JP5555167B2 - シリコーン樹脂組成物、酸化金属粒子及びその製造方法 - Google Patents

シリコーン樹脂組成物、酸化金属粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、シリコーン樹脂組成物、酸化金属粒子及びその製造方法に関する。より詳しくは、光学材料用途等として有用なシリコーン樹脂組成物、酸化金属粒子及びその製造方法に関する。またそれらに関連して、酸化金属粒子を得るために用いるシランカップリング剤、シリコーン樹脂組成物の好適な適用用途である光学材料用樹脂組成物、光半導体封止材用樹脂組成物、それらを硬化させて得られる光学材料、光半導体封止材や、発光デバイス、発光デバイスに用いられるナノ粒子を含む樹脂組成物及びその製造方法に関する。
近年、樹脂組成物がプラスチック材料として機械部品材料、電気・電子部品材料、自動車部品材料、土木建築材料、成形材料等の種々の用途に用いられている。中でも、シリコーン樹脂は、有機樹脂の中では、耐熱性、耐候性(耐久性)に優れ、これらの点では無機質バインダーにはかなわないものの、得られる膜の可撓性や、他の有機樹脂と同様に加工性に優れるために、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂として、成膜材料、成型体材料等の種々の用途で用いられている。置換基の種類によって種々の特性を持つことになるが、優れた特性を有する材料であり、様々な分野に適用できるようにすることが期待されるところである。
これらの特性に加えて、絶縁特性に優れるため、半導体・電子分野においても重要な材料となっている。
このようなシリコーン樹脂を光学材料へ適用する場合には、可視光に対する高い透過性と透明性(可視光が散乱しない)が要求されることはもちろん、特に、光半導体素子(LED等のEL〔発光素子〕)用の封止材として用いるためには、更に、出射される光に含まれる短波長の光(紫外線)に対する耐久性(耐紫外線性)が要求される。しかも作動時に素子温度が高まるために、優れた耐熱性が要求される。
また耐久性(耐紫外線性及び耐熱性)、得られる膜の可撓性や加工性等に優れるシリコーン樹脂を用いる場合は、シリコーン樹脂における透過性、透明性等の光学特性を優れたものとすることが特に要求されることになる。
シリコーン樹脂の光学特性等の性能を向上する方法の一つとしては、樹脂中に無機粒子を含有させる方法が挙げられる。例えば、特定の分散粒径と屈折率とを有する無機酸化物微粒子と、シリコーン樹脂とを含有してなる発光素子封止用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、1つ以上の反応性官能基を有する表面修飾剤により表面が修飾されかつ特定の分散粒径の無機酸化物粒子を含有する無機酸化物透明分散液が開示されている(例えば、特許文献2参照)。更に、疎水性官能基及びヒドロシリル基にて表面修飾された金属酸化物粒子をシリコーン樹脂中に分散してなる金属酸化物粒子−シリコーン樹脂複合体が開示されている(例えば、特許文献3参照)。そして、金属酸化物微粒子と特定の平均組成式で表される多官能ポリシロキサンとを混合して、金属酸化物微粒子を有機溶媒中に分散させることにより得られる金属酸化物微粒子分散体と、ポリジメチルシロキサン構造を有するシリコーンとを混合してなる金属酸化物微粒子含有ポリシロキサン組成物が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、2種以上の被覆剤により被覆されており;当該被覆剤の少なくとも1種が特定の式で表されるものである酸化ジルコニウムナノ粒子が開示され、分散性を改善できることが開示されている(例えば、特許文献5参照)。更に、樹脂及び平均粒子径が特定され、表面が配位及び/又は結合可能な有機化合物により被覆されている酸化ジルコニウム粒子を含有する光半導体封止用樹脂組成物が開示されている(例えば、特許文献6参照)。
ところで、発光ダイオード(LED)やレーザ・ダイオード(LD)のような半導体発光デバイスは、現在利用可能な光源の中でも最も効率的で頑強なものである。可視スペクトルにわたって動作可能な高輝度LEDの製造において現在関心がもたれている材料系は、III−V族半導体、具体的には、III族窒化物材料とも呼ばれるガリウム、アルミニウム、インジウム、並びに、窒素の二元、三元及び四元合金と、III族リン化物材料とも呼ばれるガリウム、アルミニウム、インジウム、並びに、リンの二元、三元及び四元合金とを含むものである。
従来の半導体発光デバイスに関しては、デバイスからの光の抽出効率が、デバイスとそれを取り囲む環境との間の界面における全内反射と、反射された光がその後デバイスの中に再吸収されることとによって、減少する。こうした全内反射は、デバイスを形成する半導体材料の、デバイスの発光波長における屈折率(例えばIII族リン化物材料についてはn〜3.5)が、デバイスをその中にパッケージするか又は包み込む通常はエポキシ樹脂か又はシリコーン樹脂である材料の屈折率(n〜1.6又はそれ以下)より大きいことによって起こる。全内反射による損失は、デバイスの内部とデバイスの外部との屈折率の比によって急速に増大する。
全内反射による損失を軽減するために、シリコーン樹脂などのマトリックス成分に屈折率の高い金属酸化物ナノ粒子を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献7参照)。ここで粒子の分散性を改善するために、アクリル変性ポリビニルアルコールにより表面を修飾した無機酸化物ナノ粒子を用いる方法が開示され(例えば、特許文献8参照)、また一次及び二次表面修飾剤により表面修飾したジルコニア粒子をジメチルシリコーン樹脂に分散させる方法が開示されている(例えば、特許文献9参照)。
なお、シロキサン化合物に関し、基材をシロキサン化合物等で処理することにより、基材表面に撥水処理を行うとともに、基材の熱膨張係数の変化を防止する光通信デバイス用基材が開示されている(例えば、特許文献10参照)。また、コンクリート表面用の撥水性コーテイング中の活性剤として使用したり、無機充填剤用の疎水剤として使用するシロキサン化合物が開示されている(例えば、特許文献11参照)。更に、新規な有機ケイ素化合物の製造方法について開示されている(例えば、特許文献12参照)。更に、粒子を修飾することにより樹脂に対する分散性を高めることが開示されている(例えば、特許文献13参照)。
特開2007−299981号公報(第2、3頁) 特開2007−217242号公報(第2、4、5頁) 特表2008−106186号公報(第2、4頁) 特開2007−270054号公報(第2、5頁) 特開2008−44835号公報(第2、6頁) 特開2008−106260号公報(第2、3頁) 特開2004−15063号公報(第2、11頁) 特開2008−308584号公報(第2、4頁) 特開2008−303299号公報(第2、7、8頁) 特許第3840152号明細書(第1頁) 特開平7−179480号公報(第2頁) 特開平8−231724号公報(第2頁) 米国特許第7141618号明細書
上述したシリコーン樹脂などのマトリックス成分に屈折率の高い金属酸化物ナノ粒子を添加する方法においては、マトリックス成分に対する金属酸化物ナノ粒子の分散性が低くなってしまう。また、アクリル変性ポリビニルアルコールにより表面を修飾した無機酸化物ナノ粒子を用いる方法や、一次及び二次表面修飾剤により表面修飾したジルコニア粒子をジメチルシリコーン樹脂に分散させる方法においても、分散性を向上させる工夫が必要であり、また得られた硬化物中の粒子の含有率が充分ではなく、屈折率が低くなるという課題があった。
上述したシロキサン化合物の処理に関する文献(特許文献10〜13)に記載の技術は、そもそも本発明とは技術分野が違う等によって課題が異なるものである。
ところで、金属酸化物等の無機粒子(酸化金属粒子)は多くのものが、シリコーン樹脂よりも屈折率が高いために、酸化金属粒子を樹脂に混合することにより屈折率を高めることができる。例えば、発光チップと封止剤とから構成される半導体発光デバイスにおいては、発光チップと比べて有機成分である封止剤の屈折率が低くなることから、封止成分の屈折率を高めることが望まれるところである。封止成分と発光チップとの発光波長における屈折率差を充分に低減することができれば、当該屈折率差により発光チップによって生成した光が全内反射されることを充分に防止することができる。これにより、反射された光がデバイス中に再吸収されて熱に変換されることによる半導体発光デバイスのシステム全体としての光変換効率の低減を充分に抑制することができる。しかしながら、従来技術においては、金属酸化物粒子を、シリコーン樹脂に対し、微細な粒子径で充分に分散することが困難であった。シリコーン樹脂に対する分散性を高めるためにシランカップリング剤や有機物による表面処理が検討されているが、微細な粒子径で分散するための工夫の余地があり、更に、光学材料に要求される透明性を維持したシリコーン樹脂を得るための工夫の余地があった。
すなわち、従来技術における課題としては、シリコーン樹脂の透明性を損なわない程度に、シリコーン樹脂に酸化金属粒子を分散させることが望まれていた。言い換えれば、酸化金属粒子がナノレベルで分散した透明なシリコーン樹脂組成物を得ることが望まれていた。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、シリコーン樹脂の透明性を損なわない程度に、シリコーン樹脂に分散し得る、金属酸化物を基とする粒子、該粒子を含有することにより屈折率を制御(特に工業価値としては高い屈折率を達成できる)し得、透明性に問題ない、すなわち粒子添加による透明性低下が抑制された、シリコーン樹脂組成物、その加工品(成形材料、塗膜材料)、及び、該粒子を得るために用いるシランカップリング剤、それらの関連技術を提供することを目的とするものである。
上記シリコーン樹脂組成物は、透明性、高屈折率であることに加え、耐紫外線性、耐熱性に優れるために、光学材料、特に光半導体封止剤として有用なものである。
本発明者等は、上述した特性を発揮することができるシリコーン樹脂組成物について種々検討したところ、酸化金属粒子とシリコーン樹脂とを含むシリコーン樹脂組成物において、酸化金属粒子を、シロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する分散剤で処理し、酸化金属粒子の処理に用いたシリコーン鎖とシリコーン樹脂のシリコーン鎖との関係に着目した。そして鋭意検討を重ねた結果、分散剤のシリコーン鎖長である表面修飾シリコーン鎖長を、シリコーン樹脂のシリコーン鎖長であるマトリックスシリコーン鎖長以上とすることにより、分散性を充分に向上させるという格別な効果を奏することができることを見出し、上記課題をみごとに解決することができることに想到し、本発明に到達したものである。本発明の形態によれば、分散性を向上させると共に、得られた硬化物中の粒子の含有率を充分に高め、それによって屈折率も高めることが可能となる。
なお、本発明は、第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明によって構成され、それぞれ独立に実施することができるが、第1の本発明が、第2の本発明、第3の本発明を上位概念化したり最適化したりしたものであり、第2の本発明、第3の本発明に係る基礎出願における開示内容と重複するものである。
すなわち、第1の本発明は、酸化金属粒子とシリコーン樹脂とを含むシリコーン樹脂組成物であって、上記シリコーン樹脂組成物は、酸化金属粒子がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する分散剤で処理されてなり、シリコーン樹脂がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有し、該分散剤のシリコーン鎖長が該シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であるシリコーン樹脂組成物である。
なお、酸化金属粒子を分散させるシリコーン樹脂が1)ジメチルシリコーン樹脂(単に「ジメチルシリコーン」とも言う)であるか、2)フェニルメチルシリコーン樹脂(単に「フェニルメチルシリコーン」とも言う)であるかによって分散剤の好ましい形態が異なることも見出した。酸化金属粒子の1)ジメチルシリコーンへの分散においては、分散性と凝集・ゲル化防止ということが必要要素となる。一方で、酸化金属粒子の2)フェニルメチルシリコーンへの分散においては、分散性が必要要素となり、凝集・ゲル化防止という要素は必須とはならない。これら1)及び2)の好ましい形態については、後に詳しく述べる。
本発明におけるシリコーン樹脂組成物は、上述した特性が要求される光学用途、特に、白色LED封止材等の光学封止材用途、電気泳動表示装置におけるマイクロカプセル内包液用途等に好適に適用し得るものである。
本発明者等はまた、上述した特性を発揮することができる酸化金属粒子について種々検討したところ、酸化金属粒子がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有するものとすると、当該酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物が、耐紫外線性や耐熱性等の特性を充分なものとすることができることを見出した。すなわち、上記酸化金属粒子が、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有するものとすると、耐紫外線性、耐熱性を充分に優れたものとしながら、酸化金属粒子をシリコーン樹脂に対して充分に分散させることができ、透明性を顕著に優れたものとすることができること、酸化金属粒子の表面処理後の粒子単離時における粒子の不溶化を充分に防ぐことができることを見出したものである。
第2の本発明は、シロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する酸化金属粒子であって、上記酸化金属粒子は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する酸化金属粒子である。
本発明には、下記のような(1)〜(6)の形態のものがある。
(1)本発明における酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物。
(2)本発明におけるシリコーン樹脂組成物を光学材料用に用いる光学材料用樹脂組成物。
(3)本発明における光学材料用樹脂組成物を光半導体封止材用に用いる光半導体封止材用樹脂組成物。
(4)本発明における光学材料用樹脂組成物を硬化させて得られる光学材料。
(5)本発明における光半導体封止材用樹脂組成物を硬化させて得られる光半導体封止材。
(6)本発明における酸化金属粒子を得るために用いるシランカップリング剤。
本発明者らは更に、上記課題について鋭意検討した結果、金属酸化物ナノ粒子(以下、ナノ粒子と称することがある)の含有量を高めることにより、硬化物の屈折率向上という正の効果と同時に発生するナノ粒子を含む樹脂組成物中のナノ粒子の分散性が低下して実質的に取り扱えないという負の効果に対して、ケイ素原子を含む化合物で表面処理を行った金属酸化物ナノ粒子に対してケイ素原子を含む化合物による表面処理を施すことにより、屈折率の向上と分散性の低下抑制を両立できることを見出した。
上記樹脂組成物において、マトリックス成分であるオルガノシロキサン組成物を構成する分子のケイ素原子と酸素原子とにより構成される−(Si−O)−のユニット数と、上記金属酸化物ナノ粒子の平均粒子径と、上記金属酸化物ナノ粒子の表面処理に用いたケイ素原子を含む化合物の−(Si−O)−ユニット数とを、一定の範囲内に揃えると、ナノ粒子を含む樹脂組成物中の該表面処理を施したナノ粒子の分散性及び相溶性といった物性が更に向上することを見出した。
