JP5910095B2 - 耐候性組成物及びそれを用いた耐候性膜並びに耐候性基材 - Google Patents

耐候性組成物及びそれを用いた耐候性膜並びに耐候性基材 Download PDF

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本発明は、耐候性組成物及びそれを用いた耐候性膜並びに耐候性基材に関し、更に詳しくは、透明性及び紫外線遮蔽性に優れ、かつ長期の耐候性が求められる屋外用として使用される基材に用いて好適な耐候性組成物、及び、この耐候性組成物により形成された耐候性膜、並びに、この耐候性膜を備えた耐候性基材に関するものである。
太陽光による劣化、特に太陽光に含まれる紫外線による劣化を防ぐために、太陽光に晒される部材、特に、日中、太陽光に晒され続ける屋外用の基材には、太陽光、特に紫外線に対する耐候性が求められる。そこで、部材の表面、特に屋外用の基材の表面に、太陽光、特に紫外線に対する耐候性を付与するための被膜を形成することが必要となっている。
このような耐候性を有する被膜を形成するための耐候性組成物としては、無機系の紫外線遮蔽粒子を用いた紫外線遮蔽剤や、特定のラジカル重合性の不飽和二重結合を有する有機化合物に、ベンゾフェノン系等の有機系紫外線吸収剤やヒンダードアミン系の光安定剤を加えた被覆剤組成物が提案されている(特許文献1)。
特開2003−238845号公報
しかしながら、上述した特許文献1に記載されているような被覆剤組成物では、紫外線遮蔽剤としてベンゾフェノン系等の有機系紫外線吸収剤を用いているので、この有機系紫外線吸収剤が長期間屋外にて暴露された場合、この有機系紫外線吸収剤が紫外線を浴びて劣化してしまい、その結果、この有機系紫外線吸収剤を用いた塗膜が劣化し、長期の耐侯性が不十分なものとなるという問題点があった。
一方、無機系の紫外線遮蔽粒子を用いた紫外線遮蔽剤では、透明性及び紫外線遮蔽性が不十分であり、また、粒子の光活性の抑制も不十分であることから、長期の耐候性が得られないという問題点があった。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、透明性及び紫外線遮蔽性に優れ、なおかつ長期の耐候性に優れた耐候性組成物及びそれを用いた耐候性膜並びに耐候性基材を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に前記紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成された平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂とを含有する耐候性組成物とすることにより、透明性及び紫外線遮蔽性に優れ、なおかつ長期の耐候性に優れ、特に、屋外用として使用される基材に適用するのに好適な耐候性組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の耐候性組成物は、平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有する耐候性組成物であって、前記耐候性粒子は、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に、前記紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成されてなり、前記紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と前記有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)は1:1〜1:の範囲内にあり、前記耐候性粒子は、前記第1の被覆層の表面に、シリコン樹脂からなる第2の被覆層が形成されており、前記紫外線遮蔽粒子は、酸化チタンを形成材料とし、前記有機系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする。
前記有機系紫外線吸収剤は、300nm以上かつ380nm以下の波長帯域に最大吸収波長を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、またはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤のいずれか一方または両方であることが好ましい。
前記有機系紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤であることが好ましい。
前記紫外線遮蔽粒子は、表面に形成された表面処理層を含み、前記表面処理層は、水酸化アルミニウムからなることが好ましい。
前記第1の被覆層と前記第2の被覆層との間には、金属化合物からなる第3の被覆層が形成されていることが好ましい。
本発明の耐候性膜は、本発明の耐候性組成物により形成されてなることを特徴とする。
本発明の耐候性基材は、本発明の耐候性膜を備えてなることを特徴とする。
本発明の耐候性組成物によれば、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成された平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有し、かつ、上記の紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)を1:1〜1:4の範囲内としたので、透明性及び紫外線遮蔽性を長期に亘って優れたものとすることができ、よって、長期の耐候性に優れたものとすることができる。
本発明の耐候性膜によれば、本発明の耐候性組成物により形成したので、膜の透明性及び紫外線遮蔽性を長期に亘って良好な状態で維持することができ、よって、長期の耐候性に優れたものとすることができる。したがって、透明性及び紫外線遮蔽性に優れ、なおかつ長期の耐候性に優れた膜を提供することができる。
本発明の耐候性基材によれば、本発明の耐候性膜を備えたので、この耐候性基材の表面における透明性及び紫外線遮蔽性を長期に亘って良好な状態で維持することができ、よって、長期の耐候性に優れたものとすることができる。したがって、透明性及び紫外線遮蔽性に優れ、なおかつ長期の耐候性に優れた耐候性基材を提供することができる。
本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子の他の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子のさらに他の一例を示す断面図である。 本発明の実施例1、2及び比較例1〜3各々の可視光透過率を測定した結果を示す図である。
本発明の耐候性組成物及びそれを用いた耐候性膜並びに耐候性基材を実施するための形態について説明する。
