JP2008044835A - 酸化ジルコニウムナノ粒子およびその製造方法 - Google Patents

酸化ジルコニウムナノ粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、様々な溶媒やモノマー或いはポリマーなどに高い分散性を有し、高屈折率などの特性を樹脂組成物等に付与することができる酸化ジルコニウムナノ粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、2種以上の被覆剤により被覆されており;当該被覆剤の少なくとも1種が下記式(I)で表されるものであることを特徴とする。
1−COOH ・・・ (I)
[式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、酸化ジルコニウムナノ粒子、当該ナノ粒子の製造方法、および当該ナノ粒子を含む組成物に関するものである。
近年、金属酸化物のナノ粒子は、光学材料、電子部品材料、磁気記録材料、触媒材料、紫外線吸収材料など様々な材料の高機能化や高性能化に寄与するものとして非常に注目されている。例えば酸化ジルコニウム粒子は高い屈折率を示すことから、酸化ジルコニウムナノ粒子を熱可塑性樹脂に分散させることにより屈折率を向上させる技術が知られている(特許文献1)。また、耐溶剤性や寸法安定性を向上するために、特定構造を有する環状オレフィン系グラフト共重合体に金属酸化物を添加する技術もある(特許文献2)。
金属酸化物粒子の製造方法としては、Breaking−downプロセスとBuilding−upプロセスが知られている。Breaking−downプロセスとしては機械的粉砕法が一般に使用されるが、粒子径が1μm以下の微粒子を効率良く製造するのは困難であり、また、粉砕の際に不純物が混入する可能性が高い。それに対してBuilding−upプロセスは気相中や液相中の化学反応により粒子を調製する方法であり、反応条件の制御や原料物質の選定などにより微粒子を調製することができる。
Building−upプロセスのうち気相法には特殊な装置や反応条件が必要でありコストや安全性などの面で問題が多い。
液相法としては、共沈法、アルコキシド法、水熱合成法などが挙げられるが、共沈法には生成した金属酸化物ナノ粒子が加熱工程において成長してしまうという問題がある。アルコキシド法は、金属アルコキシドを加水分解することにより金属酸化物粒子を得る方法であるが(特許文献3)、この方法は一部の金属酸化物にしか適用できず原料が高価である上に、得られる金属酸化物の結晶性が十分でない。水熱合成法は金属酸化物前駆体を高温高圧下で反応させるものであるが、400℃で30MPaといった厳しい条件が必要であるために粒子が粗大化したり、多量のナノ粒子を安価に製造できないという問題がある(特許文献4)。
金属酸化物のナノ粒子は上記の通り製造が難しいという問題の他に、溶媒に対する分散性が低いという問題がある。即ち、金属酸化物ナノ粒子は水性溶媒に対する分散性は良好であるが、極性の低い有機溶媒、モノマーやポリマーなどへの分散性は低い。例えば特許文献2の実施例で高分子中に金属酸化物粒子を分散させている例は、ポリシロキサン構造を有するグラフト共重合体中へ、当該共重合体と同様の化学構造を有することから親和性が高いと考えられるコロイダルシリカを分散させているフィルムのみである。
よって、金属酸化物粒子を表面処理することにより様々な溶媒に対する分散性を向上させることが行われている。しかし表面処理される前の金属酸化物粒子の分散性は低く凝集や融着していることから効果的に表面処理すること自体が難しく、結果的に分散性を向上させることはできない。そこで表面処理を行う際に金属酸化物粒子を分散させるために、高温高圧処理を行ったり(特許文献5)、ミル処理するなど(特許文献6)、コストや手間のかかる処理を行わざるを得なかった。
そこで本願出願人の研究者らは、酢酸亜鉛などのアルコール溶液を少量の水の存在下で加熱することによって、カルボン酸残基を含有する金属酸化物粒子を製造する方法を開発した(特許文献7)。当該方法で得られた金属酸化物は、樹脂溶液などに対する分散性が改善されている。
また、有機相であるZr(IV)−第3級カルボン酸溶液と水との異相溶液を200℃付近で水熱処理することにより、第3級カルボン酸により表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を製造する方法が非特許文献1に開示されている。
特開2003−73563号公報 特開2005−162902号公報 特開平6−287005号公報 特開2005−255450号公報 特開2005−193237号公報 特開2005−220264号公報 特開2000−185916号公報 小西康裕ら,化学工学会第65年会 研究発表講演要旨集,N202(2000年)
上述した様に、従来、金属酸化物粒子の分散性を改善するための技術が検討されている。特に近年、酸化ジルコニウム粒子の優れた特性を応用すべく、さまざまな溶媒等に対する分散性をより一層高めることが求められている。例えば第3級カルボン酸により表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子は非特許文献1で公知である。しかし本発明者らによる知見によれば、当該粒子は極性の低いトルエン等に対しては分散性を示すものの、比較的極性の高い有機溶媒やモノマーに対する分散性は低い。よって、例えば当該粒子をモノマーに分散した後に重合反応を行うことにより高屈折率や高靭性などの優れた特性を有する組成物を製造することはできない。また、特許文献7の通り、本願出願人の研究者らは金属酸化物粒子にカルボン酸残基を結合させて分散性を改善する技術を開発しているが、近年要求されている分散性のレベルは極めて高く、その要求を満足させることはできなかった。
そこで本発明が解決すべき課題は、様々な溶媒やモノマー或いはポリマーなどに高い分散性を有し、高屈折率などの特性を樹脂組成物等に付与することができる酸化ジルコニウムナノ粒子を提供することにある。また、本発明は、当該粒子を製造する方法と当該粒子を含有する組成物等を提供することも目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を進めた。その結果、酸化ジルコニウムナノ粒子の分散性の改善のためには、その表面を被覆する被覆剤が極めて重要であることを見出した。
例えば本願出願人の研究者が開発した特許文献7に記載の粒子の製造方法では、比較的長鎖のカルボン酸なども用いられているが、記載されている実施例で単離された粒子の表面に結合しているのはアセトキシ基などの短鎖カルボン酸残基のみであった。よって、当該粒子の分散性は、近年の要求を十分に満たすことができるものではなかった。また、非特許文献1の技術では、酸化ジルコニウム粒子を1種類の比較的長鎖のカルボン酸で被覆しているが、その分散性の向上効果は必ずしも満足できるものではなかった。
そこで本発明者らは、先ず粒子を比較的長鎖のカルボン酸で被覆した後に、さらに別の被覆剤で処理して2種以上の被覆剤により被覆することにより様々な溶媒に対する分散性が向上して酸化ジルコニウムナノ粒子の利用効率が高まることを見出して、本発明を完成した。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、2種以上の被覆剤により被覆されており;当該被覆剤の少なくとも1種が下記式(I)で表されるものであることを特徴とする。
1−COOH ・・・ (I)
[式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、炭素数6以上の炭化水素基を有する被覆剤により被覆されていることからトルエンなどの非極性溶媒に対する分散性に優れている。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、さらに別の被覆剤により被覆されていることから、当該被覆剤の特性に応じて様々な溶媒に対する分散性も向上している。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子に含まれる酸化ジルコニウムとしては、正方晶の酸化ジルコニウム結晶が好適である。正方晶の酸化ジルコニウム結晶は高屈折率を有することから、酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物の高屈折率化が可能になる。
式(I)の被覆剤としては、R1が炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基であるものが好適である。炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を有する被覆剤(I)は、本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の非極性溶媒に対する分散性をより一層向上させることができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子における式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤としては、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、エポキシ基、およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を複数有するものが好適である。粒子を式(I)の被覆剤で完全に被覆してしまうと、非極性の溶媒等に対する分散性は向上するが、それ以外の溶媒等に対する分散性は低下する。そこで式(I)の被覆剤と水酸基等を有する被覆剤の両方で粒子を被覆することによって、様々な溶媒に対する分散性を向上させることができる。
また、式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤としては、ビニル基またはフェニル基を有するものも好適である。例えば、酸化ジルコニウムナノ粒子の利用態様としては、粒子を(メタ)アクリル酸エステルなどのモノマー中に分散させた後に重合させることが考えられるが、酸化ジルコニウムのモノマーに対する分散性は低い。そこで、被覆剤(I)とビニル基またはフェニル基の両方で粒子を被覆することにより、ビニル基またはフェニル基を有するモノマーや、当該モノマーからなるポリマーに対するナノ粒子の分散性を顕著に向上させることができる。
さらに、式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤としては、シランカップリング剤が好ましい。シランカップリング剤は酸化ジルコニウムナノ粒子との親和性に優れ、その表面を被覆することができる。よって、被覆剤(I)と共にシランカップリング剤を用いれば、様々な溶媒に対するナノ粒子の分散性を向上させ得る。その上、シランカップリング剤の側鎖としてビニル基等を有する基を導入することによって、モノマー等への分散性をも向上し得る。
また、式(I)で表される被覆剤が炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を有する場合には、当該被覆剤(I)以外の少なくとも1種の被覆剤としては、下記式(II)で表される被覆剤が好適である。
2−COOH ・・・ (II)
[式中、R2は炭素数6以上の直鎖状炭化水素基を示す。]
炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を有する被覆剤で酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆すれば、非極性の溶媒等に対する分散性を向上させることができる。しかし、例えば有用性の高いトルエンなどに対する分散性はより一層改善することが望ましい。そこで分枝鎖状炭化水素鎖を有する被覆剤と直鎖状炭化水素鎖を有する被覆剤の両方で粒子を被覆すれば、その理由は必ずしも明らかでないが、非極性の溶媒等に対する分散性は顕著に改善され得る。
