JP6417528B2 - 化合物、金属酸化物粒子及び金属酸化物粒子の製造方法 - Google Patents
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O=ZrCl2+2R1COONa
→O=Zr(OCOR1)2+2NaCl ・・・(文献1−1)
O=Zr(OCOR1)2+20H2O
→カルボン酸被覆酸化ジルコニウムナノ粒子 ・・・(文献1−2)
Mm(−OCO−R)n・・・(1)
式(1)中、
Mは金属又はオキソ金属であり、
Rは炭素数が1以上、20以下で、ハロゲン及び/又はヘテロ原子を有していても良い直鎖構造、分岐構造、脂環構造、又は芳香族環構造の炭化水素基であり、
mは1以上の整数であり、
Mが金属である場合はその価数をa価と表し、Mがオキソ金属である場合はオキソ金属を構成する金属の価数を(a+2)価と表す時、nは(i)Rを構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2であり、且つ鎖長2のメチレン鎖の数が0又は1である場合には、m≦n≦a×mの関係を満たす整数であり、(ii)Rを構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2であることと、Rを構成する鎖長2のメチレン鎖の数が0又は1であることの両方の要件を満たす場合以外は、m≦n<a×mの関係を満たす整数であることを特徴とする化合物である。
−OCO−R’・・・(2)
(但し、式中、R’は飽和炭化水素基であり、この飽和炭化水素基を構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2でありかつ鎖長2のメチレン鎖の数は0または1である。)
本発明の化合物は、下記式(1)で表される化合物であって、
Mm(−OCO−R)n・・・(1)
式(1)中、
Mは金属又はオキソ金属であり、
Rは炭素数が1以上、20以下で、ハロゲン及び/又はヘテロ原子を有していても良い直鎖構造、分岐構造、脂環構造、又は芳香族環構造の炭化水素基であり、
mは1以上の整数であり、
Mが金属である場合はその価数をa価と表し、Mがオキソ金属である場合はオキソ金属を構成する金属の価数を(a+2)価と表す時、nは(i)Rを構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2であり、且つ鎖長2のメチレン鎖の数が0又は1である場合には、m≦n≦a×mの関係を満たす整数であり、(ii)Rを構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2であることと、Rを構成する鎖長2のメチレン鎖の数が0又は1であることの両方の要件を満たす場合以外は、m≦n<a×mの関係を満たす整数であることを特徴とする化合物である。
この場合、Mが金属である場合はその価数をa価と表し、Mがオキソ金属である場合はオキソ金属を構成する金属の価数を(a+2)価と表す時(すなわち、Mが結合可能な配位数をaと表す時)、nはm≦n≦a×mの関係を満たす整数である。すなわち、Mの配位が全てカルボキシレート基と結合していても良いし、カルボキシレート基と結合していないMの配位があっても良い。このようなカルボキシレート基を結合させた本発明の化合物は、前記Rが疎水性であるため、特に疎水性の溶媒や疎水性の樹脂等への分散性が良好となり、作業性が向上する。さらに、該化合物により得られる金属酸化物粒子の疎水性の溶媒や疎水性の樹脂等への分散性も良好になる。さらにR中のメチレン鎖の鎖長が最大で2であり、且つ鎖長2のメチレン鎖の数が0又は1であるため、該化合物により得られる金属酸化物粒子の耐熱性を向上できる。
この場合、Mが金属である場合はその価数をa価と表し、Mがオキソ金属である場合はオキソ金属を構成する金属の価数を(a+2)価と表すと、nはm≦n<a×mの関係を満たす整数である。すなわち、Mの配位のうちカルボキシレート基が結合していないものが存在する。
例えば金属がジルコニウムである例では、炭酸ジルコニウム、オキシ炭酸ジルコニウム、水酸化ジルコニウム、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、硫酸ジルコニウム、オクタン酸ジルコニウム、オレイン酸酸化ジルコニウム、酢酸ジルコニウム、ステアリン酸酸化ジルコニウム、ラウリン酸酸化ジルコニウム、テトラブトキシジルコニウム等のジルコニウムアルコキサイド等が挙げられる。また、金属がチタンである例では、水酸化チタン、塩化チタン、オキシ塩化チタン、オキシ酢酸チタン、オキシ硝酸チタン、硫酸チタン、オクタン酸チタン、オレイン酸酸化チタン、酢酸チタン、ステアリン酸酸化チタン、ラウリン酸酸化チタン、テトラブトキシチタン(例えば、テトラ−n−ブトキシチタン)等のチタンアルコキサイド等が挙げられる。
−OCO−R’・・・(2)
