JPH05139703A - 微粒子状含水金属酸化物およびその製造方法 - Google Patents

微粒子状含水金属酸化物およびその製造方法

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JPH05139703A
JPH05139703A JP3331511A JP33151191A JPH05139703A JP H05139703 A JPH05139703 A JP H05139703A JP 3331511 A JP3331511 A JP 3331511A JP 33151191 A JP33151191 A JP 33151191A JP H05139703 A JPH05139703 A JP H05139703A
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aqueous solution
acid
carboxylic acid
metal oxide
fine particles
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JP3331511A
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Masahiko Murakami
雅彦 村上
Shunkichi Ueda
俊吉 植田
Naoyuki Fujibayashi
直幸 藤林
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Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/36Methods for preparing oxides or hydroxides in general by precipitation reactions in aqueous solutions
    • C01B13/363Mixtures of oxides or hydroxides by precipitation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 セラミックス原料などに好適に使用される微
粒子状金属酸化合物の前駆体として有用で、かつそれ自
身でも化粧料やトナー用組成物、光拡散剤などのフィラ
ーとして有用な微粒子状含水金属酸化物を提供する。 【構成】 カルボン酸化合物を分散または溶解させた水
性液中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時に
添加することにより、表面がカルボン酸化合物で被覆さ
れた水酸化物または水和物の微粒子を生成させ、濾過
後、上記微粒子を乾燥して、表面がカルボン酸化合物で
被覆された微粒子状含水金属酸化物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミックス原料など
の用途に好適に使用される微粒子状金属酸化物の前駆体
として有用で、かつそれ自身でも化粧料やトナー用組成
物、光拡散剤などのフィラーとして有用な、表面がカル
ボン酸化合物で被覆された微粒子状含水金属酸化物およ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】微粒子状のアルミナ、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化セリウム、酸化亜鉛などの金属酸化
物は、セラミックス原料や、プラスチック、塗料、接着
剤などのフィラーや流動性改良剤として広く使用されて
いる。そして、それらの微粒子状金属酸化物は、通常、
それらの前駆体である微粒子状含水金属酸化物を焼成す
ることによって得られる。
【0003】この微粒子状含水金属酸化物は、一般に、
分子レベルから粒子を成長させてゆく、いわゆるビルド
アップ方式で製造されている。
【0004】そして、上記のビルドアップ方式の微粒子
状含水金属酸化物の製造方法としては、アルミナの場合
を例に挙げると、硫酸アルミニウムとアンモニアとを反
応させて水酸化物または水和物の微粒子を生成させる方
法などが提案されている(たとえば、「窯業協会誌」、
95〔4〕、1987、p442〜449)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の方法により水酸化物または水和物の微粒子
を生成させた場合は、生成した微粒子を含んだ反応液の
濾過や分離が困難であり、特に微粒子を得る目的でゾル
を生成させた場合には、濾過が非常に困難な上に、乾燥
後のゲルが密に凝集して、シリカゲル状の硬い塊になる
ので、粉砕が非常に困難になり、せっかく形成させた微
粒子状態も、その凝集のために、役立たせることができ
ないという問題があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術における問題点を解決するため種々研究を
重ねた結果、液相中での中和反応により微粒子状含水金
属酸化物を製造するにあたり、カルボン酸化合物を分散
または溶解させた水性液中で、水酸化物または水和物の
微粒子を生成させるときは、濾過性の良好な微粒子が得
られ、しかも乾燥後の再分散性が良好で、目的とする微
粒子状含水金属酸化物を効率よく製造できることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0007】上記のようにカルボン酸化合物を分散また
は溶解させた水性液中で生成させた水酸化物または水和
物の微粒子は、表面がカルボン酸化合物で被覆された状
