JP2018053097A - 塗料、塗膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗膜にしたときの透明性が高く、900mPa・s以上の粘度を有する酸化亜鉛と樹脂を含む塗料および塗膜を提供する。
【解決手段】本発明の塗料は、酸化亜鉛粒子と、酸価が3以上かつ13以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、前記酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上である。
【選択図】なし
【解決手段】本発明の塗料は、酸化亜鉛粒子と、酸価が3以上かつ13以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、前記酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上である。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗料および塗膜に関する。
酸化亜鉛は、紫外線遮蔽機能やガス透過抑制機能等を有し、かつ透明性も高いため、紫外線遮蔽フィルム、紫外線遮蔽ガラス、化粧料やガスバリアフィルム等、透明性が必要な用途に使用される。
透明性を得るための方法の1つとしては、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径を小さくすることが挙げられる。
透明性を得るための方法の1つとしては、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径を小さくすることが挙げられる。
例えば、酸化亜鉛微粒子を用いて、紫外線カット性を有する透明性ガスバリアフィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
酸化亜鉛微粒子と樹脂を含む塗料では、塗料の粘度は、樹脂の粘度で調整されることが一般的である。しかし、酸化亜鉛微粒子による機能を十分に発揮させるために塗料中の酸化亜鉛微粒子の含有量を増やすと、相対的に樹脂の含有量が減る。そのため、塗料の粘度を増大させるためには、高粘度の樹脂を用いる必要があったが、高粘度樹脂には酸化亜鉛微粒子が分散し難く、透明性を損ねる場合があった。
また、塗料中における酸化亜鉛微粒子と樹脂の合計量を増加させることにより塗料の粘度を増大させることはできるが、粒子が凝集しやすく透明性を損ねる場合や、塗膜を形成するときに含有される有機溶媒量が少ないため、乾燥が早く、塗膜にムラやブツが発生しやすかった。
したがって、酸化亜鉛微粒子と樹脂を含む塗料では、塗料の粘度を900mPa・s以上に増大させることが難しいという問題があった。
また、塗料中における酸化亜鉛微粒子と樹脂の合計量を増加させることにより塗料の粘度を増大させることはできるが、粒子が凝集しやすく透明性を損ねる場合や、塗膜を形成するときに含有される有機溶媒量が少ないため、乾燥が早く、塗膜にムラやブツが発生しやすかった。
したがって、酸化亜鉛微粒子と樹脂を含む塗料では、塗料の粘度を900mPa・s以上に増大させることが難しいという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗膜にしたときの透明性が高く、900mPa・s以上の粘度を有する酸化亜鉛と樹脂を含む塗料および塗膜を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有することにより、塗膜にした時の透明性が高く、かつ900mPa・s以上の粘度を有する塗料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の塗料は、酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、前記酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上であることを特徴とする。
本発明の塗膜は、本発明の塗料を用いて形成されたことを特徴とする。
本発明の塗料によれば、酸化亜鉛粒子と酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂を含有しているため、900mPa・s以上の粘度を有し、かつ塗膜を形成したときの透明性に優れる。
本発明の塗膜によれば、本発明の塗料を用いて形成されているため、透明性に優れる。
本発明の塗料および塗膜の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[塗料]
本実施形態の塗料は、酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上である。
本実施形態の塗料は、酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上である。
「酸価亜鉛粒子」
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径は、40nm以下であり、37nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましく、1nm以上かつ30nm以下であることがさらに好ましい。
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が、40nmを超えると、塗膜にしたときの透明性が低下する。
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径は、40nm以下であり、37nm以下であることが好ましく、35nm以下であることがより好ましく、1nm以上かつ30nm以下であることがさらに好ましい。
酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が、40nmを超えると、塗膜にしたときの透明性が低下する。
