JP3432134B2 - 金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体ならびにこれらの製法 - Google Patents

金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体ならびにこれらの製法

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JP3432134B2
JP3432134B2 JP09684598A JP9684598A JP3432134B2 JP 3432134 B2 JP3432134 B2 JP 3432134B2 JP 09684598 A JP09684598 A JP 09684598A JP 9684598 A JP9684598 A JP 9684598A JP 3432134 B2 JP3432134 B2 JP 3432134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム系の
金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体ならびにこ
れらの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の水酸化マグネシウムは、微細結晶
が凝集し、二次粒子径が平均10μm〜100μm程度
の凝集体を形成している。これらを原料として作製され
た酸化マグネシウムも粒径が不均一なものしか得られて
いなかった。このため、上記水酸化マグネシウムや酸化
マグネシウムを樹脂の添加剤として使用した際に、分散
性が悪く、添加剤としての機能を充分に発揮しなかった
り、樹脂本来の物性を損なう等の欠点を有していた。
【0003】このような問題を解決するために、結晶成
長が良い水酸化マグネシウムの製造法(特公昭63−4
8809号公報)や、高分散性酸化マグネシウムの製造
法(特開平2−141418号公報)が提案されてい
る。また、さらに高性能化したマグネシウム系金属水酸
化物固溶体およびマグネシウム系金属酸化物固溶体(特
開平6−41441号公報,特開平5−209084号
公報および特開平6−157032号公報)が提案さ
れ、ある程度の効果をあげている。また、補強性等の改
善のために大粒径にしたものとして、高アスペクト比マ
グネシウム系金属水酸化物固溶体及びマグネシウム系金
属酸化物固溶体(特開平8−259235号公報)が提
案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の水酸化マグネシウム,酸化マグネシウム,マグネシ
ウム系金属水酸化物固溶体,マグネシウム系金属酸化物
固溶体,高アスペクト比マグネシウム系金属水酸化物固
溶体及びマグネシウム系金属酸化物固溶体は、結晶粒径
の大小はあっても、いずれも薄い六角柱状の結晶であ
る。このため、添加剤として合成樹脂に混練すると樹脂
の粘度が上昇し、流動性や加工性が悪くなり、成形速度
が低下して生産性が悪くなったり、高密度充填ができな
かったりするという問題がある。また、対応樹脂用途に
よっては、その形状要因から、樹脂中の分散性が悪くな
ることがあり、その添加剤の機能を充分に発揮しないこ
ともあった。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、樹脂に混練等した際の流動性や加工性等を向上
させた金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体なら
びにこれらの製法の提供をその目的とする。
【0006】
〔式(1)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なくとも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<0.5の範囲の数を示す。〕
【0007】また、本発明の金属酸化物固溶体は、下記
の式(2)を満足し、かつ、結晶外形が、平行な上下2
面の基底面と外周6面の角錐面とからなり上記角錐面
、ミラー・ブラベ指数で表わされる(10・1)の型
面に属する角錐面で上向き傾斜面と下向き傾斜面とが交
互に配設された8面体形状を呈し、基底面の長軸径と上
下の基底面間の厚みとの比率(長軸径/厚み)が1〜9
であることを要旨とする。 Mg1-x 2+ x O…(2) 〔式(2)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
0.5の範囲の数を示す。〕
【0008】そして、本発明の金属水酸化物固溶体の製
法は、下記の式(3)で表される複合金属酸化物を、カ
ルボン酸,カルボン酸の金属塩,無機酸および無機酸の
金属塩からなる群から選ばれた少なくとも一種が上記複
合金属酸化物に対して0.1〜6mol%共存する水媒
体中、攪拌羽根形状がタービン羽根またはDSインペラ
