JP2002154183A - 構造体 - Google Patents

構造体

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JP2002154183A
JP2002154183A JP2000354971A JP2000354971A JP2002154183A JP 2002154183 A JP2002154183 A JP 2002154183A JP 2000354971 A JP2000354971 A JP 2000354971A JP 2000354971 A JP2000354971 A JP 2000354971A JP 2002154183 A JP2002154183 A JP 2002154183A
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昭 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性や透明性に優れた構造体を提供す
る。 【解決手段】下記(A)〜(C)層を積層してなる構造
体。 (A)平均粒子径5〜300nmのシリカ粒子を含有す
る膜厚1〜30μmのハードコート層 (B)平均粒子径5〜300nmの無機酸化物粒子を含
有する膜厚0.05〜0.5μmの中間層であって、表
面粗さRz(JIS B0601に準拠)が0.01〜
2μmである中間層 (C)フッ素化合物およびケイ素化合物、あるいはいず
れか一方の化合物を含有する膜厚0.05〜0.5μm
の表面層

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、構造体に関し、よ
り詳細には、反射防止膜積層体等に好適な耐擦傷性や透
明性に優れた構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜の形成材料として、例えば、
熱硬化型ポリシロキサン組成物が知られており、特開昭
61−247743号公報、特開平6−25599号公
報、特開平7−331115号公報および特開平10−
232301号公報等に開示されている。しかしなが
ら、このような熱硬化型ポリシロキサン組成物を利用し
て得られる反射防止膜は、耐擦傷性に乏しく、結果とし
て、耐久性に乏しいという問題が見られた。また、かか
る反射防止膜を製造するにあたり、高温で、長時間にわ
たって加熱処理をする必要があり、生産性が低かった
り、あるいは適用可能な基材の種類が限定されるという
問題が見られた。
【0003】そこで、特開平8−94806号公報に開
示されているように、基材上に、微粒子を高屈折率バイ
ンダー樹脂中に局在化させた高屈折率膜と、フッ素系共
重合体からなる低屈折率膜とを順次に積層した光学機能
性フィルムが提案されている。より具体的には、高屈折
率膜を形成するのに、200nm以下の金属酸化物粒子
等の微粒子層を工程紙上に予め形成しておき、それを基
材上の高屈折率バインダー樹脂に対して圧接することに
より、高屈折率バインダー樹脂中に微粒子層を埋設し
て、局在化させている。また、低屈折率膜については、
フッ化ビニリデン30〜90重量%およびヘキサフルオ
ロプロピレン5〜50重量%を含有するモノマー組成物
が共重合されてなるフッ素含有割合が60〜70重量%
であるフッ素含有共重合体100重量部と、エチレン性
不飽和基を有する重合性化合物30〜150重量部と、
これらの合計量を100重量部としたときに、0.5〜
10重量部の重合開始剤とからなる樹脂組成物を硬化し
て、膜厚200nm以下の薄膜としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−94806号公報に開示された光学機能性フィルム
は、高屈折率膜の製造工程が複雑であり、結果として均
一な特性を示す光学機能性フィルムを作成することが困
難であった。また、かかる光学機能性フィルムは、高屈
折率膜における表面粗さの値を考慮しておらず、低屈折
率膜の耐擦傷性が乏しいという問題が見られた。そこ
で、本発明の発明者らは鋭意検討した結果、基材上に、
(A)ハードコート層と、(B)中間層(高屈折率膜)
と、(C)表面層(低屈折率膜)とを含む構造体(反射
防止膜積層体)において、(A)〜(C)層の構成内容
を考慮するとともに、(B)層における表面粗さの値を
考慮するだけで、上述した問題を解決できることを見出
した。すなわち、本発明は、簡易な構造でありながら、
耐擦傷性や透明性に優れた構造体を提供することを目的
とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、下記
(A)〜(C)層を積層してなる構造体が提供され、上
述した問題点を解決することができる。 (A)数平均粒子径5〜300nmのシリカ粒子を含有
する膜厚1〜30μmのハードコート層 (B)数平均粒子径5〜300nmの無機酸化物粒子を
含有する膜厚0.05〜0.5μmの中間層であって、
表面粗さRz(JIS B0601に準拠)が0.01
〜2μmである中間層 (C)フッ素化合物およびケイ素化合物、あるいはいず
れか一方の化合物を含有する膜厚0.05〜0.5μm
の表面層
【0006】すなわち、中間層の表面粗さの値をこのよ
うに考慮することにより、中間層の表面に設けられた凹
凸が表面層中に適度に入り込み、結果として、表面層に
おける耐擦傷性を著しく向上させることができる。ま
た、中間層の下方には、特定のハードコート層が設けて
あることから、中間層の動きを拘束し、結果として、さ
らに表面層における耐擦傷性を向上させることができ
る。さらに、表面層は、フッ素化合物やケイ素化合物か
ら構成されているため、優れた剥離性、耐熱性、防汚性
等をも得ることができる。
【0007】また、本発明の構造体を構成するにあた
り、ハードコート層(A)に含まれるシリカ粒子の含有
量を5〜70重量%の範囲内の値とすることが好まし
い。このようにシリカ粒子の含有量を制限することによ
り、ハードコート層の硬度を所定範囲に容易に調節する
ことができ、中間層の動きを拘束できることから、結果
として、表面層における耐擦傷性をさらに向上させるこ
とができる。
【0008】また、本発明の構造体を構成するにあた
り、ハードコート層(A)に含まれるシリカ粒子が、重
合性不飽和基を有する有機化合物と結合した反応性シリ
カ粒子であることが好ましい。このようなハードコート
層であれば、中間層との間で優れた密着力が得られるた
め、さらに中間層の動きを拘束し、結果として、表面層
における耐擦傷性をさらに向上させることができる。
【0009】また、本発明の構造体を構成するにあた
り、ハードコート層(A)が、トリメチロールプロパン
トリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパント
リオキシエチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選択
される少なくとも一つの多官能(メタ)アクリレートを
含む紫外線硬化樹脂の硬化物であることが好ましい。こ
のようなハードコート層であれば、中間層との間でさら