態になり、その濾過性および再分散性が非常に良好にな
って、該微粒子を含んだゾルの濾過が容易になり、また
乾燥後のゲルの粉砕も容易に行われるようになる。
【0008】本発明の表面がカルボン酸化合物で被覆さ
れた微粒子状含水金属酸化物は、上記の表面がカルボン
酸化合物で被覆された水酸化物または水和物の微粒子を
乾燥することによって得られるが、この表面がカルボン
酸化物で被覆された水酸化物または水和物の微粒子は、
カルボン酸化合物を分散または溶解させた水性液中に、
金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時に添加するこ
とによって得られる。
【0009】すなわち、本発明の表面がカルボン酸化合
物で被覆された微粒子状含水金属酸化物は、カルボン酸
化合物を分散または溶解させた水性液中に、金属塩の水
溶液と中和剤の水溶液とを同時に添加することによっ
て、その前駆体として表面がカルボン酸化合物で被覆さ
れた水酸化物または水和物の微粒子を生成させ、濾過
後、それを乾燥することによって得られる。
【0010】これに対し、従来の方法で微粒子状含水金
属酸化物を製造する場合も、液相で水酸化物または水和
物の微粒子を生成させ、濾過、乾燥して微粒子状金属水
酸化物を得るようにしているが、通常は上記微粒子の生
成を単なる水中か、少なくともカルボン酸化合物が含ま
れていない水中で行っているので、該微粒子を含んだゾ
ルの濾過性が非常に悪いものになる。
【0011】そのため、pHを等電点付近に調整して凝
集させるか、あるいは凝集剤を添加して凝集させてから
濾過することが多いが、いずれの場合も、効果が少ない
か、あるいは濾過できたとしても凝集体が強く結合して
しまって、分離や乾燥後の再分散がむつかしく、本発明
におけるような効果は奏し得ない。
【0012】金属塩と中和剤との反応によって得られる
微粒子は、通常、水酸化物の微粒子であるが、使用する
金属塩の種類によっては水和物と呼ばれる範疇に入るも
のがあり、また水酸化物であるか水和物であるか明確で
ないものもあるので、本発明では水酸化物または水和物
の微粒子と表現する。
【0013】水酸化物または水和物のいずれにせよ、乾
燥して得られた微粒子は、その結晶格子中や粒子の表面
に水分が残留し、また金属によっては、乾燥だけでは失
われない構造上の水分や結晶水が残留しており、また表
面被覆しているカルボン酸化合物にも水分子が水和して
いる可能性があるので、乾燥後の微粒子は、含水金属酸
化物と表現する。
【0014】本発明においては、上記の表面がカルボン
酸化合物で被覆された微粒子状含水金属酸化物におい
て、BET比表面積が10〜150m2 /gのものを対
象とする。これは、BET比表面積が10m2 /gより
小さい場合は、粒径が目標とする範囲より大きくなり、
しかも均一な粒径の一次粒子が得られにくくなって、用
途上好ましくなく、またBET比表面積が150m2
gより大きい場合は、凝集してしまって分散が困難にな
るからである。
【0015】本発明において、上記微粒子状含水金属酸
化物を得るために使用するカルボン酸化合物としては、
たとえば安息香酸、フェニル酢酸、トルイル酸、クロロ
安息香酸、ブロモ安息香酸、ニトロ安息香酸、サリチル
酸、パラヒドロキシ安息香酸、アミノ安息香酸、メトキ
シ安息香酸などの芳香族モノカルボン酸、フタル酸(オ
ルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタ
ル酸)などの芳香族ジカルボン酸、トリメリト酸などの
芳香族トリカルボン酸、またはそれらの芳香族カルボン
酸の塩、エステルなどの誘導体、乳酸、クロトン酸、桂
皮酸、プロピオン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸などの脂肪族モノカルボン酸、
シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、酒石酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマ
ル酸などの脂肪族ジカルボン酸、クエン酸などの脂肪族
トリカルボン酸、またはそれらの脂肪族カルボン酸の
塩、エステルなどの誘導体などが挙げられる。
【0016】特に本発明においては、カルボン酸化合物
として、フタル酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コハ
ク酸、マレイン酸、フマル酸、アジピン酸などのジカル
ボン酸またはその誘導体を用いることが好ましい。
【0017】このカルボン酸化合物の使用量としては、
金属塩と中和剤との反応により生成する微粒子の乾燥時
の重量に対して0.1〜20重量%、特に0.5〜10
重量%の範囲が好ましい。すなわち、カルボン酸化合物
の使用量が上記範囲より少ない場合は、得られる微粒子
の濾過性や乾燥後の再分散性を良好にする効果が充分に
発揮されず、また、カルボン酸化合物の使用量が上記範
囲より多くなると、有効に利用されないカルボン酸化合
物の量が多くなり、経済的でない。
【0018】本発明において、金属塩の金属としては、
たとえばアルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、セ
リウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、バナジウ
ム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、
スズ、アンチモン、鉛などが、それぞれ単独で、または
