JP2019219622A - 光拡散性複層樹脂板 - Google Patents

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Abstract

【課題】白ぼけを抑制しつつ、ギラツキを効果的に抑制することができ、反射防止膜色が自然なニュートラルカラーを有する、反射防止膜を含む光拡散性複層樹脂板を提供する。【解決手段】光拡散性複層樹脂板1は、基体樹脂、及び基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層22、並びに表層22の基体樹脂とは異なる基体樹脂を含む主層21を有する複層共押出樹脂板20Xと、複層共押出樹脂板20Xの表層22上に形成された反射防止膜30とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、光拡散性複層樹脂板に関する。
液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、並びに、かかるフラットパネルディスプレイとタッチパネル(タッチスクリーンとも言う)とを組み合わせたタッチパネルディスプレイは、携帯電話(スマートフォンを含む)、携帯ゲーム機、及びカーナビゲーションシステム等のデジタル情報機器等に使用されている。液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面には、これらからの出射光を適度に散乱及び拡散させ、外光反射による映り込みを低減させるために、光拡散性樹脂板及び光拡散性樹脂フィルム等の光拡散性樹脂部材を取り付けることができる。
光拡散性樹脂板等の光拡散性樹脂部材の従来の製造方法としては、基体樹脂中に光拡散性物質を分散させた樹脂組成物を単層押出成形する方法、及び、光拡散性物質を含まない透明樹脂基材上に光拡散層を成膜または貼合する方法が挙げられる。後者方法において、光拡散層は、層内に光拡散性物質を含む、且つ/又は、表面に微細凹凸形状を有することができる。
特許文献1には、透明基材フィルムの少なくとも一方の面に、屈折率の異なる透光性拡散剤を含有する透光性樹脂からなり、表面に微細凹凸形状を有する光拡散層(防眩層)を積層した光拡散性樹脂フィルム(防眩フィルム)が開示されている(請求項1)。透光性拡散剤は好ましくは、有機系微粒子である(請求項9)。
特許文献2には、透明基板の少なくとも片面に、表面に微細凹凸形状を有する樹脂皮膜層からなる光拡散層が形成された光拡散性シートが開示されている(請求項1)。好ましくは、樹脂皮膜層は微粒子を含有し、且つ樹脂皮膜層の表面凹凸形状が微粒子によって形成される(請求項2)。微粒子は好ましくは、有機系微粒子である(請求項3)。
特開平11−305010号公報 特開2002−267818号公報
一般的に、光拡散性樹脂板等の光拡散性樹脂部材では、光拡散性を高めると、外光の散乱反射により樹脂が白っぽく見える現象(いわゆる白ぼけ)が生じてコントラストが低下する恐れがある。白ぼけを回避するために光拡散性を低めると、光散乱性の低下により外光反射による映り込み及びギラツキ等が生じる恐れがある。また、光拡散層中の光拡散性物質の濃度及び/又は粗面の表面粗さにばらつきがある場合、拡散ムラによってリークスルーと呼ばれる光拡散不足部分が生じ、外光の映り込み及びギラツキ等が生じる恐れがある。白ぼけを抑制しつつ、リークスルーのないよう全体的に光拡散性を高めて、外光反射による映り込み及びギラツキを抑制できることが好ましい。
特許文献1に記載の光拡散性樹脂フィルム(防眩フィルム)では、光拡散層(防眩層)の表面ヘイズ値hsを7<hs<30、内部ヘイズ値hiを1<hi<15と規定している(請求項1)。
特許文献2に記載の光拡散性シートでは、全ヘイズ値と内部ヘイズ値との比(内部ヘイズ値/全ヘイズ値)を0.5以上1未満、全ヘイズ値を35〜50%と規定している(請求項1)。
特許文献1、2では、上記規定により、白ぼけを抑制しつつギラツキ等を低減しようとしている。しかしながら、その効果は充分とは言えず、リークスルー、及びそれによる外光の映り込み及びギラツキを効果的に抑制することはできない。
光拡散性樹脂板等の光拡散性樹脂部材では、表面に反射防止膜を設ける場合がある。単一屈折率、単一厚みの従来一般的な反射防止膜では、反射率スペクトルにおけるボトム波長(反射率ボトム波長)に由来する青紫色及び赤紫色等の色が見られる場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、白ぼけを抑制しつつ、ギラツキを効果的に抑制することができ、反射防止膜色が自然なニュートラルカラーを有する、反射防止膜を含む光拡散性複層樹脂板を提供することを目的とする。
本発明は、以下の[1]〜[4]の光拡散性複層樹脂板を提供する。
[1] 基体樹脂、及び当該基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層、並びに当該表層の前記基体樹脂とは異なる基体樹脂を含む主層を有する複層共押出樹脂板と、
前記複層共押出樹脂板の前記表層上に形成された反射防止膜とを有する、光拡散性複層樹脂板。
[2] 前記主層の前記基体樹脂がポリカーボネート系樹脂である、[1]の光拡散性複層樹脂板。
[3] 前記表層の前記基体樹脂がメタクリル系樹脂である、[1]又は[2]の光拡散性複層樹脂板。
[4] 前記複層共押出樹脂板のヘイズ値(Hi)が12%以上である、[1]〜[3]のいずれかの光拡散性複層樹脂板。
本発明によれば、白ぼけを抑制しつつ、ギラツキを効果的に抑制することができ、反射防止膜色が自然なニュートラルカラーを有する、反射防止膜を含む光拡散性複層樹脂板を提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の光拡散性複層樹脂板の模式断面図である。 本発明に係る第2実施形態の光拡散性複層樹脂板の模式断面図である。 本発明に係る一実施形態の複層共押出樹脂板の製造装置の模式図である。