に優れた密着力が得られるため、結果として、表面層に
おける耐擦傷性をさらに向上させることができる。ま
た、ハードコート層を紫外線硬化樹脂から形成するので
あれば、迅速に形成することができ、経済的である。
【0010】また、本発明の反射防止膜積層体を構成す
るにあたり、ハードコート層(A)の硬度(JIS K
5400準拠)がポリエチレンテレフタレート(PE
T)基材上でH以上であることが好ましい。このような
硬度であれば、さらに中間層の動きを拘束し、結果とし
て、表面層における耐擦傷性をさらに向上させることが
できる。
【0011】また、本発明の積層体を構成するにあた
り、表面抵抗値を1×103〜1×1012Ω/□の範囲
内の値とすることが好ましい。このような表面抵抗値で
あれば、構造体が帯電しにくいために、空気中のほこり
等をひきつけることが少なくなる。
【0012】また、本発明の構造体を構成するにあた
り、波長400〜800nmの反射率が2.0%以下で
あることが好ましい。このような反射率であれば、反射
防止膜積層体等の用途に好適に適用することができる。
なお、この反射率は、上記波長領域における最低反射率
として定義されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の構造体の実施形態につ
き、図1に示す反射防止膜積層体24を例に採って、具
体的に説明する。図1の反射防止膜積層体24は、基材
12上に、ハードコート層18と、高屈折率膜20と、
低屈折率膜22とを順次に含む反射防止膜積層体であ
る。なお、上記図1の反射防止膜積層体24において、
高屈折率膜20および低屈折率膜22は、以下の記載に
おいて、それぞれ中間層および表面層を意味する。
【0014】1.基材 (1)種類 ハードコート層を設けるための基材の種類は特に制限さ
れるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂、トリ
アセチルセルロース樹脂、ポリカーボネート樹脂、アリ
ルカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ
アクリレート樹脂、ノルボルネン樹脂、アクリルスチレ
ン樹脂、およびガラス等からなる基材を挙げることがで
きる。例えば、これらの基材を含む反射防止膜積層体と
することにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)
の画面表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフ
ィルター等の広範な反射防止膜等の利用分野において、
反射防止効果はもちろんのこと、優れた耐擦傷性や透明
性が得られ、しかも優れた機械的強度や耐久性を得るこ
とができる。
【0015】(2)厚さ また、基材の厚さを0.02〜10mmの範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、基材の厚さが0.0
2mm未満となると、ハードコート層や高屈折率膜を強
固に固定することが困難となる場合があるためであり、
一方、基材の厚さが10mmを超えると、製造が困難と
なったり、あるいは、構造体が過度に厚くなる場合があ
るためである。したがって、基材の厚さを0.05〜5
mmの範囲内の値とするのがより好ましく、0.1〜3
mmの範囲内の値とするのがさらに好ましい。
【0016】2.ハードコート層 (1)ハードコート層用硬化性組成物 また、ハードコート層用硬化性組成物の種類についても
特に制限されるものではないが、光硬化性樹脂組成物
や、熱硬化性樹脂組成物からなる硬化物であることが好
ましい。
【0017】また、光硬化性樹脂組成物を使用した場
合、例えば、以下の構成成分からなることが好ましい。 シリカ粒子 アクリル化合物 光重合開始剤
【0018】シリカ粒子 シリカ粒子の種類は特に制限されるものではないが、例
えば、メチルエチルケトン、水およびアルコール等に分
散させたシリカゾル等が好ましい。また、シリカ粒子の
数平均粒子径を5〜300nmの範囲内の値とすること
が好ましい。この理由は、かかるシリカ粒子の数平均粒
子径が5nm未満の値となると、ハードコート層の硬度
が低下して、結果として、低屈折率膜における耐擦傷性
の向上が困難となる場合があるためである。一方、かか
るシリカ粒子の数平均粒子径が300nmを超えると、
分散性が低下して、やはりハードコート層の硬度が低下
する場合があるためである。したがって、シリカ粒子の
数平均粒子径を10〜200nmの範囲内の値とするこ
とがより好ましく、20〜150nmの範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。なお、シリカ粒子の数平均粒
子径は、電子顕微鏡によって測定される粒径の平均値で
ある。
【0019】また、シリカ粒子の含有量を、ハードコー
ト層の全体量に対して、5〜70重量%の範囲内の値と
することが好ましい。この理由は、かかるシリカ粒子の
含有量が5重量%未満の値となると、ハードコート層の
硬度が低下して、結果として、中間層に対する密着力や
拘束力が低下する場合があるためである。一方、かかる
シリカ粒子の含有量が70重量%を超えると、ハードコ
ート層が脆くなる場合があるためである。したがって、
かかるシリカ粒子の含有量を10〜65重量%の範囲内
の値とすることがより好ましく、20〜60重量%の範
囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0020】また、本発明の反射防止膜積層体を構成す
るにあたり、ハードコート層(A)に含まれるシリカ粒
子が、重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させた
反応性シリカ粒子であることが好ましい。すなわち、シ
リカ粒子に表面処理を施し、重合性不飽和基を有する有
機化合物を含む反応性シリカ粒子とすることが好まし
い。例えば、アクリル酸エステルと、シラン化合物と
を、イソシアネート化合物を介して反応させて、少なく
ともアルコキシシリル基と、反応性不飽和結合とを有す
る有機化合物を作成し、次いで、それを用いて、シリカ
粒子に表面処理を施すことが好ましい。
【0021】アクリル化合物 アクリル化合物としては、ラジカル反応性であって光硬
化や熱硬化が可能なことから(メタ)アクリル酸や(メ
タ)アクリル酸エステル、あるいはこれらの誘導体であ
れば、好適に使用することができる。ただし、ハードコ
ート層と、高屈折率膜(中間層)との間で、より優れた
密着力が得られることから、トリメチロールプロパント
リ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
オキシエチル(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールペンタ(メタ)アクリレートからなる群から選択さ
れる少なくとも一つの多官能(メタ)アクリレートが好
ましい。
【0022】光重合開始剤 光重合開始剤としては、光ラジカル発生剤や、光酸発生