2種以上混合した状態で用いられる。また、上記金属塩
としては、硫酸塩、硝酸塩、塩化物が、それぞれ単独
で、または2種以上混合して用いられる。
【0019】中和剤としては、たとえばアンモニア、水
酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど
の水酸化アルカリや、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモ
ニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどの炭酸塩
が、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
【0020】また、本発明において、金属がアルミニウ
ムの場合には、金属塩としてアルミン酸アルカリを用い
ることができ、この場合は、中和剤として硫酸、硝酸、
塩酸などの無機酸、あるいはこれらのアルミニウム塩
が、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いられ
る。また、上記の酸と同様の効果を示す炭酸ガスも同様
に使用できる。
【0021】上記金属塩の水溶液と中和剤の水溶液と
は、カルボン酸化合物を分散または溶解させた水性液中
に同時に添加されるが、その際、反応温度やpH値を一
定に保つようにするのが好ましい。
【0022】すなわち、カルボン酸化合物が分散または
溶解している水性液中での金属塩と中和剤との反応が、
温度、pHなどが一定に制御された状態で進行すると、
理由は明確ではないが、粒径の揃った微粒子、たとえ
ば、金属がアルミニウムの場合には、一次粒径として
0.1μm以下の微粒子が得られる。また、この時、上
記の反応条件を変えることにより、一次粒子の粒径をコ
ントロールすることが可能であり、さらに、一次粒子の
凝集体である0.1〜5μm程度の粒径を持った凝集粒
子を制御して生成させることも可能である。pHは3〜
12の範囲、温度は5〜100℃の範囲内で選ぶのが好
ましい。
【0023】上記のようなカルボン酸化合物を分散また
は溶解させた水性液中での金属塩と中和剤との反応によ
り、表面がカルボン酸化合物で被覆された水酸化物また
は水和物の微粒子が得られ、この微粒子は、濾過、水洗
したのち、たとえば100〜150℃で乾燥される。上
記の濾過は凝集剤などを必要とせず、容易に行われ、ま
た乾燥後のゲルは指で押さえると容易につぶれる程度の
非常に弱い凝集体である。そのため、スプレードライヤ
ーなどで乾燥すると、非常に嵩密度の大きい微粉体が得
られる。
【0024】本発明において、カルボン酸化合物を分散
または溶解させた水性液とは、カルボン酸化合物の水分
散液またカルボン酸化合物の水溶液をいう。このように
水分散液または水溶液になるのは、カルボン酸化合物の
種類によって水に対する溶解度が異なり、たとえばフタ
ル酸などのように水に溶けにくいものや、たとえばアジ
ピン酸などのように水に溶けやすいものがあるからであ
る。
【0025】上記のようにして得られる表面がカルボン
酸化合物で被覆された微粒子状含水金属酸化物は、前記
した微粒子状金属酸化物の前駆体(すなわち、上記微粒
子状含水金属酸化物を500〜1300℃で焼成するこ
とによって微粒子状金属酸化物が得られる)としての有
用性を持つ以外に、それ自身でも化粧料やトナー用組成
物、光拡散剤などのフィラーとして好適に使用すること
ができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、以下において濃度を示す%はいずれも重量%
によるものである。
【0027】実施例1 硫酸アルミニウム〔Al2 (SO43 ・xH2 O、A
23 :17.0%〕の300g/lの水溶液2リッ
トルと、28%アンモニア水を同量の水で希釈した液約
1リットルを用意した。
【0028】テレフタル酸5g(生成させる微粒子の乾
燥時重量の2%に相当)を水500mlに添加してテレ
フタル酸を水中に分散させ、このテレフタル酸の水分散
液を60℃に加温して攪拌しながら、その中にアンモニ
ア水を加えて、pH5に調整した。
【0029】つぎに、このテレフタル酸の水分散液中に
前記硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水とを、pH
が5付近から大きく外れないように両液の滴下速度を調
節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0030】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム水溶液が全
量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、そ
の後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0031】得られた反応液を吸引濾過し、白色沈殿物
を得た。濾過時間は5分/lであった。使用した濾紙は
直径15cmのNo.5Cであり、吸引圧は700mm
Hgであった。
【0032】得られた白色沈殿物を150℃で15時間
乾燥した。乾燥物の重量は250gであった。この乾燥
物は、見掛け上、塊状になっていたが、指で押さえると
容易につぶれて微粉化した。
【0033】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、無定形をしていた。この乾燥粉体を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、一次粒子は平均粒径が0.