また、上記マトリックス成分が有する官能基及び上記表面処理を施したナノ粒子が有する官能基が特定の組合せを選択することによっても、上記の効果が得られることをも見出した。
上記知見に基づき、高含有量の金属酸化物ナノ粒子含有樹脂組成物であって、高分散性、高相溶性と高屈折率とを満足する硬化物が得られることを見出し、本発明の完成に至った。
すなわち、第3の本発明は、下記のような(1)〜(9)の形態でもある。
(1)下記平均組成式1で表されるオルガノシロキサン組成物;
SiO (式1)
(式1中、Rは、直鎖又は分岐を有し、該分岐は環状であっても良いアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる少なくとも一種であり、Rは、環状エーテル基、ビニル基、アルコキシ基、水酸基、酸無水物基から選ばれる少なくとも一種を有する基、又は、水素原子であり、Siはケイ素原子を表し、OはRに含まれない酸素原子を表す。また、a、b及びcは、該オルガノシロキサン化合物中の1ケイ素原子あたりの夫々の基又は原子の結合数を表し、aは0以上3未満、bは0を越えて3未満であり、cは0を超えて2未満であり、かつa+b+2c=4を満たす正の数値。)からなる第1成分と、
平均粒子径が2〜50nmである金属酸化物ナノ粒子からなる第2成分とを少なくとも含む、発光デバイスの発光素子を覆うために用いられる硬化用樹脂組成物であって、該第2成分を構成するナノ粒子の粒子表面が少なくともケイ素原子を含む化合物で表面処理を施すことを特徴とする発光デバイスの発光素子を覆うために用いられる硬化用樹脂組成物。
(2)上記第1成分を構成するオルガノシロキサン1分子に含まれる−(Si−O)−ユニット数の最大数をAで表し、上記第2成分に含まれる金属酸化物ナノ粒子の平均粒子径(nm)をXで表し、上記第2成分の表面処理に用いられるケイ素原子を含む化合物に含まれる−(Si−O)−ユニット数の最大数をBで表したときに、X=2〜50nm、A=3〜1499ユニット、B=4〜1500ユニットであり、上記Bの上記Xに対する値B/Xは、0.08ユニット/nm以上であり、0.1ユニット/nm以上が好ましく、0.5ユニット/nm以上がより好ましく、750ユニット/nm以下であり、600ユニット/nm以下が好ましく、500ユニット/nm以下がより好ましく、400ユニット/nm以下が更に好ましい。また上記Aに対する上記Bの値B/Aは、1以上であり、400以下が好ましく、350以下がより好ましく、300以下が更に好ましい。
(3)上記第1成分が、構成するオルガノシロキサン1分子に少なくとも2個以上のRを有し、かつ該Rは水素原子又は環状エーテル基を有する化合物で構成されている上記(1)または(2)記載の硬化用樹脂組成物。
(4)上記表面処理を施した第2成分が、上記金属酸化物ナノ粒子にビニル基の結合したシリコーン鎖を有する又は重合性官能基を有さないシリコーン鎖のみを有する上記(1)〜(3)記載の硬化用樹脂組成物。
(5)上記(3)記載の2個以上のRが水素原子である第1成分を有する硬化用樹脂組成物であって、上記表面処理を施した第2成分が上記金属酸化物ナノ粒子にビニル基の結合したシリコーン鎖を有し、該オルガノシロキサン分子のRにおける、全てのSi−H基の個数をA(H)で、該第2成分の全ビニル基の個数をB(V)で表し、その比率であるA(H)/B(V)をR(HV)で表した時に、0.5<R(HV)<2.0である上記(1)〜(3)記載の硬化用樹脂組成物。
(6)上記(3)記載の2個以上のRが環状エーテル基である第1成分を有する硬化用樹脂組成物であって、該環状エーテル基がエポキシ基及び/又はオキセタン基である上記(1)〜(3)記載の硬化用樹脂組成物。
(7)上記(1)記載の第1成分において上記Rとして環状エーテル基を2個以上含んでいる化合物と酸無水物基を2個以上有する化合物とを含んでいる上記(1)または(2)記載の硬化用樹脂組成物。
(8)上記(1)〜(7)記載の硬化用樹脂組成物を硬化して得られる硬化物。
(9)上記(8)記載の硬化物を有する発光デバイス。
本発明としては、上述した第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明があり、各々の本発明における好ましい形態について以下に詳述する。
なお、これら第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明は、適宜組み合わせることができる。また各々の本発明における好ましい形態は、当該本発明以外の本発明においても好ましい形態として適用することができる。
第1の本発明について、以下に詳述する。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、酸化金属粒子がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する分散剤で処理されてなり、シリコーン樹脂がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有し、該分散剤のシリコーン鎖長が該シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上である。これにより、シリコーン樹脂組成物中における酸化金属粒子の分散性を際立って優れたものとすることができる。
なお、シリコーン樹脂とは、水素原子及び/又は有機基をもつケイ素と酸素が交互に結合してできた主鎖よりなる重合体(ポリマー)であり、シロキサン結合とは、Si−O結合をいう。
本発明における分散性の向上は、シリコーン鎖の−(Si−O)−ユニット数に起因して起こり、例えば、以下のようにして、シリコーン鎖とマトリックス(シリコーン樹脂)との相互作用が働くことが考えられる。(1)酸化金属粒子の粒子表面は、水酸基の存在等から極性が高いものとなっている。ここでシリコーン鎖がマトリックスとなるシリコーン樹脂のそれ以上長い分散剤で処理するほど酸化金属粒子の極性を疎水性にすることができ、酸化金属粒子全体としてのシリコーン樹脂との親和性を優れたものとすることができる。(2)シリコーン鎖がマトリックスとなるシリコーン樹脂のそれ以上長い分散剤で処理するほど酸化金属粒子のみかけ比重が下がり、また当該シリコーン鎖がシリコーン樹脂中に延びて存在することにより酸化金属粒子が沈降に対する抵抗を受けることになる。
上記分散剤のシリコーン鎖長は、分散剤が有するシリコーン鎖中の−(Si−O)−ユニット部分の長さをいう。上記シリコーン樹脂のシリコーン鎖長も同様に、シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖中の−(Si−O)−ユニット部分の長さをいう。分散剤のシリコーン鎖長がシリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であるとは、分散剤のシリコーン主鎖のシロキサン結合数がシリコーン樹脂のシリコーン主鎖のシロキサン結合数以上であることをいう。シリコーン鎖の長さに分布がある場合は、平均値に基づいてシリコーン鎖長を求める。
なお、シリコーン鎖としては、環状、デンドリマー構造(分岐構造)もあるため、分子量ではなく、−(Si−O)−ユニット長をシリコーン鎖長とする。
2種以上の分散剤で処理した場合や2種以上のシリコーン樹脂を用いる場合は、複数の分散剤やシリコーン樹脂が有するシリコーン鎖長の平均値を当該鎖長とすることができる。またシリコーン鎖長は、シリコーン鎖中にアルキレン基等のその他の基が存在する場合は、すなわち、−(Si−O)−ユニットとアルキレン基等とによってシリコーン鎖の主鎖が構成される場合は、当該その他の基を除いた−(Si−O)−ユニット部分の長さの和とすることができる。シリコーン鎖が−(Si−O)−ユニットの鎖が複数ある分岐構造を有する場合は、最も長い鎖を主鎖とし、当該主鎖の−(Si−O)−ユニット部分の長さをシリコーン鎖長とすることができる。
上記酸化金属粒子がシロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する分散剤で処理されてなるとは、酸化金属粒子にシリコーン鎖が付着及び/又は結合した形態、すなわち酸化金属粒子がシリコーン鎖を有する形態となることが好ましいが、該分散剤で処理されていればよく、シリコーン鎖が酸化金属粒子に完全に付着及び/又は結合していない形態を含むものである。
上記処理方法としては、後述する第2の本発明における表面処理する方法を適宜用いることができ、酸化金属粒子がシリコーン鎖を有する形態の好ましい形態も、第2の本発明において説明する通りである。また、酸化金属粒子の好ましい形態(粒子径、粒度分布、結晶性、測定方法・製造方法等における好ましい形態)は、後述する第3の本発明におけるナノ粒子の好ましい形態と同様である。
上記シリコーン樹脂組成物の好ましい形態としては、酸化金属粒子がシロキサン結合を構成するケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖を有する分散剤で処理されてなる形態が挙げられる。
この場合、分散剤のシリコーン鎖長がシリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であり、且つ、分散剤が持つシリコーン鎖が、ケイ素原子数が6個以上から構成されるものに特定されることになる。これによって、分散剤のシリコーン鎖とシリコーン樹脂のシリコーン鎖との相互作用、分散剤によって処理された酸化金属粒子のシリコーン樹脂への相溶性の面でより有利な作用効果を発揮することになり、分散剤が発揮する分散性を優れたものとすることができる。
また上記シリコーン樹脂組成物の好ましい形態としては、シリコーン樹脂がジメチルシリコーン樹脂であり、酸化金属粒子がシロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)を有する処理剤、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤で処理されてなる形態が挙げられる。
この場合、シリコーン鎖(II)を有する分散剤の分散性に加えて、シリコーン鎖(I)を有する処理剤によって凝集・ゲル化防止効果が発揮されることになる。
更に、上記シリコーン樹脂組成物の好ましい形態としては、シリコーン樹脂がフェニルメチルシリコーン樹脂であり、酸化金属粒子がフェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤で処理されてなる形態が挙げられる。
この場合、フェニルメチルシリコーン構造を持つ分散剤とシリコーン樹脂とを用いることによって分散性が発揮されることになり、凝集・ゲル化は起こらない。
これらの好ましい形態、特にジメチルシリコーンを用いる場合とフェニルメチルシリコーンを用いる場合とについて、下記に詳細に説明する。
上述したように、酸化金属粒子を分散させるシリコーン樹脂が1)ジメチルシリコーンであるか、2)フェニルメチルシリコーンであるかによって分散剤の好ましい形態が異なる。なお、主体となるシリコーン樹脂が1)ジメチルシリコーンであるか、2)フェニルメチルシリコーンであるかによって好ましい形態を分ければよい。ジメチルシリコーンだけによって、又は、フェニルメチルシリコーンだけによってシリコーン樹脂が構成されている場合だけに適用できるということではなく、例えば、ジメチルシリコーンとフェニルメチルシリコーンとの混合物である場合、いずれが主体かによって主体となる方の好ましい形態を適用すればよく、また、これら以外のシリコーン樹脂が混合されている場合も、適宜いずれかの形態を選択すればよい。
上記酸化金属粒子の1)ジメチルシリコーンへの分散においては、分散性と凝集・ゲル化防止ということが必要要素となるが、分散性に関する好ましい形態について図1を用いて説明すると、次のようになる。
図1は、本発明における酸化金属粒子の粒子径、分散剤のシリコーン鎖長、シリコーン樹脂のシリコーン鎖長の関係を模式的・概念的に表したものである。この図において、酸化金属粒子が球状、分散剤やシリコーン樹脂のシリコーン鎖が直鎖のように表され、分散剤が酸化金属粒子に直接結合したように表されているが、そのような形態に限られるものではない。酸化金属粒子の粒子径の測定については、粒子測定に通常用いられる測定機器を用いて算出することができ、平均粒子径として求めることができる。シリコーン鎖の長さの決め方は、上記した通りである。
酸化金属粒子の粒子径をXとし、シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖長をAとし、分散剤が有するシリコーン鎖長をBとすると、Xは、2〜50nmであることが好ましい。この粒径範囲の酸化金属粒子を用いることにより、シリコーン鎖長(A)、シリコーン鎖長(B)の下記好ましい範囲と相まって、酸化金属粒子をシリコーン樹脂に分散するという本発明の効果がより顕著に発揮されることになる。
本発明においては、分散剤が有するシリコーン鎖長(B)を表面修飾シリコーン鎖長(B)とし、シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖長(A)をマトリックスシリコーン鎖長(A)とすると、
表面修飾シリコーン鎖長(B)≧マトリックスシリコーン鎖長(A)
と表されることになる。
本発明のシリコーン鎖は、−(Si−O)−のユニット長さを表すものであるが、ユニット数としての好ましい範囲を示せば次のようになる。シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖のユニット数をAとし、分散剤が有するシリコーン鎖のユニット数をBとする。
上記分散剤が有するシリコーン鎖における−(Si−O)−ユニット数は、3〜15000であることが好ましい。
上記ユニット数の下限値としては、より好ましくは、4である。更に好ましくは、5である。上限値としては、より好ましくは、1500である。更に好ましくは、1200であり、更に好ましくは、1000である。特に好ましくは、800である。
上記ユニット数は、例えば、3〜15000であることが本発明のシリコーン樹脂組成物における好ましい実施形態である。Si−O長は、1.61Åであるので、シリコーン鎖長(B)の好ましい範囲は、鎖長としては0.48〜2415nm(分子量が222〜1110000)となる。
上記シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖に関しても、−(Si−O)−ユニット数は、3〜15000であることが好ましい。
上記ユニット数の下限値としては、より好ましくは、4である。上限値としては、より好ましくは、1499である。更に好ましくは、1000であり、更に好ましくは、700である。特に好ましくは、500である。
シリコーン鎖長(A)の好ましい範囲も、ユニット数が3〜15000であれば、鎖長としては0.48〜2415nm(分子量が222〜1110000)となる。
本発明においては、上記好ましい範囲内とした上で、シリコーン鎖長(B)がシリコーン鎖長(A)以上となるように設定することになる。
上記ユニット数A、ユニット数B、粒径Xの特に好ましい形態は、下記(1)、(2)の式で表すことができる。
0.01<B/X<7500 (1)
1≦B/A<5000 (2)
上記B/Xが0.01(ユニット/nm)以下であると、酸化金属粒子の表面被覆率が充分に上がらないことから、分散性が充分なものとならないおそれがある。7500(ユニット/nm)以上であれば、シリコーン樹脂組成物の粘度が非常に高くなり、作業性に問題が発生する可能性がある。上記B/Aが1未満であっても5000以上であっても、シリコーン鎖長(A)とシリコーン鎖長(B)とのバランスがとれず、本発明の有利な効果を充分に発揮することができなくなるおそれがある。
