JP2018055056A - 防眩性反射防止ハードコートフィルム、画像表示装置、防眩性反射防止ハードコートフィルムの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】防眩性反射防止ハードコートフィルムは、透明なフィルム状の基材10と;基材10の片面側に、基材10側から一層の防眩層12と一層の反射防止層11と;をこの順に備える。防眩層の厚みは3〜15μmであり、反射防止層の厚みは50nm〜150nmである。防眩層は活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化物であり、樹脂組成物は体積平均粒子径0.3〜0.9μmのシリカ粒子を含有する。
【選択図】図1
Description
一方で反射防止処理は、反射防止層の表面反射光と、反射防止層の下層との界面反射光との干渉により、反射光を弱める処理である。入射光の反射が抑えられることで、コントラスト、光の透過率や画像表示装置の視認性等が向上する。
なお、画像表示装置の表示面は、より高度な耐擦傷性、耐摩耗性、高硬度性を有することが好ましい。
防眩性反射防止ハードコートフィルムはこれらの防眩処理と反射防止処理を組み合わせたものであり、防眩層単独の場合に比べて画像の視認性やコントラストが向上する。また、反射防止層単独の場合に比べて外光等の映り込みを抑制できる。
このようにして形成した防眩層の上に低い屈折率の樹脂あるいは無機化合物の超薄膜(厚さ数十〜数百nm)を一層あるいは複数層積層することにより、防眩性反射防止ハードコートフィルムは作製される。
そこで本発明は、高詳細な画像表示装置であっても映り込み防止とギラつき防止を両立させ、表示画質を低下させることなく、優れた防眩性および反射防止性を付与することができ、各種ディスプレイに使用した際に視認性が良好で、さらに表面保護用フィルムとしても利用可能な防眩性反射防止ハードコートフィルムを提供することを目的とするものである。
このように構成すると、防眩層に含まれたシリカ粒子により入射光を拡散させ、ギラつきを抑制しつつ映り込みを低減することができる。さらに、反射防止層の表面反射光と、反射防止層の下層の界面反射光との干渉により、反射光を弱めて眩しさを低減することができる。さらに、防眩層が硬化性樹脂で形成されるため、防眩層がハードコート層として機能することができる。
このように構成すると、好適な粒子形状と粒子濃度により適した表面粗さを防眩性反射防止ハードコートフィルムに付与することができる。また、好適な視感反射率により外光等の映り込みや眩しさを抑制することができる。さらに、好適なヘーズにより映り込み、表示画像のぼやけを抑制することができる。
このように構成すると、防眩層に反射防止層が追従することにより、膜厚のばらつきによる干渉ムラを抑えるとともに反射防止効果を高めることができる。また、算術平均粗さが小さすぎて映り込みが抑制できないということや、算術平均粗さが大きすぎてギラつきが抑制できないということがない。
このように構成すると、好適な反射防止層の屈折率により、反射防止層として良好な反射防止膜を形成することができる。また、フッ素系樹脂からなることにより、表面のすべりを良くして防眩性反射防止ハードコートフィルムの傷つき防止性を高めることができる。さらに体積平均粒子径5〜70nmの金属酸化物微粒子であって重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させた金属酸化物微粒子を含有することにより、フッ素樹脂の低い膜強度を補い、耐擦傷性に優れた反射防止層を得ることができる。
このように構成すると、防眩性反射防止ハードコートフィルムの印刷性を向上させ、意匠を付与することができる。
このように構成すると、防眩性反射防止ハードコートフィルムの粘着性を向上させ、使用時の利便性を高めることができる。
このように構成すると、画像表示装置は、ギラつき、映り込み、反射を抑制し、かつハードコート性を兼ね備えたフィルムを有する。よって、画面の視認性と傷つき防止性を向上させることができる。
このように構成すると、防眩性反射防止ハードコートフィルムの防汚性を向上させることができる。
本発明において、塗布液は、硬化性樹脂を含み、硬化性樹脂のみであっても、硬化性樹脂と溶媒との混合物であってもよい。
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る防眩性反射防止ハードコートフィルム1(以下、フィルム1と表記することもある)について説明する。なお、図1は多層に構成されたフィルム1の層構成を説明するものであり、各層の厚みは誇張されている。防眩性反射防止ハードコートフィルム1は、透明なフィルム状の基材10と、反射防止層11、防眩層12を備える。図1に示すように、透明なフィルム状の基材10の一方の面(図1では基材10の上側)に、防眩層12、反射防止層11の順に積層される。
