JP2007314773A - 高屈折率粒子含有樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも表面処理剤で被覆された平均粒径10nm以下の粒子、及び重合性モノマーを含む重合性組成物を重合して得られる、屈折率(n23 d)がYの高屈折率樹脂組成物であって、表面処理剤を除いた粒子の含有量X(質量%)とYとの間にY≧0.0035X+1.52(式中、20≦X≦60、Y≦2.0)が、成り立つ高屈折率樹脂組成物とする。
【選択図】なし
Description
Y≧0.0035X+1.52 (1)
(式中、20≦X≦60、Y≦2.0)
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜25の炭化水素基、または芳香族基を表す。)
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜25の炭化水素基、または芳香族基を表す。)
Y≧0.0035X+1.52 (1)
(式中、20≦X≦60、Y≦2.0)
Y<0.0035X+1.52(20≦X≦60)の領域では、粒子量に対する屈折率が低いために、樹脂に粒子を加えた利点が無く、また、屈折率を上げるためには非常に多くの粒子を添加する必要があり、流動性が悪くなる等取り扱いが困難になることが予想される。
本発明に用いられる粒子の種類としては、酸化チタンや酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化アンチモン、酸化セレン、酸化セリウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、CdO、PbO、HfO2、Sb2O5等の酸化物;チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カリウム、チタン酸カルシウムなどのチタン酸塩類;CdS、CdSe、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgSe、PdS、SbSe等の硫化物、セレン化物、テルル化物;GaN等の窒化物等が挙げられる。これらを1種類、または2種以上を混合して用いることができる。また、1種類の粒子に他の物質を被覆した、いわゆるコア−シェル型粒子を使用することもできる。これらの粒子の中で、好ましいのは、酸化チタン、酸化ジルコニウム、チタン酸塩類、特に好ましいのは酸化チタン、酸化ジルコニウムである。
本発明に用いられる表面処理剤の種類として、少なくとも一つは、粒子に対して吸着性及び/又は反応性を有する部分(A)、被覆粒子に重合性モノマーに対する相溶性を付与する部分(B)、および高屈折率を有する部分(C)を含むものである。
これら3つの部分構造は本発明の効果を損なわない限りは、特に順番を特定されるものではなく、また、性能に影響を及ぼさない範囲内で、別の部分構造(D)が任意の位置に導入されていてもよい。別の部分構造(D)としては、例えば炭素数1〜20程度の炭化水素基、または芳香族基を挙げることができる。
1)(A)−(B)−(C)
2)(A)−(C)−(B)
3)(B)−(A)−(C)
部分(C)として以下に示す構造を例示することができる。
上述した部分(A)〜(C)を組み合わせた具体的化合物としては、以下に示す化合物を例示することができる。
フェニルチオ酢酸((Phenylthio)acetic Acid)、S-Phenylthioglycolic Acid)
下記構造式で表される化合物1
下記構造式で表される化合物2
下記構造式で表される化合物3
下記構造式で表される化合物4
下記構造式で表される化合物5
本発明における表面処理剤には、分散性の向上等を目的として、前記(A)(B)(C)を有する表面処理剤以外の表面処理剤を併用しても構わない。例えば、硫黄原子を含まない分散剤としては、フェニルホスホン酸等のホスホン酸類、フェニルリン酸等のリン酸類、フェニルスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等のスルホン酸類、安息香酸、フェニルプロピオン酸、ジフェニル酢酸、4−フェニル安息香酸、フタル酸、フェニルコハク酸、フェニルマロン酸等のカルボン酸類、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のシランカップリング剤等が挙げられる。
表面処理剤の粒子表面への処理方法としては、溶媒混合法が通常用いられる。具体的には、粒子の溶媒分散液と表面処理剤の溶液を用意しておき、それを混合すること、粒子の溶媒分散液に表面処理剤を添加すること等で表面処理された粒子を得ることができる。粒子の分散溶媒としては水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコールなどの多価アルコール類およびその誘導体;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジメチルジメチルアセトアミドなどのケトン類;ジメチルエーテル、THF、等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類;トルエン、キシレンなどの非極性溶媒;2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのアクリレート類その他一般の有機溶媒が使用できる。分散溶媒の量は通常粒子100質量部に対して100〜5000質量部、好ましくは100〜2000質量部である。
混合時の濃度、pH、混合時間は通常用いられる範囲で任意に選択することができる。
粒子と表面処理剤の量比は粒子:表面処理剤=1:0.01〜1:10の間で任意に選択することができる。表面処理剤を多く使用すると屈折率が低下するため、通常は1:0.01〜1:2の範囲程度、好ましくは1:0.01〜1である。
本発明の重合性モノマーには特に制限はなく、粒子が分散可能なものであれば特に制限はない。具体的には光硬化性モノマー又はオリゴマーあるいはこれらの複合物、熱硬化性モノマー又はオリゴマーあるいはこれらの複合物が挙げられる。光硬化性モノマーとしては、(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。本発明において(メタ)アクリレートとは、メタクリレートのみならず、アクリレートも含まれる。
(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、分子内に1個の(メタ)アクリロイル基を有する単官能(メタ)アクリレート化合物、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。
高屈折率モノマーとは、通常屈折率(n25 D)1.55以上、好ましくは1.57以上のモノマーを示す。高屈折率(メタ)アクリルモノマーとしては、下記一般式(I)又は一般式(II)で表わされる分子内に2以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メタ)アクリレート化合物を例示することができる。
表面処理粒子含有重合性組成物の製造方法としては、重合性モノマーに表面処理された粒子を混合することによって得られる。例えば、重合性モノマーが溶解した溶液に粒子の溶液を混合した後、溶媒を除去する方法、粒子を分散した溶液に重合性モノマーを加えた後に、溶媒を除去する方法、粒子分散液に前記表面処理剤を添加する際同時に重合性モノマーを添加し、溶媒を除去する方法等が挙げられる。溶媒の除去にはエバポレーションが好適に用いられる。この際、粒子に凝集がある場合は、適時分散処理をかけても良い。
(開始剤)
樹脂組成物は、通常、重合性組成物に重合開始剤を含有させ硬化させることによって得られる。
本発明における粒子を使用した高屈折率樹脂組成物を用いて光学材料を得ることができる。具体的には、例えば、該高屈折率樹脂組成物をUV等の光硬化、熱硬化等の手法により成形する方法が挙げられる。
本発明に係る樹脂組成物は、上述の重合性組成物を少なくとも一面が光を透過しうる材料で構成された成形型内に注入し、光照射して硬化させた後、脱型することにより得ることができる。光を透過しうる材料としては、透明性のよい樹脂を用いることもできるが、通常は光の照射を受けても劣化したり、変形したりしないようにガラスを用いるのが好ましい。成形型のキャビティの深さ(=生成する樹脂成形体の厚さ)は通常10mm以下、好ましくは5mm以下であり、通常50μm以上、好ましくは200μm以上である。薄すぎると機械的強度が小さく、本発明の方法によっても成形するのが難しい。厚すぎると成形時に歪みが発生するため、等方的な成形体が得られない。
