JP2013122643A - 樹脂組成物及び面状成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂および金属酸化物粒子を含有する樹脂組成物であって、 該金属酸化物粒子の平均粒子径が1nm以上、100nm以下であり、 該金属酸化物粒子が表面が、配位および/または結合可能な有機化合物により被覆されている ことを特徴とするディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物を使用すること。
【選択図】なし
Description
一方、ディスプレイ一体型の入力装置としてのタッチパネルは、その使い勝手のよさから広く利用されている。このタッチパネルの方式には各種あり、光学式、超音波方式、抵抗膜方式、静電容量結合方式等が知られている。なかでも、その構造の単純さなどから抵抗膜方式が最も広く使用されており、この抵抗膜方式のタッチパネルは、2枚の透明導電膜を基板をスペーサーを介して対抗させた構造をとっており、指又はペン等により押すことによって対向している導電膜が接触し、入力される方式のものである(例えば、特許文献1参照)。
また静電容量結合方式のタッチパネルは、人間の指などがセンサーに接近することにより、電圧を印加したセンサーの静電容量が変化することを検出し、入力される方式のものであり、電極を特殊なパターンで配置することによって検出位置精度をより高めることができるとされている(例えば、特許文献2参照)。この静電容量結合方式では、抵抗膜方式と比べ、機械的な稼動部分がないため、長寿命で信頼性の高いタッチパネルを提供することができるとされている。
また本発明は上記ディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物からなる面状成形体であり、該面状成形体は積層体であることが好ましく、タッチパネル装置に好適に使用される。
金属酸化物粒子の屈折率は1.5以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上、更に好ましくは1.6以上、更に好ましくは1.65以上、最も好ましくは1.7以上である。このようにすることによって、該金属酸化物粒子を含有する組成物の屈折率を上昇でき、隣接する材料から該組成物へ向けて光が入射する際の全反射を抑制できる。屈折率が1.7以上の酸化物を形成する金属は、例えばAl、Ti、Zr、In、Zn、Sn、La、Yなどであり、好ましくはAl、Ti、Zr、Zn、Snであり、特にZrが好ましい。これらの金属の単独又は複合酸化物の割合が大きくなるほど、屈折率を大きくすることができる。
上記金属カップリング剤は、例えばアルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−t−ブトキシドなどのアルミニウムアルコキシド;ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムモノメタクリレート、アルミニウムステアレートオキサイドトリマー、イソプロポキシアルミニウムアルキルアセトアセテートモノ(ジオクチルホスフェイト)などのアルミニウム系カップリング剤;チタニウム−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−t−ブトキシド、チタニウムテトラ−sec−ブトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラ(メトキシプロポキシド)、チタニウムテトラ(メトキシフェノキシド)などのチタニウムアルコキシド;イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフェイト)チタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェイト)エチレンチタネートなどのチタン系カップリング剤;ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−t−ブトキシド、ジルコニウムテトラ(2−エチルヘキソキシド)、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ(2−メチル−2−ブトキシド)などのジルコニウムアルコキシド;ジルコニウムジ−n−ブトキシド(ビス−2,4−ペンタンジオネート)、ジルコニウムトリ−n−ブトキシドペンタンジオネート、ジルコニウムジメタクリレートジブトキシドなどのジルコニウム化合物;であり、金属カップリング剤は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記エポキシ基含有化合物は、例えば3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3´,4´−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)アジペート、水素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、水素化ノボラック型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン変性3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3´,4´−エポキシシクロヘキセンカルボキシレート等が挙げられ、エポキシ基含有化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