[光拡散性複層樹脂板]
本発明は、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の前面に配置され、これらからの出射光を適度に散乱及び拡散させ、外光反射による映り込みを低減させる目的で使用される光拡散性複層樹脂板に関する。
本発明の光拡散性複層樹脂板は、
基体樹脂、及びこの基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層、並びにこの表層の基体樹脂とは異なる基体樹脂を含む主層を有する複層共押出樹脂板(以下、単に押出樹脂板とも言う)と、
複層共押出樹脂板の表層上に形成された反射防止膜とを有する。
複層共押出樹脂板は、主層の少なくとも一方の表面上に表層を有することができる。光拡散性物質(光散乱性物質でもある)を含む表層は、内部拡散層である。
主層についても、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を含む内部拡散層であってもよい。
複層共押出樹脂板は、押出成形法で製造されるものであるため、生産性に優れる。
本発明の光拡散性複層樹脂板はさらに、上記の複層共押出樹脂板の表層上に形成された反射防止膜を有する。
図1、図2は、本発明に係る第1、第2実施形態の光拡散性複層樹脂板の模式断面図である。これらの図において、同じ構成要素には同じ参照符号を付してある。
図1に示す第1実施形態の光拡散性複層樹脂板1は、主層21の片面に表層22が積層された複層共押出樹脂板20Xの表層22上に反射防止膜30が形成された構造を有している。
図2に示す第2実施形態の光拡散性複層樹脂板2は、主層21の両面にそれぞれ表層22A、22Bが積層された複層共押出樹脂板20Yの一方の表層22B上に反射防止膜30が形成された構造を有している。表層22Aと表層22Bは、組成と厚みが同一でも非同一でもよい。
光拡散性複層樹脂板1、2において、各層の厚みは適宜設計することができる。光拡散性複層樹脂板1、2は、上記以外の任意の層を有していてもよい。
本発明の光拡散性複層樹脂板では、複層共押出樹脂板に含まれる内部拡散層である表層によって、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面から出射する光を効果的に散乱及び拡散させることができる。
詳細には、液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の表面から外部に向けて直進的に進む比較的高光度の光を、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質(光散乱性物質)を比較的高濃度(具体的には10質量%以上)含む内部拡散層である表層によってリークスルーが生じないよう、多方向に散乱させることができる。
本発明の光拡散性複層樹脂板では、複層共押出樹脂板の表面は鏡面又はそれに近い平坦面であるため、外光の散乱反射により樹脂が白っぽく見える白ぼけを抑制し、コントラストの低下を抑制することができる。
以上の作用効果により、本発明の光拡散性複層樹脂板では、白ぼけを抑制しつつ、リークスルーのないよう全体的に光拡散性を高め、外光反射による映り込み及びギラツキを効果的に抑制することができる。
本発明の光拡散性複層樹脂板はまた、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質(光散乱性物質)を含む内部拡散層である表層上に、反射防止膜を有する。
単一屈折率、単一厚みの従来一般的な反射防止膜では、反射率スペクトルにおけるボトム波長(反射率ボトム波長)に由来する青紫色及び赤紫色等の色が見られる場合がある。本発明では、表層の波長分散効果により光路長が分散することで、反射率スペクトルにおけるボトム波長近傍のスペクトルがブロードとなるため、反射防止膜色を淡白等の自然なニュートラルカラーとすることができる。
(複層共押出樹脂板)
<表層>
表層の基体樹脂としては、透明樹脂であれば特に制限されず、アクリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド;ポリエーテルエーテルケトン;ポリスルホン;ポリフェニレンオキサイド;ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリアセタール等の熱可塑性樹脂が挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。中でも、アクリル系樹脂が好ましい。
表層は、1種以上のメタクリル樹脂(PM)を含むことが好ましい。メタクリル樹脂(PM)は透明性及び耐擦傷性等に優れ、好ましい。メタクリル樹脂(PM)は、好ましくはメタクリル酸メチル(MMA)を含む1種以上のメタクリル酸炭化水素エステル(以下、単にメタクリル酸エステルとも言う)に由来する構造単位を含む単独重合体又は共重合体である。メタクリル酸エステル中の炭化水素基は、メチル基、エチル基、及びプロピル基等の非環状脂肪族炭化水素基であっても、脂環式炭化水素基であっても、フェニル基等の芳香族炭化水素基であってもよい。
透明性の観点から、メタクリル樹脂(PM)中のメタクリル酸エステル単量体単位の含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80質量%以上、特に好ましくは90質量%以上であり、100質量%であってもよい。