本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法は、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と下記式(I)で表される被覆剤から被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を調製する工程;
1−COOH ・・・ (I)
[式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
上記被覆剤(I)−ジルコニウム複合体に水を混合し、1MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(I)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程;および、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に上記被覆剤(I)以外の被覆剤を作用させることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を2種以上の被覆剤で被覆する工程;を含むことを特徴とする。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子組成物は、上記酸化ジルコニウムナノ粒子を含むことを特徴とする。本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は分散性が極めて高いので、当該組成物中には酸化ジルコニウムナノ粒子が均一に分散している。かかる組成物としては、上記酸化ジルコニウムナノ粒子が、溶媒、モノマー、ポリマー、可塑剤からなる群より選択される1種または2種以上の中に分散している酸化ジルコニウムナノ粒子分散体;並びに、上記酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する塗料組成物、樹脂組成物、膜および光学材料を挙げることができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、非極性の溶媒等に対する分散性を改善できる被覆剤と共に、それ以外の被覆剤にも被覆されている。その結果、従来の酸化ジルコニウムナノ粒子の様に水系溶媒のみ、或いは非極性の溶媒等のみに分散性を示すものではなく、様々な溶媒、さらにはモノマーやポリマーなどにも高い分散性を有する。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を含む組成物を製造する際における溶媒の選択肢が広がり、また、モノマーに酸化ジルコニウムナノ粒子を均一分散させた上で重合させたり、溶融したポリマー中に酸化ジルコニウムナノ粒子を均一分散させるということも可能になる。よって本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、組成物中で凝集することなく様々な特性を付与できるものとして産業上極めて有用である。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムには、様々な作用が知られている。例えば、触媒、セラミック材料、高屈折材料等として利用されており、非常に利用価値が高い。特に酸化ジルコニウムはナノ粒子化することにより透明性を示すことから、例えばポリマー中に分散させることにより光拡散板などとして利用することができる。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムとしては、結晶性のより高いものが好ましい。非晶質のものよりも結晶質のものの方が安定であり一般的には活性が高く、また、光学材料等としての価値が高い。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は、X線結晶回折の結果を用い、下記式(1)で算出されるC値により評価することができる。
C=100×(S1−S2)/S1 ・・・ (1)
[式中、S1はX線回折測定により得られたX線回折チャートのトータル面積値を示し、S2はX線回折測定により得られたX線回折チャートのベース部分の面積値を示す。]
なお、被覆剤により酸化ジルコニウムの結晶性は変化しないので、X線回折は被覆剤(I)のみに被覆された状態で測定しても、さらにその他の被覆剤に被覆された状態で測定してもよい。X線回折の測定範囲は特に問わないが、酸化ジルコニウムの結晶構造である正方晶、立方晶および単斜晶の最大回折ピークがいずれも2θ:26〜38°の範囲で検出されるため、少なくともこの範囲を測定することが好ましい。また、S1とS2の値は、得られたX線回折チャートからXRayCrystalなどの解析ソフトから得られる。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は高いほどよいので、そのC値は15以上が好ましく、20以上がより好ましく、30以上がさらに好ましい。
酸化ジルコニウムの既知の結晶形としては立方晶、正方晶および単斜晶の3種類が知られている。本発明の酸化ジルコニウムとしては高い屈折率を有するものが好ましいので、正方晶が結晶構造全体の70%以上であるものが好ましく、75%以上のものがより好ましく、85%以上であるものがさらに好ましい。なお、正方晶の割合は、X線回折チャートから正方晶、立方晶および単斜晶に帰属される回折ピークを同定し、これらの含有比率をXRayCrystalなどの解析ソフトで計算することにより求めることができる。また、酸化ジルコニウムの正方晶は、X線構造回折解析データにおいて、格子面(101)、(112)、(200)、(211)、(110)の回折ピークの存在により確認することができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は2種以上の被覆剤により被覆されており、そのうちの少なくとも1種は式(I)で表される被覆剤である。
1−COOH ・・・ (I)
[式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
酸化ジルコニウムナノ粒子の表面は親水性であり一般的には正に帯電している。よって、式(I)中のカルボキシル基は酸化ジルコニウムナノ粒子に対して親和性を示し、ナノ粒子を被覆することができる。なお、式(I)の被覆剤中のカルボキシル基は、−COO-の形でナノ粒子に結合している可能性もある。
炭素数6以上の炭化水素基は、特に非極性溶媒などに対する酸化ジルコニウムの分散性を高める作用を有する。より具体的には、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子をトルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの非極性溶媒に分散させることができるものをいう。
式(I)の被覆剤としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸;2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクサン酸、ネオデカン酸などの分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの環状カルボン酸などを使用することができる。これらのうちネオデカン酸や2−エチルヘキサン酸などの分枝鎖状カルボン酸が好適である。必ずしもその理由は明らかではないが、直鎖状の炭化水素鎖よりも分枝鎖状の炭化水素鎖を有する疎水性被覆剤の方が、疎水性有機溶媒などに対する粒子の分散効果を一層高めることができる。
式(I)の被覆剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、式(I)の被覆剤に加え、その他の被覆剤で被覆されている。その結果、様々な溶媒等に優れた分散性を示す。その他の被覆剤としては、例えば、ナノ粒子の極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤、モノマーやポリマーに対する分散性を高める被覆剤、非極性溶媒に対する分散性をさらに高める被覆剤が挙げられる。
ナノ粒子の極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤は、親水性の酸化ジルコニウムナノ粒子の表面に結合できると共に、親水性基を有することから比較的極性の高い溶媒やモノマー等に対する粒子の分散性を改善することができる。例えば、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、エポキシ基、およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を複数有する被覆剤を挙げることができる。勿論、これら官能基に加えて他の官能基を有していてもよい。
かかる被覆剤としては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−t−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェイト)などのアルミニウム系カップリング剤;チタニウム−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−t−ブトキシド、チタニウムテトラ−sec−ブトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラ(メトキシプロポキシド)、チタニウムテトラ(メトキシフェノキシド)などのチタニウムアルコキシド;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)エチレンチタネートなどのチタン系カップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤;ジルコニウムテトラn−ブトキシド、ジルコニウムテトラt−ブトキシド、ジルコニウムテトラ(2−エチルヘキソキシド)、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラn−プロポキシド、ジルコニウムテトラ(2−メチル−2−ブトキシド)などのジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムジn−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリn−ブトキシドペンタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシドなどのジルコニウム化合物;ヒドロキシステアリン酸、サリチル酸などのヒドロキシカルボン酸;2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸などのエーテルカルボン酸;カルボキシル化ポリブタジエン、カルボキシル化ポリイソプレンなどのカルボン酸系カップリング剤;マレイン酸変性ポリプロピレンなどのカルボン酸ポリマー;などを挙げることができる。例えばシランカップリング剤は、シロキサン構造を有するポリマーとなり粒子を被覆すると共に、粒子の極性溶媒に対する分散性を向上することができるので、上記例のポリマーなども本発明の被覆剤に含まれるものとする。また、シランカップリング剤は、側鎖にモノマー等への親和性の高い置換基を導入することができるので、特に利便性が高い。好ましくはシランカップリング剤、ヒドロキシカルボン酸、またはエーテルカルボン酸を用いる。
極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