05μmの球状微粒子であり、そのBET比表面積は4
0m2 /gであった。
【0034】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、テレフタル酸
に基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微
粒子状含水アルミニウム酸化物は表面がテレフタル酸で
被覆されていることが確認された。
【0035】実施例2 アルミン酸ソーダ〔NaAlO2 (試薬一級)〕の20
0g/lの水溶液500mlと、10%硫酸とを用意し
た。
【0036】また、水250mlに酒石酸1g(生成さ
せる微粒子の乾燥時重量の3.9%に相当)を添加して
溶解させ、30℃に加温した酒石酸の水溶液を用意し、
この酒石酸の水溶液を攪拌しながら、その中にアルミン
酸ソーダ水溶液を加えて、pHが5になるように調整し
た。pH調整後、上記酒石酸の水溶液中に上記のアルミ
ン酸ソーダ水溶液と10%硫酸とを、pHが5付近から
大きく外れないように両液の滴下速度を調節しながら、
同時に少しずつ滴下を続けた。
【0037】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、アルミン酸ソーダ水溶液と硫酸とを同時
に滴下し続けた。アルミン酸ソーダ水溶液が全量なくな
ったところで、硫酸も滴下を止め、その後、さらに10
分間攪拌した。
【0038】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は25.5gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえると容易につぶれ
て微粉化した。
【0039】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、無定形をしていた。この乾燥粉体を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、一次粒子は平均粒径が0.
03μmであり、そのBET比表面積は60m2 /gで
あった。
【0040】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、酒石酸に基づ
く発熱ピークが認められたことから、得られた微粒子状
含水アルミニウム酸化物は表面が酒石酸で被覆されてい
ることが確認された。
【0041】実施例3 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、14%アンモニア水とを用意した。
【0042】また、水250mlにアジピン酸6g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の9%に相当)を添加して
溶解させ、30℃に加温したアジピン酸の水溶液を用意
し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その中に
アンモニア水を加えて、pHが8になるように調整し
た。pH調整後、上記アジピン酸の水溶液中に上記の硫
酸アルミニウム水溶液とアンモニア水とを、pHが8付
近から大きく外れないように両液の滴下速度を調節しな
がら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0043】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム水溶液が全
量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、そ
の後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0044】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は8分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は70gであった。この乾燥物は、見掛け上、塊
状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。
【0045】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、無定形をしていた。この乾燥粉体を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、一次粒子は平均粒径が0.
03μmであり、そのBET比表面積は70m2 /gで
あった。
【0046】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、アジピン酸に
基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微粒
子状含水アルミニウム酸化物は表面がアジピン酸で被覆
されていることが確認された。
【0047】実施例4 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、アルミン酸ソーダ200g/lの水溶液とを用意し
た。
【0048】また、水250mlにマロン酸2g(生成
させる微粒子の乾燥時重量の1.6%に相当)を添加し
て溶解させ、60℃に加温したマロン酸の水溶液を用意
し、このマロン酸の水溶液を攪拌しながら、その中にア
ンモニア水を加えて、pHが11になるように調節し
た。pH調整後、上記マロン酸が溶解した水中に上記の
硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液と
を、pHが11付近から大きく外れないように両液の滴
下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0049】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソ
ーダ水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム
水溶液が全量なくなったところで、アルミン酸ソーダ水
溶液の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌を続け
た。
【0050】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は120gであった。この乾燥物は、見掛け上、
塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。
【0051】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、バイヤライト型の水酸化アルミニウムであっ
た。この乾燥粉体を走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、一次粒子は平均粒径が0.06μmであり、そのB
ET比表面積は40m2 /gであった。
【0052】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、マロン酸に基
づく発熱ピークが認められたことから、得られた微粒子
状水酸化アルミニウムは表面がマロン酸で被覆されてい
ることが確認された。
【0053】実施例5 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、アルミン酸ソーダ200g/lの水溶液とを用意し
た。
【0054】また、水250mlにアジピン酸2g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の2.0%に相当)を添加
して溶解させ、60℃に加温したアジピン酸の水溶液を
用意し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その
中にアンモニア水を加えて、pHが5になるように調整
した。pH調整後、上記アジピン酸の水溶液中に上記の
硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソーダ水溶液と
を、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴下
速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0055】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液とアルミン酸ソ
ーダ水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウム
水溶液が全量なくなったところで、アルミン酸ソーダ水
溶液の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌を続け
た。
【0056】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は5分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は100gであった。この乾燥物は、見掛け上、
塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。
【0057】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、無定形をしていた。この乾燥粉体を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、一次粒子の平均粒径は0.
