JP2005305367A - 粒子分散体およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明にかかる粒子分散体は、金属化合物粒子が分散剤により分散媒中に分散されている粒子分散体であって、前記金属化合物粒子が、金属酸化物粒子、金属(酸)硫化物粒子、金属(酸)セレン化物粒子、金属(酸)窒化物粒子および金属炭化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記分散剤が、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解物を用いて得られる縮合度20以下の加水分解縮合物、ならびに、炭素数4以上のアルコキシ基を有するかおよび/またはアルコキシアルコキシ基を有する金属アルコキシド、からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記分散媒が有機溶剤を必須とするとともに、前記分散剤の配合割合が前記金属化合物粒子に対し0.5〜10重量%であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
一般に、上記粒子分散体を得るに際しては、各種分散剤を用い、金属化合物粒子が単分散しているか、または、それに近い状態となるようにすることが求められる。2次粒子化(2次凝集)した金属化合物粒子が多く存在すると、金属化合物粒子が本来発揮し得る優れた機能や粒子特性が発揮されにくいほか、金属化合物粒子を表面処理しさらに何らかの物性を付与したり改質したりしようとする場合等においても上記2次凝集のため個々の粒子のすべてに均一に表面処理することは極めて困難となるからである。また、金属化合物粒子が微細であればある程その凝集性は高くなるところ、近年においては、いわゆるナノサイズレベルの金属化合物粒子を得る技術が種々開発されつつあり、単分散状態の確保がより一層求められるようになっている。
例えば、ナノサイズレベルの金属酸化物粒子を、粒度分布のシャープな状態で得ることができる方法として、アルコール存在下で金属酢酸塩を加熱する(金属酢酸塩とアルコールとを含む混合物を加熱する)方法(例えば、特開2000−185916号公報参照。)が知られているが、結果としてアルコール溶媒中に2次粒子化(2次凝集)した金属酸化物粒子が多く生成されてしまうことがあり、有効な分散剤の開発が求められていた。
さらに驚くべきことに、上記特定の分散剤を用いて得られた粒子分散体は、公知の各種無機系バインダーおよび有機系バインダーのいずれを添加して塗料化した場合であっても、バインダーとの相溶性に優れていることが判り、そのため、粒子分散体における金属化合物粒子の優れた単分散性を損なうことなく成膜できることが判った。
本発明は、このようにして完成された。
〔粒子分散体〕
本発明にかかる粒子分散体(以下、本発明の分散体と称することがある。)は、前述したように、金属化合物粒子が分散剤により分散媒中に分散されている粒子分散体である。
以下に、本発明の粒子分散体に含まれ得る各種成分について具体的に説明し、引き続き、本発明の粒子分散体についても詳しく説明する。
本発明の分散体の必須構成成分である金属化合物粒子としては、金属酸化物粒子、金属(酸)硫化物粒子、金属(酸)セレン化物粒子、金属(酸)窒化物粒子および金属炭化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが重要である。これらの金属化合物粒子であれば、後述する分散剤により十分な単分散性を得させることができ、なかでも、金属酸化物粒子、金属(酸)硫化物粒子および金属(酸)セレン化物粒子が、その作用効果が顕著であり好ましい。
金属化合物粒子を構成する金属化合物中の金属成分(金属元素)としては、限定はされないが、例えば、Sn、Al、In、Zn、Cu、Ag、Ni、Co、Fe、Mn、Y、Ce、TiおよびBaからなる群より選ばれる1種または2種以上が好ましい。1種の金属原子を含む場合は、単一金属化合物の粒子となり、2種以上の金属元素を含む場合は、複合金属化合物または固溶体金属化合物となる。これら、単一金属化合物、複合金属化合物および固溶体金属化合物は、結晶性であっても非結晶性であってもよく、限定はされないが、本発明で言う分散剤がより有効に作用し得る(金属化合物粒子をより単分散性・分散安定性に優れた状態とすることができる)点で、結晶性であることが好ましい(なお、結晶性の複合金属化合物および固溶体金属化合物は、一般に、混晶と称される。)。金属化合物が結晶性である場合、金属化合物粒子は、単結晶体であっても多結晶体であってもよく、限定はされないが、より単分散性や分散安定性に優れる点、および、本発明の分散体を用いて得られる膜における膜厚の均一性や膜の緻密さに優れる点で、単結晶体であることが好ましい。