ナノ粒子のモノマーやポリマーに対する分散性を高める被覆剤は、酸化ジルコニウムに対する親和性を示す基と共に、モノマーに対する親和性を示す基を有することから、モノマーや当該モノマーからなるポリマーに対する粒子の分散性を改善することができる。例えば、(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどビニル基を有する被覆剤で粒子を被覆すれば、同じくビニル基を有する(メタ)アクリル酸や(メタ)アクリル酸エステルなどのモノマーに対する粒子の分散性を向上することができる。また、フェニル基を有する被覆剤で粒子を被覆すれば、スチレンなどのモノマーや、スチレン樹脂やフェノール樹脂などのポリマーなど、フェニル基を有するモノマーやポリマーに対する粒子の分散性を向上することができる。
かかる被覆剤としては、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレートなどのアルミニウム系カップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤などを挙げることができる。
式(I)で表される被覆剤が炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を有する場合には、当該被覆剤(I)以外の少なくとも1種の被覆剤としては、式(II)で表される被覆剤を挙げることができる。
2−COOH ・・・ (II)
[式中、R2は炭素数6以上の直鎖状炭化水素基を示す。]
炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を有する被覆剤(I)は非極性の溶媒等に対する分散性を向上させることができるが、式(II)の被覆剤を併用することにより、かかる分散性をより一層改善し得る。式(II)の被覆剤としては、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸を挙げることができる。
本発明粒子を被覆する被覆剤は、式(I)の被覆剤とその他の被覆剤などの合計2種でもよいが、式(I)の被覆剤と極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤とモノマーやポリマーに対する分散性を高める被覆剤など合計3種以上を用いてもよい。また、例えば式(I)の被覆剤などをそれぞれ2種以上用いてもよい。
上述したように、本発明のナノ粒子は被覆剤(I)と共に所望の溶媒などに対する分散性を高めるためにその他の被覆剤にも被覆されている。これら被覆剤の割合は、分散媒である溶媒、モノマー、ポリマーに対する分散性を高めるべく適宜調整すればよい。一般的には、2種類の被覆剤を用いる場合における被覆剤(I)に対する他方の被覆剤のモル比としては、例えば0.1以上、30以下が好ましく、0.2以上、25以下がより好ましく、0.3以上、15以下がさらに好ましい。上記モル比がこの範囲内にあれば、双方の被覆剤に応じた溶媒等への分散性の向上効果が好適に発揮される。なお、粒子の表面に結合している被覆剤の割合は、例えばNMRスペクトルや、CHNコーダ、元素分析装置、蛍光X線分析装置を用いた分析結果から決定することができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径は、ナノレベルといえるものであれば特に制限されないが、通常は20nm以下である。20nmを超えると、例えば分散液としたときに透明性が低くなり得るため好ましくない。より好ましくは1nm以上、19nm以下であり、さらに好ましくは2nm以上、18nm以下である。
粒子径の測定方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大観察し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。粒子の形状としては球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状、薄片状などが考えられるが、粒子径を測定する場合はそれぞれの長軸方向長さを測定するものとする。なお、本発明粒子の形状としては、溶媒への分散性などを考慮して球状、粒状、柱状が好ましい。
本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の粒度分布は、σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]で表される変換係数として30%以下が好ましい。当該変換係数が30%を超えると粒子サイズにバラツキが生じ、結果として光透過性や屈折率などの物性にバラツキが生じるおそれがある。当該変換係数は25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子における酸化ジルコニウムに対する被覆剤の割合としては、空気雰囲気中で加熱して有機成分を除去したときの減量率で40質量%以下が好適である。当該減量率が40質量%を超えると被覆剤の量が多過ぎ、酸化ジルコニウム本来の作用効果が十分に発揮されない場合があり得る。一方、当該減量率が5質量%未満では被覆剤の量が少な過ぎて粒子の分散性が十分に改善されない場合があり得るので、当該減量率は5質量%以上が好ましい。より好ましくは、10質量%以上、30質量%以下とする。
上記減量率は、例えばマックサイエンス社製のTG−DTA分析装置を用い、空気雰囲気下で10℃/分の速度で粒子を800℃まで昇温し、減少質量/加熱前質量×100により算出する。また、本発明粒子としては、熱安定性の観点から、TG−DTA分析装置で測定した時の発熱ピークが150℃以上であるものが好ましく、190℃以上であるものがより好ましい。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、2種以上の被覆剤で被覆されていることから様々な溶媒等に対する分散性が高い。また、溶媒等への分散性は、これら被覆剤の割合により調節することができる。例えば非極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤(I)と極性溶媒に対する分散性を高める被覆剤によりナノ粒子を被覆する場合には、非極性溶媒等への分散性を高めるために被覆剤(I)の量を増やしたり、逆に極性の高い溶媒等への分散性を高めるために他方の被覆剤の量を増やすといったように調節すればよい。
本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法は、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(I)の被覆剤から被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を調製する工程;上記被覆剤(I)−ジルコニウム複合体に水を混合し、1MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(I)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程;および、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に上記被覆剤(I)以外の被覆剤を作用させることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を2種以上の被覆剤で被覆する工程;を含むことを特徴とする。
以下、当該方法を実施の順番に従って説明する。
本発明方法では、先ず、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(I)の被覆剤から被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を調製する。
従来、水熱反応により酸化ジルコニウム粒子を製造する技術は知られていたが、単なるジルコニウム塩の水溶液を用いるものであったことから400℃で30MPaといった高温高圧条件が必要であった。一方、本発明では予め調製した被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を水熱反応に付すことから1MPaG未満という比較的穏和な条件で微細な粒子を製造することができる。
本発明方法の原料である酸化ジルコニウム前駆体は、被覆剤(I)と共に被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を形成することが可能であり、且つ水熱反応により被覆剤(I)−ジルコニウム複合体から酸化ジルコニウムナノ粒子となる前駆体であれば特に制限されない。例えば、ジルコニウムの水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、オキシ硝酸塩、硫化物、カルボン酸塩、アミノ化合物塩、および金属アルコキシドなどを用いることができる。これらのうち、オキシ塩化物とオキシ硝酸塩は安価であり且つ微細な粒子が得られることから好ましい。
酸化ジルコニウム前駆体と式(I)の被覆剤から形成される被覆剤(I)−ジルコニウム複合体へは、さらに有機溶媒を添加してもよい。酸化ジルコニウム前駆体と被覆剤(I)のみでは粘調な複合体となる場合があり、次工程の水熱反応が効率的に進行しないおそれがあるが、適切な有機溶媒によりかかる複合体を溶解することで、水熱反応を効率的に進行させることができる。当該有機溶媒としては被覆剤(I)−ジルコニウム複合体に対して良好な溶解性を有するものであればよい。また、次の工程で水を加えた場合に水と二相を形成するものを用い、二相のまま水熱反応を行ってもよい。かかる有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、アミン、カルボン酸などを一般的に用いることができる。また、次工程における水熱反応を考慮すれば、沸点が120℃以上のものが好適である。沸点が120℃未満の有機溶媒では水熱反応時における蒸気圧が高くなるため反応圧を高くせざるを得ず、結果的に粒子の凝集や融着が生じ易くなるおそれがある。よって、沸点が180℃以上の有機溶媒がより好ましく、沸点が210℃以上の有機溶媒がより好ましい。より具体的にはデカン、ドデカン、テトラデカン、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸などが使用できる。
被覆剤(I)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物における被覆剤(I)−ジルコニウム複合体の量は、通常、2質量%以上、95質量%以下程度とすることができる。2質量%未満であると1回の反応における酸化ジルコニウムナノ粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得、95質量%を超えると反応液中の被覆剤(I)−ジルコニウム複合体の濃度が高過ぎて反応が円滑に進行し得ない場合があり得る。より好ましくは5質量%以上、90質量%以下程度とする。
被覆剤(I)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物は、好適には加熱しつつ攪拌する。その条件は特に制限されないが、酸化ジルコニウム前駆体が完全に溶解し、均一な被覆剤(I)−ジルコニウム複合体が形成されるまで加熱攪拌する。例えば30〜80℃程度で30分間〜5時間程度攪拌すればよい。
次に、被覆剤(I)−ジルコニウム複合体に水を混合し、1MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(I)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る。
水の種類は特に制限されないが、好ましくは純水を用いる。また、当該水のpHは4以上、9以下にすることが好ましいので、酸やアルカリなどを適宜加えてpHを調整してもよい。