なお、本実施形態における「平均一次粒子径」とは、以下の方法で求められる数値である。すなわち、本実施形態の塗料で用いる酸化亜鉛粒子を、透過型電子顕微鏡(TEM)等を用いて観察した場合に、酸化亜鉛粒子を所定数、例えば、200個、あるいは100個を選び出す。そして、これら酸化亜鉛粒子各々の最長の直線部分(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均する。
酸化亜鉛粒子同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではない。この凝集体を構成している酸化亜鉛粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均一次粒子径とする。
酸化亜鉛粒子同士が凝集している場合には、この凝集体の凝集粒子径を測定するのではない。この凝集体を構成している酸化亜鉛粒子(一次粒子)を所定数測定し、平均一次粒子径とする。
本実施形態の塗料において、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量は、10質量%以上かつ70質量%以下であることが好ましく、15質量%以上かつ65質量%以下であることがより好ましい。
ここで固形分とは、塗膜にしたときに残存している成分の合計量を意味する。溶媒のように、塗膜を形成したときに揮発する成分は、固形分ではない。
例えば、塗料が、酸化亜鉛粒子、樹脂と、有機溶媒とからなる場合には、酸化亜鉛粒子と樹脂の合計量が固形分となる。
また、塗料が、酸化亜鉛粒子と、分散剤と、樹脂と、有機溶媒とからなる場合には、酸化亜鉛粒子と分散剤と樹脂の合計量が固形分となる。
ここで固形分とは、塗膜にしたときに残存している成分の合計量を意味する。溶媒のように、塗膜を形成したときに揮発する成分は、固形分ではない。
例えば、塗料が、酸化亜鉛粒子、樹脂と、有機溶媒とからなる場合には、酸化亜鉛粒子と樹脂の合計量が固形分となる。
また、塗料が、酸化亜鉛粒子と、分散剤と、樹脂と、有機溶媒とからなる場合には、酸化亜鉛粒子と分散剤と樹脂の合計量が固形分となる。
固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量が10質量%以上であれば、本実施形態の塗料を用いて形成された塗膜は、紫外線遮蔽性やガスバリア性等の酸化亜鉛粒子の機能を発揮することができる。一方、酸化亜鉛粒子の含有量が70質量%以下であれば、本実施形態の塗料を用いて形成した塗膜が、透明性に優れる。
本実施形態の塗料中における酸化亜鉛粒子の含有量は、所望の塗料の粘度となるように適宜調整して用いればよい。例えば、1質量%以上かつ50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上かつ25質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の塗料中における酸化亜鉛粒子の含有量は、所望の塗料の粘度となるように適宜調整して用いればよい。例えば、1質量%以上かつ50質量%以下であることが好ましく、3質量%以上かつ25質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の塗料において、固形分は、所望の特性に応じて適宜調整して用いればよい。例えば、固形分は10質量%以上かつ60質量%以下であることが好ましく、20質量%以上かつ40質量%以下であることがより好ましい。
このような固形分量とすることにより、成膜性に優れ、酸化亜鉛粒子の機能が発揮される塗膜を得ることができる。
このような固形分量とすることにより、成膜性に優れ、酸化亜鉛粒子の機能が発揮される塗膜を得ることができる。
「アクリル樹脂」
本実施形態の塗料において、アクリル樹脂は、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下であり、3.3mgKOH/g以上かつ12mgKOH/g以下であることが好ましく、3.5mgKOH/g以上かつ11mgKOH/g以下であることがより好ましい。
アクリル樹脂の酸価が3mgKOH/g未満では、塗料の粘度を増粘させ、900mPa・s以上とすることができない。一方、アクリル樹脂の酸価が13mgKOH/gを超えると、増粘しすぎて、取り扱うのが困難なほど粘度が高くなる。増粘しすぎて、塗料がゲル化する場合もある。
アクリル樹脂の酸価は、アクリル樹脂を作製するときの、アクリル酸量により調整することができる。酸価を大きくしたい場合にはアクリル酸量を増やし、酸化を小さくしたい場合には、アクリル酸量を少なくして、アクリル樹脂を作製すればよい。
本実施形態の塗料において、アクリル樹脂は、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下であり、3.3mgKOH/g以上かつ12mgKOH/g以下であることが好ましく、3.5mgKOH/g以上かつ11mgKOH/g以下であることがより好ましい。
アクリル樹脂の酸価が3mgKOH/g未満では、塗料の粘度を増粘させ、900mPa・s以上とすることができない。一方、アクリル樹脂の酸価が13mgKOH/gを超えると、増粘しすぎて、取り扱うのが困難なほど粘度が高くなる。増粘しすぎて、塗料がゲル化する場合もある。
アクリル樹脂の酸価は、アクリル樹脂を作製するときの、アクリル酸量により調整することができる。酸価を大きくしたい場合にはアクリル酸量を増やし、酸化を小さくしたい場合には、アクリル酸量を少なくして、アクリル樹脂を作製すればよい。
ここで、酸化亜鉛粒子と酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂を用いることにより、塗料の粘度を900mPa・s以上にすることができる理由の詳細は不明であるが、次のように推測される。
酸化亜鉛粒子から溶出した亜鉛イオンと、アクリル樹脂中の酸価(−COOH)が反応することにより、亜鉛を介して樹脂のネットワークが形成されるため、酸化亜鉛粒子と酸価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂を用いた塗料では、粘度を900mPa・s以上にできると推測される。