照射する光の波長としては、光重合開始剤の吸収波長等にもよるが、100〜800nm、好ましくは200〜600nm、さらに好ましくは200〜500nmである。波長が短すぎると樹脂の劣化を促進する場合があり、長すぎると光重合開始剤が吸収しない場合がある。
本発明の樹脂組成物は、光学用コーティング剤、ハードコート剤、光学部材として使用することが可能であるが、なかでも光学部材が好ましい。光学部材とは、光学レンズ、光学フィルム、光学フィルター、光学シート、光学薄膜、導光板、光導波路、撮像用光学部品等が挙げられる。なかでも撮像用光学部品が好ましい。
(表面処理剤・重合性組成物の屈折率の測定法)
各表面処理剤・重合性組成物の屈折率は、25℃となるように恒温槽の水を循環させたアタゴ社製アッベ屈折率計DR−M2を用いて、ナトリウムD線の波長(波長589nm)光の屈折率(n25 D)を測定した。
得られた樹脂組成物(2mm厚さ)を目視で判断し、濁りの無いものを相溶性が良好であると判断した。
重合性組成物・樹脂組成物の透過率スペクトルは、ヒューレット・パッカード(現社名:アジレント・テクノロジー)社製8453型紫外可視分光光度計にて室温で測定した。重合性組成物は光路長2.0mmの石英製セルに入れ、空気をブランクとして測定した。樹脂組成物は2.0mm厚の板を空気をブランクとして測定した。
23℃となるように恒温槽の水を循環させたカルニュー社製精密屈折計KPR−2を用いて、波長587.6nm(d線)光の屈折率(n23 d)を測定した。
セイコー電子工業(株)(現社名:エスアイアイ・ナノテクノロジー(株))社製TG−DTA320を用い、200mL/分の空気気流下、アルミニウム製皿上で測定を行った。加熱条件は、昇温速度を10℃/分と設定し、室温から600℃(サンプル直下の実測温度は595℃前後)まで昇温するという条件で行った。初期の量から、減量分を引いた量を粒子の量とし、重合性組成物や樹脂組成物中の粒子の質量%を算出した。
また、粒子と表面処理剤の比を求める際には、昇温速度を10℃/分と設定し、室温から設定温度140℃(サンプル直下の実測温度は130℃程度)まで昇温後30分間保持し、次いで設定温度600℃(サンプル直下の実測温度は595℃前後)まで昇温するという条件で行った。130℃以下での減量は溶媒等の飛散による減量と考え、130℃から600℃での減量を粒子中の有機物(主に表面処理剤)の量とした。また、600℃で有機分の除去が不完全の場合は、白金製の皿を用い、設定温度700℃まで昇温した。
粉末X線回折パターンは、オランダPANalytical(旧Philips)社製PW1700を用いて測定した。測定条件は、X線出力(CuKα):40kV,30mA、走査軸:θ/2θ、走査範囲(2θ):5.0−80.0°、測定モード:Continuous、読込幅:0.05°、走査速度:3.0°/min、スリット DS:1°、SS:1°、RS:0.2mmとした。
Scherrer式
D=K・λ/β・cosθ 式(1)
半価幅補正式
β=(β02−βi2)1/2 式(2)
(酸化チタン粒子の合成)
300mlの3つ口フラスコ内部を濃塩酸で3回洗浄した。次いで、100mlの脱塩水をフラスコに加える。窒素で系中を脱気した。4mlの濃塩酸を加え、氷浴につけて、温度を10℃以下に維持した。そこに4mlのTiCl4を、シリンジを用いて、2ml/分の速度で滴下した。得られた溶液を10℃以下で10分間攪拌後、オイルバスに移し60℃で1時間攪拌した。得られた酸化チタン粒子溶液を、真空ポンプを用いて真空下で水を留去した。得られた白色粉末にTHF/EtOH(1:1混合)溶液を加えて、超音波洗浄機で超音波を照射し、透明な10質量%酸化チタン粒子溶液Aを得た。酸化チタンの粒径を、XRD(粉末X線解析)を用いて測定したところ3nmであった。
(表面処理剤1の合成)
攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた1リットルの四ツ口フラスコに、4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(100g)、メタクリル酸メチル(東京化成(株):270g)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(東京化成(株):0.137g)及びトルエン(関東化学(株):200g)を仕込み、攪拌しながら80℃まで昇温したところへ、テトラブチルチタネート(東京化成(株):2.8g)を加えた。その後更に昇温し、100〜120℃で8時間、メタノールを留去させながら反応を行った。反応後、過剰のメタクリル酸メチルを除去し、その後、反応溶液を室温まで冷却した。この溶液にトルエン100gを加え、5%塩酸水溶液150g、続いて5%水酸化ナトリウム水溶液150gで洗浄し、更に中性になるまで150gで3回水洗浄した。この溶液にハイドロキノンモノメチルエーテル0.135gを加え、減圧下でトルエンを留去し、粗生成物を得た。粗生成物をn−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、次式で示される表面処理剤1(32.4g)を得た。表面処理剤1の屈折率(n25 D)は1.64であった。
表面処理剤1
(表面処理剤2の合成)
表面処理剤1(32.4g)をフラスコ内に入れ、アセトン(関東化学(株):30g)に溶けた無水コハク酸(東京化成(株):7.75g)、トリエチルアミン(関東化学(株):0.746g)を加えて混合し、60℃で3時間撹拌した。その後、5%塩酸水溶液150g1回、水150gで3回洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧乾燥を行い、次式で表される表面処理剤2(27.5g)を得た。表面処理剤2の屈折率(n25 D)は1.60であった。
表面処理剤2
(表面処理剤3の合成)
合成例2における4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(100g)の代わりに2,2‘−[パラ−フェニレンビス(メチレンチオ)]ジエタノール(236.3g)を用いる以外は合成例2と同様に行い、次式で表される表面処理剤3(18.9g)を得た。表面処理剤3の屈折率(n25 D)は1.58であった。
表面処理剤3
(表面処理剤4の合成)
合成例3における表面処理剤1(32.4g)の代わりに表面処理剤3(18.9g)を用いる以外は合成例3と同様に行い、次式で表される表面処理剤4(16.5g)を得た。表面処理剤4の屈折率(n25 D)は1.54であった。
表面処理剤4
(表面処理剤5の合成)
合成例2における4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(100g)の代わりにベンジルクロライド(東京化成(株):500g)を用いる以外は合成例2と同様に行い、次式で表される表面処理剤5(640g)を得た。表面処理剤5の屈折率(n25 D)は1.57であった。
表面処理剤5
(表面処理剤6の合成)
合成例3における表面処理剤1(32.4g)の代わりに表面処理剤5(100g)を用いる以外は合成例3と同様に行い、次式で表される表面処理剤6(70g)を得た。表面処理剤6の屈折率(n25 D)は1.54であった。
表面処理剤6
(表面処理剤7の合成)
合成例7で合成した表面処理剤6(7.03g)及びトリフェニルフォスフィン(東京化成(株):16.43g)をフラスコ内に入れ、容器内を窒素で置換した後、窒素気流下、乾燥テトラヒドロフラン(以下THFと略記、100mL)を加えて内容物を完全に溶解した。氷浴上にフラスコを移し、窒素気流下、撹拌しながら四臭化炭素(東京化成(株):20.77g)を少量ずつ加えた後、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた濃縮液を減圧濾過した。濾紙上に残った固体をn−ヘキサン(純正化学(株):50mL)で二回洗浄し、濾液と洗液を合わせて減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をn−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、2−(ベンジルチオ)エチルブロマイド(6.56g)を得た。