水の量は、(水のモル数)/(ジルコニウムのモル数)が4以上、100以下となるようにすることが好ましい。当該比が4未満の場合には分散性に劣る酸化ジルコニウムナノ粒子が生成するおそれがあり得る。一方、当該比が100を超えると水の量が多くなるため、1回の反応における酸化ジルコニウムナノ粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得る。当該比は8以上、50以下がより好ましい。
被覆剤(I)−ジルコニウム複合体と水との混合液へは、さらに分散剤を添加してもよい。この分散剤は、有機相または水相のいずれか一方または両方で分散性を発揮できるものであればよい。かかる分散剤としては、カルボン酸、アミン化合物、アルコキシド、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤などを挙げることができる。当該分散剤の好適な使用量は、酸化ジルコニウム前駆体に対して0.01モル倍以上、2モル倍以下程度とすることができる。
被覆剤(I)−ジルコニウム複合体と水の混合液が静置状態で二層になる場合には、続く水熱反応直前に激しく攪拌することにより懸濁状態にしてもよい。
当該二層反応混合液は1MPaG未満で水熱反応させる。圧力が1MPaG以上であると粒子が凝集し易くなることがあり、また、装置コストが高くなることがある。一方、常圧で反応させると結晶形成に高温を要し熱による凝集が促進されるおそれがあるため、好適には0.1MPaG以上、より好ましくは0.2MPaG以上で反応させる。
反応温度は、使用する溶媒などの沸点を考慮し、反応容器内の圧力が1MPaG未満となるように設定すればよい。水の飽和水蒸気圧を考慮すれば180℃以下の温度で反応させることが好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常は0.1時間以上、10時間以下程度であり、0.5時間以上、6時間以下が好ましい。
反応系雰囲気は特に制限されず、空気、酸素、水素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などとすることができる。凝集の抑制や安全を考慮すれば、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で反応させることが好ましい。
上記水熱反応の結果、(I)の被覆剤で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子が生成し、反応容器の下部に沈殿する。当該酸化ジルコニウムナノ粒子は、粒子の凝集体や析出したカーボンを除去するために精製することが好ましい。例えば、沈殿した酸化ジルコニウムナノ粒子を濾別した上で凝集粒子やカーボンを除去するためにナノ粒子をトルエンなどに溶解して濾過する。次いで、得られた濾液を減圧濃縮してトルエンを除去することにより酸化ジルコニウムナノ粒子を精製することができる。
酸化ジルコニウムナノ粒子を製造するために用いた有機溶媒は、水相から分離して再利用することもできる。かかる再利用は廃液量や製造コストを抑制できることから好ましい。
次に、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に被覆剤(I)以外の被覆剤を作用させて、ナノ粒子の表面を2種以上の被覆剤で被覆する。
先ず、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子を溶媒に溶解または分散させる。使用する溶媒は酸化ジルコニウムナノ粒子に適度な分散性を有するものであれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどを用いることができる。被覆剤(I)に被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子は、これら溶媒への分散性が高い。なお、水や炭素数4以下のアルコールなどを用いるとナノ粒子の2次凝集が起こるおそれがある。よって本発明は、親水性の高い酸化ジルコニウムを水等に分散させて溶解させる従来方法とは全く異なるものである。酸化ジルコニウムの濃度は適宜調整すればよいが、0.1質量%以上、50質量%以下程度にすることが好ましい。
他の被覆剤の使用量は適宜調整すればよいが、通常は被覆剤(I)が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子に対して1質量%以上、60質量%以下とする。1質量%未満の場合には他の被覆剤の量が不足してトルエンなど非極性有機溶媒以外の溶媒に対する分散性が向上しないおそれがある。一方、60質量%を超えるとナノ粒子に対する被覆剤の量が過剰になる場合があり得る。より好ましくは3質量%以上、50質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上、40質量%以下である。
被覆剤(I)が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子の分散液中へ他の被覆剤を加えた後、加熱処理する。加熱温度は適宜調整すればよいが、通常は30℃以上、180℃未満程度とし、より好ましくは40℃以上、150℃未満、さらに好ましくは50℃以上、130℃未満とする。反応時間も適宜調整すればよいが、通常は0.1時間以上、10時間未満、より好ましくは0.3時間以上、3時間未満程度とする。
反応終了後は溶媒を減圧留去することにより2種以上の被覆剤が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子を回収してもよい。或いは、2種以上の被覆剤が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子を含む反応後溶液へ、当該ナノ粒子との親和性が低い溶媒を添加することによって、当該酸化ジルコニウムナノ粒子を凝集または析出させてから濾別して回収してもよい。
得られた酸化ジルコニウムナノ粒子は、その表面が2種以上の被覆剤により被覆されており、様々な溶媒に対して高い分散性を示すことから利便性が高い。表面に結合している被覆剤の割合は、例えばNMRスペクトルや、CHNコーダ、元素分析装置、蛍光X線分析装置を用いた分析結果から決定することができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子含有組成物は、上述した本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む。例えば、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が、溶媒、モノマー、ポリマー、可塑剤からなる群より選択される1種または2種以上の中に分散している酸化ジルコニウムナノ粒子分散体を挙げることができる。また、本発明組成物としては、より具体的には塗料組成物、薄膜形成用組成物、樹脂組成物、光学材料を例示することができる。なお、これら塗料組成物などの間には明確な区別はなく、例えば、塗料組成物は薄膜の形成に用いることができるし、樹脂組成物は光学材料として用いることができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が溶媒中に分散した分散体は、本発明粒子が非常に細かい上に様々な溶媒に対する分散性が高いことから透明性を有し、且つ酸化ジルコニウムナノ粒子の特性を有することから非常に有用である。
なお、本発明における分散の定義は、10質量%の濃度で酸化ジルコニウムナノ粒子を溶媒に添加して10分間攪拌した後、定量濾紙(アドバンテック東洋社製、No.5c)により濾過して回収される粒子の量が、使用した粒子の量に対して3質量%未満であることをいうものとする。
本発明の分散体で用いる溶媒は、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が高い分散性を示すものから選択すればよい。例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサンなどの炭化水素;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド;水;鉱物油、植物油、ワックス油、シリコーン油などの油類を挙げることができる。これらのうち1種を選択して使用することもできるし、2種以上を選択し混合して用いることもできる。取扱性の面から、常圧での沸点が40℃以上、250℃以下程度の溶媒が好適である。
溶媒中に占める酸化ジルコニウムナノ粒子の濃度は用途に応じて適宜設定することができるが、通常、当該分散体に対して1質量%以上、60質量%以下である。一般的に、当該濃度が1質量%未満であると溶媒が過剰になり得る。一方、60質量%を超えると均一に分散し難くなり分散体が白濁するおそれがあり得る。より好ましくは5質量%以上、55質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上、50質量%以下である。
本発明分散体は、モノマー中に本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が分散しているものであってもよい。当該分散体を用いて重合反応を行えば、ポリマー中に酸化ジルコニウムナノ粒子が分散している組成物を製造することができる。かかるモノマーは特に制限されず、例えば(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのスチレン系モノマー;塩化ビニル、酢酸ビニルなどのビニル系モノマーなどが挙げられる。
上記モノマー分散体における酸化ジルコニウムナノ粒子の含有量は特に限定されないが、通常は2質量%以上、80質量%以下である。この程度の濃度であれば粘度が低く取扱い易いからである。より好ましくは10質量%以上、60質量%以下である。
モノマーが常温で液体である場合や僅かな加温で直ぐに液体になる場合などでは、溶媒を用いることなく液状のモノマー中に直接本発明粒子を分散させればよい。しかしモノマー単独では粘度が高い場合には、上記溶媒を添加して粘度を低減した上で本発明粒子を分散させてもよい。これら組成物における酸化ジルコニウムナノ粒子の濃度は、1質量%以上、60質量%以下が好ましく、5質量%以上、55質量%以下がより好ましく、10質量%以上、50質量%以下がさらに好ましい。
本発明分散体は、ポリマー中に本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が分散しているものであってもよい。当該組成物に使用できるポリマーは特に制限されないが、例えば(メタ)アクリル酸エステルを構成単位とするホモポリマーや2以上のモノマーからなるコポリマー、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂などの熱可塑性樹脂や、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ラジカル重合性樹脂などの熱硬化性樹脂を使用できる。
ポリマー中に本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子が分散している組成物は、本発明粒子が分散しているモノマー分散体を重合反応させて製造してもよいが、溶融したポリマーに本発明粒子を加えてよく混合して製造してもよい。或いは、ポリマーの溶液と本発明粒子の分散体を均一に混合したり、溶融したポリマーに本発明粒子の分散体を均一に混合した後に溶媒を除去してもよい。なお、本発明においてはポリマー分散体と樹脂組成物とは特に区別しないが、ポリマー分散体は流動性を示すものや成形前の材料を主に表し、樹脂組成物は主に成形後の製品を示すものとする。
本発明のポリマー分散体または樹脂組成物に占める酸化ジルコニウムナノ粒子の割合は適宜調整すればよいが、例えば、分散体または組成物全体に対して0.1質量%以上、99質量%以下とすることができる。
