JP2016003264A - 外装用水分散液、外装用組成物 - Google Patents

外装用水分散液、外装用組成物 Download PDF

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祐佳里 丸山
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Abstract

【課題】透明性および紫外線遮蔽性に優れ、かつ経時安定性に優れた外装用水分散液および外装用組成物を提供する。【解決手段】本発明の外装用水分散液は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有する外装用分散液であって、前記分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、建物等の外装の防汚性塗料に用いて好適な外装用水分散液および外装用組成物に関する。
建物の外壁に用いられる外装材は、意匠性付与等の観点から有機系塗料が塗布されることが一般的である。
しかし、有機系塗料が塗布された外装は、太陽光、風雨、温度変化等により変質や劣化が起こりやすく、耐候性の改善が求められていた。
有機系塗料の耐候性を改善するための方法として、外装材の表面に、無機材料から構成される透明な無機質塗装品を塗布して、透明な保護膜を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。外装材の表面に透明な保護膜を形成することにより、外装材の意匠性を損なうことなく、外装材に耐候性を付与することができる。
また、外装材の表面に、酸化チタン(TiO)と酸化ケイ素(SiO)の少なくとも一方の粒子を塗布し、外装材の表面を親水性にする方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。このように外装材の表面を親水性にすることにより、外装材に防汚性を付与することができる。
特開2002−187230号公報 特開2010−077620号公報
近年、環境負荷低減のために、有機溶剤等を使用しない水系の塗料が求められている。しかしながら、水系の塗料は、経時安定性に劣るという問題があった。特に、外装用の材料は屋外で保管されることが多いため、より一層の経時安定性が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、透明性および紫外線遮蔽性に優れ、かつ経時安定性に優れた外装用水分散液および外装用組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の外装用水分散液は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有する外装用分散液であって、前記分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
本発明の外装用組成物は、本発明の外装用水分散液と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。
本発明の外装用水分散液によれば、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有し、分散剤が、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であるので、透明性および紫外線遮蔽性に優れ、かつ経時安定性に優れた外装用組成物を提供することができる。
本発明の外装用組成物によれば、本発明の外装用水分散液と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有するので、透明性および紫外線遮蔽性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の外装用水分散液および外装用組成物の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
[外装用水分散液]
本実施形態の外装用水分散液は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有する外装用分散液であって、分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
「酸化ケイ素被覆酸化亜鉛」
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛は、所望の亜鉛イオン溶出防止効果が得られるように、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆されていればよく、被覆の形態が特に限定されない。すなわち、酸化ケイ素被膜は、酸化亜鉛粒子の表面を均一に被覆しているのが好ましいが、酸化亜鉛粒子の表面を部分的に被覆していてもよい。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の平均一次粒子径は、所望の透明性を得るために適宜調整されるが、10nm以上かつ40nm以下であることが好ましい。ここで、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛として、平均一次粒子径が前記の範囲のものを用いることが好ましい理由は、透明性および紫外線遮蔽性に優れた外装用水分散液が得られるからである。
なお、本実施形態における「平均一次粒子径」とは、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope、TEM)等を用いて、この酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を観察した場合に、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛100個について各々の最長の直線(最大長径)を測定し、これらの測定値を加重平均して求めた数値である。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛において、酸化亜鉛に対する酸化ケイ素量は、特に限定されないが、例えば、酸化亜鉛100質量部に対して、1質量部以上かつ30質量部以下であることが好ましく、1質量部以上かつ20質量部以下であることがより好ましく、2質量部以上かつ10質量部以下であることがさらに好ましい。
ここで、酸化亜鉛に対する酸化ケイ素量が上記の範囲であることが好ましい理由は、酸化ケイ素量が1質量部未満では、Zn2+の溶出により、その他の部材に悪影響を及ぼす可能性があるからである。一方、酸化ケイ素量が30質量部を超えると、加工時に透明性が損なわれるからである。
外装用水分散液における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散平均粒子径は、1nm以上かつ150nm以下であることが好ましく、より好ましくは10nm以上かつ100nm以下である。