羽根である攪拌羽根を使用し、その攪拌羽根の周速を5
m/s以上とする攪拌下にて水和反応させることを要旨
とする。 Mg1-x 2+ x O …(3) 〔式(3)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
0.5の範囲の数を示す。〕
【0009】さらに、本発明の金属酸化物固溶体の製法
は、上記製法により得られた金属水酸化物固溶体を40
0℃以上の温度にて焼成することを要旨とする。
【0010】このように、本発明の金属水酸化物固溶体
は、結晶外形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の
角錐面とからなり上記角錐面が上向き傾斜面と下向き傾
斜面とが交互に配設された8面体形状を呈し、基底面の
長軸径と基底面間の厚みとの比率(長軸径/厚み)が1
〜9である。このように、従来の金属水酸化物固溶体の
ような薄い六角柱状の結晶とは全く異なった晶癖の外形
を呈し、かつ、厚み方向への結晶成長が大きい。このた
め、従来品と比べ添加剤として合成樹脂に混練した場合
に、樹脂の流動性や加工性が向上し、成形速度が向上し
て生産性が非常に良くなるとともに、充填性も向上す
る。そして、樹脂中の分散性が良くなり、樹脂の難燃
剤,紫外線吸収剤,補強剤,放熱剤等の添加剤として使
用した場合に、それらの機能を充分に発揮できる。
【0011】本発明の金属水酸化物固溶体において、基
底面の長軸径が、平均で0.1〜10μmである場合に
は、添加剤として合成樹脂に混練した場合の流動性や加
工性がさらに向上し、樹脂成形を行う場合等の生産性が
極めて良くなる。
【0012】また、本発明の金属水酸化物固溶体におい
て、上記式(1)のM2+がZn2+である場合には、Zn
2+をMg(OH)2 に固溶させることにより、白色度が
向上するとともに、紫外線吸収性にも優れたものにな
る。
【0013】さらに、本発明の金属酸化物固溶体は、上
記金属水酸化物固溶体と同様に、結晶外形が、平行な上
下2面の基底面と外周6面の角錐面とからなり上記角錐
面が上向き傾斜面と下向き傾斜面とが交互に配設された
状態の8面体形状を呈し、基底面の長軸径と基底面間の
厚みとの比率(長軸径/厚み)が1〜9である。このよ
うに、従来の酸化物および金属水酸化物の結晶とは全く
異なった晶癖の外形を呈し、かつ、厚み方向への結晶成
長が大きい。このため、従来品と比べ添加剤として合成
樹脂に混練した場合に、樹脂の流動性や加工性が向上
し、成形速度が向上して生産性が非常に良くなるととも
に、充填性も向上する。そして、樹脂中の分散性が良く
なり、樹脂の難燃剤,紫外線吸収剤,補強剤,放熱剤等
の添加剤として使用した場合に、それらの機能を充分に
発揮できる。
【0014】本発明の金属酸化物固溶体において、基底
面の長軸径が、平均で0.1〜10μmである場合に
は、添加剤として合成樹脂に混練した場合の流動性や加
工性がさらに向上し、樹脂成形を行う場合等の生産性が
極めて良くなる。
【0015】また、本発明の金属酸化物固溶体におい
て、上記式(2)のM2+がZn2+である場合には、Zn
2+をMgOに固溶させることにより、白色度が向上する
とともに、紫外線吸収性にも優れたものになる。
【0016】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0017】本発明のマグネシウム系金属水酸化物固溶
体は、下記の式(1)を満足し、M2+で表される二価の
金属イオンが、Mg(OH)2 に固溶している。ここ
で、xは0.01≦x<0.5の範囲の数を示してい
る。そして、この金属水酸化物固溶体は、水酸化マグネ
シウムと同じ結晶構造を示し、六方晶系の水酸化カドミ
ウム型構造を呈している。 Mg1-x 2+ x (OH)2 …(1)
【0018】また、本発明のマグネシウム系金属酸化物
固溶体は、下記の式(2)を満足し、M2+で表される二
価の金属イオンが、MgOに固溶している。ここで、x
は0.01≦x<0.5の範囲の数を示している。そし
て、この金属酸化物固溶体は、通常の酸化マグネシウム
と同じ結晶構造であり、立方晶系のガンエン型構造であ
るが、上記水酸化固溶体の形骸を保持して酸化物となっ
ているものである。 Mg1-x 2+ x O …(2)
【0019】上記式(1)および式(2)において、M
2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+および
Zn2+からなる群から選ばれた少なくとも一種の二価金
属イオンを示している。これらのなかでも、特に、Zn
2+が好ましい。Zn2+は、Mg(OH)2 もしくはMg
Oに固溶させることにより、白色度を向上させるととも
に、その固溶体に優れた紫外線吸収性を付与することが
できるからである。
【0020】また、本発明の金属水酸化物固溶体および
金属酸化物固溶体は、平行な上下2面の基底面と外周6
