JP5435919B2 - 無機酸化物微粒子含有組成物及び該組成物を硬化させて得られる無機酸化物微粒子含有硬化組成物 - Google Patents

無機酸化物微粒子含有組成物及び該組成物を硬化させて得られる無機酸化物微粒子含有硬化組成物 Download PDF

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Description

本発明は、無機酸化物微粒子含有組成物及び該組成物を硬化させて得られる無機酸化物微粒子含有硬化組成物に関するものであり、特にガラスとの密着性が良く、ガラスよりも高い屈折率を有する硬化膜が得られる無機酸化物微粒子含有組成物に関する。
光学材料用途、例えばプラズマディスプレイ等の画像表示部において、蛍光灯等の外部光源から照射された光線の反射により表示された画像が見え難いという問題があった。また、ディスプレイ表面は傷が附くと視認性が低下するという問題がある。
そこで、ハード性を付与するためのハードコート層及び反射防止層を有するディスプレイ用反射防止フィルムが開示されている(特許文献1、2参照)。
前記反射防止フィルムは、画像表示部から、画像表示部への接着層、金属酸化物からなる透明薄膜等や、様々な波長の光の反射を防止して反射防止効果をさらに向上させるために、例えば、高屈折率層と低屈折率層とを積層させたもの等の複数の屈折率を有する透明薄膜を設けた多層膜等が反射防止層、更に易接着層を介して傷つき防止のためのハードコート層等が積層されている。
前記のように、反射防止フィルムは、異なる機能を要求される複数の層を積層するという複雑な構造を有しているため工程が煩雑になり、また、各層間の界面において入射光が反射することによる干渉縞が生じる事があり、またフィルムという形態の性質上、適用できる面の形状が平面等に限られるという問題があった。
特開2004−163752号公報 特開2008−052088号公報
本発明の課題は、特にガラス表面において、I.反射防止能を有し、II.基材への密着性に優れ、III.ハードコート層としての機能を有し、IV.全光線透過率に優れ、しかも単層でこれらの機能を満足させ、無機酸化物微粒子と重合性モノマーとを含有する無機酸化物微粒子含有組成物を提供することを目的とし、更に該組成物を硬化して得られる無機微粒子含有硬化組成物を提供することをも目的としている。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、高い屈折率を有することで知られている無機金属微粒子と重合性モノマーとを含有する無機酸化物微粒子含有組成物において、特定の組成を有する該組成物において、前記I〜IVを満足することを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)無機酸化物微粒子と重合性モノマーとを含有する無機酸化物微粒子含有組成物において、(α)少なくとも(メタ)アクリル基を含有する被覆材により被覆されている無機酸化物微粒子と、(β)環状構造を有し、かつ1個の重合性不飽和基を有する環状単官能化合物と、(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物とを、含有することを特徴とする無機酸化物微粒子含有組成物。
(2)前記(α)における無機酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブから選ばれる少なくとも一種の無機金属酸化物を含むナノ粒子であることを特徴とする、前記(1)記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
(3)前記(β)における環状単官能化合物が、環状構造を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物であることを特徴とする、前記(1)又は前記(2)記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
(4)前記(γ)における多官能化合物が、少なくとも2個以上の(メタ)アクリル酸とのエステル基を有する多エステル基含有化合物であることを特徴とする、前記(1)〜(3)記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
(5)不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤を用いることを特徴とする、前記(1)〜(4)記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
(6)前記(1)〜(5)記載の無機酸化物微粒子含有組成物の製造方法。
(7)前記(1)〜(5)記載の無機酸化物微粒子含有組成物を硬化させて得られる無機微粒子含有硬化組成物。
(8)前記(1)〜(5)記載の無機酸化物微粒子含有組成物をガラス表面上に硬化させて得られる無機微粒子含有硬化膜を有する光学材料。
本発明の無機酸化物微粒子含有組成物を用いると、複数の異なる機能を有する層を積層することなく、特にガラスに対して、I.反射防止能を有し、II.基材への密着性に優れ、III.ハードコート層としての機能を有し、IV.全光線透過率に優れた、無機酸化物微粒子含有硬化組成物及び該硬化組成物層を有する光学材料を得ることが出来る。
本発明に用いられる無機酸化物微粒子含有組成物は、(α)少なくとも(メタ)アクリル基を含有する被覆材により被覆されている無機酸化物微粒子と、(β)環構造を有し、かつ1個の重合性不飽和基を有する環状単官能化合物と、(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物とを含む無機酸化物微粒子含有組成物である。
前記(α)における無機酸化物微粒子としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブから選ばれる少なくとも一種の無機金属酸化物を含むナノ粒子であることが好ましく、より好ましくは酸化チタン及び/又は酸化ジルコニウムであり、最も好ましくは酸化ジルコニウムである。
本発明の無機金属酸化物ナノ粒子の粒子径は、ナノレベルといえるものであれば特に制限されないが、通常は20nm以下である。20nmを超えると、例えば分散液としたときに透明性が低くなり得るため好ましくない。より好ましくは1nm以上、19nm以下であり、さらに好ましくは2nm以上、18nm以下である。
粒子径の測定方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大観察し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。粒子の形状としては球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状、薄片状などが考えられるが、粒子径を測定する場合はそれぞれの長軸方向長さを測定するものとする。なお、本発明粒子の形状としては、溶媒への分散性などを考慮して球状、粒状、
柱状が好ましい。
以下、前記(α)における無機酸化物微粒子として最も好ましい酸化ジルコニウムナノ粒子を用いた場合について、説明する。
本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の粒度分布は、σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]で表される変換係数として30%以下が好ましい。当該変換係数が30%を超えると粒子サイズにバラツキが生じ、結果として光透過性や屈折率などの物性にバラツキが生じるおそれがある。当該変換係数は25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
前記酸化ジルコニウムを含む無機金属酸化物ナノ粒子は、公知の方法で得られるものであっても構わないが、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と下記式(i)で表される被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する工程(a)と、
R1−COOH 式(i) [式中、R1は炭素数5〜30の炭化水素基を示す。]
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより得られた被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程(b)を含む工程により得られた酸化ジルコニウムを含む無機金属酸化物ナノ粒子が好ましい。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムとしては、結晶性のより高いものが好ましい。非晶質のものよりも結晶質のものの方が安定であり一般的には活性が高い。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は、X線結晶回折の結果を用い、下記式〔1〕で算出されるC値により評価することができる。