ここで、外装用水分散液における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散平均粒子径が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性および紫外線遮蔽性に優れた外装用水分散液が得られるからである。
なお、本実施形態における「分散平均粒子径」とは、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有量を30質量%に調整した外装用水分散液において、粒度分布計(商品名:Microtrac UPA150、日機装社製)で体積分布を測定した際のd50の値である。
外装用水分散液における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有量は、5質量%以上かつ60質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以上かつ50質量%以下である。
ここで、外装用水分散液における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有量が上記の範囲であることが好ましい理由は、後述する外装用組成物を作製するのが容易となるからである。
酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法は、特に限定されないが、例えば、ケイ酸ソーダ等のケイ酸塩と、酸化亜鉛粒子とを反応させて、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してもよい。また、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛としては、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる市販の酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を用いてもよい。
酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆する方法としては、例えば、特開平03−183620号公報、特開平11−256133号公報、特開平11−302015号公報、特開2007−016111号公報に記載されている方法を用いることができる。
なお、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の製造方法において、ケイ酸塩と酸化亜鉛とを反応させるとき、または、ケイ酸塩と酸化亜鉛とを反応させた後に、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸チタニル等を添加し、酸化ケイ素被膜中に、酸化アルミニウム、酸化チタン等を含有させたり、酸化ケイ素被膜の表面に、酸化アルミニウムの被膜や酸化チタンの被膜を形成したりしてもよい。
「分散剤」
分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上である。
これらの分散剤としては、市販品を用いてもよい。
ビニルトリエトキシシランとしては、例えば、信越化学社製のKBE−1003(商品名)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとしては、例えば、信越化学社製のKBM−403(商品名)、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランとしては、例えば、信越化学社製のKBE−402(商品名)、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシランとしては、例えば、信越化学社製のKBM−403(商品名)が挙げられる。
酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤としては、アクリル系共重合体(アクリル系コポリマー)が好ましい。アクリル系共重合体としては、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK(登録商標)−190(酸価:10mgKOH/g)、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK(登録商標)−191(酸価:30mgKOH/g)、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK(登録商標)−2010(酸価:20mgKOH/g)、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK(登録商標)−2012(酸価:7mgKOH/g)、ビックケミー・ジャパン社製のDISPERBYK(登録商標)−2015(酸価:10mgKOH/g)が挙げられる。
ポリアクリル酸ナトリウムとしては、例えば、第一工業製薬社製のシャロール(登録商標)AN−103P(商品名)が挙げられる。
ポリアクリル酸アンモニウムとしては、例えば、第一工業製薬社製のシャロール(登録商標)AH−103P(商品名)が挙げられる。
上記の分散剤を用いることにより、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散性が良好となり、透明性が高く、かつ経時安定性に優れた外装用水分散液が得られる。
なお、外装用水分散液が経時安定性に優れるとは、45℃にて21日間保管しても、外装用水分散液がゲル化しないことを意味する。
外装用水分散液における分散剤の含有量は、1質量%以上かつ30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以上かつ20質量%以下である。
ここで、外装用水分散液における分散剤の含有量が上記の範囲であることが好ましい理由は、1質量%未満では、所望の透明性が得られず、一方、20質量%を超えると、塗膜への加工時の硬化性が低下するからである。
本実施形態の外装用水分散液は、発明の効果を阻害しない範囲内で、重合開始剤、帯電防止剤、屈折率調節剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、レベリング剤、消泡剤、無機充填剤、カップリング剤、防腐剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、pH調整剤、重合開始剤等の一般的な添加剤を適宜含有していてもよい。
本実施形態の外装用水分散液の製造方法は、特に限定されないが、例えば、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水とを、混合し、公知の分散装置で、水に酸化ケイ素被覆酸化亜鉛を分散すればよい。分散装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、ビーズミル等が挙げられる。