メタクリル樹脂(PM)は、メタクリル酸エステル以外の1種以上の他の単量体に由来する構造単位を含んでいてもよい。他の単量体としては、アクリル酸メチル(MA)、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチル、アクリル酸トリフルオロメチル、アクリル酸トリフルオロエチル、アクリル酸ペンタフルオロエチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸アリル、アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸イソボルニル、及びアクリル酸3−ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステルが挙げられる。中でも、入手性の観点から、MA、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、及びアクリル酸tert−ブチル等が好ましく、MA及びアクリル酸エチル等がより好ましく、MAが特に好ましい。メタクリル樹脂(PM)における他の単量体に由来する構造単位の含有量は、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは2質量%以下である。
メタクリル樹脂(PM)は、好ましくはMMAを含む1種以上のメタクリル酸エステル、及び必要に応じて他の単量体を重合することで得られる。複数種の単量体を用いる場合は、通常、複数種の単量体を混合して単量体混合物を調製した後、重合を行う。重合方法としては特に制限されず、生産性の観点から、塊状重合法、懸濁重合法、溶液重合法、及び乳化重合法等のラジカル重合法が好ましい。
メタクリル樹脂(PM)の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは40,000〜500,000である。Mwが40,000以上であることで表層は耐擦傷性及び耐熱性に優れるものとなり、Mwが500,000以下であることで表層は成形性に優れるものとなる。
本明細書において、特に明記しない限り、「Mw」はゲルパーエミーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定される標準ポリスチレン換算値である。
本明細書において、メタクリル樹脂(PM)のガラス転移温度をTg(M)と表す。Tg(M)は特に制限されず、表面性が良好で、残留応力に起因する反りが小さい押出樹脂板を得やすいことから、Tg(M)の下限は、好ましくは110℃、より好ましくは115℃、特に好ましくは120℃、最も好ましくは125℃であり、Tg(M)の上限は、好ましくは160℃、より好ましくは155℃、特に好ましくは150℃である。
表層に含まれる光拡散性物質としては、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有し、基体樹脂と異なる屈折率を有するものであれば特に制限されず、有機又は無機の透明の微粒子(光拡散性微粒子)が好ましい。
屈折率及びアッベ数の調整がしやすいことから、光拡散性物質として好適な有機微粒子としては、メタクリル酸エステル単位と架橋性単量体単位とを含む架橋メタクリル系樹脂、スチレン単位と架橋性単量体単位とを含む架橋ポリスチレン系樹脂、メタクリル酸エステル単位とスチレン単位と架橋性単量体単位とを含む架橋MS樹脂、架橋ポリウレタン系樹脂、架橋メラミン系樹脂、架橋ポリカーボネート系樹脂、及び2,4−ジアミノ−6−フェニル−1,3,5−トリアジン(ベンゾグアナミンとも言う)等の架橋樹脂;シリコーン系樹脂等が挙げられる。
同理由から、光拡散性物質として好適な無機微粒子の材料としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化カドミウム、及び酸化アンチモン等の金属酸化物;炭酸カルシウム等の金属炭酸塩;水酸化アルミニウム等の金属水酸化物等が挙げられる。
光拡散性微粒子は、1種または2種以上用いることができる。
光拡散性微粒子の平均粒子径は特に制限されず、平均粒子径が過小ではレーリー散乱による色つきが生じる恐れがあり、過大では、所望の光拡散性が得られず、ギラツキ等の抑制効果が不充分となる恐れがある。光拡散効果が効果的に得られることから、光拡散性微粒子の平均粒子径は、好ましくは2〜20μm、より好ましくは5〜10μmである。
光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)の屈折率は、基体樹脂との屈折率差が好適な範囲内となるように、設計される。屈折率差が過小では、所望のヘイズを得るために必要な光拡散性物質の量が多くなり、光拡散性物質の凝集欠点が生じる恐れがある。屈折率差が過大では、レーリー散乱による色つきが生じる恐れがある。表層に含まれる基体樹脂と光拡散性物質との屈折率差は、好ましくは0.01〜0.06、より好ましくは0.015〜0.025である。なお、屈折率差が上記範囲内であれば、光拡散性物質の屈折率と基体樹脂の屈折率は、どちらが大きくてもよい。
光拡散効果及びそれによるギラツキ等の抑制効果が効果的に得られることから、光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)のアッベ数は、好ましくは30〜60である。
本明細書において、特に明記しない限り、屈折率及びアッベ数は、[実施例]の項に記載の方法にて求めることができる。
光拡散効果及びそれによるギラツキ等の抑制効果が効果的に得られることから、表層中の光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)の含有量は10質量%以上、好ましくは12質量%以上である。凝集欠点抑制の観点から、表層中の光拡散性物質の含有量は好ましくは40質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