金属化合物粒子は、その表面が表面処理されてなる粒子であってもよい。例えば、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤で表面処理されてなる金属化合物粒子や、金属アルコキシドで表面処理されてなる金属化合物粒子が、好ましく挙げられる。なかでも、シランカップリング剤、あるいは、炭素数3未満のアルコキシ基を有する金属アルコキシドで表面処理されてなる金属化合物粒子の場合、本発明で言う分散剤がより有効に作用し得る(金属化合物粒子をより単分散性・分散安定性に優れた状態とすることができる)ため、特に好ましい。
金属化合物粒子は、それを構成する金属化合物の種類に応じ、従来公知の各種製造方法における技術・条件を適宜選択し調製することができる。例えば、金属酸化物粒子の製造方法としては、具体的には、金属カルボン酸塩とアルコールとを出発原料とするか、または、金属アルコキシ基含有化合物とカルボキシル基含有化合物とを出発原料として金属酸化物粒子を生成させる(好ましくは、上記出発原料を混合すると同時かまたはその後に該混合系を高温状態にして金属酸化物粒子を生成させる)方法等が例示できる。
本発明の分散体においては、上記金属化合物粒子を分散媒中に分散させるために用いる分散剤が、
(A)金属アルコキシド(a)および/またはその部分加水分解物を用いて得られる縮合度20以下の加水分解縮合物、ならびに、
(B)炭素数4以上のアルコキシ基を有するかおよび/またはアルコキシアルコキシ基を有する金属アルコキシド、
からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが重要であり、これにより前述した本発明の課題を容易に解決することができる。
金属アルコキシド(a)中の金属成分(金属元素)としては、限定はされないが、Ti、Al、Zr、SiおよびSn等が好ましく、なかでも、Tiがより好ましい。
金属アルコキシド(a)としては、例えば、
チタニウムテトラ−n−ブトキシド、チタニウムテトラ−tert−ブトキシド、チタニウムテトラ−sec−ブトキシド、チタニウムテトラエトキシド、チタニウムテトライソプロポキシド、チタニウムテトラ−2−エチルヘキソキシド、チタニウムテトライソブトキシド、チタニウムラクテート、チタニウムテトラメトキシド、チタニウムテトラ(メトキシプロポキシド)、チタニウムテトラ(メチルフェノキシド)、チタニウムテトラ−n−ノニロキシド、チタニウムテトラステアリロキシド、チタニウムビス(トリエタノールアミン)−ジイソプロポキシドおよびチタニウムテトラメトキシプロポキシド等のチタニウムアルコキシド;
アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリ−n−ブトキシド、アルミニウムトリ−sec−ブトキシド、アルミニウムトリ−tert−ブトキシド、モノ−sec−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリエトキシエトキシエトキシドおよびアルミニウムフェノキシド等のアルミニウムアルコキシド;
ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−2−エチルヘキソキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシドおよびジルコニウムテトラ(2−メチル−2−ブトキシド)等のジルコニウムアルコキシド;
シリコンテトラメトキシド、シリコンテトラエトキシド、シリコンテトラ−n−ブトキシド、テトラキス(ブトキシエトキシエトキシ)シラン、テトラキス(エトキシエトキシ)シランおよびテトラキス(メトキシエトキシ)シラン等のシリコンアルコキシド;
テトラ−iso−ブトキシスズ、テトラ−sec−ブトキシスズおよびテトラエトキシスズ等のスズアルコキシド;
等が好ましく挙げられるが、なかでも、後に詳述する上記(B)の金属アルコキシドに相当するものがより好ましく、特に好ましくは、炭素数4以上のアルコキシ基を有する金属アルコキシドである。これらは1種のみ用いても2種以上併用してもよい。なお、金属アルコキシド(a)の部分加水分解物とは、金属アルコキシド(a)が有する加水分解性基(アルコキシ基)のうちの一部が加水分解されているものを言う。
上記(A)の加水分解縮合物としては、例えば、チタニウムテトラ−n−ブトキシドテトラマー、チタニウムテトラメトキシプロポキシドテトラマー、ジルコニウムテトラ−2−エチルヘキソキシドウンデカマー、シリコンテトラメトキシドテトラマー、シリコンテトラエトキシドトリマー、シリコンテトラ−n−ブトキシドテトラマー、テトラキス(エトキシエトキシ)シランテトラマーテトラキス(メトキシエトキシ)シラン16量体、アルミニウムトリ−tert−ブトキシドトリマーおよびテトラ−iso−ブトキシスズペンタマー等が挙げられ、なかでも、チタニウムテトラ−n−ブトキシドテトラマーおよびチタニウムテトラメトキシプロポキシドテトラマー等のTi系の加水分解縮合物が好ましい。これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。