02μmであり、そのBET比表面積は100m2 /g
であった。
【0058】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、アジピン酸に
基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微粒
子状含水アルミニウム酸化物は表面がアジピン酸で被覆
されていることが確認された。
【0059】実施例6 硫酸アルミニウムの300g/lの水溶液500ml
と、重炭酸アンモニウム(試薬一級)200g/lの水
溶液とを用意した。
【0060】また、水250mlにアジピン酸5g(生
成させる微粒子の乾燥時重量の7.9%に相当)を添加
して溶解させ、60℃に加温したアジピン酸の水溶液を
用意し、このアジピン酸の水溶液を攪拌しながら、その
中に重炭酸アンモニウム水溶液を加えて、pHが5にな
るように調整した。pH調整後、上記アジピン酸の水溶
液中に上記の硫酸アルミニウム水溶液と重炭酸アンモニ
ウム水溶液とを、pHが5付近から大きく外れないよう
に両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下
を続けた。
【0061】上記滴下と同時に水酸化アルミニウムの微
粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を
確認しながら、硫酸アルミニウム水溶液と重炭酸アンモ
ニウム水溶液とを同時に滴下し続けた。硫酸アルミニウ
ム水溶液が全量なくなったところで、重炭酸アンモニウ
ム水溶液も滴下を止め、その後、さらに10分間攪拌を
続けた。
【0062】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は2分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は63gであった。この乾燥物は、見掛け上、塊
状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化し
た。
【0063】得られた乾燥粉体は、X線回折により調べ
たところ、無定形をしていた。この乾燥粉体を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、一次粒子は平均粒径が0.
04μmであり、そのBET比表面積は50m2 /gで
あった。
【0064】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、アジピン酸に
基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微粒
子状含水アルミニウム酸化物は表面がアジピン酸で被覆
されていることが確認された。
【0065】実施例7 硫酸チタニル〔TiOSO4 〕の200g/lの水溶液
500mlと、1Nの水酸化ナトリウム水溶液とを用意
した。
【0066】また、水250mlにテレフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の3.2%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したテレフタル酸の水
分散液を用意し、このテレフタル酸の水分散液を攪拌し
ながら、その中に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、p
Hが6になるように調整した。pH調整後、上記テレフ
タル酸の水分散液中に上記の硫酸チタニル水溶液と水酸
化ナトリウム水溶液とを、pHの値が6付近から大きく
外れないように両液の滴下速度を調節しながら、同時に
少しずつ滴下を続けた。
【0067】上記滴下と同時に含水酸化チタンの微粒子
が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認
しながら、硫酸チタニル水溶液と水酸化ナトリウム水溶
液とを同時に滴下し続けた。硫酸チタニル水溶液が全量
なくなったところで、水酸化ナトリウム水溶液の滴下も
止め、その後、さらに10分間攪拌した。
【0068】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は4分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は31.3gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていて、実施例1〜2で述べた含水アル
ミニウム化合物の場合よりやや硬かったが、指で押さえ
るとつぶれて微粉化した。
【0069】得られた乾燥粉体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、一次粒子は平均粒径が0.05μmであ
り、そのBET比表面積は45m2 /gであった。
【0070】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、テレフタル酸
に基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微
粒子状含水チタニウム酸化物は表面がテレフタル酸で被
覆されていることが確認された。
【0071】実施例8 硫酸ジルコニウム〔Zr(SO42 ・4H2 O〕の2
00g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水
とを用意した。
【0072】また、水250mlに無水フタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の2.3%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温した無水フタル酸の水
分散液を用い、この無水フタル酸の水分散液を攪拌しな
がら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5になる
ように調整した。pH調整後、上記無水フタル酸の水分