剤が挙げられる。また、かかる光重合開始剤の使用量も
特に制限されるものではないが、例えば、アクリル化合
物100重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内
の値とするのが好ましい。この理由は、光重合開始剤の
使用量が0.1重量部未満となると、アクリル化合物の
硬化が不十分となる場合があるためである。一方、光重
合開始剤の使用量が20重量部を超えると、光重合開始
剤がハードコート層中に残存し、硬度が低下する場合が
あるためである。
【0023】(2)膜厚 また、ハードコート層の膜厚を1〜30μmの範囲内の
値とする。この理由は、ハードコート層の膜厚が1μm
未満となると、中間層を強固に固定することが困難とな
り、結果として、表面層の耐擦傷性が向上しない場合が
あるためである。一方、ハードコート層の膜厚が30μ
mを超えると、製造が困難となったり、あるいは、構造
体を構成した場合に、そりが発生したり、あるいはクラ
ックが生じ易くなるためである。したがって、ハードコ
ート層の膜厚を2〜20μmの範囲内の値とするのがよ
り好ましく、3〜10μmの範囲内の値とするのがさら
に好ましい。
【0024】(3)硬度 また、ハードコート層の硬度(JIS K5400に準
拠)をポリエチレンテレフタレート(PET)基材上で
H以上とすることが好ましい。この理由は、かかるハー
ドコート層の硬度がH未満となると、中間層を強固に固
定することが困難となり、結果として、表面層の耐擦傷
性が向上しない場合があるためである。
【0025】(4)形成方法 ハードコート層を形成するにあたり、ハードコート層用
硬化性組成物を基材に塗布(コーティング)して、ハー
ドコート層用の塗膜を形成することが好ましい。このよ
うなコーティング方法としては、特に制限されるもので
はないが、例えば、ディッピング法、スプレー法、バー
コート法、ロールコート法、スピンコート法、カーテン
コート法、グラビア印刷法、シルクスクリーン法、また
はインクジェット法等のコーティング方法を用いること
ができる。次いで、全体として強固な塗膜を形成できる
ことから、ハードコート層用硬化性組成物からなる塗膜
を紫外線硬化、あるいは熱硬化することが好ましい。紫
外線硬化する場合、紫外線照射装置(メタルハライドラ
ンプ、高圧水銀ランプ等)を用いて、0.001〜10
J/cm2の光照射条件の下で行うことが好ましい。こ
の理由は、このような照射条件であれば、適当な硬度を
有するハードコート層が得られる一方、製造時間が過度
に長くなることが無いためである。したがって、照射条
件を、0.01〜5J/cm2とすることがより好まし
く、0.01〜1J/cm2とすることがさらに好まし
い。また、熱硬化する場合には、30〜120℃、1〜
180分間の条件で加熱するのが好ましい。この理由
は、このような加熱条件であれば、基材を損傷すること
なく、より効率的にハードコート層を得ることができる
ためである。
【0026】3.高屈折率膜 (1)高屈折率膜用硬化性組成物1 高屈折率膜を形成するための高屈折率膜用硬化性組成物
は、特に制限されるものでないが、一例として、以下の
(A)〜(G)成分から構成してあることが好ましい。 (A)無機酸化物粒子 (B)水酸基含有重合体 (C)水酸基と反応し得る官能基および光重合可能な官
能基を併有する化合物 (D)光重合開始剤 (E)アクリレート化合物 (F)硬化触媒 (G)有機溶剤
【0027】(A)無機酸化物粒子 (A)成分としての無機酸化物粒子の数平均粒子径を5
〜300nmの範囲内の値とすることが好ましい。この
理由は、かかる無機酸化物粒子の数平均粒子径が、5n
m未満となると、製造時に、高屈折率膜用硬化性組成物
において無機酸化物粒子を均一に分散させることが困難
となり、その結果、構造体において無機酸化物粒子を均
一に分散させることが困難となる場合があるためであ
る。一方、無機酸化物粒子の数平均粒子径が300nm
を超えると、得られる反射防止膜の透明性が低下した
り、濁度(ヘイズ値)が上昇する場合があるためであ
る。したがって、無機酸化物粒子の数平均粒子径を10
〜200nmの範囲内の値とすることがより好ましく、
20〜100nmの範囲内の値とすることがさらに好ま
しい。
【0028】また、(A)成分である無機酸化物粒子の
種類は、屈折率の調整の容易さや透明性等を考慮して決
定することが好ましいが、より具体的には、酸化ケイ素
(SiO2、屈折率1.47)、酸化ジルコニウム(Z
rO2、屈折率2.05)、酸化スズ(SnO2、屈折率
2.00)、アンチモンドープ酸化スズ(ATO、屈折
率1.95)、酸化チタン(TiO2、屈折率2.3〜
2.7)、酸化亜鉛(ZnO、屈折率1.90)、スズ
ドープ酸化インジウム(ITO、屈折率1.95)、酸
化セリウム(CeO、屈折率2.2)、酸化セレン
(SeO2、屈折率1.95)、酸化アンチモン(Sb2
5、屈折率1.71)、酸化アルミニウム(Al
23、屈折率1.63)、酸化イットリウム(Y23
屈折率1.87)、およびアンチモン酸亜鉛(AZO、
屈折率1.90)等の一種単独または二種以上の組み合
わせが挙げられる。また、無機酸化物粒子に対して、シ
ランカップリング剤処理を施すことが好ましい。このよ
うにカップリング剤処理することにより、高屈折率膜に
おける無機酸化物粒子と、周囲の樹脂との間の結合力を
高めることができ、結果として、低屈折率膜における耐
擦傷性を著しく向上させることができるためである。ま
た、このようにカップリング剤処理することにより、無
機酸化物粒子の分散性を向上させ、製造時における高屈
折率膜用硬化性組成物の保存安定性を向上させることも
可能である。なお、無機酸化物粒子の含有量を、高屈折
率膜の全体量に対して、10〜90vol%の範囲内の
値とすることが好ましい。
【0029】(B)水酸基含有重合体 (B)成分は、分子内に水酸基を有する重合体であれ
ば、好適に使用することができる。より具体的には、ポ
リビニルアセタール樹脂(ポリビニルブチラール樹脂、
ポリビニルホルマール樹脂)、ポリビニルアルコール樹
脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、フェ
ノキシ樹脂等の一種単独または二種以上の組み合わせが
挙げられる。なお、水酸基含有重合体の添加量を、無機
酸化物粒子100重量部に対して、1〜100重量部の
範囲内の値とするのが好ましい。
【0030】(C)水酸基と反応し得る官能基および
光重合可能な官能基を併有する化合物 (C)成分(以下、併有化合物と称する場合がある。)
としては、水酸基と反応し得る官能基(水酸基反応性官
能基と称する場合がある。)と、光重合可能な官能基
(光重合性官能基と称する場合がある。)とをそれぞれ
有する化合物であることが好ましい。このような併有化
合物を添加することにより、光重合性官能基を利用し
て、併有化合物自体を光硬化させることもできるし、あ
るいは、後述するアクリレート化合物と反応させること
もできる。また、水酸基反応性官能基を利用して、加熱
することにより、水酸基含有重合体と併有化合物とを反
応させて、より強固な硬化膜とすることも可能である。