(但し、式中、R’は飽和炭化水素基であり、この飽和炭化水素基を構成するメチレン鎖の鎖長が最大で2であり、且つ鎖長2のメチレン鎖の数は0または1である。)で表されるカルボキシレート基を有するカルボキシレート化合物で被覆された金属酸化物粒子である場合には、上述したように本発明の化合物のうちの(i)の場合の化合物を経由しても良いし、経由しなくても良い。本発明の化合物(i)を経由しない場合の金属酸化物粒子は、例えば金属酸化物粒子に有機合成的にカルボキシレート化合物を付加する方法(例えば、R’COO構造を有するカルボン酸やシランカップリング剤を、未修飾の金属酸化物粒子に乾式法や湿式法で処理する方法)などが挙げられる。
金属の炭酸塩又はオキソ金属の炭酸塩である金属化合物又はオキソ金属化合物は、特に限定されないが、金属酸化物粒子の屈折率を考慮した場合、例えばAl、Ti、Zr、In、Zn、Sn、La、Y、Ce、これらの部分酸化物の炭酸塩であり、好ましくはAl、Ti、Zr、Zn、Sn、Ce、これらの部分酸化物の炭酸塩、更に好ましくはAl、Ti、Zr、Zn、Sn、これらの部分酸化物の炭酸塩であり、特にTi、Zr、Zrの部分酸化物の炭酸塩が好ましい。
カルボン酸は、前述の本願発明の化合物で例示したカルボン酸を挙げることができる。
単官能単量体は、重合可能な炭素−炭素二重結合を1つだけ有する化合物であればよく、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等が挙げられるが、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これら例示の単官能単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
架橋性単量体は、単官能単量体が有する炭素−炭素二重結合と共重合可能な炭素−炭素二重結合を複数含有する化合物であればよい。該架橋性単量体としては、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の多官能スチレン系単量体;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリルエステル系単量体等が挙げられる。
金属酸化物粒子の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析した。測定条件は以下の通りである。
X線源:CuKα(0.154nm)
X線出力設定:50kV、300mA
サンプリング幅:0.0200°
スキャンスピード:10.0000°/min
測定範囲:10〜75°
測定温度:25℃
(2)正方晶、単斜晶の割合の定量
X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて算出される値を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて参照強度比法(RIP法)により定量した。
結晶子径は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析することにより算出した。すなわち、酸化ジルコニウム粒子の場合は2θ=30°のピーク、酸化チタン粒子の場合は2θ=25°の半値幅を用いて、下記シェラーの式から結晶子径(L)を算出した。
L=Kλ/βcosθ
K:定数
λ:使用X線管球の波長
β:半値幅
2θ:回折角度
(4)電子顕微鏡による平均粒子径の測定
金属酸化物粒子の平均一次粒子径は、超高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察することによって測定した。倍率15万倍で金属酸化物粒子を観察し、任意の100個の粒子について、各粒子の長軸方向の長さを測定し、その平均値を平均一次粒子径とした。
TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)装置により、空気雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分で金属酸化物粒子を昇温し、該粒子の重量減少率を測定した。この重量減少率により、金属酸化物粒子を被覆しているカルボキシレート化合物の割合、及び金属酸化物の割合を知ることができる。
酸化ジルコニウム粒子の場合は、酸化ジルコニウム粒子を、空気雰囲気下、180℃で24時間放置し、その後の色の変化を目視で観察した。白色のままで変化しなかったものを合格とし、黄変したものを不合格とした。
酸化チタン粒子の場合は、酸化チタン粒子を、空気雰囲気下、180℃で24時間放置し、その後の色の変化を目視で観察した。変色しなかったものを合格とし、変色したものを不合格とした。
(7)炭素含有量の測定
J−Science社製JM10により、炭素含有量の測定を行った。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品であり、含水量はジルコニウム1モルに対して7モル。日本軽金属社製)、2,2−ジメチル酪酸83g(東京化成工業社製)、キシレン50g、及び脱イオン水59gの混合液を、開放系にて80℃まで昇温し、1時間攪拌した。反応後の有機層5gを取り出し、アセトン50g中に添加したところ白色沈殿が析出した。析出した白色沈殿をろ過にて取り出し、室温、真空下12時間乾燥を行うことで、ZrO(OH)(CO3)1/2(1-n)(OCOC5H11)nを得た。得られた化合物の「(5)重量減少率の測定」に従って測定した重量減少率が53%であったことから、得られた化合物中に含有されるZrO2の重量割合が47%であり、このことからZr原子の重量割合が35%であることがわかった。また、「(7)炭素含有量の測定」に従って測定した結果得られた化合物の炭素含有量が30%であったことから、C5H11COOユニットの含有割合が48%であることがわかった。この結果からZr原子とC5H11COOユニットのモル比が1/1となり、上記式においてn=1であることがわかった。