面の角錐面とからなり、上記角錐面が上向き傾斜面と下
向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状を呈してい
る。
【0021】より詳しく説明すると、従来の水酸化マグ
ネシウム,マグネシウム系金属水酸化物固溶体は、結晶
構造としては六方晶系であり、図1に示すように、ミラ
ー・ブラベー指数において(00・1)面で表される上
下2面の基底面10と、{10・0}の型面に属する6
面の角筒面11で外周が囲まれた六角柱状である。そし
て、〔001〕方向(c軸方向)への結晶成長が少ない
ため、薄い六角柱状を呈している。
【0022】これに対し、本発明の金属水酸化物固溶体
および金属酸化物固溶体は、図2に示すように、結晶成
長時の晶癖制御により、(00・1)面で表される上下
2面の基底面12と、{10・1}の型面に属する6面
の角錘面13で外周が囲まれている。そして、上記角錘
面13は、(10・1)面等の上向き傾斜面13aと、
(10・−1)面等の下向き傾斜面13bとが交互に配
設された特殊な晶癖を有する8面体形状を呈している。
また、c軸方向への結晶成長も従来のものに比べて大き
い。図2に示すものは、板状に近い形状であるが、さら
にc軸方向への結晶成長が進み、晶癖が顕著に現れて等
方的になったものを図3に示す。このように、本発明の
金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体は、正八面
体に近い形状ものも含むのである。すなわち、基底面の
長軸径と基底面間の厚みとの比率(長軸径/厚み)は、
1〜9が好適である。この長軸径と厚みとの比率の上限
値としてより好適なのは、7である。なお、上記ミラー
・ブラベー指数において、「1バー」は、「−1」と表
示した。
【0023】このように、本発明の金属水酸化物固溶体
および金属酸化物固溶体が、外周を囲む6つの面が、
{10・1}に属する角錘面であることは、つぎのこと
からわかる。すなわち、本発明の金属水酸化物固溶体お
よび金属酸化物固溶体の結晶を、c軸方向から走査型電
子顕微鏡で観察すると、この結晶は、c軸を回転軸とす
る3回回転対称を呈している。また、粉末X線回折によ
る格子定数の測定値を用いた(10・1)面と{10・
1}の型面との面間角度の計算値が、走査型電子顕微鏡
観察における面間角度の測定値とほぼ一致する。
【0024】さらに、本発明の金属水酸化物固溶体およ
び金属酸化物固溶体は、粉末X線回折における(11
0)面のピークの半価幅B110 と、(001)面のピー
クの半価幅B001 との比(B110 /B001 )は、1.4
以上である。このことからも、c軸方向への結晶性が良
いことと、厚みが成長していることが確認できる。すな
わち、従来の水酸化マグネシウム等の結晶では、c軸方
向への結晶が成長しておらず、(001)面のピークが
ブロードで半価幅B001 も大きくなる。したがって(B
110 /B001 )の価は、小さくなる。これに対し、本発
明の金属水酸化物固溶体および金属酸化物固溶体では、
c軸方向の結晶性が良いために、(001)面のピーク
が鋭く、細くなり、半価幅B001 も小さくなる。したが
って(B110 /B001 )の価が大きくなるのである。
【0025】すなわち、本発明の金属水酸化物固溶体お
よび金属酸化物固溶体は、従来のものと全く異なる晶癖
の結晶外形を有するとともに、c軸方向への結晶成長も
顕著である。このように、従来見られなかった新規な結
晶形状を有するものである。
【0026】本発明の金属水酸化物固溶体および金属酸
化物固溶体の平均粒径は、0.1〜10μmの範囲が好
適である。この平均粒径の下限値としてより好ましいの
は0.5μmであり、さらに好ましくは1μmである。
上限値としてより好ましいのは5μmであり、さらに好
ましくは3μmである。また、二次凝集がほとんどない
ことが好ましい。
【0027】本発明の金属水酸化物固溶体は、例えば、
つぎのようにしてつくることができる。すなわち、ま
ず、水酸化マグネシウム水溶液に水溶性M2+化合物を添
加し、原料である部分固溶化水酸化物を得る。この原料
を、800〜1500℃の範囲、好ましくは1000〜
1300℃の範囲で焼成することにより、複合金属酸化
物を得る。この複合金属酸化物は、下記の式(3)で表
され、BET比表面積が10m2 /g以下、好ましくは
5m2 /g以下である。上記複合金属酸化物を、カルボ
ン酸、カルボン酸の金属塩、無機酸および無機酸の金属
塩からなる群から選ばれた少なくとも一種が上記複合金
属酸化物に対して約0.1〜6mol%共存する水媒体
中の系で、強攪拌しながら40℃以上の温度で水和反応
させることにより、本発明の金属水酸化物固溶体が得ら
れる。 Mg1-x 2+ x O …(3)
【0028】上記式(3)において、M2+は、Mn2+
Fe2+,Co2+,Ni2+,Cu2+およびZn2+からなる
群から選ばれた少なくとも一種の二価金属イオンを示し
