JP2013184933A - 金属酸化物粒子 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に良好に分散できるとともに、結晶系が主に単斜晶からなる金属酸化物粒子を得ることを目的とする。
【解決手段】本発明は、下記式(1)で表されるカルボキシレート化合物で被覆された金属酸化物粒子であって、金属酸化物中の単斜晶の割合が、全結晶系の合計に対して90%以上であることを特徴とする金属酸化物粒子である。
−OC(=O)−R ・・・(1)
(上記式(1)中、Rは炭化水素基である。)
本発明の金属酸化物粒子は、Ti、Al、Zr、Zn及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種の酸化物であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属酸化物粒子に関し、特に単斜晶の割合が高い金属酸化物粒子に関する。
金属酸化物粒子は、光学材料、電子部品材料、磁気記録材料、触媒材料、紫外線吸収材料など様々な材料の高機能化や高性能化に寄与するため、非常に注目されている。このような金属酸化物粒子による高機能化や高性能化を実現するためには、金属酸化物粒子が基材に良好に分散できることが要求される。
例えば、特許文献1は、2種以上の被覆剤により被覆されており、被覆剤の少なくとも1種がR1−COOH(R1は炭素数6以上の炭化水素基)である酸化ジルコニウム粒子を開示している。特許文献1によれば、酸化ジルコニウム粒子が様々な溶媒に対して良好な分散性を示すため、組成物中での凝集を防止できる。また、金属酸化物粒子の結晶系としては、例えば立方晶、正方晶、単斜晶などが知られており、特許文献1では、例えば酸化ジルコニウムなどにおいて、高い屈折率を実現するために正方晶の割合が多いものが好ましい旨が開示されている。特許文献1で具体的に開示された製造例でも、結晶系が主に正方晶からなる酸化ジルコニウム粒子が得られた旨が記載されている。しかし、結晶系が主に単斜晶からなる金属酸化物粒子は、未だ知られていない。
特開2008−44835号公報
本発明は、基材に良好に分散できるとともに、結晶系が主に単斜晶からなる金属酸化物粒子を得ることを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表されるカルボキシレート化合物で被覆された金属酸化物粒子であって、金属酸化物中の単斜晶の割合が、全結晶系の合計に対して90%以上であることを特徴とする金属酸化物粒子である。
−OC(=O)−R ・・・(1)
(上記式(1)中、Rは炭化水素基である。)
本発明の金属酸化物粒子は、Ti、Al、Zr、Zn及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種の酸化物であることが好ましい。
また、本発明は上記金属酸化物粒子を含有する組成物も包含する。
本発明によれば、基材への分散性が優れるとともに、単斜晶の割合の高い金属酸化物粒子を提供できる。
図1は、後記する実施例(実施例1)における酸化ジルコニウム粒子のX線回折ピークを示すグラフである。 図2は、後記する実施例(比較例1)における酸化ジルコニウム粒子のX線回折ピークを示すグラフである。
金属酸化物の結晶系としては、立方晶、正方晶、単斜晶などが挙げられる。本発明の金属酸化物粒子は、単斜晶の割合が、全結晶系の合計に対して90%以上である。単斜晶の割合は、好ましくは96%以上であり、より好ましくは100%である。各結晶系の割合は、X線回折チャートから正方晶、立方晶、単斜晶などの各結晶系に帰属される回折ピークを同定し、これらのピーク強度から含有比率をPDXLなどの解析ソフトで計算して求めることができる。
また、本発明の金属酸化物粒子は、カルボキシレート化合物で被覆されている(以下、被覆型金属酸化物粒子と呼ぶ)。従って、本発明の金属酸化物粒子は基材への分散性に優れている。本発明において「被覆」とは、カルボキシレート化合物が金属酸化物に化学的に結合した状態、カルボキシレート化合物が金属酸化物に物理的に付着した状態の両方を包含する。
本発明におけるカルボキシレート化合物は、下記式(1)で表される基を有する。なお、下記式(1)で表される基は、金属酸化物に化学結合するか、或いは水素原子やカチオン性原子と共にカルボン酸やその塩を形成して金属酸化物に付着する。
−OC(=O)−R・・・(1)
上記式(1)中、Rは炭化水素基である。このようなカルボキシレート化合物を被覆させると、前記Rが疎水性であるため、特に疎水性の溶媒や疎水性の樹脂等への金属酸化物粒子の分散性が良好になる。上記R中の総炭素数は、3以上であることが好ましい。R中の総炭素数を3以上とすることによって、溶媒や樹脂中での分散性を向上できる。分散性の観点からは、R中の総炭素数は多い方が好ましく、その下限値は、4がより好ましく、さらに好ましくは5である。一方、R中の総炭素数の上限は特に限定されないが、例えば、20以下である。
上記カルボキシレート化合物を形成するカルボン酸は、例えば、酪酸、吉草酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸;ピバリン酸、2,2−ジメチル酪酸、3,3−ジメチル酪酸、2,2−ジメチル吉草酸、2,2−ジエチル酪酸、3,3−ジエチル酪酸、2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクタン酸、ネオデカン酸などの分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの環状カルボン酸などを使用することができる。これらのうち特に分枝鎖状カルボン酸が好適である。分枝鎖状カルボン酸とすることによって、金属酸化物粒子の凝集を抑制できる。
前記カルボキシレート化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
金属酸化物粒子と、これを被覆するカルボキシレート化合物の割合は、金属酸化物粒子100質量部に対して、カルボキシレート化合物が0.1質量部以上であることが好ましい。このようにすることによって、金属酸化物粒子の溶媒等への分散性を向上できる。カルボキシレート化合物の量は、より好ましくは0.5質量部以上であり、さらに好ましくは2質量部以上である。被覆量が多いと、単位体積当たりに含有される金属酸化物粒子の量が少なくなるため、好ましくない。そこでカルボキシレート化合物の量は、通常30質量部以下であり、好ましくは25質量部以下であり、より好ましくは20質量部以下である。
金属酸化物粒子を形成する金属としては、例えばTi、Al、Zr、In、Zn、Sn、La、Y、Ce、Mg、Ba、Caなどが挙げられ、高屈折率の金属酸化物を提供できるという観点からはTi、Al、Zr、Zn及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種(特にZr)が好ましい。金属酸化物としては、単一金属の酸化物であっても良いし、2種以上の酸化物の固溶体であってもよいし、或いは複合酸化物であってもよい。単一金属酸化物には、例えば、酸化アルミニウム(Al23)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化インジウム(In23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO2)、酸化ランタン(La23)、酸化イットリウム(Y23)、酸化セリウム(CeO2)、酸化マグネシウム(MgO)が含まれる。2種以上の酸化物の固溶体としては、ITO、ATOなどが挙げられる。複合酸化物は、例えばチタン酸バリウム(BaTiO3)、灰チタン石(CaTiO3)、スピネル(MgAl24)などである。
X線回折解析により算出される金属酸化物粒子の結晶子径は、20nm以下であることが好ましい。このようにすることによって、該金属酸化物粒子を含有する組成物の透明率を向上できる。該結晶子径は、より好ましくは15nm以下であり、さらに好ましくは10nm以下である。該結晶子径の下限は、通常1nm程度である。
金属酸化物粒子の粒子径は、各種電子顕微鏡観察によって得られた画像を処理することによって得られる平均粒子径によって評価でき、該平均粒子径(平均一次粒子径)は、50nm以下が好ましい。このようにすることによって、該金属酸化物粒子を含有する組成物の透明率を向上できる。平均一次粒子径は、より好ましくは30nm以下であり、さらに好ましくは25nm以下である。平均一次粒子径の下限は、通常1nm程度である。
前記平均粒子径は、金属酸化物粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大観察し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その算術平均を求めることで決定できる。
金属酸化物粒子の形状としては球状、粒状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状、薄片状などが挙げられる。溶媒への分散性などを考慮すると、前記形状としては、球状、粒状、柱状などが好ましい。
金属酸化物粒子の結晶子径、粒子径、及び形状は、反応温度、反応圧力、溶媒の種類、溶媒の濃度などを調整することによって制御できる。
上述したような、カルボキシレート化合物で被覆され、かつ単斜晶の割合が多い金属酸化物粒子は、金属酸化物形成原料(非酸化物型金属化合物。以下、単に金属化合物という)と、上記式(1)の基を有するカルボン酸又はカルボン酸塩(以下、カルボン酸原料という)とから調製される。そして、金属化合物を単斜晶型金属酸化物としつつ、カルボン酸原料で被覆するには、水の存在下で、金属化合物と、カルボン酸原料との混合物を、所定の温度で熱処理することが重要である。