表面処理剤7
(フェニルチオ酢酸被覆酸化チタン粒子の製造)
市販のフェニルチオ酢酸((Phenylthio)acetic acid、S-Phenylthioglycolic acid)東京化成工業(株)製)3gを27gのTHFに溶解し、フェニルチオ酢酸10質量%溶液を得た。この溶液にゆっくりと合成例1で得られた10質量%酸化チタン粒子溶液A70gを滴下し、透明な被覆酸化チタン粒子溶液Aを得た。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤1被覆酸化チタン粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤1に変更した以外は、合成例9と同様に行った。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Bが得られた。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤2被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤2に変更した以外は、合成例9と同様に行った。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Cが得られた。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤3被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤3に変更した以外は、合成例9と同様に行った。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Dが得られた。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤4被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤4に変更した以外は、合成例9と同様に行った。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Eが得られた。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤5被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤5に変更した以外は、合成例9と同様に行った。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Fが得られた。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%であった。
(表面処理剤6被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤6に変更した以外は、合成例9と同様に行う。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Gが得られる。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%である。
(表面処理剤7被覆粒子の製造)
フェニルチオ酢酸を表面処理剤7に変更した以外は、合成例9と同様に行う。透明な被覆酸化チタン粒子溶液Hが得られる。被覆酸化チタン粒子中の表面処理剤の量は30質量%である。
市販のシランカップリング剤KBM−503(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、信越シリコーン社製)3gを27gのTHFに溶解し、10質量%溶液を得た。この溶液にゆっくりと10質量%酸化チタン粒子溶液A70gを滴下し、80℃で3時間過加熱して透明な被覆酸化チタン粒子溶液Eが得られた。
合成例1酸化チタン粒子の合成で合成された10質量%酸化チタン粒子溶液そのものを用いた。
メタノールに分散されたSnO2−TiO2−ZrO2−Sb2O5複合金属酸化物(日産化学工業株式会社製の商品名:サンコロイド HIT−301M1、複合金属酸化物濃度):30質量%、平均粒径:5〜15nm)を用いた。分散液は濁っていた。
10質量%酸化チタン粒子溶液A40gに10質量%ドデシルベンゼンスルホン酸THF溶液10gを加えて、白濁した被覆酸化チタン粒子溶液Fを得た。分散液は濁っていた。
合成例9の30質量%被覆粒子溶液10g(TiO2=0.7g、表面処理剤=0.3g)に下記化学式で表されるモノマー1((メタ)アクリルモノマー1)を1.33g添加し、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去する。
(メタ)アクリルモノマー1(モノマー1)
合成例9の被覆粒子溶液を合成例10の被覆粒子に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例11の被覆粒子に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例12の被覆粒子に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例13の被覆粒子に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例14の被覆粒子に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例15の被覆粒子に変更し、TiO2含量が40質量%になるように仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例16の被覆粒子に変更し、TiO2含量が40質量%になるように仕込み比を変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
合成例9の被覆粒子溶液を合成例13の被覆粒子に変更し、モノマーを下記化学式で表されるモノマー2((メタ)アクリレートモノマー2)に変更した以外は実施例1と同様にして行い透明な樹脂組成物を得る。
(メタ)アクリルモノマー2(モノマー2)
合成例9の被覆粒子溶液を比較合成例1〜4の粒子に変更した以外は、実施例1と同様にして行い、樹脂組成物が得られた。
TiO2添加時の屈折率
(酸化チタン粒子の合成2)
ナスフラスコ(500mL)にn−ブタノール(純正化学(株)製)150g及び超純水(脱塩水を超純水装置Milli−Q Labo(日本ミリポア(株)製)により精製)4.64gを加えて溶解するまで攪拌した。これにチタン(IV)n−ブトキシド(キシダ化学(株)製「チタン(IV)n−ブトキシド・モノマー」)11.85gを加えたところ溶液は白濁した。1分間攪拌した後、p−トルエンスルホン酸一水和物1.723g(和光純薬工業(株)製)をn−ブタノール25mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えたところ、溶液は無色透明になった。室温で1時間攪拌した後、水冷式冷却管を装着して120℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら7時間加熱した後、放冷して無色透明の酸化チタン粒子分散液を得た。得られた分散液をn−ブタノールで250mLとなるように希釈し、吸収スペクトルを測定したところ、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが確認された。
(酸化チタン粒子の合成3)
合成例17と同様にして製造した酸化チタン微粒子分散液75mLをナスフラスコ(300mL)に入れた。ここへn−ブタノール45mL及び超純水3.25g加え、溶解するまで攪拌した。ここへチタン(IV)n−ブトキシド(キシダ化学(株)製「チタン(VI)n−ブトキシド・モノマー」)8.30gを加えて、1分間攪拌し、さらに、p−トルエンスルホン酸一水和物1.206gをn−ブタノール25mLに溶かした溶液を攪拌しながら加えた。室温で1時間攪拌した後、水冷式冷却管を装着して120℃に保持したオイルバス中で攪拌しながら8時間加熱した後、放冷したところ、やや青白い透明な酸化チタン粒子分散液が得られた。得られた分散液の吸収スペクトルを測定すると、400nm付近から立ち上がる酸化チタン特有の吸収スペクトルが得られた。