C=100×(S1−S2)/S1 式〔1〕
[式中、S1はX線回折測定により得られたX線回折チャートのトータル面積値を示し、S2はX線回折測定により得られたX線回折チャートのベース部分の面積値を示す。]
なお、被覆剤により酸化ジルコニウムの結晶性は変化しないので、X線回折は被覆剤(i)のみに被覆された状態で測定しても、さらにその他の被覆剤に被覆された状態で測定してもよい。X線回折の測定範囲は特に問わないが、酸化ジルコニウムの結晶構造である正方晶、立方晶および単斜晶の最大回折ピークがいずれも2θ:26〜38°の範囲で検出されるため、少なくともこの範囲を測定することが好ましい。また、S1とS2の値は、得られたX線回折チャートからXRayCrystalなどの解析ソフトから得られる。
本発明粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は高いほどよいので、該C値は10以上が好ましく、15以上がより好ましい。
酸化ジルコニウムの既知の結晶系としては立方晶、正方晶および単斜晶の3種類が知られている。本発明の酸化ジルコニウムとしては高い屈折率を有するものが好ましいので、正方晶が結晶構造全体の70%以上であるものが好ましく、75%以上のものがより好ましく、85%以上であるものがさらに好ましい。なお、正方晶の割合は、X線回折チャートから正方晶、立方晶および単斜晶に帰属される回折ピークを同定し、これらの含有比率をXRayCrystalなどの解析ソフトで計算することにより求めることができる。また、酸化ジルコニウムの正方晶は、X線構造回折解析データにおいて、格子面(101)、(112)、(200)、(211)、(110)の回折ピークの存在により確認することができる。
前記式(i)であらわされる被覆剤は、R1の炭素数が5〜30である炭化水素基が好ましく、より好ましくは5〜20であり、また、該炭化水素基は直鎖状でも分枝鎖状でもよく、より好ましくは分枝鎖状であり、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸;2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクサン酸、ネオデカン酸などの分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの環状カルボン酸などを使用することができる。これらのうちネオデカン酸や2−エチルヘキサン酸などの分枝鎖状カルボン酸が好適である。必ずしもその理由は明らかではないが、直鎖状の炭化水素基よりも分枝鎖状の炭化水素基を有する疎水性被覆剤の方が、疎水性有機溶媒などに対する粒子の分散効果を一層高めることができる。前記式(i)の被覆剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
前記式(i)で表される被覆剤が炭素数5以上の分枝鎖状炭化水素基を有する場合には、当該被覆剤(i)以外の少なくとも1種の被覆剤としては、式(ii)で表される被覆剤を挙げることができる。
R2−COOH 式(ii)
[式中、R2は炭素数5〜30の直鎖状炭化水素基を示す。]
炭素数5以上の分枝鎖状炭化水素基を有する前記式(i)であらわされる被覆剤は非極性の溶媒等に対する分散性を向上させることができるが、前記式(ii)の被覆剤を併用することにより、かかる分散性をより一層改善し得る。前記式(ii)の被覆剤は、R2の炭素数が5〜30である直鎖状炭化水素基が好ましく、5〜20がより好ましく、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸を挙げることができる。
本発明の酸化ジルコニウムナノ粒子における酸化ジルコニウムに対する被覆剤の割合としては、空気雰囲気中で加熱して有機成分を除去したときの減量率で40質量%以下が好適である。当該減量率が40質量%を超えると被覆剤の量が多過ぎ、酸化ジルコニウム本来の作用効果が十分に発揮されない場合があり得る。一方、当該減量率が5質量%未満では被覆剤の量が少な過ぎて粒子の分散性が十分に改善されない場合があり得るので、当該減量率は5質量%以上が好ましい。より好ましくは、10質量%以上、30質量%以下である。
上記減量率は、例えばマックサイエンス社製のTG−DTA分析装置を用い、空気雰囲気下で10℃/分の速度で粒子を800℃まで昇温し、減少質量/加熱前質量×100により算出する。また、本発明粒子としては、熱安定性の観点から、TG−DTA分析装置で測定した時の発熱ピークが150℃以上であるものが好ましく、190℃以上であるものがより好ましい。
前記(α)における少なくとも(メタ)アクリル基を有する被覆とは、カルボニル基と共役する不飽和基とを有する不飽和カルボニル基含有化合物をいい、不飽和カルボニル基含有カルボン酸及び/又は不飽和カルボニル基を有するシラン化合物が好ましい。
前記不飽和カルボニル基含有カルボン酸としては、メタクリル酸、アクリル酸、2−メタクリロイロキシエチルコハク酸、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸等の不飽和カルボニル基含有化合物が例示される。
前記不飽和カルボニル基を有するシラン化合物としては、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン化合物が挙げられる。
前記不飽和カルボニル基含有カルボン酸及び/又は不飽和カルボニル基を有するシラン化合物のうち、前記不飽和カルボニル基を有するシラン化合物が好ましく、更に3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、無機酸化物微粒子含有組成物を空気中で紫外線硬化する場合には、前記(α)における少なくとも(メタ)アクリル基を有する被覆剤は、アクリル基を有する化合物が好ましい。
前記(β)における環状単官能化合物とは、環状構造と1個の重合性不飽和基とを有する化合物であり、例えば、スチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロメチルスチレンなどのスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸9−H−フルオレン−9−イル等の(メタ)アクリル酸系誘導体等が好ましい。より好ましくは環状構造を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物である(メタ)アクリル酸系誘導体であり、更に好ましくは該環状構造が5又は6員環の脂肪族炭化水素環で、該環構造に水酸基が結合したアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物であり、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチルなどが例示され、最も好ましくは、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルである。
また、無機酸化物微粒子含有組成物を空気中で紫外線硬化する場合には、前記(β)における環状単官能化合物は、アクリル基を有する化合物が好ましい。
前記(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物とは、2個以上の重合性の不飽和基を有する化合物であり、末端に2個以上のエチレン基を有する化合物が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等の(メタ)アクリル酸系誘導体;ジビニルベンゼン、トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルのアジピン酸エステルなどが例示される。より好ましくは、少なくとも2個以上の(メタ)アクリル酸とのエステル基を有する多エステル基含有化合物であり、ジオール又はトリオールに(メタ)アクリル基が夫々2以上結合したエステル化合物が好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート等の(メタ)アクリル酸系誘導体から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましく、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートが最も好ましい。
また、無機酸化物微粒子含有組成物を空気中で紫外線硬化する場合には、前記(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物は、アクリル基を有する化合物が好ましく、該重合性不飽和基が全てアクリル基である多エステル基含有化合物が最も好ましい。