反射防止層は、図4(b)に示すように、反射防止層の表面反射光と下層(図4(b)では基材)の界面反射光との干渉により、反射光を弱めて眩しさを低減させる機能を持つ。
本願の防眩性反射防止ハードコートフィルムは、防眩層と反射防止層の組み合わせにより、ギラつき、映り込み、反射を抑制すると同時に、ハードコート性をも有する。
基材10には、透明性を有するフィルム状の各種のプラスチックやガラスを用いることができる。透明性を有するプラスチックフィルムの材料としては、例えば、ポリエステル系樹脂、アセテート系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ノルボルネン系樹脂等の樹脂が挙げられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート(PC)、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)や、PMMA/PC積層フィルム等が好ましい。なお、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートは、機械的強度、寸法安定性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等、およびフィルム表面の平滑性やハンドリング性に優れているためより好ましい。ポリカーボネートは、透明性、耐衝撃性、耐熱性、寸法安定性、燃焼性に優れているためより好ましい。トリアセチルセルロースは光学異方性が小さいためより好ましい。価格・入手の容易さをも考慮すると、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
防眩層12は、図1に示すように、透明なフィルム状の基材10上に、微粒子および硬化性樹脂を含む樹脂組成物の塗布液を塗布し、得られた塗膜を硬化させることで形成される。防眩層12の積層には、塗布液を均一にコーティングするウェットコーティング法を用いることが好ましい。ウェットコーティング法としては、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法等を用いることができる。
ウェットコーティング法を用いることにより、毎分数十メートルのライン速度(例えば約20m/分)かつ大面積で積層できるため、大量に製造でき、生産効率を上げることができる。
シリカ粒子の体積平均粒子径は、0.3〜0.9μmが好ましく、塗膜の透明性を考慮すると、0.4〜0.7μmが好ましい。体積平均粒子径が0.3μm以上であると入射光を十分に拡散でき、0.9μm以下であるとギラつき(チラつき)を十分に抑制できる。なお、微粒子の体積平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950V2、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。材料メーカーから提供される体積平均粒子径情報を利用することも可能であり、粒子径値の多少の違いは機械差として許容すべきものである。
シリカ粒子の形状は、球状、中空状、多孔質状、棒状(アスペクト比が1を超えて10以下の形状を言う)、板状、繊維状、または不定形状があり、不定形状のシリカ粒子が好ましい。不定形の粒子を用いると、塗膜表面に効果的に凹凸を付与できる。
防眩層12の屈折率は、1.45〜1.58であり、好ましくは1.48〜1.52である。屈折率が1.45以上であると、後述の反射防止層11との屈折率差が小さくなりすぎず、十分に反射・映り込みを防止できる。一方で、屈折率が1.58以下であると、アクリル樹脂等をベースとして防眩層を形成することができ、十分な硬度を確保できる。
反射防止層11は、図1に示すように、防眩層12上に、硬化性樹脂を含む樹脂組成物の塗布液を塗布し、得られた塗膜を硬化させることで形成される。反射防止層11に用いる硬化性樹脂の種類、硬化性樹脂の積層方法、硬化処理方法は、防眩層12について記載した硬化性樹脂の種類、積層方法、硬化方法を用いることができる。なお、反射防止層11と防眩層12に用いる硬化性樹脂の種類は、同一でもよく、異なってもよい。同一の硬化性樹脂を用いると、同一の材料を使用できるため、生産性を向上させることができる。異なる硬化性樹脂を用いると、選択可能な屈折率の幅が広がり、屈折率の調整が容易になる。特に反射防止層の場合には、中空シリカを分散させる、フッ素系樹脂を用いる等の手段で屈折率を小さくすることが好ましい。
(A)重合性基を有する有機化合物を結合させた金属酸化物微粒子
(B)重合性基を有する含フッ素重合体およびモノマー
(C)(メタ)アクリル系モノマー
(D)光重合開始剤
(E)溶媒
この光硬化性低屈折率樹脂組成物は、市販品を購入して使用してもよく、上記(A)〜(E)の成分を混合して使用してもよい。市販品としてはTU−2361、TU−2360(いずれもJSR(株)製)が利用できる。