散液中に上記の硫酸ジルコニウム水溶液とアンモニア水
とを、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴
下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0073】上記滴下と同時に含水酸化ジルコニウムの
微粒子が白色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成
を確認しながら、硫酸ジルコニウム水溶液とアンモニア
水とを同時に滴下し続けた。硫酸ジルコニウム水溶液が
全量なくなったところで、アンモニア水の滴下も止め、
その後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0074】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して白色沈殿物を得た。濾過時間は6分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は42.8gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉
化した。
【0075】得られた乾燥粉体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、一次粒子は平均粒径が0.08μmであ
り、そのBET比表面積は30m2 /gであった。
【0076】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、無水フタル酸
に基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微
粒子状含水ジルコニウム酸化物は表面が無水フタル酸で
被覆されていることが確認された。
【0077】実施例9 硫酸第二セリウム〔Ce(SO42 ・4H2 O〕の2
00g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水
とを用意した。
【0078】また、水250mlにオルトフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の1.8%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したオルトフタル酸の
水分散液を用意し、このオルトフタル酸の水分散液を攪
拌しながら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5
になるように調節した。pH調整後、上記のオルトフタ
ル酸の水分散液中に上記の硫酸第二セリウム水溶液とア
ンモニア水とを、pHが5付近から大きく外れないよう
に両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下
を続けた。
【0079】上記滴下と同時に水酸化セリウムの微粒子
が黄色沈殿として生成するので、黄色沈殿の生成を確認
しながら、硫酸第二セリウム水溶液とアンモニア水とを
同時に滴下し続けた。硫酸第二セリウム水溶液が全量な
くなったところで、アンモニア水の滴下も止め、その
後、さらに10分間攪拌を続けた。
【0080】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、黄色沈殿物を得た。濾過時間は5分/lであっ
た。得られた黄色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は56.8gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉
化した。
【0081】得られた乾燥粉体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、一次粒子は平均粒径が0.1μmであ
り、そのBET比表面積は35m2 /gであった。
【0082】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、オルトフタル
酸に基づく発熱ピークが認められたことから、得られた
微粒子状含水セリウム酸化物は表面がオルトフタル酸で
被覆されていることが確認された。
【0083】実施例10 硫酸亜鉛〔ZnSO4 ・7H2 O(試薬一級)〕の20
0g/lの水溶液500mlと、14%アンモニア水と
を用意した。
【0084】また、水250mlにテレフタル酸1g
(生成させる微粒子の乾燥時重量の3.3%に相当)を
添加して分散させ、60℃に加温したテレフタル酸の水
分散液を用意し、このテレフタル酸の水分散液を攪拌し
ながら、その中にアンモニア水を加えて、pHが5にな
るように調整した。pH調整後、上記のテレフタル酸が
分散した水中に上記の硫酸亜鉛水溶液とアンモニア水と
を、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴下
速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
【0085】上記滴下と同時に水酸化亜鉛の微粒子が白
色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しな
がら、硫酸亜鉛水溶液とアンモニア水とを同時に滴下し
続けた。硫酸亜鉛水溶液が全量なくなったところで、ア
ンモニア水の滴下も止め、その後、さらに10分間攪拌
を続けた。
【0086】得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾
過して、白色沈殿物を得た。濾過時間は3分/lであっ
た。得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物
の重量は30.1gであった。この乾燥物は、見掛け
上、塊状になっていたが、指で押さえるとつぶれて微粉
化した。
【0087】得られた乾燥粉体を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、一次粒子は平均粒径が0.1μmであ