さらに、前記(α)、前記(β)、前記(γ)からなる無機酸化物微粒子含有組成物に、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤を添加すると、該無機酸化物微粒子含有組成物の硬化時に前記(β)及び/又は前記(γ)化合物中の不飽和結合と、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤との間で、架橋構造を構成するために、耐溶剤性、耐熱性、密着性により優れた性能が得られると考えられる。
前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
また、無機酸化物微粒子含有組成物を空気中で紫外線硬化する場合には、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤は、アクリル基を有する化合物が好ましい。
なお、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤による処理は、前記被覆剤(i)及び/又は前記被覆剤(ii)で被覆された無機酸化物微粒子に対して処理を行っても良いし、被覆されていない無機酸化物微粒子に対して処理を行っても良いが、前記無機酸化物微粒子含有組成物中での無機酸化物微粒子の分散性をより向上させることができるため、前記被覆剤で被覆された無機酸化物微粒子に対してシリル化処理を行うことが好ましい。
また、本発明の無機酸化物微粒子含有組成物には、前記(β)、前記(γ)、前記被覆剤(i)、前記被覆剤(ii)、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤以外に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸系誘導体;4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランなどの1,3−ジオキソラン系単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン;ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;アリルグリシジルエーテル、メチロールメラミンのアリルエーテル、アリルアセタール、メチロールグリオキザールウレインのアリルエーテルなどのアリルエーテル系単量体;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル系単量体;フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどのフマル酸エステル系単量体;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルピロリドン等の重合性モノマー成分を含有していても良い。
また、無機酸化物微粒子含有組成物を空気中で紫外線硬化する場合には、前記重合性モノマー成分は、アクリル基を有する化合物が好ましい。
前記無機酸化物微粒子含有組成物中における、前記(α)、前記(β)、前記(γ)及び前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤の割合は、後述の添加物及び溶媒を除いた該組成物の総重量を基準として、次に示す質量割合であると好ましい。
前記(α)は、5重量%以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは60質量%以上であり、65質量%以上が最も好ましく、98質量%以下であり、より好ましくは97質量%以下であり、更に好ましくは93質量%以下であり、最も好ましくは89質量%以下である。5質量%以下であると、硬化後に十分な屈折率が得られないことがあり、98質量%以上では、基材への、特にガラス表面への密着性が低下することがある。
前記(β)は、1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。1質量%未満では、ガラスに対する密着性が不十分である恐れがあり、50質量%を超えると耐溶剤性が低下する恐れがある。
前記(γ)は、1質量%以上であり、より好ましくは3質量%以上であり、更に好ましくは5質量%以上であり、50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは30質量%以下である。1質量%未満では耐溶剤性が低下する恐れがあり、50質量%を超えるとガラスに対する密着性が低下する恐れがある。
前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤は、1質量%以上であり、より好ましくは2質量%以上であり、更に好ましくは3質量%以上であり、50質量%以下であり、より好ましくは40質量%以下であり、更に好ましくは20質量%以下である。1質量%未満では、ガラスに対する密着性が不十分である恐れがあり、50質量%を超えると該無機酸化物微粒子含有組成物の貯蔵安定性が悪くなる恐れがある。
更に、本発明の無機酸化物微粒子含有組成物には、前記(β)、前記(γ)、前記被覆剤(i)、前記被覆剤(ii)、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤以外にさらに必要に応じて、添加物として、非反応性樹脂(例えば、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂など)、着色顔料、可塑剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、艶消し剤、染料、消泡剤、レベリング剤、帯電防止剤、分散剤、スリップ剤、表面改質剤、揺変化剤、揺変助剤などを添加することができる。これらの添加物は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の無機酸化物微粒子含有組成物を硬化させるためには、重合開始剤を添加するのが好ましく、例えば、加熱により重合開始ラジカルを発生する熱重合開始剤;紫外線の照射により重合開始ラジカルを発生する光重合開始剤;などが挙げられる。これらの重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。また、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤などをさらに添加することも好ましい。
前記熱重合開始剤としては、例えば、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、メチルシクロヘキサノンペルオキシド、メチルアセトアセテートペルオキシド、アセチルアセテートペルオキシド、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロドデカン、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)ブタン、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、p−メンタンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルベンゼンヒドロペルオキシド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ヘキシルヒドロペルオキシド、t−ブチルヒドロペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、イソブチリルペルオキシド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド、オクタノイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ステアロイルペルオキシド、スクシン酸ペルオキシド、m−トルオイルベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルペルオキシジカーボネート、ジ−s−ブチルペルオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)ペルオキシジカーボネート、α,α’−ビス(ネオデカノイルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、クミルペルオキシネオデカノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ヘキシルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)ヘキサノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルペルオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルペルオキシプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシブチレート、t−ブチルペルオキシマレート、t−ブチルペルオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシラウレート、t−ブチルペルオキシプロピルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルペルオキシアセテート、t−ブチルペルオキシ−m−トルイルベンゾエート、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ビス(t−ブチルペルオキシ)イソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(m−トルイルペルオキシ)ヘキサン、t−ヘキシルペルオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、t−ブチルペルオキシアリルモノカーボネート、t−ブチルトリメチルシリルペルオキシド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの有機過酸化物系開始剤;2−フェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2、4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−フェニルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−クロロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(4−ヒドロフェニル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(フェニルメチル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−プロペニル)プロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(4,5、6,7−テトラヒドロ−1H−1,3−ジアゼピン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロパン)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス[2−(ヒドロキシメチル)プロピオニトリル]などのアゾ系開始剤;などが挙げられる。前記熱重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記熱重合開始剤のうち、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ベンゾイルペルオキシドなどの金属石鹸および/またはアミン化合物などの触媒作用により効率的にラジカルを発生させることができる化合物や2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)が好適である。
前記光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;などが挙げられる。前記光重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記光重合開始剤のうち、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アシルホスフィンオキシド類が好適であり、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンが特に好適である。
前記無機酸化物微粒子組成物中の前記重合開始剤の含有量は、好ましくは0.05質量%〜20質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜10質量%である。前記重合開始剤の含有量が0.05質量%未満であると、前記無機酸化物微粒子組成物が充分に硬化しないことがある。逆に、前記重合開始剤の含有量が20質量%を超えると、硬化物の物性がさらに向上することはなく、むしろ悪影響を及ぼすうえ、経済性を損なうことがある。
前記重合開始剤として、前記熱重合開始剤を用いる場合には、前記熱重合開始剤の分解温度を低下させるために、前記熱重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる熱重合促進剤を用いることができる。前記熱重合促進剤としては、例えば、コバルト、銅、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ジルコニウム、クロム、バナジウム、カルシウムなどの金属石鹸、1級、2級、3級のアミン化合物、4級アンモニウム塩、チオ尿素化合物、ケトン化合物などが挙げられる。これら前記熱重合促進剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記熱重合促進剤のうち、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸銅、ナフテン酸銅、オクチル酸マンガン、ナフテン酸マンガン、ジメチルアニリン、トリエタールアミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、ジ(2−ヒドロキシエチル)p−トルイジン、エチレンチオ尿素、アセチルアセトン、アセト酢酸メチルが好適である。
前記無機酸化物微粒子組成物中の前記熱重合促進剤の含有量は、好ましくは0.05質量%〜20質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜10質量%の範囲内である。前記熱重合促進剤の含有量がこのような範囲内であれば、前記無機酸化物組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
前記重合開始剤として、前記光重合開始剤を用いる場合には、光励起により生じた励起状態から光重合開始剤に励起エネルギーを移し、前記光重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる光増感剤を用いることができる。前記光増感剤としては、例えば、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどを挙げることができる。前記光増感剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
前記無機酸化物組成物中の前記光増感剤の含有量は、好ましくは0.05質量%〜20質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜10質量%の範囲内である。前記光増感剤の含有量がこのような範囲内であれば、前記無機酸化物組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
前記重合開始剤として、前記光重合開始剤を用いる場合には、前記光重合開始剤の分解を促進して有効にラジカルを発生させることができる光重合促進剤を用いることができる。前記光重合促進剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸−2−n−ブトキシエチル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノンなどを挙げることができる。前記光重合促進剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。前記光重合促進剤のうち、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンが好適である。
前記無機酸化物微粒子組成物中の前記光重合促進剤の含有量は、好ましくは0.05質量%〜20質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜10質量%の範囲内である。光重合促進剤の含有量がこのような範囲内であれば、無機酸化物微粒子組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
前記熱重合開始剤及び前記熱重合促進剤の組合せ、前記光重合開始剤及び/又は前記光増感剤及び/又は前記光重合促進剤の組合せ、前記熱重合開始剤及び前記光重合開始剤及び/又は前記熱重合促進剤及び/又は前記光増感剤及び/又は前記光重合促進剤の組合せのいずれかの組合せで添加する場合、無機酸化物微粒子組成中における前記組合せの合計量の含有量は、好ましくは0.05質量%〜20質量%、より好ましくは0.1質量%〜15質量%、さらに好ましくは0.2質量%〜10質量%の範囲内である。前記各重合開始剤等の組合せにおける合計量の含有量がこのような範囲内であれば、無機微粒子組成物の硬化性、硬化物の物性、経済性の点で好ましい。