ている。これらのなかでも、特に、Zn2+が好ましい。
【0029】上記方法において、原料としては上述した
方法で得られる部分固溶化水酸化物に限らず、焼成によ
って複合金属酸化物を得られる原料であれば特に限定さ
れるものではなく、例えば、共沈法によって得られる複
合金属水酸化物や、あるいは水酸化マグネシウム,酸化
マグネシウムおよび炭酸マグネシウムからなる群から選
ばれた少なくとも一種と、M2+の水酸化物,M2+の酸化
物およびM2+の塩類からなる群から選ばれた少なくとも
一種との混合物等があげられる。また、水和反応時の攪
拌は、均一性や分散性の向上、カルボン酸、無機酸およ
び/またはそれらの金属塩との接触効率向上等のため、
強攪拌が好ましく、さらに強力な高剪断攪拌であればな
お好ましい。このような攪拌は、例えば、回転羽根式の
攪拌機において、回転羽根の周速を5m/s以上として
行うことが好ましく、さらには7m/s以上で行うこと
がより好ましい。また、攪拌羽根形状は剪断力の強いタ
ービン羽根やDSインペラ羽根等の形状のものを使用す
ることが好ましい。
【0030】上記カルボン酸としては、特に限定される
ものではないが、好ましくはモノカルボン酸、オキシカ
ルボン酸(オキシ酸)等があげられる。上記モノカルボ
ン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、アクリル酸、クロトン酸等が
あげられ、上記オキシカルボン酸(オキシ酸)として
は、例えばグリコール酸、乳酸、ヒドロアクリル酸、α
−オキシ酪酸、グリセリン酸、サリチル酸、安息香酸、
没食子酸等があげられる。また、上記カルボン酸の金属
塩としては、特に限定されるものではないが、好ましく
は酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛等があげられる。
【0031】そして、上記無機酸としては、特に限定さ
れるものではないが、好ましくは硝酸、塩酸等があげら
れる。また、上記無機酸の金属塩としては、特に限定さ
れるものではないが、好ましくは硝酸マグネシウム、硝
酸亜鉛等があげられる。
【0032】また、本発明の金属酸化物固溶体は、上述
したようにして得られた金属水酸化物固溶体を、約40
0℃以上、好ましくは500〜1200℃で焼成するこ
とによりつくることができる。
【0033】本発明の金属水酸化物固溶体および金属酸
化物固溶体は、各種の表面処理を施すことにより、樹脂
に対する親和性,耐酸性,撥水性,紫外線吸収性等の機
能を付与することができる。本発明の金属水酸化物固溶
体および金属酸化物固溶体は、上述したように樹脂中の
分散が良くなり、上記のように表面処理によって機能を
付与した場合にも、その機能を充分に発揮できる。
【0034】樹脂との親和性を高めるための表面処理剤
としては、例えば、高級脂肪酸またはそのアルカリ金属
塩,リン酸エステル,シランカップリング剤類,多価ア
ルコールの脂肪酸エステル類等があげられる。また、耐
酸性,撥水性等を高めるためには、例えば、メチルシリ
ケート,エチルシリケートの加水分解によるシリカコー
ティング、シリカコーティング後に約500〜1000
℃で焼成することによるケイ酸金属塩コーティング、シ
リコーンオイル,ポリフルオロアルキルリン酸エステル
塩等によるコーティング等が行われる。また、紫外線吸
収性を高めるためには、例えば、硫酸チタニルを加水分
解反応させて二酸化チタンを被覆することが行われる。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明は、従来の金属水
酸化物固溶体のような薄い六角柱状の結晶とは全く異な
った晶癖の外形を呈し、かつ、厚み方向への結晶成長が
大きい。このため、従来品と比べ添加剤として合成樹脂
に混練した場合に、樹脂の流動性や加工性が向上し、成
形速度が向上して生産性が非常に良くなるとともに、充
填性も向上する。そして、樹脂中の分散性が良くなり、
樹脂の難燃剤,紫外線吸収剤,補強剤,放熱剤等の添加
剤として使用した場合に、それらの機能を充分に発揮で
きる。
【0036】本発明において、基底面の長軸径が、平均
で0.1〜10μmである場合には、添加剤として合成
樹脂に混練した場合の流動性や加工性がさらに向上し、
樹脂成形を行う場合等の生産性が極めて良くなる。
【0037】また、本発明において、上記式(1)およ
び式(2)のM2+がZn2+である場合には、Zn2+をM
gOやMg(OH)2 に固溶させることにより、白色度
が向上するとともに、紫外線吸収性にも優れたものにな
る。
【0038】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0039】
【実施例1】まず、硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛の混合
溶液(Mg2+=1.6mol/リットル,Zn2+=0.