なお、以下の実施の形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の一実施形態の耐候性組成物は、平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有する耐候性組成物であり、この耐候性粒子は、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に、この紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成されており、この紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)は1:1〜1:4の範囲内にある耐候性組成物である。
ここで、上記の紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と上記の有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)を1:1〜1:4の範囲内とした理由は、これら紫外線遮蔽粒子及び有機系紫外線吸収剤を上記の範囲内で混合させることにより、紫外線遮蔽粒子と有機系紫外線吸収剤とがそれぞれ単独で遮蔽できる波長帯域の紫外線よりも、より長波長側の紫外線を遮蔽することができるからである。
これにより、耐候性粒子による光の散乱効果と有機系紫外線吸収剤による光の吸収効果との相乗効果により、これら耐候性粒子及び有機系紫外線吸収剤がそれぞれ単独で得られる紫外線遮蔽性効果より優れた紫外線遮蔽性効果が得られる。
この耐候性組成物における耐候性粒子、有機系紫外線吸収剤及び樹脂それぞれの含有率は、この耐候性組成物に対して要求される紫外線遮蔽性や諸特性に合わせて適宜調製すればよい。
次に、本実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子、有機系紫外線吸収剤及び樹脂各々について説明する。
[耐候性粒子]
図1は、本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子の一例を示す断面図であり、この耐候性粒子1は、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子2の表面に、この紫外線遮蔽粒子2に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層3が形成されている。
この耐候性粒子1の平均粒子径は6nm以上かつ200nm以下であり、好ましくは6nm以上かつ150nm以下、より好ましくは10nm以上かつ100nm以下、さらに好ましくは10nm以上かつ50nm以下である。
ここで、耐候性粒子1の平均粒子径について、上記の範囲が好ましいとした理由は、平均粒子径が6nm未満では、粒子径が小さくなるにしたがって表面活性が大きくなり、その結果、凝集し易くなり、分散性が悪化する虞があり、また、工程上では、製造が難しく、また取扱いが困難であるので、好ましくないからであり、一方、平均粒子径が200nmを超えると、この耐候性粒子1を用いて膜を形成した場合に、得られた膜の透明性が悪化する虞があるので、好ましくないからである。
この耐候性粒子1の平均粒子径及び紫外線遮蔽粒子2の平均一次粒子径は、いずれも、これらの粒子を透過型電子顕微鏡で観察して得られた透過型電子顕微鏡像(TEM像)から無作為に所定の数、例えば、100個あるいは500個の粒子を選び出して個々の粒子径を実測し、これらの実測値から平均値を算出することで求めることができる。
次に、この耐候性粒子を構成する紫外線遮蔽粒子及び第1の被覆層について説明する。
(紫外線遮蔽粒子)
紫外線遮蔽粒子2としては、紫外線領域の光を遮蔽することのできる金属酸化物粒子であればよく、特に限定されないが、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化タングステン、チタン酸ストロンチウム等の群から選択される1種または2種以上を用いることができる。
例えば、酸化チタンとしては、ルチル型、アナターゼ型のいずれか1種からなる酸化チタン粒子、またはルチル型及びアナターゼ型が混晶した状態の酸化チタン粒子を用いることができる。これらの中でも、光活性をより抑制することができる点で、ルチル型酸化チタンが好ましい。
この紫外線遮蔽粒子2の平均一次粒子径は、5nm以上かつ100nm以下が好ましく、より好ましくは5nm以上かつ50nm以下、さらに好ましくは10nm以上かつ30nm以下である。ここで、平均一次粒子径が5nm未満では、比表面積が増大することから、表面における光活性が上昇する虞があり、さらには、製造が難しく、取扱いが困難であることからも好ましくない。一方、平均一次粒子径が50nmを超えると、紫外線遮蔽粒子2自体の可視光線に対する透明性が低下する虞があるので、好ましくない。
(第1の被覆層)
第1の被覆層3は、紫外線遮蔽粒子2の表面に形成されたもので、酸化ケイ素からなる被覆層である。
この酸化ケイ素の被覆量は、適宜調整すればよいが、上記の紫外線遮蔽粒子2に対して5体積%以上かつ60体積%以下が好ましく、より好ましくは10体積%以上かつ50体積%以下、さらに好ましくは30体積%以上かつ40体積%以下である。
ここで、酸化ケイ素の被覆量が5体積%未満では、紫外線遮蔽粒子2の光活性等を抑制する効果が不十分な場合があるから好ましくなく、一方、被覆量が60体積%を超えると、これ以上被覆量を増加させても紫外線遮蔽粒子2の光活性抑制効果が飽和してしまい、被覆量が増加した分だけ酸化ケイ素が無駄になり、さらには、所定の紫外線遮蔽性を得るために相対的に粒子の添加量が増加し、その結果、透明性が低下する等の悪影響を及ぼすので好ましくない。
例えば、一次粒子径が20nmの紫外線遮蔽粒子2の表面に、5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層3が形成された場合、この第1の被覆層3の厚みは、理論上0.3nm〜3.5nm程度である。
この第1の被覆層3は、紫外線遮蔽粒子2の表面に対して均一に被覆されているのが好ましいが、所望の耐候性が得られる程度に部分被覆されていてもよい。
(耐候性粒子の製造方法)
この耐候性粒子は、紫外線遮蔽粒子とテトラアルコキシシランとを、水存在下の溶媒中にて反応させて、紫外線遮蔽粒子の溶媒への分散処理と、紫外線遮蔽粒子の表面への酸化ケイ素からなる第1の被覆層の形成を同時に行うことにより、作製することができる。
テトラアルコキシシランとしては、紫外線遮蔽粒子の表面に酸化ケイ素からなる第1の被覆層3を形成することができればよく、特に限定されないが、例えば、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシランの群から選択される1種または2種以上を用いることができる。