上記(B)の金属アルコキシドは、その全量の少なくとも一部が、該金属アルコキシドの部分加水分解物であってもよい。なお、上記(B)の金属アルコキシドの部分加水分解物とは、該金属アルコキシドが有する加水分解性基(アルコキシ基)のうちの一部が加水分解されているものを言う。
(分散媒)
本発明の分散体の必須構成成分である分散媒は、有機溶剤を必須として含む分散媒である。
エチルベンゼン、オクタン、キシレン類、シクロヘキサン、シクロヘキシルベンゼン、ジメチルナフタレン、スチレン、ソルベントナフサ、デカリン、デカン、テトラリン、ドデシルベンゼン、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、メチルシクロペンタンおよび流動パラフィン等の炭化水素類;各種ハロゲン化炭化水素類;等の無極性あるいは低極性の有機溶剤として公知のものや、
脂肪族1価アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブチルアルコール、ステアリルアルコール等)、脂肪族不飽和1価アルコール(アリルアルコール、クロチルアルコール、プロパギルアルコール等)、脂環式1価アルコール(シクロペンタノール、シクロヘキサノール等)、芳香族1価アルコール(ベンジルアルコール、シンナミルアルコール、メチルフェニルカルビノール等)、フェノール類(エチルフェノール、オクチルフェノール、カテコール、キシレノール、グアヤコール、p−クミルフェノール、クレゾール、m−クレゾール、o−クレゾール、p−クレゾール、ドデシルフェノール、ナフトール、ノニルフェノール、フェノール、ベンジルフェノール、p−メトキシエチルフェノール等)および複素環式1価アルコール(フルフリルアルコール等)等の1価アルコール類、アルキレングリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、ピナコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等)、脂環式グリコール(シクロペンタン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール等)、および、ポリオキシアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)等のグリコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルおよびエチレングリコールモノアセテート等の、上記グリコール類のモノエーテルまたはモノエステル等の誘導体、ならびに、グリセリンやトリメチロールエタン等の3価アルコール、エリスリトールやペンタエリスリトール等の4価アルコール、リピトールやキシリトール等の5価アルコール、ソルビトール等の6価アルコール等の3価以上の多価アルコール、ヒドロベンゾイン、ベンズピナコール、フタリルアルコール等の多価芳香族アルコール、カテコール、レゾルシン、ヒドロキノン等の2価フェノールや、ピロガロール、フロログルシン等の3価フェノール等の多価フェノール、および、これら多価アルコールや多価フェノール類におけるOH基の一部(1〜(n−1)個(ただし、nは1分子当たりのOH基の数))がエステル結合またはエーテル結合となった誘導体等のアルコール類;アニソール、エピクロロヒドリン、エポキシブタン、クラウンエーテル類、ジイソアミルエーテル、ジエチルアセタート、ジオキサン、ジグリシジルエーテル、ジフェニルエーテル、ジブチルエーテル、ジベンジルエーテル、ジメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルおよびトリエチレングリコールジメチルエーテル等の、エーテル類およびアセタール類;アセチルアセトン、アセトアルデヒド、アセトフェノン、アセトン、イソホロン、エチル−n−ブチルケトン、ジアセトンアルコール、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、ホロン、メシチルオキシド、メチル−n−アミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、メチルシクロヘキサノンおよびメチル−n−ヘプチルケトン等の、ケトン類およびアルデヒド類;アジピン酸ジエチル、アセチルクエン酸トリエチル、アセト酢酸エチル、アビエチン酸メチル、安息香酸ベンジル、安息香酸メチル、イソ吉草酸イソアミル、イソ吉草酸エチル、ギ酸プロピル、クエン酸トリブチル、ケイ皮酸メチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸n−ブチル、酢酸ベンジル、酢酸メチル、酢酸メチルシクロヘキシル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸メチル、シュウ酸ジブチル、