4mol/リットル)20リットルを、50リットルの
反応容器に入れ、攪拌しながら2.0mol/リットル
のCa(OH)2 を20リットル加えて反応させた。つ
いで、得られた白色沈殿を濾過し、水洗後乾燥させた。
この乾燥物をボールミルで粉砕し、電気炉を用いて12
00℃で2時間焼成した。この焼成物をボールミルで粉
砕し、湿式法で200meshのふるいを通過させた。
この焼成物を、0.01mol/リットルの酢酸10リ
ットルを入れた20リットル容器に、酸化物濃度が10
0g/リットルとなるように添加した。そして、高速攪
拌機(商品名:ホモミクサー,特殊機化社製)で、ター
ビン羽根の周速を10m/sとして攪拌しながら、90
℃で4時間水和反応を進めた。この反応物を500me
shのふるいにかけ、引き続き濾過,水洗,乾燥させ、
本発明の金属水酸化物固溶体を得た。
【0040】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.2
μm、基底面間の厚みが約0.36μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、3.
3であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図4に示す。また、上記金属水酸化物固溶体に
ついて粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、少
し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシウ
ムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化カ
ドミウム型構造であることがわかる。
【0041】
【実施例2】水酸化マグネシウムスラリー(Mg(O
H)2 100g/リットル)20リットルを、30リッ
トルの反応容器に入れ、攪拌しながら2.0mol/リ
ットルのZnCl2 を3.4リットル加えて反応させ
た。得られた白色沈殿を濾過,水洗後、乾燥させた。こ
の乾燥物をボールミルで粉砕したのち、電気炉を用いて
1100℃で2時間焼成した。この焼成物をボールミル
で粉砕し、湿式法で500meshのふるいを通過させ
た。その焼成物を、0.03mol/リットルの酢酸1
0リットルを入れた20リットル容器に、酸化物濃度1
00g/リットルとなるように添加した。そして、エッ
ジタービン羽根付き攪拌機を用い、エッジタービン羽根
の周速を12m/sとして攪拌しながら、90℃で6時
間水和反応を進めた。この反応物を500meshのふ
るいにかけ、引き続き濾過,水洗,乾燥させ、本発明の
金属水酸化物固溶体を得た。
【0042】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約2.4
μm、基底面間の厚みが約0.37μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、6.
5であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図5に示す。また、上記金属水酸化物固溶体に
ついて粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、少
し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシウ
ムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化カ
ドミウム型構造を呈していることがわかる。
【0043】
【実施例3】まず、硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛の混合
溶液(Mg2+=1.6mol/リットル,Zn2+=0.