このテトラアルコキシシランの加水分解速度を早くして生産効率を上げるために、紫外線遮蔽粒子及びテトラアルコキシシランを含む溶液に、アンモニア、水酸化ナトリウム、硫酸、塩酸、硝酸等を適量添加してもよい。また、上記の溶液に有機溶媒を必要に応じて混合させてもよい。
この工程にて用いられる装置としては、公知の混合装置または分散装置等を用いることができる。これらの装置としては、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、超音波装置、ピンミル、遊星ボールミル、ジェットミル、振動ミル、パールミル、ダイノミル、ウルトラビスコミル、アトライター、アニューラミル等を挙げることができる。
図2は、本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子の他の一例を示す断面図であり、この耐候性粒子11が上記の耐候性粒子1と異なる点は、第1の被覆層3の表面に、シリコン樹脂(シリコーン)からなる第2の被覆層12が形成されている点である。
この耐候性粒子11における第2の被覆層12、すなわちシリコン樹脂の被覆量は、上記の紫外線遮蔽粒子2の体積量に対して15体積%以上かつ300体積%以下が好ましく、より好ましくは40体積%以上かつ250体積%以下、さらに好ましくは100体積%以上かつ220体積%以下である。
ここで、シリコン樹脂の被覆量が15体積%未満では、紫外線遮蔽粒子2の光活性抑制効果が不十分な場合があるから好ましくなく、一方、被覆量が300体積%を超えると、これ以上被覆量を増加させても紫外線遮蔽粒子2の光活性抑制効果が飽和してしまい、また、シリコン樹脂が他成分中に遊離し易くなるので、この耐候性粒子1を用いて後述する耐候性膜を作製した場合、その耐候性膜の特性に悪影響を及ぼす場合があり、さらには、所定の紫外線遮蔽性を得るために相対的に粒子の添加量が増加し、その結果、透明性が低下する等の悪影響を及ぼすので好ましくない。
この耐候性粒子11では、シリコン樹脂(シリコーン)からなる第2の被覆層12を最外層とすることにより、この耐候性粒子11と後述する樹脂との相溶性も向上し、より透明性に優れた耐候性粒子を得ることができる。
なお、第1の被覆層3が形成された紫外線遮蔽粒子2の一次粒子径が20nmの場合、この第1の被覆層3の表面に、15体積%以上かつ300体積%以下のシリコン樹脂からなる第2の被覆層12が形成された場合、この第2の被覆層12の厚みは、理論上0.5nm〜11nm程度である。この第2の被覆層12は、粒子に対して均一に被覆されているのが好ましいが、所望の耐候性が得られる程度に部分被覆されていてもよい。
この第1の被覆層3の表面に第2の被覆層12を形成するには、表面に第1の被覆層3が形成された紫外線遮蔽粒子2に、シリコーンレジンを添加して反応させることにより、第1の被覆層3上にシリコン樹脂からなる第2の被覆層12を形成し、耐候性粒子11とする。
シリコーンレジンとしては、特に限定されないが、アルコキシ基を含有するシリコーンレジンが好ましく、アルコキシ基を含有するメチル系のシリコーンレジンまたはメチルフェニル系のシリコーンレジンが好ましい。
また、アルコキシ基としては、反応性に富む点でメトキシ基またはエトキシ基が好ましい。
また、このシリコーンレジンの代わりにシランカップリング剤を用いても良い。
このシランカップリング剤としては、シリコーンレジンの場合と同様に、アルコキシ基を有するシランカップリング剤が好ましく、このアルコキシ基は、反応性に富む点でメトキシ基またはエトキシ基であることがより好ましい。
このアルコキシ基を含有するシリコーンレジンが好ましい理由は、次のような理由によるものと推定される。
アルコキシ基を含有するシリコーンレジンは、アルコキシ基の加水分解による共有結合により粒子表面、すなわち紫外線遮蔽粒子の表面に形成された第1の被覆層の表面に被覆される。さらに、第1の被覆層の表面に被覆されたレジン同士も反応して骨格を形成するので、第1の被覆層の表面がより強固にシリコーンにより被覆される。
すなわち、粒子の表面が強固に被覆されることで、この表面が被覆された粒子を用いて後述する樹脂組成物を作製する場合に、この樹脂組成物中での粒子の分散性が向上するとともに、耐候性を向上させることができると推定される。
この第2の被覆層12を形成する工程にて用いられる装置としては、第1の被覆層3を形成する工程と同様、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、超音波装置、ピンミル、遊星ボールミル、ジェットミル、振動ミル、パールミル、ダイノミル、ウルトラビスコミル、アトライター、アニューラミル等を用いることができる。
この耐候性粒子11においては、紫外線遮蔽粒子2の光活性をより抑制させるために、第1の被覆層3と第2の被覆層12との間に、金属化合物からなる第3の被覆層を1層、または2層以上形成することとしてもよい。
金属化合物としては、特に限定はされないが、酸化チタンの光活性により分解され難い物質が好ましく、例えば、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム等の酸化物、水酸化物、水和物等の群から選択される1種または2種以上が好ましい。
この第3の被覆層の第1の被覆層3における被覆量は適宜調整すればよいが、第1の被覆層3を有する紫外線遮蔽粒子2に対して1体積%以上かつ50体積%以下が好ましく、10体積%以上かつ30体積%以下がより好ましい。
第3の被覆層が上記範囲で第1の被覆層3を被覆することにより、紫外線遮蔽粒子2の光活性がさらに抑制され、透明性にも悪影響を及ぼさない。
なお、この第3の被覆層を、粒子径が20nmの第1の被覆層3を有する紫外線遮蔽粒子2に対して1体積%以上かつ50体積%以下の被覆量で被覆した場合、この第3の被覆層の厚みは理論上0.05nm〜2.2nm程度である。この第3の被覆層は、粒子に対して均一に被覆されているのが好ましいが、所望の耐候性が得られる程度に部分被覆されていてもよい。
この第3の被覆層を形成するには、表面に第1の被覆層3が形成された紫外線遮蔽粒子2を含む溶液に、金属アルコキシドを添加し、必要に応じてpHを調整して反応させることにより、金属アルコキシドから金属化合物を生成し、第1の被覆層上に金属化合物からなる第3の被覆層を1層、または2層以上形成する。
金属アルコキシドとしては、例えば、アルミニウムテトラプロポキシド等のアルミニウム系アルコキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド等のジルコニウム系アルコキシド等が挙げられる。
次いで、第1の被覆層3及び第3の被覆層が形成された紫外線遮蔽粒子2に、シリコーンレジンを添加して反応させることにより、第1の被覆層3上にシリコン樹脂からなる第2の被覆層12を形成する。シリコーンレジンの添加により第2の被覆層12を形成する方法は既に説明したとおりである。