酒石酸ジエチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、炭酸ジフェニル、炭酸ジメチル、乳酸ブチル、乳酸メチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジメチル、γ−ブチロラクトン、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、プロピオン酸メチル、ホウ酸エステル類、マレイン酸ジオクチル、マロン酸ジメチル、酪酸イソアミル、酪酸メチルおよびリン酸エステル類等のエステル類;エチレンカーボナート、プロピレンカーボネート、エチレングリコールジアセタート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセタート、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチラート、ポリエチレングリコール脂肪酸ジエステル、および、両末端に水酸基を有しないポリ(オキシエチレン−オキシプロピレン)誘導体等のグリコール誘導体;各種カルボン酸およびその無水物;等の高極性の有機溶剤として公知のもの、
をすべて挙げることができ、これらは1種のみ用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、上記分散媒が高極性の有機溶剤を必須とする(主成分とする)場合においては、前述したように、従来、金属化合物粒子を安定に分散させる有効な分散剤は無かったため、本発明の効果がより一層顕著となる。
(その他の成分)
本発明の分散体は、上述した各種成分以外に、本発明の効果が損なわれない範囲で、その他の成分を含んでいてもよい。
(粒子分散体)
本発明の分散体においては、必須構成成分である金属化合物粒子の含有割合は、限定はされないが、分散媒と金属化合物粒子の総量に対し1〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。上記含有割合が、1重量%未満であると、本発明の分散体をコーティング剤に用いる場合、多量の溶媒を除く(蒸散させる)必要があり、経済性に劣る等のおそれがあり、90重量%を超えると、計量等において取り扱い性が低下するおそれがある。
本発明の分散体の製造方法については、金属化合物粒子を分散剤により分散媒中に安定に分散させることができる方法であればよく、限定はされないが、例えば、(i)各種調製方法により生成させた金属化合物粒子を単離し、分散剤とともに分散媒中に混合して撹拌する方法、(ii)金属化合物粒子を、本発明の分散体に用いる分散媒中において分散剤の存在下で生成させる方法、(iii)金属化合物粒子を、本発明の分散体に用いる分散媒以外の液中で生成させた後、本発明の分散体に用いる分散媒に溶媒置換するとともに分散剤を混合して撹拌する方法等が挙げられる。
高屈折率機能: 酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化クロムおよびアルミナならびにこれらの酸化物に異種金属元素を固溶させたもの等。(これらは反射やぎらつきの防止もできる。)
紫外線吸収機能: 酸化チタン、酸化第1鉄、酸化亜鉛および酸化セリウムならびにこれらの酸化物にFe、Co、CuおよびBi等の異種金属元素を固溶させたもの等。
電気伝導機能: 上記の酸化インジウム、酸化第1スズ、酸化第2スズ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化ニッケルおよび酸化銅等のn型あるいはp型半導体として知られる酸化物ならびにこれらにドーパントまたはアクセプターとなる金属元素を固溶させた固溶体、亜酸化銅、チタンブラック等の如く安定な酸化物を還元処理して得られるような低原子価金属の酸化物等の電子伝導性酸化物;酸化ジルコニウム等のイオン伝導性酸化物。
磁気機能: マンガンフェライト(MnFe2O4)やニッケルフェライト(NiFe2O4)等のフェライト、マグネタイト(Fe3O4)等の強磁性酸化物等。
光触媒機能: 酸化チタン、酸化亜鉛等。
熱電変換機能: 酸化亜鉛にインジウムを固溶させたもの、酸化亜鉛にアルミニウムを固溶させたもの、In2O5−ZnO系ホモロガス化合物等。
光電変換用半導体: 酸化チタン、酸化亜鉛等。
圧電体: 酸化亜鉛等。
透明導電膜: 赤外線吸収機能を発揮するものとして例示した金属酸化物と同様。
蛍光体や発光体: 酸化亜鉛や酸化亜鉛にマンガンを固溶させたもの等の酸化亜鉛系のもの等。(紫外線発光体またはグリーン発光体として用い得る。)
エレクトロルミネッセンス: WO3やNaxWO3等の酸化タングステン系のもの等。
〔コーティング組成物〕
本発明にかかるコーティング剤組成物(以下、本発明の組成物と称することがある。)は、前述したように、前記本発明にかかる粒子分散体とバインダーとを必須の構成成分として含む組成物である。本発明の組成物は、基材に塗布して金属化合物粒子分散膜を形成するため等に用いることができ、金属化合物粒子に由来する各種機能・特性を基材に付与することができる。
