JP2010504087A - プロテアーゼ耐性のインスリンアナログ - Google Patents

プロテアーゼ耐性のインスリンアナログ Download PDF

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Abstract

本発明は、プロテアーゼに対する耐性を示す新規なインスリンアナログであって、少なくとも2のアミノ酸が親インスリン分子に対して置換及び/又は欠失しているインスリンアナログに関する。また、このようなインスリンアナログを調製する方法、本発明のインスリンアナログを含有するインスリン製剤、及びこれらのインスリンアナログを使用する真性糖尿病の治療方法も提供される。

Description

本発明は、プロテアーゼに対する耐性を示す新規なインスリンアナログ、かかるインスリンアナログの調製方法、本発明のインスリンアナログを含有するインスリン製剤、及びこれらのインスリンアナログを使用する真性糖尿病の治療方法に関する。
経口経路は、薬剤投与で最も幅広く使用されている経路であり、特に長期治療を受けている患者に、一般的には非常によく受け入れられている。しかしながら、治療用ペプチド又はタンパク質の投与は、胃腸(GI)管での酵素的分解、薬物排出ポンプ、腸粘膜からの不十分で変動する吸収、並びに肝臓での初回通過代謝等のいくつかの障壁のため、好ましい経口投与よりも非経口投与に限定されることが多い。ヒトインスリンは、胃(ペプシン)、腸内腔(キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ等)、GI管の粘膜表面(アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エンテロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ等)に見出される種々の消化酵素により分解される。
多くのペプチド及び多くのタンパク質が臨床的に有効であることが証明されており、投与が簡単で、レシピエントにとって許容可能ならば、より広く使用されるであろうから、このことは残念なことである。
真性糖尿病は、グルコースを利用する能力が部分的に又は完全に喪失している代謝疾患である。全人口の約5%が糖尿病に罹患しており、該疾患は流行病の割合に近づいている。1920年代にインスリンが導入されて以来、真性糖尿病の治療を改善するため、絶え間ない努力がなされている。糖尿病に罹患している人々は、数十年以上の長期間にわたる治療を受けるために、安全で簡便であり、生活の質を改善するインスリン製剤に対する大きな必要性がある。
真性糖尿病の治療において、多くの様々なインスリン製剤、例えばレギュラーインスリン、イソフェンインスリン(NPHと称される)、インスリン亜鉛懸濁剤(例えばSemilente(登録商標)、Lente(登録商標)、及びUltralente(登録商標))、及び二相性イソフェンインスリンが示唆され使用されている。商業的に入手可能なインスリン製剤のいくつかは、作用発現が速いことで特徴付けられ、他の製剤は、作用発現は比較的遅いが、程度の差はあるが、持続作用を示す。速効性インスリン製剤は、通常インスリンの溶液であるが、遅効性インスリン製剤は、亜鉛塩を単独で添加するか、又はプロタミンを添加するか、又は双方を組合せることにより沈殿させられる結晶及び/又は非晶質形態のインスリンを含む懸濁剤でありうる。
ヒトインスリンは、それぞれ21及び30のアミノ酸残基を含むA鎖及びB鎖の2つのポリペプチドからなる。A鎖及びB鎖は2つのジスルフィド結合により相互に結合している。殆どの他の種由来のインスリンも同様であるが、いくつかの位置にアミノ酸置換を含みうる。ここ10年で、多くのヒトインスリンアナログが開発されている。それらは特定の作用プロファイル、すなわち速効型又は持続作用となるように設計される。このようなインスリンアナログを含有する商業的に入手可能な製品には、Levemir(登録商標)、NovoRapid(登録商標)、Humalog(登録商標)、Apidra(登録商標)及びLantus(登録商標)が含まれる。
通常、インスリン製剤は、皮下注射により投与される。
しかしながら、経口経路による投与は、患者のコンプライアンス、安全性及び簡便性にとって有利である。
インスリンのようなタンパク質薬剤の経口投与は、酵素的及び吸収障壁のために非常に低い生物学的利用能に帰する場合が多い。ペプチド及びタンパク質の送達のための一般的なアプローチは、侵襲的で不便な非経口投与である。よって、タンパク質ベースの医薬の経口送達等の非侵襲経路が益々研究されている。タンパク質/ペプチドの経口送達のための最近の製剤設計には、プロテアーゼインヒビター、浸透エンハンサー、ポリマーベース送達系及びインスリンコンジュゲートを含む共製剤が含まれる。後者には、ヘキシル-インスリン-モノコンジュゲート-2(HIM2) (Nobex Cooperation及びGSK)、B29に結合したPEG7-ヘキシル基を有するヒトインスリンアナログが含まれる。例えば、米国特許第7,030,082号、米国特許第6,867,183号、及び米国特許第6,770,625号には、インスリンと比較して、タンパク質分解安定性及び生物学的利用能が増加した経口HIM2が報告されている。
本発明の一実施態様では、タンパク質分解安定性が高められ、生物学的なインスリン活性が保持されたインスリンアナログが提供される。
本発明のさらなる実施態様では、親インスリン分子に対して、少なくとも2のアミノ酸が置換及び/又は欠失しているインスリンアナログが提供される。
本発明のさらなる実施態様では、親インスリンに対して、少なくとも2の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換が、親インスリンの2以上のプロテアーゼ切断部位の内部又はこれに近接して存在しているインスリンアナログであって、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに含むインスリンアナログが提供される。
また、インスリンアナログのA鎖が少なくとも一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が親インスリンに対して少なくとも一の変異を含んでいる本発明のインスリンアナログを提供することが本発明の目的である。
さらに本発明は、請求項記載のインスリンアナログのプレプロペプチドをコードする核酸配列に関する。さらなる実施態様では、本発明は、かかる核酸配列を有するベクター、及びかかる核酸配列又はベクターを含む宿主細胞に関する。
本発明のインスリンアナログを得るための方法及び医薬としてのそれらの使用も提供される。
図1は、37℃での未変化インスリン(アナログ)に対するパーセンテージとして測定された、キモトリプシンに対するヒトインスリン(HI)及びインスリンアナログのタンパク質分解安定性を示す。 図2は、25℃での未変化インスリン(アナログ)に対するパーセンテージとして測定された、ペプシンに対するヒトインスリン(HI)及びインスリンアナログのタンパク質分解安定性を示す。
本発明のインスリンアナログは、親インスリン分子に対して、A及び/又はBアミノ酸鎖の2以上の変異を有するインスリン分子である。
インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれに近接した2以上の疎水性アミノ酸を、親水性アミノ酸で置換することにより、親インスリンに対してタンパク質分解的に安定したインスリンアナログが得られることが見出された。
以下は、他の箇所でさらに記載される実施態様の非限定的列挙である:
実施態様1. 親インスリンに対して少なくとも2の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換が、親インスリンの2以上のプロテアーゼ切断部位の内部又はこれに近接して存在しているインスリンアナログであって、場合によっては一又は複数の付加的な変異をさらに含むインスリンアナログ。
実施態様2. 親インスリンに対して増加した安定性が得られる実施態様1のインスリンアナログ。
実施態様3. インスリンアナログのA鎖が少なくとも一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が親インスリンに対して少なくとも一の変異を含む実施態様1−2のいずれか一のインスリンアナログ。
実施態様4. インスリンアナログが、第1の修飾インスリンアナログのプロテアーゼ部位に、少なくとも一のアミノ酸置換をさらに有し、該少なくとも一のアミノ酸置換が、少なくとも一の疎水性アミノ酸が少なくとも一の親水性アミノ酸で置換されているものである実施態様1−3のいずれか一のインスリンアナログ。
実施態様5.
・ A12位のアミノ酸がGlu又はAspであり、及び/又はA13位のアミノ酸がHis、Asn、Glu又はAspであり、及び/又はA14位のアミノ酸がAsn、Gln、Glu、Arg、Asp、Gly又はHisであり、及び/又はA15位のアミノ酸がGlu又はAspであり;及び
・ B24位のアミノ酸がHisであり、B25位のアミノ酸がHisであり、及び/又はB26位のアミノ酸がHis、Gly、Asp又はThrであり、及び/又はB27位のアミノ酸がHis、Glu、Lys、Gly又はArgであり、及び/又はB28位のアミノ酸がHis、Gly又はAspであり;
場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む実施態様1−4のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様6. A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHisであり、場合によっては、一又は複数の付加的な変異をさらに含む実施態様1−5のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様7. A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHisであり、B30位のアミノ酸が欠失している実施態様1−6のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様8. A14位のアミノ酸がGlu、Asp又はHisであり、B25位のアミノ酸がHisである実施態様1−6のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様9. 一又は複数の付加的な変異が、A(−3)Gly、A(−2)Gly、A(−1)Pro、A(0)Pro、A8His、A18Gln、A18Gln、A21Gln、A21Gly、B(−3)Gly、B(−2)Gly、B(−1)Pro、B(0)Pro、B1Glu、B1Gln、ro、B1Glu、B1Gln、B3Gln、B10Pro、B14Thr、B16Glu、B17Ser、B26Asp、DesB26、DesB27、B27Glu、B27Glu、B28Asp、desB28、desB29、desB30、B31Leu、B32Gluからなる群から選択される実施態様1−6のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様10. 付加的な変異がdesB30である実施態様1−6又は9のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様11. A14がGluである実施態様1−10のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様12. 親タンパク質に対して、一又は複数のプロテアーゼ酵素への増加した安定性を示す実施態様1−11のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様13. 親タンパク質に対して、2以上のプロテアーゼ酵素への増加した安定性を示す実施態様1−12のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様14. 親インスリンが、
ヒトインスリン;
・ B28位のアミノ酸残基がPro、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaであり、B29位のアミノ酸残基がLys又はProであり、場合によってはB30位のアミノ酸残基が欠失しているヒトインスリンのインスリンアナログ;
・ des(B26-B30)ヒトインスリン、des(B27-B30)ヒトインスリン、des(B28-B30)ヒトインスリン、des(B29-B30)ヒトインスリン、des(B27)ヒトインスリン、又はdes(B30)ヒトインスリン;
・ B3位のアミノ酸残基がLysであり、B29位のアミノ酸残基が Glu又はAspであるヒトインスリンのインスリンアナログ;
・ A21位のアミノ酸残基が Glyであり、2つのArg残基でC末端がさらに伸長しているヒトインスリンのインスリンアナログ;
・ B30位のアミノ酸残基がスレオニンメチルエステルで置換されているインスリン誘導体;
・ des(B30)ヒトインスリンのB29位にあるリジンのNε位にテトラデカノイル鎖が結合したインスリン誘導体;
からなる群から選択される実施態様1−13のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様15. 一又は複数の付加的な変異が、インスリンの化学的安定性を高めるように選択される実施態様1−6、9又は11-14のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様16. 一又は複数の付加的な変異が、A18Gln、A21Gln、A21Gly及びB3Glnからなる群から選択される実施態様15のインスリンアナログ。
実施態様17. 式1:
XaaA(−2)-XaaA(−1)-XaaA0-Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys- Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-
XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21-XaaA22
式(1)(配列番号1)
のA鎖アミノ酸配列、及び次の式2:
XaaB(−2)-XaaB(−1)-XaaB0-XaaB1-XaaB2-XaaB3-XaaB4-His- Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-
XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-
XaaB25-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30-XaaB31-
XaaB32
式(2)(配列番号2)
のB鎖アミノ酸配列を含み、上記式中、
XaaA(−2)は存在しないか又はGlyであり;
XaaA(−1)は存在しないか又はProであり;
XaaA0は存在しないか又はProであり;
XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Tyr、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaA22は存在しないか又はLysであり;
XaaB(−2)は存在しないか又はGlyであり;
XaaB(−1)は存在しないか又はProであり;
XaaB0は存在しないか又はProであり;
XaaB1は存在しないか、又は独立してPhe及びGluから選択され;
XaaB2は存在しないか又はValであり;
XaaB3は存在しないか、又は独立してAsn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB25は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;
XaaB30は存在しないか又はThrであり;
XaaB31は存在しないか又はLeuであり;
XaaB32は存在しないか又はGluであり;
場合によってはC末端がアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列が、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインがジスルフィド架橋により結合しており;
場合によってはA鎖アミノ酸配列のN末端が、3−7のアミノ酸を含有するアミノ酸配列により、B鎖アミノ酸配列のC末端に結合して、単鎖インスリン分子を形成してよく、場合によってはB鎖のN末端が1−10のアミノ酸で伸長しており;
XaaA8がThrで、XaaA12がSerで、XaaA13がLeuで、XaaA14がTyrであるならば、XaaA15はGlu又はAspであり;及び
XaaB24がPheで、XaaB25がPheで、XaaB26がTyrで、XaaB27がThrで、XaaB28がProであるならば、XaaB29はGlnである、
実施態様1−4又は12-14のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様18. 次の式3:
Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys-Cys-XaaA8-Ser-Ile-
Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-
Tyr-Cys-XaaA21
式(3)(配列番号3)
のA鎖アミノ酸配列、及び次の式(4):
XaaB1-Val-XaaB3-XaaB4-His-Leu-Cys-GLyser-
XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-XaaB16-Leu-Val-
Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-His-XaaB26-XaaB27-
XaaB28-XaaB29-XaaB30
式(4)(配列番号4)
のB鎖アミノ酸配列を含み、上記式中、
XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;
XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;
XaaB30は存在しないか又はThrであり;
場合によってはC末端がアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列が、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインがジスルフィド架橋により結合している、実施態様1−4又は12-14のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様19. XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
XaaA12は独立して、Ser及びGluから選択され;
XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
XaaA14は独立して、Asp、His及びGluから選択され;
XaaA15は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB1は独立して、Phe及びGluから選択され;
XaaB3は独立して、Asn及びGlnから選択され;
XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg及びGluから選択され;
XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
XaaB26は独立して、Tyr、Thr、Gly及びAspから選択され;
XaaB27は独立して、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg及びGluから選択され;
XaaB28は独立して、Pro、Gly及びAspから選択され;
XaaB29は独立して、Lys及びGlnから選択され;
XaaB30存在しないか又はThrであり;
場合によってはC末端がアミドとして誘導体化されていてもよく;
ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列が、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインがジスルフィド架橋により結合している、実施態様18のインスリンアナログ。
実施態様20. B鎖のC末端が、3−15のアミノ酸又は3−7のアミノ酸で、A鎖のN末端に結合し、単鎖インスリン分子を形成しており、場合によってはB鎖のN末端が1−10のアミノ酸で伸長している実施態様1−16のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様21. 実施態様1−20のいずれかに記載の生物活性量のインスリンアナログと製薬的に許容可能な担体を含有する製薬用組成物。
実施態様22. 実施態様1−20のいずれかに記載の2以上のインスリンアナログを含有し、各アナログが、他の変異体の少なくとも一つに存在しない少なくとも一の変異を有することによって定められた製薬用組成物。
実施態様23. 製薬的に許容可能な担体及び/又は賦形剤と、場合によってはアジュバントをさらに含有する実施態様11−20のいずれかの製薬用組成物。
実施態様24. 実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログ、又は実施態様21−23のいずれかの製薬用組成物を患者に投与することを含む患者における真性糖尿病を治療する方法。
実施態様25. 実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログ、又は実施態様21−23のいずれかの製薬用組成物の治療的活性量を、かかる治療を必要とする患者に投与することを含む、哺乳動物の血糖値を低下させる方法。
実施態様26. 経口投与である実施態様24又は25の方法。
実施態様27. 非経口投与である実施態様24又は25の方法。
実施態様28. 気管内投与である実施態様24又は25の方法。
実施態様29. 高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、X症候群、及び脂質代謝異常の治療又は予防における医薬として使用される実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様30. 2型糖尿病の疾患進行の遅延化又は予防における医薬として使用される実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様31. 食物摂取の低下、β細胞アポトーシスの低下、β細胞機能及びβ細胞量の増加、及び/又はβ細胞に対するグルコース感受性の回復において医薬として使用される実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログ。
実施態様32. 実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログをコードする核酸、その誘導体、その部分配列、その変性配列、又はストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズする配列。
実施態様33. 実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログの前駆体をコードする核酸、その誘導体、その部分配列、その変性配列、又はストリンジェントな条件下でそれにハイブリダイズする配列。
実施態様34. 実施態様32又は33の核酸配列を含む発現ベクター。
実施態様35. 実施態様34の発現ベクターを含む宿主細胞。
実施態様36. 実施態様35の宿主細胞を培養する工程を含む、インスリンアナログの製造方法。
実施態様37. アミノ酸の置換を、部位特異的突然変異誘発により実施する実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログの製造方法。
実施態様38. 製薬的に許容可能な物質及び/又は賦形剤と実施態様1−20のいずれかのインスリンアナログとを混合することを含む実施態様21-23のいずれかの製薬用組成物の製造方法。
実施態様39. 実施態様38の方法により得られうる製薬用組成物。
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されるポリペプチドホルモンである。インスリンは、2つの鎖間ジスルフィド架橋により連結した2つのポリペプチド鎖A及びBからなる。さらに、A鎖は一つの鎖内ジスルフィド架橋により特徴付けられる。
該ホルモンは、プレペプチド-B-Arg Arg-C-Lys Arg-A(ここで、Cは、31のアミノ酸の連結ペプチドである)の配置の、24のアミノ酸のプレペプチドに86のアミノ酸を含むプロインスリンが続いてなる単鎖前駆体プロインスリン(プレプロインスリン)として合成される。Arg-Arg及びLys-Argは、A及びB鎖から連結ペプチドを切断するための切断部位である。
本発明のインスリンアナログは、さらなる変異を含みうる。インスリン分子中の変異は、自然に生じたインスリン分子のA及び/又はB鎖におけるアミノ酸残基の置換、欠失又は付加の形態でありうる。
「desB30」又は「B(1-29)」とは、B30アミノ酸残基を欠く天然インスリンB鎖を意味し、「A(1-21)」は天然インスリンA鎖を意味する。ミニCペプチド及びそのアミノ酸配列は3文字のアミノ酸コードで示される。
ここで、A1、A2、A3等の用語は、それぞれ(N末端から数えた)インスリンのA鎖の位置1、2及び3を示す。同様に、B1、B2、B3等の用語は、それぞれ(N末端から数えた)インスリンのB鎖の位置1、2及び3を示す。アミノ酸用の1文字コードを使用すると、A21A、A21G及びA21Q等の用語は、A21位にあるアミノ酸が、それぞれA、G及びQであることを示す。アミノ酸用の3文字コードを使用すると、対応する表現は、それぞれA21Ala、A21Gly及びA21Glnとなる。
ここで、A(0)又はB(0)なる用語は、それぞれA1又はB1のN末端よりに隣接した位置を示す。A(−1)又はB(−1)なる用語は、それぞれA(0)又はB(0)に対してN末端よりの第1のアミノ酸の位置を示す。よって、A(−2)及びB(−2)は、それぞれA(−1)及びB(−1)に対してN末端よりの位置を示し、A(−3)及びB(−3)は、それぞれA(−2)及びB(−2)に対してN末端寄りの位置を示す。
連結ペプチドなる用語は、インスリンのA鎖のN末端アミノ酸残基とB鎖のC末端アミノ酸残基を結合可能なペプチド鎖を包含する。
プロペプチドなる用語は、その機能が、発現されたポリペプチドを小胞体からゴルジ体へ、さらには培養培地中への分泌のために分泌小胞へ向けること(すなわち、細胞壁又は少なくとも細胞膜を通しての酵母細胞のペリプラズム空間中へのポリペプチドの排出)を可能にすることであるポリペプチド配列を意味する。プロペプチドは酵母α-因子プロペプチドであってよく、米国特許第4,546,082号及び同4,870,008号が参照される。またプロペプチドは、合成プロペプチド、つまり天然には見出されないプロペプチドであってもよい。適切な合成プロペプチドは米国特許第5,395,922号;同5,795,746号;同5,162,498号及び国際公開第98/32867号に開示されているものである。好ましくは、プロペプチドは、C末端にエンドペプチダーゼプロセシング部位、例えばLys-Arg配列又はその任意の機能的類似体を含む。
「糖尿病」なる用語には、1型糖尿病、2型糖尿病、及び高血糖症を引き起こす他の状態が含まれる。
疾患の「治療」なる用語には、疾患の治療、予防又は緩和が含まれる。
本発明の一実施態様では、インスリンアナログは特に経口投与に適している。
疎水性アミノ酸は、ここでは、自然に生じるアミノ酸(括弧内に三文字及び一文字略語を記載)トリプトファン(Trp、W)、フェニルアラニン(Phe、F)、バリン(Val、V)、イソロイシン(Ile、I)、ロイシン(Leu、L)及びチロシン(Tyr、Y)と理解される。
親水性アミノ酸は、ここでは、上述の疎水性アミノ酸ではない天然アミノ酸であると理解される。一実施態様では、本発明の親水性の酸は、グルタミン酸(Glu、E)、アスパラギン酸(Asp、D)、ヒスチジン(His、H)、グルタミン(Gln、Q)、アスパラギン(Asn、N)、セリン(Ser、S)、スレオニン(Thr、T)、プロリン(Pro、P)、グリシン(Gly、G)、リジン(Lys、K)及びアルギニン(Arg、R)からなる群から選択される。さらなる実施態様では、本発明の親水性アミノ酸は、グルタミン酸(Glu、E)、アスパラギン酸(Asp、D)、ヒスチジン(His、H)、グルタミン(Gln、Q)、アスパラギン(Asn、N)、リジン(Lys、K)及びアルギニン(Arg、R)からなる群から選択される。
ここで、本発明の「インスリン」は、ヒトインスリン、インスリンアナログ又はインスリン誘導体と理解される。
ここで使用される「親インスリン」なる用語は、本発明のあらゆる変異がなされる前のインスリンを意味するものである。親インスリンの非限定的な例は、野生型インスリン、例えばヒトインスリン又はブタインスリン、ヒトインスリンのアナログ、又はヒトインスリン又はインスリンアナログの誘導体、例えばペグ化又はアシル化されたヒトインスリン又はインスリンアナログである。
一実施態様では、本発明の親インスリンは、
ヒトインスリン、
B28位にあるアミノ酸残基がPro、Asp、Lys、Leu、Val又はAlaであり、B29位にあるアミノ酸残基がLys又はProであり、場合によってはB30位にあるアミノ酸残基が欠失しているヒトインスリンのインスリンアナログ、
des(B28-B30)ヒトインスリン、des(B27)ヒトインスリン、又はdes(B30)ヒトインスリンであるインスリンアナログ、
B3位にあるアミノ酸残基がLysであり、B29位にあるアミノ酸残基がGlu又はAspである、ヒトインスリンのインスリンアナログ、
A21位にあるアミノ酸残基がGlyであり、2つのアルギニン残基でC末端がさらに伸長している、ヒトインスリンのインスリンアナログ、
B30位のアミノ酸残基がスレオニンメチルエステルで置換されているインスリン誘導体、
des(B30)ヒトインスリンのB29位にあるリジンのNε位にテトラデカノイル鎖が結合したインスリン誘導体、
からなる群から選択される。
一実施態様では、本発明の親インスリンは、
ヒトインスリン;
DesB30 ヒトインスリン;
AspB28 ヒトインスリン;
AspB28、DesB30 ヒトインスリン;
LysB3、GluB29 ヒトインスリン;
LysB28、ProB29 ヒトインスリン;
GlyA21、ArgB31、ArgB32 ヒトインスリン;及び
DesB30、ArgB31、ArgB32 ヒトインスリン
からなる群から選択される。
ここで使用される「インスリンアナログ」なる用語は、インスリンの一又は複数のアミノ酸残基が他のアミノ酸残基で置換されており、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基がインスリンから欠失しており、及び/又は一又は複数のアミノ酸残基がインスリンに付加されている、修飾されたインスリンを意味している。
一実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して8未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。一実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して7未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。一実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して6未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。他の実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して5未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。他の実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して4未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。他の実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して3未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。他の実施態様では、インスリンアナログは、親インスリンに対して2未満の修飾(置換、欠失、付加)を含む。
ここで使用される「インスリン誘導体」なる用語は、少なくとも一の置換基が親タンパク質又はそのアナログに存在しない化学的に修飾された親インスリン又はそのアナログ、すなわち親タンパク質は共有的に修飾されているものを意味する。典型的な修飾は、アミド類、炭水化物、アルキル基、アシル基、エステル、ペグ化等である。本発明のヒトインスリン誘導体の例は、スレオニンメチルエステル-B30ヒトインスリン、Nε-B29-テトラデカノイルdes(B30)ヒトインスリン、Nε-B29-テトラデカノイルGlnB3 des(B30)ヒトインスリン)、Nε-B29-トリデカノイルヒトインスリン、Nε-B29-テトラデカノイルヒトインスリン、Nε-B29-デカノイルヒトインスリン及びNε-B29-ドデカノイルヒトインスリンである。
ここで使用される「ヒトインスリン」なる用語は、その構造及び特性がよく知られているヒトホルモンを意味する。ヒトインスリンは、システイン残基の間のジスルフィド架橋により結合した2つのポリペプチド鎖、すなわちA鎖及びB鎖を有する。A鎖は21のアミノ酸のペプチドであり、B鎖は30のアミノ酸のペプチドであり、2つの鎖は3つのジスルフィド架橋で結合しており、第1の架橋はA鎖の6及び11位にあるシステインの間、第2の架橋はA鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、第3の架橋はA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインの間にある。
