JP2767484B2 - 微粒子状金属酸化物の製造方法 - Google Patents

微粒子状金属酸化物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は微粒子状金属酸化物を効率よく製造する方法
に関する。
〔従来の技術〕
微粒子状のアルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウ
ム、酸化セリウム、酸化亜鉛などの微粒子状金属酸化物
は、セラミック原料や、プラスチック、塗料、接着剤な
どのフィラーや流動性改良剤として広く使用されてい
る。
この微粒子状金属酸化物は、一般に、分子レベルから
粒子を成長させていく、いわゆるビルドアップ方式で製
造されている。これは、アルミナに代表されるように、
金属酸化物は硬度の高い酸化物が多く、粉体を粉砕して
いく、いわゆるビルドダウン方式が採用しにくいという
理由によるものである。
そして、上記のビルドアップ方式の微粒子状金属酸化
物の製造方法として、アルミナの場合を例に挙げると、
気相法では塩化アルミニウムを高温酸化する方法(たと
えば、特開昭55−71603号公報)、液相法では硫酸アル
ミニウムとアンモニアとを反応させて水酸化物または水
和物の微粒子を形成させた後、焼成する方法(たとえ
ば、「窯業協会誌」、95〔4〕、1987、p 442〜449)、
固相法では硫酸アルミニウムやアンモニウムミョウバン
などを熱分解する方法(たとえば、特開昭57−51118号
公報)などが提案されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、気相法や固相法による場合は、気相法
での塩化アルミニウムの高温酸化時や、固相での硫酸ア
ルミニウムやアンモニウムミョウバンなどの熱分解時に
塩素(Cl2)やイオウ酸化物(SOx)などの腐食性の有害
ガスが発生するため、反応装置自体にそれらの腐食性有
害ガスに対する耐性を備えさせることや、それらの有害
ガスを排ガス中から除去するための処理設備が必要にな
り、反応装置や有害ガス除去のための処理設備にコスト
がかかるという問題があった。
一方、液相法では、そのような問題がないものの、水
酸化物または水和物の微粒子を生成させる工程を含むた
め、濾過や分離が困難であり、特に微粒子を得る目的で
無定形のゾルを生成させた場合には、濾過が非常に困難
な上に、乾燥後のゲルが密に凝集して、シリカゲル状の
硬い塊になるので、粉砕が非常に困難であるという問題
があった。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、上記のような従来技術における問題点
を解決するため種々研究を重ねた結果、液相法の中和反
応により微粒子状金属酸化物を製造するにあたり、カル
ボン酸化合物が分散または溶解している水中で、微粒子
状金属酸化物の前駆体である水酸化物または水和物を生
成させると、濾過性の良好な微粒子が得られ、しかも乾
燥後のゲルの粉砕性、再分散性が良好で、微粒子状金属
酸化物が容易に得られることを見出し、本発明を完成す
るにいたった。
すなわち、本発明は、カルボン酸化合物が分散または
溶解している水中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液
とを、同時に添加することによって、水酸化物または水
和物の微粒子を生成させ、得られた微粒子を焼成するこ
とを特徴とする微粒子状金属酸化物の製造方法に関す
る。
上記のように、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液と
を、同時に水中に添加すると、金属塩が中和剤によって
中和されて水酸化物または水和物の微粒子が生成される
が、本発明では、この微粒子の生成をカルボン酸化合物
が分散または溶解している水中で行うので、生成した微
粒子の粒子表面がカルボン酸化合物で表面処理された状
態になり、その結果、得られるゾルの濾過性が非常に良
くなり、また乾燥後のゲルの粉砕性、再分散性が著しく
良好になって、容易に微粒子化するようになるものと考
えられる。
これに対し、従来の液相法で微粒子状金属酸化物を製
造する場合も、水酸化物または水和物の微粒子を生成さ
せ、分離、乾燥、焼成して微粒子状金属酸化物を得るよ
うにしているが、上記微粒子の生成を単なる水中か、少
なくともカルボン酸化合物が含まれていない水中で行っ
ているので、得られるゾルが非常に濾過性の悪いものに
なる。そのため、pHを等電点付近に調整して凝集させる
か、あるいは凝集剤を添加して凝集させてから濾過する
ことが多いが、いずれの場合も、効果が少ないか、ある
いは濾過できたとしても凝集体が強く結合してしまっ
て、分離や乾燥後の再分散がむつかしく、本発明のよう
な効果は奏し得ない。
本発明において用いるカルボン酸化合物としては、た