表層は必要に応じて、光拡散性物質以外の各種添加剤を含むことができる。添加剤としては、酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑剤、離型剤、高分子加工助剤、帯電防止剤、難燃剤、染料・顔料、艶消し剤、コアシェル粒子及びブロック共重合体等の耐衝撃性改質剤、及び蛍光体等が挙げられる。添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜設定できる。表層を構成する基体樹脂100質量部に対して、例えば、酸化防止剤の含有量は0.01〜1質量部、紫外線吸収剤の含有量は0.01〜3質量部、光安定剤の含有量は0.01〜3質量部、滑剤の含有量は0.01〜3質量部、染料・顔料の含有量は0.01〜3質量部が好ましい。
メタクリル樹脂(PM)等の基体樹脂に対する光拡散性物質及び必要に応じて添加される他の添加剤の添加タイミングは、基体樹脂の重合時でも重合後でもよい。
加熱溶融成形の安定性の観点から、好ましくはメタクリル樹脂(PM)を含む表層の構成樹脂のメルトフローレイト(MFR)は、好ましくは1〜10g/10分、より好ましくは1.5〜7g/10分、特に好ましくは2〜4g/10分である。本明細書において、特に明記しない限り、表層の構成樹脂のMFRは、メルトインデクサーを用いて、温度230℃、3.8kg荷重下で測定される値である。
<主層>
主層の基体樹脂としては、表層の基体樹脂とは異なる透明樹脂であれば特に制限されず、その例示は表層の基体樹脂の例示と同様である。主層の基体樹脂としては、表層の基体樹脂として例示した複数の熱可塑性樹脂の中から、表層の基体樹脂とは異なる樹脂を1種又は2種以上選択することができる。
主層は、1種以上のポリカーボネート(PC)を含むことが好ましい。ポリカーボネート(PC)は耐衝撃性に優れ、好ましい。ポリカーボネート(PC)は、好ましくは1種以上の二価フェノールと1種以上のカーボネート前駆体とを共重合して得られる。製造方法としては、二価フェノールの水溶液とカーボネート前駆体の有機溶媒溶液とを界面で反応させる界面重合法、及び、二価フェノールとカーボネート前駆体とを高温、減圧、無溶媒条件下で反応させるエステル交換法等が挙げられる。
二価フェノールとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルファイド、及びビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が挙げられ、中でもビスフェノールAが好ましい。カーボネート前駆体としては、ホスゲン等のカルボニルハライド;ジフェニルカーボネート等のカーボネートエステル;二価フェノールのジハロホルメート等のハロホルメート;等が挙げられる。
ポリカーボネート(PC)のMwは、好ましくは10,000〜100,000、より好ましくは20,000〜70,000である。Mwが10,000以上であることで主層は耐衝撃性及び耐熱性に優れるものとなり、Mwが100,000以下であることで主層は成形性に優れるものとなる。
ポリカーボネート(PC)は市販品を用いてもよい。住化スタイロンポリカーボネート株式会社製「カリバー(登録商標)」及び「SDポリカ(登録商標)」、三菱エンジニアリングプラスチック株式会社製「ユーピロン/ノバレックス(登録商標)」、出光興産株式会社製「タフロン(登録商標)」、及び帝人化成株式会社製「パンライト(登録商標)」等が挙げられる。
主層についても、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質(光散乱性物質)を含む内部拡散層であってもよい。
主層が含むことができる光拡散性物質は、表層に含まれる光拡散性物質と同様であり、有機又は無機の透明の微粒子(光拡散性微粒子)が好ましい。それらの例示は、表層に含まれる光拡散性物質と同様である。
主層が含むことができる光拡散性物質の好ましい平均粒子径とアッベ数、及び、主層に含まれる光拡散性物質と主層の基体樹脂との屈折率差は、表層と同様である。
主層中の光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)の含有量は特に制限されず、表層中の光拡散性物質の含有量より少なくてよい。具体的には、10質量%未満でよく、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、特に好ましくは1.5質量%以下である。
主層は必要に応じて、光拡散性物質以外の各種添加剤を含むことができる。各種添加剤の例示及び添加タイミングは、表層と同様である。
本明細書において、好ましくはポリカーボネート(PC)を含む主層のガラス転移温度をTg(PC)と表す。Tg(PC)は、好ましくは120〜160℃、より好ましくは135〜155℃、特に好ましくは140〜150℃である。
加熱溶融成形の安定性の観点から、ポリカーボネート(PC)を含む主層の構成樹脂のMFRは、好ましくは1〜30g/10分、より好ましくは3〜20g/10分、特に好ましくは5〜10g/10分である。本明細書において、主層の構成樹脂のMFRは、特に明記しない限り、メルトインデクサーを用いて、温度300℃、1.2kg荷重下の条件で測定される値である。
<積層構造>
複層共押出樹脂板は、主層(好ましくはポリカーボネート系樹脂含有層)の少なくとも一方の面に表層(好ましくはメタクリル系樹脂含有層)が積層されたものであればよい。複層共押出樹脂板の積層構造としては、主層−表層の2層構造;表層−主層−表層の3層構造;表層−主層(1)−主層(2)の3層構造;等が挙げられる。
<ヘイズ値(Hi)>
複層共押出樹脂板全体の光拡散効果(光散乱効果)は、ヘイズ値を指標とすることができる。複層共押出樹脂板全体のヘイズ値(Hi)は、好ましくは12%以上、より好ましくは15%以上である。白ぼけ抑制の観点から、複層共押出樹脂板全体のヘイズ値(Hi)は、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下である。
