JP2007161543A - 酸化亜鉛分散ペーストの製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛分散ペーストの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、微粒子酸化亜鉛の安定な分散方法を提供する。
【解決手段】 剪断速度が1〜10s−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×50)
であり、
剪断速度が10〜10−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×30)
である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、微粒子酸化亜鉛の安定な分散方法を提供するものである。
酸化亜鉛は安価(180〜400円/kg)であり、屈折率(約2.0)が低いことから塗料やインキの充填材、ゴムの加硫剤として古くから使用されている。さらには酸化亜鉛が有する抗菌、殺菌作用を利用した医薬品などにも使用されている。屈折率が低いため透明性の高い被膜を与えるのも特徴である。これらの用途には、通常、亜鉛華といわれている比較的平均一次粒子径の大きい(0.5〜10μm)酸化亜鉛が使用されている。
この平均一次粒子径レベルではさほど粒子表面の活性を気にかける必要はなく、微粒子としてさらに機能を引き出す必要もないため、塗料やインキ、ゴム混練で実施されている通常通りの分散技術が適用され、実用化されている。
一方で、(超)微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径が300nm程度以下のもの)では、粒子表面積の急激な増大にともない粒子表面の活性がきわめて強くなり、微粒子であることと相まって、分散、混合は難航を極めているのが現状である。すなわち、うまく分散できたつもりでも、言い換えれば、粒子径測定で期待通りの粒子径のものができあがったとしても、比較的短時間で分散液(ペースト)あるいは塗料、インキなどは分離、沈降を起こし実用化するには到底およばないレベルとなっていた。さらに言えば、化粧品、軟膏などのように粘性がチキソトロピックなものは、その粘性に支えられさほど気にかけることなく実用化されてはいる。しかしながら、このチキソトロピックな粘性では、塗工される工程が必要な工業用途には適用できず、課題解決策とはなっていない。
さて、酸化亜鉛は紫外線吸収能や導電性能を有することが知られている。また、埋蔵量も多く、比較的安価な素材であり、安定して使用できればきわめて有用な素材である。ことさら、超微粒子酸化亜鉛であれば効果は飛躍的に向上することも良く知られており、通常導電性や紫外線吸収性を期待する場合には超微粒子酸化亜鉛が使用される。
酸化亜鉛の紫外線吸収性能、紫外線遮断能は、よく知られている有機系紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などと同等以上である。さらに言えば、酸化亜鉛はこれら有機系の紫外線吸収剤と違い経時で消失や失効することがなく、半永久的にその機能を発揮する。
また、金属酸化物であることから、周知の通り光触媒としての機能、半導体としての性質、および導電性を有する。導電性は、酸化亜鉛単独ではさほどではないが、アルミニウムやガリウムをドーパントとしたものは電気抵抗が10〜1010Ω・cmであり、ITOやATOに代わる透明導電性材料として期待されている。
一方で、酸化亜鉛は活性が高く、かつ等電点が約9であることから酸化亜鉛を配合した塗料や化粧品は沈殿、分離、反応による変質、劣化を起こしやすいことが知られている。さらに、塗布された状態でも、酸化亜鉛の活性により、基材や肌が侵されやすいことが知られている。
これを抑制するために酸化亜鉛表面をアルミニウムや珪素の酸化物、水酸化物で被覆したり、有機ポリシロキサンで被覆する方法が提案されている(特許文献1参照)。
提案されている技術によれば、酸化亜鉛の活性が抑えられ、種々媒体中に安定に分散でき、経時での酸化亜鉛の劣化が押さえられるとされている。しかしながら、酸化亜鉛の分散安定性は顔料分散方法によるところが大きく、表面処理を施しただけでは十分に解決できないこともよく知られている。また、仮に本提案のように分散にサンドミルを使用して分散安定性の良好な分散体が製造できたとしても、これを塗剤として供給した場合にも安定かどうかは別の議論が必要であり、一般には分散体の分散安定性イコール塗剤の分散安定性とはならない。一般に、塗剤では塗布する前に塗工に適した粘度に調節するための種々溶媒やイソシアネート化合物、エポキシ樹脂などの硬化剤が配合される場合が多く、先に述べた酸化亜鉛の等電点(約9)とあいまって、分散安定性は急激に悪化し、酸化亜鉛の凝集による分離やゲル化が促進される。
特開2002−87817号公報
酸化亜鉛を安定に分散させ、しかも、酸化亜鉛分散ペーストとしたとき、貯蔵安定性に優れた酸化亜鉛分散ペーストの製造方法が望まれていた。