酸化亜鉛粒子から溶出した亜鉛イオンと、アクリル樹脂中の酸価(−COOH)が反応することにより、亜鉛を介して樹脂のネットワークが形成されるため、酸化亜鉛粒子と酸価が3mgKOH/g以上のアクリル樹脂を用いた塗料では、粘度を900mPa・s以上にできると推測される。
本実施形態の塗料において、固形分中におけるアクリル樹脂の含有量は30質量%以上かつ90質量%以下であることが好ましく、35質量%以上かつ85質量%以下であることがより好ましい。
アクリル樹脂の含有量が30質量%以上であれば、塗膜を形成したときの透明性に優れる。一方、アクリル樹脂の含有量が90質量%以下であれば、酸化亜鉛粒子の機能を発揮することができる。
アクリル樹脂の含有量が30質量%以上であれば、塗膜を形成したときの透明性に優れる。一方、アクリル樹脂の含有量が90質量%以下であれば、酸化亜鉛粒子の機能を発揮することができる。
本実施形態の塗料中には、発明の効果を阻害しない範囲内で、上述のアクリル樹脂には含まれないモノマーやオリゴマー、分散剤、重合開始剤、帯電防止剤、屈折率調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、カップリング剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、重合開始剤等の一般的な各種添加剤が適宜含有されていてもよい。
分散剤としては、例えば、リン酸エステル系、硫酸エステル系、カルボン酸系、ポリカルボン酸系等のアニオン型界面活性剤、高級脂肪族アミンの4級塩等のカチオン型界面活性剤、高級脂肪酸ポリエチレングリコールエステル系等のノニオン型界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、アマイドエステル結合を有する高分子系界面活性剤等が挙げられる。これらの分散剤の中でも、リン酸エステル系分散剤が好ましい。
分散剤は、所望の透明性が得られる程度に、必要最低限量使用することが好ましい。例えば、酸化亜鉛粒子100質量部に対する分散剤の量は、0.1質量部以上かつ10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上かつ5質量部以下であることがより好ましい。また、固形分中における分散剤の量は、0.1質量%以上かつ3質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上かつ2質量%以下であることが好ましい。
なお、ジメチコンやシリカ等で酸化亜鉛粒子の表面を処理すると、亜鉛イオンが溶出し難くなり、増粘反応が起こり難くなるため、亜鉛イオンの溶出を妨げるような処理を酸化亜鉛粒子に対して行わないことが好ましい。
なお、ジメチコンやシリカ等で酸化亜鉛粒子の表面を処理すると、亜鉛イオンが溶出し難くなり、増粘反応が起こり難くなるため、亜鉛イオンの溶出を妨げるような処理を酸化亜鉛粒子に対して行わないことが好ましい。
重合開始剤は、用いるモノマーの種類に応じて、適宜選択される。光硬化性樹脂のモノマーを用いる場合には、光重合開始剤が用いられる。光重合開始剤の種類や量は、使用する光硬化性樹脂のモノマーに応じて適宜選択される。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤が挙げられる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ジケトン系、アセトフェノン系、ベンゾイン系、チオキサントン系、キノン系、ベンジルジメチルケタール系、アルキルフェノン系、アシルフォスフィンオキサイド系、フェニルフォスフィンオキサイド系等の公知の光重合開始剤が挙げられる。
本実施形態の塗料は、部材や基材等の被塗布物の表面に塗布して塗膜を形成するものであることから、塗工を容易にするために、粘度が900mPa・s以上かつ20000mPa・s以下であることが好ましく、950mPa・s以上かつ20000mPa・s以下であることがより好ましく、1000mPa・s以上かつ20000mPa・s以下であることがさらに好ましい。
塗料の粘度が900mPa・s以上であれば、スクリーン印刷のような液ダレの起りやすい塗工方法に適用することができる。一方、塗料の粘度が20000mPa・s以下であれば、塗料保管中における塗料のゲル化を抑制することができ、また、生産でも容易に取り扱うことができる。
塗料の粘度が900mPa・s以上であれば、スクリーン印刷のような液ダレの起りやすい塗工方法に適用することができる。一方、塗料の粘度が20000mPa・s以下であれば、塗料保管中における塗料のゲル化を抑制することができ、また、生産でも容易に取り扱うことができる。
「有機溶媒」
本実施形態の塗料における有機溶媒は、酸化亜鉛粒子を分散でき、アクリル樹脂と混合できる溶媒であれば特に限定されない。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を用いることができる。
これらの溶媒の中でも、酸化亜鉛粒子とアクリル樹脂の増粘反応を阻害し難い点において、水酸基を有さない溶媒を用いることが好ましい。このような水酸基を有さない溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン(アノン)等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素を用いることが好ましい。
本実施形態の塗料における有機溶媒は、酸化亜鉛粒子を分散でき、アクリル樹脂と混合できる溶媒であれば特に限定されない。有機溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
このような有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、ブタノール、オクタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類を用いることができる。