本明細書において、特に明記しない限り、複層共押出樹脂板全体のヘイズ値(Hi)は、後記[実施例]の項に記載の方法にて求めることができる。
<複層共押出樹脂板の製造方法>
主層(好ましくはポリカーボネート系樹脂含有層)及び表層(好ましくはメタクリル系樹脂含有層)の構成樹脂はそれぞれ加熱溶融され、主層の少なくとも片面に表層が積層された熱可塑性樹脂積層体の状態で、幅広の吐出口を有するTダイから溶融状態で共押出される。
主層用及び表層用の溶融樹脂は、積層前にフィルタにより溶融濾過することが好ましい。溶融濾過した各溶融樹脂を用いて多層成形することにより、異物及びゲルに起因する欠点の少ない押出樹脂板が得られる。フィルタの濾材は、使用温度、粘度、及び濾過精度等により適宜選択される。例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、レーヨン、コットン、及びグラスファイバー等からなる不織布;フェノール樹脂含浸セルロース製のシート状物;金属繊維不織布焼結シート状物;金属粉末焼結シート状物;金網;及びこれらの組合せ等が挙げられる。中でも耐熱性及び耐久性の観点から、金属繊維不織布焼結シート状物を複数枚積層したフィルタが好ましい。
光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)を含まない溶融樹脂用のフィルタの濾過精度(FA)は、好ましくは35μm以下、より好ましくは15μm以下、特に好ましくは5μm以下である。
光拡散性物質(好ましくは光拡散性微粒子)を含む溶融樹脂用のフィルタの濾過精度(FA)は、光拡散性物質のサイズ(光拡散性微粒子の場合は平均粒子径(D))と粒子径分布の標準偏差(σ)に応じて設計される。FAが過大では、除去したい不純物が捕捉されず、樹脂ヤケ等の欠点が生じる恐れがある。FAが過小では、光拡散性物質がフィルタ内に詰りやすくなる恐れがある。光拡散性微粒子を含む溶融樹脂の場合、下記式1)を充足することが好ましい。
35μm≧FA≧D+4×σ・・・式1)
積層方式としては、Tダイ流入前に積層するフィードブロック方式、及びTダイ内部で積層するマルチマニホールド方式等が挙げられる。押出樹脂板の層間の界面平滑性を高める観点から、マルチマニホールド方式が好ましい。
Tダイから共押出された溶融状態の熱可塑性樹脂積層体は、複数の冷却ロールを用いて冷却される。好ましくは、互いに隣接する3つ以上の冷却ロールを用い、溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を、第n番目(但し、n≧1)の冷却ロールと第n+1番目の冷却ロールとの間に挟み込み、第n+1番目の冷却ロールに巻き掛ける操作をn=1から複数回繰り返すことにより冷却することができる。例えば、3つの冷却ロールを用いる場合、繰り返し回数は2回である。
冷却ロールとしては、金属ロール、及び外周部に金属製外筒を備えた弾性ロール(以下、金属弾性ロールとも言う)等が挙げられる。金属ロールとしては、ドリルドロール及びスパイラルロール等が挙げられ、その表面は鏡面であることが好ましい。金属弾性ロールは例えば、ステンレス鋼等からなる軸ロールと、この軸ロールの外周面を覆うステンレス鋼等からなる金属製外筒と、これら軸ロール及び金属製外筒の間に封入された流体とからなり、流体の存在により弾性を示すことができる。金属製外筒の厚みは好ましくは2〜5mm程度である。金属製外筒は、屈曲性及び可撓性等を有することが好ましく、溶接継ぎ部のないシームレス構造であるのが好ましい。このような金属製外筒を備えた金属弾性ロールは、耐久性に優れると共に、金属製外筒を鏡面化すれば通常の鏡面ロールと同様の取り扱いができ、使い勝手がよい。
冷却後に得られた押出樹脂板は、引取りロールによって引き取られる。以上の共押出、冷却、及び引取りの工程は、連続的に実施される。なお、本明細書では、主に加熱溶融状態のものを「熱可塑性樹脂積層体」と表現し、固化したものを「押出樹脂板」と表現しているが、両者の間に明確な境界はない。
図3に、一実施形態として、Tダイ11、第1〜第3冷却ロール12〜14、及び一対の引取りロール15を含む製造装置の模式図を示す。Tダイ11から共押出された熱可塑性樹脂積層体は第1〜第3冷却ロール12〜14を用いて冷却され、一対の引取りロール15により引き取られる。第3冷却ロール14の後段に隣接して第4以降の冷却ロールを設置してもよい。図中、符号16は、製造された複層共押出樹脂板である。
なお、製造装置の構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、適宜設計変更が可能である。
(反射防止膜)
本発明の光拡散性複層樹脂板は、複層共押出樹脂板の表層上に反射防止膜を有する。反射防止膜は、1層又は2層以上設けることができる。
反射防止膜の材料としては、表層の基体樹脂より屈折率が低いものが好ましく用いられる。例えば、ポリ−1,1ジヒドロパーフルオヘキシルアクリレート、ポリ−1,1ジヒドロパーフルオロブチルアクリレート、及びポリトリフルオロイソプロピルメタクリレート等のフッ素含有アクリル系樹脂;他の結晶性又は非晶性のフッ素含有樹脂;有機ケイ素化合物;中空シリカ微粒子及び中空フッ化マグネシウム粒子等の中空無機微粒子等が挙げられる。これらは1種または2種以上用いることができる。
反射防止膜は、公知方法にて形成することができる。形成方法としては、上記材料を含む塗工材料をスピンコート、バーコート、ダイコート、及び浸漬−引上げ法等の方法により塗工する塗工法;任意の基材上に成膜された反射防止膜を転写する転写法等が挙げられる。
(他の層)
本発明の光拡散性複層樹脂板は必要に応じて、最表面に硬化被膜を有することができる。硬化被膜は耐擦傷性層又は視認性向上効果のための低反射性層として機能することができる。硬化被膜は公知方法にて形成することができる。