本発明のポリマー分散体または樹脂組成物の形状は特に制限されない。例えば、板、シート、フィルム、繊維などへ成形してもよい。
本発明のポリマー分散体または樹脂組成物を構成するポリマーは特に限定されないが、例えば、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド;ポリイミド;ポリウレタン;ポリエチレン、ポロプロピレンなどのポリオレフィン;PET、PBT、PENなどのポリエステル;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリ酢酸ビニル;ポリスチレン;(メタ)アクリル樹脂;ABS樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂;フェノール・ホルマリン樹脂、クレノール・ホルマリン樹脂などのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂などのアミノ樹脂などを挙げることができる。また、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系樹脂などの軟質樹脂や硬質樹脂、無機バインダーなども挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
特に、(メタ)アクリル樹脂の中でも、芳香族炭化水素構造を有さないポリアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの重合物が好ましい。芳香族炭化水素構造を有しないことにより耐光性が良好となり、また、ポリアルコール由来の水酸基やエステル基により硬化物の耐熱性が向上し、光学レンズやレンズシート用の材料として好適なものとなる。
芳香族炭化水素構造を有さないポリアルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、1,7−へプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,15−ペンタデカンジオール、1,16−へキサデカンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,2−シクロへキサンジオール、1,3−シクロへキサンジオール、1,4−シクロへキサンジオール、トリシクロデカンジメタノール、シクロへキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオールなどのアルカンジオール(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールのヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物;β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノールなどのジ(メタ)アクリレートが挙げられる。さらには、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールへキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、グリセリン、ポリグリセリンなどのポリ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。
これらの中でも、水酸基に対してβ水素を有さないポリアルコール、例えば、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、ネオペンチルグリコールとヒドロキシピバリン酸とのモノまたはジエステル化物、β,β,β’,β’−テトラメチル−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン−3,9−ジエノール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、トリメチロールへキサン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの(メタ)アクリル酸の重合物は、光による劣化や変色に対する耐性に優れることから特に好ましい。
また、芳香族炭化水素構造を有しないポリアルコールの(メタ)アクリル酸エステル化物であって、さらにエーテル構造を含むものは、耐光性により一層優れることから好適である。例えば、ネオペンチルグリコールなど、芳香族炭化水素構造を有さず且つ水酸基に対してβ水素を有さないポリアルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドから選択される1種または2種以上のアルキレンオキサイドの不可物の、(メタ)アクリル酸の重合物は、光による変色や劣化を特に受けにくいので最も好ましい。
以上の(メタ)アクリル酸エステルは、1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、芳香族炭化水素構造を有さないポリアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの重合物の中でも、スルホン酸基および/またはスルホン酸エステル基を含むものは、耐光性に優れることから好ましい。かかるスルホン酸基またはスルホン酸エステルの含有量としては、硫黄原子換算で100ppm以下が好ましく、50ppm以下がより好ましく、30ppm以下がさらに好ましい。
芳香族炭化水素構造を有さないポリアルコールの(メタ)アクリル酸エステルの製造方法は特に限定されないが、例えば、ポリアルコールと(メタ)アクリル酸エステルとの脱アルコール反応により製造する方法(エステル交換法)や、ポリアルコールと(メタ)アクリル酸との脱水反応により製造する方法(脱水縮合法)とが挙げられる。
エステル交換法を行う場合、ポリアルコールと(メタ)アクリル酸エステルとの仕込みモル比(ポリアルコール中の水酸基:(メタ)アクリル酸エステル)は、1:1〜1:20が好ましく、1:1.5〜1:10がより好ましく、1:2〜1:5がさらに好ましい。触媒としては、例えば、アルカリ金属アルコラート、マグネシウムアルコラート、アルミニウムアルコラート、チタンアルコラート、ジブチルスズオキシド、陰イオン交換樹脂などが挙げられる。触媒の使用量は、反応の総仕込量100質量部に対して、0.01〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部がより好ましく、0.1〜1質量部がさらに好ましい。なお、反応後は触媒を除去することが好ましい。溶媒としては、例えばペンタン、シクロペンタン、へキサン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、へプタン、シクロへプタン、オクタン、イソオクタン、ベンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。反応温度としては、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
脱水縮合法を行う場合、ポリアルコールと(メタ)アクリル酸との仕込みモル比(ポリアルコール中の水酸基:(メタ)アクリル酸)は、1:1〜1:5が好ましく、1:1.01〜1:2がより好ましく、1:1.05〜1:1.5がさらに好ましい。触媒としては、例えば硫酸、塩酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、べンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、陽イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果を十分に発揮するためには陽イオン交換樹脂が好ましい。陽イオン交換樹脂としては、例えば、ローム・アンド・ハース社製のアンバーリスト(登録商標)やアンバーライト(登録商標)、三菱化学社製のダイヤイオン(登録商標)などが挙げられる。陽イオン交換樹脂は、使用前にトルエンやメタノールなどの有機溶媒と水で十分に洗浄し、イオウ成分が留出しないようにしてから用いることが、本発明の効果を十分に発揮させる上でより好ましい。触媒の使用量は、反応の総仕込量100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部がさらに好ましい。なお、反応後は触媒を除去することが好ましい。溶媒としては、例えばペンタン、シクロペンタン、へキサン、シクロへキサン、メチルシクロへキサン、へプタン、シクロへプタン、オクタン、イソオクタン、べンゼン、トルエン、シメンなどが挙げられる。溶媒の使用量は、反応の総仕込量100質量部に対して、1〜70質量部が好ましく、5〜50質量部がより好ましく、10〜30質量部がさらに好ましい。反応温度としては、50〜150℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
本発明のポリマー分散体または樹脂組成物には、酸化ジルコニウムナノ粒子と樹脂の他の添加成分を配合してもよい。かかる添加成分としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、着色剤、離型剤、カップリング剤、シリコーン化合物、反応性希釈剤、可塑剤、安定化剤、難燃助剤、架橋剤などを挙げることができる。
硬化剤は熱硬化性樹脂を用いる際に必要となる場合がある。例えば、エポキシ樹脂を用いる場合は、ポリアミド類、脂肪族ポリアミン類、環状脂肪族ポリアミン類、芳香族ポリアミン類あるいはこれらの一部を変性したアミン類、酸無水物類、ジシアンジアミド類、イミダゾール類、アミンイミド類、ヒドラジド類、フェノールノボラックやクレノールノボラックなどのノボラック系硬化剤等を好適に用いる。また、フェノール樹脂を用いる場合は、ウロトロピンやホルマールなどを好適に用いる。これら硬化剤の量は、樹脂の量に応じて適宜調整すればよい。
可塑剤は樹脂組成物の加工性をさらに向上させるために添加し、その種類は樹脂に応じて選択することができる。例えばエポキシ樹脂を用いる場合にはポリグリコール類可塑剤を用いることが好ましい。
本発明のポリマー分散体および樹脂組成物は、微細で分散性の高い酸化ジルコニウムナノ粒子が均一分散しているので透明性が高い。具体的には、本発明の樹脂組成物の可視光透過率と、本発明粒子を含有しない以外は同様にして製造された組成物の可視光透過率との差が±30%以下となることが好ましく、±20%以下がより好ましく、さらに±10%が好ましい。また、両組成物のヘイズの差としては±10%以下が好ましく、±3%以下がより好ましく、±1%以下がさらに好ましい。また、樹脂組成物としては、可視光透過率が80%以上、ヘイズが10%以下、さらに可視透過率が85%以上、ヘイズ5%以下を満足するものが透明性に優れ有用であるが、かかる樹脂組成物は本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を用いて容易に製造できる。
本発明の分散体で用いる可塑剤の種類は特に制限されないが、例えば、リン酸トリブチル、リン酸2−エチルヘキシルなどのリン酸エステル系可塑剤;フタル酸ジメチル、フタル酸ジブチルなどのフタル酸エステル系可塑剤;オレイン酸ブチル、グリセリンモノオレイン酸エステルなどの脂肪族一塩基酸エステル系可塑剤;アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキスルなどの脂肪族二塩基酸エステル系可塑剤;ジエチレングリコールジベンゾエート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラートなどの二価アルコールエステル系可塑剤;アセチルリシノール酸メチル、アセチルクエン酸トリブチルなどのオキシ酸エステル系可塑剤;塩素化パラフィン;ポリプロピレングリコールアジペート、1,3−ブチレングリコールアジペート、重量平均分子量が1000〜15000程度の共縮合ポリマーなどのポリエステル系可塑剤;エポキシステアリン酸アルキル、エポキシトリグリセリドなどのエポキシ系可塑剤;ステアリン酸系可塑剤;塩素化ビフェニル、2−ニトロビフェニル、ジノニルナフタリン、o−トルエンスルホンエチルアミド、ショウノウ、アビエチン酸メチルなどのその他の可塑剤を用いることができる。