これらの溶媒の中でも、酸化亜鉛粒子とアクリル樹脂の増粘反応を阻害し難い点において、水酸基を有さない溶媒を用いることが好ましい。このような水酸基を有さない溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、シクロヘキサノン(アノン)等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素を用いることが好ましい。
本実施形態の塗料における有機溶媒の含有量は、所望の特性に応じて、適宜調整される。本実施形態の塗料における有機溶媒の含有量は、例えば、40質量%以上かつ90質量%以下であることが好ましく、60質量%以上かつ80質量%以下であることがより好ましい。
本実施形態の塗料によれば、酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒とを含有しているため、透明性と成膜性に優れる塗膜を得ることができる。
[塗料の製造方法]
本実施形態の塗料の製造方法としては、塗料の構成要素として上述した各材料を、機械的に混合する方法が挙げられる。
詳細は不明であるが、平均一次粒子径が40nm以下の酸化亜鉛粒子を用いても、酸化亜鉛粒子が凝集して平均二次粒子径が100nm以上となっている場合には、酸化亜鉛粒子と上記アクリル樹脂を混合しても、塗料が増粘しづらくなる。
そのため、酸化亜鉛粒子は、あらかじめ平均二次粒子径が100nm以下、好ましくは90nm以下となるように溶媒に分散させた分散液として塗料に混合することが好ましい。
酸化亜鉛粒子の分散を容易にするために、分散剤を用いることが好ましい。
酸化亜鉛粒子を溶媒に分散させる分散装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。
上述した各材料(酸化亜鉛分散液、樹脂、有機溶媒)を、機械的に混合する混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
本実施形態の塗料の製造方法としては、塗料の構成要素として上述した各材料を、機械的に混合する方法が挙げられる。
詳細は不明であるが、平均一次粒子径が40nm以下の酸化亜鉛粒子を用いても、酸化亜鉛粒子が凝集して平均二次粒子径が100nm以上となっている場合には、酸化亜鉛粒子と上記アクリル樹脂を混合しても、塗料が増粘しづらくなる。
そのため、酸化亜鉛粒子は、あらかじめ平均二次粒子径が100nm以下、好ましくは90nm以下となるように溶媒に分散させた分散液として塗料に混合することが好ましい。
酸化亜鉛粒子の分散を容易にするために、分散剤を用いることが好ましい。
酸化亜鉛粒子を溶媒に分散させる分散装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。
上述した各材料(酸化亜鉛分散液、樹脂、有機溶媒)を、機械的に混合する混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
[塗膜]
本実施形態の塗膜は、本実施形態の塗料を用いて形成されてなる。すなわち、本実施形態の塗膜は、本実施形態の塗料の硬化物からなる膜である。
本実施形態の塗膜は、本実施形態の塗料を用いて形成されてなる。すなわち、本実施形態の塗膜は、本実施形態の塗料の硬化物からなる膜である。
本実施形態の塗膜の膜厚は、用途に応じて適宜調整されるが、通常0.01μm以上かつ20μm以下であることが好ましく、0.3μm以上かつ10μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上かつ5μm以下であることがさらに好ましい。
本実施形態の塗膜の製造方法は、上記の本実施形態の塗料を被塗布物上に塗工することで塗膜を形成する工程と、この塗膜を硬化させる工程とを有する。
塗膜を形成する塗工方法としては、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法、スクリーン印刷法等、通常のウェットコート法が用いられる。これらの塗工方法の中でも、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。
塗膜を形成する塗工方法としては、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、グラビアコート法、吸上げ塗工法、はけ塗り法、スクリーン印刷法等、通常のウェットコート法が用いられる。これらの塗工方法の中でも、スクリーン印刷法を用いることが好ましい。
塗膜を硬化させる硬化方法としては、アクリル樹脂の種類に応じて適宜選択され、熱硬化させる方法または光硬化させる方法が用いられる。
光硬化に用いるエネルギー線としては、塗膜が硬化すれば、特に限定されないが、例えば、紫外線、遠赤外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線が用いられる。これらのエネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手および取り扱いが容易である点から、紫外線を用いることが好ましい。
光硬化に用いるエネルギー線としては、塗膜が硬化すれば、特に限定されないが、例えば、紫外線、遠赤外線、近紫外線、赤外線、X線、γ線、電子線、プロトン線、中性子線等のエネルギー線が用いられる。これらのエネルギー線の中でも、硬化速度が速く、装置の入手および取り扱いが容易である点から、紫外線を用いることが好ましい。
紫外線照射による硬化の場合、200nm〜500nmの波長帯域の紫外線を発生する高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、ケミカルランプ等を用いて、100J/cm2〜3000J/cm2のエネルギーにて、紫外線を照射する方法等が挙げられる。
本実施形態の塗膜によれば、本実施形態の塗料を用いて形成されているため、透明性と成膜性に優れる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「分散液の調製」