インスリン分子における変異は、鎖(A又はB)、位置、天然アミノ酸を置換するアミノ酸の3文字コードを提示することで示される。「desB30」とは、B30アミノ酸を欠く、天然インスリンB鎖又はそのアナログを意味する。よって、A21Gly、B28Asp、desB30ヒトインスリンは、A鎖の21位がグリシンに変異され、B鎖の28位がアスパラギン酸に変異され、B鎖の30位が欠失されているヒトインスリンのアナログである。
「プロテアーゼ」又は「プロテアーゼ酵素」は、タンパク質及びペプチドを分解し、ヒトの体の様々な組織、例えば胃(ペプシン)、腸内腔(キモトリプシン、トリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ等)、又はGI管の粘膜表面(アミノペプチダーゼ、カルボキシペプチダーゼ、エンテロペプチダーゼ、ジペプチジルペプチダーゼ、エンドペプチダーゼ等)、肝臓(インスリン分解酵素、カテプシン等)、及び他の組織に見出される消化酵素である。
ここでタンパク質分解的に安定したインスリンアナログとは、ヒトインスリンよりも、一又は複数のプロテアーゼによる分解が遅いインスリンアナログであると理解される。一実施態様では、本発明のタンパク質分解的に安定したインスリンアナログは、親インスリンよりも、一又は複数のプロテアーゼによる分解が遅い。本発明のさらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、ペプシン(例えば、イソ型のペプシンA、ペプシンB、ペプシンC及び/又はペプシンF)、キモトリプシン(例えば、イソ型のキモトリプシンA、キモトリプシンB及び/又はキモトリプシンC)、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ(例えば、イソ型の膵エラスターゼI及び/又はII)、カルボキシペプチダーゼ(例えば、イソ型のカルボキシペプチダーゼA、カルボキシペプチダーゼA2、及び/又はカルボキシペプチダーゼB)、アミノペプチダーゼ、カテプシンD、及びラット、ブタ又はヒトから誘導される腸抽出物に存在する他の酵素からなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、キモトリプシン、トリプシン、インスリン分解酵素(IDE)、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼ、アミノペプチダーゼ、及びカテプシンDからなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼ及びIDEからなる群から選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、キモトリプシン及びカルボキシペプチダーゼから選択される一又は複数の酵素による分解に対して安定している。
T1/2は、キモトリプシン、ペプシン及び/又はカルボキシペプチダーゼA等のプロテアーゼ酵素に対する、本発明のインスリンアナログのタンパク質分解安定性の尺度として実施例に記載されているようにして決定することができる。本発明の一実施態様では、T1/2はヒトインスリンに対して増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンに対して増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンの少なくとも2倍に増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンの少なくとも3倍に増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンの少なくとも4倍に増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンの少なくとも5倍に増加している。さらなる実施態様では、T1/2は親インスリンの少なくとも10倍に増加している。
プロテアーゼ切断部位(ここでは、プロテアーゼ部位とも記載する)は、プロテアーゼにより認識されるアミノ酸残基、及び/又はそのペプチド結合がプロテアーゼにより切断されるアミノ酸残基であると理解される。プロテアーゼ切断部位は、HPLC、MS又はLC-MS分析により切断「ホットスポット」を決定するか、及び/又はプロテアーゼ切断部位が決定されるプロテアーゼ酵素の酵素特異性に基づいた予測により、決定することができる。当業者であれば、例えば、Handbook of Proteolytical Enzymes, 第2版, Barrett, A.J., Rawlings, N.D., Woesner, J.F編, Elsevier Academic Press 2004に記載されているように、酵素特異性に基いてプロテアーゼ切断部位を如何にして決定するかは分かるであろう。例えばキモトリプシンは、Proが続かない、芳香族残基(Trp、Tyr、Phe又はLeu)のC末端でペプチド結合を切断すると予測される。同様に、トリプシンは、Proが続かない塩基性残基Lys又はArgのC末端でペプチド結合を切断すると予想され、エラスターゼは、Ala、Val、Gly又はSerのC末端で残基を切断すると予想され、カルボキシペプチダーゼAは、Arg、Lys又はProではなく、任意のC末端アミノ酸を除去するであろう。インスリン分解酵素(IDE)は、ヒトインスリンのB9−10、B10−11、B13−14、B14−15、B24−25、B25−26、A13−14及びA14−15位を切断すると予想される。
プロテアーゼ切断部位の「内部又はこれに近接した」アミノ酸を置換するなる用語は、プロテアーゼ切断部位であることが決定された親インスリンの位置の内部又はこれに近接したアミノ酸の置換を示すために使用される。一実施態様では、インスリン上の2以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれに隣接した2以上の疎水性アミノ酸が置換され、ここで、該疎水性アミノ酸は親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の内部の2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の隣に位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。またさらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位から2つのアミノ酸分離れて位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位から3つのアミノ酸分離れて位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位から4つのアミノ酸分離れて位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれから1、2又は3つのアミノ酸分離れて位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の内部又はこれから1又は2つのアミノ酸分離れて位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。さらなる実施態様では、インスリンにおける2以上のプロテアーゼ部位の内部又は隣に位置する2以上の疎水性アミノ酸が、親水性アミノ酸で置換される。
本発明のインスリンアナログは、親インスリンの正味電荷とは異なる正味電荷を有していてもよい。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの正味電荷は、親インスリンの正味電荷よりもさらに正である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの正味電荷は、親インスリンの正味電荷よりもさらに負である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の正の正味電荷は、水溶液で測定して0.5〜5である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の正の正味電荷は1〜5である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の正の正味電荷は1〜4である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の正の正味電荷は1〜3である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の正の正味電荷は2又は3である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の負の正味電荷は、水溶液で測定して−0.5〜−5である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の負の正味電荷は−1〜−5である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の負の正味電荷は−1〜−4である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の負の正味電荷は−1〜−3である。一実施態様では、本発明のインスリンアナログの平均の負の正味電荷は−2又は−3である。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH3−9で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4−8.5で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4.5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH5.5−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH6−8で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH2−4で、ヒトインスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、親インスリンよりも増加した溶解度を有するものであってもよい。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH3−9で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4−8.5で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH4.5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH5.5−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。さらなる実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH6−8で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、pH2−4で、親インスリンよりも増加した溶解度を有する。
「与えられたpHで増加した溶解度」とは、ヒトインスリン又は親インスリン等の比較されるインスリンに対して、高濃度の本発明のインスリンアナログが、溶液のpHで水又はバッファー溶液に溶解していることを意味する。溶液に含まれるインスリンが溶解しているかどうかを測定する方法は当該分野で知られている。
一実施態様では、溶液を30000gで20分、遠心分離にかけ、ついで上清のインスリン濃度をRP-HPLCにより測定することができる。この濃度が、組成物を作製するために元々使用されるインスリン濃度に実験誤差の範囲内で等しいならば、インスリンは本発明の組成物に十分に可溶性である。
他の実施態様では、本発明の組成物におけるインスリンの溶解度は、組成物を収容する容器を、単に眼で観察することにより測定することができる。溶液が、目で見て透明であり、粒子状物質が懸濁していないか、又は容器の側面/底に沈殿していないならば、インスリンは可溶性である。
本発明のインスリンアナログは、測定時に比較して、親インスリンよりも増加した効能及び生物学的利用能を有している。
インスリンの効能又は生物学的利用能を測定するための標準的なアッセイは、当業者に知られており、とりわけ(1)インスリンの相対的効力が、ラットの肝臓細胞膜分画等の細胞膜に存在するインスリンレセプターに特異的に結合する125I-インスリンの50%が置き換えられるのに必要なインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義されるインスリンラジオレセプターアッセイ;(2)インスリンの相対的有効性が、有機抽出可能物(例えば脂質)への[3-H]グルコースの最大転換率が50%に達するのに必要なインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義される、ラット脂肪細胞などを用いて実施される脂質生合成アッセイ;(3)インスリンアナログの相対的効力が、グルコース-1-[14C]の[14CO]への最大転換率が50%に達するためのインスリンアナログに対するインスリンの比率として定義される、単離脂肪細胞におけるグルコース酸化アッセイ;(4)特異的抗インスリン抗体への結合についてインスリン又はインスリンアナログが125I-インスリンと競合する効果を測定する、インスリンアナログの免疫原性を測定可能なインスリンラジオイムノアッセイ;及び(5)特異的インスリン抗体を有するELISAアッセイ等の動物の血漿サンプルにおける抗体へのインスリン又はインスリンアナログの結合性を測定する他のアッセイが含まれる。
本発明のインスリンアナログは、場合によっては、一又は複数の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸でさらに置換されていてもよいさらなるプロテアーゼ部位について分析されてもよい。本発明のインスリンアナログは、親インスリン、第1の修飾されたインスリンと比較して、プロテアーゼ部位に少なくとも2の親水性酸を有し、少なくとも一の疎水性アミノ酸は少なくとも一の親水性アミノ酸で置換されている第1の修飾されたインスリンの新規プロテアーゼ部位に少なくとも一のアミノ酸置換を有するインスリンアナログであってよい。
一実施態様では、B鎖のC末端が3−15のアミノ酸でA鎖のN末端に結合しているインスリンアナログが提供される。このようなインスリンアナログは、ここでは「単鎖インスリン」又は「SCI」と称され、一般構造B-C-Aを有するもので、ここでBはヒトインスリンB鎖又はそのアナログ又は誘導体であり、AはヒトインスリンA鎖又はアナログ又は誘導体であり、Cは、通常A1とB30を結合させる3−15のアミノ酸の連結ペプチド鎖である。B鎖がdesB30鎖である場合、連結ペプチドはA1とB29を結合させるであろう。該単鎖インスリンは、ヒトインスリンの場合におけるように、CysA7とCysB7との間、及びCysA20とCysB19との間に存在する正確に位置するジスルフィド架橋(3)と、CysA6及びCysA11との間の内部ジスルフィド架橋を含むであろう。一実施態様では、B鎖のC末端が3−7のアミノ酸でA鎖のN末端に結合しているインスリンアナログが提供される。
また本発明は、請求項記載のインスリンアナログをコードする核酸配列にも関する。さらなる実施態様では、本発明は、かかる核酸配列を含むベクター、及びかかる核酸配列又はベクターを含む宿主細胞に関する。
さらなる実施態様では、本発明は、(i)インスリン前駆体をコードする核酸配列を含む宿主細胞を培養し;(ii)培養培地からインスリン前駆体を単離し、及び(iii)インビトロ酵素的転換により、インスリン前駆体を本発明のインスリンアナログに転換させることを含む、インスリンアナログの製造方法に関する。
さらなる実施態様では、本発明は、(i)インスリン前駆体をコードする核酸配列を含有する宿主細胞を培養し;(ii)培養培地からインスリン前駆体を単離し、及び(iii)インスリン前駆体を本発明のインスリンアナログに転換させることを含む、インスリンアナログの製造方法に関する。
本発明の一実施態様では、宿主細胞は酵母宿主細胞であり、さらなる実施態様では、酵母宿主細胞はサッカロミセス属から選択される。さらなる実施態様では、酵母宿主細胞は出芽酵母から選択される。
ここで使用される「インスリンアナログ」とは、天然に生じるインスリン中に生じる少なくとも一つのアミノ酸残基を欠失及び/又は置換することにより、及び/又は少なくとも一つのアミノ酸残基を付加することによって、天然に生じるインスリン、例えばヒトインスリンの一次構造から誘導されるポリペプチドを意味する。付加された及び/又は置換されたアミノ酸残基は、コード可能なアミノ酸残基又は他の天然に生じるアミノ酸残基の何れかとすることができる。