4mol/リットル)20リットルを、50リットルの
反応容器に入れ、攪拌しながら2.0mol/リットル
のCa(OH)2 20をリットル加えて反応させた。つ
いで、得られた白色沈殿を濾過,水洗後乾燥させた。こ
の乾燥物をボールミルで粉砕し、電気炉を用いて120
0℃で2時間焼成した。この焼成物をボールミルで粉砕
し、湿式法で200meshのふるいを通過させた。こ
の焼成物を、0.08mol/リットルのn−酪酸10
リットルを入れた20リットル容器に、酸化物濃度10
0g/リットルとなるように添加した。そして、高速攪
拌機(商品名:ホモミクサー)で、タービン羽根の周速
を10m/sとして攪拌しながら、90℃で4時間水和
反応を進めた。この反応物を500meshのふるいに
かけ、引き続き濾過,水洗,乾燥させ、本発明の金属水
酸化物固溶体を得た。
【0044】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、略正8面体形状を呈してい
た。また、基底面の長軸径が約2.5μm、基底面間の
厚みが約2.2μmであった。したがって、長軸径と厚
みの比率(長軸径/厚み)は、1.1であった。上記金
属水酸化物固溶体の走査型電子顕微鏡写真を図6に示
す。また、上記金属水酸化物固溶体について粉末X線回
折を行った結果、回折パターンは、少し低角度側にシフ
トしている以外は、水酸化マグネシウムと同様の回折パ
ターンが得られ、六方晶系の水酸化カドミウム型構造を
呈していることがわかる。
【0045】
【実施例4】実施例1で得られた金属水酸化物固溶体
を、電気炉を用い、900℃で2時間焼成し、本発明の
金属酸化物固溶体を得た。
【0046】上記金属酸化物固溶体について、走査型電
子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面体
形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.2μ
m、基底面間の厚みが約0.36μmであった。したが
って、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、3.3
であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微鏡
写真を図7に示す。また、上記金属水酸化物固溶体につ
いて粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、少し
低角度側にシフトしている以外は、酸化マグネシウムと
同様の回折パターンが得られた。
【0047】
【実施例5】実施例1において、0.01mol/リッ
トルの酢酸10リットルに代えて、0.01mol/リ
ットルの塩酸10リットルを用いた。それ以外は実施例
1と同様にして、本発明の金属水酸化物固溶体を得た。
【0048】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.1
μm、基底面間の厚みが約0.51μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、2.
2であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図8に示す。また、上記金属水酸化物固溶体に
ついて粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、少
し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシウ
ムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化カ
ドミウム型構造であることがわかる。
【0049】
【実施例6】実施例1において、0.01mol/リッ
トルの酢酸10リットルに代えて、0.26mol/リ
ットルの硝酸10リットルを用いた。それ以外は実施例
1と同様にして、本発明の金属水酸化物固溶体を得た。
【0050】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.0
μm、基底面間の厚みが約0.69μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、1.
4であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図9に示す。また、上記金属水酸化物固溶体に
ついて粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、少
し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシウ
ムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化カ
ドミウム型構造であることがわかる。
【0051】
【実施例7】実施例1において、0.01mol/リッ
トルの酢酸10リットルに代えて、酢酸マグネシウム
0.004mol/リットルと、酢酸亜鉛0.001m
ol/リットルの組成からなる水溶液10リットルを用
いた。それ以外は実施例1と同様にして、本発明の金属
水酸化物固溶体を得た。
【0052】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.1
μm、基底面間の厚みが約0.31μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、3.
5であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図10に示す。また、上記金属水酸化物固溶体
について粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、
少し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシ
ウムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化
カドミウム型構造であることがわかる。
【0053】
【実施例8】実施例1において、0.01mol/リッ
トルの酢酸10リットルに代えて、酢酸0.01mol
/リットルと、硝酸0.01mol/リットルの組成か
らなる水溶液10リットルを用いた。それ以外は実施例
1と同様にして、本発明の金属水酸化物固溶体を得た。
【0054】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.0
μm、基底面間の厚みが約0.52μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、1.
9であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図11に示す。また、上記金属水酸化物固溶体
について粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、
少し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシ
ウムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化
カドミウム型構造であることがわかる。
【0055】
【実施例9】実施例1において、0.01mol/リッ
トルの酢酸10リットルに代えて、酢酸0.01mol
/リットルと、硝酸マグネシウム0.005mol/リ
ットルの組成からなる水溶液10リットルを用いた。そ
れ以外は実施例1と同様にして、本発明の金属水酸化物
固溶体を得た。
【0056】上記金属水酸化物固溶体について、走査型
電子顕微鏡で観察した結果、外周に角錘面が現れた8面
体形状を呈していた。また、基底面の長軸径が約1.2
μm、基底面間の厚みが約0.59μmであった。した
がって、長軸径と厚みの比率(長軸径/厚み)は、2.
0であった。上記金属水酸化物固溶体の走査型電子顕微
鏡写真を図12に示す。また、上記金属水酸化物固溶体
について粉末X線回折を行った結果、回折パターンは、
少し低角度側にシフトしている以外は、水酸化マグネシ
ウムと同様の回折パターンが得られ、六方晶系の水酸化
カドミウム型構造であることがわかる。
【0057】
【比較例1】まず、硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛の混合
溶液(Mg2+=1.6mol/リットル,Zn2+=0.