また、本発明では上記有機カルボン酸化合物、シラン系化合物、金属カップリング剤、エポキシ基含有化合物、または他の金属酸化物粒子の表面を被覆する配位および/または結合可能な有機化合物は1種のみを用いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
ところで、金属酸化物として酸化ジルコニウムを使用する場合、酸化ジルコニウムは高い屈折率を有しており、その結晶構造としては、単斜晶、正方晶などが挙げられる。酸化ジルコニウムの結晶構造の中で、正方晶が最も高い屈折率を示すことが知られており、より高屈折率が求められる場合は、正方晶の割合が多いことが好ましい。また、これらの結晶構造の含有割合を調整することによって、酸化ジルコニウムの屈折率の調整を行うことも可能である。 本発明における金属酸化物粒子は公知の方法により合成すればよいが、金属酸化物粒子の表面に配位および/または結合可能な有機化合物の共存下で水熱合成して金属酸化物粒子を得る方法や、あらかじめ該表面に配位および/または結合可能な有機化合物と金属化合物から金属酸化物前駆体を合成し、該前駆体の水熱合成により金属酸化物粒子を得る方法等が配位および/または結合可能な有機化合物により保護された金属酸化物粒子が簡便に得られることから好ましい合成方法である。
熱硬化性樹脂としては、縮合系熱硬化樹脂として、フェノール・ホルマリン樹脂、クレゾール・ホルマリン樹脂などのフェノール樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂などのアミノ樹脂;有機オルガノシラン;などを挙げることができ、フェノール系樹脂を採用する場合にはトリアジン環を有する化合物、グアナミン誘導体、シアヌル酸誘導体や、イソシアヌル酸誘導体との併用も好ましい実施形態である。また、ビニル基やヒドロシリル基を含有するシリコーン樹脂も挙げる事ができる。
熱または光で硬化する樹脂としては、カチオン重合性基および/またはラジカル重合性基を有する樹脂を用いることも可能である。具体的には具体的には、エポキシ樹脂;ウレタン(メタ)アクリレート;エポキシ(メタ)アクリレート;ポリエステル(メタ)アクリレート;不飽和ポリエステル;ジビニルベンゼンなどのスチレン系樹脂;フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリルなどのアリルエステル系樹脂;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ペンタシクロペンタデカンジメタノールルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルのジ(メタ)アクリル酸付加物、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−1,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−2,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、p−メンタン−3,8−ジオールジ(メタ)アクリレート、ビシクロ[2.2.2]−オクタン−1−メチル−4−イソプロピル−5,6−ジメチロールジ(メタ)アクリレート、等の2官能(メタ)アクリレート化合物;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、テトラペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、ペンタペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、などの(メタ)アクリル酸系誘導体;(メタ)アクリル酸2−ビニロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのエチレンオキシド付加物のトリ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレートなどのエーテル構造を有する(メタ)アクリル系誘導体;トリエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルなどのビニルエーテル系化合物;トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどのアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルのアジピン酸エステルなどのアリルエーテル系化合物;アルコキシシリル基を含有するシリコーン樹脂;側鎖型二重結合含有ポリマー;重合性官能基及びケイ素含有基を有するイソシアヌレート化合物;などが挙げられる。熱または光で硬化する樹脂を採用する場合には重合性モノマーや重合開始剤、熱重合促進剤、光増感剤、光重合促進剤などを併用することも好ましい実施態様である。