住友大阪セメント社製の酸化亜鉛粒子(商品名:ZnO−650、平均一次粒子径:20nm)を30質量%と、リン酸エステル系分散剤(商品名:ディスパロン(登録商標)PW−36、楠本化成社製)を2.4質量%と、トルエン67.6質量%とを混合し、ビーズミルを用いて平均二次粒子径が25nmとなるように分散させ、その後ビーズを分離し、酸化亜鉛粒子を30質量%、リン酸エステル系分散剤を2.4質量%含有する分散液を調製した。
次いで、得られた分散液を40質量%と、アノンを43質量%と、酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂を17質量%とを混合し、実施例1の塗料を調製した。塗料中の固形分(酸化亜鉛粒子と分散剤と樹脂との含有量)は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量(酸化亜鉛粒子/(酸化亜鉛粒子+分散剤+樹脂)は40質量%であった。表1に実施例1の塗料の組成を示す。
「分散液の調製」
住友大阪セメント社製の酸化亜鉛粒子(商品名:ZnO−650、平均一次粒子径:20nm)を30質量%と、リン酸エステル系分散剤(商品名:ディスパロン(登録商標)PW−36、楠本化成社製)を2.4質量%と、トルエン67.6質量%とを混合し、ビーズミルを用いて平均二次粒子径が25nmとなるように分散させ、その後ビーズを分離し、酸化亜鉛粒子を30質量%、リン酸エステル系分散剤を2.4質量%含有する分散液を調製した。
次いで、得られた分散液を40質量%と、アノンを43質量%と、酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂を17質量%とを混合し、実施例1の塗料を調製した。塗料中の固形分(酸化亜鉛粒子と分散剤と樹脂との含有量)は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量(酸化亜鉛粒子/(酸化亜鉛粒子+分散剤+樹脂)は40質量%であった。表1に実施例1の塗料の組成を示す。
「塗膜の作製」
上記の塗料を、厚さ50μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、膜厚が3μmとなるように塗工し、100℃で1分の条件にて乾燥し、塗膜を形成した。
上記の塗料を、厚さ50μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムに、膜厚が3μmとなるように塗工し、100℃で1分の条件にて乾燥し、塗膜を形成した。
「分散液の評価」
日機装社製のMICROTRAC UPA−150により、分散液の平均二次粒子径の測定を行った。得られた粒度分布の累積体積百分率が50%のときの粒径(d50)を平均二次粒子径とした。結果を表2に示す。
日機装社製のMICROTRAC UPA−150により、分散液の平均二次粒子径の測定を行った。得られた粒度分布の累積体積百分率が50%のときの粒径(d50)を平均二次粒子径とした。結果を表2に示す。
「塗料の評価」
回転粘度計(商品名:BII型粘度計、東機産業社製)により、25℃における塗料の粘度を測定した。結果を表2に示す。
回転粘度計(商品名:BII型粘度計、東機産業社製)により、25℃における塗料の粘度を測定した。結果を表2に示す。
「塗膜の評価」
塗膜の外観を目視で評価した。ブツ・ムラが観察されないものを○、ブツ・ムラがやや観察されるものを△、ブツ・ムラが観察されるものを×とした。
日本電飾製のHaze Meter NDH2000により、塗膜のヘーズを測定した。
結果を表2示す。
塗膜の外観を目視で評価した。ブツ・ムラが観察されないものを○、ブツ・ムラがやや観察されるものを△、ブツ・ムラが観察されるものを×とした。
日本電飾製のHaze Meter NDH2000により、塗膜のヘーズを測定した。
結果を表2示す。
[実施例2]
実施例1で調整した分散液を20質量%と、アノンを56.5質量%と、酸価が4.8mgKOH/gのアクリル樹脂を23.5質量%とを混合し、実施例2の塗料を調製した。塗料中の固形分は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量は20質量%であった。表1に実施例2の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例2の塗料を用いて実施例2の塗膜を形成した。
また、実施例1と同様にして、実施例2の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1で調整した分散液を20質量%と、アノンを56.5質量%と、酸価が4.8mgKOH/gのアクリル樹脂を23.5質量%とを混合し、実施例2の塗料を調製した。塗料中の固形分は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量は20質量%であった。表1に実施例2の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例2の塗料を用いて実施例2の塗膜を形成した。
また、実施例1と同様にして、実施例2の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[実施例3]
実施例1で調整した分散液を60質量%と、アノンを29.4質量%と、酸価が4.8mgKOH/gのアクリル樹脂を10.6質量%とを混合し、実施例3の塗料を調製した。塗料中の固形分は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量は60質量%であった。表1に実施例3の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例3の塗料を用いて実施例3の塗膜を形成した。
また、実施例1と同様にして、実施例3の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1で調整した分散液を60質量%と、アノンを29.4質量%と、酸価が4.8mgKOH/gのアクリル樹脂を10.6質量%とを混合し、実施例3の塗料を調製した。塗料中の固形分は30質量%で、固形分中の酸化亜鉛粒子の含有量は60質量%であった。表1に実施例3の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例3の塗料を用いて実施例3の塗膜を形成した。