本発明の組成物に用い得るバインダーとしては、例えば、シリコンアルコキシド系バインダー、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂など、熱可塑性または熱硬化性(熱硬化性、紫外線硬化性、電子線硬化性、湿気硬化性、これらの併用等も含む)の各種合成樹脂や天然樹脂等の有機系バインダーや、無機系バインダー等を挙げることができる。合成樹脂としては、例えば、アルキド樹脂、アミノ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、シリコーン樹脂、アクリルシリコーン樹脂、フッ素樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ケトン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、液状ポリブタジエン、クマロン樹脂等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。天然樹脂としては、例えば、セラック、ロジン(松脂)、エステルガム、硬化ロジン、脱色セラック、白セラック等を挙げることができ、これらが1種または2種以上使用される。合成樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合ゴム、ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム等の天然または合成のゴム等を用いてもよい。合成樹脂と併用する成分として、硝酸セルロース、セルロースアセテートブチレート、酢酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を挙げることができる。
水溶性型のバインダーとしては、例えば、水溶性アルキド樹脂、水溶性アクリル変性アルキド樹脂、水溶性オイルフリーアルキド樹脂(水溶性ポリエステル樹脂)、水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシエステル樹脂、水溶性メラミン樹脂等を挙げることができる。
エマルション型のバインダーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル共重合ディスパージョン、酢酸ビニル樹脂エマルション、酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション、アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、スチレン−アクリル酸エステル(共)重合樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、アクリル−シリコーンエマルション、フッ素樹脂エマルション等を挙げることができる。
本発明の組成物においては、本発明にかかる粒子分散体とバインダーとの配合比(重量比)「粒子分散体/バインダー」は、限定はされないが、固形分基準で1/9〜9/1であることが好ましく、より好ましくは3/7〜7/3である。上記配合比が、1/9未満であると、金属化合物粒子の各種機能・特性を十分に発揮させるため膜厚を大きくしなければならず、また、得られるコーティング膜の耐磨耗性や機械的強度が不十分となるおそれがあり、9/1を超えると、得られるコーティング膜の機械的特性が不十分となるほか、機械的特性に優れる膜を得るためには高温で焼結させる必要が生じるおそれがある。
本発明の組成物を塗布する基材としては、例えば、ガラス板、アクリル板、ポリカーボネート板、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリイミドフィルム、ポリオレフィンフィルムなど、公知のシート、フィルムなどを用いることができ、金属、ガラス、陶器等の無機物や、樹脂等の有機物等のいずれの基材表面にも塗布することができる。基材形状については、限定はなく、フィルム状、シート状、板状、繊維状等が採用できる。
実施例および比較例における、測定方法および評価方法等を以下に示す。
≪金属化合物粒子に関する測定について≫
<粉末試料の調製>
金属化合物粒子の生成反応後の反応液を遠心分離して沈降物を回収し、その後、該沈降物を上記生成反応に用いた反応溶媒で洗浄する(沈降物を反応溶媒に再分散させた後、遠心分離)を2回行い、洗浄後の沈降物を真空乾燥機(60℃)で12時間乾燥させ、金属化合物粒子の粉末試料を得た。
<金属化合物粒子の結晶同定>
金属化合物粒子の結晶性について、粉末X線回折装置(理学電気株式会社製、装置名:RINT2400」)を用い、下記測定条件で粉末試料の粉末X線回折測定をし、解析することにより評価した。
X線:CuKα1線(波長:1.54056Å)、40kV、200mA