り、そのBET比表面積は40m2 /gであった。
【0088】また、赤外分光分析により、上記乾燥粉体
の赤外スペクトルを測定したところ、カルボキシル基の
特性吸収が観察され、示差熱分析により、テレフタル酸
に基づく発熱ピークが認められたことから、得られた微
粒子状含水亜鉛酸化物は表面がテレフタル酸で被覆され
ていることが確認された。
【0089】比較例1 実施例1において、水中にテレフタル酸を分散させるこ
となく、硫酸アルミニウムとアンモニア水とを反応させ
た。すなわち、硫酸アルミニウム水溶液とアンモニア水
とを、テレフタル酸を分散させていない水中に添加した
ほかは、実施例1と同様に反応させた。
【0090】得られた反応液は、白色のスラリーで、濾
過時間は実施例1と同一条件で5時間/lであった。ま
た長時間かけて濾別した固形分(ゲル)を、150℃で
乾燥したところ、シリカゲル状の硬い塊となり、粉砕が
非常に困難であった。
【0091】
【発明の効果】本発明の表面がカルボン酸化合物で被覆
された微粒子状含水金属酸化物は、一次粒径が小さく、
しかも非常に粉砕性が良好で、また、それに伴って粒度
分布幅も狭いので、化粧料やトナー用組成物、光拡散剤
などにフィラーとして配合することが可能であり、広い
用途に好適に使用することができる。
【0092】また、液晶・薄膜EL表示パネルや、カラ
ーフィルターのコーティング膜厚を一定にするためのス
ペーサー、印字不良防止のための感熱溶融転写インク層
への配合、インクジェット用インクの均一安定化、イン
クジェット用受像紙の諧調性を改良するための配合にも
使用することができる。
【0093】特に、金属がアルミニウムの場合には、含
水酸化アルミニウムとして、たとえば、分散性、親和結
合性が良いので、化粧料配合成分やプラスチック・ゴム
などの可燃性物質に添加して難燃性とするのに使用する
ことができ、また、電子写真用現像剤のトナー用組成物
の一成分として各種特性向上(たとえば、帯電特性、流
動性などの向上、高濃度画像の長期にわたる形成など)
のために使用することができる。
【0094】さらに、感光体の表面保護層内に分散して
耐摩耗性、帯電能を向上させたり、鋳型材として収縮量
を制御したり、木材などに含浸させて難燃性などを付与
したり、接着剤の充填剤として、接着性の向上や防炎性
の付与に使用することができ、また、ヒートシールフィ
ルムの粘着性に対して滑り性を付与したりすることもで
きる。
【0095】また、本発明の表面がカルボン酸化合物で
被覆された微粒子状含水金属酸化物は、セラミックス原
料や、プラスチック、塗料、接着剤などのフィラーや流
動性改良剤として好適に使用される微粒子状金属酸化物
の前駆体としての有用性を有している。
【0096】すなわち、本発明の表面がカルボン酸化合
物で被覆された微粒子状含水金属酸化物を焼成すること
により、上記微粒子状金属酸化物が容易に得られる。
【0097】上記本発明の表面がカルボン酸化合物で被
覆された微粒子状含水金属酸化物は、カルボン酸化合物
を分散または溶解させた水性液中に、金属塩の水溶液と
中和剤の水溶液とを同時に添加することによって水酸化
物または水和物の微粒子を生成させ、それを濾過、乾燥
することにより得られるが、上記水酸化物または水和物
の微粒子は、表面がカルボン酸化合物で被覆されている
ので、濾過性および再分散性が非常に良好であり、目的
とする微粒子状含水金属酸化物を効率よく製造すること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C01G 23/053 7202−4G 25/02 8516−4G

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面がカルボン酸化合物で被覆され、B
    ET比表面積が10〜150m2 /gである微粒子状含
    水金属酸化物。
  2. 【請求項2】 カルボン酸化合物を分散または溶解させ
    た水性液中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同
    時に添加することにより、表面がカルボン酸化合物で被
    覆された水酸化物または水和物の微粒子を生成させ、上
    記微粒子を乾燥することを特徴とする請求項1記載の微
    粒子状含水金属酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】 金属塩の金属が、アルミニウム、チタニ
    ウム、ジルコニウム、セリウムおよび亜鉛よりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種であり、金属塩の塩が、硫酸
    塩、硝酸塩および塩化物よりなる群から選ばれた少なく
    とも1種であり、中和剤が、アンモニア、水酸化アルカ
    リ、炭酸アンモニウムおよび炭酸アルカリよりなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項2記載の微粒子
    状含水金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】 金属塩が、アルミン酸アルカリであり、
    中和剤が、硫酸、硝酸および塩酸よりなる群から選ばれ
    た少なくとも1種である請求項2記載の微粒子状含水金
    属酸化物の製造方法。
  5. 【請求項5】 金属塩が、アルミン酸アルカリであり、
    中和剤が、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウムおよび
    塩化アルミニウムよりなる群から選ばれた少なくとも1
    種である請求項2記載の微粒子状含水金属酸化物の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 カルボン酸化合物が、ジカルボン酸また
    はその誘導体である請求項2記載の微粒子状含水金属酸
    化物の製造方法。
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