JP2001315242A - 反射防止基材 - Google Patents
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Abstract
反射防止層を備えた反射防止基材を提供する。 【解決手段】 以下の成分(A)、成分(B)および成
分(C)の組成物からなる被膜が硬化されてなる高屈折
率層と、有機ケイ素化合物の硬化物からなる低屈折率層
とがこの順で基材の表面に積層されてなることを特徴と
する反射防止基材。 成分(A):不飽和二重結合を2個以上有し活性化エネ
ルギー線を照射することにより重合可能な化合物または
そのオリゴマー 成分(B):有機ケイ素化合物、その重合体または加水
分解生成物 成分(C):酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ
および酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種の金
属酸化物の粒子
Description
する。
止基材は、光学部品として有用である。
材の表面に高屈折率層と低屈折率層とがこの順に積層さ
れてなる反射防止層が設けられたものが知られている。
ここで、高屈折率層は基材の屈折率よりも大きな屈折率
を示す層であり、低屈折率層は高屈折率層よりも小さい
屈折率を示す層である。これら高屈折率層と低屈折率層
とは、一体となって反射防止層を形成している。高屈折
率層および低屈折率層の厚みは、通常、屈折率(n)と
厚み(d)との積である光学膜厚(n×d)がそれぞれ
可視光の波長(λ)の概ね1/4(λ/4)程度や、1
/2(λ/2)程度となるように調整される。
にコーティング用組成物を塗布後硬化させた層が知られ
ている。ここで、コーティング用組成物としては、分子
中に不飽和二重結合を2個以上有する化合物と金属アル
コキシドとの組成物などが知られている(特開平8−2
97201号公報など)。また、低屈折率層としては、
有機ケイ素化合物の硬化物からなる層が知られている
(特開昭63−4201号公報など)。
からなる反射防止層が基材の表面に設けられた反射防止
基材は、耐擦傷性に劣ったり、反射防止層が剥離し易い
傾向にあった。
は、十分な耐擦傷性を備え、容易には剥離し難い反射防
止層を備えた反射防止基材を開発するべく鋭意検討した
結果、分子中に2個以上の不飽和二重結合を有する化合
物および金属酸化物の粒子に加えて有機ケイ素化合物を
含有する組成物を塗布後硬化させて得た高屈折率層と、
有機ケイ素化合物を硬化させて得た低屈折率層とからな
る反射防止層を備えた反射防止基材は、反射防止層に傷
がつきにくく、しかも反射防止層が剥離しにくいことを
見出し、本発明に至った。
の成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有する
被膜が硬化されてなる高屈折率層と、有機ケイ素化合物
の硬化物からなる低屈折率層とがこの順で基材の表面に
積層されてなることを特徴とする反射防止基材を提供す
るものである。
し活性化エネルギー線を照射することにより重合可能な
化合物またはそのオリゴマー 成分(B):有機ケイ素化合物、その重合体または加水
分解生成物 成分(C):酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ
および酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種の金
属酸化物の粒子
率層と低屈折率層とが基材の表面に積層されており、こ
れら高屈折率層および低屈折率層は反射防止層を構成し
ている。
(B)および成分(C)を含む被膜が硬化されてなる層
である。成分(A)は、不飽和二重結合を2個以上有す
る化合物である。かかる化合物は、活性化エネルギー線
を照射されることにより重合することができる。活性化
エネルギー線としては、電子線、紫外線、放射線などが
挙げられる。このような化合物としては、例えば多官能
アクリレート化合物などが挙げられる。ここで、多官能
アクリレート化合物とは、分子中に2個以上のアクリロ
イルオキシ基および/またはメタクロイルオキシ基(以
下、アクリロイルオキシ基とメタクロイルオキシ基とを
まとめて(メタ)アクリロイルオキシ基と呼ぶ。)を有
する化合物が挙げられる。
は、例えばエチレングリコールジアクリレート、ジエチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリ
レート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ト
リメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロー
ルメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテ
トラアクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート、グリセリントリアク
リレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、
ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタ
エリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサアクリレート、トリス(アクリロイルオキ
シエチル)イソシアヌレート、
エチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサ
ンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコール
ジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、
テトラメチロールメタントリメタクリレート、テトラメ
チロールメタンテトラメタクリレート、ペンタグリセロ
ールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、グリセリントリメタクリレート、ジペンタエリス
リトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトール
テトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
メタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタク
リレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシ
アヌレート、
(メタ)アクリロイルオキシ基が導入されたホスファゼ
ン系(メタ)アクリレート化合物、分子中に2個以上の
イソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と
1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基および1個以
上の水酸基を有するポリオール化合物とを反応させて得
られるウレタン(メタ)アクリレート化合物、分子中に
2個以上のカルボニル基を有するカルボン酸ハロゲン化
物と1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する
ポリオール化合物とを反応させて得られるポリエステル
(メタ)アクリレート化合物などが挙げられる。これら
の化合物は、それぞれ単独または2種以上を混合して用
いられる。成分(A)は、上記各化合物の2量体、3量
体などのオリゴマーであってもよい。
ることもできる。市販されている成分(A)としては、
例えば「NKエステル A−TMM−3L」(新中村化
学(株)製、テトラメチロールメタントリアクリレー
ト)、「NKエステル A−9530」(新中村化学
(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト)、「KAYARAD DPCAシリーズ」(日本化
薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
トの誘導体)、「アロニックス M−8560」(東亜
合成(株)製、ポリエステルアクリレート化合物)、
「ニューフロンティアTEICA」(第一工業製薬
(株)製、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシ
アヌレート)、「PPZ」(共栄社化学(株)製、ホス
ファゼン系メタクリレート化合物)などが例示される。
いるものを用いることもでき、かかる市販品としては、
例えばアロニックス UV3701」(東亜合成(株)
製)、「ユニディック 17−813」(大日本インキ
化学工業(株)製)、「NKハードM−101」(新中
村化学(株)製)などが挙げられる。
の重合体であるが、ここで有機ケイ素化合物としては、
アルコキシシラン化合物、ハロゲン化シラン化合物、ア
シロキシシラン化合物、シラザン化合物などが挙げられ
る。かかる有機ケイ素化合物は、その分子中にアルキル
基、アリール基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリ
ロイルオキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基
などの置換基を有していてもよい。
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ
クロロシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ
クロロシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニル
トリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメ
チルジエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ―アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)
−γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシランなどのアルコキシシラン化合物、ヘ
キサメチルジシラザンなどのシラザン化合物などが挙げ
られ、これらはそれぞれ単独または2種以上を混合して
用いられる。
単量体であってもよいし、2量体〜10量体程度のオリ
ゴマーまたは重合度が10を超えるポリマーなどのよう
な重合体であってもよい。また、成分(B)は、上記有
機ケイ素化合物が加水分解された加水分解生成物あって
もよい。加水分解生成物は、上記有機ケイ素化合物に塩
酸、リン酸、酢酸などの酸または水酸化ナトリウム、酢
酸ナトリウムなどの塩基を加えることにより生成させる
ことができる。
タン、酸化スズおよび酸化アンチモンから選ばれる少な
くとも1種の金属酸化物の粒子である。かかる粒子は、
その一次粒子径が通常0.1μm以下、好ましくは0.
