方向のリターデーションの絶対値が、い
ずれも上記透過光の波長の8分の1未満に設定されてい
る構成である。
様に、液晶セルの補償用のリターデーション(厚み方
向)を、液晶セルに近づけることができるので、上記各
液晶表示装置と同様に、上下左右の視角特性のバランス
を損なうことなく、広い視野角を維持し、しかも、正面
方向のコントラスト比の低下を防止可能な液晶表示装置
を実現できるという効果を奏する。
加えて、上記範囲における厚み方向のリターデーション
の絶対値は、いずれも略0に設定されている構成であ
る。当該構成によれば、液晶セルを光学補償するために
有効な厚み方向のリターデーションを最も液晶セルに近
づけることができ、さらに液晶表示装置の表示品位を向
上できるという効果を奏する。
に加えて、上記液晶セルは、画素に対応する画素電極が
設けられた第1基板と、対向電極が設けられた第2基板
と、当該両基板間に設けられた液晶層とを有し、当該液
晶層は、上記画素電極と対向電極との間の電圧が、少な
くとも予め定められる値の場合に、液晶分子の配向方向
が画素中で互いに異なるように制御される構成である。
分子の配向方向を画素中で互いに異なるように制御した
結果、配向状態の乱れが発生しやすいにも拘らず、配向
が乱れた液晶分子の配向方向が視角と一致していない限
り、明るさ向上に寄与できる。この結果、広い視野角を
保ちながら、高い光利用効率を確保できるという効果を
奏する。
に加えて、上記位相差層の各主屈折率nx1、ny1
は、nx1=ny1に設定されている構成である。当該
構成によれば、位相差層の面内方向のリターデーション
が0nmなので、面内方向のリターデーションが存在す
る場合に発生する色付き現象を防止でき、コントラスト
比を高い値に維持できるという効果を奏する。
にnx1=ny1に設定する代わりに、上記位相差層
は、上記4分の1波長層および液晶セルの間の双方に配
され、それぞれの主屈折率nx1、ny1は、互いに異
なっており、上記両位相差層のnx1軸は、互いに直交
していると共に、両位相差層のny1軸は、互いに直交
している構成である。当該構成では、液晶セルの両側に
配された位相差層は、互いのnx1軸およびny1軸が
それぞれ直交している。したがって、一方の位相差層で
発生した面内方向のリターデーションは、他方の位相差
層で打ち消される。この結果、上記色付き現象を防止で
き、コントラスト比を高い値に維持できるという効果を
奏する。
にくわえて、上記両4分の1波長層は、厚み方向のリタ
ーデーションの正負が互いに同一である構成である。当
該構成によれば、両4分の1波長層を同一の工程で製造
できるので、生産バラツキが発生しても、双方の特性を
容易に揃えることができる。この結果、厚み方向のリタ
ーデーションの正負が異なる4分の1波長層を用いる場
合に比べて、液晶表示装置の生産性を向上できるという
効果を奏する。
示装置の要部構成を示す模式図である。
画素電極および対向電極を示す斜視図である。
置の要部構成を示す模式図である。
る。
す説明図である。
示装置の要部構成を示す模式図である。
方法を示す説明図である。
比を示すグラフである。
ト比を示すグラフである。
晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
ト比を示すグラフである。
り、液晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
り、液晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
ト比を示すグラフである。
表示装置の要部構成を示す模式図である。
ト比を示すグラフである。
晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
ラフである。
トラスト比を示すグラフである。
り、液晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
ラフである。
であり、画素電極を示す斜視図である。
すものであり、画素電極を示す斜視図である。
ものであり、画素電極近傍を示す平面図である。
すものであり、画素電極近傍を示す平面図である。
であり、電圧無印加時における液晶セルを示す模式図で
ある。
図である。
傍を示す平面図である。
り、λ/4板が無い場合の表示例を示す説明図である。
す説明図である。
ものであり、電圧無印加時における液晶セルを示す模式
図である。
の要部構成を示す模式図である。
傍を示す平面図である。
図である。
り、λ/4板が無い場合の表示例を示す説明図である。
す説明図である。
り、液晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
すものであり、電圧無印加時における液晶セルを示す模
式図である。
の要部構成を示す模式図である。
図である。
り、液晶表示装置の要部構成を示す模式図である。
要部構成を示す模式図である。
補償層) 16a・16b Rth補償フィルム(補償層) 21a 画素電極 21b 対向電極
Claims (26)
- 【請求項1】液晶セルと、当該液晶セルの両側に配され
た偏光素子とを有する液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、厚み方向のリターデーションを有し、上記
液晶セルを光学補償する位相差層と、 少なくとも上記位相差層が設けられた方の4分の1波長
層および偏光素子の間に設けられた補償層とを備え、 上記補償層の厚み方向のリターデーションの値は、上記
4分の1波長層を含み上記偏光素子から4分の1波長層
までの範囲における厚み方向のリターデーションのう
ち、上記補償層を除いた合計値と正負が逆に設定されて
いることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項2】さらに、少なくとも上記位相差層が設けら
れた方の4分の1波長層および偏光素子の間には、厚み
方向および面内方向のリターデーションを有し、面内方
向のリターデーションで上記偏光素子を光学補償する偏
光素子補償層が設けられていることを特徴とする請求項
1記載の液晶表示装置。 - 【請求項3】垂直配向モードの液晶セルと、当該液晶セ
ルの両側に配された偏光素子とを有する液晶表示装置で