また、併有化合物の具体例としては、t−ブチルアミノ
エチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルア
クリレート、N,N−ジエチルアミノエチルアクリレー
ト、N−メタクリロキシ−N,N−ジカルボキシメチル
−p−フェニレンジアミン、メラミン・ホルムアルデヒ
ド・アルキルモノアルコール、4−メタクリロキシエチ
ル無水トリメリット酸等の一種単独または二種以上の組
み合わせが挙げられる。なお、併有化合物の添加量を、
無機酸化物粒子100重量部に対して、10〜300重
量部の範囲内の値とするのが好ましい。
【0031】(D)光重合開始剤 (D)成分としては、光ラジカル発生剤や、光酸発生剤
が挙げられる。また、かかる光重合開始剤の使用量も特
に制限されるものではないが、例えば、併有化合物10
0重量部に対して、0.1〜20重量部の範囲内の値と
するのが好ましい。
【0032】(E)アクリレート化合物 (E)成分は、(C)成分中の(メタ)アクリレート化
合物以外の(メタ)アクリレート化合物であって、分子
内に少なくとも一つの(メタ)アクリロイル基を含有す
る化合物である。したがって、その種類は特に制限され
るものではないが、例えば、単官能(メタ)アクリレー
ト化合物および多官能(メタ)アクリレート化合物、あ
るいはいずれか一方の(メタ)アクリレート化合物であ
る。また、アクリレート化合物の添加量についても特に
制限されるものではないが、例えば、無機酸化物粒子1
00重量部あたり、0.01〜1,000重量部の範囲
内の値とすることが好ましい。
【0033】(F)硬化触媒 (F)成分は、熱酸発生剤等であって、脂肪族スルホン
酸、脂肪族スルホン酸塩、脂肪族カルボン酸、脂肪族カ
ルボン酸塩、芳香族スルホン酸、芳香族スルホン酸塩、
芳香族カルボン酸、芳香族カルボン酸塩、金属塩、リン
酸エステル等の一種単独または二種以上の組み合わせが
挙げられる。また、硬化触媒の添加量についても特に制
限されるものではないが、水酸基含有重合体と併有化合
物との合計を100重量部としたときに、当該硬化触媒
の添加量を0.1〜30重量部の範囲内の値とするのが
好ましい。
【0034】(G)有機溶剤 また、硬化性樹脂組成物において、メチルエチルケトン
(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シ
クロヘキサノン、n−ブタノール、エチルセルソルブ、
乳酸エチル(EL)、ジアセトンアルコール(DA
A)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PG
ME)、アセチルアセトン(AcAc)、およびアセト
酢酸エチル(EAcAc)からなる群から選択される少
なくとも一種の有機溶剤を使用することが好ましい。こ
の理由は、このような有機溶剤を使用することにより、
高屈折率膜用硬化性組成物から高屈折率膜を形成する際
に、高屈折率膜における表面粗さ(Rz)の制御が容易
となるためである。また、(G)成分の添加量について
も特に制限されるものではないが、(A)成分の無機酸
化物粒子100重量部に対し、当該有機溶剤の添加量を
50〜20,000重量部の範囲内の値とするのが好ま
しい。
【0035】添加剤 高屈折率膜用硬化性組成物には、本発明の目的や効果を
損なわない範囲において、光増感剤、重合禁止剤、重合
開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、
可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シラ
ンカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤
をさらに含有させることも好ましい。
【0036】(2)高屈折率膜用硬化性組成物2 また、高屈折率膜を形成するための別な高屈折率膜用硬
化性組成物として、以下の(a−1)および(a−2)
を有機溶媒中で反応させて得られる硬化性組成物である
ことも好ましい。 (a−1)1次粒子径が0.1μm以下で、粉体抵抗が
100Ω・cm以下の導電性金属酸化物粒子 (a−2)分子内にウレタン結合[−O−C(=O)N
H−]およびチオウレタン結合[−S−C(=O)NH
−]、あるいはいずれか一方のウレタン結合と、不飽和
ニ重結合とを有するアルコキシシラン化合物 このような高屈折率膜用硬化性組成物であれば、帯電防
止性、透明性、硬度、耐擦傷性、および密着性に優れる
とともに、高屈折率の塗膜(被膜)を形成することがで
きる。
【0037】(3)表面粗さ(R2) 高屈折率膜における表面粗さ、すなわち、JIS B0
601に準拠のRzをR2と定義するとともに、当該R
2を0.01〜2μmの範囲内の値とする。この理由
は、かかる表面粗さが、0.01μm未満の値となる
と、低屈折率膜中に侵入する高屈折率膜の割合が少なく
なり、耐擦傷性が著しく低下するためである。図2およ
び図3に、反射防止膜積層体の断面写真を示すが、高屈
折率膜の一部が、低屈折率膜中に侵入していることが理
解される。一方、かかる表面粗さが2μmを超えると、
低屈折率膜における表面粗さが相対的に大きくなり、光
散乱が生じやすくなり、結果として、反射率や、透明性
が低下するためである。したがって、表面粗さを0.0
2〜1μmの範囲内の値とすることが好ましく、0.0
5〜0.5μmの範囲内の値とすることがさらに好まし
い。
【0038】また、本発明において、高屈折率膜におけ
る表面粗さ(R2)と、後述する低屈折率膜の厚さ(D
1)との比率(R2/D1)を0.06〜2の範囲内の
値とすることが好ましい。この理由は、かかるR2/D
1の比率が、0.06未満の値となると、低屈折率膜に
対する高屈折率膜の表面粗さの影響が発揮されずに、耐
擦傷性が著しく低下する場合があるためである。一方、
かかるR2/D1の比率が、2を超えると、低屈折率膜
における表面粗さが相対的に大きくなり、光散乱が生じ
やすくなり、結果として、反射率や、透明性が低下する
場合があるためである。したがって、R2/D1の比率
を0.2〜2の範囲内の値とすることが好ましく、0.
4〜2の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0039】(4)屈折率 また、高屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折
率、測定温度25℃)を1.45〜2.1の範囲内の値
とするのがより好ましい。この理由は、かかる屈折率が
1.45未満の値となると、低屈折率膜と組み合わせた
場合に、反射防止効果が著しく低下する場合があるため
であり、一方、2.1を超えると、使用可能な材料が過
度に制限される場合があるためである。したがって、高
屈折率膜の屈折率を、より好ましくは1.55〜2.0
の範囲内の値とすることであり、1.6〜1.9の範囲
内の値とすることがさらに好ましい。
【0040】(5)膜厚 また、高屈折率膜の膜厚は特に制限されるものではない
が、例えば、0.05〜0.5μmの範囲内の値である
ことが好ましい。この理由は、高屈折率膜の膜厚が0.