本発明は、酸化亜鉛、特に、平均一次粒子径がサブミクロンサイズ以下、例えば、平均一次粒子径が200nm以下の微粒子酸化亜鉛の分散方法を提供する。
本製造方法に従い製造された酸化亜鉛分散ペーストは貯蔵安定性に優れ、貯蔵経時で分離や、沈殿を起こしがたいものとなる。
本発明に従い製造された酸化亜鉛分散ペーストを配合した塗料、粘着剤などは、沈殿や分離を起こすことがなく貯蔵安定性に優れたものとなる。
また、該塗料、粘着剤などにより被覆された製品は、被服膜中に酸化亜鉛が均一に分散しているため劣化の原因となる紫外線から保護され、さらには帯電防止、導電性の付与が可能となる。
本発明は、
(1)剪断速度が1〜10s−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×50)
である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法、
(2)剪断速度が10〜10−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×30)
である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法
に関するものである。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、酸化亜鉛としては、塗膜や粘着膜の透明性を高め、紫外線吸収性を効率的に確保するため平均一次粒子径が好ましくは、0.5nm以上200nm以下、より好ましくは0.5nm以上150nm以下、さらに好ましくは0.5nm以上100nm以下であることが望ましい。
酸化亜鉛の平均一次粒子径が200nmを超える場合には、塗膜や粘着膜の透明性が損なわれる傾向にあり、また沈殿、凝集を起こしやすくなる傾向がある。
一方で、平均粒子径が0.5nm未満の場合には、安定な顔料分散が非常に困難となる場合がある。また、顔料が再凝集を起こしやすい傾向にあり、経時で増粘しゲル化する場合がある。
酸化亜鉛は、また、有機ポリシロキサンなどで表面処理されていても、未処理のものでも区別なく使用することができる。
さらに、酸化亜鉛が、アルミニウムやガリウムをドーパントとして使用されている場合には、紫外線吸収性だけでなく、同時に導電性を付与することが可能となり、帯電防止や透明導電膜を形成する際有用である。したがって、本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、好ましくは、酸化亜鉛が、アルミニウムがドーピングされた導電性酸化亜鉛、または、酸化亜鉛が、ガリウムがドーピングされた導電性酸化亜鉛である。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、分散媒体としては、好ましくはイオン交換された水、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、ヘプタン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、フィタントリオール、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェートなどが例示される。これらの分散媒体は単独でも、2種類以上の混合物であってもよい。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、分散媒体としては、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類はオーブンでの処理時間が短いポリエステルフィルムなどに塗工する場合に、蒸発速度が速く好適である。
また、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェートなどのイオン性液体は、酸化亜鉛の電子導電性と相まって、相互に補完しながら電気伝導性を一段とよくする作用があり、分散媒体として、制電性塗膜や粘着剤、電磁波シールド塗膜や粘着剤を作製する上できわめて有効であり、推奨される。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、酸化亜鉛は、分散媒体中に、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、さらに好ましくは25〜40重量%分散されるのが望ましい。酸化亜鉛濃度が10重量%未満の場合には、酸化亜鉛分散効率が悪いばかりでなく、膜中の酸化亜鉛濃度を高くすることが困難となる場合があり十分な紫外線吸収性や導電性が得られない場合がある。50重量%を超えて酸化亜鉛が配合される場合には、顔料分散中の粘度が高くなり、またチキソトロピー性を帯びる傾向にあって顔料分散が十分に行えなくなる傾向にある。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、顔料分散剤としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどの非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレングリコールアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリエステルポリカルボン酸塩などのアニオン性界面活性剤、アミノ基、アミド基、カルボン酸基を同時に有するポリエステル、ポリエステルポリアミドアミン塩などの複合的な顔料分散剤が例示される。