これにより、紫外線遮蔽粒子2の表面に、第1の被覆層3、第3の被覆層及び第2の被覆層12が順次形成された耐候性粒子が得られる。
図3は、本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子のさらに他の一例を示す断面図であり、この耐候性粒子21が上記の耐候性粒子1と異なる点は、紫外線遮蔽粒子2の表面に水酸化アルミニウムを主成分とする表面処理層22が形成されて表面処理紫外線遮蔽粒子23とされ、この表面処理紫外線遮蔽粒子23の表面に上述した第1の被覆層3が形成されている点である。
この表面処理層22の被覆量(体積量)は、紫外線遮蔽粒子2の1体積%以上かつ35体積%以下が好ましく、20体積%以上かつ30体積%以下がより好ましい。
ここで、表面処理層22の被覆量(体積量)が紫外線遮蔽粒子2の1体積%未満では、紫外線遮蔽粒子2の光活性を抑制させる効果が不十分であるから好ましくなく、さらには、この表面処理紫外線遮蔽粒子23を溶媒や樹脂に分散させた分散液や樹脂組成物では、表面処理紫外線遮蔽粒子23の分散性が悪化し、透明性も劣ることとなり、場合によっては失透する虞があるので、好ましくない。一方、表面処理層22の被覆量(体積量)が紫外線遮蔽粒子2の35体積%を超えると、紫外線遮蔽粒子2自体の光活性の抑制効果が飽和してしまい、さらなる光活性の抑制効果が期待できず、水酸化アルミニウムも無駄になってしまい、さらには、所定の紫外線遮蔽性を得るためには相対的に、この表面処理紫外線遮蔽粒子23の添加量が増大し、透明性に悪影響を及ぼす虞があるので好ましくない。
この水酸化アルミニウムからなる表面処理層22が表面処理紫外線遮蔽粒子23自体の透明性を向上させることができる理由は、次のように考えられる。
水酸化アルミニウムは、親水性物質である酸化ケイ素を吸着し易いので、紫外線遮蔽粒子2の表面に水酸化アルミニウムからなる表面処理層22を形成することにより、この表面処理層22上に第1の被覆層3を構成する親水性の酸化ケイ素がより吸着し易くなる。このように、表面処理層22の表面に親水性の酸化ケイ素が効率的に吸着されることで紫外線遮蔽粒子2同士の凝集が抑制され、その結果、この表面処理紫外線遮蔽粒子23を溶媒中に分散させた分散液や樹脂中に分散させた樹脂組成物では、この表面処理紫外線遮蔽粒子23の分散が進行し易くなり、透明性が向上すると考えられる。
この第1の被覆層3における酸化ケイ素の被覆量は、表面処理紫外線遮蔽粒子23に対して5体積%以上かつ60体積%以下が好ましく、より好ましくは10体積%以上かつ50体積%以下、さらに好ましくは30体積%以上かつ40体積%以下である。
ここで、酸化ケイ素の被覆量が5体積%未満では、表面処理紫外線遮蔽粒子23の光活性等を抑制する効果が不十分な場合があるから好ましくなく、一方、被覆量が60体積%を超えると、これ以上被覆量を増加させても表面処理紫外線遮蔽粒子23の光活性抑制効果が飽和してしまい、被覆量が増加した分だけ酸化ケイ素が無駄になり、さらには、所定の紫外線遮蔽性を得るために相対的に粒子の添加量が増加し、その結果、透明性が低下する等の悪影響を及ぼすので好ましくない。
ここで、例えば、平均一次粒子径が20nmの表面処理紫外線遮蔽粒子23の表面に、5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層3が形成された場合、この第1の被覆層3の厚みは、理論上0.3nm〜3.5nm程度である。
この紫外線遮蔽粒子2の表面に水酸化アルミニウムを主成分とする表面処理層22を形成する方法としては、例えば、紫外線遮蔽粒子2を水に適宜添加してスラリーとし、このスラリーに水溶性アルミニウム化合物を添加して溶解させた後、酸またはアルカリでpHを調整することにより、紫外線遮蔽粒子2の表面に水酸化アルミニウムを析出させる方法等が挙げられる。
図4は、本発明の一実施形態の耐候性組成物に用いられる耐候性粒子のさらに他の一例を示す断面図であり、この耐候性粒子31が上記の耐候性粒子21と異なる点は、第1の被覆層3が形成された表面処理紫外線遮蔽粒子23の表面に、上述した第2の被覆層12が形成されている点である。
第2の被覆層12については、既に説明したとおりである。
この耐候性粒子31においても、耐候性粒子21と同様に、紫外線遮蔽粒子2の光活性をより抑制させるために、第1の被覆層3と第2の被覆層12との間に、金属化合物からなる第3の被覆層を1層、または2層以上形成することとしてもよい。
この耐候性粒子31における第2の被覆層12、すなわちシリコン樹脂の被覆量は、上記の表面処理紫外線遮蔽粒子23及び第1の被覆層3の合計体積量に対して15体積%以上かつ300体積%以下が好ましく、より好ましくは40体積%以上かつ250体積%以下、さらに好ましくは100体積%以上かつ220体積%以下である。
ここで、シリコン樹脂の被覆量が15体積%未満では、表面処理紫外線遮蔽粒子23の光活性抑制効果が不十分な場合があるから好ましくなく、一方、被覆量が300体積%を超えると、これ以上被覆量を増加させても表面処理紫外線遮蔽粒子23の光活性抑制効果が飽和してしまい、また、シリコン樹脂が他成分中に遊離し易くなるので、この耐候性粒子31を用いて後述する耐候性膜を作製した場合、その耐候性膜の特性に悪影響を及ぼす場合があり、さらには、所定の紫外線遮蔽性を得るために相対的に粒子の添加量が増加し、その結果、透明性が低下する等の悪影響を及ぼすので好ましくない。
この耐候性粒子31においても、上記の耐候性粒子11と同様に、表面処理紫外線遮蔽粒子23の光活性をより抑制させるために、第1の被覆層3と第2の被覆層12との間に、金属化合物からなる第3の被覆層を1層、または2層以上形成することとしてもよい。
[有機系紫外線吸収剤]
有機系紫外線吸収剤としては、特に限定されず、250nm〜400nmに最大吸収波長を有する有機系紫外線吸収剤を用途に応じて適宜選択して用いればよい。
このような有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられ、これらの群から選択される1種のみを用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
例えば、屋外の耐候性用途では、特に350nm付近の紫外線を遮蔽することが求められるので、300nm以上かつ380nm以下、好ましくは320nm以上かつ350nm以下に最大吸収波長を有する有機系紫外線吸収剤を用いればよい。このような最大吸収波長を有する有機系紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、3−[3−TERT−ブチル−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4ヒドロキシフェニル]プロピオン酸オクチル、2−[エチルヘキシル−3−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4ヒドロキシフェニル]プロピオン酸、ベンゼンプロパン酸、3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−9側鎖及び直鎖アルキルエステル等が挙げられる。
ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2ヒドロキシ−4−[1−オクチルオキシカルボニルエトキシ]フェニル)−4,6−ビス(4−フェニルフェニル)−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
[樹脂]
樹脂としては、特に限定されず、耐候性組成物の用途に応じて適宜選択すればよい。例えば、耐摩耗性に優れる点では紫外線硬化樹脂が好ましく、この紫外線硬化樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンゾオキサゾール樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリベンゾシクロブテン樹脂、ポリアリーレンエーテル樹脂、ポリシクロヘキサン樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリシクロオレフィン樹脂、シアネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂等の1種のみを単独で、あるいは2種以上を混合して用いることができる。
これらの樹脂の中でも、透明性が高い点でアクリル樹脂が好ましい。
この耐候性組成物では、必要に応じて溶媒を含有していてもよい。この溶媒としては、上述の樹脂との相溶性を考慮して適宜選択すればよい。
このような溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジアセトンアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの中でも、水及び上述の樹脂との相溶性に優れている点で、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノールが好ましい。
この耐候性組成物では、耐候性を向上させるために、光安定剤を適宜添加させることが好ましい。このような光安定剤としては、ヒンダードアミン基を有するヒンダードアミン系光安定剤が好ましい。
この耐候性組成物では、特性を失わない範囲において、分散剤、消泡剤、レベリング剤、滑剤、酸化防止剤、光開始剤、重合禁止剤等を適宜添加してもよい。
本実施形態の耐候性組成物が優れた耐候性を有することについての詳細なメカニズムは不明であるが、次のように推定される。
すなわち、紫外線遮蔽粒子の表面に酸化ケイ素からなる第1の被覆層を形成することにより、紫外線遮蔽粒子を第1の被覆層の内部に閉じ込めることができ、後述する塗膜等の表面に紫外線遮蔽粒子が浮いてくる現象を防止することができる。
したがって、紫外線遮蔽粒子の光活性をより抑制させることができ、その結果、より長期の耐候性が得られると考えられる。
さらに、耐候性粒子が短波長側の紫外線を遮蔽させるので、この耐候性組成物に含まれる有機系紫外線吸収剤の劣化をより抑制することができる。
一方、有機系紫外線吸収剤が紫外線を吸収することから、この耐候性組成物に含まれる耐候性粒子の光活性がさらに抑制される。
すなわち、有機系紫外線吸収剤と耐候性粒子が相互に紫外線を遮蔽することにより、それぞれの劣化等を抑制し、長期の耐候性が得られると推定される。
この効果は、紫外線遮蔽粒子の表面を、シリコン樹脂や金属化合物層で覆うことにより、より効果的に得ることができる。
[耐候性組成物の製造方法]
本実施形態の耐候性組成物は、上述した耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、必要に応じて溶媒等とを混合することにより得ることができる。
この工程にて用いられる装置としては、公知の混合装置または分散装置等を用いることができる。これらの装置としては、例えば、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ホモジナイザー、超音波装置、ピンミル、遊星ボールミル、ジェットミル、振動ミル、パールミル、ダイノミル、ウルトラビスコミル、アトライター、アニューラミル等を挙げることができる。
「耐候性膜」
本実施形態の耐候性膜は、本実施形態の耐候性粒子含有樹脂組成物により形成される膜である。
この耐候性膜の膜厚は、用途に応じて適宜調整すればよいが、通常、1μm以上かつ15μm以下が好ましく、5μ以上かつ10μm以下がより好ましい。
ここで、膜厚が1μm未満の場合には、紫外線遮蔽性が十分でない場合があるので、好ましくなく、一方、膜厚が15μmを超えると、場合によっては透明性が低下する等の不具合を招く虞があるので好ましくない。
この耐候性膜は、本実施形態の耐候性粒子含有樹脂組成物を基材に塗布し、樹脂の種類に応じた硬化方法により硬化させることで、形成することができる。
この耐候性粒子含有樹脂組成物を塗布する方法としては、特に限定されず、例えば、バーコート法、フローコート法、ディップコート法、スピンコート法、ロールコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法、吸上げ塗工法等、通常のウェットコート法を用いることができる。
「耐候性基材」
本実施形態の耐候性基材は、本実施形態の耐候性膜を備えている。
この耐候性基材は、本実施形態の耐候性粒子含有樹脂組成物を含む塗料を、公知の塗布法を用いて基材上に塗布し、硬化させることにより得ることができる。
基材は、本実施形態の耐候性粒子含有樹脂組成物を含む塗料を塗布することができる基材であればよく、特に限定されないが、例えば、プラスチック基材、ガラス基材等が挙げられる。ここで、プラスチック基材としては、例えば、アクリル樹脂、高弾性のアクリルゴムを含有したアクリル樹脂、アクリル−スチレン共重合体、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、塩化ビニル等により形成されたものを用いることができる。
また、上記の基材の群から選択される1種を単独で用いてもよく、または2種以上を積層して用いてもよい。
以上説明したとおり、本実施形態の耐候性組成物によれば、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成された平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有したので、透明性及び紫外線遮蔽性を長期に亘って優れたものとすることができ、よって、長期の耐候性に優れたものとすることができる。