05μm未満となると、低屈折率膜と組み合わせた場合
に、反射防止効果や基材に対する密着力が低下する場合
があるためであり、一方、膜厚が0.5μmを超える
と、製造が困難となったり、あるいは光吸収する割合が
大きくなる場合があるためである。したがって、高屈折
率膜の膜厚を0.1〜0.3μmの範囲内の値とするの
がより好ましく、0.12〜0.2μmの範囲内の値と
するのがさらに好ましい。
【0041】(6)形成方法 高屈折率膜を形成するに際して、高屈折率膜用硬化性組
成物の塗膜を形成した後、紫外線硬化または電子線硬化
することが好ましい。この場合、例えば、紫外線照射装
置(メタルハライドランプや高圧水銀ランプ等)を用
い、0.001〜10J/cm2の光照射条件の下で行
うことが好ましい。この理由は、このような照射条件で
あれば、十分硬化した高屈折率膜が得られる一方、製造
時間が過度に長くなることが無いためである。したがっ
て、照射条件を、0.01〜5J/cm2とすることが
より好ましく、0.1〜3J/cm2とすることがさら
に好ましい。なお、高屈折率膜用硬化性組成物中の粒子
の種類、平均粒子径、粒子の添加量、溶剤種、あるいは
高屈折率膜の膜厚等の条件を適宜変更することにより、
光照射するだけで高屈折率膜の表面に凹凸を設けること
が可能である。
【0042】4.低屈折率膜 (1)低屈折率膜用硬化性組成物 低屈折率膜を形成するための低屈折率膜用硬化性組成物
としては、特に制限されるものでないが、一例として、
以下の(a)〜(d)成分から構成してあることが好ま
しい。 (a)水酸基を有する含フッ素共重合体 (b)水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤 (c)硬化触媒 (d)有機溶剤
【0043】(a)水酸基を有する含フッ素共重合体 (a)成分としては、分子内に水酸基を有する含フッ素
共重合体であれば、好適に使用することができる。より
具体的には、フッ素原子を含有する単量体と、水酸基を
含有する単量体とを共重合して得ることができる。ま
た、必要に応じて、これらの単量体以外のエチレン性不
飽和単量体を添加することも好ましい。フッ素原子を含
有する単量体としては、テトラフルオロエチレン、ヘキ
サフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、クロロトリ
フルオロエチレン、トリフルオロエチレン、テトラフル
オロエチレン、(フルオロアルキル)ビニルエーテル、
(フルオロアルコキシアルキル)ビニルエーテル、パー
フルオロ(アルキルビニルエーテル)、パーフルオロ
(アルコキシビニルエーテル)、フッ素含有(メタ)ア
クリル酸エステル等の一種単独または二種以上の組み合
わせが挙げられる。なお、フッ素原子を含有する単量体
の配合量は特に制限されるものではないが、例えば、1
0〜99モル%の範囲内の値であることが好ましく、よ
り好ましくは、15〜97モル%の範囲内の値である。
【0044】また、水酸基を含有する単量体としては、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピル
ビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒ
ドロキシペンチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシル
ビニルエーテル、ヒドロキシエチルアリルエーテル、ヒ
ドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリ
ルエーテル、アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリル酸エステル等の一種単独または二種以上の
組み合わせが挙げられる。なお、水酸基を含有する単量
体の配合量は特に制限されるものではないが、例えば、
1〜20モル%の範囲内の値であることが好ましく、よ
り好ましくは、3〜15モル%の範囲内の値である。
【0045】(b)水酸基と反応し得る官能基を有す
る熱硬化剤 水酸基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤(以下、単
に熱硬化剤と称する場合がある。)としては、分子内に
メチロール基およびアルコキシ化メチル基あるいはいず
れか一方を2個以上有するメラミン化合物を使用するこ
とが好ましい。より具体的には、ヘキサメチルエーテル
化メチロールメラミン化合物、ヘキサブチルエーテル化
メチロールメラミン化合物、メチルブチル混合エーテル
化メチロールメラミン化合物、メチルエーテル化メチロ
ールメラミン化合物、ブチルエーテル化メチロールメラ
ミン化合物等のメチロールメラミン化合物等がより好ま
しい。また、熱硬化剤の添加量を、水酸基を有する含フ
ッ素共重合体100重量部に対して、1〜70重量部の
範囲内の値とすることが好ましい。
【0046】(c)硬化触媒 硬化触媒としては、水酸基含有重合体と硬化剤との間の
反応を促進するものであれば、好適に使用することがで
きるが、高屈折率膜用硬化性組成物における硬化触媒と
同様の硬化触媒を使用することが好ましい。また、硬化
触媒の添加量についても特に制限されるものでは無い
が、上述した水酸基を有する含フッ素共重合体と、水酸
基と反応し得る官能基を有する熱硬化剤との合計量を1
00重量部としたときに、当該硬化触媒の添加量を0.
1〜30重量部の範囲内の値とするのが好ましい。
【0047】(d)有機溶剤 低屈折率膜用硬化性組成物に使用する有機溶剤として
は、高屈折率膜用硬化性組成物に使用する有機溶剤と同
様の種類を使用することが好ましい。なお、有機溶剤の
添加量を、水酸基を有する含フッ素共重合体100重量
部に対して、500〜10,000重量部の範囲内の値
とすることが好ましい。
【0048】(2)表面粗さ 低屈折率膜における表面粗さ、すなわち、JIS B0
601に準拠したRzをR1と定義するとともに、当該
R1を2μm以下の値とすることが好ましい。この理由
は、かかる表面粗さが、2μmを超えると、耐擦傷性が
著しく低下する場合があるためである。したがって、表
面粗さを1.4μm以下の値とすることがより好まし
く、0.02〜1μmの範囲内の値とすることがさらに
好ましい。
【0049】また、低屈折率膜における表面粗さ(R
1)と、後述する膜厚(D1)との比率(R1/D1)
を0.01〜2の範囲内の値とすることが好ましい。こ
の理由は、かかるR1/D1の比率が、0.01未満の
値となると、低屈折率膜の膜厚が相対的に厚くなり、高
屈折率膜の表面粗さの影響が発揮されずに、耐擦傷性が
著しく低下する場合があるためである。一方、かかるR
1/D1の比率が、2を超えると、低屈折率膜における
表面粗さが相対的に大きくなり、光散乱が生じやすくな
り、結果として、反射率や、透明性が低下する場合があ
るためである。したがって、R1/D1の比率を0.0
14〜1の範囲内の値とすることが好ましく、0.01
4〜0.8の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0050】また、低屈折率膜における表面粗さ(R
1)と、上述した高屈折率膜における表面粗さ(R2)
との比率(R1/R2)を0.005〜1の範囲内の値
とすることが好ましい。この理由は、かかるR1/R2
の比率が0.005未満の値となると、低屈折率膜に対
する高屈折率膜の表面粗さの影響が発揮されずに、耐擦
傷性が著しく低下するためである。一方、かかるR1/
R2の比率が1を超えると、低屈折率膜における表面粗
さが相対的に大きくなるとともに光散乱が生じやすくな
り、結果として、反射率や、透明性が低下する場合があ
るためである。したがって、R1/R2の比率を0.1
〜1の範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜1の
範囲内の値とすることがさらに好ましい。