本実施形態の外装用水分散液は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率が0.5質量%である場合の液ヘーズ値が50%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下である。
ここで、本実施形態の外装用水分散液は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率が0.5質量%である場合の液ヘーズ値が上記の範囲であることが好ましい理由は、加工時に透明性に優れた塗膜が得られ、下地の意匠性を損なわないからである。
なお、本実施形態の外装用水分散液の液ヘーズ値とは、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定したヘーズ値である。
また、本実施形態の外装用水分散液を、フローコート法により、スライドガラス基材の一面に、膜厚が約10μmとなるように塗布して、塗膜を形成した場合、この塗膜の全光線透過率は、80%以上かつ100%以下であることが好ましく、85%以上かつ100%以下であることがより好ましく、87%以上かつ100%以下であることがさらに好ましい。また、この塗膜のヘーズ値は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
ここで、本実施形態の外装用水分散液からなる塗膜の全光線透過率が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性に優れた塗膜が得られることで、下地の意匠性を損なわないからである。また、本実施形態の外装用水分散液からなる塗膜のヘーズ値が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性に優れた塗膜が得られることで、下地の意匠性を損なわないからである。
なお、本実施形態の外装用水分散液からなる塗膜の全光線透過率とヘーズ値とは、ヘーズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)で測定した全光線透過率とヘーズ値である。
[外装用組成物]
本実施形態の外装用組成物は、本実施形態の外装用水分散液と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有することを特徴とする。
「シリカ粒子、チタニア粒子」
シリカ粒子およびチタニア粒子は、本実施形態の外装用組成物を用いて形成され、後述する外装用塗膜を親水性にして、防汚性を付与するために、本実施形態の外装用水分散液と混合される。そのため、シリカ粒子およびチタニア粒子の平均一次粒子径は、特に限定されないが、1nm以上かつ100nm以下であることが好ましい。
ここで、シリカ粒子およびチタニア粒子の平均一次粒子径が上記の範囲であることが好ましい理由は、外装材の表面の艶消し効果および防汚性の点で好ましいからである。
シリカ粒子、チタニア粒子としては、市販品を用いてもよい。
シリカ粒子としては、例えば、日産化学社製のスノーテックス(登録商標)が挙げられる。
チタニア粒子としては、例えば、石原産業社製のTTOシリーズが挙げられる。
外装用組成物におけるシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種の含有量は、0.1質量%以上かつ5質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上かつ3質量%以下である。
ここで、外装用組成物におけるシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種の含有量が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性および紫外線遮蔽性に優れた外装用組成物が得られるからである。
外装用組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有量は、0.1質量%以上かつ10質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.2質量%以上かつ5.0質量%以下である。
ここで、外装用組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有量が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性および紫外線遮蔽性に優れた外装用組成物が得られるからである。
外装用組成物において、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種との混合比は、質量比で、1:99〜80:20であることが好ましく、より好ましくは5:95〜70:30である。
ここで、外装用組成物において、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種との混合比が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性、紫外線遮蔽性および防汚性に優れた外装用組成物が得られるからである。
本実施形態の外装用組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、本実施形態の外装用水分散液と、シリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種とを、公知の混合装置で、機械的に混合する方法が挙げられる。混合装置としては、例えば、撹拌機、自公転式ミキサー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー等が挙げられる。
本実施形態の外装用組成物は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種との合計含有率が2.3質量%である場合の液ヘーズ値が65%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
ここで、本実施形態の外装用組成物は、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種との合計含有率が2.3質量%である場合の液ヘーズ値が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性に優れた外装用組成物が得られるからである。
なお、本実施形態の外装用組成物の液ヘーズ値とは、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定したヘーズ値である。
[外装用塗膜]