攪拌下、40℃の純水210.6gに、水酸化ナトリウム30g(キシダ化学社製、特級)を添加して、水酸化ナトリウム水溶液を得た。次に、攪拌下、前記水酸化ナトリウム水溶液に、2,2−ジメチル酪酸100.0g(東京化成工業社製)を添加し、2,2−ジメチル酪酸ナトリウム水溶液を調製した。
続いて、前記2,2−ジメチル酪酸ナトリウム水溶液に、キシレン432.8g(北港化学社製)を加え、80℃まで加熱し、攪拌下、オキシ塩化ジルコニウム221.8g(ZrOCl2・8H2O、第一希元素化学工業社製、ジルコゾール ZC−20)を20分かけて投入した。その後、80℃で1時間攪拌を続け、水相を除去した後、有機層を十分に水洗することで、2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムキシレン溶液490gを得た。続いて、2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムキシレン溶液をエバポレーターにて120gまで濃縮し、そこにメタノール360g(北港化学社製)を加えて析出した白色の2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムを濾過にて取り出し、室温で真空下12時間乾燥した。「(5)重量減少率の測定」に従って測定した乾燥後の2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムの重量減少率は65%であり、乾燥後の2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムの収量は100gであった。
上記2,2−ジメチル酪酸ジルコニウムは「(5)重量減少率の測定」に従って測定した重量減少率が65%であったことから、得られた化合物中に含有されるZrO2の重量割合が35%であり、このことからZr原子の重量割合が26%であることがわかった。また、「(7)炭素含有量の測定」に従って測定した結果得られた化合物の炭素含有量が41%であったことから、C5H11COOユニットの含有割合が66%であることがわかった。この結果からZr原子とC5H11COOユニットのモル比が1/2となり、その構造がZrO(OCOC5H11)2であることを確認した。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(組成式:Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%の湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸83g(ジルコニウム1モルに対して2モル)と、キシレン50g、及び脱イオン水59g(ジルコニウム1モルに対して9モル)の混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.5MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子40gを得た。
2,2−ジメチル酪酸を63g(ジルコニウム1モルに対して1.5モル)用いたこと以外は実施例3と同様にして、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子29gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸83gと、1,2,4−トリメチルベンゼン50g、及び脱イオン水59gの混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.5MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子37gを得た。
2,2−ジメチル酪酸を63g用いたこと以外は実施例5と同様にして、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子36gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸63gと、1,2,4−トリメチルベンゼン50g、及び脱イオン水59g、NaOH3g(ジルコニウム1モルに対して0.2モル)の混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.6MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子46gを得た。