より具体的には、(i)金属化合物と、カルボン酸原料とを先に反応させ、金属化合物とカルボン酸原料とが結合した金属カルボン酸化合物を合成した後、その化合物を水とともに熱処理(水熱酸化処理)することによって単斜晶型被覆金属酸化物粒子を合成する、化合物合成先行型処方であっても良いし、(ii)金属化合物と、カルボン酸原料と、水との混合物を熱処理(水熱酸化処理)することで、前記金属カルボン酸化合物の合成とその酸化を一度に行う、ワンタイミング処方であってもよい。なお、本明細書では、前記水熱酸化処理を行う工程を「水熱処理工程」と称する場合がある。
前記化合物合成先行型処方やワンタイミング処方では、水熱処理温度を175℃以下とすることが重要である。このような熱処理温度にすることによって、単斜晶の割合を増加させることができる。前記加熱温度は、好ましくは170℃以下である。加熱温度の下限は、通常150℃程度である。
水熱処理時の圧力は、水熱温度に応じて適宜設定でき、例えば0.5〜3.0MPa程度(好ましくは、0.7〜2.0MPa)の範囲から選択できる。また水熱処理の時間は、水熱温度と所望の収量に応じて適宜設定できるが、例えば5〜50時間程度(好ましくは10〜40時間)である。水熱処理時の雰囲気は大気などの酸化性雰囲気、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、還元性雰囲気などいずれでも良いが、好ましくは不活性ガス雰囲気である。また、水熱処理時の水の量は、金属化合物中の金属1モルに対して3〜30モル程度とすれば良い。また、化合物合成先行型処方での金属化合物とカルボン酸原料との反応は、通常溶媒中で実施される。この反応の温度は、例えば60〜100℃(好ましくは70〜90℃)程度であり、反応時間は、例えば、30分〜3時間程度である。
前記各処方に使用する金属化合物としては、金属の水酸化物、ハロゲン化物(塩化物など)、オキシハロゲン化物(オキシ塩化物など)、塩類(オキシ硝酸塩、硫化物、カルボン酸塩、炭酸塩、アミノ化合物塩など)、金属アルコキシドなどを用いることができる。これらのうち、オキシ塩化物、炭酸塩などが好ましい。これらを用いることによって微細な金属酸化物を得ることが可能である。
カルボン酸原料の使用割合は、金属化合物中の金属1モルに対して0.1〜10モル程度(好ましくは、0.5〜3モル)である。
上記単斜晶型金属酸化物粒子は、単独で用いてもよいが、他の物質と共に組成物として用いてもよい。この組成物には、前記金属酸化物粒子が適当な媒体に分散した分散体、前記金属酸化物粒子を含む樹脂組成物などが含まれる。
前記分散体では、金属酸化物粒子を溶媒に分散させても良い。この溶媒は金属酸化物粒子を良好に分散できるものであれば良く、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどのエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ミネラルスピリットなどの炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類;水;鉱物油、植物油、ワックス油、シリコーン油などの油類を挙げることができる。これらのうち1種を選択して使用することもできるし、2種以上を選択し混合して用いることもできる。取扱性の面から、常圧での沸点が40℃以上、250℃以下程度の溶媒が好適である。
前記分散体では、金属酸化物粒子を良好に分散可能な媒体であれば、単官能単量体、架橋性単量体などの重合性化合物を媒体としても良い。
単官能単量体は、重合可能な炭素−炭素二重結合を1つだけ有する化合物であればよく、(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、p−tert−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、p−クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有単量体等が挙げられる。上記の(メタ)アクリル酸エステルとしては、具体的には、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル等が挙げられるが、メチル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これら例示の単官能単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