【0051】(3)屈折率 低屈折率膜における屈折率(Na−D線の屈折率、測定
温度25℃)を1.35〜1.50の範囲内の値とする
のがより好ましい。この理由は、かかる屈折率が1.3
5未満の値となると、使用可能な材料の種類が過度に制
限される場合があり、一方1.5を超えると、高屈折率
膜と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下す
る場合があるためである。したがって、低屈折率膜の屈
折率を、1.3〜1.45の範囲内の値とすることがよ
り好ましく、1.3〜1.42の範囲内の値とすること
がさらに好ましい。
【0052】(4)膜厚(D1) また、低屈折率膜の膜厚(D1)についても特に制限さ
れるものではないが、例えば、0.05〜2μmの範囲
内の値であることが好ましい。この理由は、低屈折率膜
の膜厚が0.05μm未満の値となると、下地としての
高屈折率膜に対する密着力や擦傷性が低下する場合があ
るためである。一方、かかる膜厚が2μmを超えると、
形成するのが困難となる場合があるとともに、高屈折率
膜における表面粗さを低屈折率膜に反映する効果が低下
する場合があるためである。したがって、低屈折率膜の
膜厚を0.05〜0.5μmの範囲内の値とすることが
より好ましく、0.05〜0.3μmの範囲内の値とす
ることがさらに好ましい。
【0053】(5)表面抵抗 また、構造体の表面抵抗値を1×103〜1×1012Ω
/□の範囲内の値とすることが好ましい。この理由は、
かかる表面抵抗値が1×103Ω/□未満の値となる
と、使用可能な導電材料の種類が過度に制限されたり、
あるいは、導電材料の添加量を多くしなければならない
場合があるためである。一方、かかる表面抵抗値が1×
10 12Ω/□を超えると、帯電しやすくなり、空気中の
ほこりを引き付けやすくなるためである。したがって、
かかる表面抵抗値を1×103〜1×1011Ω/□の範
囲内の値とすることが好ましく、1×103〜1×10
10Ω/□の範囲内の値とすることがより好ましい。な
お、かかる表面抵抗値は、低屈折率膜や高屈折率膜に導
電材料を添加したり、これらの膜中の親水性基量を調節
することにより、容易に達成することができる。
【0054】(6)形成方法 低屈折率膜を形成するにあたり、低屈折率膜用硬化性組
成物を高屈折率膜上に例えば、ディッピング法、スプレ
ー法、バーコート法等を用いて、塗布(コーティング)
し、低屈折率膜形成用の塗膜を形成することが好まし
い。次いで、高屈折率膜の一部と反応させて、全体とし
て強固な塗膜を形成できることから、低屈折率膜用硬化
性組成物からなる塗膜を熱硬化することが好ましい。こ
の場合、30〜120℃で、1〜180分間の条件で加
熱するのが好ましい。この理由は、このような加熱条件
であれば、基材や形成される反射防止膜を損傷すること
なく、より効率的に反射防止性に優れた反射防止膜積層
体を得ることができるためである。
【0055】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、
本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるもので
はない。また、実施例中、各成分の配合量は特に記載の
ない限り重量部を意味している。
【0056】[実施例1] (1)低屈折率膜用硬化性組成物の調製 水酸基を有する含フッ素重合体の調製 内容積1.5リットルの電磁攪拌機付きステンレス製オ
ートクレーブ内を窒素ガスで十分置換処理した後、酢酸
エチル500gと、エチルビニルエーテル(EVE)3
4.0gと、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEV
E)41.6gと、パーフルオロプロピルビニルエーテ
ル(FPVE)75.4gと、過酸化ラウロイル1.3
gと、シリコーン含有高分子アゾ開始剤(和光純薬工業
(株)製、商品名:VPS1001)7.5gと、反応
性乳化剤(旭電化工業(株)製、商品名:NE−30)
1gとを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃
まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去し
た。次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)11
9.0gをさらに仕込み、昇温を開始した。オートクレ
ーブ内の温度が70℃に達した時点での圧力は、5.5
×105Paを示した。その後、攪拌しながら、70
℃、20時間の条件で反応を継続し、圧力が2.3×1
5Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反
応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放
出し、オートクレーブを開放し、固形分濃度30重量%
のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液を、メタ
ノールに投入し、ポリマーを析出させた後、メタノール
によりさらに洗浄し、50℃で真空乾燥を行い、170
gの水酸基を有する含フッ素重合体を得た。
【0057】得られた水酸基を有する含フッ素重合体に
ついて、固有粘度(N,N−ジメチルアセトアミド溶剤
使用、測定温度25℃)を測定したところ、0.28d
l/gであった。また、かかる含フッ素重合体につい
て、ガラス転移温度を、示差走査型熱量計(DSC)を
用い、昇温速度5℃/分、窒素気流中の条件で測定した
ところ、31℃であった。また、かかる含フッ素重合体
について、フッ素含量を、アリザリンコンプレクソン法
を用いて測定したところ、51.7%であった。さら
に、かかる含フッ素重合体について、水酸基価を、無水
酢酸を用いたアセチル化法により測定したところ、10
2mgKOH/gであった。
【0058】低屈折率膜用硬化性組成物の調製 攪拌機付の容器内に、で得られた水酸基を有する含フ
ッ素共重合体100gと、サイメル303(三井サイテ
ック(株)製、アルコキシ化メチルメラミン化合物)1
1.1gと、メチルイソブチルケトン(以下、MIBK
と称する。)3,736gとをそれぞれ添加し、110
℃、5時間の条件で攪拌し、水酸基を有する含フッ素共
重合体とサイメル303とを反応させた。次いで、キャ
タリスト4040(三井サイテック(株)製、固形分濃
度40重量%)11.1gをさらに添加し、10分間攪
拌して、粘度1mPa・s(測定温度25℃)の低屈折
率膜用硬化性組成物(以下、塗布液Aと称する場合があ
る。)を得た。
【0059】なお、得られた低屈折率膜用硬化性組成物
から得られる低屈折率膜の屈折率を測定した。すなわ
ち、低屈折率膜用硬化性組成物を、ワイヤーバーコータ
(#3)を用いて、シリコンウエファ(膜厚1μm)上
に塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形成した。次
いで、熱風乾燥器中において、140℃、1分間の条件
で塗膜を加熱硬化させ、0.3μmの膜厚の低屈折率膜
を形成した。得られた低屈折率膜におけるNa−D線の
屈折率を、測定温度25℃の条件で、分光エリプソメー
ターを用いて測定した。その結果、屈折率は1.40で
あった。なお、膜厚の評価は断面切片の透過型電子顕微
鏡での観察より求め、界面が平坦でない塗膜の膜厚はJ
IS B0601で規定される粗さ曲線での測定長1μ
mとして求めた平均線間の距離で定義した。
【0060】(2)高屈折率膜用硬化性組成物の調製 反応性アルコキシシランの製造 容器内のメルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8
gと、ジブチルスズジラウレート0.2gとからなる溶
液に対し、イソホロンジイソシアネート20.6gを、