硬化被膜の材料としては、無機系、有機系、有機無機系、及びシリコーン系等が挙げられ、生産性の観点から、有機系及び有機無機系が好ましい。
無機系硬化被膜は例えば、SiO、Al、TiO、及びZrO等の金属酸化物等の無機材料を、真空蒸着及びスパッタリング等の気相成膜で成膜することにより形成することができる。
有機系硬化被膜は例えば、メラミン系樹脂、アルキッド系樹脂、ウレタン系樹脂、及びアクリル系樹脂等の樹脂を含む塗料を塗工し加熱硬化する、又は、多官能アクリル系樹脂を含む塗料を塗工し紫外線硬化させることにより形成することができる。
有機無機系硬化被膜は例えば、表面に光重合反応性官能基が導入されたシリカ超微粒子等の無機超微粒子と硬化性有機成分とを含む紫外線硬化性ハードコート塗料を塗工し、紫外線照射により硬化性有機成分と無機超微粒子の光重合反応性官能基とを重合反応させることにより形成することができる。この方法では、無機超微粒子が、有機マトリックスと化学結合した状態で有機マトリックス中に分散した網目状の架橋塗膜が得られる。
シリコーン系硬化被膜は例えば、カーボンファンクショナルアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシラン、及びテトラアルコキシシラン等の部分加水分解物、又はこれらにコロイダルシリカを配合した材料を重縮合させることにより形成することができる。
上記方法において、材料の塗工方法としては、ディップコート、グラビアロールコート等の各種ロールコート、フローコート、ロッドコート、ブレードコート、スプレーコート、ダイコート、及びバーコート等が挙げられる。
耐擦傷性(ハードコート性)硬化被膜(耐擦傷性層、ハードコート層)の厚みは、好ましくは2〜30μm、より好ましくは5〜20μmである。薄すぎると表面硬度が不充分となり、厚すぎると製造工程中の折り曲げにより割れが発生する恐れがある。低反射性硬化被膜(低反射性層)の厚みは、好ましくは80〜200nm、より好ましくは100〜150nmである。薄すぎても厚すぎても低反射性能が不充分となる恐れがある。
その他、本発明の光拡散性複層樹脂板は必要に応じて、表面に、防眩(アンチグレア)層及び防指紋層等の公知の表面処理層を有することができる。
(各層及び光拡散性複層樹脂板の厚み)
本発明の光拡散性複層樹脂板の総厚み及び各層の厚みは、用途及び要求性能により適宜設計される。
液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の前面に配置され、これらからの出射光を適度に散乱及び拡散させ、外光反射による映り込みを低減させる目的で使用される場合、光拡散性複層樹脂板の総厚みは好ましくは0.5〜5mmであり、主層と表層との厚み比(主層/表層)は好ましくは60/40〜95/5である。反射防止膜の厚みは、好ましくは80〜200nmである。
以上説明したように、本発明の光拡散性複層樹脂板は、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散層である表層を含む複層共押出樹脂板と、その表層上に形成された反射防止膜とを含む。
本発明によれば、白ぼけを抑制しつつ、リークスルーのないよう全体的に光拡散性を高め、外光反射による映り込み及びギラツキを効果的に抑制することが可能な光拡散性複層樹脂板を提供することができる。
本発明の光拡散性複層樹脂板は、複層共押出樹脂板の表層上に反射防止膜を有するので、外光の映り込みを効果的に抑制することができる。本発明では、表層の波長分散効果により、反射防止膜色を淡白等の自然なニュートラルカラーとすることができる。
以上の作用効果により、本発明の光拡散性複層樹脂板を液晶ディスプレイ及びタッチパネル等の前面に配置したときに、コントラストの低下が少なく、画面の視認性に優れる。
[用途]
本発明の光拡散性複層樹脂板は例えば、銀行等の金融機関のATM、自動販売機、携帯電話(スマートフォンを含む)、タブレット型パーソナルコンピュータ等の携帯情報端末(PDA)、デジタルオーディオプレーヤー、携帯ゲーム機、コピー機、ファックス、カーナビゲーションシステム、ヒートコントロールパネル、車載TVモニター、及びE−コックピット等に使用される、液晶ディスプレイ又はタッチパネルディスプレイの前面に配置して用いることができる。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
[評価項目及び評価方法]
評価項目及び評価方法は、以下の通りである。
(屈折率、アッベ数)
多波長アッベ屈折計(DR−M2、株式会社アタゴ社製)を用い、浸液分散法により、D線(589nm)での屈折率(n)、C線(656nm)での屈折率(n)、F線(486nm)での屈折率(n)、及び、下記式で表されるアッベ数(V)を測定した。
=(n−1)/(n−n
(ヘイズ値)
複層又は単層の押出樹脂板、又はこの押出樹脂板上に表面光拡散層を形成した複層樹脂板から50mm角の試験片を切り出し、ヘーズ・透過率計(HM−150、株式会社村上色彩技術研究所製)を用い、JIS K 7136に準拠して、以下のヘイズ値Hi及び/又はHtを測定した。
複層共押出成形又は単層押出成形により得られた、内部拡散層を含む押出樹脂板(反射防止膜は未形成)の内部ヘイズ値:Hi、
内部拡散層を含む上記押出樹脂板上に表面光拡散層を形成して得られた光拡散性樹脂板(反射防止膜は未形成)のヘイズ値:Ht。
Htを測定したサンプルについては、下記式に基づいて、表面光拡散層単独のヘイズ値Hsを求めた。
Hs=Ht−Hi
(白ぼけ、ギラツキ、反射防止膜色)