重合性基を有する含フッ素重合体およびモノマー(B)としては、ディフェンサOP−3803(DIC(株)製)、低屈折率フッ素モノマーLINC−202UA、LINC−152EPA(いずれも共栄社化学(株)製)などが利用できる。
(C)(メタ)アクリル系モノマー、(D)光重合開始剤、(E)溶媒としては、防眩層作製時に用いるものと同様のものが利用できる。
金属酸化物微粒子(A1)の体積平均粒子径は、5nm〜70nmが好ましく、硬化後の厚みを考慮すると、30nm〜60nmが好ましい。
金属酸化物微粒子(A1)の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状(アスペクト比が1を超えて10以下の形状を言う)、板状、繊維状、または不定形状であり、好ましくは塗膜強度を付与できる球状、不定形状、棒状、屈折率を小さくできる中空状である。
防眩性反射防止ハードコートフィルムは、380nm〜780nmの波長領域における視感反射率が2.0%以下で有ることが好ましく、より好ましくは1.2%以下である。この範囲であると、映り込みや外光の眩しさをより抑制できる。
さらに、防眩性反射防止ハードコートフィルムのヘーズは、2%〜20%であることが好ましく、より好ましくは3%〜10%である。2%以上であると、映り込みをより抑制できる。20%以下であると、表示画像がぼやけるのを防ぐことができる。
図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る画像表示装置2について説明する。画像表示装置2は、本発明に係る防眩性反射防止ハードコートフィルム1と、機械的処理により映し出された像を表示する画像パネル14とを備える。画像パネル14には、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等を挙げることができる。図2に示すように、画像パネル14上に、反射防止層11(図1参照)が上側になるように防眩性反射防止ハードコートフィルム1が載置される。
なお、図2では、ディスプレイの窓枠13を誇張しているため、画像表示装置2の中央部分、すなわち防眩性反射防止ハードコートフィルム1と画像パネル14の間に空間があるが、実際には防眩性反射防止ハードコートフィルム1は画像パネル14上に密着して載置される。
図3を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る防眩性反射防止ハードコートフィルムの製造方法について説明する。まず、透明なフィルム状の基材10の一方の面にウェットコーティング法を用いて塗布液を塗布し、溶媒が含まれている場合には、該塗布液を乾燥させた後、得られた塗膜を硬化させることにより、防眩層12を積層する(S01)。次に、防眩層12の基材10側とは反対側の面にウェットコーティング法を用いて塗布液を塗布し、溶媒が含まれている場合には、該塗布液を乾燥させた後、得られた塗膜を硬化させることにより、反射防止層11を積層する(S02)。なお、反射防止層11を硬化させる際は、窒素パージにより酸素濃度を5%以下にすることが好ましい。酸素濃度が5%以下であると、フッ素系樹脂を用いた場合に優れた防汚性を付与することができる。
また、防眩性反射防止ハードコートフィルムの製造方法は、反射防止層11の膜厚を所望の膜厚とするために、塗布液中の樹脂の濃度等を調整する工程、防眩層12のヘーズを所望のヘーズとするために、無機酸化物の種類や量を調整する工程をさらに備えてもよい。
微粒子の粒子径はレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−950V2、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。調製後の塗布液をプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈して測定を行い、体積平均粒子径と、粒子径分布を得た。微粒子メーカー提供の体積平均粒子径と、粒子径分布がある場合にはその値を用いた。なお、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置では、粒子の形状が球状ではない場合、粒子径は被測定粒子と同等の光散乱特性を持つ、球状粒子の粒子径として決定される。
粒子形状は走査型電子顕微鏡(SEM)(SU−70、(株)日立ハイテクノロジーズ製)によって確認した。なお、電子線による試料の帯電を防ぐため、SEM観察前に試料を白金スパッタ膜によって被覆し、表面に導電性を付与した。
反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子(株)製)により波長380nm〜780nmの範囲の絶対鏡面反射率スペクトルを測定し、以下の式に基づいて視感反射率(刺激値Y)を計算した。