酸化亜鉛は、等電点が約9であり、かつ平均一次粒子径が、好ましくは、200nm以下であることから、顔料分散工程でできるだけ微粒子化し、分散安定化を図るために、顔料分散剤としては高分子量のものが推奨される。この観点から、アミノ基、アミド基、カルボン酸基を同時に有する高分子量ポリエステル、高分子量ポリエステルポリアミドアミン塩などの複合的な顔料分散剤が望ましい。アミノ基、アミド基、カルボキシル基を有さず、高分子量でない顔料分散剤を使用した場合には、酸化亜鉛が緩やかな凝集(以下フロキュレーションとも言う)を起こしやすくなり、貯蔵安定性やポットライフが著しく悪化する傾向にある。
顔料分散剤は、酸化亜鉛に対して好ましくは2〜50phr、より好ましくは5〜50phr、さらに好ましくは8〜40phr配合されるのが望ましい。顔料分散剤の配合量が2phr未満の場合には、酸化亜鉛が超微粒子であるために酸化亜鉛の粒子表面を均一に被覆するだけの効果が得られない場合があり、沈殿、分離を起こしやすくなる傾向が見られる。顔料分散剤が50phrを超えて配合される場合には、塗膜や粘着剤の耐光性、耐熱性、耐湿熱性などが悪化する場合がある。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、酸化亜鉛、顔料分散剤、分散媒体の混合、予備分散は、例えばスリーワンモーターで分散液全体をゆっくりと混合、攪拌する方法が推奨される。攪拌羽根は例えばマックスブレンド翼やパドルのような大きいものが望ましい。これはまたプラネタリーミキサーを使用してもよい。予備分散は全体が均一な分散液になれば十分である。
予備分散にホモジナイザーやディスパーのような強力な剪断力を有する攪拌、分散機を使用した場合には、凝集力の強い塊が生成する傾向にあり(以下アグロメレートとも言う)、本分散でもこの凝集をほぐすことができなくなって逆に目的を達成できない場合がある。
予備分散では、分散媒体に顔料分散剤を溶解しておき、攪拌しながら酸化亜鉛を少しずつ添加する方法が推奨される。
予備分散で製造された分散液は、ビーズミルに通され本分散が実施される。
ビーズミルとしては、例えばダイノミル(シンマルエンタープライセス社の顔料分散機)、ウルトラアペックスミル(寿工業社の顔料分散機)、スパイクミル(井上製作所社の顔料分散機)、アドバンティス(ビューラー社の顔料分散機)、スターミル(アシザワ・ファインテック社の顔料分散機)、サンドミルなどが例示される。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、より微粒子化、安定な分散液を製造するため、ウルトラアペックスミル、アドバンティス、スターミルなどの例えば1mm以下のようなより微粒子メジアが使用できる顔料分散機が好適な分散機として推奨される。
ビーズミルでの顔料分散は、酸化亜鉛濃度が好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜45重量%、さらに好ましくは25〜40重量%分散されるのが望ましい。酸化亜鉛濃度が10重量%未満の場合には、酸化亜鉛分散効率が悪いばかりでなく、膜中の酸化亜鉛濃度を高くすることが困難となる場合があり十分な紫外線吸収性や導電性が得られない場合がある。50重量%を超えて酸化亜鉛が配合される場合には、顔料分散中の粘度が高くなり、またチキソトロピー性を帯びる傾向にあって顔料分散が十分に行えなくなる傾向にある。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法は、剪断速度が1〜10s−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×50)
である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法であり、
剪断速度が10〜10−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×30)