上記B/Xは、より好ましくは、0.08(ユニット/nm)以上である。更に好ましくは、0.1(ユニット/nm)以上である。特に好ましくは、0.5(ユニット/nm)以上である。また、上限値としては、より好ましくは、750(ユニット/nm)以下であり、更に好ましくは、600(ユニット/nm)以下であり、更に好ましくは、500(ユニット/nm)以下であり、特に好ましくは、400(ユニット/nm)以下である。
上記B/Aは、1以上である。上限値としては、400以下が好ましい。より好ましくは、350以下であり、更に好ましくは、300以下である。
上記1)ジメチルシリコーンへの分散に関する好ましい形態において、分散剤構造の好ましい形態は、下記化学式(A)又は(B)で表される。
Figure 0005555167
式中、Rは、Me(メチル基)又はビニル基を表す。Rは、Me(メチル基)を表す。xは、0又は1を表す。nは、繰り返し単位の数を表し、好ましい範囲は、シリコーン鎖長(B)の−(Si−O)−ユニット数の好適範囲となる。
これらのうち、上記(A)で表される分散剤構造を有する分散剤がより好ましい。
上記1)ジメチルシリコーンへの凝集・ゲル化防止に関する好ましい形態において、凝集・ゲル化防止作用を発揮する化合物構造の好ましい形態は、下記化学式(C)で表される。
Figure 0005555167
式中、Rは、Me(メチル基)を表す。xは、0又は1を表す。
本発明の分散剤で処理された酸化金属粒子の製造における好ましい形態としては、酸化金属粒子を溶媒中に分散させ、分散剤で処理する工程を行う。処理工程の後に、通常は未反応の分散剤等を酸化金属粒子から分離するために、貧溶媒を加えて粒子を析出(再沈殿)させる。そして、ろ過を行って粉状の生成物を得、当該粉状生成物を再度溶媒又はシリコーン樹脂中に分散させる工程を行う。この再分散工程が、酸化金属粒子の凝集・ゲル化によってできなくなるおそれがあった。上記のような凝集・ゲル化防止に関する好ましい形態を適用すれば、すなわち、凝集・ゲル化防止作用を発揮する化合物によって酸化金属粒子を処理しておけば、処理された酸化金属粒子の製造において不具合が生じることが防止され、製造上有利な効果を得ることができる。
本発明の好ましい形態の一つは、シリコーン樹脂組成物の製造方法としては、酸化金属粒子を溶媒中に分散させ、分散剤で処理する工程、分散剤処理工程の後に、貧溶媒を加えて粒子を析出させる工程、粒子析出工程の後に、ろ過を行って粉状の生成物を得、当該粉状生成物を再度溶媒又はシリコーン樹脂中に分散させる工程を含むものである。粉状生成物を再度溶媒に分散させる場合は、その後にシリコーン樹脂中に分散させることになる。
上記化学式(C)で表される化合物においては、シロキサン構造によって耐熱性が発揮され、−Si(OMe)の末端構造が酸化金属粒子表面への吸着作用を発揮することになると考えられる。
なお、上記化学式(C)で表される化合物によって処理された酸化金属粒子、その製造方法、及び、該粒子とシリコーン樹脂とを含むシリコーン樹脂組成物については、それら自体で上記凝集・ゲル化防止に関する効果を発揮できるものであり、それら自体のみによって本発明を構成することができる。すなわち、上記化学式(C)で表される化合物によって処理された酸化金属粒子に係る発明もまた、独立した発明となり得るものである。
上記2)フェニルメチルシリコーンへの分散においては、フェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤の使用、すなわち、これによって酸化金属粒子を処理することが好ましい。例えば、下記化学式(D)で表されるフェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤が挙げられる。
Figure 0005555167
式中、Rは、Me(メチル基)又はビニル基を表す。Rは、Me(メチル基)を表す。xは、0又は1を表す。m及びnは、繰り返し単位の数を表し、m及びnとそれらの繰り返し単位以外の−(Si−O)−ユニット数を合計した好ましい範囲は、シリコーン鎖長(B)の−(Si−O)−ユニット数の好適範囲と同様となる。
例えば、上記化学式(D)で表される分散剤であるPVD−1631(商品名、分子量19000、m:n〔ジフェニルシロキサン基とジメチルシロキサン基との比率〕=1:1、両末端ビニル基、Gelest社製)と、トリメトキシシランの反応物を表面処理剤として使用することにより、フェニルメチルシリコーンであるPVD−1625(商品名、分子量9500、ジフェニルシロキサン基とジメチルシロキサン基との比率は、PVD−1631と同様、両末端ビニル基、Gelest社製)へ分散できることを確認している。この際、上記化学式(C)で表される化合物を併用しなくても凝集・ゲル化は起こらないことを確認した。
すなわち、2)フェニルメチルシリコーンへの分散の好ましい形態においては、ジフェニルシロキサン基とジメチルシロキサン基とを必須とするシリコーン鎖を持つシリコーンを分散剤として用いればよく、1)ジメチルシリコーンへの分散に関する好ましい形態において用いられる凝集・ゲル化防止作用を発揮する化合物を併用しなくてもよい。
上記2)フェニルメチルシリコーンへの分散における好ましい形態としては、上記化学式(D)で表されるフェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤を使用する場合又はそれ以外の場合において、フェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤におけるシリコーン鎖の鎖長を表面修飾シリコーン鎖長(B)とし、シリコーン樹脂におけるシリコーン鎖の鎖長をマトリックスシリコーン鎖長(A)とすれば、
表面修飾シリコーン鎖長(B)≧マトリックスシリコーン鎖長(A)
となるようにすることが好ましい。
また分散剤におけるシリコーン鎖のフェニル基量(シリコーン鎖中のフェニル基のモル数の合計)を表面修飾シリコーンのフェニル基量とし、シリコーン樹脂におけるシリコーン鎖のフェニル基量(シリコーン鎖中のフェニル基のモル数の合計)をマトリックスシリコーンのフェニル基量とすれば、
0.2×表面修飾シリコーンのフェニル基量≦マトリックスシリコーンのフェニル基量≦5.0×表面修飾シリコーンのフェニル基量
となるようにすることが好ましい。このように、表面修飾シリコーンのフェニル基量とマトリックスシリコーンのフェニル基量とを調整し、大きく異ならないようにすることが、両者の相互作用による分散性向上の見地から好ましい。
フェニルメチルシリコーン構造を有する分散剤におけるジフェニルシロキサン基とジメチルシロキサン基との比率(モル比)については、ジフェニルシロキサン基:ジメチルシロキサン基=1:1となる又はそれと同等と評価し得る比率とすることが好ましいが、上記フェニル基量やシリコーン樹脂として用いるフェニルメチルシリコーンのジフェニルシロキサン基とジメチルシロキサン基との比率等を考慮して適宜設定することができる。
なお、上記2)フェニルメチルシリコーンへの分散形態においては、下記化学式で表されるフェニルトリメトキシシランを使用してもよい。
Figure 0005555167
第1の本発明における最良の実施形態について説明すると、次の通りとなる。
上記1)ジメチルシリコーンへ酸化金属粒子を分散させる場合には、
表面修飾シリコーン鎖長(B)≧マトリックスシリコーン鎖長(A)
となるようにしつつ、酸化金属粒子がシロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)を有する処理剤、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤で処理されてなることが好適である。更に、シリコーン鎖(I)においては、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が3個以上であることが好ましい。シリコーン鎖長が長いシリコーン鎖(II)がシリコーン樹脂と相互作用して相溶性が発揮され、シリコーン鎖長が短いシリコーン鎖(I)によって凝集・ゲル化防止作用が発揮されることになる。
この場合、シリコーン樹脂組成物にアルキルカルボン酸が含まれることが好ましい形態の1つであると言える。アルキルカルボン酸は、シリコーン鎖を有する分散剤や処理剤によって酸化金属粒子を処理する際に好ましく使用される化合物であり、通常では、シリコーン樹脂組成物に残存するからである。もちろん、アルキルカルボン酸が除去されたシリコーン樹脂組成物も好ましい形態の1つであるが、シリコーン樹脂組成物の使用用途によって支障がなければアルキルカルボン酸が残存していてもよい。アルキルカルボン酸が含有されるか否かの分析は、通常化学分析において用いられる分析機器によって判別することができる。
なお、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)を有する処理剤、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤の添加量・使用量における好ましい形態は、それぞれ、第2の本発明におけるシリコーン鎖(I)を有するシラン化合物(A)とシリコーン鎖(II)を有するシラン化合物(B)の添加量・使用量における好ましい形態と同様である。またアルキルカルボン酸については、第3の本発明において、「被覆剤」として詳しく説明する。上記好ましい形態は、当該被覆剤をシリコーン樹脂組成物が含む形態である。
上記2)フェニルメチルシリコーンへ酸化金属粒子を分散させる場合には、
表面修飾シリコーン鎖長(B)≧マトリックスシリコーン鎖長(A)
となるようにしつつ、酸化金属粒子がシロキサン結合を構成するケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤で処理されてなることが好適である。分散剤構造に関しては、フェニルメチルシリコーン構造を有すること、また、下記式を満たすようにすることが好ましい。
0.2×表面修飾シリコーンのフェニル基量≦マトリックスシリコーンのフェニル基量≦5.0×表面修飾シリコーンのフェニル基量
フェニルメチルシリコーンを用いる場合は、ジメチルシリコーンを用いる場合と異なって、凝集・ゲル化は起こらず、シリコーン鎖長が短いシリコーン鎖(I)を有する処理剤を使用する必要はない。
この場合も、上記と同様の理由から、シリコーン樹脂組成物にアルキルカルボン酸が含まれることが好ましい形態の1つであると言える。
本発明はまた、本発明のシリコーン樹脂組成物を光学材料として用いるシリコーン樹脂組成物でもある。
上記シリコーン樹脂組成物は、光学材料用樹脂組成物と言うこともできる。本発明のシリコーン樹脂組成物が適用される用途としては、光学材料用樹脂組成物、光学材料用樹脂組成物を硬化させて得られる光学材料、光学材料用樹脂組成物を光半導体封止材用に用いる光半導体封止材用樹脂組成物、光半導体封止材用樹脂組成物を硬化させて得られる光半導体封止材等が挙げられる。これら用途については第2の本発明の説明において詳述する。
これらの用途については、第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明のいずれも好適に適用することできる。
本発明は更に、本発明のシリコーン樹脂組成物に用いられる酸化金属粒子でもある。
当該酸化金属粒子は、上記分散剤を必須として処理されてなるものであり、それ自体がシリコーン樹脂組成物に対する分散性に優れ、屈折率を高めることができるものとして有用である。
本発明はそして、シリコーン鎖を有するシリコーン樹脂に分散する酸化金属粒子を製造する方法であって、上記製造方法は、シロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有する分散剤によって酸化金属粒子を処理する工程を含み、該分散剤のシリコーン鎖長が該シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上である酸化金属粒子の製造方法でもある。
酸化金属粒子の製造方法については、後述する第2の本発明、第3の本発明においても詳述するが、このような製造方法を第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明において適用することは、本発明の好ましい実施形態の1つであると言える。
なお、第1の発明における分散剤、処理剤は、第2の発明においては、シランカップリング剤、第3の本発明においては、ケイ素原子を含む化合物と表現されているが、同様の意味であり、いずれのものも第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明において適用することができる。
本発明においては、第1の本発明が好ましい実施形態であり、第1の本発明と後述する第2の本発明、第3の本発明とは、発明の技術的範囲が重複することになる。重複する範囲については、各本発明において適用することができる形態、好ましい形態を第1の本発明、第2の本発明、第3の本発明のいずれにも適用することができる。
次に、第2の本発明について詳述する。上述の通り、以下に詳述する第2の本発明に係る酸化金属粒子、シリコーン樹脂、シランカップリング剤の形態、好ましい形態は、第1の本発明に係る酸化金属粒子、シリコーン樹脂、分散剤、処理剤の形態、好ましい形態として適用することができる。
第2の本発明に係る酸化金属粒子は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する。
これにより、本発明の酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物が、耐紫外線性や耐熱性等の特性を充分なものとするとともに、酸化金属粒子の分散性を優れたものとすることができ、透明性を際立って優れたものとすることができる。また、酸化金属粒子を含有するため、屈折率が高いものとすることができる。
上述のシリコーン鎖を「有する」形態としては、シリコーン鎖が酸化金属粒子の表面に付着及び/又は結合している形態が好ましい。例えば、シリコーン鎖を有する酸化金属粒子を、該シリコーン鎖を溶解し得る有機溶媒(例えば、メタノール等)で洗浄しても離脱しない形態であることが好ましい。例としては、酸化金属粒子の表面にシリコーン鎖を含む化合物が付着している(酸化金属粒子の表面を構成する原子と化学結合はしていなくてもよい)形態、酸化金属粒子の表面を構成する元素と、シリコーン鎖を含む基とが化学結合(共有結合)している形態等が好適である。
なお、上記酸化金属粒子が2種のシリコーン鎖を有することにより、当該酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物が、上述した優れた特性を発揮することができる理由としては、酸化金属粒子が、ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有することによって粒子の透明分散性を付与し、ケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)をも有することにより、鎖同士が絡まり合って2次凝集することを充分に防ぐことができ、粒子の安定性を付与することができるためであると考えられる。すなわち、酸化金属粒子がシリコーン鎖(I)又はシリコーン鎖(II)のいずれか一方のみを有するのではなく、これらの両方を有するところに本発明の本質的な特徴があり、これにより上記2種類のシリコーン鎖が相乗的に作用して顕著に優れた効果が発揮されると考えられる。
本発明の酸化金属粒子は、(1)酸化金属粒子がその粒子中に上記シリコーン鎖(I)と上記シリコーン鎖(II)との両方を有する形態;(2)ある酸化金属粒子がシリコーン鎖(I)を有し、別の酸化金属粒子がシリコーン鎖(II)を有する形態;(3)(1)の形態と(2)の形態との両方を含む形態のいずれであってもよいが、中でも(1)の形態又は(3)の形態が好ましい。特に好ましくは、(1)の形態である。