反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子(株)製)により絶対反射率スペクトルを測定した。絶対反射率の実測値と理論式を用い、膜厚をフィッティングパラメータとして、最小二乗法により膜厚を決定した。
ガラス基板上にスピンコートによって薄膜を作製し、オーブンで乾燥後、紫外線を照射して屈折率測定用の硬化膜を得た。表面粗さ測定装置(アルファステップIQ、KLA Tencor(株)製)により硬化膜の厚さを測定した。さらに反射分光膜厚計(FE−3000、大塚電子(株)製)により硬化膜の絶対反射率スペクトルを測定した。絶対反射率の実測値と理論式を用い、膜厚測定時とは逆に、屈折率をフィッティングパラメータとして、最小二乗法により屈折率を決定した。屈折率には光の波長依存性があるが、589nmの値を用いた。
JIS K 7361−1の規格に準拠し、ヘーズメーター(NDH−5000SP、日本電色工業(株)製)を用いて、全光線透過率を測定した。
JIS K 7136の規格に準拠し、ヘーズメーター(NDH−5000SP、日本電色工業(株)製)を用いて、ヘーズを測定した。
JIS Z 8741の規格に準拠し、グロスメーター(VG−7000、日本電色工業(株)製)を用いて、入射角60°におけるグロスを測定した。なお、フィルムの防眩層および反射防止層を形成した面とは反対側(フィルム裏面)からの測定光の反射を防ぐため、フィルム裏面に黒色PETフィルム(NE−B50S+、日栄化工(株)製)を貼り付けた上で測定を行った。
防眩性反射防止ハードコートフィルムを、液晶ディスプレイ(264ppi、iPad(登録商標)第3世代、A1416)と密着させ、ギラつき(チラつき)を目視で比較した。結果は以下の通りに判定を行った。
◎:ギラつきはほとんどない。
○:ギラつきはよく見るとあるが気にならない。
△:ギラつきがあり、画面の視認性を少し低下させている。
×:ギラつきがあり、画面の視認性を大きく低下させている。
フィルムの防眩層および反射防止層を形成した面とは反対側(フィルム裏面)からの測定光の反射を防ぐため、フィルム裏面には黒色PETフィルム(NE−B50S+、日栄化工(株)製)を貼り付けた。そしてフィルムにカールが発生しないようにガラス板に貼り付け、鏡のように自分の顔を映り込ませて映り込みを目視で比較した。結果は以下の通りに判定を行った。
◎:顔の輪郭はわからない。
○:顔の輪郭はぼやけている。
△:顔の輪郭が良く見ると確認できる。
×:顔の輪郭がはっきりと確認できる。
フィルムの防眩層および反射防止層を形成した面とは反対側(フィルム裏面)からの測定光の反射を防ぐため、フィルム裏面には黒色PETフィルム(NE−B50S+、日栄化工(株)製)を貼り付けた。そしてフィルムにカールが発生しないようにガラス板に貼り付け、蛍光灯を映り込ませてまぶしさを目視で比較した。結果は以下の4段階に分けて判定を行った。
◎:蛍光灯がまぶしくない。
○:蛍光灯が少しまぶしく感じる。
△:蛍光灯がまぶしく感じる。
×:蛍光灯がとてもまぶしく感じる。
フィルムの防眩層および反射防止層を形成した面とは反対側(フィルム裏面)からの測定光の反射を防ぐため、フィルム裏面には黒色PETフィルム(NE−B50S+、日栄化工(株)製)を貼り付けた。そしてフィルムにカールが発生しないようにガラス板に貼り付けた。フィルムを通して見た黒色PETフィルムの黒さと、フィルムを通さないで見た黒色PETフィルムの黒さを目視で比較した。結果は以下の4段階に分けて判定を行った。
◎:フィルムを通した場合と通さない場合で黒色PETフィルムの黒さは同等である。
○:フィルムを通すと、通さない場合より黒色PETフィルムが若干白めに感じる。
△:フィルムを通すと、通さない場合より黒色PETフィルムが白く感じる。
×:フィルムを通すと、通さない場合より黒色PETフィルムがとても白く感じる。
JIS K 5600−5−4の規格に準拠し(荷重750g)、ひっかき硬度(鉛筆法)試験器(KT―VF2380、コーテック(株)製)を用いて鉛筆硬度を測定した。
JIS B 0651の規格に準拠し、表面粗さ測定装置(アルファステップIQ、KLA Tencor(株)製)を用いて算術平均粗さRaを測定した。
光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物:30.5重量%、光重合開始剤:1.6重量%、シリカ微粒子:8.5重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:59.4重量%を混合し、ディスパーで攪拌後、ビーズミルでシリカ微粒子の分散を行い、フィルターでろ過して光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物中のシリカ微粒子の体積平均粒子径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した。シリカ微粒子の体積平均粒子径は0.6μmだった。薄膜作製後、SEMにより粒子形状を確認すると、光硬化性樹脂組成物Aに含まれるシリカ粒子は不定形であった。