である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法である。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法は、好ましくは、酸化亜鉛、分散媒体、顔料分散剤を混合して、予備分散した後、ビーズミルで顔料分散を行う。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、分散条件、例えば、メジアの粒子径(1mm、0.5mm、0.3mm、0.05mm、0.03mmなど)、メジアの充填率(多い、少ないなど)、顔料分散時の流速(早い、遅いなど)、顔料分散時の温度(強制冷却、通常冷却、加温など)、顔料分散機の周速(速い、遅いなど)、顔料分散装置、メジアの材質(ガラス、セラミックス、金属など)、顔料分散機分散室(ガラス、セラミックス、金属など)の材質、顔料濃度(高い、低いなど)、顔料分散剤濃度(多い、少ないなど)を調節し、決定する。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、酸化亜鉛分散ペーストの貯蔵安定性を向上し、塗料や粘着剤などを製造したときの性能を向上するために、以下の条件が推奨される。
分散性を向上し、微粒子化をはかるために、メジアの粒子径は細かいほど望ましく、1mm以下であることが望ましい。また、材質は異物の混入を避ける意味でもセラミックス製が推奨され、特にジルコニア製のものが推奨される。メジア充填率は好ましくは60%以上、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上であることが推奨される。メジア充填率が60%未満の場合には、十分な分散状態が得られず分離や沈降を起こす傾向にある。
分散機の分散室も、異物の混入を避けるためセラミックス製が望ましく、特にジルコニア製であることが推奨される。
顔料分散時の流速は酸化亜鉛粒子とメジアとの衝突回数を増やし、より安定な分散液を製造するために、好ましくは200ml/min以上、より好ましくは500ml/min以上、さらに好ましくは800ml/min以上であることが望ましい。流速が200ml/min未満の場合には、分散ペーストがフロキュレーションやアグロメレートを起こしやすく、貯蔵安定性やポットライフが悪化する場合がある。流速は、概ね、好ましくは分散ベセル内容積の1/3以上の容量/min、より好ましくは分散ベセル内容積の1/2以上の容量/minであることが望ましく、推奨される。
顔料分散時の温度は、特に規定する必要はないが、分散媒体の沸点を考慮し、沸点以下で実施されるのが望ましい。一般的には、顔料分散機の能力が許せば、できるだけ40℃以下で実施されるのが望ましく、微粒子化が効率よく実施できる傾向にある。
顔料分散剤は、酸化亜鉛に対して好ましくは2〜50phr、より好ましくは5〜50phr、さらに好ましくは8〜40phr配合されるのが望ましい。顔料分散剤の配合量が2phr未満の場合には、酸化亜鉛が超微粒子であるために酸化亜鉛の粒子表面を均一に被覆するだけの効果が得られない場合があり、沈殿、分離を起こしやすくなる傾向が見られる。顔料分散剤が50phrを超えて配合される場合には、塗膜や粘着剤の耐光性、耐熱性、耐湿熱性などが悪化する場合がある。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法では、酸化亜鉛分散ペーストの粘度は、「VAR型 ビスコアナライザー」(ジャスコ インターナショナル(株)のレオロジー測定装置)を使用し、下記条件の下に測定される。
〔粘度測定条件〕
・ 測定温度 25℃
2.剪断速度テーブル 剪断速度 1.000E+0〜1.000E+4 s−1、 ディレイタイム 2.000E+0 s、積算定常平衡値 +−0.010
3.レギュレーター強度 100.0%
4.ノーマルフォースを測定
5.測定テストジオメトリー コーン・プレート
コーン:C 40 1(40mm1℃.Plate)
6.測定インターバル 2.000E+0 s
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法は、剪断速度が1〜10s−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×50)
であり、分散ペーストの粘度は、好ましくは、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×25)
より好ましくは、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×20)
であることが望ましい。
分散ペーストの粘度が(分散媒体の粘度×50)mPa・s(25℃)を超える場合には、分散された酸化亜鉛の平均粒子径によらず分散ペーストはフロキュレーションが強く、塗工のために希釈溶剤や硬化剤を配合した際に沈殿、分離、ゲル化を起こしやすくなり、特に、ウレタンやエポキシ樹脂などの硬化剤を配合する場合にはポットライフが急激に短くなる。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法は、剪断速度が10〜10−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×30)
であり、好ましくは、
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×20)
さらに好ましくは
(分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×12.5)