2,2−ジメチル酪酸を42g(ジルコニウム1モルに対して1モル)用いたこと以外は実施例7と同様にして、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子44gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸42gと、1,2,4−トリメチルベンゼン100g、及びNaOH3gの混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.4MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子35gを得た。
2,2−ジメチル酪酸を21g(ジルコニウム1モルに対して0.5モル)用い、オートクレーブ内圧力を2.6MPaとしたこと以外は実施例9と同様にして、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子26gを得た。
1,2,4−トリメチルベンゼンを50g用い、オートクレーブ内圧力を2.6MPaとしたこと以外は実施例9と同様にして、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子43gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸63gと、脱イオン水59g、及びNaOH3gの混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.6MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子47gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)と、2,2−ジメチル酪酸83gと、1,2,4−トリメチルベンゼン50g、脱イオン水59g、及びNaOH9g(ジルコニウム1モルに対して0.6モル)の混合液をオートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を170℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は2.1MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子41gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)、2,2−ジメチル酪酸83g、1,2,4−トリメチルベンゼン50g、及び脱イオン水59gの混合液を、開放系にて80℃まで昇温し、1時間攪拌した。その後、NaOHを9g添加し、オートクレーブ内に入れ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を170℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は0.8MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子38gを得た。
塩基性炭酸ジルコニウム100g(Zr2(CO3)(OH)2O2、ZrO2含有率43%湿体品、日本軽金属社製)、2,2−ジメチル酪酸83g、キシレン50g、及び脱イオン水59gの混合液を、開放系にて80℃まで昇温し、1時間攪拌した。その後、混合液をオートクレーブ内に入れ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、22時間保持した(オートクレーブ内圧力は1.4MPa)。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン200gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子41gを得た。
実施例2で得られた2,2−ジメチル酪酸ジルコニウム270gに、キシレン338g及び純水288gを混合して混合液を得た。該混合液を、攪拌機付きオートクレーブ内に仕込み、該オートクレーブ内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、該温度で16時間保持(オートクレーブ内圧力は1.4MPa)して反応させた後、オートクレーブから取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン210gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子103gを得た。
攪拌下、40℃の純水421gに、水酸化ナトリウム60g(キシダ化学社製、特級)を添加して、水酸化ナトリウム水溶液を得た。次に、攪拌下、前記水酸化ナトリウム水溶液に、3,3−ジメチル酪酸200.0g(東京化成工業社製)を添加し、3,3−ジメチル酪酸ナトリウム水溶液を調製した。