可塑剤中に占める酸化ジルコニウムナノ粒子の濃度は用途に応じて適宜設定することができる。また、可塑剤と溶媒などの混合物中に本発明粒子を分散させてもよい。使用する可塑剤の量は適宜調整すればよいが、例えば可塑剤に対する本発明粒子の割合を質量比で0.01以上、5以下程度にすればよい。
本発明の分散体は、溶媒、モノマー、ポリマー、可塑剤からなる群より選択される2種以上の混合物中に分散しているものであってもよい。例えば、溶媒とモノマーの混合物、溶媒と可塑剤の混合物、溶媒とモノマーと可塑剤の混合物の中に本発明粒子が分散しているものが挙げられる。これらは樹脂組成物などの材料として有用である。
上述した本発明分散体は、さらに他の成分を添加して利用することができる。例えば、本発明分散体にバインダーを添加して塗料組成物とすることができる。当該塗料組成物は、本発明に係る分散性の高い酸化ジルコニウムナノ粒子を含むため、透明性に優れ且つ高機能の塗膜を得ることができる。
本発明の塗料組成物に用いるバインダーの種類は特に制限されない。例えば、熱可塑性、熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性、湿気硬化性のバインダー;合成樹脂や天然樹脂などの有機バインダーまたは無機バインダー;溶剤可溶性型、水溶性型、エマルション型、分散型などのバインダーを用いることができる。
バインダーとして使用できる合成樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂などを挙げることができる。
バインダーとして使用できる天然樹脂としては、例えば、セラック、ロジン、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、白セラックなどを挙げることができる。
水溶性型バインダーとしては、例えば、水溶性アルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性ポリエステル樹脂などの水溶性オイルフリーアルキド樹脂、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性メラミン樹脂などを挙げることができる。
エマルション型バインダーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディスパーション、酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、アクリル酸エマルション(共)重合樹脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマルション、フッ素樹脂エマルションなどを挙げることができる。
無機バインダーとしては、シリカゲル、アルカリケイ酸、シリコンアルコキシドなどの金属アルコキシド;これらの加水分解などによる縮合物;リン酸塩などを挙げることができる。
本発明組成物へは、さらに、架橋剤などの硬化剤;硬化助剤などの硬化触媒;可塑剤;消泡剤;レベリング剤;チクソトロピック剤;艶消し剤;界面活性剤;難燃剤;顔料湿潤剤;カビ防止剤;防藻剤;防食剤;防錆剤;染料;顔料;光安定化剤などを添加してもよい。なお、硬化剤としてポリイソシアネートを含む塗料組成物は汎用性が高い。また、従来よりフィルム、シート、板、レンズの表面硬度や耐摩耗性を向上するハードコート剤と称される材料がある。本発明の塗料組成物へは、かかるハードコート剤を添加してもよい。
本発明に係る塗料組成物の製造方法としては、例えば、溶媒に酸化ジルコニウムナノ粒子を添加してスラリー化した後にバインダーを混合する方法が挙げられる。
本発明の塗料組成物は、例えば、ガラスや陶器などの無機物や、樹脂などの有機物からなる基材の表面に塗布することができる。特に、本発明ナノ粒子は分散性に極めて優れるので、本発明の塗料組成物を有機物からなる基材表面に塗布して得られる塗膜は可撓性に優れる。また、光安定化剤を含む塗料組成物から得られる塗膜は耐候性が高い。
上記基材の形状については特に限定されず、例えば、フィルム状、シート状、板状、繊維状などを挙げることができる。特に本発明の塗料組成物は、フィルムや繊維などの基材への適用に有用である。
上記基材として用いられる樹脂の材質としては、特に限定はなく適宜選択することができる。例えば、LDPE、HDPE、アモルファスポリエチレン、OPP(延伸ポリプロピレン)、CPP(結晶化ポリプロピレン)などのポリプロピレンや、ポリイソブチレンなどのポリオレフィン;EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体);ポリスチレン;軟質または硬質ポリ塩化ビニル;EVOH(エチレン・ビニルアルコール共重合体系;PVA(ビニロン);PVDC(ポリ塩化ビニリデン):ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレートなどのポリエステル;ポリカーボネート;ポリウレタン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアクリロニトリル;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイト;ポリアリレート;ポリエーテルイミド;アラミド;ポリ(メタ)アクリル;ポリエーテルエーテルケトン;テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・へキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン・ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン・へキサフルオロプロピレン・ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂などを用いることができる。耐候性が求められる場合には、これらのうち、フッ素系樹脂、ポリエステル系樹脂、(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリカーボネート系樹脂が好適に用いられる。
光学レンズなど極めて高度な可視光透過性や透明性が要求される用途で用いる場合には、PMMA、MMA−スチレンランダム共重合体、ポリカーボネート、透明ポリプロピレン、MMAとα−メチルスチレンまたはシクロへキシルメタクリレートなどとの共重合体、ABS樹脂のMMA変性タイプ、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、透明エポキシ樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1、フッ素化ポリイミド、非晶質フッ素樹脂、透明フェノキシ樹脂、非晶質ナイロン樹脂、フルオレン系等の各種樹脂を基材として使用することができる。
また、環境問題を考慮して、生分解性樹脂からなる基材を用いてもよい。生分解樹脂としては、例えば、ポリ−3−ハイドロキシ酪酸エステル、キチン・キトサン系樹脂、ポリアミノ酸系樹脂、セルロース系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、アルギン酸系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、脂肪族ポリエステル系樹脂、糖類系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。
基材としては、上述の基材に予めUV吸収膜を配したものや、塗料組成物からなる塗膜と基材との密着性などを高める目的でプライマー層を予め配したものなどでもよい。
塗料組成物を塗布する方法は特に制限されず、例えば、ディッピング法、ロールコーター法、フローコート法、スクリーン印刷法、バーコーター法、スピンコーター法、刷毛塗り法、スプレー法を用いることができる。また、塗料組成物を塗布して得られる乾燥膜厚についても特に限定はないが、好ましくは0.5μm以上、100μm以下、より好ましくは1μm以上、30μm以下である。
塗料組成物を塗布した後に乾燥して成膜した後には、耐水性、耐溶剤性、耐酸性や耐アルカリ性などの耐薬品性、耐擦傷性などの点から、膜を硬化させることが好ましい。膜の硬化方法としては、室温硬化を含む熱硬化、湿気硬化、紫外線硬化、電子線硬化などが挙げられる。
塗料組成物により中間膜が形成されたガラス板などの透明板を用いて合わせガラスを得ることができる。合わせガラスは、当該透明板と別途容易した透明板とを接着シートを介して積層し、製造することができる。接着シートの接着剤としては、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系樹脂などの軟質樹脂または硬質樹脂を挙げることができ、軟質樹脂が好ましい。接着シートの厚みは、好ましくは0.1〜2mm程度、さらに好ましくは0.5〜lmm程度とする。
本発明の膜は、本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子を必須構成成分とする膜である。本発明の薄膜は、例えば、高屈折率膜、反射防止膜、熱伝導性膜、イオン伝導性膜などの各種機能膜、超伝導膜形成用アンダーコート膜材などとして、有用である。
本発明の膜としては、例えば、(1)本発明粒子が樹脂中に分散した膜、(2)本発明粒子のみからなる膜、(3)(2)の膜をさらに焼結した膜、(4)(2)の膜の一部のみを焼結した膜を挙げることができる。
本発明粒子が樹脂中に分散した(1)の膜は、上述した本発明のポリマー分散体や樹脂組成物から製造することができる。本発明粒子のみからなる(2)の膜は、溶媒に本発明粒子が分散した分散体から製造できる。(3)の膜は(2)の全体を高温で焼成することにより製造でき、(4)の膜は、例えば片面のみなど(2)の膜の一部を焼成することにより製造できる。通常、上記(1)と(2)の膜では、本発明の酸化ジルコニウム粒子が実質的にその形態を維持されたまま存在する。一方、(3)の膜と(4)の膜のうち焼結された部分は、粒子の結晶子径の変化などの構造変化を伴うため、得られる膜はもとの粒子の結晶形態とは異なる多結晶または単結晶の膜となり得る。
本発明に係る膜の形態は特に制限されない。例えば、所望の基材表面に形成されている膜であってもよい。また、本発明の膜としては、膜そのもの、基材上に形成されている場合には膜と基材とから構成されるものの何れも含まれるものとする。さらに、基材表面上の所望の面積部分に切れ目なく連続的に広がって存在している形態(以下、「連続膜」ということがある)であってもよいし、基材表面上の所望の面積部分に不連続的に存在している形態(以下、「不連続膜」ということがある)であってもよい。不連続膜では、膜の構成成分が基材表面に部分的に存在しているが、それらの大きさ、面積、厚みおよび形状などは特に限定されない。不連続膜の具体的な形態としては、例えば、膜の構成成分が基材表面に微細なドット状で存在している形態、いわゆる海島構造のように存在している形態、縞模様状に存在している形態、これら形態を合わせた形態などが挙げられる。
上記連続膜および不連続膜が酸化ジルコニウム粒子のみで構成されている場合、これら膜の構造は特に限定されない。例えば、所望の大きさの空間を有する多孔質構造であってもよいし、緻密構造であってもよい。UV遮断性や散乱可視光による透明性の低下が少ないという観点からは、緻密構造が好ましい。なお、不連続膜においては、上述したような膜の構造は部分的に存在している個々の膜の全てが備えていてもよいし、一部のみが備えていてもよい。