上記シリコーン鎖は、好ましくは、下記式:
Figure 0005555167
(式中、R、Rは、同一又は異なって、置換基があってもよい炭化水素基、Rは、同一又は異なって、置換基があってもよい炭化水素基、水素原子、水酸基、アルコキシ基、ハロゲン原子から選ばれる少なくとも1種を表す。)で表されるものである。
なお、上記R〜Rにおける炭化水素部分は、シリコーン鎖とシリコーン鎖との結合鎖となることもある。このとき、R〜Rは、置換基としてシリコーン鎖を有する炭化水素基である。
〜Rのいずれかが、置換基としてシリコーン鎖を有する炭化水素基である場合、それがRであることが好ましい。
、Rは、好ましくは、置換基があってもよい。炭素数1〜6の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基であり、より好ましくはメチル基である。
は、好ましくは、置換基があってもよい炭化水素基又は水素原子であり、より好ましくは、アルケニル基又は水素原子であり、更に好ましくはビニル基又は水素原子である。
一方、シリコーン鎖(I)、(II)は、アルケニル基及び/又はヒドロシリル基を有することが好ましく、該シリコーン鎖を構成するケイ素原子の少なくとも1個のケイ素原子にアルケニル基が結合している形態、該シリコーン鎖を構成するケイ素原子の少なくとも1個のケイ素原子がヒドロシリル基を形成している形態が好ましい。
上記アルケニル基の中でも、ビニル基が好ましい。
したがって、上記式において、R〜Rのいずれかがアルケニル基であることが好ましく、特にRがアルケニル基であることが好ましい。あるいは、Rが水素原子であることが好ましい。
上記ケイ素原子数とは、アルコキシシリル基のケイ素原子Aに直接又は間接的に結合する(すなわち、酸化金属粒子を処理するためのシランカップリング剤を構成するシラン化合物の形態で言えば、シラン化合物分子の1分子あたりに含有される)シリコーン鎖(ポリシロキサン鎖)を構成するシロキサン結合を形成するケイ素原子の総数を意味する。ケイ素原子Aがシリコーン鎖(I)、(II)を構成するケイ素原子である場合は、当該シリコーン鎖を構成するケイ素原子数の算定に含める。
なお、上記アルコキシシリル基のケイ素原子Aとは、アルコキシシリル基と酸化金属粒子とが化学結合した形態においては、当該化学結合する前にアルコキシシリル基を構成するケイ素原子であったケイ素原子を含むものである。
上記ケイ素原子数の数え方は、ケイ素原子Aに直接結合する形態、間接的に結合する形態に応じて、以下の通りである。
(1)ケイ素原子に結合しているシリコーン鎖が1個である場合:シリコーン鎖を構成するケイ素原子数。
(2)ケイ素原子に結合しているシリコーン鎖を含む基は1個であるが、シリコーン鎖が有機基を介して2個あるような場合:2個のシリコーン鎖を構成するケイ素原子数の合計。
(3)ケイ素原子に、シリコーン鎖を含む基が2個以上結合している場合:各シリコーン鎖を構成するケイ素原子数の合計。
上記(1)〜(3)の例を、以下に示す。
Figure 0005555167
上記シリコーン鎖(I)は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が3個以下であることが好ましい。すなわち、該ケイ素原子数が2個又は3個であることが好適である。
上記シリコーン鎖(II)は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が8個以上であることが好ましい。シリコーン鎖(II)のシロキサン結合を構成するケイ素原子数の上限値は、1500個以下であることが好ましく、1000個以下がより好ましい。
これにより、本発明の酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物において、透明性を更に優れたものとすることができる。
本発明の酸化金属粒子における上記シリコーン鎖(I)とシリコーン鎖(II)との質量比は、5/95〜95/5であることが好ましい。5/95未満であると、酸化金属粒子の2次凝集が生じて粒子の安定性が充分なものとならないおそれがある。95/5を超えると、シリコーン樹脂への透明分散性に劣ることになるおそれがある。より好ましくは、10/90〜90/10であり、更に好ましくは、15/85〜85/15である。
本発明の酸化金属粒子におけるシリコーン鎖(I)とシリコーン鎖(II)の合計含有量が、酸化金属粒子における金属酸化物100質量%に対し、5質量%以上であり、また70質量%以下であることが好ましい。5質量%未満であると、シリコーン樹脂への分散性が不充分となるおそれがある。一方、酸化金属粒子における金属酸化物粒子(金属酸化物成分)が高屈折率であっても、上記含有量が70質量%を超えると酸化金属粒子の屈折率が低減してしまうために、シリコーン樹脂の高屈折率化が困難となる場合がある。
上記含有量は、更に好ましくは、10質量%以上であり、また、50質量%以下である。
本発明の酸化金属粒子の金属酸化物成分としては、金属元素の酸化物であればよく、単一酸化物、固溶体、複合酸化物のいずれであってもよい。また、1種又は2種以上を用いてもよい。
すなわち、金属酸化物としては特に限定されず、各種金属元素を金属成分とする金属酸化物に対し効果を発揮し得る。例えば、樹脂組成物において、樹脂組成物を硬化して得られる封止材からの出射効率を高めるためには高い屈折率が要求されるが、本発明の酸化金属粒子を含有することにより、高い屈折率を達成することができる。
好ましい金属酸化物は、以下の通りである。
(1)光学材料、光半導体封止材へ適用する場合には、Si、Al、Ti、Zr、Zn、Nb、Y、La、In、Snを金属成分とする酸化物が、無色又は着色があっても光学材料として使用できる程度である点で好適である。すなわち、Si、Al、Ti、Zr、Zn、Nb、Y、La、In及びSnからなる群より選択される少なくとも1種を金属成分とする酸化物が好ましい。
(2)光半導体封止材等、高屈折率化が要求される用途へ適用する場合には、Ti、Zr、Zn、Nb、Y、La、In、Snを金属成分とする酸化物が好適である。すなわち、Ti、Zr、Zn、Nb、Y、La、In及びSnからなる群より選択される少なくとも1種を金属成分とする酸化物が好ましい。
上記(2)の理由としては、酸化物が高屈折率であり、シリコーン樹脂組成物の屈折率を高める点で、金属酸化物の使用量が少量で済む、又は、高い屈折率とできるためである。
また、高屈折率の金属酸化物の場合、シリコーン樹脂との屈折率差が大きいために、本願の効果である、分散性の改良により、粒子添加による透明性の低下の抑制効果が高くなる点でも価値が高い。
中でも、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化ニオビウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化インジウム及び酸化スズ(酸化第二スズ)からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。X線回折学的に、又は、電子線回折学的にこれらの結晶に帰属されるものが好ましい。
更に、Ti、Zr、Zn、Nbを金属元素成分とする酸化物が好ましい。
特に、酸化ジルコニウムは、晶系により屈折率は変化するが、2.0〜2.3と高く、可視光に対する透過性が高いと共に、長波長紫外線に対する透過性も高いために、光触媒活性が低く、マトリックス樹脂であるシリコーン樹脂を光劣化させ難い点で好適である。
本発明の酸化金属粒子としては、1次粒子径(結晶子径、比表面積径)が50nm未満であることが好ましい。50nm以上であると、透明性が損なわれるおそれがある。より好ましくは、20nm未満であり、更に好ましくは、15nm未満である。通常、樹脂組成物を光学用途に用いる場合には、透明性を充分なものとするために微細な粒子が必須である。上記1次粒子径の下限値としては、2nm以上であることが好ましい。
上記酸化金属粒子としては、高屈折率酸化物であることが好ましい。高屈折率酸化物を用いれば、該酸化金属粒子を含むシリコーン樹脂組成物、及び、該シリコーン樹脂組成物によって形成される光学材料等の屈折率を高いものとすることができ、光学用途等に好適に用いることができる。
上記酸化金属粒子の屈折率としては、1.9以上であることが好ましい。1.9未満であると、シリコーン樹脂組成物の高屈折率化を充分には行えないおそれがあるが、1.9以上であると、光学用途に好適に用いることができる。より好ましくは、2.0以上であり、更に好ましくは、2.1以上である。具体的には、1.9〜2.7であることが好ましい。
本発明の酸化金属粒子は、アルケニル基及び/又はヒドロシリル基を有するものであることが好ましい。
アルケニル基及び/又はヒドロシリル基を有するものとすることにより、当該基が硬化時の重合反応に関与することができるため、シリコーン樹脂組成物の硬化性がより向上することになる。
上記アルケニル基の中でも、ビニル基が好ましい。
本発明の酸化金属粒子は、シリコーン樹脂に含有させるために用いるものであることが好ましい。これにより、本発明の効果がより顕著なものとなる。
本発明はまた、特定のシランカップリング剤で処理された酸化金属粒子であって、上記シランカップリング剤は、シラン化合物からなり、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有するものであれば特に限定されない。このような酸化金属粒子は、上述した本発明の酸化金属粒子の好ましい形態でもある。
上記シランカップリング剤は、シリコーン鎖含有シランカップリング剤であるが、(1)シランカップリング剤を構成する分子(シラン化合物)がその分子中に上記シリコーン鎖(I)と上記シリコーン鎖(II)との両方を有する形態;(2)シランカップリング剤を構成するある分子(あるシラン化合物)が該シリコーン鎖(I)を有し、シランカップリング剤を構成する別の分子(別のシラン化合物)が該シリコーン鎖(II)を有する形態;(3)(1)の形態と(2)の形態との両方を含む形態のいずれであってもよい。
本発明の酸化金属粒子を得る方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)シリコーン鎖の長さの違う、2種のシラン化合物(上記シリコーン鎖(I)を有するシラン化合物(A)、上記シリコーン鎖(II)を有するシラン化合物(B))で金属酸化物粒子を表面処理する方法(ここで、シラン化合物(A)、シラン化合物(B)は、他の構造的、組成的に違うものを用いる場合もあれば、シリコーン鎖のみ違う化合物を用いる場合もある。)、(2)製品としては1種であるが、シリコーン鎖の長さに分布のある(シリコーン鎖(I)、シリコーン鎖(II)をいずれも含むような、ケイ素原子数に分布のある)シラン化合物で金属酸化物粒子を表面処理する方法。
ここで、上記(1)の方法が、シリコーン鎖(I)、シリコーン鎖(II)の存在量を制御しやすいために、好ましい形態となる。
上述した各シラン化合物(シリコーン鎖(I)を有するシラン化合物(A)、シリコーン鎖(II)を有するシラン化合物(B)、シリコーン鎖の長さに分布のあるシラン化合物)の使用量は、シラン化合物におけるシリコーン鎖(I)、シリコーン鎖(II)の存在量が、上述したシリコーン鎖(I)とシリコーン鎖(II)との質量比の好ましい形態となるものであることが好ましい。
すなわち、上記シリコーン鎖(I)を有するシラン化合物(A)とシリコーン鎖(II)を有するシラン化合物(B)の添加量の割合は、シリコーン鎖(I)とシリコーン鎖(II)との質量比が5/95〜95/5となるように添加することが好適である。
より好ましい範囲は、10/90〜90/10である。更に好ましい範囲は、15/85〜85/15である。
上記シランカップリング剤の使用量(総量)は、また、前述した酸化金属粒子におけるシリコーン鎖含有量(シリコーン鎖(I)、シリコーン鎖(II)の合計含有量)となるように添加されればよく、特に限定されない。が、シリコーン樹脂への分散性に優れる酸化金属粒子とするためには、シランカップリング剤使用量(総量)は、金属酸化物粒子100質量%に対し、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上が更に好ましい。
一方、シランカップリング剤使用量(総量)の上限は、100質量%以下であることが好ましい。100質量%を超えてシランカップリング剤を添加しても、金属酸化物粒子の表面に導入されずに遊離の状態となるおそれがある。更に、金属酸化物粒子の屈折率等の光学的特徴を酸化金属粒子として発揮するためには、80質量%以下が好ましい。
上記表面処理する方法としては、通常の方法を適宜用いることができるが、例えば金属酸化物粒子を溶媒(例えば、トルエン等)中に分散させ、シランカップリング剤を添加して処理を行う形態が好ましい。また、未反応シラン及び遊離分散剤等は、貧溶媒を添加して沈殿させることにより除去することが好ましい。貧溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなアルコール系溶媒が好ましく、メタノールが更に好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。更に、貧溶媒を加えて粒子を析出させ、ろ過やデカンテーション等により粉を得る形態が好ましい。
シランカップリング剤が2種以上のシラン化合物からなる場合は、シランカップリング剤(混合物)として添加してもよいが、個々のシラン化合物を個別に順次、添加、表面処理してもよい。例えば、シリコーン鎖(I)を有するシラン化合物で表面処理した後、シリコーン鎖(II)を有するシラン化合物で表面処理してもよい。
上記シラン化合物の構造としては、1分子中に少なくとも1つの−SiX基を有するオルガノシロキサンである。式中、Xは、アルコキシ基、ハロゲン基又は水酸基を表す。aは、1〜3である。−SiX基の数は、3個以下であることが好ましい。3個を超えると、表面処理中にゲル化が起こる要因となるおそれがある。より好ましくは、2個以下であり、更に好ましくは、1個である。
上記シリコーン鎖含有シランカップリング剤は、重量平均分子量500以上のシリコーン鎖含有シラン化合物と重量平均分子量500未満のシリコーン鎖含有シラン化合物を含有するものであることが好ましい。
重量平均分子量500以上のシリコーン鎖含有シラン化合物を含有することにより、粒子の透明分散性を付与することができ、重量平均分子量500未満のシリコーン鎖含有シラン化合物を更に含有することにより、鎖同士の絡まり合いを充分に防ぐことができ、粒子の安定性を付与することができると考えられる。すなわち、シランカップリング剤が重量平均分子量500以上のシリコーン鎖含有シラン化合物又は重量平均分子量500未満のシリコーン鎖含有シラン化合物のいずれか一方のみを含有するのではなく、これらの両方を有するところに本発明の本質的な特徴があり、これにより上記2種類のシラン化合物が相乗的に作用して顕著に優れた効果が発揮されると考えられる。
なお、上記重量平均分子量500以上のシリコーン鎖含有シラン化合物の重量平均分子量の上限値は、100000以下であることが好ましい。より好ましくは、50000以下である。また、上記重量平均分子量500未満のシリコーン鎖含有シラン化合物の重量平均分子量の下限値は、200以上であることが好ましい。より好ましくは、300以上である。
上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography;GPC)により測定することができる。
例えば、以下の測定条件が好ましい。
使用カラム:Shodex GF−7MHQ(商品名、昭和電工社製) 2本
溶離液:THF(テトラヒドロフラン)
流速:0.6ml/min.