また、実施例1と同様にして、実施例3の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が40nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、実施例4の塗料および塗膜を得た。表1に実施例4の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例4で調製した分散液、実施例4の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が40nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、実施例4の塗料および塗膜を得た。表1に実施例4の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例4で調製した分散液、実施例4の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[実施例5]
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が80nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、実施例5の塗料および塗膜を得た。表1に実施例5の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例5で調製した分散液、実施例5の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が80nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、実施例5の塗料および塗膜を得た。表1に実施例5の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、実施例5で調製した分散液、実施例5の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が120nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例1の塗料および塗膜を得た。表1に比較例1の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例1で調製した分散液、比較例1の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均二次粒子が120nmとなるように分散エネルギーを弱くした以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例1の塗料および塗膜を得た。表1に比較例1の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例1で調製した分散液、比較例1の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例2]
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、酸価が2.8mgKOH/gのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の塗料を調製し、比較例2の塗料および塗膜を得た。表1に比較例2の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例2の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、酸価が2.8mgKOH/gのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の塗料を調製し、比較例2の塗料および塗膜を得た。表1に比較例2の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例2の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、酸価が15mgKOH/gのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の塗料を調製したところ、塗料がゲル化したため、塗膜は形成できなかった。表1に比較例3の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例3の塗料を評価した。結果を表2に示す。
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、酸価が15mgKOH/gのアクリル樹脂を用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の塗料を調製したところ、塗料がゲル化したため、塗膜は形成できなかった。表1に比較例3の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例3の塗料を評価した。結果を表2に示す。
[比較例4]
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が5μmの酸化亜鉛粒子(高純度試薬3N5、関東化学社製)を用いて、平均二次粒子径が5μmとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例4の塗料および塗膜を得た。表1に比較例4の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例4で調製した分散液、比較例4の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が5μmの酸化亜鉛粒子(高純度試薬3N5、関東化学社製)を用いて、平均二次粒子径が5μmとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例4の塗料および塗膜を得た。表1に比較例4の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例4で調製した分散液、比較例4の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例5]