本発明のインスリンアナログは、一又は複数の位置で変異したヒトインスリン又はそのアナログであってよい。一実施態様では、インスリンアナログは、同定されたプロテアーゼ切断部位をベースにしたプロテアーゼに対する安定性が高められるように設計されている。
一実施態様では、変異を受ける少なくとも一の切断部位は、ヒトインスリンのB2-3、B6-7、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B16-17、B22-23、B24-25、B25-26、A13-14、A14-15及びA19-20からなる群から選択される位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける少なくとも一の切断部位は、ヒトインスリンのB2-3、B6-7、B16-17、B22-23、B24-25及び/又はA19-20からなる群から選択される位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける少なくとも一の切断部位は、B22-23の位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける少なくとも一の切断部位は、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B24-25、B25-26、A13-14、A14-15からなる群から選択される位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける切断部位は、ヒトインスリンのB2-3、B6-7、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B16-17、B22-23、B24-25、B25-26、A13-14、A14-15及びA19-20からなる群から選択される2以上の位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける切断部位は、ヒトインスリンのB2-3、B6-7、B16-17、B22-23、B24-25及び/又はA19-20からなる群から選択される2以上の位置に存在する。
一実施態様では、変異を受ける切断部位は、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B24-25、B25-26、A13-14、A14-15からなる群から選択される2以上の位置に存在する。
一実施態様では、親インスリンに対して、インスリンアナログのA鎖が少なくとも一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が少なくとも一の変異を有し、A鎖における少なくとも一の変異が、A13-14、A14-15及びA19-20からなる群から選択される一又は複数の切断部位に存在し、B鎖における少なくとも一の変異が、B2-3、B6-7、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B16-17、B22-23、B24-25及びB25-26からなる群から選択される一又は複数の切断部位に存在する、本発明のインスリンアナログが得られる。
一実施態様では、親インスリンに対して、インスリンアナログのA鎖が一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が少なくとも一の変異を有し、A鎖における一の変異が切断部位A19-20に存在し、B鎖における少なくとも一の変異が、B2-3、B6-7、B16-17、B22-23及びB24-25からなる群から選択される一又は複数の切断部位に存在する、本発明のインスリンアナログが得られる。
一実施態様では、親インスリンに対して、インスリンアナログのA鎖が少なくとも一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が少なくとも一の変異を有し、A鎖における少なくとも一の変異が、A13-14及びA14-15からなる群から選択される一又は複数の切断部位に存在し、B鎖における少なくとも一の変異が、B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B24-25及びB25-26からなる群から選択される一又は複数の切断部位に存在する、本発明のインスリンアナログが得られる。
置換に適したアミノ酸残基は、切断部位を除去する目的で選択される。一実施態様では、アミノ酸は、溶解度を増加させるさらなる目的で選択される。さらなる実施態様では、溶解度の増加は3-9の範囲のpHに存在する。さらなる実施態様では、溶解度の増加は4-8の範囲のpHに存在する。インスリン又はインスリンアナログは、任意の天然アミノ酸により、一又は複数の位置で置換されてよく、又は任意の天然アミノ酸が親インスリン又は親インスリンアナログに付加されてもよい。便宜上、以下、丸括弧中の通常の3文字コード及び1文字コードを有するコード可能な天然のアミノ酸の名称である:グリシン(Gly及びG)、プロリン(Pro及びP)、アラニン(Ala及びA)、バリン(Val及びV)、ロイシン(Leu及びL)、イソロイシン(Ile及びI)、メチオニン(Met及びM)、システイン(Cys及びC)、フェニルアラニン(Phe及びF)、チロシン(Tyr及びY)、トリプトファン(Trp及びW)、ヒスチジン(His及びH)、リジン(Lys及びK)、アルギニン(Arg及びR)、グルタミン(Gln及びQ)、アスパラギン(Asn及びN)、グルタミン酸(Glu及びE)、アスパラギン酸(Asp及びD)、セリン(Ser及びS)及びスレオニン(Thr及びT)。もし、入力ミスが原因であるならば、通常使用されているコードから派生しており、通常使用されるコードが適用される。この発明のインスリンに存在するアミノ酸は、好ましくは核酸によりコード可能なアミノ酸である。一実施態様では、インスリン又はインスリン誘導体は、Gly、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Ser、Thr、Lys、Arg及び/又はProで置換されており、及び/又はGly、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Ser、Thr、Lys、Arg及び/又はProが、インスリン又はインスリンアナログに付加されている。一実施態様では、インスリン又はインスリンアナログは、Glu、Asp、His、Gln、Asn、Lys及び/又はArgで置換されており、及び/又はGlu、Asp、His、Gln、Asn、Lys及び/又はArgが、インスリン又はインスリンアナログに付加されている。
インスリンアナログは、A14位にある天然Tyrの、Glu、Asp又はHisへの置換と組合せて、B鎖の25位が天然Phe残基からHisへ修飾されていてもよい。一又は複数の付加的な変異にはdesB30が含まれてよく、インスリンアナログはA鎖及び/又はB鎖のN末端伸長又はC末端伸長、例えばGGP、GGPP、GP又はGPPを用いたインスリンアナログのA鎖及び/又はB鎖のN末端伸長により、さらに修飾することができる。さらなる具体例には、限定されるものではないが、付加的な変異が含まれ、ここで1又は2のPro残基はA0及び/又はB0位に付加されてよく、LeuはB31に付加されてよく、及び/又はGluはB32位に付加されてよい。一又は複数の付加的な変異は、A8位のHisへ、A21位のGlyへ、B1位のGlu又はGlnへ、B16位のGluへ、B26位のAspへ、B27位のGluへ、及び/又はB28位のAspへの修飾から選択されうる。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、
A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B1E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B28D、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B1E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B1E、B16E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B1E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B1E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B1E、B16E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B16E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B26D、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B1E、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B28D、desB30 ヒトインスリン;
A14D、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A(−1)P、A(0)P、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B(−1)P、B(0)P、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A(−1)P、A(0)P、A14E、B(−1)P、B(0)P、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B30T, B31L, B32E ヒトインスリン;
A14E、B25H ヒトインスリン;
A14E、B16H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B10P、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B10E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B4E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14H、B16H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14H、B10E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A13H、A14E、B10E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13H、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B24H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B10D、B25H、B26G、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A8H、A14E、B10D、B25H-アミド、desB26、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB26、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B26G、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H-アミド、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン
A14E、B25H、B26G、B27G、B28G、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B26G、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB26、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A18Q、A21Q、B3Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A18Q、A21Q、B3Q、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13H、A14E、B1E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13N、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13N、A14E、B1E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A(−2)G、A(−1)P、A(0)P、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B(−2)G、B(−1)P、B(0)P、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A(−2)G、A(−1)P、A(0)P、A14E、B(−2)G、B(−1)P、B(0)P、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B27R、B28D、B29K、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27R、B28D、B29K、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B26T、B27R、B28D、B29K、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A18K、B25H、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A22K、B25H、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、A22K、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、desB1、desB2、desB3, B25H-アミド、desB26、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、desB1、desB2、desB3, B25H、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、desB1、desB2、desB3, B16H、B25H、desB27、desB28、desB29、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27R、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27R、desB28-B30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27H、desB28-B30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27E、desB28-B30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27K、desB28-B30 ヒトインスリン;
A14E、B27K、desB28-B30 ヒトインスリン;
A14E、A18Q、B3Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13E、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A12E、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A15E、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A12E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A15E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB27、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B26D、B27E、desB30 ヒトインスリン;
EEAEAEAPK-B(1-29)-B25H-AAK-A(1-21)-A14E ヒトインスリン;
EEAEPK-B(1-29)-B25H-DGK-A(1-21)-A14E ヒトインスリン;
B(1-29)-B25H-AAK-A(1-21)-A14E ヒトインスリン;
B(1-29)-B1E、B25H-AAK-A(1-21)-A14E ヒトインスリン;
B(1-29)-B25H、B27E-AAK-A(1-21)-A8H、A14E ヒトインスリン;
B(1-29)-B1E、B25H、B27E-AAK-A(1-21).A8H、A14E ヒトインスリン;