また、紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)を1:1〜1:4の範囲内としたので、紫外線遮蔽粒子による光散乱効果と有機系紫外線吸収剤による光吸収効果の相乗効果により、より長波長側の紫外性を遮蔽できる耐候性組成物を提供することができる。
有機系紫外線吸収剤として、300nm以上かつ380nm以下に最大吸収波長を有するものを用いた場合には、屋外で使用される耐候性組成物に求められる、350nm付近の紫外線を遮蔽することができ、よって、屋外で使用される場合に長期の耐候性に優れたものとすることができる。
この耐候性粒子が、第1の被覆層の表面に、シリコン樹脂からなる第2の被覆層を有する場合には、さらに長期の耐候性に優れたものとすることができる。
この耐候性粒子が、紫外線遮蔽粒子の表面に水酸化アルミニウムを主成分とする表面処理層を有する場合には、より透明性に優れたものとすることができる。
この耐候性粒子が、第1の被覆層と第2の被覆層との間に金属化合物からなる第3の被覆層を有する場合には、紫外線遮蔽粒子2あるいは表面処理紫外線遮蔽粒子23の表面に、第1の被覆層、第3の被覆層及び第2の被覆層が順次積層されているので、さらに長期の耐候性に優れたものとすることができる。
この耐候性組成物が光安定剤を含有している場合には、より長期の耐候性に優れる耐候性組成物を得ることができる。
本実施形態の耐候性組成物の製造方法によれば、紫外線遮蔽粒子2あるいは表面処理紫外線遮蔽粒子23を溶媒中に混合または分散させながら反応により第1の被覆層を形成し、必要に応じて第3の被覆層、第2の被覆層をそれぞれ反応により形成するので、それぞれの被覆層を紫外線遮蔽粒子2あるいは表面処理紫外線遮蔽粒子23の表面に均一に被覆させることができ、透明性、紫外線遮蔽性に優れ、なおかつ長期の耐候性に優れる耐候性組成物を製造することができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
「耐候性粒子の作製」
表面処理酸化チタン粒子(水酸化アルミニウムからなる表面処理層を有する酸化チタン粒子)(一次粒子径:10〜30nm、石原産業社製)10質量部、2−プロパノール84質量部、テトラメトキシシシラン5.0質量部、水1.0質量部をボールミルで4時間分散させた。
次いで、2−プロパノールを添加して表面処理酸化チタン粒子の濃度を5質量%に調整し、表面処理酸化チタン粒子の表面を第1の被覆層(シリカ層)にて被覆した、透明性が高い耐候性粒子を含む実施例1の耐候性粒子含有分散液を得た。
この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子に対して31体積%(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)であった。
このようにして得られた耐候性粒子を透過型電子顕微鏡 JEM−2100F(日本電子社製)を用いて観察したところ、平均粒子径は20nmであった。
また、この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の厚みは2nm(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)であった。
この耐候性粒子含有分散液の平均分散粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布測定装置 Microtrac UPA150(Microtrac社製)を用いて測定した結果、100nmであった。
「耐候性組成物の作製」
上記の耐候性粒子含有分散液15.0質量部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(最大吸収波長:345nm)1.5質量部、ウレタン−アクリレート樹脂27.0質量部、アルキルフェノン系光重合光開始剤2.0質量部、ヒンダードアミン系光安定剤0.6質量部、メチルイソブチルケトン53.9質量部を混合し、実施例1の耐候性組成物を得た。この耐候性組成物における表面処理酸化チタン粒子と有機系紫外線吸収剤との質量比は1:2であった。
「耐候性基材の作製」
上記の耐候性組成物を、バーコートを用いて、ポリカーボネート基材(縦100×横100×厚み1mm)の表面に乾燥膜厚が5μmとなるように塗膜を形成した。
次いで、この塗膜付き基材を、熱風乾燥炉を用いて80℃にて3分間乾燥させた。次いで、この塗膜付き基材に、高圧水銀灯の紫外線照射装置を用いて700mJ/cmの紫外線を照射し、ポリカーボネート基材の表面に耐候性膜を形成し、実施例1の耐候性基材を作製した。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率及びヘーズ値を、ヘーズメーター NDH2000(日本電色社製)を用いて測定した結果、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%であった。また、この耐候性膜の可視光透過率を分光光度計 V−570(日本分光社製)を用いて測定した結果を図5に示す。この図5によれば、この耐候性膜では、350nm付近から紫外線が遮蔽できていることが確認された。
また、この耐候性膜に、アイスーパーUVテスター SUV−W13(岩崎電気社製)を用いて紫外線(波長:300nm−400nm、エネルギー:90mW/cm)を30時間照射させ、この紫外線照射前後の黄色度の変化値(ΔYI値)を求めたところ、4であった。
[実施例2]
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(最大吸収波長:345nm)を1.5質量部から0.9質量部に、メチルイソブチルケトンを53.9質量部から54.5質量部に、変更した以外は、実施例1に準じて実施例2の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。この耐候性組成物における表面処理酸化チタン粒子と有機系紫外線吸収剤との質量比は1:1.2であった。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は5であった。
また、この耐候性膜の可視光透過率を実施例1に準じて測定した結果を図5に示す。この図5によれば、この耐候性膜では、350nm付近から紫外線が遮蔽できていることが確認された。
[実施例3]
「耐候性粒子の作製」
表面処理酸化チタン粒子(水酸化アルミニウムからなる表面処理層を有する酸化チタン粒子)(一次粒子径:10〜30nm、石原産業社製)10質量部、2−プロパノール84質量部、テトラメトキシシシラン5.0質量部、水1.0質量部をボールミルで4時間分散させた。
次いで、メトキシ基を含有するシリコーンレジン KR−213(信越シリコーン(株)社製)10質量部を添加してさらに混合攪拌した。