とえば芳香族カルボン酸である安息香酸、フタル酸(オ
ルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタ
ル酸)、トリメリト酸またはそれらの塩、エステルなど
の誘導体、脂肪酸カルボン酸であるステアリン酸、ラウ
リン酸、酒石酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、マロ
ン酸、マレイン酸、フマル酸またはそれらの塩、エステ
ルなどの誘導体などが挙げられる。特にカルボン酸化合
物として、フタル酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、コ
ハク酸、マレイン酸、フマル酸などのジカルボン酸また
はその誘導体を用いることが好ましい。
このカルボン酸化合物の使用量としては、金属塩と中
和剤との反応により生成する微粒子の乾燥時の重量に対
して0.1〜20重量%、特に0.5〜5重量%の範囲が好まし
い。すなわち、カルボン酸化合物の使用量が上記範囲よ
り少ない場合は、ゾルの濾過性や乾燥後のゲルの粉砕
性、再分散性を良好にする効果が充分に発揮されず、ま
た、カルボン酸化合物の使用量が上記範囲より多くなる
と、濾過、乾燥後のゲルを焼成する段階で失われるカル
ボン酸化合物の量が多くなり、経済的な損失が多くなり
すぎる。
本発明において、金属塩の金属としては、たとえばア
ルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、セリウム、亜
鉛、マグネシウム、カルシウム、バナジウム、クロム、
マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、スズ、アンチ
モン、鉛などが、それぞれ単独で、または2種以上混合
した状態で用いられる。また、上記金属塩としては、硫
酸塩、硝酸塩、塩化物が、それぞれ単独で、または2種
以上混合して用いられる。
中和剤としては、アンモニウム、水酸化リチウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの水酸化アルカリ
が、それぞれ単独で、または2種以上混合して用いられ
る。
また、本発明においては、金属塩としてアルミン酸ソ
ーダを用いることができ、この場合は、中和剤として硫
酸、硝酸、塩酸が、それぞれ単独で、または2種以上混
合して用いられる。
上記金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とは、カルボン
酸化合物が分散または溶解している水中に同時に添加さ
れるが、その際、反応温度やpH値を一定に保つようにす
るのが好ましい。すなわち、カルボン酸化合物が分散ま
たは溶解している水中での金属塩と中和剤との反応が、
温度、pHなどが一定に制御された状態で進行すると、理
由は明確ではないが、粒径の揃った微粒子が得られる。
pHは3〜10の範囲、温度は常温〜80℃の範囲内で選ぶの
が好ましい。
上記のようなカルボン酸化合物が分散または溶解して
いる水中での金属塩と中和剤との反応により、水酸化物
または水和物の微粒子が得られ、この微粒子は濾過、水
洗したのち、100〜150℃で乾燥される。上記の濾過は凝
集剤などを必要とせず、容易に行われ、また乾燥後のゲ
ルは指で押さえると容易につぶれる程度の非常に弱い凝
集体である。そのため、スプレードライヤーなどで乾燥
すると、非常に嵩密度の大きい微粉体が得られる。
金属塩と中和剤との反応によって得られる微粒子は、
通常、水酸化物の微粒子であるが、使用する金属塩の種
類によっては水和物と呼ばれる範疇に入るものがあり、
また、水酸化物であるか水和物であるか明確でないもの
もあるので、本発明では水酸化物または水和物の微粒子
と表現する。
水酸化物または水和物のいずれにせよ、酸化物を得る
ためには乾燥して得られた微粒子を焼成する必要がある
ので、乾燥後の微粒子は焼成される。焼成温度は、水酸
化物または水和物の種類や酸化物の種類によって異なる
が、一般に500〜1,300℃である。たとえば、γ−アルミ
ナを得る場合は800〜900℃、α−アルミナを得る場合は
1,000℃以上の温度で焼成される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。な
お、以下において濃度を示す%はいずれも重量%による
ものである。
実施例1 硫酸アルミニウム〔Al2(SO4・xH2O、Al2O3:17.0
%〕の300g/の水溶液2と、28%アンモニア水を同
量の水で希釈したアンモニア水約1とを用意した。
テレフタル酸5g(生成させる微粒子の乾燥時重量の2
%に相当)を水500mlに添加してテレフタル酸を水中に
分散させ、このテレフタル酸が分散する水を60℃に加温
して撹拌しながら、その中にアンモニアを加えて、pH5