重合性モノマーとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、スチレン、4−t−ブチルスチレン、α−メチルスチレン、4−クロロスチレン、4−メチルスチレン、4−クロロメチルスチレン、などのスチレン系単量体;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−アダマンチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、等の(メタ)アクリル酸系誘導体;ヒドロキシブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどのビニルエーテル系単量体;アリルグリシジルエーテル、メチロールメラミンのアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテルのアジピン酸エステル、アリルアセタール、メチロールグリオキザールウレインのアリルエーテルなどのアリルエーテル系単量体;マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどのマレイン酸エステル系単量体;フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチルなどのフマル酸エステル系単量体;4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン、などの1,3−ジオキソラン系単量体;(メタ)アクリロイルモルホリン;N−ビニルホルムアミド;N−ビニルピロリドン;などが挙げられる。これらの重合性単量体は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの重合性単量体のうち、(メタ)アクリル系エステル化合物が好適である。
上記した中で、ポリイミド類、ポリウレタン類、ポリエステル類、シリコーン樹脂、(メタ)アクリル樹脂系ポリマー、フェノール樹脂、エポキシ樹脂がより好ましい。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。
特にタッチパネルディスプレイでは透明導電膜としてITO膜等の高屈折率材料をもちい電極パターンを描画し、絶縁層の挟んでX方向にパターンが描画された第1層とY方向にパターンが描画された第2層の三層構造を有する。本発明の透明面状成形体用樹脂組成物は、描画パターンが見えるのを防止することができ視認性が向上できるため、絶縁層や保護膜等の電極層に接触する層に好適に使用することができる。さらに液晶表示素子や有機EL表示素子などの薄膜トランジスタ(TFT)基板用平坦化膜、半導体素子の層間絶縁膜、固体撮像素子用平坦化膜やマイクロレンズアレイパターン、あるいは光導波路のコアやクラッド材にも好適に採用できる。
(1)結晶構造の解析
酸化ジルコニウム粒子の結晶構造は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析した。測定条件は以下の通りである。
X線源:CuKα(0.154nm)
X線出力設定:50kV、300mA
サンプリング幅:0.0200°
スキャンスピード:10.0000°/min
測定範囲:10〜75°
測定温度:25℃
(2)正方晶、単斜晶の割合の定量
X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて算出される値を元に、計算ソフト(リガク社製、PDXL)を用いて参照強度比法(RIR法)により定量した。
結晶子径は、X線回折装置(リガク社製、RINT−TTRIII)を用いて解析することにより算出し、30°のピークにおける粒子径を酸化ジルコニウム粒子の結晶子径とした。
(4)電子顕微鏡による平均粒子径の測定
酸化ジルコニウム粒子の平均一次粒子径は、超高分解能電解放出型走査電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社製、S−4800)で観察することによって測定した。倍率15万倍で酸化ジルコニウム粒子を観察し、任意の100個の粒子について、各粒子の長軸方向の長さを測定し、その平均値を平均一次粒子径とした。
TG−DTA(熱重量−示唆熱分析)装置により、空気雰囲気下、室温から800℃まで10℃/分で酸化ジルコニウム粒子を昇温し、該粒子の質量減少率を測定した。
スライドグラス上に、後で詳述する組成物をアプリケーターで膜厚が100μmになるよう塗工を行い、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の紫外線を照射することにより硬化させ、硬化物を得た。作製した硬化物に波長400nmの光を照射した際の、厚み方向の光透過率を吸光光度計(島津製作所社製分光光度計 UV−3100)を用いて測定した。
(7)屈折率測定試験
スライドグラス上に、後で詳述する組成物をアプリケーターで膜厚が100μmになるよう塗工を行い、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の紫外線を照射することにより硬化させ、硬化物を得た。得られた硬化物の屈折率を屈折率計(アタゴ社製、DR−M2)を用いて、20℃において、硬化物の波長589nmの光の屈折率を測定した。
(8)誘電率評価
銅箔上に、後で詳述する組成物をバーコーターで膜厚が50μmになるよう塗工を行い、窒素雰囲気下、高圧水銀ランプで1000mJ/cm2の紫外線を照射することにより硬化させ、硬化物を得た。更に、表面に金を蒸着して両面に電極が形成された評価用サンプルを作製した。このサンプルの1MHzにおける誘電率をインピーダンスアナライザー(ヒューレットパッカード社製、商品名「HP−4294A」)を用いて測定した。
(製造例1) 2−エチルヘキサン酸で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(782g、第一希元素化学工業社製)に純水(268g)を混合した。得られた混合液を、攪拌機付きオートクレーブ内に仕込み、該オートクレーブ内の雰囲気を窒素ガスで置換した。その後、混合液を180℃まで加熱し、該温度で16時間保持(オートクレーブ内圧力は0.94MPa)して反応させ、酸化ジルコニウム粒子を生成した。続いて、反応後の混合液を取り出し、底部に溜まった沈殿物を濾別してアセトンで洗浄した後に、乾燥した。乾燥後の前記沈殿物(100g)をトルエン(800mL)に分散させたところ、白濁溶液となった。次に、精製工程として、定量濾紙(アドバンテック東洋社製、No.5C)にて再度濾過し、沈殿物中の粗大粒子などを除去した。さらに、濾液を減圧濃縮してトルエンを除去することで白色の酸化ジルコニウム粒子を回収した。