光硬化性樹脂組成物(塗布液)Aに、さらに光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物、光重合開始剤、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えることによってシリカ微粒子の濃度を低下させた。光硬化性樹脂組成物(塗布液)Bの組成については表1に示した。
光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物:32.6重量%、光重合開始剤:1.6重量%、シリカ微粒子:6.2重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:59.6重量%を混合し、ディスパーで攪拌後、ビーズミルでシリカ微粒子の分散を行い、フィルターでろ過して光硬化性樹脂組成物を得た。得られた光硬化性樹脂組成物中のシリカ微粒子の体積平均粒子径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定した。シリカ微粒子の体積平均粒子径は1.2μmだった。薄膜作製後、SEMにより粒子形状を確認すると、光硬化性樹脂組成物Cに含まれるシリカ粒子は不定形であった。
光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物:31.7重量%、光重合開始剤:1.6重量%、真球状シリカ微粒子(アドマファインSC2500−SMJ、体積平均粒子径0.5μm、アドマテックス(株)製):5.6重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:61.1重量%を混合し、ディスパーで攪拌して光硬化性樹脂組成物Dを得た。薄膜作製後、SEMにより粒子形状を確認すると、光硬化性樹脂組成物Dに含まれるシリカ粒子は球状であった。
光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物:31.7重量%、光重合開始剤:1.6重量%、アクリル樹脂微粒子(ENEOSユニパウダー サブミクロングレード、体積平均粒子径0.5μm、JXエネルギー(株)製):5.6重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:61.1重量%を混合し、ディスパーで攪拌して光硬化性樹脂組成物Eを得た。薄膜作製後、SEMにより粒子形状を確認すると、光硬化性樹脂組成物Eに含まれるシリカ粒子は球状であった。
光重合性を有するアクリル酸エステルオリゴマーおよびモノマーの混合物:33.4重量%、光重合開始剤:1.6重量%、プロピレングリコールモノメチルエーテル:65重量%を混合し、ディスパーで攪拌して光硬化性樹脂組成物Fを得た。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体、重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させた金属酸化物微粒子、(メタ)アクリルモノマー、光重合開始剤および溶媒等の混合物である光硬化性低屈折率樹脂組成物(TU−2361、JSR(株)製)25重量%を溶媒75重量%で希釈して、これを光硬化性低屈折率樹脂組成物(塗布液)Gとした。金属酸化物微粒子(シリカ)の体積平均粒子径をレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定したところ、47nmであった。
・透光性基材
透光性基材として、両面に易接着加工された厚さ125μmポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(テトロンKEL86W、帝人デュポンフィルム(株)製)を用いた。
前記基材上にバーコーターを用いて、光硬化性樹脂組成物(塗布液)Aを乾燥後の平均膜厚が4〜5μmになるように塗布した後、温度85℃のオーブンで2分間乾燥した。その後、高圧水銀ランプを用いて、照射量300mJ/cm2で光硬化を行い、防眩層を形成した。
100nmを超えるような粒子径の微粒子を含む層の屈折率を本明細書に記載した方法で測定するのは難しい。589nmにおける防眩層の樹脂のみの屈折率は1.52であり、シリカ微粒子の屈折率は1.46、アクリル樹脂微粒子の屈折率は1.49であるため、今回形成した防眩層の見かけの屈折率は1.46〜1.52の間にあると考えられる。