走査範囲:2θ=20〜80°
スキャンスピード:5°/分
<金属化合物粒子の結晶子径(Ds)>
上記金属化合物粒子の結晶同定と同様に、粉末試料の粉末X線回折測定をし、解析することで、金属化合物粒子の結晶子径(Ds)求めた。具体的には、得られたX線回折パターンにおける各回折線の回折線幅について、シェラー法による解析を行い、金属化合物粒子の結晶子径Dhkl(ここで、hklはミラー指数を表し、Dhklは、ミラー指数(hkl)の格子面に垂直な方向の結晶子の大きさである。)を求めた。
<金属化合物粒子の比表面積径>
粉末試料の比表面積をB.E.T.法により測定するとともに、粉末試料の真比重を測定し、各測定値を下記式に代入して、金属化合物粒子の比表面積径を求めた。
D=〔6/(ρ・S)〕×1000
(ここで、ρ:真比重、S:比表面積(m2/g)、D:比表面積径(nm)を表す。)
なお、この比表面積径の測定方法は、特に、粉末試料の粉末X線回折測定および解析により非晶質であるとされた金属化合物粒子の粒子径の測定方法として有効であり、このような金属化合物粒子に関しては、上記比表面積径をその1次粒子径とした。
粉末試料についての蛍光X線分析により、各種金属元素の定量分析を行い、金属化合物粒子中に微量に含有されている金属元素M、および、該粒子の表面処理に用いた有機金属化合物に含有されている金属元素Msそれぞれの含有率(原子%)を求めた。
≪粒子分散体に関する測定及び評価について≫
<分散性>
得られた粒子分散体について、動的光散乱式粒径分布測定装置(堀場製作所社製、装置名:LB−500)により、含有する金属化合物粒子の平均粒子径を測定し、以下の基準により分散性を評価した。
B:30nm以上、70nm未満
C:70nm以上、100nm未満
D:100nm以上
<分散安定性>
(沈降性に基づく分散安定性)
得られた粒子分散体を常温下で2週間静置した後、沈降物の有無および量を目視で判断し、以下の基準により分散安定性を評価した。
△:沈降物が少量認められる。
×:沈降物が多量に認められる。
(ゲル化特性に基づく分散安定性)
得られた粒子分散体を常温下で1ヶ月放置した後、ゲル化が認められるか否かについて目視により判断し、以下の基準により評価した。
○:ゲル状物の生成が認められない。
×:ゲル状物の生成が認められるか、全体的にゲル化が認められる。
<透明性>
形成されたコーティング膜について、濁度計(日本電色工業社製、製品名:NDH−1001DP)を用い、その全光線透過率、拡散光線透過率、平行線透過率およびヘイズを測定した。コーティング膜の透明性を、ヘイズ値に基づき以下の基準により評価した。なお、コーティング膜のヘイズは、コーティング膜付き基材のヘイズから、基材のみのヘイズを差し引いた値であるとする。
A:ヘイズ<3%
B:ヘイズ≧3%
〔合成例1−1〕
撹拌機、添加槽に直結した添加口、温度計、留出ガス出口、窒素ガス導入口を備えた外部より加熱し得る耐圧ガラス製反応器を有する、反応装置を用意した。
得られた反応液から、前述した粉末試料の調製方法により、粉末状の金属化合物粒子(p11)を得た。金属化合物粒子(p11)は、エタノイル基が2モル%/Znで結合している酸化亜鉛結晶超微粒子であった。金属化合物粒子(p11)の解析結果を表1に示す。
合成例1−1において、亜鉛カルボン酸塩およびアルコールの代わりに、各種金属カルボン酸塩および各種アルコールを用いた以外は、同様にして、粉末状の金属化合物粒子(p12)〜(p18)を得た。金属化合物粒子(p12)〜(p18)の解析結果を表1に示す。
〔合成例2−1〕
合成例1−1と同様の反応装置を用意した。
上記反応装置における耐圧ガラス製反応器内に、亜鉛カルボン酸塩としての酢酸亜鉛無水物粉末100部およびアルコールとしてのメタノール790部とともに、表面処理剤となる有機金属化合物としてのアクリロキシプロピルトリメトキシシランを上記亜鉛カルボン酸塩粉末中の金属原子(Zn)に対し該有機金属化合物中の金属原子Ms(すなわちSi)の割合が1原子%となる量で仕込み、気相部を酸素・窒素混合ガスでパージした後、攪拌しながら、20℃より120℃まで昇温させ、120℃±1℃で5時間保持した後、冷却することにより、微粒子反応液を得た。
別途、得られた反応液を加熱することにより濃縮および溶媒置換を行い、1−ブタノール中に粒子濃度25wt%で分散してなる金属化合物粒子(p21)の分散体を得た。
〔合成例2−2〕
合成例1−1と同様の反応装置を用意した。
得られた反応液の一部から、前述した粉末試料の調製方法により、粉末状の金属化合物粒子(p22)を得た。金属化合物粒子(p22)は、エタノイル基が1モル%/Znで結合し、かつ、上記有機金属化合物の(部分)加水分解物であるシリケートが粒子表面に導入された、酸化亜鉛結晶超微粒子であった。金属化合物粒子(p22)の解析結果を表3に示す。
〔合成例3−1〕
合成例1−1と同様の反応装置を用意した。