あって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、主屈折率nz1
が最も小さい位相差層と、 少なくとも上記位相差層が設けられた方の4分の1波長
層および偏光素子の間に設けられ、面内方向の主屈折率
をnx2、ny2、法線方向の主屈折率をnz2とした
とき、主屈折率nz2が最も大きな補償層とを備えてい
ることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項4】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セルと、
当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する水平
配向モードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された正の一軸性の位相差層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された負の一軸性の位相差層と、 少なくとも上記位相差層のいずれかが設けられた方の4
分の1波長層および偏光素子の間に設けられ、面内方向
の主屈折率をnx2、ny2、法線方向の主屈折率をn
z2としたとき、主屈折率nz2が最も大きな補償層と
を備えていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項5】上記正および負の一軸性の位相差層に代え
て、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セ
ルの間には、元の屈折率楕円体がna=nb>ncであ
り、上記na軸が面内のラビング直交方向に一致し、n
c軸が法線方向から予め定める角度をなすように傾斜し
た傾斜型の位相差層が設けられていることを特徴とする
請求項4記載の液晶表示装置。 - 【請求項6】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セルと、
当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する光学
的補償ベンドモードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、nx1>ny1
>nz1の位相差層と、 少なくとも上記位相差層が設けられた方の4分の1波長
層および偏光素子の間に設けられ、面内方向の主屈折率
をnx2、ny2、法線方向の主屈折率をnz2とした
とき、主屈折率nz2が最も大きな補償層とを備えてい
ることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項7】上記位相差層に代えて、上記4分の1波長
層の少なくとも一方および液晶セルの間には、元の屈折
率楕円体がna=nb>ncであり、上記na軸が面内
のラビング直交方向に一致し、nc軸が法線方向から予
め定める角度をなすように傾斜した傾斜型の位相差層が
設けられていることを特徴とする請求項6記載の液晶表
示装置。 - 【請求項8】上記補償層の各主屈折率は、nx2=ny
2<nz2に設定されていることを特徴とする請求項
3、4、5、6または7記載の液晶表示装置。 - 【請求項9】さらに、少なくとも上記位相差層が設けら
れた方の4分の1波長層および偏光素子の間には、面内
方向の主屈折率をnx3、ny3、法線方向の主屈折率
をnz3としたとき、nx3>ny3であり、上記液晶
セルを基準に同じ側にある偏光素子の吸収軸とny3軸
とが平行となるように設定された偏光素子補償層が設け
られていることを特徴とする請求項3、4、5、6また
は7記載の液晶表示装置。 - 【請求項10】液晶セルと、当該液晶セルの両側に配さ
れた偏光素子とを有する液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、厚み方向のリターデーションを有し、上記
液晶セルを光学補償する位相差層とを備え、 上記4分の1波長層は、面内方向の主屈折率をnx4、
ny4、法線方向の主屈折率をnz4としたとき、(n
x4+ny4)/2が概ねnz4であることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項11】垂直配向モードの液晶セルと、当該液晶
セルの両側に配された偏光素子とを有する液晶表示装置
であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、主屈折率nz1
が最も小さい位相差層とを備え、 上記4分の1波長層は、面内方向の主屈折率をnx4、
ny4、法線方向の主屈折率をnz4としたとき、(n
x4+ny4)/2が概ねnz4であることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項12】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セル
と、当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する
水平配向モードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された正の一軸性の位相差層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された負の一軸性の位相差層とを備え、 上記4分の1波長層は、面内方向の主屈折率をnx4、
ny4、法線方向の主屈折率をnz4としたとき、(n
x4+ny4)/2が概ねnz4であることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項13】上記正および負の一軸性の位相差層に代
えて、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶
セルの間には、元の屈折率楕円体がna=nb>ncで
あり、上記na軸が面内のラビング直交方向に一致し、
nc軸が法線方向から予め定める角度をなすように傾斜
した傾斜型の位相差層が設けられていることを特徴とす
る請求項12記載の液晶表示装置。 - 【請求項14】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セル