液晶ディスプレイとタッチパネルを含むタッチパネルディスプレイであるiPad(登録商標)(アップルジャパン社製、第4世代、モデル番号:A1458)から付属の拡散フィルムを取り除いた後、アクリル系光学接着ゲル(MGSRT500、共同技研化学株式会社製)を用いて、表示面上に各例で得られた光拡散性樹脂板を接着し、評価用表示装置とした。表示面が水平面に対して上方に30°傾斜するように、暗室内に評価用表示装置を設置した。
外光光源として、評価用表示装置の表示面の中心より、水平前方方向に2.5m、垂直上方向に1.9mの位置(表示面の中心より37°上方の位置)に、3波長直管蛍光灯(FLR40S−EX−N/M、パナソニック株式会社製)を設置して点灯させた。ipad(登録商標)の電源をオフにした状態で、表示面に映り込んだ蛍光灯の反射像を表示面の中心から法線方向に50cmの距離から目視観察し、外光光源からの出射光の反射によって生じる白ぼけの有無とレベルを下記基準にて評価した。また、反射防止膜色を下記基準にて目視評価した。
次いで、白ラスター信号によりiPad(登録商標)の表示面に白色画像を表示させた。この画像を表示面の中心から法線方向に50cmの高さから観察し、ギラツキの有無とレベルを下記基準にて目視評価した。
<白ぼけ>
◎(優):白ぼけが全く又はほとんど見られない。
○(良):白ぼけが少し見られるが、目立たないレベルである。
△(可):白ぼけが見られるが、実用上問題のないレベルである。
×(不可):全体的に白ぼけが顕著に見られ、実用上問題のあるレベルである。
<反射防止膜色>
○(良):反射防止膜色が淡白等のニュートラルカラーである。
×(不可):反射防止膜色が青紫色及び赤紫色等の非ニュートラルカラーである。
<ギラツキ>
◎(優):ギラツキが全く又はほとんど見られない。
○(良):ギラツキが少し見られるが、目立たないレベルである。
△(可):ギラツキが見られるが、実用上問題のないレベルである。
×(不可):全体的にギラツキが顕著に見られ、実用上問題のあるレベルである。
[実施例1]
主押出機から溶融状態の光拡散性微粒子を含有しないポリカーボネート系樹脂(PC1)(n=1.58、V=31)を45kg/hrの流量で押出した。副押出機から、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を80質量%と架橋MS(メタクリル酸メチル・スチレン共重合体)微粒子(n=1.54、V=45、平均粒子径=8μm)を20質量%含有したメタクリル系樹脂(PM1)(n=1.49、V=58)を5kg/hrの流量で押出した。これらの溶融樹脂をマルチマニホールド型ダイスを含む共押出用Tダイ内で積層し、このTダイから溶融状態の2種2層の熱可塑性樹脂積層体を共押出した。Tダイから共押出された溶融状態の熱可塑性樹脂積層体を複数の冷却ロールを用いて加圧及び冷却し、冷却後に得られた樹脂板を一対の引取りロールによって引き取った。
このようにして、光拡散性微粒子を含有しないポリカーボネート系樹脂(PC1)からなる主層上に、架橋MS微粒子を20質量%含有するメタクリル系樹脂(PM1)からなる内部拡散層である表層が積層され、表面が鏡面である3mm厚の複層共押出樹脂板(RP1)を得た。
次いで、得られた複層共押出樹脂板(RP1)の表層上に、非晶性フッ素含有樹脂(サイトップ、旭硝子株式会社製、n=1.34、V=90)を、浸漬−引上げ法により塗工し、乾燥固化させて、反射防止膜を形成した。
得られた光拡散性複層樹脂板の積層構造及び評価結果を表1、表2に示す。
[実施例2]
ポリカーボネート系樹脂(PC1)の代わりに架橋MS微粒子(n=1.54、V=45、平均粒子径=8μm)を1質量%添加したポリカーボネート系樹脂(PC2)(n=1.58、V=31)を用い、メタクリル系樹脂(PM1)の代わりにポリメタクリル酸メチル(PMMA)を88質量%と架橋MS(メタクリル酸メチル・スチレン共重合体)微粒子(n=1.54、V=45、平均粒子径=8μm)を12質量%含有したメタクリル系樹脂(PM2)(n=1.50、V=56)を用いた以外は実施例1と同様にして、3mm厚の複層共押出樹脂板(RP2)を得た。得られた複層共押出樹脂板(RP2)の表層上に、実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。
得られた光拡散性複層樹脂板の積層構造及び評価結果を表1、表2に示す。
[比較例1]
主押出機から架橋MS微粒子(n=1.54、V=45、平均粒子径=8μm)を2質量%添加した溶融状態のポリカーボネート系樹脂(PC4)(n=1.58、V=31)を45kg/hrの流量で押出した。この溶融樹脂を単層押出用のTダイに供給し、このTダイから溶融状態の熱可塑性樹脂単層体を押出した。ラインスピードを調整する以外は実施例1と同様にして、Tダイから押出された溶融状態の熱可塑性樹脂単層体を加圧及び冷却し、引き取った。このようにして、架橋MS微粒子を2質量%含有するポリカーボネート系樹脂(PC4)からなる主層のみからなる、3mm厚の単層押出樹脂板(RP3)を得た。得られた単層押出樹脂板(RP3)の表層上に、実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。
得られた光拡散性樹脂板の積層構造及び評価結果を表1、表2に示す。
[比較例2]
ポリカーボネート系樹脂(PC4)の代わりに光拡散性微粒子を含有しないポリカーボネート系樹脂(PC1)を用いた以外は比較例1と同様にして、光拡散性微粒子を含有しないポリカーボネート系樹脂(PC1)からなる主層のみからなる、3mm厚の単層押出樹脂板(RP4)を得た。