本実施形態の外装用塗膜は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有する外装用塗膜であって、分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする。
本実施形態の外装用塗膜において、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛、分散剤、シリカ粒子およびチタニア粒子は、上述の実施形態と同様のものが用いられる。
本実施形態の外装用塗膜の厚さは、所望の特性に応じて適宜調整されるが、0.01μm以上かつ3μm以下であることが好ましい。
本実施形態の外装用塗膜の製造方法は、特に限定されないが、例えば、フローコート法、スプレーコート法、はけ塗り法、浸漬法等、通常の塗布方法により、外装材(建材)等の被塗布物上に、上述の本実施形態の外装用組成物を塗布して、塗膜を形成する方法が挙げられる。
本実施形態の外装用塗膜は、全光線透過率が、88%以上かつ100%以下であることが好ましく、90%以上かつ100%以下であることがより好ましい。また、本実施形態の外装用塗膜は、ヘーズ値が、1.0%以下であることが好ましく、0.7%以下であることがより好ましく、0.5%以下であることがさらに好ましい。
ここで、本実施形態の外装用塗膜の全光線透過率が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性に優れた塗膜が得られることで、下地の意匠性を損なわないからである。また、本実施形態の外装用塗膜のヘーズ値が上記の範囲であることが好ましい理由は、透明性に優れた塗膜が得られることで、下地の意匠性を損なわないからである。
なお、本実施形態の外装用塗膜の全光線透過率とヘーズ値とは、ヘーズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)で測定した全光線透過率とヘーズ値である。
[建材]
本実施形態の建材は、本実施形態の外装用塗膜を有することを特徴とする。すなわち、本実施形態の建材は、建材本体(外装材)と、その建材本体上に、上述の本実施形態の外装用組成物を塗布して形成された上述の本実施形態の外装用塗膜とを有する。
本実施形態の建材は、日光の影響を受ける場所に配設される建材であれば特に限定されないが、特に、屋外で使用される建材であることが好ましい。また、本実施形態では、建材本体としては、有機系塗料で意匠等が施されたものを用いてもよい。意匠等が施された建材本体を用いる場合、その意匠等を覆うように、上述の本実施形態の外装用塗膜が設けられる。
本実施形態の建材の製造方法は、特に限定されず、例えば、フローコート法、スプレーコート法、はけ塗り法、浸漬法等、通常の塗布方法により、建材本体上に、上述の本実施形態の外装用組成物を塗布して、上述の本実施形態の外装用塗膜を形成する方法が挙げられる。
本実施形態の外装用水分散液によれば、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有し、分散剤が、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であるので、透明性および紫外線遮蔽性に優れ、かつ経時安定性に優れた外装用組成物を提供することができる。
本実施形態の外装用組成物によれば、本実施形態の外装用水分散液と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有するので、透明性および紫外線遮蔽性に優れた塗膜を形成することができる。
本実施形態の外装用塗膜によれば、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有し、分散剤が、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であるので、外装材の意匠性を損なうことなく、外装材に耐候性を向上することができる。
本実施形態の建材によれば、本発明の外装用塗膜を有するので、意匠性および耐候性を向上することができる。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
「外装用水分散液の作製」
平均一次粒子径が25nmであり、酸化亜鉛粒子の表面が酸化ケイ素被膜により被覆されてなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛(商品名:SiH−5ZnO650、酸化亜鉛100質量部に対する酸化ケイ素量5質量部)30質量部と、酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体(DISPERBYK(登録商標)−2012、ビックケミー・ジャパン社製)7.5質量部と、水62.5質量部とを混合し、ビーズミルで3時間分散処理を行い、実施例1の外装用水分散液を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
「外装用組成物の作製」
得られた外装用水分散液2.9質量部と、コロイダルシリカ(商品名:スノーテックスS、平均一次粒子径10nm、シリカ含有量30質量%、溶媒:水、日産化学社製)を、水でコロイダルシリカの含有量が1.5質量%となるように希釈したもの97.1質量部とを混合し、実施例1の外装用組成物を得た。外装用組成物における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、シリカとの合計含有率が2.3質量%であった。
「外装用塗膜の作製」
得られた外装用組成物をフローコート法により、スライドガラス上に塗布し、100℃にて1分乾燥して、実施例1の外装用塗膜を得た。
[実施例2]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、酸価10mgKOH/gのアクリル系共重合体(DISPERBYK(登録商標)−2015、ビックケミー・ジャパン社製)6.0質量部と水64.0質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例2の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して8質量%であった。