に調整した。
つぎに、このテレフタル酸が分散する水中に前記硫酸
アルミニウム水溶液とアンモニア水とを、pHが5付近か
ら大きく外れないように両液の滴下速度を調節しなが
ら、同時に少しずつ滴下を続けた。
両液の滴下と同時に水酸化アルミニウムの微粒子が白
色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しな
がら、硫酸アルミニウム水溶液が全量なくなるまで、硫
酸アルミニウム水溶液とアンモニア水とを同時に滴下し
続けた。硫酸アルミニウム水溶液が全量なくなったとこ
ろで、アンモニア水の滴下も止め、その後、さらに10分
間撹拌を続けた。
得られた反応液を吸引濾過し、白色沈殿物を得た。濾
過時間は5分/であった。使用した濾紙は直径15cmの
No.5Cであり、吸引圧は700mmHgであった。
得られた白色沈殿物を150℃で15時間乾燥した。乾燥
物の重量は250gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状に
なっていたが、指で押さえると容易につぶれ微粉化し
た。得られた乾燥粉体は、X線回折により調べたとこ
ろ、無定形をしていた。
この乾燥粉体を900℃で2時間焼成した。得られた粉
体は、X線回折により調べたところ、γ−アルミナであ
ることが確認された。
このγ−アルミナを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、一次粒子は平均粒径が0.05μmの球状微粒子であ
り、比表面積は80m2/gであった。
実施例2 アルミン酸ソーダ〔NaAlO2(試薬一級)〕の200g/
の水溶液500mlと、10%硫酸とを用意した。
別途用意した酒石酸1g(生成させるゲルの乾燥時重量
の3.9%に相当)を添加し30℃に加温した水250mlを撹拌
しながら、その中にアルミン酸ソーダ水溶液を加えて、
pHが5になるように調整した。pH調整後、上記酒石酸が
溶解した水中に上記のアルミン酸ソーダ水溶液と10%硫
酸とを、pHが5付近から大きく外れないように両液の滴
下温度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続けた。
両液の滴下と同時に水酸化アルミニウムの微粒子が白
色沈殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しな
がら、アルミン酸ソーダ水溶液が全量なくなるまで、ア
ルミン酸ソーダ水溶液と硫酸とを同時に滴下し続けた。
アルミン酸ソーダ水溶液が全量なくなったところで、硫
酸の滴下も止め、その後、さらに10分間撹拌した。
得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾過して、白
色沈殿物を得た。濾過時間は6分/であった。
得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物の重
量は25.5gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状になっ
ていたが、指で押さえると容易につぶれ微粉化した。得
られた乾燥粉体は、X線回折により調べたところ、無定
形であった。
つぎに、この乾燥粉体を800℃で4時間焼成した。得
られた粉体は、X線回折により調べたところ、γ−アル
ミナであることが確認された。
このγ−アルミナを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、一次粒子の平均粒径は0.08μmであった。
実施例3 硫酸チタニル〔TiOSO4〕の200g/の水溶液500mlと、
1Nの水酸化ナトリウム水溶液とを用意した。
別途用意したテレフタル酸1g(生成させる微粒子の乾
燥時重量の3.2%に相当)を添加し60℃に加温した水250
mlを撹拌しながら、その中に水酸化ナトリウム水溶液を
加えて、pHが6になるように調整した。pH調整後、上記
テレフタル酸が分散した水中に上記の硫酸チタニル水溶
液と水酸化ナトリウム水溶液とを、pHの値が6付近から
大きく外れないように両液の滴下速度を調節しながら、
同時に少しずつ滴下を続けた。
両液の滴下と同時に含水酸化チタンの微粒子が白色沈
殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しなが
ら、硫酸チタニル水溶液が全量なくなるまで、硫酸チタ
ニル水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを同時に滴下し
続けた。硫酸チタニル水溶液が全量なくなったところ
で、水酸化ナトリウム水溶液の滴下も止め、その後、さ
らに10分間撹拌を続けた。
得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾過して、白