架橋性単量体は、単官能単量体が有する炭素−炭素二重結合と共重合可能な炭素−炭素二重結合を複数含有する化合物であればよい。該架橋性単量体としては、具体的には、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等の多官能スチレン系単量体;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等の多官能アリルエステル系単量体等が挙げられる。
分散体に占める金属酸化物粒子の濃度は用途に応じて適宜設定することができるが、通常、当該分散体に対して90質量%以下である。90質量%を超えると均一に分散し難くなり分散体が白濁するおそれがあり得る。一方、下限値は特に制限されないが、媒体コストを考慮すると、例えば、1質量%以上である。より好ましくは5質量%以上、80質量%以下、さらに好ましくは10質量%以上、70質量%以下である。
前記樹脂組成物を構成する場合、媒体(マトリックス)であるポリマーは例えば、6−ナイロン、66−ナイロン、12−ナイロンなどのポリアミド類;ポリイミド類;ポリウレタン類;ポリエチレン、ポロプロピレンなどのポリオレフィン類;PET、PBT、PENなどのポリエステル類;ポリ塩化ビニル類;ポリ塩化ビニリデン類;ポリ酢酸ビニル類;ポリスチレン類;(メタ)アクリル樹脂系ポリマー;ABS樹脂;フッ素樹脂;フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂などのフェノール樹脂;エポキシ樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂などのアミノ樹脂などを挙げることができる。また、ポリビニルブチラール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体系樹脂などの軟質樹脂や硬質樹脂、なども挙げられる。上記した中で、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、(メタ)アクリル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂、アミノ樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、前記樹脂組成物には、上記した高分子化合物と、本発明の金属酸化物粒子との組成物だけでなく、上記ポリマーを構成するモノマー、例えば、ジカルボン酸とジアミンの混合物、アクリル酸やメタアクリル酸等の不飽和カルボン酸やそのエステル化合物等と、本発明の金属酸化物粒子との組成物も含まれる。また、本発明の樹脂組成物は、ポリマーとモノマーを両方含むものであっても良い。
上記のポリマーの中で、例えば耐熱性の観点から、特にポリイミド類、(メタ)アクリル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを用いても良い。
上述の樹脂組成物には、添加成分を配合してもよい。かかる添加成分としては、例えば、硬化剤、硬化促進剤、着色剤、離型剤、カップリング剤、反応性希釈剤、可塑剤、安定化剤、難燃助剤、架橋剤などを挙げることができる。
樹脂組成物は成形体に加工しても良い。成形体の形状は特に制限されず、例えば、板、シート、フィルム、繊維などの種々の形状に成形できる。
本発明の樹脂組成物は、金属酸化物粒子が均一に分散しているので、透明性が高い。具体的には、100μmの厚さにおいて波長400nmの光の透過率を70%以上とすることができ、好ましくは75%以上、より好ましくは80%以上である。
本発明によって得られる金属酸化物粒子は、光学レンズ、光学フィルム用粘着剤、光学フィルム用接着剤、ナノインプリント用樹脂、マイクロレンズアレイ、透明電極に使用する反射防止層、反射防止フィルムや反射防止剤、光学レンズの表面コート、有機EL光取り出し層等の光学材料に好適に用いられる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、前記、後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例中の酸化ジルコニウム粒子の物性は、以下の方法により測定した。
(1)結晶構造の解析
酸化ジルコニウム粒子の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析した。測定条件は以下の通りである。
X線源:CuKα(0.154nm)
X線出力設定:50kV、300mA
サンプリング幅:0.0200°
スキャンスピード:10.0000°/min
測定範囲:10〜75°
測定温度:25℃
(2)正方晶、単斜晶の割合の定量
X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて算出される値を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて参照強度比法(RIP法)により定量した。