であることが望ましい。
分散ペーストの粘度が(分散媒体の粘度×30)mPa・s(25℃)を超える場合には、分散された酸化亜鉛の粒子径によらず、分散ペーストは強いフロキュレーション、アグロメレートを示し、沈殿、分離を起こしやすくなる。
本発明の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法は、酸化亜鉛分散ペーストの粘度は上記の条件を厳に満足することが必要であるが、分散された酸化亜鉛の粒子径は必ずしも平均一次粒子径近くまで微粒子化する必要がないことである。分散条件を選択し、あるいは時間をかけて、仮に分散体の粒子径が平均一次粒子径近くになるまで顔料分散を実施したとしても、上記条件を満足しなければ、分散ペーストの安定性や種々機能は得られない。
一方で、当然ながら、分散により一次粒子径近くの分散体が製造でき、かつ上記粘度条件が満足されるときには、一段と優れた分散安定性や性能発現が期待される。
以下、実施例により、本発明を具体的に説明する。なお、特に断りがない限り、組成比は重量比を示すものとする。
また、効果をわかりやすくするため、以下の実施例および比較例では、酸化亜鉛濃度を全て30重量%として実施した。
粒子径は「濃厚系粒径アナライザー FPAR−1000」(大塚電子(株)のレーザー光散乱型粒子径分布測定装置)(以下粒子径装置とも言う)を使用し、25℃で散乱強度分布換算で平均粒子径を求めた値を採用した。
レオロジー測定は、先に記述したとおり、「VAR型 ビスコアナライザー」(ジャスコ インターナショナル(株)のレオロジー測定装置)を使用し、先に記載した条件の下で測定した。
実施例1
2Lステンレス容器に、分散溶媒として、酢酸エチル(粘度0.43mPa・s/25℃)700g、顔料分散剤として、「ディスパロン DA−7300」(楠本化成(株)、高分子量ポリエステル酸のアマイドアミン塩、有効成分75%)80gを仕込み、スリーワンモーターを使用して均一になるまで攪拌した。
これに、「ZINCOX SUPER F−2」(ハクスイテック(株)の酸化亜鉛、平均一次粒子径70nm)(以下F−2とも言う)300g、を少しずつ添加し、30分間攪拌して酸化亜鉛が分散したスラリーを製造した。
このスラリーを、「LABSTAR/MINI CER」(アシザワ・ファインテック(株)の顔料分散機)(以下miniとも言う)を使用し酸化亜鉛の分散を行った(酸化亜鉛濃度は30重量%である)。
分散条件は、ベッセル材質 ZrO、ローター ZrO、メジア ZrO、メジア径 0.1mm、メジア充填率 85%、周速 10m/sec、スラリーはダイヤフラムポンプを使用し300ml/minで供給した。分散中のスラリー温度は20〜30℃となるよう温度調節(冷却)を行った。
2時間分散を行った後、平均粒子径は95nmであった。また、レオロジー測定の結果、
剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が1.98mPa・s、最大値が5.49mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が1.44mPa・s、最大値が1.80mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で1ヶ月静置したが、分離、沈殿を起こさず安定であった。
〔塗料の評価〕
酢酸エチルに溶解したメタクリル酸メチル/メタクリル酸n−ブチル/アクリル酸n−ブチル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(=50/20/25/5)からなるアクリル樹脂(以下ACとも言う)(固形分濃度50%、アクリルの重量平均分子量28000)と、酸化亜鉛分散ペーストとを固形分換算顔料濃度(以下PWCとも言う)が50%となるよう混合し、さらに2−エチルヘキサン酸をアクリルの0.5phr、イソプロピルアルコールをアクリルの5phr、「K−KAT 348」(楠本化成(株)の硬化触媒)をアクリルの2phr配合し、スターラーで30分間攪拌する。さらに、「マゼルスター」(クラボウ(株)の攪拌・脱泡装置)を使用し、20分間攪拌、脱泡を行った。この塗料(主剤)にアクリルのOH基と硬化剤のNCO基との等量比が1:2となるよう「スミジュール N−3300」(住友バイエルウレタン(株)のイソシアネート化合物)(硬化剤)を配合し、酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料を製造した。
酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料を「マゼルスター」で30分間、攪拌、脱泡した後、これを100mlガラス瓶に入れ、栓をした。25℃恒温槽中に静置し、塗料状態を観察した。12時間後も塗料外観、流動性は変化せず、硬化剤配合後も酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料は安定であった。
酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料を透明PETフィルムに乾燥膜厚が3μmとなるよう塗布し、130℃で2分間焼き付け乾燥した。これをメチルエチルケトンに1分間浸漬したが、塗膜は変化せず、十分に架橋反応が進行していることが観察された。
分光光度計で、塗工したPETフィルムをリファレンスとして300〜500nmの光線透過率を測定した結果、300〜380nmの光線透過率は10%以下であり、400nm〜500nmの光線透過率は80%以上であった。製造された塗料の紫外線遮断性能、可視光線透過性能が優れていることがわかった。
実施例2
3Lステンレス容器に、分散溶媒として、酢酸エチル(粘度0.43mPa・s/25℃)1400g、顔料分散剤として、「ディスパロン DA−7300」120gを仕込み、スリーワンモーターを使用して均一になるまで攪拌した。
これに、「Pazet CK」(ハクスイテック(株)の導電性酸化亜鉛(アルミニウムドープ)、平均一次粒子径20nm)(以下CKとも言う)600g、を少しずつ添加し、30分間攪拌して酸化亜鉛が分散したスラリーを製造した。
このスラリーを、「スターミル LMZ−2」(アシザワ・ファインテック(株)の顔料分散機)(以下LMZとも言う)を使用し酸化亜鉛の分散を行った(酸化亜鉛濃度は30重量%である)。
分散条件は、ベッセル材質 アルジル、ローター ZrO、メジア ZrO、メジア径 0.1mm、メジア充填率 85%、周速 10m/sec、スラリーはダイヤフラムポンプを使用し1.5L/minで供給した。分散中のスラリー温度は20〜30℃となるよう温度調節(冷却)を行った。
2時間分散を行った後、平均粒子径は30nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が2.28mPa・s、最大値が20.5mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が1.12mPa・s、最大値が1.78mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で1ヶ月静置したが、分離、沈殿を起こさず安定であった。
〔導電性粘着剤の評価〕
トルエン/酢酸エチル(=60/40)に溶解したアクリル酸2−エチルヘキシル/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(=95/5)からなるアクリル樹脂(以下AC2とも言う)(固形分濃度40%、アクリルの数平均分子量192000)と、酸化亜鉛分散ペーストとをPWCが50%となるよう混合し、「マゼルスター」を使用し、30分間攪拌、脱泡を行った。この粘着剤(主剤)にアクリルのOH基と硬化剤のNCO基との等量比が1:1となるよう「スミジュール N−3300」(硬化剤)を配合し、酸化亜鉛配合ウレタン硬化型導電性粘着剤(以下粘着剤1とも言う)を製造した。
粘着剤1を「マゼルスター」で30分間、攪拌、脱泡した後、これを100mlガラス瓶に入れ、栓をした。25℃恒温槽中に静置し、塗料状態を観察した。24時間後も塗料外観、流動性は変化せず、粘着剤1は安定であった。
粘着剤1を透明PETフィルムに乾燥膜厚が25μmとなるよう塗布し、100℃で2分間焼き付け乾燥した。
この粘着フィルムを23℃で1週間養生した後、ガラス板に2kgの荷重で貼付したところ良好な粘着性と再剥離性を示した。また、この粘着フィルム分光光度計で、塗工したPETフィルムをリファレンスとして300〜500nmの光線透過率を測定した結果、300〜380nmの光線透過率は10%以下であり、400nm〜500nmの光線透過率は80%以上であった。製造された粘着剤1の紫外線遮断性能、可視光線透過性能が優れていることがわかった。
さらに、この粘着フィルム(粘着層)の電気抵抗を測定したところ2.8×10Ω/□であった。制電性粘着剤として十分なものであることがわかった。
実施例3
3Lステンレス容器に、分散溶媒として、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウム ヘキサフルオロホスフェート(イオン性液体、粘度358mPa・s)1400g、顔料分散剤として、「ディスパロン DA−7300」120gを仕込み、スリーワンモーターを使用して均一になるまで攪拌した。
これに、「CK」600g、を少しずつ添加し、30分間攪拌して酸化亜鉛が分散したスラリーを製造した。
このスラリーを、「LMZ」を使用し酸化亜鉛の分散を行った(酸化亜鉛濃度は30重量%である)。
分散条件は、ベッセル材質 アルジル、ローター ZrO、メジア ZrO、メジア径 0.1mm、メジア充填率 85%、周速 10m/sec、スラリーはダイヤフラムポンプを使用し1.5L/minで供給した。分散中のスラリー温度は20〜30℃となるよう温度調節(冷却)を行った。