4mol/リットル)20リットルを、50リットルの
反応容器に入れ、攪拌しながら2.0mol/リットル
のCa(OH)2 20をリットル加えて反応させた。つ
いで、得られた白色沈殿を濾過,水洗後乾燥させた。こ
の乾燥物をボールミルで粉砕し、電気炉を用いて120
0℃で2時間焼成した。この焼成物をボールミルで粉砕
し、湿式法で200meshのふるいにかけた。この焼
成物を、0.15mol/リットルの酢酸10リットル
を入れた20リットル容器に、酸化物濃度100g/リ
ットルとなるように添加した。そして、プロペラ羽根付
き攪拌機にて、プロペラ羽根の周速を4m/sとして攪
拌しながら、90℃で4時間水和反応を進めた。この反
応物を500meshのふるいにかけ、引き続き濾過,
水洗,乾燥させて乾燥物を得た。
【0058】得られた乾燥物について、走査型電子顕微
鏡で観察した結果、薄い六角柱状を呈していた。また、
基底面の長軸径が約5.5μm、基底面間の厚みが約
0.40μmであった。したがって、長軸径と厚みの比
率(長軸径/厚み)は、13.8であった。上記金属水
酸化物固溶体の走査型電子顕微鏡写真を図13に示す。
また、上記金属水酸化物固溶体について粉末X線回折を
行った結果、回折パターンは、少し低角度側にシフトし
ている以外は、水酸化マグネシウムと同様の回折パター
ンが得られた。
【0059】
【比較例2】硝酸マグネシウムと硝酸亜鉛の混合溶液
(Mg2+=0.9mol/リットル,Zn2+=0.1m
ol/リットル)1リットルを、3リットルの反応容器
に入れ、攪拌しながら2.04mol/リットルのNa
OH1リットルを加えて反応させた。ついで、この反応
物を塩素イオン濃度1mol/リットルの塩化ナトリウ
ム水溶液に乳化させ、容量3リットルの攪拌機付きのオ
ートクレーブに入れて150℃で2時間水熱処理した。
その後、引き続き濾過水洗乾燥して、乾燥物を得た。
【0060】得られた乾燥物について、走査型電子顕微
鏡で観察した結果、薄い六角柱状を呈していた。また、
基底面の長軸径が約0.66μm、基底面間の厚みが約
0.18μmであった。したがって、長軸径と厚みの比
率(長軸径/厚み)は、3.7であった。上記金属水酸
化物固溶体の走査型電子顕微鏡写真を図14に示す。ま
た、上記金属水酸化物固溶体について粉末X線回折を行
った結果、回折パターンは、少し低角度側にシフトして
いる以外は、水酸化マグネシウムと同様の回折パターン
が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の金属水酸化物固溶体の外形を示す説明図
であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【図2】本発明の金属水酸化物固溶体の外形の一例を示
す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図であ
る。
【図3】本発明の金属水酸化物固溶体の外形の他の例を
示す説明図であり、(a)は平面図、(b)は側面図で
ある。
【図4】実施例1の金属水酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図5】実施例2の金属水酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図6】実施例3の金属水酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図7】実施例4の金属酸化物固溶体を示す走査型電子
顕微鏡写真である。
【図8】実施例5の金属水酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図9】実施例6の金属水酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図10】実施例7の金属水酸化物固溶体を示す走査型
電子顕微鏡写真である。
【図11】実施例8の金属酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図12】実施例9の金属酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図13】比較例1の金属酸化物固溶体を示す走査型電
子顕微鏡写真である。
【図14】比較例2の金属水酸化物固溶体を示す走査型
電子顕微鏡写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C01G 53/00 C01G 53/00 A // C08K 3/22 C08K 3/22 (56)参考文献 特開 平6−5115(JP,A) 特開 平8−259235(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 9/00 C01G 3/00 C01G 45/00 C01G 49/00 C01G 51/00 C01G 53/00

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(1)を満足し、かつ、結晶外
    形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とか
    らなり上記角錐面が、ミラー・ブラベ指数で表わされる
    (10・1)の型面に属する角錐面で上向き傾斜面と下
    向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状を呈し、基
    底面の長軸径と上下の基底面間の厚みとの比率(長軸径
    /厚み)が1〜9であることを特徴とする金属水酸化物