EEAEAEAPK-B(1-29)-B16E、B25H-AAK-A(1-21)-A8H. A14E ヒトインスリン;
B(1-29)-B25H、B29Q-TGLGGGQ-A(1-21)-A14E ヒトインスリン
B(1-29)-B16E、B25H、B29Q-TGLGGGQ-A(1-21)-A14E ヒトインスリン
B(1-29)-B25H、B29Q-TGLGGGQ-A(1-21)-A8H、A14E ヒトインスリン
A14E、B25H、B27R、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27N、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27D、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27Q、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27E、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27G、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27K、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27P、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27S、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、B27T、desB30 ヒトインスリン;
A13R、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13N、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13D、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13Q、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13E、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13G、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13H、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13K、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13P、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13S、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A13T、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16R、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16D、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B16H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14R、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14N、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14D、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14Q、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14G、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A14H、B25H、desB30 ヒトインスリン;
A8H、B10D、B25H ヒトインスリン; 及び
A8H、A14E、B10E、B25H、desB30 ヒトインスリン
からなる群から選択される。
インスリンは膵臓のβ細胞から分泌されるポリペプチドホルモンであり、2つの鎖間ジスルフィド架橋により結合している2つのポリペプチド鎖A及びBからなる。さらに、A鎖は一つのジスルフィド架橋により特徴付けられる。
ホルモンは、プレペプチド-B-Arg Arg-C-Lys Arg-A(ここで、Cは、31のアミノ酸の連結ペプチドである)なる配置で、24のアミノ酸のプレペプチドに86のアミノ酸を含むプロインスリンが続いてなる単鎖前駆体プロインスリン(プレプロインスリン)として合成される。Arg-Arg及びLys-Argは、A及びB鎖から連結ペプチドを切断するための切断部位である。
微生物中でのヒトインスリンの生産には3つの主要な方法が使用される。2つは、細胞質における大きな融合タンパク質の発現(Frankら (1981) Peptides: Proceedings of the 7th American Peptide Chemistry Symposium (Rich & Gross編), Pierce Chemical Co., Rockford, Ill. pp 729-739)、又は細胞膜周辺腔へ分泌させるためのシグナルペプチドの使用(Chanら (1981) PNAS 78:5401-5404)を伴う大腸菌に関与する。第3の方法は、培地中にインスリン前駆体を分泌させるために出芽酵母を利用するものである(Thimら (1986) PNAS 83:6766-6770)。従来技術には、大腸菌又は出芽酵母のいずれかかで発現する多くのインスリン前駆体が開示されている。米国特許第5,962,267号、国際公開第95/16708号、欧州特許第0055945号、欧州特許第0163529号、欧州特許第0347845号、及び欧州特許第0741188号を参照のこと。
インスリンアナログは、例えば米国特許第6500645号に開示されているようなよく知られている技術により、適切な宿主細胞中で、当該インスリンアナログをコードするDNA配列を発現させることにより生成される。インスリンアナログは、直接、又はB鎖にN末端伸長を有する前駆分子として発現される。このN末端伸長は、直接発現される産物の収率を増加させる機能を有している場合があり、15アミノ酸残基長までのものであってもよい。N末端伸長は培養ブロスからの単離後にインビトロで切断されることになり、よってB1の隣に切断部位を有する。本発明に適したタイプのN末端伸長は、米国特許第5,395,922号及び欧州特許第765,395A号に開示されている。
単離されたインスリンアナログは、よく知られているアシル化法により、所望の位置でアシル化でき、かかるインスリンアナログの例は、例えば公開番号EP214826、EP375437及びEP383472を有する欧州特許出願に記載されている。
各インスリンアナログポリペプチドをコードする核酸配列は、確立された標準的な方法、例えばBeaucageら (1981) Tetrahedron Letters 22:1859-1869により記載されているホスホアミダイト法、又はMatthesら (1984) EMBO Journal 3:801-805により記載されている方法により、合成的に調製することができる。ホスホアミダイト法によれば、オリゴヌクレオチドは、例えば自動DNA合成機で合成され、精製され、二本鎖にされ、ライゲーションされて、合成DNAコンストラクトが形成される。DNAコンストラクトを調製する現在の好ましい方法はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)による。
また、核酸配列は、混合ゲノム、cDNA、及び合成由来のものであってよい。例えば、リーダーペプチドをコードするゲノム又はcDNA配列を、A鎖及びB鎖をコードするゲノム又はcDNA配列に結合させた後、よく知られた手順に従って相同組換えのために所望のアミノ酸配列をコードする合成オリゴヌクレオチドを挿入し、又は好ましくは適当なオリゴヌクレオチドを使用するPCRによって所望の配列を生産することによって、DNA配列を修飾してもよい。
選択された微生物又は宿主細胞中で複製可能であり、当該インスリンアナログポリペプチドをコードする核酸配列を担持する組換えベクターは、自己複製ベクター、すなわち染色体外実体として存在するベクターで、その複製が染色体複製とは独立しているもの、例えばプラスミド、染色体外エレメント、ミニ染色体、又は人工染色体でありうる。ベクターは自己複製を保証する任意の手段を含みうる。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入されたときに、ゲノムに組み込まれ、それが組み込まれた染色体と共に複製されるものでありうる。さらに、単一のベクター又はプラスミド、又は宿主細胞のゲノムに導入されることになる全DNAを併せて含む2つ又はそれ以上のベクター又はプラスミド、あるいはトランスポゾンが使用されてもよい。ベクターは直鎖又は閉環状プラスミドであってよく、宿主細胞のゲノム中へのベクターの安定した組込み、又はゲノムとは独立した細胞におけるベクターの自己複製を可能にするエレメント(群)を好ましくは含む。
一実施態様では、組換え発現ベクターは酵母中で複製可能である。ベクターを酵母中で複製させることができる配列の例は、酵母プラスミド2μm複製遺伝子REP1-3及び複製起点である。
ベクターは、形質転換細胞の選択を容易にする一又は複数の選択可能マーカーを含みうる。選択可能マーカーは、その産物が殺生物剤又はウイルス耐性、重金属、原栄養体、独立栄養体等に対する耐性を提供する遺伝子である。細菌性選択可能マーカーの例は、枯草菌又はバチルス・リケニホルミス(Bacillus licheniformis)由来のdal遺伝子、あるいはアンピシリン、カナマイシン、クロラムフェニコール又はテトラサイクリン耐性等の抗生物質耐性を付与するマーカーである。糸状菌宿主細胞における使用に適切なマーカーには、amdS(アセタミダーゼ)、argB(オルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ)、pyrG(オロチジン-5'-ホスファートデカルボキシラーゼ)及びtrpC(アントラニル酸シンターゼ)が含まれる。酵母宿主細胞のための適切なマーカーは、ADE2、HIS3、LEU2、LYS2、MET3、TRP1、及びURA3である。酵母によく適した選択可能マーカーは分裂酵母TPI遺伝子(Russell (1985) Gene 40:125-130)である。
ベクター中において、核酸配列は適切なプロモーター配列に作用可能に結合している。プロモーターは、変異、切断、及びハイブリッドプロモーターを含む選択宿主細胞中で転写活性を示す任意の核酸配列であり得、宿主細胞に相同か又は異種性である細胞外又は細胞内ポリペプチドをコードする遺伝子から得ることができる。
細菌宿主細胞において転写を行わせるのに適切なプロモーターの例は、大腸菌lacオペロン、ストレプトマイセス・セリカラーアガラーゼ(agarase)遺伝子(dagA)、枯草菌レバンスクラーゼ(levansucrase)遺伝子(sacB)、バチルス・リケニホルミスアルファ-アミラーゼ遺伝子(amyL)、バチルス・ステアロサーモフィル(Bacillus stearothermophilus)スマルトゲンアミラーゼ遺伝子(amyM)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)アルファ-アミラーゼ遺伝子(amyQ)、バチルス・リケニホルミスペニシリナーゼ遺伝子(penP)から得られるプロモーターである。糸状菌宿主細胞において転写を行わせるのに適切なプロモーターの例は、コウジカビTAKAアミラーゼ、リゾムコール・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラギン酸プロテイナーゼ、クロコウジカビ天然アルファ-アミラーゼ、及びクロコウジカビ酸安定性アルファ-アミラーゼから得られるプロモーターである。酵母宿主では、有用なプロモーターは、出芽酵母Ma1、TPI、ADH又はPGKプロモーターである。
核酸コンストラクトは典型的には適切なターミネーターに作用可能に連結される。酵母において、適切なターミネーターはTPIターミネーター(Alberら(1982) J. Mol. Appl. Genet. 1:419-434)である。
所望のインスリンアナログポリペプチドをコードするDNA、プロモーター及びターミネーター等、発現ベクターに含有される個々の核酸配列をそれぞれライゲーションし、選択宿主での複製に必要な情報を含む適切なベクターにそれらを挿入するのに使用される手順は、当業者によく知られている。ベクターは、まず本発明のインスリンアナログポリペプチドをコードする全DNA配列を含有するDNAコンストラクトを調製し、続いて適切な発現ベクターにこの断片を挿入するか、又は個々のエレメント(例えば、シグナル、プロ-ペプチド、連結ペプチド、A及びB鎖)についての遺伝的情報を含むDNA断片を挿入し、続いてライゲーションすることにより構築されうることが理解されるであろう。
このような核酸配列を含むベクターを、先に記載したようにして、ベクターが染色体組込み体として又は自己複製染色体外ベクターとして維持されるように、宿主細胞中に導入する。「宿主細胞」なる用語は、複製中に生じる変異のために親細胞と同一ではない親細胞の任意の子孫を包含する。宿主細胞は、単細胞生物、例えば原核生物、又は非単細胞生物、例えば真核生物であってよい。有用な単細胞は細菌細胞、例えば限定されるものではないが、バチルス細胞、ストレプトマイセス細胞を含むグラム陽性菌、又はグラム陰性菌、例えば大腸菌及びシュードモナス属である。真核細胞は、哺乳動物、昆虫、植物、又は真菌細胞であってよい。好ましい実施態様では、宿主細胞は酵母細胞である。本発明の方法に使用される酵母生物は、培養で多量の本発明の単鎖インスリンを生産する任意の適切な酵母生物でありうる。適切な酵母生物の例は、酵母種出芽酵母、サッカロマイセス・クルイベリ(kluyveri)、分裂酵母、サッカロマイセス・ウバルム(uvarum)、クルイベロマイセス・ラクチス、ハンゼヌラ・ポリモルファ、ピキア・パストリス、ピキア・メタノリカ、ピキア・クルイベリ、ヤロウイア・リポリティカ(lipolytica)、カンジダ種、トルラ酵母、カンジダ・カカオイ(cacaoi)、ゲオトリクム種、及びゲオトリクム・フェルメンタンス(fermentans)から選択される株である。
酵母細胞の形質転換は、例えば原形質形成と続く形質転換によりそれ自体知られている方式でなされうる。細胞を培養するのに使用される培地は酵母生物を増殖させるのに適した任意の一般的な培地であり得る。分泌されるインスリンアナログポリペプチドは、その有意な割合が正しくプロセシングされた形態で培地中に存在するが、遠心分離、濾過による培地からの酵母細胞の分離、又はイオン交換マトリックス又は逆相吸収マトリックスによるインスリン前駆体の捕捉、例えば硫酸アンモニウムのような塩による上清又は濾液のタンパク質性成分の沈殿と、続く例えばイオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等のような様々なクロマトグラフィー法による精製を含む、一般的な手順により培地から回収されうる。
製薬用組成物
本発明の他の目的は、0.1mg/ml〜500mg/mlの濃度で存在する本発明のインスリンアナログを含有する製薬用製剤を提供することにあり、ここで該製剤は、2.0〜10.0のpHを有する。製剤は、プロテアーゼインヒビター(類)、バッファー系、保存料(類)、等張化剤(類)、キレート剤(類)、安定剤及び界面活性剤をさらに含有してよい。本発明の一実施態様では、製薬用製剤は水性製剤で、すなわち水を含有する製剤である。このような製剤は、典型的には溶液又は懸濁剤である。本発明のさらなる実施態様では、製薬用製剤は水溶液である。「水性製剤」なる用語は、少なくとも50%w/wの水分を含有する製剤と定義される。同様に「水溶液」なる用語は、少なくとも50%w/wの水分を含有する溶液と定義され、「水性懸濁剤」なる用語は、少なくとも50%w/wの水分を含有する懸濁剤と定義される。
他の実施態様では、製薬用製剤は凍結乾燥製剤であり、医師又は患者は、使用前に溶媒及び/又は希釈液を添加する。
他の実施態様では、製薬用製剤は、何ら事前に溶解することなく使用準備が整った乾燥した製剤(例えば凍結乾燥又は噴霧乾燥)である。
さらなる実施態様では、本発明は、本発明のインスリンアナログの水溶液及びバッファーを含有する製薬用製剤に関し、該インスリンアナログは0.1mg/ml又はそれ以上の濃度で存在し、該製剤は約2.0〜約10.0のpHを有する。