乾燥空気中、50℃、1時間の条件で滴下した後、60
℃、3時間の条件で、さらに攪拌した。これにペンタエ
リスリトールトリアクリレート71.4gを、30℃、
1時間の条件で滴下した後、60℃、3時間の条件で、
さらに攪拌し、反応液とした。この反応液中の生成物、
すなわち反応性アルコキシシランにおける残存イソシア
ネート量をFT−IRで測定したところ、0.1重量%
以下であり、各反応がほぼ定量的に行われたことを確認
した。また、分子内に、チオウレタン結合と、ウレタン
結合と、アルコキシシリル基と、反応性不飽和結合とを
有することを確認した。
【0061】高屈折率膜用硬化性組成物の調製 攪拌機付きの容器内に、アンチモンドープ酸化錫分散液
(石原テクノ(株)製、SNS−10M、分散溶媒メチ
ルエチルケトン、アンチモンドープ酸化錫含量27.4
重量%、固形分30重量%、動的光散乱法による重量平
均粒子径40nm、数平均粒子径22nm、以下、AT
O微粒子分散液と称する場合がある。)260gと、
で製造した反応性アルコキシシラン25gと、蒸留水
0.3gと、p−ヒドロキシフェニルモノメチルエーテ
ル0.03gとを混合し、65℃で、加熱攪拌した。5
時間後、オルト蟻酸メチルエステル8gを添加し、さら
に1時間加熱した。これに光重合開始剤として、イルガ
キュア907(チバスペシャルティケミカルズ(株)
製)6.1gと、MIBK1,708gとを添加して、
高屈折率膜用硬化性組成物(固形分5重量%、固形分中
のATO微粒子量78重量%、以下、塗布液Bと称する
場合がある。)を得た。なお、得られた高屈折率膜用硬
化性組成物の屈折率および表面粗さ(R2)を、低屈折
率膜用硬化性組成物と同様に測定した。得られた結果を
表1に示す。
【0062】(3)ハードコート層用硬化性組成物の調
製 乾燥空気下、(2)で製造した反応性アルコキシシラ
ン8.7gと、メチルエチルケトン分散シリカゾル(日
産化学工業(株)製、商品名:MEK−ST、平均粒径
22nm、シリカ濃度30重量%)91.3gと、イソ
プロピルアルコール0.2gと、イオン交換水0.1g
とからなる混合液を、80℃、3時間の条件で攪拌後、
オルト蟻酸メチルエステル1.4gを添加し、さらに1
時間同一温度で攪拌した。室温まで冷却後、トリメチロ
ールプロパントリアクリレート(新中村化学工業(株)
製、商品名:NKエステルA−TMPT)21.9g
と、トリメチロ−ルプロパントリオキシエチルアクリレ
−ト(新中村化学工業(株)製、商品名NKエステルA
−TMPT−3EO)10.95gと、1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン(チバスペシャルティケ
ミカルズ(株)製、商品名:イルガキュア184)3.
27gを混合して、ハードコート層用硬化性組成物(以
下、塗布液Cと記載する場合がある。)を調製した。
【0063】(4)構造体(反射防止膜積層体)の作製 得られた塗布液Cを、ワイヤーバーコータ(#20)を
用いて、ポリエステルフィルムA4300(東洋紡績
(株)製、膜厚188μm、)上に塗工し、オーブン
中、80℃、1分間の条件で乾燥し、塗膜を形成した。
次いで、大気中、メタルハライドランプを用いて、0.
3J/cm2の光照射条件で塗膜を紫外線硬化させ、膜
厚10μmのハードコート層を形成した。次いで、得ら
れた塗布液Bを、ワイヤーバーコータ(#12)を用い
て、ハードコート層上に塗工し、オーブン中、80℃、
1分間の条件で乾燥し、塗膜を形成した。次いで、大気
中、メタルハライドランプを用いて、0.3J/cm2
の光照射条件で塗膜を紫外線硬化させ、膜厚0.1μm
の高屈折率膜を形成した。さらに、得られた塗布液A
を、高屈折率膜上に、ワイヤーバーコータ(#3)を用
いて塗工し、室温で5分間風乾して、塗膜を形成した。
この塗膜を、オーブンを用いて140℃、1分の条件で
加熱し、膜厚0.1μmの低屈折率膜を形成し、反射防
止膜積層体を得た。
【0064】(5)表面粗さ(Rz)の測定 低屈折率膜(表面層)、高屈折率膜(中間層)およびハ
ードコート層における表面粗さ(Rz)を、JIS B
0601に準拠して測定し、それぞれR1、R2、R3
とした。すなわち、構造体フィルムの断面切片を透過型
電子顕微鏡での観察より求め、測定長1μmでの各層に
おける表面粗さR1、R2、R3として求めた。また、
Rzに面内での方向性が有る場合は、水平面のx軸方向
のRzxとy軸方向のRzyの平均をそれぞれR1、R
2、R3として定義した。得られた結果を表1に示す。
【0065】(6)反射防止膜積層体の評価 得られた反射防止膜積層体における耐擦傷性を以下の基
準で評価した。また、得られた反射防止膜積層体におけ
る耐擦傷性、反射率、濁度(ヘイズ値)、全光線透過率
および可撓性を下記に示す測定法により測定した。
【0066】耐擦傷性 得られた反射防止膜積層体の表面を#0000スチール
ウールにより、荷重200g/cm2の条件で30回こ
すり、反射防止膜積層体の耐擦傷性を以下の基準から目
視にて評価した。得られた結果を表1に示す。 評価5:傷の発生が全く観察されなかった。 評価4:1〜5本の傷の発生が観察された。 評価3:6〜50本の傷の発生が観察された。 評価2:51〜100本の傷の発生が観察された。 評価1:塗膜剥離が観察された。 なお、評価3以上の耐擦傷性であれば、実用上許容範囲
であり、評価4以上の耐擦傷性であれば実用上の耐久性
が優れていることから好ましく、評価5の耐擦傷性であ
れば、実用上の耐久性が著しく向上することからさらに
好ましいといえる。
【0067】反射率 得られた反射防止膜積層体における反射率(測定波長域
における最低反射率)を、分光反射率測定装置(大型試
料室積分球付属装置150−09090を組み込んだ分
光光度計U−3410、日立製作所(株)製)により、
JIS K7105(測定法A)に準拠して、波長34
0〜700nmの範囲で測定した。すなわち、アルミの
蒸着膜における反射率を基準(100%)として、各波
長における反射防止膜積層体(反射防止膜)における最
低反射率を測定した。得られた結果を表1に示す。
【0068】濁度(ヘイズ値)および全光線透過率 得られた反射防止膜積層体につき、カラーヘイズメータ
ー(スガ試験機(株)製)を用いて、JIS K710
5に準拠してヘイズ値および全光線透過率を測定した。
得られた結果を表1に示す。
【0069】可撓性 得られた反射防止膜積層体を、直径25mmのアルミ棒
に巻きつけて、反射防止膜積層体に発生するクラックの
有無を、以下の基準により、目視で判定した。得られた
結果を表1に示す。 ○:クラックが全く発生しない。 △:クラックが1〜2本発生した。 ×:クラックが3本以上発生した。
【0070】[実施例2〜4および比較例1〜2]実施
例2〜4および比較例1〜2では、ハードコート層の厚
さの影響を検討した。すなわち、表1に示すように、実
施例1におけるハードコート層の厚さを10μmから、
1μm(実施例2)、3μm(実施例3)、および5μ
m(実施例4)にそれぞれ変更した反射防止膜積層体に
ついて、耐擦傷性等の評価を行った。一方、比較例1で
は、表1に示すように、ハードコート層の厚さを0.0
5μmと本発明の下限以下の値とし、比較例2では、同
様にハードコート層の厚さを60μmと本発明の上限を
超える値とした以外は、実施例1と同様の反射防止膜積
層体を作製して、耐擦傷性等の評価を行った。得られた
結果を表1に示す。
【0071】
【表1】
【0072】[実施例5〜7および比較例3]実施例5
〜7では、ハードコート層に添加するシリカ粒子の数平
均粒子径の影響を検討した。すなわち、表2に示すよう
に、実施例1におけるハードコート層に添加するシリカ
粒子の数平均粒子径を22nmから、100nm(実施
例5)、200nm(実施例6)、および300nm
(実施例7)にそれぞれ変更して構成した反射防止膜積
層体について、耐擦傷性等の評価を行った。一方、比較