また、本発明の無機酸化物微粒子組成物は、溶媒を含有しても良い。溶媒を含有する場合、後述する添加剤などを容易に分散、溶解させることができるという効果を奏する。
上記溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;などを使用することができる。
無機酸化物微粒子組成物が、溶媒を含有する場合、無機酸化物微粒子組成物中の前記溶媒の含有量は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。溶媒の含有量が80質量%を超えると、光学材料用硬化性樹脂組成物中から溶媒を留去させたい場合に時間を要したり、硬化物中に残存したりすることがある。
本発明の無機酸化物微粒子含有組成物の製造方法について、以下に、酸化ジルコニウム微粒子の場合について記載する。
本発明に係る酸化ジルコニウム微粒子の製造方法は、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する工程;上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウム微粒子を得る工程;および、得られた酸化ジルコニウム微粒子に上記被覆剤(i)以外の被覆剤を作用させることによって、酸化ジルコニウム微粒子を2種以上の被覆剤で被覆する工程;を含むことを特徴とする。以下、当該方法を実施の順番に従って説明する。
本発明方法では、先ず、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する。
本発明方法の原料である酸化ジルコニウム前駆体は、被覆剤(i)と共に被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を形成することが可能であり、且つ水熱反応により被覆剤(i)−ジルコニウム複合体から酸化ジルコニウムナノ粒子となる前駆体であれば特に制限されない。例えば、ジルコニウムの水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、オキシ硝酸塩、硫化物、カルボン酸塩、アミノ化合物塩、および金属アルコキシドなどを用いることができる。これらのうち、オキシ塩化物とオキシ硝酸塩は安価であり且つ微細な粒子が得られることから好ましい。
酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から形成される被覆剤(i)−ジルコニウム複合体へは、さらに有機溶媒を添加してもよい。酸化ジルコニウム前駆体と被覆剤(i)のみでは粘調な複合体となる場合があり、次工程の水熱反応が効率的に進行しないおそれがあるが、適切な有機溶媒によりかかる複合体を溶解することで、水熱反応を効率的に進行させることができる。当該有機溶媒としては被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に対して良好な溶解性を有するものであればよい。また、次の工程で水を加えた場合に水と二相を形成するものを用い、二相のまま水熱反応を行ってもよい。かかる有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、アミン、カルボン酸等を一般的に用いることができる。また、次工程における水熱反応を考慮すれば、沸点が120℃以上のものが好適である。沸点が120℃未満の有機溶媒では水熱反応時における蒸気圧が高くなるため反応圧を高くせざるを得ず、結果的に粒子の凝集や融着が生じ易くなるおそれがある。よって、沸点が180℃以上の有機溶媒がより好ましく、沸点が210℃以上の有機溶媒がより好ましい。より具体的にはデカン、ドデカン、テトラデカン、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ミネラルスピリットなどが使用できる。
被覆剤(i)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物における被覆剤(i)−ジルコニウム複合体の量は、通常、2質量%以上、95質量%以下程度とすることができる。2質量%未満であると1回の反応における酸化ジルコニウム微粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得、95質量%を超えると反応液中の被覆剤(i)−ジルコニウム複合体の濃度が高過ぎて反応が円滑に進行し得ない場合があり得る。より好ましくは5質量%以上、90質量%以下程度とする。
被覆剤(i)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物は、好適には加熱しつつ攪拌する。その条件は特に制限されないが、酸化ジルコニウム前駆体が完全に溶解し、均一な被覆剤(i)−ジルコニウム複合体が形成されるまで加熱攪拌する。例えば30〜80℃程度で30分間〜5時間程度攪拌すればよい。
次に、被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウム微粒子を得る。
水の種類は特に制限されないが、好ましくは純水を用いる。また、当該水のpHは4以上、9以下にすることが好ましいので、酸やアルカリなどを適宜加えてpHを調整してもよい。
水の量は、(水のモル数)/(ジルコニウムのモル数)であらわされる比が2以上、100以下となるようにすることが好ましく、4以上、50以下がより好ましい。前記比が2未満の場合には分散性に劣る酸化ジルコニウム微粒子が生成するおそれがあり得る。一方、前記比が100を超えると水の量が多くなるため、1回の反応における酸化ジルコニウム微粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得る。
被覆剤(i)−ジルコニウム複合体と水との混合液へは、さらに分散剤を添加してもよい。この分散剤は、有機相または水相のいずれか一方または両方で分散性を発揮できるものであればよい。かかる分散剤としては、カルボン酸、アミン化合物、アルコキシド、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤などを挙げることができる。当該分散剤の好適な使用量は、酸化ジルコニウム前駆体に対して0.01モル倍以上、2モル倍以下程度とすることができる。
被覆剤(i)−ジルコニウム複合体と水の混合液が静置状態で二層になる場合には、続く水熱反応直前に激しく攪拌することにより懸濁状態にしてもよい。
当該二層反応混合液は2MPaG未満で水熱反応させる。圧力が2MPaG以上であると粒子が凝集し易くなることがあり、また、装置コストが高くなることがある。一方、常圧で反応させると結晶形成に高温を要し熱による凝集が促進されるおそれがあるため、好適には0.1MPaG以上、より好ましくは0.2MPaG以上で反応させる。
反応温度は、使用する溶媒などの沸点を考慮し、反応容器内の圧力が2MPaG未満となるように設定すればよい。水の飽和水蒸気圧を考慮すれば200℃以下の温度で反応させることが好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常は0.1時間以上、30時間以下程度であり、0.5時間以上、20時間以下が好ましい。
反応系雰囲気は特に制限されず、空気、酸素、水素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などとすることができる。凝集の抑制や安全を考慮すれば、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で反応させることが好ましい。
上記水熱反応の結果、(i)の被覆剤で被覆された酸化ジルコニウム微粒子が生成し、反応容器の下部に沈殿する。当該酸化ジルコニウム微粒子は、粒子の凝集体や析出したカーボンを除去するために精製することが好ましい。例えば、沈殿した酸化ジルコニウム微粒子を濾別したのち、凝集粒子やカーボンを除去するために該微粒子をベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶媒に溶解して濾過する。次いで、得られた濾液を減圧濃縮などにより溶媒を除去することにより精製した酸化ジルコニウム微粒子を得ることができる。
酸化ジルコニウムナノ粒子を製造するために用いた有機溶媒は、水相から分離して再利用することもできる。かかる再利用は廃液量や製造コストを抑制できることから好ましい。
次に、得られた酸化ジルコニウム微粒子に被覆剤(i)以外の被覆剤を作用させて、微粒子の表面を2種以上の被覆剤で被覆することが出来る。