[実施例3]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体の替わりに、酸価20mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合体(DISPERBYK(登録商標)−2010、ビックケミー・ジャパン社製)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例3の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[実施例4]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、ビニルトリエトキシシラン(商品名:KBE−1003、信越化学社製)3.0質量部と水67.0質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例4の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[実施例5]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学社製)3.0質量部と水67.0質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例5の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[実施例6]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−403、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例6の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して15質量%であった。
[実施例7]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、ポリアクリル酸ナトリウム(シャロール(登録商標)AN−103P、第一工業製薬社製)2.1質量部と水67.9質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例7の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して3質量%であった。
[実施例8]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、ポリアクリル酸アンモニウム(シャロール(登録商標)AH−103P、第一工業製薬社製)6.8質量部と水63.2質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例8の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[実施例9]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体の替わりに、酸価10mgKOH/gのアクリル系ブロック共重合体 DISPERBYK(登録商標)−190(ビックケミー・ジャパン社製)を用いた以外は実施例1と全く同様にして、実施例9の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[比較例1]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、酸価46mgKOH/gの水溶性高分子からなる湿潤分散剤(ANTI−TERRA(登録商標)−250、ビックケミー・ジャパン社製)4.3質量部と水65.7質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例1の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[比較例2]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、酸価75mgKOH/gの水溶性高分子からなる湿潤分散剤(DISPERBYK(登録商標)−194N、ビックケミー・ジャパン社製)5.3質量部と水64.7質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例2の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して10質量%であった。
[比較例3]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(商品名:KBE−503、信越化学社製)4.5質量部と水65.6質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例3の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して15質量%であった。
[比較例4]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン(商品名:KBE−502、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例4の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して15質量%であった。
[比較例5]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、メチル系シリコーンアルコキシオリゴマー(商品名:X40−9246、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例5の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して15質量%であった。
[比較例6]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、エポキシ基含有アルコキシオリゴマー(商品名:X41−1053、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例6の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を得た。外装用水分散液における分散剤の含有量は酸化亜鉛に対して15質量%であった。
[比較例7]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、酸価94mgKOH/gの水溶性高分子からなる湿潤分散剤(DISPERBYK(登録商標)−180、ビックケミー・ジャパン社製)3.7質量部と水66.3質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例7の外装用水分散液を作製しようとしたが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が分散せず、水分散液を得ることができなった。
[比較例8]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−503、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例8の外装用水分散液を作製しようとしたが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が分散せず、水分散液を得ることができなった。