経口使用を意図した製剤は、任意の既知の方法に従って調製することができ、かかる製剤は、製薬的に上品で口に合う製剤を提供するために、甘味料、香料、着色剤、及び保存料からなる群から選択される一又は複数の薬剤を含んでいてもよい。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性で製薬的に許容可能な賦形剤と混合されて、活性成分を含んでもよい。これらの賦形剤は、例えば不活性な希釈剤、例えばマンニトール、マルトデキストリン、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム;造粒剤及び崩壊剤、例えばコーンスターチ;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、ポリマー又はアカシア;及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクであってよい。錠剤はコートされていなくてもよく、又は崩壊もしくは治療的に活性なポリペプチドの放出を遅延化するために既知の技術によりコートされていてもよい。
本発明の経口的に投与可能な製剤は、薬化学でよく知られている方法に従って、調製され投与され得、Remington's Pharmaceutical Sciences, 第17版. (A. osol編, 1985)が参照される。
本発明の一実施態様では、本発明の製薬用組成物は、錠剤及びカプセル等、固形投与形態で投与されうる。錠剤は湿式造粒、乾式造粒、直接圧縮、又は溶融造粒により調製されうる。
この発明の錠剤は、常套的な錠剤化技術を使用して調製されうる。一般的な製造方法は、インスリンアナログ、水溶性希釈剤、親水性バインダー、及び場合によっては崩壊剤の一部を混合することを含む。ついで、この混合物を、親水性バインバーの水溶液又は親水性バインダーと界面活性剤との水溶液を用いて造粒し、必要ならば粉砕する。顆粒を乾燥させ、適した大きさまで小さくする。例えば潤滑剤(例えばステアリン酸マグネシウム)や更なる崩壊剤のような任意の他の成分を顆粒に添加し、混合する。ついで、この混合物を適切な大きさに圧縮し、常套的な錠剤化機械、例えばロータリー式錠剤プレスを使用して成形する。錠剤は、当該分野でよく知られている技術によってフィルムコーティングされてもよい。
経口使用のための製剤は、硬質又は軟質ゼラチンカプセルとしても提供され得、ここで活性成分は、不活性な固形希釈剤、例えばマンニトール、マルトデキストリン、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、カオリン、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウムと混合され、又は軟質ゼラチンカプセルの場合は、活性成分は水又は油性媒体、例えばピーナッツ油、流動パラフィン、又はオリブ油と混合される。
この発明のカプセルは、一般的な方法を使用して調製することができる。一般的な製造方法は、治療的に活性なペプチド、アルギン酸塩、水溶性希釈剤、親水性バインダー、場合によっては崩壊剤の一部を混合することを含む。ついで、この混合物を、親水性バインバー水溶液又は親水性バインダーと界面活性剤の水溶液を用いて造粒し、必要ならば粉砕する。顆粒を乾燥させ、適切な大きさまで小さくする。例えば潤滑剤のような任意の他の成分を顆粒に添加し、混合する。ついで、常套的なカプセル充填機を使用し、得られた混合物を適切なサイズの殻の固いゼラチンカプセルに充填する。
本発明のさらなる実施態様では、バッファーは、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、シタラート、グリシルグリシン、ヒスチジン、グリシン、リジン、アルギニン、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタン、ビシン、トリシン、リンゴ酸、スクシネート、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、アスパラギン酸又はそれらの混合物からなる群から選択される。これらの特定のバッファーの各一が本発明の別の実施態様を構成する。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は製薬的に許容可能な保存料をさらに含有する。保存料は、保存効果(防腐効果)を得るのに十分な量で存在している。製薬用製剤における保存料の量は、当業者によく知られており、例えば当該分野の文献及び/又は市販品等における保存料の既知の量から決定することができる。これらの特定の保存料の各一が、本発明の別の実施態様を構成する。製薬用組成物に保存料を使用することは、当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が参照される。
本発明のさらなる実施態様では、製剤はキレート剤をさらに含有する。製薬用組成物にキレート剤を使用することは当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science及びPractice of Pharmacy, 第19版, 1995が参照される。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は安定剤をさらに含有する。ここで使用される「安定剤」なる用語は、ペプチドを安定にするために、すなわちこのような製剤の保存期間及び/又は使用期間を長くするために、ポリペプチド含有製薬用製剤に添加される化学物質を意味する。製薬用組成物に安定剤を使用することは、当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が参照される。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は界面活性剤をさらに含有する。ここで使用される場合「界面活性剤」なる用語は、水溶性(親水性)の部分、頭部、脂溶性(親油性)のセグメントを含む任意の分子又はイオンを指す。界面活性剤は、好ましくは、界面に蓄積され、親水性部分が水(親水性相)に対して配向し、親油性部分が油又は疎水性相(すなわち、ガラス、空気、油等)に配向している。界面活性剤がミセルを形成し始める濃度は、臨界ミセル濃度、すなわちCMCとして知られている。さらに、界面活性剤は液体の表面張力を低下させる。界面活性剤は両親媒性化合物としてもまた知られている。「洗浄剤」なる用語は、一般的に界面活性剤に使われる同義語である。製薬用組成物に界面活性剤を使用することは、当業者によく知られている。簡便には、Remington:The Science and Practice of Pharmacy, 第19版, 1995が参照される。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は、プロテアーゼインヒビターをさらに含有する。
他の成分が本発明のインスリンアナログ製薬用製剤に存在することは可能である。このような付加的な成分は、湿潤剤、乳化剤、酸化防止剤、増量剤、張力修正剤、キレート剤、金属イオン、油性ビヒクル、タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン、ゼラチン又はタンパク質)及び双性イオン(例えばアミノ酸、特にベタイン、タウリン、アルギニン、グリシン、リジン及びヒスチジン)を含んでよい。もちろん、このような付加的な成分は、本発明の製薬用製剤の全体的な安定性に悪影響を及ぼしてはならない。
本発明のインスリンアナログを含有する製薬用組成物は、いくつかの部位、例えば局所的部位、特に皮膚及び粘膜部位、動脈、静脈、心臓への投与等、バイパス吸収がなされる部位、例えば皮膚、皮下、粘膜又は腹部への投与等、吸収に関する部位において、このような治療が必要とされる患者に投与されうる。
本発明の製薬用組成物は、いくつかの投与経路、例えば舌、舌下、頬、口、経口、胃、及び腸、鼻、肺を介して、例えば細気管支及び肺胞及び/又はそれらを組合せたもの、表皮、真皮、経皮、膣、直腸、眼球を介して、例えば結膜、尿管、及び非経口を介して、このような治療を必要としている患者に投与されうる。
本発明の組成物は、任意の投与形態、例えば溶液、懸濁剤、エマルション、マイクロエマルション、多相エマルション、フォーム、膏薬、ペースト、プラスター、軟膏、錠剤、被覆錠剤、リンス、カプセル、例えば硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセル、坐薬、直腸用カプセル、ドロップ、ゲル、スプレー、パウダー、エアゾール、吸入剤、点眼剤、眼球用軟膏、眼球用リンス、膣用ペッサリー、膣用リング、膣用軟膏、注入溶液、インシトゥー形質転換溶液、例えばインシトゥーゲル化、インシトゥーセット用、インシトゥー沈殿化、インシトゥー結晶化のもの、注入液、及び移植片として投与されうる。
本発明の組成物は、インスリンアナログ化合物の安定性をさらに高め、生物学的利用能を増加させ、溶解度を高め、悪影響を低減させ、当業者によく知られている時間治療を達成し、患者のコンプライアンスを高める、又はそれらの任意の組合せのために、例えば共有結合的、疎水的及び静電気的相互作用を介して、薬剤担体、薬剤送達系、及び先端の薬剤送達系に、配合し又はこれらに付随させてもよい。
本発明の組成物は、全て当業者によく知られた装置である定量吸入器、乾燥パウダー吸入器、及び噴霧器等を使用し、インスリンアナログを肺に投与するための、固形状、半固体状、パウダー状及び液状の製剤に有用である。
本発明の組成物は、制御、徐放性、持続性、遅延性及び低速放出性の薬剤送達系の製剤に特に有用である。特に限定されるものではないが、組成物は、当業者によく知られている非経口用の制御放出性及び徐放性系(双方の系では、投与の数が数倍低下する)製剤に有用である。さらに好ましいのは、皮下投与される制御放出性及び徐放性系のものである。本発明の範囲を制限するものではないが、有用な制御放出性及び組成物の有用な例は、ハイドロゲル、油性ゲル、液晶、ポリマー性ミセル、ミクロスフィア、ナノ粒子である。
本発明の組成物に有用な制御放出系の作製方法は、限定されるものではないが、結晶化、縮合、共結晶化、沈殿、共沈殿、乳化、分散、高圧ホモジナイズ、カプセル化、噴霧乾燥、マイクロカプセル化、コアセルベーション、相分離、ミクロスフィアを製造するための溶媒蒸発、押出及び超臨界流体プロセスを含む。一般的には、Handbook of Pharmaceutical controlled Release(Wise, D.L.編. Marcel Dekker, New York, 2000)及びDrug及びthe Pharmaceutical Sciences vol.99:Protein Formulation and Delivery(MacNally, E.J.編. Marcel Dekker, New York, 2000)を参照。
非経口投与は、シリンジ、場合によってはペン様シリンジにより、皮下、筋肉内、腹膜内又は静脈内注射で実施されてよい。また非経口投与は、注入ポンプにより実施することもできる。さらなる選択肢は、鼻用又は肺用スプレーの形態でインスリンアナログ化合物を投与するための溶液又は懸濁剤であってよい組成物にある。さらなる選択肢としては、本発明のインスリンアナログ化合物を含有する製薬用組成物を、例えば針のない注射、又はイオン導入パッチであってよいパッチによる経皮投与用、又は頬等の経粘膜投与用に適合させることもできる。
本発明のインスリンアナログは、肺薬剤送達に適した任意の公知の種類の装置を使用し、ビヒクル、例えば溶液、懸濁剤又は乾燥パウダーとして、肺経路を介して投与することができる。これらの例には、限定されるものではないが、肺薬剤送達用に作製された一般的には3種類のエアゾールが含まれ、ジェット又は超音波噴霧器、定量吸入器、又は乾燥パウダー吸入器も含まれ得る(Yu J, Chien YW. Pulmonary drug delivery:Physiologic and mechanistic aspects. Crit Rev Ther Drug Carr Sys 14(4)(1997)395-453を参照)。
さらなる実施態様では、製剤は、10μm、好ましくは1−5μm、最も好ましくは1−3μm未満のエアゾール粒子のMMADを達成するために、任意の既知のエアゾール化技術、例えば噴霧化によりエアゾール化することができる。好ましい粒子径は、肺の奥深くに薬剤を送達せしめるのに最も効果的なサイズに基づき、タンパク質が最適に吸収されるようになされる (例えば、Edwards DA, Ben-Jebria A, Langer A, Recent advances in pulmonary drug delivery using large, porous inhaled particles. J Appl Physiol 84(2)(1998)379-385を参照)。
インスリンアナログ化合物を含有する肺用製剤を肺の奥深くに蓄積させることは、吸入技術、例えば限定されるものではないが、低吸入速度(例えば30L/分)、呼吸停止、及び作動のタイミングを修正して最適化されうる。
「安定化された製剤」なる用語は、物理的安定性が増した、化学的安定性が増した、又は物理的及び化学的安定性が増した製剤を意味する。
ここで使用されるタンパク質製剤の「物理的安定性」なる用語は、タンパク質が熱-機械的ストレスに暴露され、及び/又は不安定な表面及び界面、例えば疎水性表面及び界面と相互作用する結果として、タンパク質が生物学的に不活性になり及び/又は不溶性の凝集体が形成されるというタンパク質の傾向を意味する。水性タンパク質製剤の物理的安定性は、適切な容器(例えばカートリッジ又はバイアル)に充填された製剤を、様々な時間、異なる温度で機械的/物理的ストレス(例えば攪拌)に暴露した後に、視覚検査及び/又は濁度測定することで評価される。製剤の視覚検査は、暗色背景で、鋭く集光されたライト下において実施される。製剤の濁度は、例えば0から3のスケールで、濁りの程度をランク付けする視覚スコア(濁りのない製剤は視覚スコア0に相当し、日光下で視覚的に濁りのある製剤は視覚スコア3に相当する)により特徴付ける。製剤は、日光下で視覚的濁りを示す場合に、タンパク質凝集に関して物理的に不安定であると分類される。また製剤の濁度は、当業者によく知られている簡単な濁度測定法により評価することもできる。また水性タンパク質製剤の物理的安定性は、タンパク質の構造状態のプローブ又は分光剤を使用して評価することもできる。プローブは、好ましくはタンパク質の非天然配座異性体に結合する小分子である。タンパク質構造の小分子分光プローブの一例はチオフラビンTである。チオフラビンTは、アミロイド原繊維の検出に広範囲に使用されている蛍光染料である。原繊維、おそらく他のタンパク質立体配置が存在すると、チオフラビンTが約450nmで新たな励起極大を引き起こし、原繊維タンパク質形態に結合した時に、約482nmで増強発光する。未結合のチオフラビンTは、本質的にはその波長で非蛍光性である。
天然から非天然状態までのタンパク質構造における変化のプローブとして、他の小分子を使用することができる。例えば、タンパク質の暴露された疎水性パッチに優先的に結合する「疎水性パッチ」プローブである。疎水性パッチは、その天然状態にあるタンパク質の3次構造内に一般的に埋められているが、タンパク質の展開及び変性が始まると、暴露されるようになる。これらの小分子の例、分光プローブは、芳香族の疎水性染料、例えばアントラセン、アクリジン、フェナントロリン等である。他の分光プローブは金属-アミノ酸錯体、例えば疎水性アミノ酸、例えばフェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、及びバリン等のコバルト金属錯体である。
ここで使用されるタンパク質製剤の「化学的安定性」なる用語は、天然のタンパク質構造と比較して、免疫原性の潜在的増加及び/又は生物学的有効性の潜在的低下を伴う、化学的な分解産物の形成に至るタンパク質構造における化学的共有変化を意味する。種々の化学的な分解産物は、天然タンパク質の性質及び種類、及びタンパク質が暴露される環境に応じて形成されうる。化学的分解の排除は、多くの場合、完全に回避することはできず、当業者によく知られているように、タンパク質製剤の保存及び使用中に、化学的な分解産物の量の増加が見られる。殆どのタンパク質は、脱アミド化する傾向にあり、グルタミニル又はアスパラギニル残基の側鎖アミド基が加水分解されて、遊離カルボン酸を形成する。他の分解経路は高分子量の形質転換産物の形成に関与しており、2又はそれ以上のタンパク質分子は、アミド転移及び/又はジスルフィド相互作用を介して互いに共有結合し、共有結合した二量体、オリゴマー及びポリマーの分解産物の形成に至る(Stability of Protein Phramaceuticals, Ahern. T. J. & Manning M.C., Plenum Press, New York 1992)。(例えばメチオニン残基の)酸化も、化学的分解の他の変形例として挙げることができる。タンパク質製剤の化学的安定性は、異なる環境条件に暴露させた後、種々の時点での化学的な分解産物の量を測定することにより評価することができる(分解産物の形成は、多くの場合、例えば温度上昇により促進される)。個々の分解産物の各々の量は、多くの場合、様々なクロマトグラフィー技術(例えばSEC-HPLC及び/又はRP-HPLC)を使用し、分子サイズ及び/又は電荷に応じて、分解産物を分離することにより測定される。
よって、上に概要を述べたように、「安定化された製剤」とは、物理的安定性が増加、化学的安定性が増加、又は物理的及び化学的安定性が増加した製剤を意味する。一般的に、製剤は、有効期限に到達するまで、使用及び保存中に(推奨される用途及び保存条件で)安定していなければならない。