次いで、得られた単層押出樹脂板(RP4)の表層上に、バインダーとして、ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする紫外線硬化性樹脂(KAYARAD PET−30、日本化薬株式会社製、n=1.53、V=50)を約80質量%含有し、架橋ポリスチレン(PS)微粒子(n=1.59、V=31、平均粒子径=8μm)を20質量%含有し、少量の光重合開始剤(Irgacure184、チバ・ジャパン株式会社製)を添加した硬化性材料(C1)を、スピンコート法により約0.1mmの厚さで塗工した。次いで、強度120mW/cm、積算光量5J/cmの条件で、波長365nmの紫外線を照射し、塗工した硬化性材料(C1)を硬化させた。このようにして、単層押出樹脂板(RP4)の表層上に、架橋PS微粒子を含有する樹脂(UVR1)からなり、表面が粗面(表面粗さRa<2μm)である表面光拡散層を形成した。次いで、この表面光拡散層上に、実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。
得られた光拡散性樹脂板の積層構造及び評価結果を表1、表2に示す。
本明細書において、特に明記しない限り、RaはJIS B 0601 2001に準拠して測定される算術平均粗さである。
[比較例3]
ポリカーボネート系樹脂(PC4)の代わりに架橋MS微粒子(n=1.54、V=45、平均粒子径=8μm)を1.5質量%添加したポリカーボネート系樹脂(PC3)を用いた以外は比較例1と同様にして、架橋MS微粒子を1.5質量%含有するポリカーボネート系樹脂(PC3)からなる主層のみからなる、3mm厚の単層押出樹脂板(RP5)を得た。
次いで、得られた単層押出樹脂板(RP5)の表層上に、ペンタエリストールトリアクリレートを主成分とする紫外線硬化性樹脂(KAYARAD PET−30、日本化薬株式会社製、n=1.53、V=50)に少量の光重合開始剤(Irgacure184、チバ・ジャパン株式会社製)を添加した硬化性材料(C2)を約0.1mmの厚さで塗工した。
次いで、単層押出樹脂板(RP5)の塗工側表面に0.1mm径の2本の金属ワイヤーをスペーサーとして設置し、それらの上に表面粗さRaが2.0μmであるガラス板を重ねることで、塗工層の厚さを約0.1mmに調整した。強度120mW/cm、積算光量5J/cmの条件で、ガラス板側から波長365nmの紫外線を照射し、塗工した硬化性材料(C2)を硬化させた後、ガラス板を取り外した。このようにして、単層押出樹脂板(RP5)の表層上に、光拡散性微粒子を含有しない樹脂(UVR2)からなり、表面が粗面(Ra=2μm)である表面光拡散層を形成した。次いで、この表面光拡散層上に、実施例1と同様にして、反射防止膜を形成した。
得られた光拡散性樹脂板の積層構造及び評価結果を表1、表2に示す。
Figure 2019219622
Figure 2019219622
[結果のまとめ]
実施例1、2では、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層、並びにこの表層の基体樹脂とは異なる基体樹脂を含む主層を有する、表面が鏡面である複層共押出樹脂板を得、この複層共押出樹脂板の表層上に反射防止膜を形成した。これら実施例では、白ぼけとギラツキが少なく、反射防止膜色が自然なニュートラルカラーである光拡散性複層樹脂板が得られた。
比較例1では、光拡散性微粒子を含むポリカーボネート系樹脂からなる主層のみからなり、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層を含まない単層押出樹脂板(ヘイズは、実施例1、2で用いた複層共押出樹脂板と同じ)を用い、この単層押出樹脂板上に反射防止膜を形成した。この比較例で得られた光拡散性複層樹脂板は、光拡散効果と波長分散効果が小さく、ギラツキの抑制効果が不充分であり、反射防止膜色も不良であった。
比較例2では、光拡散性微粒子を含まないポリカーボネート系樹脂からなる主層のみからなり、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層を含まない単層押出樹脂板を用い、この単層押出樹脂板上に光拡散性微粒子を含み、表面が粗面である表面光拡散層を形成し、この上に反射防止膜を形成した。この比較例で得られた光拡散性複層樹脂板は、光拡散効果と波長分散効果が小さく、ギラツキの抑制効果が不充分であった。
比較例3では、光拡散性微粒子を含むポリカーボネート系樹脂からなる主層のみからなり、基体樹脂とは異なる屈折率を有し、光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層を含まない単層押出樹脂板を用い、この単層押出樹脂板上に光拡散性微粒子を含まず、表面が粗面である表面光拡散層を形成し、この上に反射防止膜を形成した。この比較例で得られた光拡散性複層樹脂板は、光拡散効果と波長分散効果が小さく、ギラツキの抑制効果が不充分であり、反射防止膜色も不良であった。
本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、適宜設計変更が可能である。
1、2 光拡散性複層樹脂板
16、20X、20Y 複層共押出樹脂板
21 主層
22、22A、22B 表層
30 反射防止膜

Claims (4)

  1. 基体樹脂、及び当該基体樹脂とは異なる屈折率を有し、且つ光波長により屈折率の異なる波長分散性を有する光拡散性物質を10質量%以上含む内部拡散樹脂からなる表層、並びに当該表層の前記基体樹脂とは異なる基体樹脂を含む主層を有する複層共押出樹脂板と、
    前記複層共押出樹脂板の前記表層上に形成された反射防止膜とを有する、光拡散性複層樹脂板。
  2. 前記主層の前記基体樹脂がポリカーボネート系樹脂である、請求項1に記載の光拡散性複層樹脂板。
  3. 前記表層の前記基体樹脂がメタクリル系樹脂である、請求項1又は2に記載の光拡散性複層樹脂板。
  4. 前記複層共押出樹脂板のヘイズ値(Hi)が12%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光拡散性複層樹脂板。
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