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が30nmで、ハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化亜鉛粒子(商品名:ZnO−650Si(5)G、住友大阪セメント社製)を用いて、平均二次粒子径が30mとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例5の塗料および塗膜を得た。表1に比較例5の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例5で調製した分散液、比較例5の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が30nmで、ハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化亜鉛粒子(商品名:ZnO−650Si(5)G、住友大阪セメント社製)を用いて、平均二次粒子径が30mとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例5の塗料および塗膜を得た。表1に比較例5の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例5で調製した分散液、比較例5の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例6]
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が40nmで、シリカとハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化亜鉛粒子(商品名:SiH−5ZnO−650、住友大阪セメント社製)を用いて、平均二次粒子径が70nmとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例6の塗料および塗膜を得た。表1に比較例6の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例6で調製した分散液、比較例6の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
実施例1の分散液の調製において、平均一次粒子径が20nmの酸化亜鉛粒子の代わりに、平均一次粒子径が40nmで、シリカとハイドロゲンジメチコンで表面処理された酸化亜鉛粒子(商品名:SiH−5ZnO−650、住友大阪セメント社製)を用いて、平均二次粒子径が70nmとなるように分散させたこと以外は実施例1と同様にして、分散液を調製した。
この分散液を用いて、実施例1と同様にして、比較例6の塗料および塗膜を得た。表1に比較例6の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例6で調製した分散液、比較例6の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
[比較例7]
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、粘度が10万mPa・sのニトロセルロース樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7の塗料を調製し、塗膜を形成した。表1に比較例7の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例7の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
酸価が3.8mgKOH/gのアクリル樹脂の代わりに、粘度が10万mPa・sのニトロセルロース樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、比較例7の塗料を調製し、塗膜を形成した。表1に比較例7の塗料の組成を示す。
また、実施例1と同様にして、比較例7の塗料および塗膜を評価した。結果を表2に示す。
本発明の塗料は、粘度が900mPa・s以上であり、かつ塗膜にしたときの成膜性と透明性に優れる。また、本発明の塗料は、液ダレしやすい塗工方法でも用いることができるため、その工業的価値は大きい。
Claims (4)
- 酸化亜鉛粒子と、酸価が3mgKOH/g以上かつ13mgKOH/g以下のアクリル樹脂と、有機溶媒と、を含有する塗料であって、
前記酸化亜鉛粒子の平均一次粒子径が40nm以下であり、粘度が900mPa・s以上であることを特徴とする塗料。 - 固形分中の前記酸化亜鉛粒子の含有量が10質量%以上かつ70質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の塗料。
- 粘度が900mPa・s以上かつ20000mPa・s以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の塗料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料を用いて形成されたことを特徴とする塗膜。
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- 2016-09-29 JP JP2016190496A patent/JP2018053097A/ja active Pending
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