(製造例2) 2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子の製造
上記製造例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子(10g)をトルエン(90g)に分散させて透明溶液を調整した。当該溶液に表面処理剤として3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(1.5g、信越化学工業社製、KBM−5103)を添加し、90℃で1時間加熱還流した。次いで、還流処理後の溶液にn−ヘキサンを添加することで分散粒子を凝集させて溶液を白濁させた。白濁液から凝集粒子を濾紙により分離後、室温で加熱乾燥し、2−エチルヘキサン酸と3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子を調整した。
得られた被覆酸化ジルコニウム粒子の結晶構造を確認したところ、正方晶と単斜晶に帰属される回折線が検出され、回折線の強度から、正方晶と単斜晶の割合は54/46で、その粒子径(結晶子径)は5nmであった。
また、当該ナノ粒子を蛍光X線分析装置により分析し、Si含有量を測定することで被覆層における3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランを定量した。さらに、CHNコーダ分析装置によりナノ粒子中の全C含量を測定し、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン由来のC量を差し引くことで2−エチルヘキサン酸由来のC量を算出し、被覆層における2−エチルヘキサン酸量を求めた。その結果、被覆層における2−エチルヘキサン酸に対する3−アクリロキシプロピルトリメトキシシランの存在比率は、モル比で1.5であった。
(実施例1)
茶色褐色ガラス瓶に製造例2で合成したアクリル基含有ジルコニアナノ粒子7.5g、ライトアクリレートIB−XA(イソボルニルアクリレート、共栄社化学社製)10.0g、ライトアクリレートTMP−A(トリメチロールプロパントリアクリレート、共栄社化学社製)2.5g、DAROCUR1173(光ラジカル重合開始剤、チバジャパン製)0.4g、メチルエチルケトン10.0gを仕込み、均一になるまで撹拌を行い、無機酸化物微粒子含有組成物を得た。
(実施例2)
表1に示した配合割合で行った以外は、実施例1と同様の手法で組成物を得た。
(比較例1)
表1に示した配合割合で行った以外は、実施例1と同様の手法で組成物を得た。
表1に配合割合、及び得られた実施例1の無機酸化物微粒子含有組成物、及び比較例1の組成物の透過率、屈折率、誘電率を測定した結果を示す。
Claims (10)
- 樹脂および金属酸化物粒子を含有する樹脂組成物であって、
該金属酸化物粒子の平均粒子径が1nm以上、100nm以下であり、
該金属酸化物粒子が表面が、配位および/または結合可能な有機化合物により被覆されている
ことを特徴とするディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。 - 前記金属酸化物粒子の屈折率が1.7以上であることを特徴とする請求項1記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 前記金属酸化物粒子の酸化チタニウム、酸化ジルコニウム及び酸化スズからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 前記金属酸化物粒子の表面を被覆する配位および/または結合可能な有機化合物が、有機カルボン酸化合物、シラン系化合物、金属カップリング剤、およびエポキシ基含有化合物、からなる群より選ばれる1以上であることを特徴とする請求項1〜3何れかに記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 前記金属酸化物粒子の表面を被覆する配位および/または結合可能な有機化合物が、総炭素数が3以上20以下であることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 前記金属酸化物粒子の表面を被覆する配位および/または結合可能な有機化合物が、有機化合物で被覆した金属酸化物粒子に対して、0.1質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1〜5何れかに記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 前記樹脂組成物中の前記金属酸化物粒子が組成物中の10質量%〜90質量%であることを特徴とする請求項1〜6何れかに記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物。
- 請求項1〜7何れかに記載のディスプレイ用透明面状成形体用樹脂組成物からなる面状成形体。
- 請求項8に記載の面状成形体が積層された積層体。
- 請求項9に記載の面状成形体が積層されたタッチパネル装置。
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