JPH062562B2 - 透明性金属酸化物の製造方法 - Google Patents

透明性金属酸化物の製造方法

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JPH062562B2
JPH062562B2 JP60224322A JP22432285A JPH062562B2 JP H062562 B2 JPH062562 B2 JP H062562B2 JP 60224322 A JP60224322 A JP 60224322A JP 22432285 A JP22432285 A JP 22432285A JP H062562 B2 JPH062562 B2 JP H062562B2
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▲吉▼重 木田
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    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B13/00Oxygen; Ozone; Oxides or hydroxides in general
    • C01B13/14Methods for preparing oxides or hydroxides in general
    • C01B13/36Methods for preparing oxides or hydroxides in general by precipitation reactions in aqueous solutions

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Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 本発明は超微粒子上の透明性金属酸化物の製造方法に係
るもので、詳しくは、フィルム着色用、メタリック塗装
用、耐光性、耐熱性などの耐久性を向上させるための顔
料、化粧用基材や各種樹脂に添加して紫外線を遮蔽する
紫外線遮蔽剤等、に極めて有用な透明性金属酸化物の製
造方法に関するものである。
(b)従来の技術 顔料は無機顔料と有機顔料に大別される。
一般に無機顔料は耐熱性、耐光性などの耐久性に優れて
いるが、屈折率が大きくて隠蔽力が大きく、透明性に欠
けている。
一方、有機顔料は隠蔽力が小さく、透明性であるが、上
述の耐久性に欠ける。従って、透明な無機顔料が製造さ
れると、耐熱性や耐光性などの耐久性に優れた透明な新
しい顔料が得られるということになる。
一般に顔料の隠蔽力は、顔料粒子の粒子径が可視光線の
波長の約1/2、即ち、0.2〜0.3μmのとき最大
となり、それより大きくても小さくても小となるとされ
ている。これは0.3μmより粒子径が大となると表面
積が小さくなり、粒子表面で反射される光の総量が少な
くなるためであり、又、0.2μmより粒子径が小とな
ると光の透過量が増加するためである。このように、粒
子径を0.2〜0.3μmより大きくしても、小さくし
ても隠蔽力は小さくなるが、顔料の使用目的や顔料特
性、或は所望の透明度を考慮すると、粒子径を小さくし
て透明度を付与することが有効な場合がある。そのため
には、少なくとも粒子径が300Å以下、好ましくは2
00Å以下、特に好ましくは100Å以下の超微粒子状
の透明性金属酸化物(顔料)を製造する必要がある。
又、紫外線は合成樹脂及び有機化合物等の分子結合を励
起、切断する等のエネルギーを有し、これによってプラ
スチック成形体、食品、化粧品或は印刷物等の製品を変
質或は変色させて商品価値を失わせる大きな原因とな
る。
このため、製品に紫外線吸収剤を添加したり、或は製品
を紫外線から保護する目的で紫外線遮蔽用の樹脂組成物
で形成したフィルムやシートで製品を被覆して保護する
ことが提案されている。
更に、従来、化粧品中に紫外線吸収剤を紫外線散乱剤を
添加して紫外線を遮断し、これによって紫外線が皮膚へ
到達するのを防止する目的で、白粉やファンデーション
等の化粧品には紫外線吸収剤が添加されている。
(c)発明が解決しようとする問題点 本発明者はこのような観点から透明性顔料、紫外線・赤
外線遮蔽剤として極めて重要な用途を有する透明性金属
酸化物の製造方法について鋭意検討を重ねた結果、透明
性酸化鉄、透明性酸化クロム、透明性酸化コバルト及び
透明性酸化チタンの群よりなる個々の透明性金属酸化物
の製造方法(特公昭59−11626号公報)を発明す
るに至った。
この方法は上記の透明性金属酸化物を工業的規模で、し
かも経済的に製造しうる点で極めて優れているが、以下
に述べる問題があった。
即ち、この方法には水溶液中で生成した水和金属酸化物
を陰イオン性界面活性剤で一旦凝集させ、次にこの凝集
物に、水に不溶の有機溶媒を加えて攪拌し、これによっ
て上記水和金属酸化物を有機溶媒中に移行、分散させた
後、このオルガノゾル中の有機溶媒を蒸留して除去する
工程があり、このため、この有機溶媒の取扱いによる作
業環境の汚染や火災等の発生の恐れがあり、しかも有機