    固溶体。 Mg1-x 2+ x (OH)2 …(1) 〔式(1)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕
  2. 【請求項2】 基底面の長軸径が、平均で0.1〜10
    μmである請求項1記載の金属水酸化物固溶体。
  3. 【請求項3】 上記式(1)のM2+がZn2+である請求
    項1または2記載の金属水酸化物固溶体。
  4. 【請求項4】 下記の式(2)を満足し、かつ、結晶外
    形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とか
    らなり上記角錐面が、ミラー・ブラベ指数で表わされる
    (10・1)の型面に属する角錐面で上向き傾斜面と下
    向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状を呈し、基
    底面の長軸径と上下の基底面間の厚みとの比率(長軸径
    /厚み)が1〜9であることを特徴とする金属酸化物固
    溶体。 Mg1-x 2+ x O…(2) 〔式(2)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕
  5. 【請求項5】 基底面の長軸径が、平均で0.1〜10
    μmである請求項4記載の金属酸化物固溶体。
  6. 【請求項6】 上記式(2)のM2+がZn2+である請求
    項4または5記載の金属酸化物固溶体。
  7. 【請求項7】 下記の式(1)を満足し、かつ、結晶外
    形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面とか
    らなり上記角錐面が、ミラー・ブラベ指数で表わされる
    (10・1)の型面に属する角錐面で上向き傾斜面と下
    向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状を呈し、基
    底面の長軸径と上下の基底面間の厚みとの比率(長軸径
    /厚み)が1〜9である金属水酸化物固溶体の製法であ
    って、下記の式(3)で表される複合金属酸化物を、カ
    ルボン酸,カルボン酸の金属塩,無機酸および無機酸の
    金属塩からなる群から選ばれた少なくとも一種が上記複
    合金属酸化物に対して0.1〜6mol%共存する水媒
    体中、攪拌羽根形状がタービン羽根またはDSインペラ
    羽根である攪拌羽根を使用し、その攪拌羽根の周速を5
    m/s以上とする攪拌下にて水和反応させることを特徴
    とする金属水酸化物固溶体の製法。 Mg1-x 2+ x (OH)2 …(1) 〔式(1)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕 Mg1-x 2+ x O …(3) 〔式(3)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕
  8. 【請求項8】 基底面の長軸径が、平均で0.1〜10
    μmである請求項7記載の金属水酸化物固溶体の製法。
  9. 【請求項9】 上記式(3)のM2+がZn2+である請求
    項7または8記載の金属水酸化物固溶体の製法。
  10. 【請求項10】 上記式(3)で表される複合金属酸化
    物のBET比表面積が10m2 /g以下である請求項7
    〜9のいずれか一項に記載の金属水酸化物固溶体の製
    法。
  11. 【請求項11】 下記の式(2)を満足し、かつ、結晶
    外形が、平行な上下2面の基底面と外周6面の角錐面と
    からなり上記角錐面が、ミラー・ブラベ指数で表わされ
    る(10・1)の型面に属する角錐面で上向き傾斜面と
    下向き傾斜面とが交互に配設された8面体形状を呈し、
    基底面の長軸径と上下の基底面間の厚みとの比率(長軸
    径/厚み)が1〜9である金属酸化物固溶体の製法であ
    って、下記の式(3)で表される複合金属酸化物を、カ
    ルボン酸,カルボン酸の金属塩,無機酸および無機酸の
    金属塩からなる群から選ばれた少なくとも一種が上記複
    合金属酸化物に対して0.1〜6mol%共存する水媒
    体中、攪拌羽根形状がタービン羽根またはDSインペラ
    羽根である攪拌羽根を使用し、その攪拌羽根の周速を5
    m/s以上とする攪拌下にて水和反応させ、ついでこれ
    を400℃以上の温度にて焼成することを特徴とする金
    属酸化物固溶体の製法。 Mg1-x 2+ x O…(2) 〔式(2)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕 Mg1-x 2+ x O …(3) 〔式(3)中、M2+は、Mn2+,Fe2+,Co2+,Ni
    2+,Cu2+およびZn2+からなる群から選ばれた少なく
    とも一種の二価金属イオンを示し、xは0.01≦x<
    0.5の範囲の数を示す。〕
  12. 【請求項12】 基底面の長軸径が、平均で0.1〜1
    0μmである請求項11記載の金属酸化物固溶体の製
    法。
  13. 【請求項13】 上記式(3)のM2+がZn2+である請
    求項11または12記載の金属酸化物固溶体の製法。
  14. 【請求項14】 上記式(3)で表される複合金属酸化
    物のBET比表面積が10m2 /g以下である請求項1
    1〜13のいずれか一項に記載の金属酸化物固溶体の製
    法。
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