(酸化ジルコニウム粒子の合成)
30分間窒素バブリングした2100gのベンジルアルコール(純正化学(株)製)に、窒素バブリングしたまま70重量%のジルコニウムプロポキシド 1−プロパノール溶液(アルドリッチ製)490.14gを加え、30分間攪拌し、ここにオレイルアミン(東京化成工業(株)製)560.58gを添加してさらに30分攪拌した。調製した溶液をオートクレーブ(金属製の釜)に入れ、30分間窒素バブリングした後、密閉して、210℃に加熱した。24時間後加熱を止めて放冷し、乳白色スラリー状の溶液を得た。
(フェニルホスホン酸による酸化チタン粒子の表面処理1)
合成例17で製造した酸化チタン粒子分散液250mLにフェニルホスホン酸(東京化成工業(株)製)1.5gをエタノール37.5mLに溶解した溶液を攪拌しながら加えた。室温で1時間攪拌後、溶液は白濁しており、エタノール100mL、脱塩水500mLを加え、さらに15分間攪拌した。この溶液を50mL遠沈管8本に移し、遠心分離(2500g×3分)すると白色沈殿が得られ、上澄みをデカンテーションにより除去した。ここへ、再び溶液を加え、遠心分離、デカンテーションにより沈殿を得るという操作をさらに2回繰り返すことで、すべての溶液を遠心分離した。8本の遠沈管それぞれにエタノール2mL、脱塩水43mL加え、よく混合した後に遠心分離(2500g×3分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。この操作を全部で5回繰り返した。さらに、8本の遠沈管それぞれにエタノール45mL加え、よく混合した後に遠心分離(2500g×5分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。エタノールの量を25mLとし、もう一度遠心分離、デカンテーションを行った。
得られた白沈の一部を真空乾燥し、得られた固体(22mg)のXRDパターンを測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、粒径(結晶子サイズ)を計算したところ32Åであった。また、熱重量分析を行い、130〜594℃での減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を表面処理した酸化チタン粒子中の無機物とし、表面処理した酸化チタン粒子中の有機物:無機物の質量比を求めたところ17:83であった。
(フェニルホスホン酸による酸化チタン粒子の表面処理2)
合成例18で製造した酸化チタン粒子分散液をn−ブタノールで250mLに希釈し、そこへフェニルホスホン酸1.50gをエタノール37.5mLに溶解した溶液を攪拌しながら加えた。室温で1時間攪拌後、溶液は白濁しており、エタノール100mL、脱塩水500mLを加え、さらに15分間攪拌した。この溶液を50mLの遠沈管8本に移し、遠心分離(2500g×3分)すると白色沈殿が得られ、上澄みをデカンテーションにより除去した。ここへ、再び溶液を加え、遠心分離、デカンテーションにより沈殿を得るという操作をさらに2回繰り返すことで、すべての溶液を遠心分離した。8本の遠沈管それぞれにエタノール2mL、脱塩水43mL加え、よく混合した後に遠心分離(25g×3分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。この操作を全部で5回繰り返した。さらに、8本の遠沈管それぞれにエタノール45mL加え、よく混合した後に遠心分離(2500g×10分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。得られた白沈の一部を真空乾燥し、得られた固体(51mg)のXRDパターンを測定した結果、アナターゼ型酸化チタンであることが確認された。また、101ピークについてプロファイルフィッティングを行い、粒径(結晶子サイズ)を計算したところ39Åであった。また、熱重量分析を行い、130〜595℃での減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を表面処理した酸化チタン粒子中の無機物とし、表面処理した酸化チタン粒子中の有機物:無機物の質量比を求めたところ11:89であった。
(表面処理剤7による酸化チタン粒子の表面処理)
合成例18と同様にして製造した酸化チタン粒子分散液をn−ブタノールで250mLに希釈し、そのうち150mLに合成例30で合成した表面処理剤7;0.90gをエタノール25mLに溶解した溶液を攪拌しながら加えた。溶液はすぐに白濁し、1時間攪拌後、エタノール60mL、脱塩水300mLを加え、さらに30分間攪拌した。この溶液を50mLの遠沈管4本に移し、遠心分離(2500g×3分)すると白色沈殿が得られ、上澄みをデカンテーションにより除去した。ここへ、再び溶液を加え、遠心分離、デカンテーションにより沈殿を得るという操作をさらに2回繰り返すことで、すべての溶液を遠心分離した。4本の遠沈管それぞれにエタノール2mL、脱塩水43mL加え、よく混合した後に遠心分離(2500g×3分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。この操作を全部で5回繰り返した。さらに、4本の遠沈管それぞれにエタノールを30mL加え、よく混合した後に遠心分離(1800g×30分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。得られた白沈の一部を真空乾燥し(12mg)、熱重量分析を行い、130〜701℃での減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を表面処理した酸化チタン粒子中の無機物とし、表面処理した酸化チタン粒子中の無機物とし、酸化チタン微粒子組成物中の有機物:無機物の質量比を求めたところ19:81であった。
(フェニルチオ酢酸による酸化ジルコニウム粒子の表面処理)
合成例19で合成した酸化ジルコニウム粒子溶液100gにフェニルチオ酢酸10g加え、室温で6時間攪拌した。その後エタノール400mLを加え、1時間攪拌した。この溶液を50mLの遠沈管4本に移し、遠心分離(2500g×3分)すると白色沈殿が得られ、上澄みをデカンテーションにより除去した。ここへ、再び溶液を加え、遠心分離、デカンテーションにより沈殿を得るという操作をさらに2回繰り返すことで、すべての溶液を遠心分離した。4本の遠沈管それぞれにエタノール45mL加え、よく混合した後に遠心分離(2500g×3分)にかけ、上澄みをデカンテーションにより除去した。この操作を全部で4回繰り返した。得られた白沈を室温で真空乾燥することで、フェニルチオ酢酸で表面処理された酸化ジルコニウム粒子を得た。得られた固体のXRDパターンを測定した結果、主に正方晶(空間群P42/nmc(空間群No.137)に属するZrO2由来(ICCDより発行されているPDFの番号89−7710を参照))の酸化ジルコニウムのパターンが得られ、一部単斜晶を含んでいることを示唆するパターンが得られた。また、正方晶系の空間群P42/nmc(空間群No.137)に属するZrO2由来の101ピークについて、プロファイルフィッティングを行い、結晶子サイズを計算したところ23Åであった。また、熱重量分析を行い、130〜697℃での減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を表面処理した酸化ジルコニウム粒子中の無機物とし、表面処理した酸化ジルコニウム粒子中の有機物:無機物の質量比を求めたところ20:80であった。
(モノマー1/表面処理剤3混合物の合成)
攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた10リットルの四ツ口フラスコに、パラ−キシレンジクロライド(東京化成(株):1296g)、水(636g)、メタノール(関東化学(株):1908g)を添加し、系内を窒素置換した。次に、メルカプトエタノール(東京化成(株):1266g)を添加し、系内を60℃まで昇温した。その後、25%水酸化ナトリウム水溶液2484gを、系内温度が60〜65℃で滴下した。滴下終了後、30分撹拌した後、水2544gを投入し、晶析を行った。その後、再結晶を2回行った後、乾燥させて2,2‘−[パラ−フェニレンビス(メチレンチオ)]ジエタノールを得た。次に、攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた10リットルの四ツ口フラスコに、2,2‘−[パラ−フェニレンビス(メチレンチオ)]ジエタノール(1035g)、シクロヘキサン(関東化学(株):2051g)を仕込み、撹拌しながら80℃で共沸脱水を行った。その後50℃まで冷却し、メタクリル酸メチル(東京化成(株):1613g)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルベンゾアート,フリーラジカル (東京化成(株):0.0316g)及びテトラブチルチタネート(東京化成(株):40.32g)を加えた。次に、80〜85℃まで昇温し、7時間、メタノールを留去させながら反応を行った。反応後、過剰のメタクリル酸メチルを除去した。この溶液にトルエン2794g、5%塩酸水溶液1907gを加え、70℃で洗浄した。続いて5%水酸化ナトリウム水溶液1799gで洗浄を2回行い、更に水1800gでの洗浄を中性になるまで行った(3回)。この溶液を減圧下で溶剤留去し、粗生成物を得た。粗生成物をn−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、モノマー1/表面処理剤3=52/48(質量比、NMRより算出)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルベンゾアート,フリーラジカル (東京化成(株):0.002質量部)に調整した。
(モノマー1/表面処理剤3混合物の合成)
合成例24における、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルベンゾアート,フリーラジカルの代わりに、ハイドロキノンモノメチルエーテルを用い、その添加量を0.1質量部とする以外は合成例24と同様に行い、モノマー1/表面処理剤3=52/48(質量比、NMRより算出)を得た。
(モノマー1の合成)
合成例25において、n−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製を行い、純度95%以上(LC面積比より算出)のモノマー1を得た。得られたモノマー1の屈折率(n25 D)は1.55であった。
(モノマー1/表面処理剤4混合物の合成)
モノマー1/表面処理剤3=52/48(質量比)をフラスコ内に入れ、アセトン(関東化学(株):30g)に溶けた無水コハク酸(東京化成(株):7.75g)、トリエチルアミン(関東化学(株):0.746g)を加えて混合し、60℃で3時間撹拌した。その後、5%塩酸水溶液150g1回、水150gで3回洗浄した。その後、硫酸マグネシウムで水分を除去した後、減圧乾燥を行い、モノマー1/表面処理剤4=42/58(質量比、NMRより算出)を得た。
(モノマー2の合成)
攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた釜に、4,4′−ジクロロジフェニルスルフォン (47.2kg)、N,N−ジメチルホルムアミド(70.8kg)、炭酸カリウム(27.3kg)を添加し、系内を窒素置換した。次に、メルカプトエタノール(27.0kg)を、系内温度が110〜120℃で滴下した。滴下終了後、115〜120℃で30分撹拌した後、水290kgを投入し、晶析を行った。その後、再結晶を2回行った後、乾燥させて4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン得た。次に、攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた釜に、4,4′−ビス(2−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン(43kg)、トルエン(170kg)を仕込み、撹拌しながら80℃で共沸脱水を行った。その後冷却し、メタクリル酸メチル(114kg)、ハイドロキノンモノメチルエーテル(57.4g)、ジエチルヒドロキシルアミン(574g)、テトラブチルチタネート(1.157kg)を加えた。その後昇温し、100〜120℃で28時間、メタノールを留去させながら反応を行った。反応後、過剰のメタクリル酸メチルを除去した。この溶液にトルエン123kg、5%塩酸水溶液58kgを加え、70℃で洗浄した。続いて、ヘプタン63kgを加え、25%水酸化ナトリウム水溶液58kgでの洗浄を4回行った。更に中性になるまで水58kgでの洗浄を3回行った。その後、この溶液にハイドロキノンモノメチルエーテル57.4g、ジエチルヒドロキシルアミン574gを加え、濾過した後、濾液を減圧下で留去した。この溶液にアセトン27kg、メタノール32kg、ハイドロキノンモノメチルエーテル40gを加え、40℃で1時間撹拌、15℃で15分撹拌後、再び濾過した。その濾液を脱溶剤した後、メタノール170kg投入して、冷却して結晶化させた。その白色固体を濾取し、メタノール42kgで洗浄し、再び濾取して粗生成物を得た。これに、ハイドロキノンモノメチルエーテル(東京化成(株):0.1質量部)になるように添加調整し、減圧下で溶剤を除いた。得られたモノマー2の純度は95%以上(LC面積比より算出)であった。得られたモノマー2の屈折率(n25 D)は1.61であった。
(表面処理剤5の合成)
攪拌器、温度計、冷却管及び分離器を備え付けた2リットルの四ツ口フラスコに、ベンジルクロライド(500g)、メルカプトエタノール(370g)、メタノール(1000ml)に、30%水酸化ナトリウム水(705g)を60℃で滴下した。滴下後、60℃で1時間撹拌した後、水(500g)で中性になるまで洗浄した。その後、減圧下、脱溶剤を行い、表面処理剤5を得た。得られた表面処理剤5の屈折率(n25 D)は1.57であった。
(表面処理剤7の合成)
表面処理剤5(7.03g)及びトリフェニルフォスフィン(東京化成(株):16.43g)をフラスコ内に入れ、容器内を窒素で置換した後、窒素気流下、乾燥テトラヒドロフラン(以下THFと略記、100mL)を加えて内容物を完全に溶解した。氷浴上にフラスコを移し、窒素気流下、撹拌しながら四臭化炭素(東京化成(株):20.77g)を少量ずつ加えた後、室温にて3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた濃縮液を減圧濾過した。濾紙上に残った固体をn−ヘキサン(純正化学(株):50mL)で二回洗浄し、濾液と洗液を合わせて減圧濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をn−ヘキサン−酢酸エチル系のシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、2−(ベンジルチオ)エチルブロマイド(6.56g)を得た。2−(ベンジルチオ)エチルブロマイド(6.56g)をフラスコ内に入れ、容器内を窒素で置換した後、窒素気流下でトリス(トリメチルシリル)フォスファイト(東京化成(株):25.42g)を加えて混合し、120℃で11時間撹拌した後、撹拌しながら85℃に冷却し、減圧下にて過剰のトリス(トリメチルシリル)フォスファイトを除去し、反応混合物量の減少が見られなくなったところで室温に冷却した。容器内を窒素で常圧に戻した後、THF/水=100/1(体積比)(20.2mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、エタノールを加えて溶解し、再度減圧濃縮した。残留物にクロロホルムを加えて溶解して得られた溶液をシリカゲルカラムに通し、カラムをクロロホルムで洗浄した。カラムを通した溶液と洗浄液をあわせて減圧濃縮し、室温で真空乾燥させた(3.5g)。
(モノマー2/表面処理剤1混合物の合成)
合成例28で合成したモノマー2(868g)をトルエン(870g)で撹拌して溶解させた。その溶液に、メタノール(27.4g)に溶解させた水酸化ナトリウム(0.68g)を常温にて添加し、2時間撹拌した。その後、トルエン(870g)を添加し、水(1500g)で洗浄を行った。続いて、アセトン50%水溶液(1500g)で25回洗浄した。そして、5%水酸化ナトリウム水溶液(1500g)、水(1500g)で洗浄した後、ハイドロキノンモノメチルエーテル(東京化成(株):0.1質量部)になるように添加調整し、減圧下で溶剤を除いた。このモノマーの組成はモノマー2/表面処理剤1=58/42(質量比、NMRより算出)であった。