例3では、表2に示すように、ハードコート層に添加す
るシリカ粒子の数平均粒子径を1,000nmと本発明
の上限を超える値とした以外は、実施例1と同様の反射
防止膜積層体を作製して、耐擦傷性等の評価を行った。
得られた結果を表2に示す。
【0073】
【表2】
【0074】[実施例8〜10]実施例8〜10では、
ハードコート層に添加するシリカ粒子に対する表面処理
の影響を検討した。すなわち、表3に示すように、実施
例1におけるハードコート層に添加したアクリル変性し
たシリカ粒子を、ジメチルジメトキシシラン(東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:AY−4
3−004)で表面処理したシリカ粒子(実施例8)、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(東レ・
ダウコーニング・シリコーン(株)製、商品名:SH6
040)で表面処理したシリカ粒子(実施例9)、およ
び表面処理を施していないシリカ粒子(実施例10)に
それぞれ変更して構成した反射防止膜積層体について、
耐擦傷性等の評価を行った。得られた結果を表3に示
す。
【0075】
【表3】
【0076】[実施例11〜13]実施例11〜13で
は、ハードコート層に添加するシリカ粒子の添加量およ
び硬度の関係を検討した。すなわち、表4に示すよう
に、実施例1におけるハードコート層に添加するシリカ
粒子の添加量を、37重量%から、19重量%(実施例
11)、56重量%(実施例12)、および66重量%
(実施例13)にそれぞれ変更して構成した反射防止膜
積層体について、耐擦傷性や硬度等の評価を行った。得
られた結果を表4に示す。
【0077】
【表4】
【0078】[実施例14〜16]実施例14〜16で
は、ハードコート層を構成する紫外線硬化樹脂に含まれ
るアクリル酸エステルの種類の影響を検討した。すなわ
ち、表5に示すように、実施例1で使用したアクリル酸
エステルとしてのトリメチロールプロパントリアクリレ
ート(TMPTAと略する。)およびトリメチロールプ
ロパントリオキシエチルアクリレート(EO−TMPT
Aと略する。)を、TMPTA単独(実施例14)、ジ
ペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPAと
略する。)(実施例15)、およびペンタエリスリトー
ルトリアクリレート(PETAと略する。)(実施例1
6)にそれぞれ変更して構成した反射防止膜積層体につ
いて、耐擦傷性等の評価を行った。得られた結果を表5
に示す。
【0079】
【表5】
【0080】
【発明の効果】本発明の構造体によれば、基材上に、特
定の(A)ハードコート層と、(B)中間層と、(C)
表面層とを含み、(A)〜(C)層の構成内容を考慮す
るとともに、(B)層における表面粗さの値を考慮する
ことにより、簡易な構造でありながら、耐擦傷性や透明
性に優れた構造体を提供することができるようになっ
た。したがって、屈折率を低下させるために表面層にフ
ッ素化合物や、ケイ素化合物の耐擦傷性に乏しい樹脂を
使用したとしても、本発明により、透明性を損なうこと
なく、優れた耐擦傷性を示す構造体を提供することがで
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の反射防止膜積層体例の断面図である。
【図2】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その1)。
【図3】本発明の反射防止膜積層体の断面写真である
(その2)。
【符号の説明】
12 基材 13 高屈折率膜の侵入部分 18 ハードコート層 20 高屈折率膜(中間層) 22 低屈折率膜(表面層) 24 反射防止膜積層体
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 5/00 C09D 5/00 Z 7/12 7/12 201/00 201/00 G02B 1/11 G02B 1/10 A 1/10 Z Fターム(参考) 2K009 AA02 AA15 BB24 CC03 CC09 CC24 CC26 DD02 4F100 AA17B AA28 AA29 AA33 AB11C AH05A AH06A AK02C AK17 AK17J AK21 AK21J AK25C AK41 AK51 AK51J AK52 AK52J AL01 AL06C AT00D BA03 BA07 BA10A BA10C BA10D DD07B DE01B DE01C EJ54C GB41 JA20 JB14C JK09 JK12C JM02A JM02B JM02C JN01 JN18A JN18B 4J037 AA18 CC16 CC26 CC28 DD05 EE02 EE11 FF17 FF18 4J038 FA121 HA446 KA08 KA14 KA20 MA14 NA01 NA05 NA10 NA11 NA14 NA19 NA21 PA17

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(A)〜(C)層を積層してなる構
    造体。 (A)数平均粒子径5〜300nmのシリカ粒子を含有
    する膜厚1〜30μmのハードコート層 (B)数平均粒子径5〜300nmの無機酸化物粒子を
    含有する膜厚0.05〜0.5μmの中間層であって、
    表面粗さRz(JIS B0601に準拠)が0.01
    〜2μmである中間層 (C)フッ素化合物およびケイ素化合物、あるいはいず
    れか一方の化合物を含有する膜厚0.05〜0.5μm
    の表面層
  2. 【請求項2】 前記ハードコート層(A)に含まれるシ
    リカ粒子の含有量を5〜70重量%の範囲内の値とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の構造体。
  3. 【請求項3】 前記ハードコート層(A)に含まれるシ
    リカ粒子が、重合性不飽和基を有する有機化合物と結合
    した反応性シリカ粒子であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の構造体。
  4. 【請求項4】 前記ハードコート層(A)が、トリメチ
    ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
    ールプロパントリオキシエチル(メタ)アクリレート、
    ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、
    ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートから
    なる群から選択される少なくとも一つの多官能(メタ)
    アクリレートを含む紫外線硬化樹脂の硬化物であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の構造
    体。
  5. 【請求項5】 前記ハードコート層(A)の硬度(JI
    S K5400準拠)がポリエチレンテレフタレート
    (PET)基材上でH以上であることを特徴とする請求
    項1〜4のいずれか一項に記載の構造体。
  6. 【請求項6】 表面抵抗値を1×103〜1×1012
    Ω/□の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜
    5のいずれか一項に記載の構造体。
  7. 【請求項7】 波長400〜800nmの反射率が2.
    0%以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれ
    か一項に記載の構造体。
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