本発明の膜に用い得る基材の材質は特に限定されない。例えば、セラミックスやガラスなどの無機物;PET、PBT、PENなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンサルフアイド樹脂、ポリエーテルサルフオン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリイミド樹脂、アモルファスポリオレフイン樹脂、ポリアリレート樹脂、アラミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマーなどの耐熱性樹脂;(メタ)アクリル樹脂、PVC樹脂、PVDC樹脂、PVA樹脂、EVOH樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PTFE、PVF、PGF、ETFEなどのフッ素樹脂;エポキシ樹脂;ポリオレフィン樹脂;これら樹脂にアルミ、アルミナ、シリカなどを蒸着したもの;金属などが好ましく挙げられる。
本発明の膜を形成する基材の形状は特に制限されない。例えば、フィルム、シート、板、繊維、積層体などが挙げられ、用途や使用目的などに応じて選択すればよい。また、上記基材は機能面においても限定はされず、例えば、光学的に透明であってもよいし不透明であってもよく、用途や使用目的等に応じて選択すればよい。
本発明の膜は、その透明性が高いことが好ましい。具体的には、へイズが10%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましく、1%以下であることがさらに好ましい。
本発明の膜の製造方法は、特に限定されない。例えば、基材上へ本発明の溶媒分散体や樹脂分散体を塗布した上で乾燥させればよい。本発明の分散体を塗布する方法は特に限定されないが、例えば、バーコーター法、ロールコーター法、ナイフコーター法、ダイコーター法、スピンコート法、スプレー法、ディッピング法などを用いることができる。
本発明の金属酸化物ナノ粒子が分散したポリマーは、粒子自体が微細な上に分散性に優れており粒子が均一分散しているので、様々な材料として利用できる。例えば、透明膜、光学材料、触媒材料など幅広く用いることができる。
特に正方晶の酸化ジルコニウムは高い屈折率を示すので、正方晶酸化ジルコニウムからなるナノ粒子を含むポリマー組成物は光学材料として有用である。例えばかかる光学材料は、基板、光拡散フィルム、光拡散板、防眩フィルム、偏光板、視野角補正フィルム、反射防止フィルム、保護フィルムなどディスプレイ部品;ディスク基板、ピックアップ用レンズ、保護フィルムなどの光記録媒体;眼鏡レンズ、光学機器用レンズ、ピックアップ用レンズ、オプトエレクトロニクス用レンズ、レーザー用レンズ、自動車用ランプレンズ、OHP用レンズなどのレンズ;光ファイバー;光導波路;光フィルター;光学用接着剤;レジスト;光ディスク基板;コーティング剤;プリズムなどの材料として利用できる。
酸化ジルコニウムからなる本発明粒子をポリマーに分散させて光学材料として用いる場合には、当該ポリマーとしてはシクロオレフィン樹脂を用いることが好ましい。
シクロオレフィン樹脂は、脂肪族環状構造を主鎖に有するポリマーからなるものである。本発明で用いるシクロオレフィン樹脂としては、例えば、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセン、テトラシクロトリデカ−2,4,6,11−テトラエンなどの多環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素及びその誘導体等が挙げられる。当該シクロオレフィンは、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などの官能基を有していてもよい。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィン以外の単量体を付加共重合したものであってもよい。付加共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどのエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエン等が挙げられる。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂は、付加重合反応またはメタセシス開環重合反応によって得られる。重合は触媒の存在下で行われ、付加重合用触媒として、例えば、バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。開環重合用触媒として、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる重合触媒、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物とからなる重合触媒などが挙げられる。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィンを重合または共重合させた後、水素添加反応させて、分子中の不飽和結合を飽和結合に変えたものであることが好ましい。水素添加反応は、公知の水素化触媒の存在下で、水素を吹き込んで行う。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂としては、ノルボルネン系ポリマーも好ましく使用できる。当該ノルボルネン系ポリマーは、ノルボルネン骨格を繰り返し単位として有していることが好ましく、ノルボルネン系モノマーとその他のモノマーを共重合したポリマーも使用できる。当該ノルボルネン系モノマーと共重合可能なその他のモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィン、およびこれらの誘導体;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデンなどのシクロオレフィン、及びこれらの誘導体;1、4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非共役ジエンなどが用いられる。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂としては、具体的には、日本ゼオン社製の商品名「ゼオネックス480」、「ゼオネックス480R」、「ゼオネックスE48R」、「ゼオネックス330R」、「ゼオノア」;JSR社製の商品名「アートン」;三井化学社製の商品名「APL8008T」、「APL6509T」、「APL6013T」、「APL5014DP」、「APL6015T」などが好ましく用いられる。
本発明におけるシクロオレフィン樹脂の分子量としては、シクロヘキサンを溶出液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフ法で測定したポリイソプレンまたはポリスチレン換算の重量平均分子量で、5000〜500000とすることが好ましい。当該重量平均分子量としては、8000〜200000がより好ましく、10000〜100000がさらに好ましい。なお、測定対象であるシクロオレフィン樹脂がシクロヘキサンに溶解しない場合には、溶出液としてトルエンを用いてもよい。
本発明の光学材料におけるシクロオレフィン樹脂と酸化ジルコニウムナノ粒子の配合量は、シクロオレフィン樹脂100質量部に対して、酸化ジルコニウムナノ粒子が25質量部以上とする。当該含有量が25質量部未満では、光学材料用組成物よりなる成形体の屈折率が低くなるおそれがある。酸化ジルコニウム粒子の含有量のより好ましい上限値は200質量部であり、100質量部が最も好ましい。また、上記含有量のより好ましい下限値は40質量部であり、50質量部が最も好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、各酸化ジルコニウムナノ粒子の物性の測定方法は、以下の通りである。
試験例1 粉末X線回折
酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造は、全自動多目的X線回折装置(スペクトリス社製、XPert Pro)を用いて測定した。測定条件は以下の通りである。
X線源: CuKα(0.154nm)
X線出力設定: 45kV、40mA
ステップサイズ: 0.017°
スキャンステップ時間: 5.08秒
測定範囲: 5〜90°
測定温度: 25℃
また、得られたX線回折チャートを解析ソフト(XRayCrystal)で解析し、式(1)から結晶性を示すC値を算出した。
試験例2 平均粒子径
酸化ジルコニウムナノ粒子を超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した。拡大観察された粒子を任意に100個選択し、各粒子の長軸方向の長さを測定してその平均値を平均粒子径とした。
製造例1 ネオデカン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
40℃の純水(640g)に水酸化ナトリウム(80g、キシダ化学社製、特級)を攪拌下添加し、溶解した。次いで、ネオデカン酸(396.9g、ジャパンエポキシレジン社製)を攪拌下添加し、ネオデカン酸ナトリウム水溶液を調製した。次に、当該溶液を80℃まで加熱し、攪拌下、オキシ塩化ジルコニウム(585.99g、ZrOCl2・8H2O、第一希元素化学工業社製、ジルコゾール ZC−20)を20分間かけて投入した。その後80℃で1.5時間攪拌を続けたところ、白色で粘調なネオデカン酸ジルコニウムが生成した。水相を除去した後、当該ネオデカン酸ジルコニウムを純水で十分に水洗した。次いで、当該ネオデカン酸ジルコニウムにテトラデカン(92g)を加えて攪拌した。
得られたネオデカン酸ジルコニウム−テトラデカン溶液に純水(400g)を混合した。当該混合物を撹伴機付きオートクレーブ内に仕込み、反応容器中の雰囲気を窒素ガスにより置換した。その後、反応混合液を180℃まで加熱し、3時間反応させることにより酸化ジルコニウム粒子を合成した。180℃で反応した際の容器中圧力は0.9MPaであった。反応後の溶液を取出し、底部にたまった沈殿物を濾別してアセトンで洗浄した後に乾燥した。乾燥後の当該沈殿物(80g)をトルエン(800mL)に分散させたところ、白濁溶液となった。次に、精製工程として定量濾紙(アドバンテック東洋社製、No.5C)にて再度濾過し、沈殿物中の粗大粒子などを除去した。次に、濾液を減圧濃縮したトルエンを除去することで白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を回収した。
上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶の結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。得られたX線回折チャートから求めたC値は39.4であった。よって、上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶性は極めて高いことが分かった。
また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は5nmであった。さらに赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収が認められた。当該吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆しているネオデカン酸に由来するものと考えられる。
さらに、TG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、19質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していたネオデカン酸は、粒子全体の19質量%であることが確認された。