(モノマー2/表面処理剤2混合物の合成)
合成例27におけるモノマー1/表面処理剤3=52/48(質量比)の代わりに、モノマー2/表面処理剤1=58/42(質量比)を用いる以外は、合成例27と同様に行い、モノマー2/表面処理剤2=60/40(質量比、NMRより算出)を得た。
(表面処理剤6による酸化ジルコニウム粒子の両面処理)
合成例19と同様にして作製した酸化ジルコニウム粒子溶液100gに合成例7で合成した表面処理剤6を5g加え、室温で3時間攪拌した。その後の操作は合成例23と同様に行い、表面処理剤6で表面処理された酸化ジルコニウム粒子を得た。また、熱重量分析を行い、130〜595℃での減量を有機物の燃焼に基づくものとし、残渣を表面処理した酸化ジルコニウム粒子中の無機物とし、表面処理した酸化ジルコニウム粒子中の有機物:無機物の質量比を求めたところ、22:78であった。
合成例20の分析用に取り出した分以外の粒子全量に完全に乾燥しない状態(エタノールで湿った状態)でTHF(純正化学(株)製:高速液体クロマト用)150mLを加えて分散させ、ほぼ透明な分散液を得た。合成例24で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を5.2g加え、10分攪拌後、エバポレーションにより30mL程度に濃縮し、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液からエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化チタン粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.66であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は90%であった。得られた重合性組成物の7.9gにIrgacure819(Ciba Specialty Chemicals K.K.製)を7.9mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を60℃に加温し、2.0mmのスペーサーを介した2枚のガラス板からなる成形型内に注入し、室温まで冷ました後に、照射強度50mW/cm2((株)オーク製作所製;紫外線照度計UV−M02、受光器UV−42(330〜490nm)により測定)となるように距離・位置を調整した拡散板(Edmund Optics社製:ホログラフィックディフューザー、厚さ0.76mm、拡散角度30度)を装備したLED(UV PROCESS SUPPLY,INC製;LED CURE−ALL 415 SPOT;ピーク波長415nm)により上下から10秒間光を照射した。さらに、スペーサーを外し、シャープカットフィルター(シグマ光機(株)製:SCF−50S−42L;限界透過波長420nm)で上下を挟み、光照射機(HOYA CANDEO OPTRONICS(株)製;UV LIGHT SOUCE UL750)により上下から300秒間光を照射(70mW/cm2;(株)オーク製作所製;紫外線照度計UV−M02、受光器UV−42(330〜490nm)により測定)することで、硬化した。脱型後、空気中50℃で1週間加熱して、透明な酸化チタン粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例20において酸化チタン粒子分散液を150mL、フェニルホスホン酸を0.75g、その後加えるエタノールを50mL、脱塩水を250mLとし、沈殿回収に用いる遠沈管の本数を4本とし、その後の洗浄工程は合成例20と同様にして白沈を得た。得られた白沈全量に完全に乾燥しない状態でTHF(純正化学(株)製:高速液体クロマト用)100mLを加えて分散させ、ほぼ透明な分散液を得た。合成例24で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を4.65g加え、10分攪拌後、エバポレーションにより30mL程度に濃縮し、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ、取除き、上澄み液からエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化チタン粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.63であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は91%であった。得られた重合性組成物の5gにIrgacure819を5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例10と同様にして硬化した。脱型後、空気中50℃で3日間加熱して、透明な酸化チタン粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例21の分析用に取り出した分以外の粒子全量を完全に乾燥しない状態でTHF(純正化学(株)製:高速液体クロマト用)200mLを加えて分散させ、白濁した分散液を得た。合成例24で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を5.2g加え、10分攪拌後、エバポレーションにより80mL程度に濃縮し、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液から再びエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化チタン含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.67であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は91%であった。得られた重合性組成物の5gにIrgacure819を5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例10と同様にして硬化した。脱型後、空気中50℃で3日間加熱して、透明な酸化チタン粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例22の分析用に取り出した分以外の粒子全量を完全に乾燥しない状態でTHF(純正化学(株)製:高速液体クロマト用)200mLを加えて分散させ、やや白濁した分散液を得た。合成例24で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を3.47g加え、10分攪拌後、エバポレーションにより50mL程度に濃縮し、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液から再びエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化チタン粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.66であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は90%であった。得られた重合性組成物の4.5gにIrgacure819を4.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例10と同様にして硬化した。脱型後、空気中80℃で1時間加熱して、透明な酸化チタン粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子2.21gをTHF(純正化学(株)製:特級)50mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例25で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を2.95g加え、15分間超音波照射後、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液からエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.62であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は89%であった。