カラム温度:40℃
標準物質:ポリスチレン
検出器:RI(示差屈折率)検出器
打ち込み量:0.5質量%溶液で10μL
上記シラン化合物は、分子内にアルケニル基及び/又はヒドロシリル基を更に有するものが好ましい。更に、アルケニル基及び/又はヒドロシリル基がシラン化合物を構成する、シリコーン鎖(I)及び/又はシリコーン鎖(II)に含有されてなることが好ましく、更に、該シリコーン鎖を構成するケイ素原子の少なくとも1個のケイ素原子にアルケニル基が結合している形態、該シリコーン鎖を構成するケイ素原子の少なくとも1個のケイ素原子がヒドロシリル基を形成している形態が好ましい。
上記アルケニル基の中でもビニル基が好ましい。
上記シラン化合物の具体的な構造式としては、例えば、下記反応式により得られる式(A)で表される化合物、式(B)で表される化合物、式(C)で表される化合物が挙げられる。下記化学式中のnは、括弧内のシロキサン結合が繰り返されていることを示す。
上記ビニル基を有する好ましい化合物例としては、例えば式(A)で表される化合物が例示され、ヒドロシリル基を有する好ましい化合物例としては、式(B)で表される化合物が例示される。
なお、式(A)で表される化合物、式(B)で表される化合物におけるシリコーン鎖を構成するケイ素原子における結合基が図には記載されていないが、通常、置換基があってもよい、炭化水素基であり、好ましくは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜2の炭化水素基であり、特に好ましくはメチル基である。
式(A)で表される化合物におけるシリコーン鎖を構成するケイ素原子における置換基がメチル基の場合は、式(A)で表される化合物における原料(ジビニルシロキサン化合物)として、両末端ジビニルジメチルポリシロキサン(MVD8MV クラリアント社製)を用いることが好ましく、式(B)で表される化合物におけるシリコーン鎖を構成するケイ素原子における置換基がメチル基の場合は、式(B)で表される化合物における原料(ジハイドロジエンシロキサン化合物)としては両末端ジハイドロジメチルポリシロキサン(MHD6MH クラリアント社製)を用いることが好ましい。
Figure 0005555167
Figure 0005555167
Figure 0005555167
なお、上記いずれの反応も、白金触媒にて進行するものである。
上記白金触媒は、例えば塩化白金酸六水和物(HPtCl・6HO)、ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体が挙げられる。
酸化金属粒子表面へのシリコーン鎖導入方法として、シリコーン鎖を有するカップリング剤による導入のみではなく、官能基を有するシランカップリング剤により表面処理を行い、その後にその官能基と反応し得る官能基を有するシリコーン鎖含有化合物を反応させることで、粒子表面にシリコーン鎖を導入してもよい。具体的には、例えばビニルトリメトキシシランにより粒子表面を処理し、そのビニル基にヘプタメチルトリシロキサンをヒドロシリル化反応により付加させ、粒子表面にシリコーン鎖を導入させる方法等が挙げられる。
また、酸化金属粒子表面に導入されるシリコーン鎖の形状として直鎖状、デンドリマー構造を含む枝分かれ状が挙げられる。粒子表面へのデンドリマー構造の導入方法はデンドリマー構造を形成してから粒子表面へ反応させる方法、粒子表面でデンドリマー構造を形成していく方法があり、どちらの方法で導入しても構わない。
本発明の酸化金属粒子は、下記式(i);
−COOH 式(i)
(式中、Rは、炭素数5〜30の炭化水素基を示す。)
で表される被覆剤で被覆されていることも好ましい。通常、水中やアルコール中で合成される酸化金属粒子はシリコーン鎖構造を有する表面処理剤が溶解できない水やアルコールのような極性溶媒にしか分散しないため、シリコーン鎖構造を粒子表面に導入することは非常に難しい。これに対し、上記式(i)で表される被覆剤で被覆された粒子はシリコーン鎖構造を有する表面処理剤が可溶なトルエン等の疎水性溶媒に分散可能であるために、シリコーン鎖構造の表面への導入が非常に容易となる。
上記式(i)で表される被覆剤は、Rの炭素数5〜30が好ましく、より好ましくは5〜20であり、また、直鎖状でも分枝鎖状でもよく、より好ましくは分枝鎖状であり、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸;2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクタン酸、ネオデカン酸などの分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸等の環状カルボン酸などを使用することができる。これらのうちネオデカン酸や2−エチルヘキサン酸などの分枝鎖状カルボン酸が好適である。必ずしもその理由は明らかではないが、直鎖状の炭化水素鎖よりも分枝鎖状の炭化水素鎖を有する疎水性被覆剤の方が、疎水性有機溶媒などに対する粒子の分散効果を一層高めることができる。また、上記式(i)の被覆剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
上記式(i)で表される被覆剤が炭素数5以上の分枝鎖状炭化水素基を有する場合には、当該被覆剤(i)以外の少なくとも1種の被覆剤としては、下記式(ii);
−COOH 式(ii)
(式中、Rは、炭素数5〜30の直鎖状炭化水素基を示す。)
で表される被覆剤を挙げることができる。
炭素数5以上の分枝鎖状炭化水素基を有する上記式(i)で表される被覆剤は、非極性の溶媒等に対する分散性を向上させることができるが、上記式(ii)の被覆剤を併用することにより、かかる分散性をより一層改善し得る。上記式(ii)の被覆剤は、Rの炭素数は5〜30が好ましく、5〜20がより好ましく、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸を挙げることができる。
酸化金属粒子表面へのシリコーン鎖導入方法として、アルコキシシリル基を有するシランカップリング剤を用いる以外に、カルボキシル基、またはエポキシ基を有するシリコーン樹脂を用いることも好ましい。
なお、本発明は、上述した酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂組成物でもある。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、シリコーン樹脂を含有するものである。
上記シリコーン樹脂は、本明細書中、1分子中に少なくとも2つの官能基を有するオルガノシロキサンである。
ここで、従来のシリコーン樹脂組成物について説明する。従来のシリコーン樹脂組成物においては、耐熱性を充分なものとするとともに、光半導体封止材等の要求性能である耐紫外線性と、屈折率を満足するシリコーン樹脂を得ることが望まれていた。例えば、ジメチルシリコーン等、官能基(置換基)がアルキル等の脂肪族炭化水素基であるシリコーン鎖を基本骨格とするシリコーン樹脂は、耐紫外線性に優れるが、屈折率が低い(通常、1.5未満)ために、光半導体素子用封止材としては不充分であった。また、官能基(置換基)をフェニル基等の芳香環を有するものを主成分とすれば(たとえばフェニルメチルシリコーン、ジフェニルシリコーン等)、シリコーン樹脂の屈折率が高まるものの(例えば、1.5程度)、耐紫外線性は低下するため、光半導体素子用封止材としては不充分であった。本発明のシリコーン樹脂組成物は、耐紫外線性を充分なものとしたうえで、屈折率を優れたものとすることができ、この点を解決したものである。
すなわち、上記官能基(置換基)としては、本発明の技術分野で用いられるものを適宜用いることができるが、脂肪族炭化水素基であることが好ましい。これにより、耐紫外線性を充分に優れたものとすることができる。
上記官能基として、ビニル基、アリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基や、ヒドロシリル基、アルコキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリル基、水酸基等が好ましく、これらを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、アルケニル基、ヒドロシリル基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも一種を含む基がより好ましい。当該アルケニル基、ヒドロシリル基及びエポキシ基からなる群より選択される少なくとも一種を含む基は、硬化する際に重合反応に関与することができ、本発明のシリコーン樹脂組成物の硬化性を向上させることができる。より好ましくはアルケニル基及び/又はヒドロシリル基であり、アルケニル基の中ではビニル基が好ましい。
本発明の酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂は、下記平均組成式1(式1)で表されるものが好適である。
SiO (式1)
式1中、Rは、同一若しくは異なって、直鎖又は分岐を有し、該分岐は環状であっても良いアルキル基、アリール基及びアラルキル基から選ばれる少なくとも一種であり、Rは、同一若しくは異なって、環状エーテル基、アルケニル基(より好ましくは、ビニル基)、アルコキシ基及び水酸基から選ばれる少なくとも一種を有する基、又は、水素原子であり、Siはケイ素原子を表し、OはRに含まれない酸素原子を表す。また、a、b及びcは、該オルガノシロキサン化合物中の1ケイ素原子あたりのそれぞれの基又は原子の結合数を表し、aは、0以上3未満であり、bは、0を超えて3未満であり、cは、0を超えて2未満であり、かつa+b+2c=4を満たす正の数値である。
上記Rにおける直鎖は、アルキル基であることが好ましい。Rの炭素原子数としては、例えば1以上8以下が好ましい。より好ましくは、1以上4以下であり、更に好ましくは、1以上2以下である。特に好ましくは、1であり、すなわちRがメチル基である形態である。上記Rは、同一若しくは異なって、環状エーテル基及びビニル基から選ばれる少なくとも一種を有する基、又は、水素原子であることが更に好ましい。Rが有機基である場合の炭素原子数は、例えば1以上18以下が好ましい。中でもRが環状エーテル基を含む基である場合の炭素数は、2以上18以下が好ましい。より好ましくは、4以上12以下であり、更に好ましくは、6以上10以下である。Rの環状エーテル基は、例えば3〜5員環のエーテルを有することが好ましい。より好ましくは、3員環のエーテルを有することである。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上記R及びRとa、b、cとを満足する限りにおいて複数のシリコーン樹脂を含んでいてもよく、また該シリコーン樹脂は直鎖及び/又は分岐を有していてもよく、例えばデンドリマー等の構造を有していても良い。
なお、本発明のシリコーン樹脂組成物が、アルケニル基またはヒドロシリル基を有しており、ヒドロシリル化による架橋反応により硬化を行う場合には、反応を促進させる触媒が必要である。例えば、白金系触媒、ロジウム系触媒、パラジウム系触媒等が挙げられ、特に白金系触媒が好ましい。反応促進触媒の含有量は、本組成物の硬化を促進させることのできる量であればよく、特に限定されることはないが、具体的には本組成物に対して本成分中の金属原子が重量単位で0.01〜500ppmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.01〜50ppmの範囲内である。
ヒドロシリル化反応により硬化を行う場合には、二重結合を含有する化合物を用いることも好ましい。具体的な化合物としては、ビニルシクロヘキセン、シクロペンタジエン、トリアリルイソシアヌレート、トリビニルシクロヘキサンを挙げることができる。
ヒドロシリル化反応による硬化を行う場合、酸化金属粒子表面、または酸化金属粒子表面に導入されているシリコーン鎖にアルケニル基、酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂にヒドロシリル基が含有されていることが好ましい。
本発明のシリコーン樹脂組成物がエポキシ基を有している場合は、カチオン発生剤の使用によるカチオン硬化、もしくは硬化剤を使用することによる硬化方法を架橋反応に使用することができる。
上記カチオン硬化触媒としては、ジアゾニウム塩系カチオン硬化触媒、ヨードニウム塩系カチオン硬化触媒及びスルホニウム塩系カチオン硬化触媒からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。これらの具体的な商品としては、例えば、AMERICUREシリーズ(商品名、アメリカン・キャン社製)、ULTRASETシリーズ(商品名、アデカ社製)、WPAGシリーズ(商品名、和光純薬社製)等のジアゾニウム塩タイプ;UVEシリーズ(商品名、ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(商品名、3M社製)、UV9310C(商品名、GE東芝シリコーン社製)、RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(商品名、ローディアジャパン社製)、WPIシリーズ(商品名、和光純薬社製)等のヨードニウム塩タイプ;CYRACUREシリーズ(商品名、ユニオン・カーバイド社製)、UVIシリーズ(商品名、ゼネラル・エレクトリック社製)、FCシリーズ(商品名、3M社製)、CDシリーズ(商品名、サートマー社製)、オプトマーSPシリーズ・オプトマーCPシリーズ(商品名、アデカ社製)、サンエイドSIシリーズ(商品名、三新化学工業社製)、CIシリーズ(商品名、日本曹達社製)、WPAGシリーズ(商品名、和光純薬社製)、CPIシリーズ(商品名、サンアプロ社製)等のスルホニウム塩タイプ等の1種又は2種以上が挙げられる。
上記カチオン硬化触媒の使用量は、本発明のシリコーン樹脂組成物100質量%に対し、0.01〜10質量%が好ましい。より好ましくは、0.1〜4.0質量%であり、更に好ましくは、0.2〜2.0質量%である。使用量を減らしすぎて0.01質量%未満とすると、硬化が遅く、10質量%を超えて増やすと硬化時やその成形体の加熱時に着色するおそれがある。透明性の観点からは、使用量は、本発明のシリコーン樹脂組成物100質量%に対し、2質量%以下が好ましい。より好ましくは、1.5質量%以下であり、更に好ましくは、1.0質量%以下である。
上記硬化剤としては、酸無水物類、フェノール樹脂類、BF錯体、スルホニウム塩類、イミダゾール類及び多価フェノール化合物からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。例えば、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸、無水ピロメリット酸、メチルナジック酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、テルペンフェノール樹脂等の種々のフェノール樹脂類;種々のフェノール樹脂類とヒドロキシベンズアルデヒド、クロトンアルデヒド、グリオキザール等の種々のアルデヒド類との縮合反応で得られる多価フェノール樹脂等の各種のフェノール樹脂類;BF錯体、スルホニウム塩類、イミダゾール類等の1種又は2種以上を用いることができる。また、多価フェノール化合物で硬化することも好ましい形態である。
本発明のシリコーン樹脂組成物の硬化においては、更に必要に応じて硬化促進剤を用いることができ、例えば、トリフェニルホスフィン、トリブチルヘキサデシルホスフォニウムブロマイド、トリブチルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン等の有機リン化合物等の1種又は2種以上が好適である。
本発明のシリコーン樹脂組成物が、アルコキシ基、または水酸基を有している場合、架橋反応は加水分解・重縮合反応により進行する。この場合、酢酸、塩酸等の酸性化合物、ジブチル錫ジラウレート等の有機錫化合物を反応促進触媒として用いることができる。
なお、本発明のシリコーン樹脂組成物は、ラジカル重合で架橋反応が進む場合には、ラジカル重合開始剤が必要である。すなわち、本発明のシリコーン樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
上記ラジカル重合開始剤としては、有機過酸化物及び有機アゾ化合物が好ましく用いられる。
上記有機過酸化物としては、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロキサノンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド等の如きケトンパーオキサイド;キュメンハイドロパーオキサイド、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイド等の如きハイドロパーオキサイド;ターシャリーブチルパーオキシオクトエート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエート等の如きパーオキシエステル;1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、トリス−(ターシャリーブチルパーオキシ)トリアジン等の如きジアルキルパーオキサイド;イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等の如きジアシルパーオキサイド;1,1−ジ−ターシャリーブチルパーオキシシクロへキサン、2,2−ジ−(ターシャリーブチルパーオキシ)−ブタン等の如きパーオキシケタール:ターシャリーブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ビス(4−ターシャリーブチルシクロへキシル)パーオキシジカーボネート、ジ−3−メトキシブチルパーオキシジカーボネート等の如きパーカーボネート等をあげることができる。また、上記有機アゾ化合物としては、具体的には、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスカルボンアミド等のアゾビスアルカノニトリルをあげることができる。これらのラジカル重合開始剤は、1種で用いてもよく2種以上を併用することもできる。
これらのラジカル重合開始剤の使用量は、上記シリコーン樹脂100質量%に対して0.05〜15質量%、好ましくは0.1〜10質量%、特に好ましくは0.2〜5質量%程度の量である。
上記ラジカル重合開始剤に、コバルト、マンガン、鉄、銅、その他の重金属のオクチル酸塩あるいはナフテン酸塩の如き多価金属の有機酸塩及び必要ならばジメチルアニリン、ジメチルパラトルイジン等の如き第3級アミン等の重合促進剤やハイドロキノン、ナフトエキノン、ターシャリーブチルカテコール、p−ベンゾキノン、ブチレーテッドヒドロキシトルエン、ニトロキシドラジカル類等の重合禁止剤等を少量加えることも反応速度の制御、ポットライフの改善のため好ましく実施し得る。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、本発明の効果を発揮する限り、更に熱硬化性樹脂を含むものであってもよい。熱硬化性樹脂としては、本発明の技術分野において熱硬化性樹脂と認められるものを適宜使用することができ、エポキシ樹脂、エポキシアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シアネートエステル樹脂、ウレタン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂、フェノール樹脂が好適である。また、上述の他に例えばメラミン樹脂、グアナミン樹脂、尿素樹脂、キシレン樹脂、ポリウレタン樹脂、アルキッド樹脂、ビニルエーテル樹脂、ポリアニリン樹脂等を用いることができる。これら化合物は単独で用いても2種類以上を併用してもよい。適宜硬化触媒/硬化剤を用いることになる。上記ウレタン樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂は、通常熱のみで硬化し得る。上記フェノール樹脂は、熱のみでも硬化し得るし、硬化触媒/硬化剤を用いて硬化させることもできる。