次いで、2−プロパノールを添加して表面処理酸化チタン粒子の濃度を5質量%に調整し、透明性が高い、表面処理酸化チタン粒子の表面を第1の被覆層(シリカ層)及び第2の被覆層(シリコン樹脂層)にて被覆した耐候性粒子を含む実施例3の耐候性粒子含有分散液を得た。
この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子に対して31体積%(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子の体積に対して213体積%(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
このようにして得られた耐候性粒子を透過型電子顕微鏡 JEM−2100F(日本電子社製)を用いて観察したところ、平均粒子径は35nmであった。
また、この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の厚みは2nm(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の厚みは8nm(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
この耐候性粒子含有分散液の平均分散粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布測定装置 Microtrac UPA150(Microtrac社製)を用いて測定した結果、60nmであった。
「耐候性組成物及び耐候性基材の作製」
上記の耐候性粒子含有分散液を用い、実施例1に準じて実施例3の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は2.5であった。
この耐候性膜では、第1の被覆層(シリカ層)の上に第2の被覆層(シリコン樹脂層)をさらに設けたことにより、長期の耐候性に優れることが確認された。
[実施例4]
メトキシ基を含有するシリコーンレジンを10質量部から6質量部に変更した以外は、実施例3に準じて実施例4の耐候性粒子を得た。
この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子に対して31体積%(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子の体積に対して128体積%(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
このようにして得られた耐候性粒子を透過型電子顕微鏡 JEM−2100F(日本電子社製)を用いて観察したところ、平均粒子径は30nmであった。
また、この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の厚みは2nm(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の厚みは5nm(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
この耐候性粒子により得られた耐候性粒子含有分散液の平均分散粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布測定装置 Microtrac UPA150(Microtrac社製)を用いて測定した結果、80nmであった。
上記の耐候性粒子含有分散液を用い、実施例1に準じて実施例4の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は2であった。
さらに、この耐候性膜に、アイスーパーUVテスター SUV−W13(岩崎電気社製)を用いて紫外線(波長:300nm−400nm、エネルギー:90mW/cm)を30時間、計60時間照射させ、0時間照射させたときとの黄色度の変化値(ΔYI値)を求めたところ、3であった。
[実施例5]
「耐候性粒子の作製」
表面処理酸化チタン粒子(水酸化アルミニウムからなる表面処理層を有する酸化チタン粒子)(一次粒子径:10〜30nm、石原産業社製)10質量部、2−プロパノール84質量部、テトラメトキシシシラン5.0質量部、水1.0質量部をボールミルで4時間分散させた。
次いで、アルミナアルコラートASBD(川研ファイン社製)4質量部を加えて混合し、次いで、メトキシ基を含有するシリコーンレジン KR−213(信越シリコーン(株)社製)10質量部を添加してさらに混合攪拌した。
次いで、2−プロパノールを添加して表面処理酸化チタン粒子の濃度を5質量%に調整し、表面処理酸化チタン粒子の表面を第1の被覆層(シリカ層)、第3の被覆層(アルミナ化合物層)及び第2の被覆層(シリコン樹脂層)にて被覆した耐候性粒子を含む実施例5の耐候性粒子含有分散液を得た。
この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子に対して31体積%(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第3の被覆層(アルミナ化合物層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子の体積に対して16体積%(アルミナアルコラート濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の被覆量は表面処理酸化チタン粒子の体積に対して213体積%(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
このようにして得られた耐候性粒子を透過型電子顕微鏡 JEM−2100F(日本電子社製)を用いて観察したところ、平均粒子径は35nmであった。
また、この耐候性粒子における第1の被覆層(シリカ層)の厚みは2nm(テトラメトキシシラン濃度に基づく計算値)、第3の被覆層(アルミナ化合物層)の厚みは1nm(アルミナアルコラート濃度に基づく計算値)、第2の被覆層(シリコン樹脂層)の厚みは5nm(シリコーンレジン濃度に基づく計算値)であった。
この耐候性粒子含有分散液の平均分散粒径(d50)を動的光散乱式粒度分布測定装置 Microtrac UPA150(Microtrac社製)を用いて測定した結果、180nmであった。
「耐候性組成物及び耐候性基材の作製」
上記の耐候性粒子含有分散液を用い、実施例1に準じて実施例5の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は1であった。
この耐候性膜では、第1の被覆層(シリカ層)と第2の被覆層(シリコン樹脂層)との間に第3の被覆層(アルミナ化合物層)をさらに設けたことにより、長期の耐候性に優れることが確認された。
[比較例1]