得られた重合性組成物の4.5gにIrgacure819を4.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を60℃に加温し、2.0mmのスペーサーを介した2枚のガラス板からなる成形型内に注入し、室温まで冷ました後に、照射強度50mW/cm2((株)オーク製作所製;紫外線照度計UV−M02、受光器UV−42(330〜390nm)により測定)となるように距離・位置を調整した拡散板を装備したLED(415nm;UVPROCESS社製)により上下から10秒間光を照射した。さらに、スペーサーを外し、短波長カットフィルター(朝日分光(株)製;UV350nm;カットオン波長350nm)を光の行路に入れた光照射機(UV LIGHT SOUCE UL750)により上下から300秒間光を照射(160mW/cm2;ウシオ電機(株)製;紫外線積算光量計UIT−250、受光器UVD−S365(310〜390nm)により測定)することで、硬化した。脱型後、空気中55℃で1日加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子1.9gをTHF(純正化学(株)製:特級)30mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例25で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を5.1g加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液を孔径0.45μmのPTFE製メンブレンフィルターユニット(ADVANTEC製:DISMIC−25HP045AN)で濾過した後にエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.60であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は92%であった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中80℃で1時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子3.6gをTHF(純正化学(株)製:特級)45mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例25で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を3.4g加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液を孔径0.45μmのPTFE製メンブレンフィルターユニットで濾過した後にエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.65であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は92%であった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中80℃で1時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子2.76gをTHF(純正化学(株)製:特級)40mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例27で得たモノマー1/表面処理剤4混合物を1.70g、合成例28で得たモノマー2を2.54g加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液を孔径0.45μmのPTFE製メンブレンフィルターユニットで濾過した後にエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.64であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は91%であった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中120℃で2時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子3.02gをTHF(純正化学(株)製:特級)40mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例26で得たモノマー1、合成例25で得たモノマー1/表面処理剤3混合物及びMPSMA(住友精化(株)製)を混合し、モノマー1/表面処理剤3/MPSMA(ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド)を質量比で55/15/30としたもの3.98gを加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×20分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液を孔径0.45μmのPTFE製メンブレンフィルターユニットで濾過した後にエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.65であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は90%であった。得られた重合性組成物の5gにIrgacure819を5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、真空ポンプで真空引きしながら、120℃で2時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子2.76gをTHF(純正化学(株)製:特級)40mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例31で得たモノマー2/表面処理剤1混合物を2.54g、合成例26で得たモノマー1を1.70g加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×30分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液からエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.65であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は87%であった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を成形型内に注入後、型ごと60℃のオーブンに10分間入れて、その後すぐに光照射した以外は実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中120℃で2時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子2.76gをTHF(純正化学(株)製:特級)40mLに分散し、ほぼ透明な分散液を得た。ここへ、合成例32で得たモノマー2/表面処理剤2混合物を2.54g、合成例26で得たモノマー1を1.70g加え、10分間攪拌後、遠心分離(1000g×30分)により不溶物・ゴミ等を沈殿させ取除き、上澄み液からエバポレーションにより、溶媒を留去し、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.64であった。この重合性組成物は室温ではやや白濁していたが、加温することで透明となった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を成形型内に注入後、型ごと80℃のオーブンに30分間入れて、その後すぐに光照射した以外は実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中120℃で2時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