と、当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する
光学的補償ベンドモードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、nx1>ny1
>nz1の位相差層とを備え、 上記4分の1波長層は、面内方向の主屈折率をnx4、
ny4、法線方向の主屈折率をnz4としたとき、(n
x4+ny4)/2が概ねnz4であることを特徴とす
る液晶表示装置。 - 【請求項15】上記位相差層に代えて、上記4分の1波
長層の少なくとも一方および液晶セルの間には、元の屈
折率楕円体がna=nb>ncであり、上記na軸が面
内のラビング直交方向に一致し、nc軸が法線方向から
予め定める角度をなすように傾斜した傾斜型の位相差層
が設けられていることを特徴とする請求項14記載の液
晶表示装置。 - 【請求項16】液晶セルと、当該液晶セルの両側に配さ
れた偏光素子とを有する液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、厚み方向のリターデーションを有し、上記
液晶セルを光学補償する位相差層とを備え、 上記4分の1波長層を含み上記偏光素子から4分の1波
長層までの範囲における厚み方向のリターデーションの
絶対値は、いずれも上記透過光の波長の8分の1未満に
設定されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項17】垂直配向モードの液晶セルと、当該液晶
セルの両側に配された偏光素子とを有する液晶表示装置
であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、主屈折率nz1
が最も小さい位相差層とを備え、 上記4分の1波長層を含み上記偏光素子から4分の1波
長層までの範囲における厚み方向のリターデーションの
絶対値は、いずれも上記透過光の波長の8分の1未満に
設定されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項18】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セル
と、当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する
水平配向モードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された正の一軸性の位相差層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配された負の一軸性の位相差層とを備え、 上記4分の1波長層を含み上記偏光素子から4分の1波
長層までの範囲における厚み方向のリターデーションの
絶対値は、いずれも上記透過光の波長の8分の1未満に
設定されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項19】上記正および負の一軸性の位相差層に代
えて、上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶
セルの間には、元の屈折率楕円体がna=nb>ncで
あり、上記na軸が面内のラビング直交方向に一致し、
nc軸が法線方向から予め定める角度をなすように傾斜
した傾斜型の位相差層が設けられていることを特徴とす
る請求項18記載の液晶表示装置。 - 【請求項20】正の誘電異方性の液晶を含む液晶セル
と、当該液晶セルの両側に配された偏光素子とを有する
光学的補償ベンドモードの液晶表示装置であって、 上記各偏光素子および液晶セルの間にそれぞれ配され、
面内方向のリターデーションが透過光の波長の略4分の
1波長に設定されている4分の1波長層と、 上記4分の1波長層の少なくとも一方および液晶セルの
間に配され、面内方向の主屈折率をnx1、ny1、法
線方向の主屈折率をnz1としたとき、nx1>ny1
>nz1の位相差層とを備え、 上記4分の1波長層を含み上記偏光素子から4分の1波
長層までの範囲における厚み方向のリターデーションの
絶対値は、いずれも上記透過光の波長の8分の1未満に
設定されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 【請求項21】上記位相差層に代えて、上記4分の1波
長層の少なくとも一方および液晶セルの間には、元の屈
折率楕円体がna=nb>ncであり、上記na軸が面
内のラビング直交方向に一致し、nc軸が法線方向から
予め定める角度をなすように傾斜した傾斜型の位相差層
が設けられていることを特徴とする請求項20記載の液
晶表示装置。 - 【請求項22】上記範囲における厚み方向のリターデー
ションの絶対値は、いずれも略0に設定されていること
を特徴とする請求項16、17、18、19、20また
は21記載の液晶表示装置。 - 【請求項23】上記液晶セルは、画素に対応する画素電
極が設けられた第1基板と、対向電極が設けられた第2
基板と、当該両基板間に設けられた液晶層とを有し、当
該液晶層は、上記画素電極と対向電極との間の電圧が、
少なくとも予め定められる値の場合に、液晶分子の配向
方向が画素中で互いに異なるように制御されることを特
徴とする請求項1、3、4、5、6、7および10ない
し21のいずれか一つに記載の液晶表示装置。 - 【請求項24】上記位相差層の各主屈折率nx1、ny
1は、nx1=ny1に設定されていることを特徴とす
る請求項1、3、4、5、6、7および10ないし21
のいずれか一つに記載の液晶表示装置。 - 【請求項25】上記位相差層は、上記4分の1波長層お
よび液晶セルの間の双方に配され、それぞれの主屈折率
nx1、ny1は、互いに異なっており、 上記両位相差層のnx1軸は、互いに直交していると共
に、両位相差層のny1軸は、互いに直交していること
を特徴とする請求項請求項1、3、4、5、6、7およ
び10ないし21のいずれか一つに記載の液晶表示装
置。 - 【請求項26】上記両4分の1波長層は、厚み方向のリ
ターデーションの正負が互いに同一であることを特徴と
する請求項1、3、4、5、6、7および10ないし2
1のいずれか一つに記載の液晶表示装置。
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