前記基材の防眩層を形成した面に、バーコーターを用いて光硬化性低屈折率樹脂組成物(塗布液)Gを乾燥後の平均膜厚が90〜100nmになるように塗布した後、温度85℃のオーブンで1分間乾燥した。その後、窒素雰囲気下で高圧水銀ランプを用いて照射量300mJ/cm2で光硬化を行い、反射防止層を形成した。反射防止層の589nmにおける屈折率は1.35であった。
反射防止層を形成しなかった以外は実施例1と同様にして防眩フィルムを作製した。
防眩層の形成時に乾燥後の平均膜厚が1〜2μmとなるように塗工したこと以外は実施例1と同様にして防眩性反射防止ハードコートフィルムを得た。
防眩層形成時に光硬化性樹脂組成物(塗布液)Bを用いた以外は実施例1と同様に防眩層および反射防止層を形成した。
反射防止層を形成しなかった以外は実施例2と同様にして防眩フィルムを作製した。
防眩層形成時に光硬化性樹脂組成物(塗布液)Cを用いた以外は実施例1と同様に防眩層および反射防止層を形成した。
防眩層形成時に光硬化性樹脂組成物(塗布液)Dを用いた以外は実施例1と同様に防眩層および反射防止層を形成した。
防眩層形成時に光硬化性樹脂組成物(塗布液)Eを用いた以外は実施例1と同様に防眩層および反射防止層を形成した。
防眩層形成時に光硬化性樹脂組成物(塗布液)Fを用いた以外は実施例1と同様に防眩層および反射防止層を形成した。
2 画像表示装置
10 基材
11 反射防止層
12 防眩層
13 窓枠
14 画像パネル
Claims (8)
- 透明なフィルム状の基材と;
前記基材の片面側に、前記基材側から一層の防眩層と一層の反射防止層と;をこの順に備え、
前記防眩層の厚みが、3〜15μmであり、
前記反射防止層の厚みが、50〜150nmであり、
前記防眩層が、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物を硬化した硬化物であり、
前記樹脂組成物が、体積平均粒子径0.3〜0.9μmのシリカ粒子を含有する、
防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 前記シリカ粒子が、不定形シリカ粒子であり、前記防眩層中に10重量%〜50重量%含まれ、
ヘーズが、2%〜20%であり、
380nm〜780nmの波長領域における視感反射率が、2.0%以下である、
請求項1に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 前記防眩層形成後の表面の算術平均粗さが、0.02〜0.1μmであり、
前記反射防止層形成後の表面の算術平均粗さが、0.02〜0.1μmであり、
前記反射防止層形成後の表面の算術平均粗さが、前記防眩層形成後の表面の算術平均粗さの60%以上である、
請求項1または請求項2に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 前記反射防止層が、フッ素系樹脂と、体積平均粒子径5〜70nmの金属酸化物微粒子であって重合性不飽和基を有する有機化合物を結合させた金属酸化物微粒子とを含有し、屈折率が1.25〜1.38である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 前記基材の他方面側に、印刷可能層を;備える、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 前記基材の他方面側に、粘着層を;備える、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルム。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の防眩性反射防止ハードコートフィルムを;表面に備える、
画像表示装置。 - 透明なフィルム状の基材に、防眩層と反射防止層とを積層した、防眩性反射防止ハードコートフィルムの製造方法であって、
透明なフィルム状の基材の一方の面側に、前記防眩層を形成するための、硬化性樹脂を含む塗布液を塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させることにより、前記防眩層を積層する工程と;
前記防眩層に、反射防止層を形成するための、硬化性樹脂を含む塗布液を塗布して塗膜を形成し、前記塗膜を硬化させることにより、反射防止層を積層する工程と;を備え、
前記反射防止層は、酸素濃度5%以下の雰囲気下で、紫外線を照射することにより硬化され、
前記防眩層の厚みが、3〜15μmであり、
前記反射防止層の厚みが、50〜150nmであり、
前記防眩層の塗布液が、活性エネルギー線硬化性樹脂を含む樹脂組成物であり、
前記樹脂組成物が、体積平均粒子径0.3〜0.9μmのシリカ粒子を含有する、
防眩性反射防止ハードコートフィルムの製造方法。
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