色沈殿物を得た。濾過時間は4分/であった。
得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物の重
量は31.3gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状になっ
ていて、実施例1〜2で述べたアルミニウム化合物の場
合よりやや硬かったが、指で押さえるとつぶれて微粉化
した。
つぎに、この乾燥粉体を900℃で2時間焼成した。得
られた粉体は、X線回折により調べたところ、アナター
ゼ型酸化チタンであることが確認された。
この酸化チタンを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、一次粒子の平均粒径は0.05μmであった。
実施例4 硫酸ジルコニウム〔Zr(SO4・4H2O〕の200g/の
水溶液500mlと、14%アンモニア水とを用意した。
別途用意した無水フタル酸1g(生成させる微粒子の乾
燥時重量の2.3%に相当)を添加し60℃に加温した水250
mlを撹拌しながら、その中にアンモニア水を加えて、pH
が5になるように調節した。pH調整後、上記無水フタル
酸が分散した水中に上記の硫酸ジルコニウム水溶液とア
ンモニア水とを、pHが5付近から大きく外れないように
両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を
続けた。
滴下と同時に含水酸化ジルコニウムの微粒子が白色沈
殿として生成するので、白色沈殿の生成を確認しなが
ら、硫酸ジルコニウム水溶液が全量なくなるまで、硫酸
ジルコニウム水溶液とアンモニア水とを同時に滴下し続
けた。硫酸ジルコニウム水溶液が全量なくなったところ
で、アンモニア水の滴下も止め、その後、さらに10分間
撹拌を続けた。
得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾過して、白
色沈殿物を得た。濾過時間は6分/であった。
得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物の重
量は42.8gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状になっ
ていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化した。
つぎに、この乾燥粉体を700℃で2時間焼成した。得
られた粉体は、X線回折により調べたところ、酸化ジル
コニウムであることが確認された。
この酸化ジルコニウムを走査型電子顕微鏡で観察した
ところ、一次粒子の平均粒径は0.1μmであった。
実施例5 硫酸第二セリウム〔Ce(SO4・4H2O〕の200g/の
水溶液500mlと、14%アンモニア水とを用意した。
別途用意したオルトフタル酸1g(生成させる微粒子の
乾燥時重量の1.8%に相当)を添加し60℃に加温した水2
50mlを撹拌しながら、その中にアンモニア水を加えて、
pHが5になるように調節した。pH調整後、上記のオルト
フタル酸が分散した水中に上記の硫酸第二セリウム水溶
液とアンモニア水とを、pHが5付近から大きく外れない
ように両液の滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ
滴下を続けた。
滴下と同時に水酸化セリウムの微粒子が黄色沈殿とし
て生成するので、黄色沈殿の生成を確認しながら、硫酸
第二セリウム水溶液が全量なくなるまで、硫酸第二セリ
ウム水溶液とアンモニア水とを同時に滴下し続けた。硫
酸第二セリウム水溶液が全量なくなったところで、アン
モニア水の滴下も止め、その後、さらに10分間撹拌を続
けた。
得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾過して、黄
色沈殿物を得た。濾過時間は5分/であった。
得られた黄色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物の重
量は56.8gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状になっ
ていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化した。
つぎに、この乾燥粉体を700℃で2時間焼成した。得
られた粉体は、X線回折により調べたところ、酸化セリ
ウムであることが確認された。
この酸化セリウムを走査型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、一次粒子の平均粒径は0.2μmであった。
実施例6 硫酸亜鉛〔ZnSO4・7H2O(試薬一級)〕の200g/の水