なお、硬化触媒は樹脂の構造にならないもの、硬化剤は樹脂中に組み込まれるものを意味する。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、必要に応じて溶剤を含んでいてもよい。上記溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素類が好ましく、含浸や塗布工程の最適粘度となるよう、又は、乾燥工程条件により、単独又は2種類以上の混合物と用いることができる。
本発明のシリコーン樹脂組成物には更に、その他の添加剤として、安定剤、離型剤、カップリング剤、着色剤、可塑剤、希釈剤、光感光剤、難燃剤、応力緩和剤、充填材、各種ゴム状物、陰イオン交換体等を必要に応じて配合することができる。
本発明のシリコーン樹脂組成物を100質量%とすると、酸化金属粒子が5〜90質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、屈折率向上効果が小さくなるおそれがあり、90質量%を超えると、成形性が低下するおそれがある。
下限は、より好ましくは、10質量%である。更に好ましくは、20質量%である。上限は、より好ましくは、80質量%である。更に好ましくは、70質量%である。
なお、上記シリコーン樹脂組成物中における酸化金属粒子の含有量は、シランカップリング剤(分散剤、処理剤)で処理されたもの及び処理されていないものも含めた酸化金属粒子の総量である。本発明においては、シランカップリング剤(分散剤、処理剤)で処理されたものであるが、一部が処理されていない場合や、シランカップリング剤(分散剤、処理剤)で処理されていないものを含める場合を許容するものでる。処理されていない酸化金属粒子を混合使用すると、本発明の効果が低減するおそれがあるが、処理された酸化金属粒子が使用されている限り、当該酸化金属粒子によるシリコーン樹脂への分散性を高めるという効果は得られることから、該酸化金属粒子の混合使用を排除するものではない。好ましい形態としては、シランカップリング剤(分散剤、処理剤)で処理された酸化金属粒子が酸化金属粒子の総量中50質量%以上となる形態が挙げられる。より好ましくは、処理された酸化金属粒子が酸化金属粒子の総量中80質量%以上となる形態、更に好ましくは、90質量%となる形態、最も好ましくは、実質的に100質量%となる形態である。
本発明は更に、上述したシリコーン樹脂組成物を光学材料用に用いる光学材料用樹脂組成物でもある。
本発明の光学材料用樹脂組成物は、上述した耐紫外線性、耐熱性に優れ、所望の屈折率に制御された、透明性に顕著に優れた光学材料を形成することができるものである。
本発明の光学材料用樹脂組成物におけるシリコーン樹脂組成物の好ましい形態は、上述した本発明のシリコーン樹脂組成物の好ましい形態と同様である。
本発明はまた、上述した光学材料用樹脂組成物を硬化させて得られる光学材料でもある。本発明の光学材料は、上述した耐紫外線性、耐熱性に優れ、所望の屈折率に制御された、透明性に顕著に優れたものである。
本発明の光学材料における光学材料用樹脂組成物の好ましい形態は、上述した本発明の光学材料用樹脂組成物の好ましい形態と同様である。
本発明はそして、上述した光学材料用樹脂組成物を光半導体封止材用に用いる光半導体封止材用樹脂組成物でもある。
本発明の光半導体封止材用樹脂組成物は、上述した耐紫外線性、耐熱性に優れ、所望の屈折率に制御された、透明性に顕著に優れた光半導体封止材を形成することができるものである。
本発明の光半導体封止材用樹脂組成物の好ましい形態は、上述した本発明の光学材料用樹脂組成物の好ましい形態と同様である。
本発明は更に、上述した光半導体封止材用樹脂組成物を硬化させて得られる光半導体封止材でもある。
樹脂組成物を光学材料、特に光半導体素子(LED等のEL〔発光素子〕)用の封止材へ適用する場合には、可視光に対する高い透過性と透明性(可視光が散乱しない)が要求されることはもちろん、更に、出射される光に含まれる短波長の光(紫外線)に対する耐久性(耐紫外線性)が要求される。しかも作動時に素子温度が高まるために、優れた耐紫外線性が要求される(図2参照)。また、上記したように屈折率を充分なものとすることも要求される。
本発明の光半導体封止材は、上述した耐紫外線性、耐熱性に優れ、所望の屈折率に制御された、透明性に顕著に優れたものである。中でも、白色LED封止材用樹脂組成物が特に好ましい。
本発明の光半導体封止材における光半導体封止材用樹脂組成物の好ましい形態は、上述した本発明の光半導体封止材用樹脂組成物の好ましい形態と同様である。
これらの他にも、本発明の酸化金属粒子、シリコーン樹脂組成物は、特公昭50−15115号公報、特表2004−526210号公報、特開昭64−86116号公報等に記載の用途である表示装置、記録装置、電気泳動粒子、電気泳動表示装置等にも好適に用いることができる。
本発明の酸化金属粒子、シリコーン樹脂組成物は、電気泳動表示装置及びその関連用途に好適に適用できるものである。すなわち、本発明の酸化金属粒子を電気泳動表示装置における電気泳動粒子として、また、シリコーン樹脂組成物を電気泳動粒子とその分散媒とによって構成される表示層の構成要素として用いることができる。好ましくは、表示層がマイクロカプセルによって構成され、該マイクロカプセル内に電気泳動粒子とその分散媒(マイクロカプセル内包液)とを含む形態である場合において、電気泳動粒子を本発明の酸化金属粒子とし、その分散媒をシリコーン樹脂とする形態、すなわち、該マイクロカプセル内に本発明のシリコーン樹脂組成物を含む形態である。
上記電気泳動表示装置は、通常では基板と表示層とから構成されるものであり、表示層に電場や磁場を加えることにより、表示層内の酸化金属粒子を電気泳動させて表示を行うものである。この場合、表示層は、例えばマイクロカプセル及びそれを表示層内に固定するバインダーから構成されることになる。バインダーの材料としては、熱硬化性樹脂及び/又は光硬化性樹脂が好適である。なお、分散媒としてシリコーンオイルが用いられる場合があるが、本明細書におけるシリコーン樹脂はシリコーンオイルと称されるものであってもよい。本発明の酸化金属粒子を用いることにより、分散媒中の酸化金属粒子の分散性が優れたものとなり、電気泳動表示装置における表示性能を良好なものとすることができる。
本発明はそして、本発明の酸化金属粒子を得るために用いるシランカップリング剤でもある。
本発明のシランカップリング剤を用いることにより、上述した耐紫外線性、耐熱性に優れ、所望の屈折率に制御された、透明性に顕著に優れた光学材料等を得ることが可能となる。
本発明のシランカップリング剤の好ましい形態としては、上述した本発明の酸化金属粒子を得るために用いられるシランカップリング剤の好ましい形態と同様である。
更に、第3の本発明について、以下に詳述する。なお、第3の本発明におけるナノ粒子、オルガノシロキサン組成物は、言い換えれば、第1の本発明、第2の本発明における酸化金属粒子、シリコーン樹脂である。
第3の本発明は、下記平均組成式1で表されるオルガノシロキサン組成物;
SiO (式1)
(式1は、第2の本発明と同様である。)
からなる第1成分(マトリックス成分)と、平均粒子径が2〜50nmである金属酸化物ナノ粒子からなる第2成分とを少なくとも含む、発光デバイスの発光素子を覆うために用いられる硬化用樹脂組成物であって、該第2成分を構成するナノ粒子の粒子表面が少なくともケイ素原子を含む化合物で表面処理を施すことを特徴とする発光デバイスの発光素子を覆うために用いられる硬化用樹脂組成物である。
第3の発明における式1の好ましい形態は、上述した第2の本発明における式1の好ましい形態と同様である。
上記ナノ粒子は、上記オルガノシロキサン組成物の硬化物よりも高い屈折率を有し、用いられる発光デバイスから発光される波長の光を実質的に吸収や散乱させるものでなければ特に限定されないが、チタン(Ti)及び/又はジルコニウム(Zr)を含む金属酸化物が好ましい。
また、上記第2成分を構成する上記ナノ粒子の平均直径は、2〜50nmが好ましく、また3〜30nmが好ましい。4〜20nmがより好ましく、5〜15nmが更に好ましい。上記平均粒子径が小さすぎると分散性で劣ることがあり、大きすぎると光散乱などにより透過度が低下することがあり好ましくない。
上記ナノ粒子の粒子径の測定方法としては、一般的な方法を用いることができる。例えば粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)、電界放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)などで拡大観察し、無作為に100個の粒子を選択してその長軸方向の長さを測定し、その平均値を粒子径とする。粒子の形状としては球状、楕円球状、立方体状、直方体状、ピラミッド状、針状、柱状、棒状、筒状、りん片状、板状、薄片状などが考えられるが、粒子径を測定する場合はそれぞれの長軸方向長さを測定するものとする。なお、本発明におけるナノ粒子の形状としては、溶媒への分散性などを考慮して球状、粒状、柱状が好ましい。
以下、上記ナノ粒子として最も好ましい酸化ジルコニウムナノ粒子を用いた場合について、説明する。
本発明に係る酸化ジルコニウムナノ粒子の粒度分布は、σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]で表される変換係数として30%以下が好ましい。当該変換係数が30%を超えると粒子サイズにバラツキが生じ、結果として光透過性や屈折率などの物性にバラツキが生じるおそれがある。当該変換係数は25%以下がより好ましく、20%以下がさらに好ましい。
上記酸化ジルコニウムを含むナノ粒子は、公知の方法で得られるものであっても構わないが、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と下記式(i)で表される被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する工程(a)と、
−COOH 式(i) [式中、Rは炭素数5〜30の炭化水素基を示す。]
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより得られた被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程(b)を含む工程により得られた酸化ジルコニウムを含む無機金属酸化物ナノ粒子が好ましい。
本発明におけるナノ粒子を構成する酸化ジルコニウムとしては、結晶性のより高いものが好ましい。非晶質のものよりも結晶質のものの方が安定であり一般的には活性が高い。
本発明におけるナノ粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は、X線結晶回折の結果を用い、下記式〔1〕で算出されるC値により評価することができる。
C=100×(S1−S2)/S1 式〔1〕
[式中、S1はX線回折測定により得られたX線回折チャートのトータル面積値を示し、S2はX線回折測定により得られたX線回折チャートのベース部分の面積値を示す。]
なお、被覆剤により酸化ジルコニウムの結晶性は変化しないので、X線回折は被覆剤(i)のみに被覆された状態で測定しても、さらにその他の被覆剤に被覆された状態で測定してもよい。X線回折の測定範囲は特に問わないが、酸化ジルコニウムの結晶構造である正方晶、立方晶および単斜晶の最大回折ピークがいずれも2θ:26〜38°の範囲で検出されるため、少なくともこの範囲を測定することが好ましい。また、S1とS2の値は、得られたX線回折チャートからXRayCrystalなどの解析ソフトから得られる。
本発明におけるナノ粒子を構成する酸化ジルコニウムの結晶性は高いほどよいので、該C値は10以上が好ましく、15以上がより好ましい。
酸化ジルコニウムの既知の結晶系としては立方晶、正方晶および単斜晶の3種類が知られている。本発明の酸化ジルコニウムとしては高い屈折率を有するものが好ましいので、正方晶が結晶構造全体の70%以上であるものが好ましく、75%以上のものがより好ましく、85%以上であるものがさらに好ましい。なお、正方晶の割合は、X線回折チャートから正方晶、立方晶および単斜晶に帰属される回折ピークを同定し、これらの含有比率をXRayCrystalなどの解析ソフトで計算することにより求めることができる。また、酸化ジルコニウムの正方晶は、X線構造回折解析データにおいて、格子面(101)、(112)、(200)、(211)、(110)の回折ピークの存在により確認することができる。
上記式(i)であらわされる被覆剤は、Rの炭素数が5〜30である炭化水素基が好ましく、より好ましくは5〜20であり、また、該炭化水素基は直鎖状でも分枝鎖状でもよく、より好ましくは分枝鎖状であり、例えば、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ステアリン酸などの直鎖状カルボン酸;2−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、4−メチルオクタン酸、ネオデカン酸などの分枝鎖状カルボン酸;ナフテン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの環状カルボン酸などを使用することができる。これらのうちネオデカン酸や2−エチルヘキサン酸などの分枝鎖状カルボン酸が好適である。必ずしもその理由は明らかではないが、直鎖状の炭化水素基よりも分枝鎖状の炭化水素基を有する疎水性被覆剤の方が、疎水性有機溶媒などに対する粒子の分散効果を一層高めることができる。上記式(i)の被覆剤は1種のみを用いてもよいし、2種以上の混合物を用いてもよい。
上記の酸化ジルコニウムナノ粒子における酸化ジルコニウムに対する被覆剤(i)の割合としては、空気雰囲気中で加熱して有機成分を除去したときの減量率で40質量%以下が好適である。当該減量率が40質量%を超えると被覆剤の量が多過ぎ、酸化ジルコニウム本来の作用効果が充分に発揮されない場合があり得る。一方、当該減量率が5質量%未満では被覆剤の量が少な過ぎて粒子の分散性が充分に改善されない場合があり得るので、当該減量率は5質量%以上が好ましい。より好ましくは、10質量%以上、30質量%以下である。
上記減量率は、例えばマックサイエンス社製のTG−DTA分析装置を用い、空気雰囲気下で10℃/分の速度で粒子を800℃まで昇温し、減少質量/加熱前質量×100により算出する。また、本発明におけるナノ粒子としては、熱安定性の観点から、TG−DTA分析装置で測定した時の発熱ピークが150℃以上であるものが好ましく、190℃以上であるものがより好ましい。
上記第2成分の製造方法について、以下に、酸化ジルコニウムナノ粒子の場合について記載する。
酸化ジルコニウムナノ粒子の製造方法は、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する工程;上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る工程;および、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に、少なくともケイ素原子を含む化合物で表面処理する工程;を含むことを特徴とする。以下、当該方法を実施の順番に従って説明する。
本発明方法では、先ず、少なくとも酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を調製する。
本発明方法の原料である酸化ジルコニウム前駆体は、被覆剤(i)と共に被覆剤(i)−ジルコニウム複合体を形成することが可能であり、且つ水熱反応により被覆剤(i)−ジルコニウム複合体から酸化ジルコニウムナノ粒子となる前駆体であれば特に制限されない。例えば、ジルコニウムの水酸化物、塩化物、オキシ塩化物、オキシ硝酸塩、硫化物、カルボン酸塩、アミノ化合物塩、および金属アルコキシドなどを用いることができる。これらのうち、オキシ塩化物とオキシ硝酸塩は安価であり且つ微細な粒子が得られることから好ましい。
上記酸化ジルコニウム前駆体と式(i)の被覆剤から形成される被覆剤(i)−ジルコニウム複合体へは、さらに有機溶媒を添加してもよい。酸化ジルコニウム前駆体と被覆剤(i)のみでは粘調な複合体となる場合があり、次工程の水熱反応が効率的に進行しないおそれがあるが、適切な有機溶媒によりかかる複合体を溶解することで、水熱反応を効率的に進行させることができる。当該有機溶媒としては被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に対して良好な溶解性を有するものであればよい。また、次の工程で水を加えた場合に水と二相を形成するものを用い、二相のまま水熱反応を行ってもよい。かかる有機溶媒としては、例えば、炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、アミン、カルボン酸等を一般的に用いることができる。また、次工程における水熱反応を考慮すれば、沸点が120℃以上のものが好適である。沸点が120℃未満の有機溶媒では水熱反応時における蒸気圧が高くなるため反応圧を高くせざるを得ず、結果的に粒子の凝集や融着が生じ易くなるおそれがある。よって、沸点が180℃以上の有機溶媒がより好ましく、沸点が210℃以上の有機溶媒がより好ましい。より具体的にはデカン、ドデカン、テトラデカン、オクタノール、デカノール、シクロヘキサノール、テルピネオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ヘキサンジオール、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ミネラルスピリットなどが使用できる。
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物における被覆剤(i)−ジルコニウム複合体の量は、通常、2質量%以上、95質量%以下程度とすることができる。2質量%未満であると1回の反応における酸化ジルコニウムナノ粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得、95質量%を超えると反応液中の被覆剤(i)−ジルコニウム複合体の濃度が高過ぎて反応が円滑に進行し得ない場合があり得る。より好ましくは5質量%以上、90質量%以下程度とする。
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体および有機溶媒の混合物は、好適には加熱しつつ撹拌する。その条件は特に制限されないが、酸化ジルコニウム前駆体が完全に溶解し、均一な被覆剤(i)−ジルコニウム複合体が形成されるまで加熱撹拌する。例えば30〜80℃程度で30分間〜5時間程度撹拌すればよい。
次に、被覆剤(i)−ジルコニウム複合体に水を混合し、2MPaG未満で水熱反応することにより被覆剤(i)で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子を得る。
上記水の種類は特に制限されないが、好ましくは純水を用いる。また、当該水のpHは4以上、9以下にすることが好ましいので、酸やアルカリなどを適宜加えてpHを調整してもよい。
水の量は、(水のモル数)/(ジルコニウムのモル数)であらわされる比が2以上、100以下となるようにすることが好ましく、4以上、50以下がより好ましい。上記比が2未満の場合には分散性に劣る酸化ジルコニウムナノ粒子が生成するおそれがあり得る。一方、上記比が100を超えると水の量が多くなるため、1回の反応における酸化ジルコニウムナノ粒子の生成量が少なくなる問題が生じ得る。