05μm以下であり、通常は0.001μm以上であ
る。一次粒子径が0.05μmを超えると得られる高屈
折率層の透明性が低下する傾向にある。かかる粒子は1
種を用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよ
い。
は、かかる成分(A)、成分(B)および成分(C)か
らなる被膜が硬化されてなるものであるが、かかる被膜
は、成分(A)、成分(B)および成分(C)の合計量
100重量部当たり、成分(A)を通常20〜80重量
部、好ましくは30〜60重量部、成分(B)を通常1
〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、成分(C)
を通常10〜70重量部、好ましくは40〜70重量部
それぞれ含有する。成分(A)の含有量が20重量部未
満であると得られる反射防止層の硬度が小さくなる傾向
にあり、80重量部を超えると得られる高屈折率層の屈
折率が小さくなる傾向にある。成分(B)の含有量が1
重量部未満であっても20重量部を超えても得られる反
射防止層の硬度が小さくなる傾向にある。成分(C)の
含有量が10重量部未満であると屈折率が小さくなる傾
向にあり、70重量部を超えると得られる反射防止層の
硬度が小さくなる傾向にある。
率層の屈折率、低屈折率層の屈折率、厚みなどに応じて
適宜選択されるが、通常は0.01〜0.5μm程度で
ある。0.01μm未満であると反射率が大きくなる傾
向にある。また0.5μmを超えると反射率が大きくな
ると共に、高屈折率層および基材の屈折率によっては干
渉による虹模様が現れ易くなる傾向にある。高屈折率層
は、通常、成分(A)の硬化物中に成分(B)および成
分(C)が分散された構造の層となる。
層の上に低屈折率層が積層されている。低屈折率層は、
有機ケイ素化合物の硬化物からなる層であり、高屈折率
層の屈折率よりも小さい屈折率を示す。有機ケイ素化合
物としては、成分(B)として上記したと同様の有機ケ
イ素化合物が挙げられる。また、有機ケイ素化合物の硬
化物には、上記有機化合物の重合体または加水分解生成
物の硬化物も含まれる。
ていてもよい。シリカ粒子としては、その粒子径が一次
粒子径で通常0.3〜100nmであり、コロイド状に
分散してシリカゾルを形成し得る粒子が好ましく使用さ
れる。粒子径が100nmを超えると透明性が低下し易
い傾向にある。かかるシリカ粒子は、多孔質であっても
よい。シリカ粒子を用いる場合、その使用量はシリカ粒
子および有機ケイ素化合物〔酸化ケイ素(SiO2)に
換算〕の合計量100重量部当たり60重量部以下であ
り、通常は0.01重量部以上である。
率層の屈折率、厚み、低屈折率層の屈折率などに応じて
適宜選択されるが、通常は0.01〜0.5μm程度で
ある。0.01μm未満であったり0.05μmを超え
ると反射防止基材の反射率が大きくなる傾向にある。
カーボネート樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリル
共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、トリ
アセチルセルロース樹脂などからなる樹脂基材、無機ガ
ラスなどの無機基材などが挙げられる。
うに表面が平面である基材あってもよいし、凸レンズ、
凹レンズなどのように表面が曲面である基材であっても
よい。また、表面に細かな凹凸が設けられていてもよ
い。
にハードコート層を有していてもよい。ハードコート層
としては、例えば2個以上の官能基を有する化合物から
なる被膜が硬化されてなる層が挙げられる。
キシ基などのような不飽和二重結合を有する基、エポキ
シ基、シラノール基などの置換基が挙げられる。中でも
不飽和二重結合を有する基は、紫外線、電子線などのよ
うな活性化エネルギー線を照射することにより容易に硬
化し得る点で、好ましく用いられる。不飽和二重結合を
有する基を2個以上有する化合物としては、例えば成分
(A)として上記したと同様の化合物が挙げられる。か
かる化合物は、溶剤に希釈された状態で「ハードコート
剤」として市販されているものを使用することもでき、
市販の「ハードコート剤」として具体的には、市販され
ている成分(A)として前記したと同様のものが挙げら
れる。
ドコート剤を樹脂基材の表面に塗布することにより被膜
とし、これに活性化エネルギー線を照射することにより
設けることができる。塗布方法としては、例えばマイク
ログラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコ
ート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写
法、スプレーコート法などが挙げられる。
μm程度、好ましくは1〜20μm程度である。0.5
μm未満であると耐擦傷性が不十分となる傾向にあり、
50μmを超えるとハードコート層に亀裂が発生し易く
なる傾向にある。
ードコート層であってもよい。帯電防止性のハードコー
ト層としては、例えば導電性粒子が分散されたハードコ
ート層、界面活性剤を含有するハードコート層等が挙げ
られる。
しては、不飽和二重結合を2個以上有する化合物が硬化
されてなる硬化被膜に導電性粒子が分散されてなる層な
どが挙げられる。導電性粒子としては、例えばスズ、ア
ンチモン、チタン、インジウムなどの金属の酸化物や、
これらの金属の複合酸化物、例えばインジウムスズ複合
酸化物(ITO、Indium Tin Oxide)などの粒子が挙げ
られる。導電性粒子の粒子径は、一次粒子径で通常、
0.001〜0.1μm程度である。0.1μmを超え
ると透明性が低下する傾向にある。
ト剤として導電性粒子を含有するハードコート剤、界面
活性剤を含有するハードコート剤などを基材の表面に塗
布後、硬化させる方法により設けることができる。導電
性粒子を含有するハードコート剤としては、例えば「シ
ントロンC−4456」(神東塗料(株)製)、「スミ
セファイン R−311」(住友大阪セメント(株)製)な
どが市販されている。かくして得られるハードコート層
は、帯電防止性能を永久的に持続させることも可能であ
る。
面に高屈折率層と低屈折率層とがこの順に積層されてい
るものであるが、かかる反射防止基材は、例えば基材の
表面に成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有
する組成物を塗布して被膜を得、該被膜に活性化エネル
ギー線を照射することにより高屈折率層を形成し、次い
で有機ケイ素化合物を含有する組成物を塗布して被膜を
得、該被膜を硬化させることにより製造することができ
る。
を含む組成物は、溶剤によって希釈されていてもよい。
溶剤としては、成分(A)、成分(B)、成分(C)を
溶解または分散し得、塗布後揮発し得るものであれば特
に限定されるものではなく、これが塗布される基材の材
質、形状、塗布方法などに応じて適宜選択されるが、例
えばメタノ−ル、エタノ−ル、プロパノール、イソプロ
パノ−ル、n−ブタノール、2−ブタノール、イソ−ブ
タノール、tert−ブタノールなどのアルコール類、
ジアセトンアルコール、2−エトキシエタノール、2−
ブトキシエタノール、3−メトキシプロパノール、1−
メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロ
パノールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、トル
エン、キシレンなどの芳香族類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ルなどのエステル類などが挙げられる。溶剤の使用量
は、基材の材質、形状、塗布方法、目的とする高屈折率
層の厚みなどに応じて適宜選択されるが、通常は成分
(A)、成分(B)および成分(C)の合計量100重
量部当たり50〜10000重量部程度である。
は、重合開始剤、増感剤、安定化剤、酸化防止剤、着色
剤などの添加剤を含有していてもよい。重合開始剤とし
ては、例えばフェニルケトン系化合物、ベンゾフェノン
系化合物などの通常の重合開始剤を挙げることができ、
例えば「イルガキュア 907」(2−メチル−1−
[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロ
パン−1−オン)、「イルガキュア 184」(1−ヒ
ドロキシシクロヘキシル−フェニル−ケトン)、「ダロ
キュア 1173」(以上、チバスペシャリティーケミ
カルズ(株)製)、「エザキュア KIP100F」
(日本シーベルへグナー(株)製)などが挙げられる。
増感剤としては、例えば「エザキュア EDB」(日本
シーベルへグナー(株)製)などが挙げられる。重合開
始剤や増感剤は、組成物を基材表面に塗布後、活性化エ
ネルギー線を照射することにより速やかに硬化させるた
めに含有される。
により成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む