先ず、得られた酸化ジルコニウム微粒子を溶媒に溶解または分散させる。使用する溶媒は酸化ジルコニウム微粒子に適度な分散性を有するものであれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどを用いることができる。被覆剤(i)に被覆された酸化ジルコニウム微粒子は、これら溶媒への分散性が高い。なお、水や炭素数4以下のアルコールなどを用いると該微粒子の2次凝集が起こるおそれがある。よって本発明は、親水性の高い酸化ジルコニウムを水等に分散させて溶解させる従来方法とは全く異なるものである。酸化ジルコニウムの濃度は適宜調整すればよいが、0.1質量%以上、50質量%以下程度にすることが好ましい。
他の被覆剤の使用量は適宜調整すればよいが、通常は被覆剤(i)が結合した酸化ジルコニウム微粒子に対して1質量%以上、60質量%以下とする。1質量%未満の場合には他の被覆剤の量が不足してトルエンなど非極性有機溶媒以外の溶媒に対する分散性が向上しないおそれがある。一方、60質量%を超えると該微粒子に対する被覆剤の量が過剰になる場合があり得る。より好ましくは3質量%以上、50質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上、40質量%以下である。
被覆剤(i)が結合した酸化ジルコニウム微粒子の分散液中へ他の被覆剤を加えた後、加熱処理する。加熱温度は適宜調整すればよいが、通常は30℃以上、180℃未満程度とし、より好ましくは40℃以上、150℃未満、さらに好ましくは50℃以上、130℃未満とする。反応時間も適宜調整すればよいが、通常は0.1時間以上、10時間未満、より好ましくは0.3時間以上、5時間未満程度とする。
反応終了後は溶媒を減圧留去することにより2種以上の被覆剤が結合した酸化ジルコニウム微粒子を回収してもよい。或いは、2種以上の被覆剤が結合した酸化ジルコニウム微粒子を含む反応後溶液へ、当該微粒子との親和性が低い溶媒を添加することによって、当該酸化ジルコニウム微粒子を凝集または析出させてから濾別して回収してもよい。
上記製造方法により得られた、前記(α)である無機酸化物微粒子と、前記(β)である環状単官能化合物と、前記(γ)である多官能化合物と、必要に応じて前記重合開始剤等や前記重合性モノマー、前記添加物、前記溶媒等とを混合することで、前記無機酸化物微粒子組成物が得られる。
前記各成分を混合する順序は特に問わず、全成分を混合後に十分攪拌すればよい。混合中及び混合後は、熱や光により好ましくない重合反応が起こることがあるので、室温以下の温度で、必要により冷却しながら、遮光瓶や金属容器、暗室などの遮光出来る条件下で混合し、保存するのが好ましい。
本発明の無機酸化物微粒子硬化組成物は、熱重合開始剤を含有した場合には、加熱により、光重合開始剤を含有した場合には、紫外線を照射することにより、また、重合開始剤を含有しない場合には、電子線を照射することにより硬化させることができる。
例えば、加熱による硬化の場合、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などを用いればよい。加熱温度は、基材の種類などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは80℃〜200℃、より好ましくは90℃〜180℃、さらに好ましくは100℃〜170℃の範囲内である。加熱時間は、塗布面積などに応じて適宜調節すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは1分間〜24時間、より好ましくは10分間〜12時間、さらに好ましくは30分間〜6時間の範囲内である。
例えば、紫外線による硬化の場合、波長150nm〜450nmの範囲内の光を含む光源を用いればよい。このような光源としては、例えば、太陽光線、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライド灯、ガリウム灯、キセノン灯、カーボンアーク灯などが挙げられる。これらの光源と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などによる熱の併用も可能である。照射積算光量は、好ましくは0.1J/cm2〜10J/cm2、より好ましくは0.15J/cm2〜8J/cm2、さらに好ましくは0.2J/cm2〜5J/cm2の範囲内である。
また、空気中で紫外線による硬化の場合には、前記無機酸化物微粒子組成物に含まれる、前記(α)における少なくとも(メタ)アクリル基を有する被覆剤、前記(β)における環状単官能化合物、前記(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物、前記不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤、前記重合性モノマー成分において、いずれか一種においてアクリル基を有する化合物が含まれているのが好ましく、被覆剤、環状単官能化合物、多官能化合物、シリル化剤、モノマー成分すべてにおいて、全てアクリル基を有することが最も好ましい。
例えば、電子線による硬化の場合、加速電圧が好ましくは10kV〜500kV、より好ましくは20kV〜300kV、さらに好ましくは30kV〜200kVの範囲内である電子線を用いればよい。また、照射量は、好ましくは2kGy〜500kGy、より好ましくは3kGy〜300kGy、さらに好ましくは4kGy〜200kGyの範囲内である。電子線と共に、赤外線、遠赤外線、熱風、高周波加熱などによる熱の併用も可能である。
本発明の無機酸化物微粒子含有硬化組成物は、使用目的に応じて、刷毛塗りなどの手塗りや、ロールコート、グラビアコート、グラビアオフセットコート、カーテンフローコート、リバースコート、スピンコート、スクリーン印刷、スプレー塗装、浸漬法などの従来公知の方法で基材に塗布することができる。塗布量としては、好ましくは0.2g/m2〜100g/m2、より好ましくは0.5g/m2〜70g/m2の範囲内である。また、塗布厚みとしては、好ましくは0.01μm〜100μm、より好ましくは0.1μm〜50μmの範囲内である。
塗布する基材は表面がガラスで覆われていれば良く、板状、球状、繊維状など、形態は問わない。
また、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリアクリレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルアミド(PEI)、ナイロン(NY)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ラクトン環構造含有重合体を含む熱可塑性樹脂組成物やラクトン環構造を有する単量体とメチルメタクリレート(MMA)との共重合体を含む熱可塑性樹脂組成物などの樹脂成形物およびフィルムなどに塗布してもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の主旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
なお、各酸化ジルコニウムナノ粒子の物性の測定方法は、以下の通りである。
<粉末X線回折>
酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造は、全自動多目的X線回折装置(スペクトリス社製、XPert Pro)を用いて測定した。測定条件は以下の通りである。
X線源: CuKα(0.154nm)
X線出力設定: 45kV、40mA
ステップサイズ: 0.017°
スキャンステップ時間: 5.08秒
測定範囲: 5〜90°
測定温度: 25℃
また、得られたX線回折チャートを解析ソフト(XRayCrystal)で解析し、式(1)から結晶性を示すC値を算出した。
<平均粒子径>
酸化ジルコニウムナノ粒子を超高分解能電解放出形走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察した。拡大観察された粒子を任意に100個選択し、各粒子の長軸方向の長さを測定してその平均値を平均粒子径とした。
<全光線透過率>
何も塗工されていないスライドグラス(松浪硝子工業社製、標準大型白緑磨No.2(S9112))を比較とし、以下の実施例7で述べる方法で硬化膜が形成されたスライドグラスに塗工された試験板の厚み方向の1800nm〜340nm領域の透過率を吸光光度計(島津製作所社製分光光度計、UV−3100)を用いて測定することで、硬化塗膜単独の全光線透過率を測定した。
<耐溶剤性>
メチルエチルケトンをしみ込ませた脱脂綿で、塗膜を50回ラビングした後の表面状態を目視観察により以下の基準で評価した。
○:変化無し、△:キズ、×:塗膜が溶解消失
<密着性>
塗膜にカッターナイフで1mm間隔に切り付け、100個のマス目を作り、塗膜上にセロハンテープを張り付け瞬間的に引き剥がし、マス目の残った数で評価した。
<屈折率>