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体と水との混合液へは、さらに表面処理剤を添加してもよい。この表面処理剤は、有機相または水相のいずれか一方または両方で分散性を発揮できるものであればよい。かかる表面処理剤としては、カルボン酸、アミン化合物、アルコキシド、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤などを挙げることができる。当該表面処理剤の好適な使用量は、酸化ジルコニウム前駆体に対して0.01モル倍以上、2モル倍以下程度とすることができる。
上記被覆剤(i)−ジルコニウム複合体と水の混合液が静置状態で二層になる場合には、続く水熱反応直前に激しく撹拌することにより懸濁状態にしてもよい。
当該二層反応混合液は2MPaG未満で水熱反応させる。圧力が2MPaG以上であると粒子が凝集し易くなることがあり、また、装置コストが高くなることがある。一方、常圧で反応させると結晶形成に高温を要し熱による凝集が促進されるおそれがあるため、好適には0.1MPaG以上、より好ましくは0.2MPaG以上で反応させる。
反応温度は、使用する溶媒などの沸点を考慮し、反応容器内の圧力が2MPaG未満となるように設定すればよい。水の飽和水蒸気圧を考慮すれば200℃以下の温度で反応させることが好ましい。
反応時間は特に制限されないが、通常は0.1時間以上、30時間以下程度であり、0.5時間以上、20時間以下が好ましい。
反応系雰囲気は特に制限されず、空気、酸素、水素、窒素、アルゴン、二酸化炭素などとすることができる。凝集の抑制や安全を考慮すれば、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で反応させることが好ましい。
上記水熱反応の結果、(i)の被覆剤で被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子が生成し、反応容器の下部に沈殿する。当該酸化ジルコニウムナノ粒子は、粒子の凝集体や析出したカーボンを除去するために精製することが好ましい。例えば、沈殿した酸化ジルコニウムナノ粒子をろ別したのち、凝集粒子やカーボンを除去するために該ナノ粒子をベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの溶媒に溶解してろ過する。次いで、得られたろ液を減圧濃縮などにより溶媒を除去することにより精製した酸化ジルコニウムナノ粒子を得ることができる。
上記酸化ジルコニウムナノ粒子を製造するために用いた有機溶媒は、水相から分離して再利用することもできる。かかる再利用は廃液量や製造コストを抑制できることから好ましい。
次に、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子に、少なくともケイ素原子を含む化合物で表面処理を作用させて、上記第2成分を得ることが出来る。
先ず、得られた酸化ジルコニウムナノ粒子を溶媒に溶解または分散させる。使用する溶媒は酸化ジルコニウムナノ粒子に適度な分散性を有するものであれば特に制限されない。例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどを用いることができる。被覆剤(i)に被覆された酸化ジルコニウムナノ粒子は、これら溶媒への分散性が高い。なお、水や炭素数4以下のアルコールなどを用いると該ナノ粒子の2次凝集が起こるおそれがある。よって本発明は、親水性の高い酸化ジルコニウムを水等に分散させて溶解させる従来方法とは全く異なるものである。酸化ジルコニウムの濃度は適宜調整すればよいが、0.1質量%以上、50質量%以下程度にすることが好ましい。
他の被覆剤の使用量は適宜調整すればよいが、通常は被覆剤(i)が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子に対して1質量%以上、60質量%以下とする。1質量%未満の場合には他の被覆剤の量が不足してトルエンなど非極性有機溶媒以外の溶媒に対する分散性が向上しないおそれがある。一方、60質量%を超えると該ナノ粒子に対する被覆剤の量が過剰になる場合があり得る。より好ましくは3質量%以上、50質量%以下であり、さらに好ましくは5質量%以上、40質量%以下である。
上記被覆剤(i)が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子の分散液中へ他の被覆剤を加えた後、加熱処理する。加熱温度は適宜調整すればよいが、通常は30℃以上、180℃未満程度とし、より好ましくは40℃以上、150℃未満、さらに好ましくは50℃以上、130℃未満とする。反応時間も適宜調整すればよいが、通常は0.1時間以上、10時間未満、より好ましくは0.3時間以上、5時間未満程度とする。
上記反応終了後は溶媒を減圧留去することにより上記被覆剤(i)が結合した酸化ジルコニウムナノ粒子を回収してもよく、或いは、該ナノ粒子を含む反応後溶液へ、当該ナノ粒子との親和性が低い溶媒を添加することによって、該ナノ粒子を凝集または析出させてからろ別して回収してもよい。
上記ナノ粒子に対してケイ素原子を含む化合物で表面処理を行うことにより、上記第2成分が得られる。上記ケイ素原子を含む化合物は、後述する条件を満たす化合物であればよく、上記ナノ粒子に表面処理を効率よく施すためには、少なくとも1末端にカルボキシル基やアルコキシシリル基、エポキシ基を有しているのが好ましい。
上記表面処理を施した第2成分は、上記金属酸化物ナノ粒子にビニル基の結合したシリコーン鎖を有する又は重合性官能基を有さないシリコーン鎖のみを有するとより好ましい。尚、上記第2成分にはシリコーン鎖に結合していないビニル基を有していても良い。
上記第2成分におけるシリコーン鎖は、直鎖及び/又は分岐を有していても良いが、分岐の無いシリコーン鎖を有していることが好ましく、より好ましくは分岐の無いシリコーン鎖が上記第2成分上の全シリコーン鎖の3%以上の本数であり、5%以上の本数が好ましく、10%以上の本数がより好ましい。
上記第1成分を構成するオルガノシロキサン1分子に含まれる−(Si−O)−ユニット数の最大数をAで表し、上記第2成分に含まれる金属酸化物ナノ粒子の平均粒子径(nm)をXで表し、上記第2成分の表面処理に用いられるケイ素原子を含む化合物に含まれる−(Si−O)−ユニット数の最大数をBで表したときに、X、A、Bの好ましい形態は、第1の発明で上述した酸化金属粒子の粒子径X、シリコーン樹脂が有するシリコーン鎖長A、分散剤が有するシリコーン鎖長Bの好ましい形態と同様である。
上記第1成分が、構成するオルガノシロキサン1分子に少なくとも2個以上のRを有し、かつ該Rは水素原子又は環状エーテル基を有する化合物で構成されていると好ましく、該環状エーテル基はエポキシ基及び/又はオキセタン基であるとより好ましい。または、上記Rとして環状エーテル基を2個以上有する化合物と酸無水物基を2個以上有する化合物とを含んでいてもよく、該環状エーテル基の合計数と該酸無水物基の合計数との比は0.5〜2.0であると好ましく、0.67〜1.5であるとより好ましく、0.8〜1.25であると更に好ましい。
上記第1成分を構成するオルガノシロキサン1分子にRとして2個以上の水素原子を有する場合には、上記表面処理を施したことによりビニル基の結合したシリコーン鎖を有する上記金属酸化物ナノ粒子が好ましく、該オルガノシロキサン分子のRにおける、全てのSi−H基の個数をA(H)で、該第2成分の全ビニル基の個数をB(V)で表し、その比率であるA(H)/B(V)をR(HV)で表した時に、0.5<R(HV)<2.0の範囲であると、該樹脂組成物を硬化したときのナノ粒子の分散性に優れていて好ましく、0.67<R(HV)<1.5の範囲であるとより好ましく、0.8<R(HV)<1.2の範囲であると更に好ましい。
上記硬化用樹脂組成物中には、硬化を促進させるために触媒を有しているのが好ましく、該硬化用触媒は公知の触媒を用いることが出来る。
上記硬化用樹脂組成物中には、上記第1成分と異なるオルガノシロキサン化合物やケイ素を含まない有機重合性化合物や樹脂組成物を含んでいてもよく、またチタン及びジルコニウム以外の金属の酸化物を含んでいてもよい。
本発明のシリコーン樹脂組成物は、上述の構成よりなり、屈折率を高める酸化金属粒子を含み、その分散性が良好であり、好適な形態においては、製造時における酸化金属粒子の凝集・ゲル化を防止するという格別顕著な効果を奏することができるものである。また、耐紫外線性や耐熱性等の特性が優れたものであり、かつ透明性が顕著に向上された光学材料を形成することができるものである。このようなシリコーン樹脂組成物は、光学材料用樹脂組成物、光半導体封止材用樹脂組成物、それらを硬化させて得られる光学材料、光半導体封止材として好適に適用することができる。
更に、本発明の樹脂組成物を用いることによって、光損失の少ない、耐久性に優れた発光半導体デバイスが得られる。
図1は、酸化金属粒子及びシリコーン樹脂を示す図である。 図2は、発光半導体デバイスの概略図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「質量%」を意味するものとする。
また、NMRの測定条件は、以下の通りである。
(NMR測定条件)
溶媒:CDCl
濃度:5質量%
H−NMRにより、本実施例で使用するシリコーン樹脂のシリコーン鎖−(Si−O)−ユニット含有量を求めた。
MVD8MV(両末端ジビニルジメチルポリシロキサン、クラリアント社製):ビニル基(6.2ppm〜5.6ppm、6Hに相当)、及び−SiCHに由来するメチル基(0.3ppm〜−0.2ppm)の面積比が7.1:92.9であったことから、−SiCHに由来するメチル基の水素原子量は79Hであり、n=11.1であることを確認した。
Figure 0005555167
MHD6MH(両末端ジハイドロジメチルポリシロキサン、クラリアント社製):ヒドロシリル基(4.8〜4.6ppm、2Hに相当)と−SiCHに由来するメチル基(0.3〜−0.2ppm)の面積比が3.5:96.5であったことから、−SiCHに由来するメチル基の水素原子量は79Hであり、n=7.2であることを確認した。
Figure 0005555167
X−22−169AS(両末端脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、官能基当量500g/mol、信越化学工業社製):エポキシ基の酸素が結合している炭素上の水素原子(3.2〜3.0ppm、4Hに相当)と−SiCHに由来するメチル基(0.3〜−0.2ppm)の面積比が6.1:93.9であったことから、−SiCHに由来するメチル基の水素原子量は79Hであり、n=8.3であることを確認した。
Figure 0005555167
シリコーン鎖含有シランカップリング剤の合成
(表面処理剤Aの合成)
温度計、ガス吹き込み管、滴下ロート、還流冷却器、及び、撹拌機を備えた4つ口フラスコに両末端ジビニルジメチルポリシロキサン(MVD8MV、クラリアント社製)50.0g、トルエン39.0g、ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液(白金濃度2%、アルドリッチ社製)37.4μlを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら50℃まで昇温した。一方、滴下ロート内にトリエトキシシラン9.0g、トルエン20.0g混合液を投入した。上記フラスコ内の溶液を50℃で撹拌しながら、該フラスコ内に滴下ロートの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間加熱を行うことで50質量%表面処理剤A液を得た。得られた反応物のH−NMRを測定したところトリエトキシシランに含有されるヒドロシリル基に由来するピーク(4.4〜4.2ppm)が消失していることから反応が問題なく進み、下式に示す構造の化合物からなる表面処理剤Aが合成されたことを確認した。また、H−NMRにおけるビニル基(6.2〜5.6ppm)と−Si(OCH−CH基由来のメチレン基(3.9〜3.7ppm)の面積比は26:74であった。
Figure 0005555167
(表面処理剤Bの合成)
温度計、ガス吹き込み管、滴下ロート、還流冷却器、及び、撹拌機を備えた4つ口フラスコに両末端ジハイドロジメチルポリシロキサン(MHD6MH、クラリアント社製)50.0g、トルエン42.8g、ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液(白金濃度2%、アルドリッチ社製)74.2μlを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら50℃まで昇温した。一方、滴下ロート内にビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学工業社製)12.8g、トルエン20.0g混合液を投入した。上記フラスコ内の溶液を50℃で撹拌しながら、該フラスコ内に滴下ロートの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間加熱を行うことで50質量%表面処理剤B液を得た。得られた反応物のH−NMRを測定したところビニルトリメトキシシランに含有されるビニル基に由来するピーク(6.3〜5.7ppm)が消失していることから反応が問題なく進み、下式に示す構造の化合物からなる表面処理剤Bが合成されたことを確認した。また、H−NMRにおけるヒドロシリル基(4.8〜4.6ppm)と−Si(OCH基由来のメトキシ基(3.7〜3.5ppm)の面横比は11:89であった。
Figure 0005555167
(表面処理剤Cの合成)
温度計、ガス吹き込み管、滴下ロート、還流冷却器、及び、撹拌機を備えた4つ口フラスコにヘプタメチルトリシロキサン(クラリアント社製)30.0g、トルエン30.0g、ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液(白金濃度2%、アルドリッチ社製)116μlを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら50℃まで昇温した。一方、滴下ロート内にビニルトリメトキシシラン(KBM−1003、信越化学工業社製)20.0g、トルエン50.0gを投入した。上記フラスコ内の溶液を50℃で撹拌しながら、該フラスコ内に滴下ロート中の混合溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間加熱を行うことで50質量%表面処理剤C溶液を得た。得られた反応物のH−NMRを測定したところへプタメチルトリシロキサンに含有されるヒドロシリル基に由来するピーク(4.6〜4.4ppm)、及びビニルトリメトキシシランに含有されるビニル基に由来するピーク(6.3〜5.7ppm)が消失していることから反応が問題なく進み、下式に示す構造の化合物からなる表面処理剤Cが合成されたことを確認した。また、H−NMRにおける−Si(OCH基由来のメトキシ基(3.7〜3.5ppm)、−Si−CH−CH−Si−に由来するメチレン鎖(0.7〜0.4ppm)、−SiCHに由来するメチル基(0.2〜−0.1ppm)の面積比は25:10:65であった。
Figure 0005555167
(表面処理剤Dの合成)
温度計、ガス吹き込み管、滴下ロート、還流冷却器、および撹拌機を備えた4つ口フラスコに両末端ジビニルジメチルポリシロキサン(MVD8MV クラリアント社製)250.0g、トルエン180.5g、ジビニルテトラメチルジシロキサン・Pt錯体キシレン溶液(白金濃度2%、アルドリッチ社製)215μlを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら50℃まで昇温した。一方、滴下ロート内にトリメトキシシラン30.5g、トルエン100.0g混合液を投入した。上記フラスコ内の溶液を50℃で撹拌しながら、該フラスコ内に滴下ロートの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、50℃で3時間加熱を行うことで50質量%表面処理剤D溶液を得た。得られた反応物のH−NMRを測定したところトリメトキシシランに含有されるヒドロシリル基に由来するピーク(4.4〜4.2ppm)が消失していることから反応が問題なく進み、下式に示す構造の化合物からなる表面処理剤Dが合成されたことを確認した。また、H−NMRにおけるビニル基(6.2〜5.6ppm)と−Si(OCH基由来のメトキシ基(3.6〜3.5ppm)の面積比は31:69であった。
Figure 0005555167
(表面処理剤Eの合成)
温度計、ガス吹き込み管、滴下ロート、還流冷却器、および撹拌機を備えた4つ口フラスコに両末端ジビニルジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(PDV−1631、分子量19000、m:n=1:1、Gelest社製)30.0g、トルエン18.19g、ジビニルテトラメチルジシロキサン・Pt錯体キシレン溶液(白金濃度2%、アルドリッチ社製)5.1μlを仕込み、窒素気流下で撹拌しながら80℃まで昇温した。一方、滴下ロート内にトリメトキシシラン0.19g、トルエン12.0g混合液を投入した。上記フラスコ内の溶液を80℃で撹拌しながら、該フラスコ内に滴下ロートの混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃で3時間加熱を行うことで50質量%表面処理剤E溶液を得た。得られた反応物のH−NMRを測定したところトリメトキシシランに含有されるヒドロシリル基に由来するピーク(4.4〜4.2ppm)が消失していることから反応が問題なく進み、下式に示す構造の化合物からなる表面処理剤Eが合成されたことを確認した。また、H−NMRにおけるビニル基(6.2〜5.6ppm)と−Si(OCH基由来のメトキシ基(3.7〜3.4ppm)の面積比は56:44であった。
Figure 0005555167
ジルコニア粒子合成方法
(合成例1:ネオデカン酸で処理された酸化ジルコニウムナノ粒子の合成)
40℃の純水700gに水酸化ナトリウム100g(キシダ化学株式会社、特級)を撹拌下、添加して溶解させた。次いで、ネオデカン酸495g(ジャパンエポキシレジン株式会社)を撹拌下、添加し、ネオデカン酸ナトリウム水溶液を調整した。該溶液を80℃とし、740gのジルコゾールZC−20(第一稀元素化学工業株式会社製)を撹拌下、20分かけて投入し、80℃で1時間半撹拌を続けたところ、白色で高粘度なネオデカン酸ジルコニウムが生成した。次にテトラデカンを1270g添加して撹拌すると、ネオデカン酸ジルコニウムとテトラデカンからなる油相と水相の二相からなる溶液が得られた。水相を分離除去して油相部分を回収した。このようにして得られた油相部を純水で3回洗浄した。次いで油相1000gと純水500gを撹拌機付きオートクレーブ内に仕込み、反応容器中の雰囲気を窒素ガスにより置換した。その後、175℃まで加熱し、3時間反応させた。175℃反応中の容器中圧力は、0.9MPaであった。反応後の溶液を取出し、底部にたまった沈殿物をろ過により回収した。該沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥させた後、トルエンに再分散させたところ、白濁溶液となった。次に、精製工程として定量ろ紙(アドバンテック東洋社製 No.5C)にて再度ろ過を行い、沈殿物中の粗大粒子などを除去した。更に、ろ液中のトルエンを減圧除去することで白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を回収した。