上記反応装置における耐圧ガラス製反応器内に、亜鉛カルボン酸塩としてのプロピオン酸亜鉛粉末100部およびアルコールとしての1−プロパノール790部とともに、他の金属カルボン酸塩としての酢酸インジウムを上記亜鉛カルボン酸塩粉末中の金属原子(Zn)に対し該他の金属カルボン酸塩中の金属原子M(すなわちIn)の割合が3原子%となる量で仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、攪拌しながら、20℃より150℃まで昇温させ、150℃±1℃で5時間保持した後、冷却することにより、微粒子反応液を得た。
別途、得られた反応液を加熱することにより濃縮および溶媒置換を行い、1−ブタノール中に粒子濃度25wt%で分散してなる金属化合物粒子(p31)の分散体を得た。
〔合成例3−2〜3−8〕
合成例3−1において、プロピオン酸亜鉛粉末の代わりに表2に示す亜鉛カルボン酸塩の粉末を用い、1−プロパノールの代わりに表2に示すアルコールを用い、酢酸インジウムの代わりに表2に示す他の金属カルボン酸塩を上記亜鉛カルボン酸塩粉末中の金属原子(Zn)に対し該他の金属カルボン酸塩中の金属原子Mの割合(原子%)が表2に示した割合となる量で用いるとともに、さらに表2に示す表面処理剤(有機金属化合物)を上記亜鉛カルボン酸塩粉末中の金属原子(Zn)に対し該有機金属化合物中の金属原子Msの割合(原子%)が表2に示した割合となる量で用い、かつ、150℃まで昇温させ、150℃±1℃で保持したところを表2に示す温度まで昇温させ、該温度±1℃で保持するようにした以外は、同様にして、金属化合物粒子(p32)〜(p38)を得た。金属化合物粒子(p32)〜(p38)はいずれも、上記金属原子Mがドープされた酸化亜鉛結晶超微粒子であった。金属化合物粒子(p32)〜(p38)の解析結果を表3に示す。
SUS製容器に、分散媒としての1−ブタノール400部および金属化合物粒子(p11)100部を順次添加した後、分散剤としてのチタニウム−n−テトラブトキシドテトラマー(和光純薬工業株式会社製)5部を添加し、混合した。混合後に得られたスラリーに対し、分散機(株式会社マイクロテック・ニチオン製、装置名:ヒスコトロン)を用いて、出力目盛50/100で10分間分散処理を施すことにより、粒子分散体(d11)を得た。
なお、上記分散処理はSUS製容器を氷水浴させながら行い、容器内のスラリーの温度が50℃以上とならないようにした。
〔実施例1−2〜1−10〕
実施例1−1において、1−ブタノールを400部用いる代わりに表4に示す分散媒を同表に示す量で用い、金属化合物粒子(p11)を100部用いる代わりに表4に示す金属化合物粒子を同表に示す量で用いた以外は、同様にして、粒子分散体(d12)〜(d110)を得た。
〔比較例1−1〕
実施例1−1において、分散剤としてのチタニウム−n−テトラブトキシドテトラマーを添加せずに上記分散機での分散処理を施した以外は、同様にして、粒子分散体(cd11)を得た。
得られた粒子分散体(cd11)について、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表4に示す。
実施例1−1において、1−ブタノールを400部用いる代わりに表4に示す分散媒を同表に示す量で用い、金属化合物粒子(p11)を100部用いる代わりに表4に示す金属化合物粒子を同表に示す量で用い、チタニウム−n−テトラブトキシドテトラマーを5部用いる代わりに表4に示す分散剤を同表に示す量で用いた以外は、同様にして、粒子分散体(cd12)〜(cd14)を得た。
得られた粒子分散体(cd12)〜(cd14)について、実施例1−1と同様に評価を行った。その結果を表4に示す。
合成例2−1で得られた金属化合物粒子(p21)の分散体400部に、分散剤としてのチタニウム−n−テトラブトキシドテトラマー(和光純薬工業株式会社製)5部を添加した後、マグネチックスターラーで3時間攪拌することにより、粒子分散体(d21)を得た。
得られた粒子分散体(d21)について、前述した方法により、分散性、沈降性に基づく分散安定性、ゲル化特性に基づく分散安定性について評価した。その結果を表5に示す。
実施例2−1において、金属化合物粒子(p21)の分散体の代わりに表5に示す金属化合物粒子の分散体を用い、チタニウム−n−テトラブトキシドテトラマーを5部用いる代わりに表5に示す分散剤を同表に示す量で用いた以外は、同様にして、粒子分散体(d22)〜(d210)を得た。
得られた粒子分散体(d22)〜(d210)について、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
〔比較例2−1〕
実施例2−3において、テトラキス(エトキシエトキシ)シランを添加せずに上記マグネチックスターラーでの攪拌を行った以外は、同様にして、粒子分散体(cd21)を得た。
〔比較例2−2〜2−5〕