また、粒度分布を測定し、式:σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]から変換係数を求めたところ、20%であった。よって、上記ナノ粒子の粒子サイズのバラツキは少ないことが分かった。
製造例2 ネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)に分散させて透明溶液を調製した。当該溶液に表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.5g、信越化学工業社製、KBM−503)を添加し、90℃で1時間加熱還流した。次いで、還流処理後の溶液にn−へキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾紙により分離後、室温で真空乾燥し、ネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を調製した。
得られた被覆酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶の結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は5nmであった。さらに赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収に加えてSi−O−C由来の吸収が認められた。これら吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆しているネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来するものと考えられる。また、TG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、18質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していたネオデカン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、粒子全体の18質量%であることが確認された。
また、当該ナノ粒子を蛍光X線分析装置により分析し、Si含有量を測定することで被覆層における3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを定量した。さらに、CHNコーダ分析装置によりナノ粒子中の全C含量を測定し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン由来のC量を差し引くことでネオデカン酸由来のC量を算出し、被覆層におけるネオデカン酸量を求めた。その結果、被覆層におけるネオデカン酸に対する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在比率は、モル比で1.5であった。また、粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
製造例3 ネオデカン酸とヒドロキシステアリン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得たネオデカン酸−酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)に溶解し、ヒドロキシステアリン酸(1.5g)を加えた。当該反応混合液を100℃で1時間加熱還流した。得られた反応混合液を減圧濃縮することによって、ネオデカン酸とヒドロキシステアリン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
得られた酸化ジルコニウムナノ粒子をTG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した質量減少率を測定したところ、減量率は29.5質量%であった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆しているネオデカン酸とヒドロキシステアリン酸の量は、粒子全体の29.5質量%であることが確認された。また、当該ナノ粒子におけるネオデカン酸に対するヒドロキシステアリン酸の存在比率はモル比で0.45であった。また、粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
製造例4 ネオデカン酸と2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得たネオデカン酸−酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)に溶解し、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸(1.5g)を加えた。当該反応混合液を80℃で1時間加熱還流した。得られた反応混合液を減圧濃縮することによって、ネオデカン酸と2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
得られた酸化ジルコニウムナノ粒子を上記製造例3と同様にTG−DTA(熱重量−示差熱分析)により質量減少率を測定したところ、減量率は29.6質量%であった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆しているネオデカン酸と2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸の量は、粒子全体の29.6質量%であることが確認された。また、当該ナノ粒子におけるネオデカン酸に対する2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸の存在比率はモル比で0.76であった。また、粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
試験例3 溶解性試験
上記製造例1〜4の酸化ジルコニウムナノ粒子の様々な溶媒に対する溶解性を試験した。具体的には、各酸化ジルコニウムナノ粒子(5g)を、水、エタノール、酢酸エチル、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メタクリル酸メチル(MMA)またはトルエン(50g)に添加した後に室温で15分間攪拌し、目視にて状態を観察した。結果を表1に示す。表中、○は粒子が完全に溶解して透明な溶液になった場合を示し、△は透明にはならないが粒子が細かく分散した場合を示し、×は粒子が凝集した場合を示す。
Figure 2008044835
上記結果の通り、ネオデカン酸のみに被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子(製造例1)はトルエンのみに対しては溶解性を示したが、他の有機溶媒には溶解性を示さなかった。
一方、2種の被覆剤により被覆された本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子(製造例2〜4)は、一部溶解性を示さない溶媒があるものの、種々の溶媒やモノマーに対する溶解性を有するといえる結果となった。よって本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子は、様々な有機溶媒に溶解性を示すことから溶媒選択の幅が広がるのみでなく、単量体と混合させた後に重合反応を行うことにより酸化ジルコニウム粒子が均一に分散された樹脂を製造し得ることが実証された。

Claims (14)

  1. 2種以上の被覆剤により被覆されており;
    当該被覆剤の少なくとも1種が下記式(I)で表されるものであることを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子。
    1−COOH ・・・ (I)
    [式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
  2. 酸化ジルコニウムとして正方晶の酸化ジルコニウムを含む請求項1に記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  3. 1が炭素数6以上の分枝鎖状炭化水素基を示す請求項1または2に記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  4. 式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤が、水酸基、アミノ基、チオール基、カルボキシル基、エポキシ基、およびアルコキシ基からなる群より選択される少なくとも1種の官能基を複数有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  5. 式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤がビニル基またはフェニル基を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  6. 式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤がシランカップリング剤である請求項1〜5のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
  7. 式(I)で表される被覆剤以外の少なくとも1種の被覆剤が、下記式(II)で表されるものである請求項3に記載の酸化ジルコニウムナノ粒子。
    2−COOH ・・・ (II)
    [式中、R2は炭素数6以上の直鎖状炭化水素基を示す。]
  8. 少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と下記式(I)で表される被覆剤から被覆剤(I)−ジルコニウム複合体を調製する工程;
    1−COOH ・・・ (I)
    [式中、R1は炭素数6以上の炭化水素基を示す。]
    上記被覆剤(I)−ジルコニウム複合体に水を混合し、1MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(I)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程;および
    得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に上記被覆剤(I)以外の被覆剤を作用させることによって、酸化ジルコニウムナノ粒子を2種以上の被覆剤で被覆する工程;
    を含むことを特徴とする酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含む酸化ジルコニウムナノ粒子含有組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子が、溶媒、モノマー、ポリマー、可塑剤からなる群より選択される1種または2種以上の中に分散している酸化ジルコニウムナノ粒子分散体。
  11. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する塗料組成物。
  12. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する樹脂組成物。
  13. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する膜。
  14. 請求項1〜7のいずれかに記載の酸化ジルコニウムナノ粒子を含有する光学材料。
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