上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶および単斜晶系結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は、主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。また、該粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は5nmであった。更に赤外吸収スペクトル(FT−IR)により分析したところ、C−H由来の吸収およびCOOH由来の吸収が認められた。当該吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆しているネオデカン酸に由来するものと考えられる。TG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下、10℃/分の速度で800℃まで昇温し、酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、19質量%の減少率となった。
(合成例2:2−エチルヘキサン酸で処理された酸化ジルコニウムナノ粒子の合成)
2−エチルヘキサン酸ジルコニウムミネラルスピリット溶液(第一稀元素化学工業社製、ジルコニア含有量12.0%)(782g)に純水(268g)を混合した。当該混合物を撹拌機付きオートクレーブ内に仕込み、反応容器中の雰囲気を窒素ガスにより置換した。その後、180℃まで加熱し、16時間反応させることにより酸化ジルコニウムを合成した。180℃反応中の容器中圧力は、1.03MPaであった。反応後の溶液を取出し、底部にたまった沈殿物をろ過により回収した。該沈殿物をアセトンで洗浄し、乾燥させた後、当該沈殿物(100g)をトルエン(800mL)に再分散させたところ、白濁溶液となった。次に、精製工程として定量ろ紙(アドバンテック東洋社製 No.5C)にて再度ろ過を行い、沈殿物中の粗大粒子などを除去した。更に、ろ液中のトルエンを減圧除去することで白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を回収した。
上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶構造をX線回折装置にて確認したところ、正方晶および単斜晶系結晶構造に帰属される回折線が検出された。回折線の強度から、結晶構造は、主として正方晶からなり、わずかに単斜晶を含むものであることが確認された。得られたX線回折チャートから求めたC値は18であった。よって、上記酸化ジルコニウムナノ粒子の結晶性が高いことが分かった。
また、該粒子の粒子径をFE−SEMで測定したところ、平均粒子径は12nmであった。更に赤外吸収スペクトル(FT−IR)により分析したところ、C−H由来の吸収およびCOOH由来の吸収が認められた。当該吸収は、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆している2−エチルヘキサン酸に由来するものと考えられる。TG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下、10℃/分の速度で800℃まで昇温し、酸化ジルコニウムナノ粒子の質量減少率を測定したところ、12質量%の減少率となった。よって、酸化ジルコニウムナノ粒子を被覆していた2−エチルヘキサン酸は、粒子全体の12質量%であることが確認された。
また、粒度分布を測定し、式:σ/x×100[式中、σは粒子の粒度分布の標準偏差を示し、xは粒子の50%累積径(nm)を示す]から変換係数を求めたところ、20%であった。よって、上記ナノ粒子の粒子サイズのバラツキは少ないことがわかった。
(実施例1)
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤A溶液12.3g、表面処理剤C溶液3.6g、及び超純水5.7gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
(実施例2)
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤B溶液14.0g、表面処理剤C溶液3.6g、及び超純水5.7gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
参考例A
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤A溶液12.3g、及び超純水3.8gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
参考例B
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤B溶液14.0g、及び超純水3.8gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
(参考例1)
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤C溶液7.1g、及び超純水3.8gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
実施例1、2及び参考例1、A、Bについて、粒子の安定性試験、透明分散性試験及び蛍光X線測定を行った。
(粒子の安定性試験方法)
再沈殿で取り出した粒子1gを空気下、25℃にて24時間放置後、トルエン20gに再分散できた粒子を○、再分散せず不溶化した粒子を×とした。
(透明分散性試験方法)
シリコーン鎖シランカップリング剤で表面処理したジルコニアナノ粒子3.0g、MHD6MH7.0gをトルエン10.0gに溶解させ、その後エバポレーターにて脱溶剤を行った。脱溶剤後の樹脂が無色透明なものを○、白濁したものを×とした。
(蛍光X線測定方法)
蛍光X線分析用無水四ほう酸リチウム(関東化学社製)6g、ジルコニアナノ粒子0.6gを混合し、白金製ビード皿に入れて1200℃にて10分間加熱することで蛍光X線測定用サンプルを得た。得られたサンプルの蛍光X線測定(測定装置:PW2404 PANalytical社製)を行い、ジルコニアナノ粒子中のZrO量、SiO重量含有量を測定した。SiO重量含有量よりSi含有量を算出した。
参考例C
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤A溶液14.0g、ビニルトリメトキシシラン2.0g、及び超純水9.0gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出し、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品を得た。得られた酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品の150℃×30分加熱後の質量減少率が14質量%であったことから、得られた湿体品の固形分が86%であることを確認した。
参考例D
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、ビニルトリメトキシシラン2.0g、及び超純水2.0gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、得られた反応溶液にX−22−162C(両末端カルボキシル変性シリコーン樹脂、官能基当量2300g/mol、信越化学工業社製)1.0gを添加することにより、オルガノシロキサンにより表面処理された酸化ジルコニウムナノ粒子溶液を得た。
(実施例7)
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤C溶液4.0g、表面処理剤D溶液12.0g、及び超純水8.0gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。TG−DTA(熱重量−示差熱分析)により、空気雰囲気下、800℃まで昇温した時の、該粒子の質量減少率を測定したところ、17質量%の減少率となった。蛍光X線により測定したZr原子とSi原子の量比は、Zr原子94.3に対しSi原子5.7となった。CHNコーダーにより測定した得られた粒子のC原子含有量は14.0%、H原子含有量は3.2%であった。真比重計により測定した得られた粒子の比重は2.11であった。JISK0070に従い測定して得られた粒子のヨウ素価は4.387であった。またこの値を下式に代入して求めた、得られた粒子の二重結合当量は0.173mmol/gであった。
二重結合当量(mmol/g)=ヨウ素価/253.81/100×1000
参考例E
合成例2で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子11.4gをトルエン87.7g中に分散させ、表面処理剤E溶液10.0g、及び超純水5.0gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出した粉を25℃にて24時間乾燥後、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子を得た。
(比較例1)
合成例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子12.3gをトルエン87.7g中に分散させ、ビニルトリメトキシシラン2.0gを添加、及び超純水2.0gを添加し、90℃で1時間撹拌下、還流することでシランカップリング剤処理を行った。更に、貧溶媒であるメタノール300gを加えて粒子を析出、再沈殿させることにより未反応シラン化合物及び遊離ネオデカン酸と分離し、ろ過により取り出し、オルガノシロキサンで表面処理された白色の酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品を得た。得られた酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品の150℃×30分加熱後の質量減少率が15質量%であったことから、得られた湿体品の固形分が85%であることを確認した。
(実施例9)
実施例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子10.0g、MHD6MH(両末端ジハイドロジメチルポリシロキサン、クラリアント社製)2.0gをトルエン5.0gに溶解させ、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は無色透明なものであった。
(実施例10)
実施例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子10.0g、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.0gをトルエン5.0gに溶解させ、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は無色透明なものであった。
(実施例11)
実施例1で作製したジルコニアナノ粒子6.0g、X−22−169AS(商品名、両末端脂環式エポキシ変性シリコーンオイル、官能基当量500g/mol、信越化学工業社製)3.0g、RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(商品名、ローディアジャパン社製)0.18gをトルエン5.0gに溶解させ、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで150℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は無色透明なものであった。
参考例F
参考例Cで得られた酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品11.6g、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.0gをトルエン5.0gに溶解させ、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は無色透明なものであった。
参考例G
参考例Dで得られた酸化ジルコニウムナノ粒子溶液105.0gに、MHD6MH(両末端ジハイドロジメチルポリシロキサン、クラリアント社製)4.0gを加え、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は無色透明なものであった。
参考例H
参考例Eで得られたジルコニアナノ粒子6.0g、両末端ジビニルジフェニルシロキサン−ジメチルシロキサン共重合体(PDV−1625、分子量9500、Gelest社製)3.0g、トルエン10.0gを仕込み、均一になるまで撹拌を行い、樹脂組成物を得た。10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス板上に成膜した。この膜を120℃で乾燥させることで得られた膜は無色透明なものであった。
(比較例2)
実施例2で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子10.0g、MVD8MV(両末端ジビニルジメチルポリシロキサン、クラリアント社製)2.0gをトルエン5.0gに溶解させ、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。ここで、表面処理剤Bのシリコーン鎖長はシリコーン樹脂MVD8MVのシリコーン鎖長よりも短いものであった。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は透明性を有さず白濁したものとなった。
(比較例3)
比較例1で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子湿体品11.8g、2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン1.0gをトルエン5.0gに溶解させ、その後ジビニルテトラメチルジシロキサン−Pt錯体キシレン溶液5μlを加え、樹脂組成物を得た。
10milアプリケーターを使用し、得られた樹脂組成物をガラス表面上に成膜した。この膜を50℃×3時間、次いで80℃×1時間、次いで120℃×1時間の条件で硬化させた。得られた硬化膜は透明性を有さず白濁したものとなった。
(実施例15〜20)
ナスフラスコに表3に示す化合物を仕込み、均一になるまで撹拌した後、エバポレーターで溶剤除去を行うことで樹脂組成物を得た。
下記表1中、表面処理剤A溶液、表面処理剤B溶液、表面処理剤C溶液、表面処理剤D溶液、表面処理剤E溶液における丸カッコ内の数値は、表面処理剤自体の量を表す。また表2中、実施例1、実施例2、参考例C参考例D参考例E、比較例1、及び、表3中、実施例7は、それぞれの実施例・参考例・比較例で得られた酸化ジルコニウムナノ粒子を仕込んでいる。
Figure 0005555167
Figure 0005555167
Figure 0005555167
(全光線透過率・ヘイズ測定方法)
スライドガラス(S9112 松浪硝子工業社製)上に1mm厚の型枠を作成し、得られた樹脂組成物を流し込んだ。上からスライドガラス(S9112 松浪硝子工業社製)にて蓋をし全光線透過率・ヘイズ測定サンプルを作成した。
1mm厚の型枠をスライドガラス(S9112 松浪硝子工業社製)2枚により挟み込み作成したサンプルをリファレンスとして測定後、上記で作成したサンプルの全光線透過率、及びヘイズの測定を濁度計(NDH−2000型 日本電色社製)を用いて行った。
(屈折率測定方法)
スライドガラス(S9112 松浪硝子工業社製)上に1mm厚の型枠を作成し、得られた樹脂組成物を流し込んだ。上からスライドガラス(S9112 松浪硝子工業社製)にて蓋をし150℃×1時間加熱することにより硬化物を得た。屈折率計(アタゴ社製、DR−M2)を用いて得られた硬化物の20℃における589nmの屈折率を測定した。
上述した結果より、本発明の酸化金属粒子は、製造上の凝集・ゲル化を充分に防ぐことができ、粒子安定性に優れ、またシリコーン樹脂中での分散性に優れることから、シリコーン樹脂組成物の成型体において光学材料として要求される種々の性能を充分なものとしたうえで透明性等の光学特性を著しく向上することができるものである。また、上述した結果より、本発明の酸化金属粒子を含有するシリコーン樹脂の成型体は、透明性等の光学特性が著しく向上されたものであり、光学材料等として優れた性能を有するものである。
上述した実施例、比較例及び参考例では、酸化金属粒子の金属酸化物成分として酸化ジルコニアのみが使用されているが、金属酸化物が用いられる形態である限り、本発明の効果を生じさせる作用機構は同様である。すなわち、分散剤のシリコーン鎖長が該シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であるところに本発明の本質的特徴があり、分散剤とシリコーン樹脂とが同様の化学的特徴を有するものであれば、この実施例で示されるような効果を奏することになる。したがって、本発明における分散剤のシリコーン鎖長が該シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であるシリコーン樹脂組成物とすれば、本発明の有利な効果を発現することは確実であるといえる。少なくとも、金属酸化物成分が酸化ジルコニアである場合においては、上述した実施例、比較例及び参考例で充分に本発明の有利な効果が立証され、本発明の技術的意義が裏付けられている。
1:酸化金属粒子
2:封止材料
3:デバイス(LED発光チップ)

Claims (6)

  1. 酸化金属粒子とシリコーン樹脂とを含むシリコーン樹脂組成物であって、
    該酸化金属粒子は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)を有する処理剤、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤で処理されてなり、
    該シリコーン樹脂は、シロキサン結合を複数もつシリコーン鎖を有するジメチルシリコーン樹脂であり、
    該分散剤のシリコーン鎖長は、シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であることを特徴とするシリコーン樹脂組成物。
  2. 前記処理剤は、下記化学式(C);
    Figure 0005555167
    (式中、Rは、Me(メチル基)を表す。xは、0又は1を表す。)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のシリコーン樹脂組成物。
  3. 前記シリコーン樹脂組成物を光学材料として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載のシリコーン樹脂組成物。
  4. 前記シリコーン樹脂組成物は、チタンアルコキシドの縮合物を含まないことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載のシリコーン樹脂組成物に用いられることを特徴とする酸化金属粒子。
  6. シリコーン鎖を有するシリコーン樹脂に分散する酸化金属粒子を製造する方法であって、
    該製造方法は、シロキサン結合を構成するケイ素原子数が2個以上、5個以下のシリコーン鎖(I)を有する処理剤、及び、当該ケイ素原子数が6個以上のシリコーン鎖(II)を有する分散剤によって酸化金属粒子を処理する工程を含み、
    該シリコーン樹脂は、ジメチルシリコーン樹脂であり、
    該分散剤のシリコーン鎖長は、シリコーン樹脂のシリコーン鎖長以上であることを特徴とする酸化金属粒子の製造方法。
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