攪拌下、40℃の純水11.5gに、水酸化ナトリウム2.6g(キシダ化学社製、特級)を添加して、水酸化ナトリウム水溶液を得た。次に、攪拌下、前記水酸化ナトリウム水溶液に、ピバリン酸7.5g(東京化成工業社製)を添加し、ピバリン酸ナトリウム水溶液を調製し、80℃まで加熱した。
実施例17で得られた酸化ジルコニウム粒子1.0g、ステアリン酸1.0g、及びトルエン18.0gを混合し、50℃にて加熱することで酸化ジルコニウム粒子透明分散液を得た。
実施例15で得た酸化ジルコニウム粒子1g、酢酸4.5g、脱イオン水4.5gを混合し、酸化ジルコニウム分散液を得た。該分散液にプラクセルFM−1 0.5g(水酸基含有メタクリルモノマー、ダイセル化学社製)、及びDAROCUR1173(ラジカル型光重合開始剤、BASF社製)を混合することで酸化ジルコニウム分散体を得た。該分散体をガラス板上にピペットにて0.1g滴下し、150℃にて30分加熱した。その後、高圧水銀ランプで8J/cm2の紫外線を照射することにより硬化させて、透明な塗膜を得た。得られた塗膜は指で触っても指紋が入ることはなく、十分硬化が進んでいることを確認した。
実施例7と12を比較すると、芳香族炭化水素系溶媒を用いることで、正方晶の割合を向上できることが分かる。
実施例9と11を比較すると、芳香族炭化水素系溶媒の量が多くなると、正方晶の割合が大きくなることが分かる。
実施例6と7を比較すると、NaOHを用いることによって、正方晶の割合を向上できることが分かる。
実施例8と11を比較すると、水の量によって正方晶の割合を調整できることが分かる。
実施例3と15、13と14をそれぞれ比較すると、ジルコニウム炭酸塩とカルボン酸とを先に反応させてから水熱処理を行った方が、前記反応と水熱処理を同時に行う場合に比べて、水熱処理時の反応圧力を低くできることが分かる。
テトラ−n−ブトキシチタン(170g、0.5mol、日本曹達社製「B−1」)と、3,3−ジメチル酪酸(280g、2.4mol)の混合液を、ガラス製のセパラブルフラスコ中にて80℃で3時間反応させた。得られた溶液に脱イオン水(65g、チタン1モルに対して7モル)を加え、オートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を190℃まで加熱し、16時間保持した。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してメタノール(500g)で洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、黄色の被覆型酸化チタン粒子(被覆型TiO2粒子)62gを得た。
得られた被覆型酸化チタン粒子の結晶構造を確認したところ、アナターゼ型に帰属される回折線のみが検出された。また結晶子径は6nmであった。
さらに上記した「(5)重量減少率の測定」に従って測定した被覆型酸化チタン粒子の重量減少率は10質量%であった。従って、酸化チタン粒子を被覆する3,3−ジメチル酪酸及び/又は3,3−ジメチル酪酸由来のカルボキシレートの合計量は、被覆型酸化チタン粒子全体の10質量%であることが分かった。
Claims (8)
- 下記式(1)で表される化合物であって、
Mm(−OCO−R)n・・・(1)
式(1)中、
Mはオキソジルコニウム又はチタンであり、
Rは2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、又はピバリン酸における炭化水素基であり、
mは1以上の整数であり、
Mがチタンである場合はその価数をa価と表し、Mがオキソジルコニウムである場合はオキソジルコニウムを構成するジルコニウムの価数を(a+2)価と表す時、nはm≦n≦a×mの関係を満たす整数であることを特徴とする化合物。 - 下記式(2)で表されるカルボキシレート、又はR’COOHで表されるカルボン酸化合物(但し、前記R’は2,2−ジメチル酪酸又は3,3−ジメチル酪酸における炭化水素基である。)で被覆されていることを特徴とするジルコニウム酸化物粒子又はチタン酸化物粒子。
−OCO−R’・・・(2)
(但し、式中、R’は2,2−ジメチル酪酸又は3,3−ジメチル酪酸における炭化水素基である。) - 水の存在下で、塩基性炭酸ジルコニウムと、2,2−ジメチル酪酸を含む混合物を加熱することを特徴とする−OCO−R’’又はR’’COOH(但し、前記R’’は2,2−ジメチル酪酸における炭化水素基)で被覆されたジルコニウム酸化物粒子の製造方法。
- 芳香族炭化水素の存在下で反応させる請求項3に記載のジルコニウム酸化物粒子の製造方法。
- 反応時の水の量が塩基性炭酸ジルコニウム1モルに対して17モル以下である請求項3又は4に記載のジルコニウム酸化物粒子の製造方法。
- 塩基性化合物の存在下で反応させる請求項3、4、又は5に記載のジルコニウム酸化物粒子の製造方法。
- 請求項1に記載の化合物を含有すると共に、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、又はミネラルスピリットを含有する組成物。
- 請求項2に記載のジルコニウム酸化物粒子又はチタン酸化物粒子を含有する組成物。
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