組成物からなる被膜が形成される。基材の表面に組成物
を塗布するには、通常と同様の方法、例えばマイクログ
ラビアコート法、ロールコート法、ディッピングコート
法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト転写法、
スプレーコート法などの方法により塗布すればよい。
照射する。活性化エネルギー線としては、例えば紫外
線、電子線、放射線などが挙げられ、成分(A)の種類
に応じて適宜選択される。活性化エネルギー線の照射時
間は得に限定されないが、通常は0.1〜60秒程度の
範囲である。また、活性化エネルギー線は、通常、10
〜40℃程度の雰囲気下で照射することができる。組成
物が溶剤を含有する場合、活性化エネルギー線は、被膜
が溶剤を含有した状態のまま照射してもよいし、溶剤を
揮発させた後に照射してもよい。
を塗布して被膜を得る。有機ケイ素化合物を含有する組
成物としては、例えば有機ケイ素化合物と溶剤との混合
物が用いられる。リカ粒子をさらに含有する組成物を用
いることにより、有機ケイ素化合物の硬化物中にシリカ
粒子が分散された低屈折率層を得ることができる。
有機ケイ素化合物を溶解し、塗布後揮発し得、シリカ粒
子を用いる場合にはこれを分散し得るものであれば特に
限定されるものではなく、高屈折率層の種類、基材の材
質、形状、塗布方法などに応じて適宜選択されるが、本
発明のコーティング用組成物におけると同様の溶剤を用
いることができる。
酸化防止剤、着色剤などの添加剤を含有していてもよ
い。また、有機ケイ素化合物として、その加水分解生成
物を用いる場合には、塩酸、リン酸、酢酸などの酸また
は水酸化ナトリウム、酢酸ナトリウムなどの塩基などを
組成物に加えてもよい。
イクログラビアコート法、ロールコート法、ディッピン
グコート法、スピンコート法、ダイコート法、キャスト
転写法、スプレーコート法などの方法が挙げられる。か
くして有機ケイ素化合物を含有する組成物からなる被膜
が形成される。
は、例えば加熱すればよい。加熱温度、加熱時間は用い
る有機ケイ素化合物の種類、使用量などに応じて適宜選
択される。かくして基材の表面に高屈折率層および低屈
折率層からなる反射防止層が設けられた反射防止基材を
得るが、かかる反射防止基材は反射防止層の硬度が十分
であるので耐擦傷性に優れており、光学部品として有用
である。
備えていて耐擦傷性に優れている。また、高屈折率層を
形成する際に用いる成分(A)、成分(B)および成分
(C)を含有する組成物は、比較的低温でも硬化し得て
高屈折率層を形成することができるので、反射防止層を
構成する高屈折率層を形成するためのコーティング用組
成物として好適に用いることができる。
するが、本発明かこれら実施例に限定されるものではな
い。なお、実施例で得た反射防止基材は、以下の方法で
評価した。 (1)反射率 反射防止基材の反射防止層側とは反対側の面をスチール
ウールで粗面化し、黒色ペンキを塗って乾燥し、次いで
反射防止層側の面の入射角度5°における絶対鏡面反射
スペクトルを紫外線可視分光光度計〔「UV−310
0」、島津製作所製〕を用いて測定し、反射率が最小値
を示す波長とその反射率の最小値を求めた。 (2)耐擦傷性 ガーゼに49N/cm2の圧力を加えながら反射防止基
材の反射防止層が設けられた側の表面を往復させて、目
視で表面に傷が確認されるまでの往復回数で評価した。 (3)密着性 JIS K 5400に記載の「碁盤目テープ法」に従
って反射防止層側の表面に設けた碁盤目100個当たり
の剥離数で評価した。
(株)製、厚み2mm〕の一方の面にハードコート剤をデ
ィップコート法(引上げ速度50cm/分)にて塗布
し、40℃で10分間乾燥した後、紫外線を照射してハ
ードコート層を設けた。このハードコート層は、帯電防
止性能を有している。ハードコート剤は、導電性粒子を
含有するハードコート剤〔「スミセファインR−31
1」、住友大阪セメント(株)製、100重量部当たり、
アンチモンがドープされた酸化スズ粒子(平均一次粒子
径5nm)を1.5重量部、ジペンタエリスリトールヘ
キサアクリレートを16.5重量部、シクロヘキシルア
クリレートを5重量部、N−ビニルピロリドンを4重量
部、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル〕
−2−モルホリノプロパン−1−オン〔重合開始剤〕を
3重量部、メチルエチルケトンを45重量部およびジア
セトンアルコールを15重量部含有する組成物〕53.