溶液500mlと、14%アンモニア水とを用意した。
別途用意したテレフタル酸1g(生成させる微粒子の乾
燥時重量の3.3%に相当)を添加し60℃に加温した水250
mlを撹拌しながら、その中にアンモニア水を加えて、pH
が5になるように調節した。pHの調整後、上記テレフタ
ル酸が分散した水中に上記の硫酸亜鉛水溶液とアンモニ
ア水とを、pHが5付近から大きく外れないように両液の
滴下速度を調節しながら、同時に少しずつ滴下を続け
た。
滴下と同時に水酸化亜鉛の微粒子が白色沈殿として生
成するので、白色沈殿の生成を確認しながら、硫酸亜鉛
水溶液が全量なくなるまで、硫酸亜鉛水溶液とアンモニ
ア水とを同時に滴下し続けた。硫酸亜鉛水溶液が全量な
くなったところで、アンモニア水の滴下も止め、その
後、さらに10分間撹拌を続けた。
得られた反応液を実施例1と同様に吸引濾過して、白
色沈殿物を得た。濾過時間は3分/であった。
得られた白色沈殿物を150℃で乾燥した。乾燥物の重
量は30.1gであった。乾燥物は、見掛け上、塊状になっ
ていたが、指で押さえるとつぶれて微粉化した。
つぎに、この乾燥粉体を500℃で2時間焼成した。得
られた粉体は、X線回折により調べたところ、酸化亜鉛
であることが確認された。
この酸化亜鉛を走査電子顕微鏡で観察したところ、一
次粒子の平均粒径は0.2μmであった。
比較例1 実施例1において、水中にテレフタル酸を分散させる
ことなく、硫酸アルミニウムとアンモニア水とを反応さ
せた。すなわち、硫酸アルミニウムとアンモニア水と
を、テレフタル酸を分散させていない水中に添加したほ
かは、実施例1と同様に反応させた。
得られた反応液は、白色のスラリーで、濾過時間は実
施例1と同一条件で5時間/であった。また、長時間
かけて濾別した固形分(ゲル)を、150℃で乾燥したと
ころ、シリカゲル様の硬い塊となり、粉砕は非常に困難
であった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、微粒子状金属
酸化物の前駆体として得られる水酸化物または水和物の
微粒子ゲルの濾過性および乾燥後の粉砕性が優れている
ので、微粒子ゲルの濾過および乾燥後の粉砕が容易に行
えるようになり、微粒子状金属酸化物の製造が効率よく
行えるようになった。
また、本発明によって得られる微粒子状金属酸化物
は、一次粒径が小さく、また、それに伴って粒度分布幅
も狭いので、セラミックス原料としてはもちろんのこ
と、磁気テープのバックコーティング剤として、あるい
はプラスティックや塗料、接着剤などのフィラーとし
て、また精密加工用の研磨剤として、広い用途に好適に
使用できるものと期待される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C01G 25/02 C01G 25/02 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01B 13/32 C01F 7/30 C01F 17/00 C01G 23/04 C01G 25/02 C01G 9/02

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルボン酸化合物が分散または溶解してい
    る水中に、金属塩の水溶液と中和剤の水溶液とを同時に
    添加して、水酸化物または水和物の微粒子を生成させ、
    得られた微粒子を焼成することを特徴とする微粒子状金
    属酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】金属塩の金属が、アルミニウム、チタニウ
    ム、ジルコニウム、セリウムおよび亜鉛よりなる群から
    選ばれた少なくとも一種であり、 金属塩の塩が、硫酸塩、硝酸塩および塩化物よりなる群
    から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の微粒
    子状金属酸化物の製造方法。
  3. 【請求項3】中和剤が、アンモニアおよび水酸化アルカ
    リよりなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項
    1記載の微粒子状金属酸化物の製造方法。
  4. 【請求項4】金属塩が、アルミン酸ソーダであり、中和
    剤が、硫酸、硝酸および塩酸よりなる群からなる選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1記載の微粒子状金属酸
    化物の製造方法。
  5. 【請求項5】カルボン酸化合物が、ジカルボン酸または
    その誘導体である請求項1記載の微粒子状金属酸化物の
    製造方法。
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