2時間分散を行った後、平均粒子径は30nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が2864mPa・s、最大値が4296mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が1790mPa・s、最大値が2864mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で1ヶ月静置したが、分離、沈殿を起こさず安定であった。
〔導電性粘着剤の評価〕
3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンに溶解したEHA/3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート(=98/2)からなるアクリル樹脂(以下AC3とも言う)(ポリマー濃度85%、数平均分子量82000)100g、酸化亜鉛分散ペースト50g、トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩(光カチオン重合開始剤)4gを混合し、「マゼルスター」で30分間攪拌、脱泡を行って導電性のゲル状粘着剤を製造した。
これをPETフィルムに膜厚が250μmになるよう塗布した後、UV照射して粘着フィルムを製造した。
粘着フィルムをガラス板に貼付した後、デュポン衝撃試験機を使用して300g×10cmで耐衝撃性を評価したがガラス板は破損することなく、耐衝撃吸収性に優れていた。また、粘着層の電気抵抗は2.3×10Ω・cmであり、良好な導電性を示した。
実施例4
実施例1で、酸化亜鉛を「ZnO―350」(住友大阪セメント(株)の酸化亜鉛、平均一次粒子径20nm)(以下SOCとも言う)に変える以外は実施例1と同様にして酸化亜鉛分散ペーストを製造した。
2時間分散を行った後、平均粒子径は40nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が0.810mPa・s、最大値が2.45mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値がT2=1.05mPa・s、最大値が1.29mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で1ヶ月静置したが、分離、沈殿を起こさず安定であった。
この分散ペーストを酸化亜鉛濃度が5%になるようEAcで希釈し、100mlガラス瓶に採り外観を観測したところ黄色みを帯びたクリヤー液体であった。分散性が優れていることが観察された。
〔粘着剤の評価〕
AC2と、酸化亜鉛分散ペーストとをPWCが50%となるよう混合し、「マゼルスター」を使用し、30分間攪拌、脱泡を行った。この粘着剤(主剤)にアクリルのOH基と硬化剤のNCO基との等量比が1:1となるよう「スミジュール N−3300」(硬化剤)を配合し、酸化亜鉛配合ウレタン硬化型粘着剤(以下粘着剤2とも言う)を製造した。
粘着剤2を「マゼルスター」で30分間、攪拌、脱泡した後、これを100mlガラス瓶に入れ、栓をした。25℃恒温槽中に静置し、塗料状態を観察した。24時間後も塗料外観、流動性は変化せず、粘着剤2は安定であった。
粘着剤2を透明PETフィルムに乾燥膜厚が25μmとなるよう塗布し、100℃で2分間焼き付け乾燥した。
この粘着フィルムを23℃で1週間養生した後、ガラス板に2kgの荷重で貼付したところ良好な粘着性と再剥離性を示した。また、この粘着フィルム分光光度計で、塗工したPETフィルムをリファレンスとして300〜500nmの光線透過率を測定した結果、300〜380nmの光線透過率は5%以下であり、400nm〜500nmの光線透過率は85%以上であった。製造された粘着剤2の紫外線遮断性能、可視光線透過性能、透明性が優れていることがわかった。
比較例1
5Lステンレス容器に、分散溶媒として、酢酸エチル(粘度0.43mPa・s/25℃)2450g、顔料分散剤として、「ディスパロン DA−7300」210gを仕込み、スリーワンモーターを使用して均一になるまで攪拌する。
これに、「SOC」(酸化亜鉛、「ZnO―350」)1050gを少しずつ添加し、30分間攪拌して酸化亜鉛が分散したスラリーを製造する。
このスラリーを、「ダイノミル」(シンマルエンタープライゼス(株)の顔料分散機)を使用し酸化亜鉛の分散を行った(酸化亜鉛濃度は30重量%である)。
分散条件は、ベッセル材質 ZrO、ローター ZrO、メジア ZrO、メジア径 0.3mm、メジア充填率 85%、周速 10m/sec、スラリーはダイヤフラムポンプを使用し150ml/minで供給した。分散中のスラリー温度は20〜30℃となるよう温度調節(冷却)を行った。
分散液を循環しながら10パスの分散を行った後、平均粒子径は150nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が1.89mPa・s、最大値が23.7mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が0.998mPa・s、最大値が1.45mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で静置したところ、3日目で沈殿が確認された。分散液は不安定なものであった。