6重量部に、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト〔「NKエステル A9530」、新中村化学(株)
製〕(6.9重量部)、メチルエチルケトン(10.8
重量部)およびジアセトンアルコール(24.2重量
部)を加えて混合して得たハードコート剤(a)を用い
た。
ート層の上に、ペンタエリスリトールトリアクリレート
〔成分(A)〕(1.0重量部)、テトラエトキシシラ
ン〔成分(B)〕(0.1重量部)、平均一次粒子径
0.01μmである酸化ジルコニウムの粒子〔成分
(C)〕(1.7重量部)、1−ヒドロキシシクロヘキ
シル−フェニル−ケトン〔重合開始剤〕(0.2重量
部)およびイソブチルアルコール〔溶剤〕(97重量
部)を混合して得たコーティング用組成物(b)をディ
ップコート法(引上げ速度20cm/分)により塗布
し、40℃で10分間乾燥したのち、紫外線を照射し
て、高屈折率層を設けた。
〔有機ケイ素化合物〕(0.8重量部)、エタノール
〔溶剤〕(98.4重量部)および0.1N塩酸〔10
00cm3当たり0.1モルのHClを含有する水溶
液〕0.8重量部を混合して得た組成物(c)をディッ
プコート法(引上げ速度20cm/分)により塗布し、
室温で5分間乾燥したのち、80℃で20分間加熱して
低屈折率層を設け、反射防止基材を得た。
面にハードコート層が設けられており、該層の上に高屈
折率層および低屈折率層がこの順に設けられている。こ
の反射防止基材の評価結果を表1に示す。また、この反
射防止基材の反射スペクトルを図1に示す。
ート層を設けた。このハードコート層を有するアクリル
樹脂板のハードコート層の上に、実施例1で得た組成物
(b)に代えて、平均一次粒子径が0.01μmである
酸化ジルコニウム粒子〔成分(C)〕(1.7重量
部)、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔成分
(A)〕(1.0重量部)、テトラメトキシシランオリ
ゴマー(「MKCシリケート MS51」、三菱化学
(株))〔成分(B)〕(0.1重量部)、イソブチルア
ルコール〔溶剤〕(97重量部)、1−ヒドロキシシク
ロヘキシル−フェニル−ケトン〔重合開始剤〕(0.2
重量部)を混合して得たコーティング用組成物(d)を
用いる以外は実施例1と同様に操作して高屈折率層を設
け、次いで低屈折率層を設けて反射防止基材を得た。こ
の反射防止基材の評価結果を表1に示す。
ート層を設けた。このハードコート層を有するアクリル
樹脂板のハードコート層の上に、実施例1で得た組成物
(b)に代えて、平均一次粒子径が0.01μmである
酸化ジルコニウム粒子〔成分(C)〕(1.7重量
部)、ペンタエリスリトールヘキサアクリレート〔成分
(A)〕(1.0重量部)、イソブチルアルコール〔溶
剤〕(97重量部)、1−ヒドロキシシクロヘキシル−
フェニル−ケトン〔重合開始剤〕(0.3重量部)を混
合して得たコーティング用組成物(e)を用いる以外は
実施例1と同様に操作して高屈折率層を設け、次いで低
屈折率層を設けて反射防止基材を得た。この反射防止基
材の評価結果を表1に示す。
を示す図であり、横軸は波長を、縦軸は反射率をそれぞ
れ示す。
Claims (6)
- 【請求項1】以下の成分(A)、成分(B)および成分
(C)を含有する被膜が硬化されてなる高屈折率層と、
有機ケイ素化合物の硬化物からなる低屈折率層とがこの
順で基材の表面に積層されてなることを特徴とする反射
防止基材。 成分(A):不飽和二重結合を2個以上有し活性化エネ
ルギー線を照射することにより重合可能な化合物または
そのオリゴマー 成分(B):有機ケイ素化合物、その重合体または加水
分解生成物 成分(C):酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ
および酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種の金
属酸化物の粒子 - 【請求項2】高屈折率層が、成分(A)、成分(B)お
よび成分(C)の合計量100重量部当たり、成分
(A)を20〜80重量部、成分(B)を1〜20重量
部、成分(C)を10〜70重量部それぞれ含有する被
膜が硬化されてなる層である請求項1に記載の反射防止
基材。 - 【請求項3】基材が、表面にハードコート層を有する樹
脂基材である請求項1に記載の反射防止基材。 - 【請求項4】以下の成分(A)、成分(B)および成分
(C)からなることを特徴とする組成物。 成分(A):不飽和二重結合を2個以上有し活性化エネ
ルギー線を照射することにより重合可能な化合物または
そのオリゴマー 成分(B):有機ケイ素化合物、その重合体または加水
分解生成物 成分(C):酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ
および酸化アンチモンから選ばれる少なくとも1種の金
属酸化物の粒子 - 【請求項5】成分(A)、成分(B)および成分(C)
の合計量100重量部当たり、成分(A)を20〜80
重量部、成分(B)を1〜20重量部、成分(C)を1
0〜70重量部それぞれ含む請求項4に記載の組成物。 - 【請求項6】請求項4に記載の組成物を基材の表面に塗
布して被膜を得、該被膜に活性化エネルギー線を照射す
ることを特徴とする高屈折率層の形成方法。
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---|---|---|---|
JP2000139822A JP2001315242A (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 反射防止基材 |
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- 2000-05-12 JP JP2000139822A patent/JP2001315242A/ja active Pending
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