薄膜測定装置(FILMETRICS社製、品番:F20thinfilm analyzer)を用いて550nmにおける屈折率の測定を行った。
(製造例1) 2−エチルヘキサン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(第一稀元素化学工業社製)(782g)に純水(268g)を混合した。当該混合物を撹拌機付きオートクレーブ内に仕込み、反応容器中の雰囲気を窒素ガスにより置換した。その後、反応溶液を180℃まで加熱し、16時間反応させることにより酸化ジルコニウムを合成した。180℃で反応した際の容器中圧力は1.03MPaであった。反応後の溶液を取り出し、底部にたまった沈殿物を濾別してアセトンで洗浄した後に乾燥した。乾燥後の当該沈殿物(100g)をトルエン(800mL)に分散させたところ、白濁溶液となった。次に、精製工程として定量濾紙(アドバンテック東洋社製、No.5C)にて再度濾過し、沈殿物中の粗大粒子などを除去した。次に、濾液を減圧濃縮したトルエンを除去することで白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を回収した。
上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造解析をX線解析装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。得られたX線回折チャートから求めたC値は18であった。よって、上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶性が高いことが分かった。
また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は12nmであった。さらに、赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収が認められた。当該吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している2−エチルヘキサン酸に由来するものと考えられる。
さらに、TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、12質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していた2−エチルヘキサン酸は、粒子全体の12質量%であることが確認された。
また、粒度分布を測定し、式:σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]から変換係数を求めたところ、20%であった。よって、上記ナノ粒子の粒子サイズのバラツキは少ないことがわかった。
(製造例2) 2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)も分散させ、透明溶液を得た。当該溶液に表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.5g、信越化学工業社製、KBM−5103)を添加し、90℃で1時間加熱還流した。次いで、還流処理後の溶液にn−ヘキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾紙により分離後、室温で加熱乾燥し、2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を調製した。
得られた被覆酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶の結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は12nmであった。さらに赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収に加えてSi−O−C由来の吸収が認められた。これら吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来するものと考えられる。また、TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、17質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していた2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランは、粒子全体の17質量%であることが確認された。
また、当該ナノ粒子を蛍光X線分析装置により分析し、Si含有量を測定することで被覆層における3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを定量した。さらに、CHNコーダ分析装置によりナノ粒子中の全C含量を測定し、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン由来のC量を差し引くことで2−エチルヘキサン酸由来のC量を算出し、被覆層における2−エチルヘキサン酸量を求めた。その結果、被覆層における2−エチルヘキサン酸に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在比率は、モル比で1.5であった。また、粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
(製造例3)2−エチルヘキサン酸、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)も分散させ、透明溶液を得た。当該溶液に表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(0.75g、信越化学工業社製、KBM−5103)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(0.75g、信越化学工業社製、KBM−503)を添加し、90℃で1時間加熱還流した。次いで、還流処理後の溶液にn−ヘキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾紙により分離後、室温で加熱乾燥し、2−エチルヘキサン酸、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を調製した。
得られた被覆酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶の結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は12nmであった。さらに赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収に加えてSi−O−C由来の吸収が認められた。これら吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している2−エチルヘキサン酸、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来するものと考えられる。また、TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、18質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していた2−エチルヘキサン酸、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、粒子全体の18質量%であることが確認された。
また、当該ナノ粒子のH−NMRを測定し、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの含有量がモル比で1:1であることが確認された。更に、当該ナノ粒子を蛍光X線分析装置により分析し、Si含有量を測定することで被覆層における3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの含有量を定量した。さらに、CHNコーダ分析装置によりナノ粒子中の全C含量を測定し、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン由来のC量を差し引くことで2−エチルヘキサン酸由来のC量を算出し、被覆層における2−エチルヘキサン酸量を求めた。その結果、被覆層における2−エチルヘキサン酸に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在比率は、モル比でそれぞれ0.75であった。粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