〔塗料の評価〕
ACと、酸化亜鉛分散ペーストとをPWCが50%となるよう混合し、さらに2−エチルヘキサン酸をアクリルの0.5phr、イソプロピルアルコールをアクリルの5phr、「K−KAT 348」をアクリルの2phr配合し、スターラーで30分間攪拌する。さらに、「マゼルスター」を使用し、20分間攪拌、脱泡を行った。この塗料(主剤)にアクリルのOH基と硬化剤のNCO基との等量比が1:2となるよう「スミジュール N−3300」(硬化剤)を配合し、酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料を製造した。
酸化亜鉛配合ウレタン硬化型塗料を「マゼルスター」で30分間、攪拌、脱泡した後、これを100mlガラス瓶に入れ、栓をした。25℃恒温槽中に静置し、塗料状態を観察した。約2時間後に塗料はゲル状になり、不安定であった。
比較例2
2Lステンレス容器に、分散溶媒として、酢酸エチル(粘度0.43mPa・s/25℃)700g、顔料分散剤として、「ディスパロン DA−7300」36gを仕込み、スリーワンモーターを使用して均一になるまで攪拌する。
これに、「Pazet GK−2」(ハクスイテック(株)のガリウムドープ導電性酸化亜鉛、平均一次粒子径30nm)(以下GKとも言う)300g、を少しずつ添加し、30分間攪拌して酸化亜鉛が分散したスラリーを製造した。
このスラリーを、「LABSTAR/MINI CER」を使用し酸化亜鉛の分散を行った(酸化亜鉛濃度は30重量%である)。
分散条件は、ベッセル材質 ZrO、ローター ZrO、メジア ZrO、メジア径 0.1mm、メジア充填率 85%、周速 10m/sec、スラリーはダイヤフラムポンプを使用し200ml/minで供給した。分散中のスラリー温度は20〜30℃となるよう温度調節(冷却)を行った。
2時間分散を行った後、平均粒子径は45nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が34.2mPa・s、最大値が149mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が6.88mPa・s、最大値が22.8mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で静置したところ、1日目で沈殿が起こり分散液は不安定であった。
比較例3
比較例1において、酸化亜鉛を「SOC」の代わりに、「NANOFINE s−50」(堺化学(株)の表面シリカ処理酸化亜鉛、d=20nm)を使用し、同一条件で酸化亜鉛の分散を行った。
分散液を循環しながら10パスの分散を行った後、平均粒子径は98nmであった。また、レオロジー測定の結果、剪断速度が1〜10s−1のときの粘度の最小値が3.06mPa・s、最大値が35.0mPa・s、剪断速度が10〜10−1のときの粘度の最小値が1.97mPa・s、最大値が2.26mPa・sであった。
製造された酸化亜鉛分散ペーストを500mlマヨネーズ瓶にいれ23℃で静置したところ、5日目で沈殿が確認された。分散液は不安定なものであった。

Claims (6)

  1. 剪断速度が1〜10s−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
    (分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×50)
    である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
  2. 剪断速度が10〜10−1のとき、25℃における酸化亜鉛濃度25〜35重量%の分散ペーストの粘度(mPa・s)が、
    (分散媒体の粘度)≦(分散ペーストの粘度)≦(分散媒体の粘度×30)
    である酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
  3. 酸化亜鉛の平均一次粒子径が0.5〜200nmである請求項1または2に記載の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
  4. 酸化亜鉛が、アルミニウムがドーピングされた導電性酸化亜鉛である請求項1〜3に記載の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
  5. 酸化亜鉛が、ガリウムがドーピングされた導電性酸化亜鉛である請求項1〜4に記載の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
  6. 酸化亜鉛、分散媒体、顔料分散剤を混合して、予備分散した後、ビーズミルで顔料分散を行う請求項1〜5に記載の酸化亜鉛分散ペーストの製造方法。
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