本発明の一実施態様では、インスリンアナログ化合物を含有する製薬用製剤は、6週間以上の使用と、3年以上の保存に対して安定している。
本発明の他の実施態様では、インスリンアナログ化合物を含有する製薬用製剤は、4週間以上の使用と、3年以上の保存に対して安定している。
本発明の更なる実施態様では、インスリンアナログ化合物を含有する製薬用製剤は、4週間以上の使用と、2年以上の保存に対して安定している。
本発明の更なる実施態様では、インスリンアナログ化合物を含有する製薬用製剤は、2週間以上の使用と、2年以上の保存に対して安定している。
水性懸濁剤は、水性懸濁剤の製造に適した賦形剤と混合して、活性成分を含みうる。
油性懸濁剤は、植物性油、例えばラッカセイ油、オリブ油、ゴマ油又はココナツ油、又は鉱物性油、例えば流動パラフィンに活性成分を懸濁させることにより製剤化されうる。油性懸濁剤は、増粘剤、例えばミツロウ、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含みうる。甘味料、例えば上述したもの、及び香料を添加し、口に合う経口製剤が提供される。これらの製剤は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を添加することにより保存されうる。
水の添加による水性懸濁剤の調製に適した分散パウダー及び顆粒は、分散剤又は湿潤剤、懸濁剤、及び一又は複数の保存料と活性化合物を混合することにより提供される。適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤は、既に上述したものにより例証される。付加的な賦形剤、例えば甘味料、香料及び着色剤もまた存在しうる。
本発明で使用される化合物を含有する製薬用製剤はまた水中油型エマルションの形態であってもよい。油相は、植物性油、例えばオリブ油又はラッカセイ油、又は鉱物性油、例えば流動パラフィン、又はそれらの混合物でありうる。適切な乳化剤は、天然に生じたガム、例えばアカシアガム又はトラガントガム、天然に生じたリン脂質、例えば大豆、レシチン、及び脂肪酸と無水ヘキシトールから誘導されたエステル又は部分エステル、例えばソルビタンモノオレアート、及び該部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートであってよい。またエマルションは、甘味料及び香料を含んでいてもよい。
シロップ及びエリキシル剤は、甘味料、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール又はスクロースと共に製剤化されうる。かかる製剤はまた粘滑剤、保存料及び香料及び着色剤をさらに含有していてもよい。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は浸透促進剤をさらに含有する。胆汁塩及び脂肪酸は、多くの場合、GI管の内側を覆う上皮細胞の脂質2重膜の経口透過性を増加させると考えられている。一般的に、浸透促進剤は、膜インテグリティを可逆的に変化させることにより、高分子の傍細胞及び経細胞輸送を増加させる。胆汁塩は、コール酸塩、デオキシコール酸塩、タウロコール酸塩、グリココール酸塩、タウロデオキシコール酸塩、ウルソデオキシコール酸塩、タウロウルソデオキシコール酸塩、及びケノデオキシコール酸塩からなる群から選択される。脂肪酸は、短鎖、中鎖及び長鎖の脂肪酸、例えばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等からなる群から選択される。他の促進剤は界面活性剤、例えばモノグリセリド、ポリオキシエチレンエステル、ソルビタン界面活性剤(非イオン性)及びスルファート(アニオン性)でありうる。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は、粘膜接着ポリマーをさらに含有する。胃腸管の粘膜への薬剤送達系の密接した接触は、粘膜接着ポリマーの使用により得ることができる。膜への投与形態の密着した接触は、送達系と吸着膜との間の経路で、治療的に活性ナトリウムポリペプチドの酵素的分解が回避可能なため、有利であるように思われる。さらに、受動的な薬剤の取込のための駆動力を表す吸着膜における段階的濃度勾配を提供することができる。
本発明のさらなる実施態様では、製剤は、酵素障壁をさらに回避し、治療的に活性なポリペプチドの送達を達成するために、タンパク質分解酵素(群)のインヒビター、例えばアミノペプチダーゼインヒビター、アマスタチン(amastatin)、ベスタチン、ボロロイシン、及びピューロマイシンをさらに含有する。プロテアーゼインヒビターの例は、グリコール酸ナトリウム、メシル酸カモスタット、バシトラシン、ダイズトリプシンインヒビター及びアプロチニンである。
封入及びカプセル化は、酵素分解に対して、保護を含む送達特性を最適にするために、治療的に活性なポリペプチドの薬剤送達系に使用される技術である。封入又はカプセル化はポリマー薬剤送達系の形態、例えばハイドロゲル及びナノカプセル/ミクロスフィア、脂質薬剤送達系、例えばリポソーム及びマイクロエマルションとすることもできる。
本発明の製剤は、溶液、懸濁剤、ミクロ-及びナノ懸濁剤、エマルション、マイクロエマルション、多相エマルション、フォーム、膏薬、ペースト、軟膏、錠剤、被覆錠剤、リンス、発泡錠剤、舌下錠剤、口腔錠剤、カプセル、例えば硬質ゼラチンカプセル及び軟質ゼラチンカプセル、パウダー、顆粒、インシトゥー形質転換溶液、例えばインシトゥーゲル化、インシトゥーセット用、インシトゥー沈殿化、インシトゥー結晶化のもの、胃部フローティング製剤、例えばフローティング懸濁剤、フローティング錠剤等で投与されてもよい。
他の実施態様では、本発明は、医薬として使用される本発明のインスリンアナログに関する。
一実施態様では、本発明のインスリンアナログは、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、X症候群、脂質代謝異常、認知障害、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、冠動脈心疾患、及び他の心血管障害、炎症性腸症候群、胃腸障害、及び胃潰瘍の治療又は予防のための医薬の調製に使用される。
他の実施態様では、本発明のインスリンアナログは、2型糖尿病の疾患進行の遅延化又は予防のための医薬として使用される。
他の実施態様では、本発明のインスリンアナログは、食物摂取を低下させ、β細胞アポトーシスを低下させ、β細胞機能及びβ細胞量を増加させ、及び/又はβ細胞に対するグルコース感受性を回復させるための医薬として使用される。
本発明の一実施態様では、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、X症候群、脂質代謝異常、認知障害、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈心疾患、及び他の心血管障害、脳卒中、炎症性腸症候群、胃腸障害、及び胃潰瘍の治療又は予防、又は2型糖尿病の疾患進行の遅延化又は予防、又は食物摂取の低下、β細胞アポトーシスの低下、β細胞機能及びβ細胞量の増加、及び/又はβ細胞に対するグルコース感受性の回復のための医薬として使用される本発明の誘導体が提供される。
本発明のさらなる実施態様では、高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、高血圧、X症候群、脂質代謝異常、認知障害、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈心疾患、及び他の心血管障害、脳卒中、炎症性腸症候群、胃腸障害、及び胃潰瘍を治療又は予防、又は2型糖尿病の疾患進行を遅延化又は予防、又は食物摂取を低下、β細胞アポトーシスを低下、β細胞機能及びβ細胞量を増加、及び/又はβ細胞に対するグルコース感受性を回復させるための方法であって、このような治療を必要とする患者に、本発明のインスリンアナログを、このような治療に有効な量投与することを含む方法が提供される。
また、本発明のインスリンアナログを用いた治療は、例えば抗糖尿病剤、抗肥満剤、食欲調節剤、血圧降下剤、糖尿病に起因する又は関連する合併症を治療及び/又は予防する薬剤、及び肥満に起因する又は関連する合併症及び疾患を治療及び/又は予防する薬剤から選択される、第2の又はそれ以上の薬理学的活性物質と併用してもよい。これら薬理学的活性物質の例は次の通りである:GLP-1及びGLP-1の誘導体及びアナログ、GLP-2及びGLP-2の誘導体及びアナログ、エキセンディン-4及びエキセンディン-4の誘導体及びアナログ、アミリン及びアミリンの誘導体及びアナログ、スルホニル尿素、ビグアニド類、メグリチニド類(meglitinides)、グルコシダーゼインヒビター、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)インヒビター、グルコース新生及び/又はグリコーゲン分解の刺激に係る肝酵素のインヒビター、グルコース取込調節剤、脂質代謝を調節する化合物、例えば抗高脂血剤(antihyperlipidemic agents)、例えばHMG CoAインヒビター(スタチン類)、食糧摂取量を低下させる化合物、RXRアゴニスト、及びβ細胞のATP-依存性カリウムチャンネルに作用する薬剤:コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲンフィブロジル(gemfibrozil)、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、プロブコール、デキストロサイロキシン、ネテグリニド(neteglinide)、レパグリニド;β-ブロッカー、例えばアルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール及びメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)インヒビター、例えばベナゼプリル(benazepril)、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル(fosinopril)、リシノプリル、アラトリオプリル(alatriopril)、キナプリル及びラミプリル、カルシウムチャンネルブロッカー、例えばニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム及びベパラミル、及びα-ブロッカー、例えばドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン及びテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン調節転写)アゴニスト、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、オレキシン(orexin)アンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、β3アゴニスト、MSH(メラノサイト刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラノサイト集中ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再摂取インヒビター、セロトニン及びノルアドレナリン再摂取インヒビター、混合セロトニン及びノルアドレナリン性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(チレオトロピン(thyreotropin)放出ホルモン)アゴニスト、UCP2又は3(脱共役タンパク質2又は3)モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン(doprexin))、リパーゼ/アミラーゼインヒビター、RXR(レチノイドXレセプター)モジュレーター、TRβアゴニスト;ヒスタミンH3アンタゴニスト、ガストリン及びガストリンのアナログ及び誘導体。
本発明の誘導体と、一又は複数の上述した化合物、場合によっては一又は複数のさらなる薬理学的活性物質との任意の適切な組合せは、本発明の範囲内であると考えられると理解されるべきである。
ここに引用された刊行物、特許出願及び特許を含む全ての文献は、各文献が、出典明示により個々にかつ特に援用され、その全内容がここに記載されているかの如く、その全体が出典明示によりその全内容がここに援用される(法律により許容される最大範囲)。
全ての表題及び副題は、ここでは便宜的に使用され、決して本発明を限定するものと解してはならない。
ここに提供される任意かつ全ての例、又は例示的言語(例えば「等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、特に請求項に記載がない限り、本発明の範囲に限定をもたらすものではない。明細書中の如何なる語句も請求項に記載していない要素が本発明の実施に必須であることを示しているものと解してはならない。
ここでの特許文献の引用及び援用は単に便宜上なされているもので、そのような特許文献の有効性、特許性、及び/又は権利行使性についての見解を反映させるものではない。
この発明は、適用される法律に容認される、ここに添付した特許請求の範囲に記載された主題事項の全ての修正物及び均等物を含む。
実施例1
ペプシン、キモトリプシン及びカルボキシペプチダーゼAに対する、B25H、A14E、A14E_B25H及びヒトインスリンのタンパク質分解安定性(半減期)の比較
キモトリプシン又はペプシン(0.34-3.4μg)に対するヒトインスリン及びインスリンアナログ(0.06mM、10μL)のタンパク質分解安定性を、それぞれ100mMのNHHCO、pH8.1又は10mMのHCl、pH2.0において、25℃、最終容量100μLでインキュベートした後に測定した。種々の時間(0、5、15、30及び60分)、サンプルを、同量の0.5%TFA又は0.1M TrisHCl、pH8.0(最終的にpH7.7)でクエンチし、5℃に移した。ヒトインスリン及びインスリンアナログをRP-HPLCにより、214nmで直ちに分析し、無傷タンパク質に相当するピーク下の面積を測定した。
カルボキシペプチダーゼA(6.8μLの希釈標準溶液、20mg/ml、53単位/mg、Sigma c-9268)に対するヒトインスリン及びインスリンアナログ(0.06mM、13.9μg)の安定性を、最終容量400μLで、5mMのNaP、140mMのNaCl、70ppmのトゥイーン20、pH 7.4において、及び37℃にてインキュベートした後に測定した。種々の時間(5、15、30、60分)、サンプルを、同量の0.2%TFAでクエンチし、5℃に移した。酵素を添加することなく、参照サンプル(0分)を調製した。ヒトインスリン及びアナログをRP-HPLCにより、中性のバッファー系において、214nmで直ちに分析し、無傷タンパク質に相当するピーク下の面積を測定した。同一の反応時間、ヒトインスリン及びdesB30についても観察した。曲線から半減期(T1/2)を得、ヒトインスリンに対する増加倍数/減少倍数を算出した(安定性の相対的倍数)。同様の半減期を測定したところ、ヒトインスリンではT1/2=6.9分、及びdesB30ヒトインスリンではT1/2=6.7であった。
Figure 2010504087
実施例2
MS分析によるインスリン内のプロテアーゼ切断部位及び酵素特異性の同定
プロテアーゼ切断部位の同定を、LC-MSにて、種々の酵素(ペプシン、キモトリプシン、カルボキシペプチダーゼA)による、インスリン及びインスリンアナログの制限タンパク質分解の経時的分析により実施した。生成したペプチド断片をMS及び/又はMS/MSで同定し、大小の切断部位(ホットスポット)を同定するために、214nmで定量した。ヒトインスリン内部のペプシン(B24-25、B25-26、B26-27)及びキモトリプシン(B16-17、B24-25、B25-26、B26-27、A14-15及びA19-20)のホットスポットを同定した。興味あることに、ホットスポットはインスリン分解酵素(IDE)(以下参照)、及びカテプシンD(Hanne Refsgaard, Novo Nordisk 個人的情報やりとり)と重複している。
また、インスリン配列内の切断部位を、実施例3に示すように、キモトリプシン、トリプシン及びインスリ分解酵素(IDE)の酵素特異性に基づいて予測した。トリプシン(塩基性残基、C末端からLys、Arg)、エラスターゼ(脂肪族残基、C末端からAla、Val、GLy、Ser)、カルボキシペプチダーゼA(広範囲に特異性、Arg、Lys及びProを除く)、ペプシンA(芳香族残基、N末端からTrp、Tyr、Phe及びLeu及び種々の他の残基)、及びキモトリプシン(芳香族残基、C末端からTrp、Tyr、Phe、及びLeu、Xxx-Proを除く)について予測された切断部位は、生化学のいくつかのハンドブックに記載されている。インスリン内のIDEに対する切断部位は: B9-10、B10-11、B13-14、B14-15、B24-25、B25-26、A13-14、A14-15 (Duckworthら, 2006)であると近年公開されており、次の置換基は、インスリンのIDE分解を阻害することが示されている:B10D及びB4E_B16Q_B17F(Bennettら, 2003)。