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(最大吸収波長:345nm)を1.5質量部から0.3質量部に、メチルイソブチルケトンを53.9質量部から55.1質量部に、変更した以外は、実施例1に準じて比較例1の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。この耐候性組成物における表面処理酸化チタン粒子と有機系紫外線吸収剤との質量比は1:0.4であった。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は10であった。
また、この耐候性膜の可視光透過率を実施例1に準じて測定した結果を図5に示す。この図5によれば、この耐候性膜では、有機系紫外線吸収剤が少なすぎたことにより、300nm付近からしか紫外線を遮蔽することができず、かつ耐候性も悪化していることが確認された。
[比較例2]
耐候性粒子含有分散液を15.0質量部から30質量部に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(最大吸収波長:345nm)を1.5質量部から0質量部に、メチルイソブチルケトンを53.9質量部から40.4質量部に、変更した以外は、実施例1に準じて比較例2の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。この耐候性組成物における表面処理酸化チタン粒子と有機系紫外線吸収剤との質量比は1:0であった。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.8%、黄色度の変化値(ΔYI値)は10であった。
また、この耐候性膜の可視光透過率を実施例1に準じて測定した結果を図5に示す。この図5によれば、この耐候性膜では、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を全く欠いているために、320nm付近からしか紫外線を遮蔽することができず、耐候性も悪化していることが確認された。
[比較例3]
耐候性粒子含有分散液を15.0質量部から0質量部に、ウレタン−アクリレート樹脂を27.0質量部から30質量部に、メチルイソブチルケトンを53.9質量部から65.9質量部に、変更した以外は、実施例1に準じて比較例3の耐候性組成物及び耐候性基材を得た。この耐候性組成物における表面処理酸化チタン粒子と有機系紫外線吸収剤との質量比は0:1であった。
この耐候性基材における耐候性膜の全光線透過率、ヘーズ値及び黄色度の変化値(ΔYI値)を、実施例1に準じて測定したところ、全光線透過率は89%、ヘーズ値は0.2%、黄色度の変化値(ΔYI値)は10であった。
また、この耐候性膜の可視光透過率を実施例1に準じて測定した結果を図5に示す。この図5によれば、この耐候性膜では、耐候性粒子を全く欠いているために、300nm付近からしか紫外線を遮蔽することができず、耐候性も悪化していることが確認された。
本発明の耐候性組成物は、平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有する耐候性組成物であり、この耐候性粒子は、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に、この紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層を形成し、この紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)を1:1〜1:4の範囲内としたことにより、透明性及び紫外線遮蔽性を長期に亘って優れたものとすることができ、よって、長期の耐候性に優れたものとすることができるものであるから、太陽光に晒される部材、特に、日中、太陽光に晒され続ける屋外用の基材はもとより、太陽光、特に紫外線に対する耐候性が求められる各種部材においても、これら各種部材の表面に、太陽光、特に紫外線に対する耐候性を付与するための被膜を形成することで、適用範囲が拡がり、その工業的価値は大きい。
1 耐候性粒子
2 紫外線遮蔽粒子
3 第1の被覆層
11 耐候性粒子
12 第2の被覆層
21 耐候性粒子
22 表面処理層
23 表面処理紫外線遮蔽粒子
31 耐候性粒子

Claims (7)

  1. 平均粒子径が6nm以上かつ200nm以下の耐候性粒子と、有機系紫外線吸収剤と、樹脂と、を含有する耐候性組成物であって、
    前記耐候性粒子は、平均一次粒子径が5nm以上かつ100nm以下の紫外線遮蔽粒子の表面に、前記紫外線遮蔽粒子に対して5体積%以上かつ60体積%以下の酸化ケイ素からなる第1の被覆層が形成されてなり、
    前記紫外線遮蔽粒子の質量(Mp)と前記有機系紫外線吸収剤の質量(Mu)との比(Mp:Mu)は1:1〜1:の範囲内にあり、
    前記耐候性粒子は、前記第1の被覆層の外側に、シリコン樹脂からなる第2の被覆層が形成されており、
    前記紫外線遮蔽粒子は、酸化チタンを形成材料とし、
    前記有機系紫外線吸収剤は、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤からなる群から選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする耐候性組成物。
  2. 前記有機系紫外線吸収剤は、300nm以上かつ380nm以下の波長帯域に最大吸収波長を有するベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、またはヒドロキシフェニルトリアジン系紫外線吸収剤のいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項1記載の耐候性組成物。
  3. 前記有機系紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である請求項2に記載の耐候性組成物。
  4. 前記紫外線遮蔽粒子は、表面に形成された表面処理層を含み、
    前記表面処理層は、水酸化アルミニウムからなることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の耐候性組成物。
  5. 前記第1の被覆層と前記第2の被覆層との間には、金属化合物からなる第3の被覆層が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の耐候性組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項記載の耐候性組成物により形成されてなることを特徴とする耐候性膜。
  7. 請求項6記載の耐候性膜を備えてなることを特徴とする耐候性基材。
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