実施例2−3において、金属化合物粒子(p31)の分散体の代わりに表5に示す金属化合物粒子の分散体を用い、テトラキス(エトキシエトキシ)シランを6部用いる代わりに表5に示す分散剤を同表に示す量で用いた以外は、同様にして、粒子分散体(cd22)〜(cd25)を得た。
得られた粒子分散体(cd22)〜(cd25)について、実施例2−1と同様に評価を行った。その結果を表5に示す。
合成例1−1と同様の反応装置を用意した。
上記反応装置における耐圧ガラス製反応器内に、亜鉛カルボン酸塩としての酢酸亜鉛無水物粉末100部、アルコールとしての1−ブタノール790部および分散剤としてのチタニウム−n−テトラブトキシドテトラマー(和光純薬工業株式会社製)を仕込み、気相部を窒素ガスでパージした後、攪拌しながら、20℃より170℃まで昇温させ、170℃±1℃で5時間保持した後、冷却することにより、微粒子反応液を得た。
得られた反応液から、前述した粉末試料の調製方法により、粉末状の金属化合物粒子(p11’)を得た。金属化合物粒子(p11’)は、結晶子径D002=13nm、D110=12nmであり、エタノイル基が2モル%/Znで結合している、酸化亜鉛結晶超微粒子であった。
なお、実施例1−1と同様に、上記分散処理はSUS製容器を氷水浴させながら行い、容器内のスラリーの温度が50℃以上とならないようにした。
得られた粒子分散体(d31)について、前述した方法により各種評価を行った結果、分散性「A」、沈降性に基づく分散安定性「○」、ゲル化特性に基づく分散安定性「○」であった。
実施例3−1と同様にして、微粒子反応液を得た。
得られた反応液を加熱することにより濃縮および溶媒置換を行い、1−オクタノール中に金属化合物粒子(p11’)が粒子濃度25wt%で分散してなる、粒子分散体(d32)を得た。
得られた粒子分散体(d32)について、前述した方法により各種評価を行った結果、分散性「A」、沈降性に基づく分散安定性「○」、ゲル化特性に基づく分散安定性「○」であった。
実施例1−1で得られた粒子分散体(d11)100部、シリケートバインダー(SiO2換算の固形分:51wt%)20部および触媒としての1−プロピルアミン0.5部を、実施例1−1で用いたSUS製容器に仕込んで撹拌することにより混合し、塗料としてのコーティング剤組成物(m41)を調製した。
コーティング剤組成物(m41)を、無アルカリガラス表面にバーコーターで(ウェット膜厚:24μm)塗布した後、常温で湿気硬化させることにより、金属化合物粒子(p11)が分散しているコーティング膜を形成した。
〔実施例4−2〕
実施例2−3で得られた粒子分散体(d23)100部、アクリル樹脂バインダー(ポリイソシアネート硬化剤を含む。全固形分:50wt%)50部、酢酸ブチル25部およびトルエン25部を、実施例1−1で用いたSUS製容器に仕込んで撹拌することにより混合し、塗料としてのコーティング剤組成物(m42)を調製した。
コーティング剤組成物(m42)を、PETフィルム表面にバーコーターで(ウェット膜厚:24μm)塗布した後、100℃で5分間加熱することにより、金属化合物粒子(p31)が分散しているコーティング膜を形成した。
〔比較例4−1〕
実施例4−1において、粒子分散体(d11)の代わりに比較例1−1で得られた(cd11)を用いた以外は、同様にして、コーティング剤組成物(cm41)を調製し、さらに同様に、塗布および硬化させることにより、金属化合物粒子(p11)を含むコーティング膜を形成した。
前述した方法により、該コーティング膜の透明性について評価した結果、「B」であった。
実施例4−2において、粒子分散体(d23)の代わりに比較例2−1で得られた(cd21)を用いた以外は、同様にして、コーティング剤組成物(cm42)を調製し、さらに同様に、塗布および加熱することにより、金属化合物粒子(p31)を含むコーティング膜を形成した。
前述した方法により、該コーティング膜の透明性について評価した結果、「B」であった。
Claims (2)
- 金属化合物粒子が分散剤により分散媒中に分散されている粒子分散体であって、
前記金属化合物粒子が、金属酸化物粒子、金属(酸)硫化物粒子、金属(酸)セレン化物粒子、金属(酸)窒化物粒子および金属炭化物粒子からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記分散剤が、金属アルコキシドおよび/またはその部分加水分解物を用いて得られる縮合度20以下の加水分解縮合物、ならびに、炭素数4以上のアルコキシ基を有するかおよび/またはアルコキシアルコキシ基を有する金属アルコキシド、からなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記分散媒が有機溶剤を必須とするとともに、
前記分散剤の配合割合が前記金属化合物粒子に対し0.5〜10重量%である、
ことを特徴とする、粒子分散体。 - 請求項1に記載の粒子分散体とバインダーとを含む、コーティング剤組成物。
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