実施例3
A14E、B25H、desB30 ヒトインスリン内のホットスポット同定の繰り返しサイクル
キモトリプシン切断についての大きなホットスポット(B16-17、B24-25、A19-20)及び小さな切断部位(B1-2、B6-7)を、実施例2に記載の方法に従い、A14E、B25H、desB30ヒトインスリンにおいて同定した。酵素特異性から同定切断部位及び予測切断部位に基づき、インスリンアナログを設計した。切断部位を除去し、溶解度が増すよう、置換のためのアミノ酸残基を選択した。
キモトリプシン、アナログD、A14E、B25H、desB30 ヒトインスリンの消化物のLC-MSにより同定されたホットスポットに基づく設計:
A14X1 B25H desB30X12 HI B1X2 B6X3 B16X6 B24X8 A19X11
X1=E/D/H/Q/N/S/T/M/P
X2=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X3=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X6=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X8=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X11=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X12=desB30/天然aa
記:ヒトインスリンにおけるB24及び/又はA19の置換は、レセプター親和性を有意に低下させるように思われる。
A14X1 B25P desB30X12 HI B1X2 B6X3 B16X6 B24X8 A19X11
X1=E/D/H/Q/N/S/T/M/P
X2=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X3=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X6=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X8=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X11=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X12=desB30/天然aa
記:ProによるB25の置換は、B24-25におけるキモトリプシン切断を有意に低下させるように思われる。
キモトリプシン、同定された及び予測されたホットスポットに基づく設計:
A14X1 B25H desB30X12 HI B1X2 B6X3 B11X4 B15X5 B16X6 B17X7 B24X8 A13X9 A16X10 A19X11
X1=E/D/H/Q/N/S/T/M/P
X2=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X3=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X4=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X5=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X6=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X7=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X8=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X9=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X10=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X11=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X12=desB30/天然aa
記:インスリンにおけるB11、B15、B24、A13、A16、及び/又はA19の置換は、レセプター親和性を有意に低下させるように思われる。
キモトリプシン+トリプシン、同定された及び予測されたホットスポットに基づく設計:
A14X1 B25H desB30X12 HI B1X2 B6X3 B11X4 B15X5 B16X6 B17X7 B24X8 A13X9 A16X10 A19X11 B22X13
X1=E/D/H/Q/N/S/T/M/P
X2=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X3=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X4=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X5=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X6=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X7=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X8=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X9=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X10=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X11=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X12=desB30/天然aa
X13=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
キモトリプシン+トリプシン+インスリン分解酵素(IDE)、同定された及び予測されたホットスポットに基づく設計:
A14X1 B25H desB30X12 HI B1X2 B6X3 B11X4 B15X5 B16X6 B17X7 B24X8 A13X9 A16X10 A19X11 B22X13 B4X14 B9X15 B10X16 B13X17 B14X18
X1=E/D/H/Q/N/S/T/M/P
X2=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X3=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X4=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X5=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X6=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X7=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X8=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X9=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X10=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X11=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X12=desB30/天然aa
X13=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X14=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X15=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X16=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X17=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
X18=E/D/H/Q/N/S/T/M/P/天然aa
実施例4
キモトリプシンに対するインスリンアナログのタンパク質分解安定性(半減期)
インスリンアナログを安定性アッセイで試験し、タンパク質分解的消化に対し、耐性の向上を示すアナログを、実施例1に記載した方法に従い、増加した半減期によって同定した。結果には、タンパク質分解に対する耐性を高め、溶解度を増加させるために、生物学的利用能を増加させるための、さらに改善されたインスリンアナログの可能性が示されている。
キモトリプシンに対する次のインスリンアナログの安定性を、ヒトインスリンに対して試験した。
Figure 2010504087
実施例5
ラットの腸(十二指腸の内腔)からの抽出物に対するインスリンアナログのタンパク質分解安定性
腸の抽出物におけるタンパク質分解に対する安定性について、インスリンアナログをテストした。絶食動物の内腔含有物を洗浄することにより、抽出物を調製した。37℃、pH=7.4にて、希釈した抽出物と共に、インスリンアナログをインキュベートし、インキュベートし20分後、RP-HPLCにより、未変化化合物の濃度を測定した。未変化インスリンアナログと未変化ヒトインスリンの相対量を比較した。ヒトインスリンとアナログA14E B25H desB30 ヒトインスリンとの間には、約5−10倍の差異があることが見出された。

Claims (12)

  1. 親インスリンに対し、少なくとも2の疎水性アミノ酸が親水性アミノ酸で置換されており、該置換が、親インスリンの2以上のプロテアーゼ切断部位の内部又はこれに近接して存在しているインスリンアナログであって、一又は複数の付加的な変異をさらに含んでいてもよいインスリンアナログ。
  2. インスリンアナログのA鎖が少なくとも一の変異を含み、インスリンアナログのB鎖が親インスリンに対して少なくとも一の変異を含んでいる請求項1に記載のインスリンアナログ。
  3. 親タンパク質に対して、一又は複数のプロテアーゼ酵素への増加した安定性を示す請求項1又は2に記載のインスリンアナログ。
  4. 式1:
    XaaA(−2)-XaaA(−1)-XaaA0-Gly-Ile-Val-Glu-Gln-Cys- Cys-XaaA8-Ser-Ile-Cys-XaaA12-XaaA13-XaaA14-
    XaaA15-Leu-Glu-XaaA18-Tyr-Cys-XaaA21-XaaA22
    式(1)(配列番号1)
    のA鎖アミノ酸配列、及び次の式2:
    XaaB(−2)-XaaB(−1)-XaaB0-XaaB1-XaaB2-XaaB3-XaaB4-His- Leu-Cys-Gly-Ser-XaaB10-Leu-Val-Glu-Ala-Leu-
    XaaB16-Leu-Val-Cys-Gly-Glu-Arg-Gly-XaaB24-
    XaaB25-XaaB26-XaaB27-XaaB28-XaaB29-XaaB30-XaaB31-
    XaaB32
    式(2)(配列番号2)
    のB鎖アミノ酸配列を含み、該式中、
    XaaA(−2)は存在しないか又はGlyであり;
    XaaA(−1)は存在しないか又はProであり;
    XaaA0は存在しないか又はProであり;
    XaaA8は独立して、Thr及びHisから選択され;
    XaaA12は独立して、Ser、Asp及びGluから選択され;
    XaaA13は独立して、Leu、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
    XaaA14は独立して、Tyr、Thr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
    XaaA15は独立して、Gln、Asp及びGluから選択され;
    XaaA18は独立して、Asn、Lys及びGlnから選択され;
    XaaA21は独立して、Asn及びGlnから選択され;
    XaaA22は存在しないか又はLysであり;
    XaaB(−2)は存在しないか又はGlyであり;
    XaaB(−1)は存在しないか又はProであり;
    XaaB0は存在しないか又はProであり;
    XaaB1は存在しないか、又は独立してPhe及びGluから選択され;
    XaaB2は存在しないか又はValであり;
    XaaB3は存在しないか、又は独立してAsn及びGlnから選択され;
    XaaB4は独立して、Gln及びGluから選択され;
    XaaB10は独立して、His、Asp、Pro及びGluから選択され;
    XaaB16は独立して、Tyr、Asp、Gln、His、Arg及びGluから選択され;
    XaaB24は独立して、Phe及びHisから選択され;
    XaaB25は独立して、Phe及びHisから選択され;
    XaaB26は存在しないか、又は独立してTyr、His、Thr、Gly及びAspから選択され;
    XaaB27は存在しないか、又は独立してThr、Asn、Asp、Gln、His、Lys、Gly、Arg、Pro、Ser及びGluから選択され;
    XaaB28は存在しないか、又は独立してPro、His、Gly及びAspから選択され;
    XaaB29は存在しないか、又は独立してLys及びGlnから選択され;
    XaaB30は存在しないか又はThrであり;
    XaaB31は存在しないか又はLeuであり;
    XaaB32は存在しないか又はGluであり;
    場合によってはC末端がアミドとして誘導体化されていてもよく;
    ここで、A鎖アミノ酸配列及びB鎖アミノ酸配列が、A鎖の7位にあるシステインとB鎖の7位にあるシステインとの間、及びA鎖の20位にあるシステインとB鎖の19位にあるシステインとの間でジスルフィド架橋により結合しており、A鎖の6及び11位にあるシステインがジスルフィド架橋により結合しており;
    場合によってはA鎖アミノ酸配列のN末端が、3-7のアミノ酸を含有するアミノ酸配列により、B鎖アミノ酸配列のC末端に結合して、単鎖インスリン分子を形成してよく、場合によってはB鎖のN末端が1-10のアミノ酸で伸長しており;
    XaaA8がThrであり、XaaA12がSerであり、XaaA13がLeuであり、XaaA14がTyrであるならば、 XaaA15はGlu又はAspであり;及び
    XaaB24がPheであり、 XaaB25がPheであり、 XaaB26がTyrであり、XaaB27がThrであり、XaaB28がProであるならば、XaaB29はGlnである
    請求項1から3のいずれか1項に記載のインスリンアナログ。
  5. 生物活性量の請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログと製薬的に許容可能な担体を含有する製薬用組成物。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログ、又は請求項5に記載の製薬用組成物を患者に投与することを含む、患者の高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、X症候群、又は脂質代謝異常を治療、予防又は緩和する方法。
  7. 経口投与である、請求項6に記載の方法。
  8. 高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、肥満、X症候群、及び脂質代謝異常の治療又は予防における医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログ。
  9. 2型糖尿病の疾患進行の遅延化又は予防における医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログ。
  10. 食物摂取の低下、β細胞アポトーシスの低下、β細胞機能及びβ細胞量の増加、及び/又はβ細胞に対するグルコース感受性の回復における医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログ。
  11. 請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログをコードする核酸配列。
  12. 製薬的に許容可能な物質及び/又は賦形剤と、請求項1から4のいずれか1項に記載のインスリンアナログとを混合することを含む、請求項5に記載の製薬用組成物の製造方法。
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