[比較例9]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、N−2−(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−603、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例9の外装用水分散液を作製しようとしたが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が分散せず、水分散液を得ることができなった。
[比較例10]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、3−アミノプロピルトリメトキシシラン(商品名:KBM−903、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例10の外装用水分散液を作製しようとしたが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が分散せず、水分散液を得ることができなった。
[比較例11]
酸価7mgKOH/gのアクリル系共重合体7.5質量部と水62.5質量部の替わりに、ビニルトリメトキシシラン(商品名:KBM−1003、信越化学社製)4.5質量部と水65.5質量部とを用いた以外は実施例1と全く同様にして、比較例11の外装用水分散液を作製しようとしたが、酸化ケイ素被覆酸化亜鉛が分散せず、水分散液を得ることができなった。
[外装用水分散液の評価]
「分散平均粒子径」
実施例1〜8および比較例1〜6の外装用水分散液の体積分布を、粒度分布計(商品名:Microtrac UPA150、日機装社製)で測定し、外装用水分散液における酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散平均粒子径(d10、d50、d90)を得た。結果を表1および表2に示す。
なお、累積粒度分布の微粒側から累積10%の粒径をd10、累積50%の粒径をd50、累積90%の粒径をd90とする。
「液ヘーズ値」
実施例1〜9および比較例1〜6の外装用水分散液の液ヘーズ値を、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
「外装用水分散液で作製した塗膜の透明性」
実施例1〜9および比較例1〜6の外装用水分散液を、フローコート法により、スライドガラス基材の一面に塗布し、100℃にて1分乾燥して、厚さ10μmの塗膜を得た。
得られた塗膜の全光線透過率およびヘーズ値を、空気を基準として、ヘーズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
[外装用組成物の評価]
「ヘーズ値」
実施例1〜9および比較例1〜6の外装用組成物のヘーズ値を、ヘーズメーター(商品名:HAZE METER TC−H3DP、東京電色社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
[外装用塗膜の評価]
実施例1〜9および比較例1〜6の全光線透過率およびヘーズ値を、空気を基準として、ヘーズメーター(商品名:NDH2000、日本電色社製)で測定した。結果を表1および表2に示す。
[外装用水分散液の経時安定性評価]
実施例1〜9および比較例1〜6の外装用水分散液を、45℃の温浴に21日間保管した。
その後、上述と同様にして、実施例1〜9および比較例1〜6の外装用水分散液、外装用組成物および外装用塗膜を評価した。結果を表1および表2に示す。
Figure 2016003264
Figure 2016003264
表1の結果から、実施例1〜9の外装用水分散液は、45℃の温浴に21日間保管しても、ゲル化せず、外観上の変化は見られず、経時安定性に優れることが確認された。
また、温浴に保管前の実施例1〜9の外装用水分散液と、温浴に保管後の実施例1〜9の外装用水分散液とを比較すると、分散平均粒子径、液ヘーズ値、この外装用水分散液で形成した膜の全光線透過率およびヘーズ値が大きく変化しなかった。
また、温浴に保管前の外装用水分散液を用いた実施例1〜9の外装用組成物と、温浴に保管後の外装用水分散液を用いた実施例1〜9の外装用組成物とを比較すると、ヘーズ値が大きく変化しなかった。
また、温浴に保管前の外装用水分散液を用いた実施例1〜9の外装用塗膜と、温浴に保管後の外装用水分散液を用いた実施例1〜9の外装用塗膜とを比較すると、全光線透過率およびヘーズ値が大きく変化しなかった。
一方、表2の結果から、比較例1〜6の外装用水分散液を、45℃の温浴に21日間保管したところ、全てゲル化し、経時安定性に劣ることが確認された。
本発明の外装用水分散液は、酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有し、分散剤が、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であるので、透明性および紫外線遮蔽性に優れ、かつ経時安定性に優れた外装用組成物を提供することができるから、外装材の意匠性を損なうことなく、外装材に耐候性を付与することができる保護膜を外装材(建材)の表面に形成することができ、その工業的価値は大きい。

Claims (5)

  1. 酸化亜鉛粒子の表面を酸化ケイ素被膜により被覆してなる酸化ケイ素被覆酸化亜鉛と、分散剤と、水と、を含有する外装用分散液であって、
    前記分散剤は、ビニルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、酸価が1mgKOH/g以上かつ40mgKOH/g以下の水溶性高分子からなる湿潤分散剤、ポリアクリル酸ナトリウムおよびポリアクリル酸アンモニウムの群から選択される1種または2種以上であることを特徴とする外装用水分散液。
  2. 前記湿潤分散剤は、アクリル系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の外装用水分散液。
  3. 前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の分散平均粒子径は、1nm以上かつ150nm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の外装用水分散液。
  4. 前記酸化ケイ素被覆酸化亜鉛の含有率が0.5質量%である場合の液ヘーズ値が50%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の外装用水分散液。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の外装用水分散液と、平均一次粒子径が1nm以上かつ100nm以下のシリカ粒子およびチタニア粒子の少なくとも1種と、を含有することを特徴とする外装用組成物。
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