(製造例4)2−エチルヘキサン酸、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)も分散させ、透明溶液を得た。当該溶液に表面処理剤として3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.5g、信越化学工業社製、KBM−503)を添加し、90℃で1時間加熱還流した。次いで、還流処理後の溶液にn−ヘキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾紙により分離後、室温で加熱乾燥し、2−エチルヘキサン酸、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を調製した。
得られた被覆酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶と単斜晶の結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。また、当該酸化ジルコニウムナノ粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は12nmであった。さらに赤外吸収スペクトルにより分析したところ、C−H由来の吸収とCOOH由来の吸収に加えてSi−O−C由来の吸収が認められた。これら吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している2−エチルヘキサン酸と3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに由来するものと考えられる。また、TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)により、空気雰囲気下10℃/分の速度で800℃まで昇温した時の酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、18質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していた2−エチルヘキサン酸、及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは、粒子全体の18質量%であることが確認された。
また、当該ナノ粒子を蛍光X線分析装置により分析し、Si含有量を測定することで被覆層における3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを定量した。さらに、CHNコーダ分析装置によりナノ粒子中の全C含量を測定し、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン由来のC量を差し引くことで2−エチルヘキサン酸由来のC量を算出し、被覆層における2−エチルヘキサン酸量を求めた。その結果、被覆層における2−エチルヘキサン酸に対する3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在比率は、モル比で1.5であった。また、粒度分布から求めた変換係数は、上記製造例1の粒子と同様に20%であった。
(実施例1)
茶色褐色ガラス瓶に製造例2で合成したアクリル基含有ジルコニアナノ粒子7.0g、ライトアクリレートIB−XA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学社製)1.5g、ライトエステルTMP(トリメチロールプロパントリメタクリレート、共栄社化学社製)1.5g、KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越化学工業社製)0.3g、Irgacure184(光ラジカル重合開始剤、チバジャパン製)0.4g、メチルエチルケトン10.0gを仕込み、均一になるまで撹拌を行い、無機酸化物微粒子含有組成物を得た。
(実施例2〜5)
表1に示した配合割合で行った以外は、実施例1と同様の手法で組成物を得た。
(比較例1〜4)
表1に示した配合割合で行った以外は、実施例1と同様の手法で組成物を得た。
Figure 0005435919
表1中の略号は以下の通りである。
IBX−A:ライトアクリレートIB−XA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学社製)
MEDOL10:(2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート(大阪有機化学工業社製)
TMP:ライトエステルTMP(トリメチロールプロパントリメタクルレート、共栄社化学社製)
TMP−A:ライトアクリレートTMP−A(トリメチロールプロパントリアクルレート、共栄社化学社製)
CN991:ウレタンアクリレート(SARTOMER社製)
KBM−503:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
KBM−5103:3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製)
Irgacure184:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバジャパン社製)
(実施例7)
スライドグラス(松浪硝子工業社製、標準大型白緑磨No.2(S9112)上に、実施例1で得られた無機酸化物微粒子含有組成物を、バーコーターで膜厚3μmになるよう、塗工を行い、80℃にて2分乾燥後、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプで2000mJ/cm2の紫外線を照射することにより硬化させ、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜の全光線透過率、耐溶剤性、密着性、屈折率を測定した結果を表2に示した。
(実施例8〜12)
表2に示した無機酸化物微粒子含有組成物を用いた以外は、実施例7と同様の手法により硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の全光線透過率、耐溶剤性、密着性、屈折率を測定した結果を表2に示した。
(比較例5〜8)
表2に示した無機酸化物微粒子含有組成物を用いた以外は、実施例7と同様の手法により硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の全光線透過率、耐溶剤性、密着性を測定した結果を表2に示した。
Figure 0005435919
表2において、本発明である実施例7〜12は、全光線透過率、耐溶剤性、密着性、屈折率の全ての物性において優れていることが確認できる。

Claims (8)

  1. 無機酸化物微粒子と重合性モノマーとを含有する無機酸化物微粒子含有組成物において、(α)少なくとも(メタ)アクリル基を含有する被覆材および下記式(i)で表される被覆剤(i)により被覆されている無機酸化物微粒子と、(β)環状構造を有し、かつ1個の重合性不飽和基を有する環状単官能化合物と、(γ)少なくとも2個以上の重合性不飽和基を有する多官能化合物とを、含有することを特徴とする無機酸化物微粒子含有組成物。
    R1−COOH 式(i) [式中、R1は炭素数5〜30の炭化水素基を示す。]
  2. 前記(α)における無機酸化物微粒子が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブから選ばれる少なくとも一種の無機金属酸化物を含むナノ粒子であることを特徴とする、請求項1記載の無機酸化物微粒子含有組成物
  3. 前記(β)における環状単官能化合物が、環状構造を有するアルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物であることを特徴とする、請求項1又は2記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
  4. 前記(γ)における多官能化合物が、少なくとも2個以上の(メタ)アクリル酸とのエステル基を有する多エステル基含有化合物であることを特徴とする、請求項1〜3記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
  5. 不飽和基とシリル基とを有するシリル化剤を用いることを特徴とする、請求項1〜4記載の無機酸化物微粒子含有組成物。
  6. 遮光条件下で前記(α)、前記(β)、前記(γ)を混合し、攪拌することを特徴とする請求項1〜5記載の無機酸化物微粒子含有組成物の製造方法。
  7. 請求項1〜5記載の無機酸化物微粒子含有組成物を硬化させて得られる無機微粒子含有硬化組成物。
  8. 請求項1〜5記載の無機酸化物微粒子含有組成物をガラス表面上に硬化させて得られる無機微粒子含有硬化膜を有する光学材料。
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