実施例16における、合成例23と同様の方法で得た酸化ジルコニウム粒子3.6gの代わりに、合成例33で得た酸化ジルコニウム粒子3.9gを用いた以外は、実施例16と同様に行い、酸化ジルコニウム粒子含有重合性組成物を得た。得られた重合性組成物の屈折率(n25 D)は1.64であり、光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時の700nmにおける透過率は92%であった。得られた重合性組成物の5.5gにIrgacure819を5.5mg加えて60〜65℃で2時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例14と同様にして、硬化した。脱型後、空気中80℃で1時間加熱し、さらに空気中100℃で1時間加熱して、透明な酸化ジルコニウム粒子含有樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物の屈折率を表2に示す。
超微粒子酸化チタンTTO−51N(石原産業(株)製;平均粒径20nm)1.8g、フェニルホスホン酸0.36gにTHF60mLを加え、室温で4時間攪拌した。さらに、合成例24で得たモノマー1/表面処理剤3混合物を3.84g加え、室温で5時間攪拌した後に、エバポレーションにより溶媒を留去した。得られた重合性組成物は真っ白であった(酸化チタン含有量は仕込みから30質量%)。この重合性組成物の5gにIrgacure819を5mg加えて60〜65℃で二時間攪拌し、溶解させた。この重合性組成物を実施例10と同様にして、硬化した。脱型後、空気中50℃で1日間加熱して、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物は真っ白であり、光をほとんど透過しなかった。
Claims (30)
- 少なくとも表面処理剤で被覆された平均粒径10nm以下の粒子、及び重合性モノマーを含む重合性組成物を重合して得られる、屈折率(n23 d)がYの高屈折率樹脂組成物であって、表面処理剤を除いた粒子の含有量X(質量%)とYとの関係が、下記(1)式で表されることを特徴とする高屈折率樹脂組成物。
Y≧0.0035X+1.52 (1)
(式中、20≦X≦60、Y≦2.0) - 少なくとも表面処理剤で被覆された粒子、及びモノマーを含む重合性組成物を重合して得られる、屈折率(n23 d)が1.66以上の高屈折率樹脂組成物であって、表面処理剤を除いた粒子の量が組成物全量基準で、20質量%以上、60質量%以下である高屈折率樹脂組成物。
- 前記粒子の平均粒径が10nm以下である請求項2に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記重合性モノマーが(メタ)アクリルモノマーである請求項1〜3のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記表面処理剤の少なくとも1つが、
粒子に対して吸着性及び/又は反応性を有する部分(A)、
被覆粒子に前記重合性モノマーに対する相溶性を付与する部分(B)、
及び高屈折率を有する部分(C)
を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。 - 前記部分(A)が、イオン結合性基、前記粒子と反応して共有結合を形成する基、あるいは水素結合性基または配位結合基のいずれかであることを特徴とする請求項5に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記イオン結合性基が、酸性基またはその塩、塩基性基またはその塩のいずれかであることを特徴とする請求項6に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記粒子と反応して共有結合を形成する基が、−Si(OR1)3、−Ti(OR2)3、イソシアネート基、エポキシ基、エピスルフィド基、水酸基、チオール基、ホスフィンオキサイド、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基のいずれかであることを特徴とする請求項6又は7に記載の高屈折率樹脂組成物。
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜25の炭化水素基、または芳香族基を表す。) - 前記部分(B)が、(メタ)アクリル基、ポリアルキレングリコール基、芳香族基のいずれかであることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記部分(C)が、少なくとも一つの硫黄原子と一つの芳香環から構成され、かつ表面処理剤自体の屈折率(n25 D)が1.55以上であることを特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び、チタン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項11に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 厚さ2.0mmにおける、700nmでの光線透過率が80%以上である請求項1〜13のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の高屈折率樹脂組成物からなる光学部材。
- 撮像用光学部品である請求項16に記載の光学部材。
- 少なくとも表面処理剤で被覆された平均粒径10nm以下の粒子、及び重合性モノマーを含むことを特徴とする重合性組成物であり、該表面処理剤の少なくとも1つが粒子に対して吸着性及び/又は反応性を有する部分(A)、被覆粒子に前記重合性モノマーに対する相溶性を付与する部分(B)、及び高屈折率を有する部分(C)を含むことを特徴とする重合性組成物。
- 前記重合性モノマーが(メタ)アクリルモノマーである請求項18に記載の重合性組成物。
- 前記表面処理剤を除いた粒子の含有量が20質量%以上、60質量%以下である請求項18又は19に記載の重合性組成物。
- 前記部分(A)が、イオン結合性基、前記粒子と反応して共有結合を形成する基、あるいは水素結合性基または配位結合基のいずれかであることを特徴とする請求項18〜20のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 前記イオン結合性基が、酸性基またはその塩、塩基性基またはその塩のいずれかであることを特徴とする請求項21に記載の重合性組成物。
- 前記粒子と反応して共有結合を形成する基が、−Si(OR1)3、−Ti(OR2)3、イソシアネート基、エポキシ基、エピスルフィド基、水酸基、チオール基、ホスフィンオキサイド、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基のいずれかであることを特徴とする請求項21又は22に記載の重合性組成物。
(式中、R1およびR2は水素原子または炭素数1〜25の炭化水素基、または芳香族基を表す。) - 前記部分(B)が、(メタ)アクリル基、ポリアルキレングリコール基、芳香族基のいずれかであることを特徴とする請求項18〜23のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 前記部分(C)が、少なくとも一つの硫黄原子と一つの芳香環から構成され、かつ表面処理剤自体の屈折率(n25 D)が1.55以上であることを特徴とする請求項18〜24のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 前記粒子が金属酸化物であることを特徴とする請求項18〜25のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 前記金属酸化物が、酸化チタン、酸化ジルコニウム、及び、チタン酸塩からなる群より選ばれる少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項26に記載の重合性組成物。
- 光路長2.0mmの石英セルを用いて測定した時に、700nmでの光線透過率が80%以上である請求項18〜28のいずれか1項に記載の重合性組成物。
- 重合開始剤が添加されてなる請求項18〜29のいずれか1項に記載の重合性組成物。
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