(3)X線回折解析による結晶子径算出
結晶子径は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析することにより算出し、28°のピークにおける粒子径を酸化ジルコニウム粒子の結晶子径とした。
(4)電子顕微鏡による平均粒子径の測定
酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、超高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察することによって測定した。倍率15万倍で酸化ジルコニウム粒子を観察し、任意の100個の粒子について、各粒子の長軸方向の長さを測定し、その平均値を平均一次粒子径とした。
(5)質量減少率の測定
TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)装置により、空気雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分で酸化ジルコニウム粒子を昇温し、該粒子の質量減少率を測定した。この質量減少率により、被覆型酸化ジルコニウム粒子を被覆するカルボキシレート化合物の割合を知ることができる。
実施例1
塩基性炭酸ジルコニウム432g(日本軽金属社製、組成式:Zr2(CO3)(OH)22、含水率46%の湿体品。ジルコニウムに対し4500ppmの塩素を含有する。ジルコニウム1.52mol)と、2,2−ジメチル酪酸354g(3.04mol)と、キシレン216gの混合液をガラス製のセパラブルフラスコ中にて80℃で2時間反応させた。得られた溶液に脱イオン水256g(ジルコニウム1モルに対して9モル)を加え、オートクレーブにいれ、オートクレーブ中の雰囲気を窒素ガスに置換した。その後、混合液を170℃(反応圧力0.8MPa)まで加熱し、32時間保持した。反応後の溶液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してトルエン800gで洗浄した。洗浄物を乾燥させることで、白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子170gを得た。
得られた酸化ジルコニウム粒子の結晶構造を確認したところ、図1に示す通り、単斜晶に帰属される回折線のみが検出され、正方晶に帰属される回折線は検出されなかった。また結晶子径は7nmであった。
電子顕微鏡により測定して得られた酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、23nmであり、その形状は球状であった。
さらに上記した「(5)質量減少率の測定」に従って測定した酸化ジルコニウム粒子の質量減少率は13%だった。
実施例2
実施例1で得られた酸化ジルコニウム粒子(1.0g)、ステアリン酸(1.0g)、及びトルエン(18.0g)を混合し、50℃にて加熱することで酸化ジルコニウム粒子透明分散液を得た。
比較例1
オートクレーブ中での反応条件を反応温度190℃(反応圧力1.4MPa)、反応時間16時間に変更した以外は同様の方法でジルコニア粒子合成を行った。白色の被覆型酸化ジルコニウム粒子175gを得た。
得られた酸化ジルコニウム粒子の結晶構造を確認したところ、図2に示す通り、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は45/55であり、また結晶子径は6nmであった。
電子顕微鏡により測定して得られた酸化ジルコニウム粒子の平均粒子径(平均一次粒子径)は、10nmであった。
さらに上記した「(5)質量減少率の測定」に従って測定した酸化ジルコニウム粒子の質量減少率は12%だった。


Claims (3)

  1. 下記式(1)で表されるカルボキシレート化合物で被覆された金属酸化物粒子であって、金属酸化物中の単斜晶の割合が、全結晶系の合計に対して90%以上であることを特徴とする金属酸化物粒子。
    −OC(=O)−R ・・・(1)
    (上記式(1)中、Rは炭化水素基である。)
  2. Ti、Al、Zr、Zn及びSnよりなる群から選択される少なくとも1種の酸化物である請求項1に記載の金属酸化物粒子。
  3. 請求項1又は2に記載の金属酸化物粒子を含有する組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3357866A4 (en) * 2015-09-30 2019-06-19 Nippon Shokubai Co., Ltd. ZIRCONIUM-NANOPARTICLES

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