溶媒を還流して除去するには蒸留装置が必要になると共
にエネルギーの多大な消費になり、近年の省エネルギー
指向に逆行する等の問題があった。
(d)問題点を解決するための手段 本発明者らは上記問題点を一挙に解決すべく鋭意、検討
を重ねた結果、水溶液中で水和金属酸化物を調製し、こ
れを、有機溶媒を用いることなく、水溶液中で凝集させ
る画期的な方法を見い出し、本発明を完成するに至った
ものである。
即ち、本発明の第一の要旨は、Fe2+、Fe3+、T
4+Zn2+、Cr3+ 、Al3+の金属塩を単独、或は二
種以上含む水溶液に塩基性水溶液を加えてこれらの金属
に対応する平均粒子径が300Å以下の透明な陽性の水
和金属酸化物のゾルを調製し、これに界面活性剤を加え
るか、或はアルミニウムイオンを加えた状態で界面活性
剤を加えてゾルを一旦凝集させ、次に、この凝集物を濾
過し、洗浄を行った後、常圧或は減圧下で熱処理して脱
水することを特徴とするものである。
又、本発明の第二の要旨は、Fe2+、Fe3+、Ti4+
Zn2+、Cr3+ 、Al3+の金属塩のうちいずれか一種の
水溶液に塩基性水溶液を加えてその金属に対応する平均
粒子径が300Å以下の透明な陽性の水和金属酸化物の
ゾルを調製し、これに、上記金属塩のうち他種の金属塩
の水溶液を加え、この混合物に塩基性水溶液を加えてこ
の他種の金属に対応する透明な陽性の水和金属酸化物を
調製することにより透明性金属酸化物の複合ゾルを形成
させ、これに界面活性剤を加えるか、或はアルミニウム
イオンを加えた状態で界面活性剤を加えて上記複合ゾル
を一旦凝集させ、次に、この凝集物を濾過し、洗浄を行
った後、常圧或は減圧下で熱処理して脱水することを特
徴とするものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、先ず、Fe2+、Fe3+、Ti4+、Z
2+、Cr3+、Al3+の金属塩を単独、或は二種以上含
む水溶液に塩基性水溶液を加えてこれらの金属に対応す
る平均粒子径が300Å以下の透明な陽性の水和金属酸
化物のゾルを調製する工程Aを実施する。
本発明に用いられる上記金属塩としては、水溶性で、し
かも後述の塩基性水溶液により透明な水和金属酸化物の
ゾルを生成するものであれば特に限定されるものではな
く、例えばFe2+、Fe3+、Ti4+、Zn2+、Cr3+
Al3+の硫酸塩、硝酸塩、或は塩化物等が挙げられる
が、これらのうち特に硝酸塩や塩化物が好ましく、又こ
れらは単独で、或は所望により二種以上併用してもよい
のである。
又、上述の塩基性水溶液としては、例えば水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶
液、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩水溶液、
炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アン
モニウム等の炭酸水素塩、アンモニア水等が挙げられ
る。
そして、上記の金属塩水溶液と塩基性水溶液各々の濃度
は平均粒子径が300Å以下、好ましくは200Å以
下、特に好ましくは100Å以下の透明性金属酸化物が
得られるように適宜決定される。
そして、上記金属塩水溶液の濃度としては、0.1〜5
mol/の範囲とするのが好ましく、5mol/を超える
と、ゾルが濁ったり或は平均粒子径が300Åを超えて
沈澱したり、ゲル化したりして透明なゾルが得られ難
い。一方0.1mol/未満では、濃度が薄くなり過ぎ
て量産性に欠け、極めて不経済であるから好ましくな
い。
又、上記塩基性水溶液の濃度としては、0.5〜5mol
/とするのが好ましく、5mol/を越えると濃度が
高過ぎて後述のpHの調整が困難となり、一方0.5mol
/未満になると逆に濃度が薄くなり過ぎて液量が多く
なりすぎるから好ましくない。
この金属塩水溶液と塩基性水溶液とを反応させて、この
金属に対応する平均粒子径が300Å以下の透明な陽性
の水和金属酸化物のゾルを調製するにあたり、pH1〜pH
6の範囲で行うのが好ましい。
そして、この工程Aで得られた透明性水和金属酸化物の
ゾルの粒子径はそのまま透明性金属酸化物粒子の大きさ
となり、従って、この工程Aで生成したゾルを加熱した
り、或は長時間放置すると粒子が成長してゾルが濁った
り、ゲル化する恐れがあるため、ゾルを調製する際の温
度を60℃以上にしたり、又はこの工程Aから次に述べ
る工程Bに移行するまで長時間放置するのを避ける必要
がある。
本発明においては、次に、上記工程Aで得られた溶液
に、界面活性剤を加えるか、或はアルミニウムイオンを
加えた状態で界面活性剤を加えて、透明性水和金属酸化
物のゾルを一旦凝集させる工程Bを実施する。
即ち、上記工程Aで得られた溶液に直接界面活性剤を加
えて透明性水和金属酸化物のゾルを一旦凝集させてもよ
く、或はこれに代えて、上記工程Aで得られた溶液にア
ルミニウムイオンを加えた状態で界面活性剤を加え、こ
れによって透明性水和金属酸化物のゾルを一旦凝集させ
てもよいのである。そして、アルミニウムイオンを加え
る理由は酸化チタン等の透明性金属酸化物の表面を酸化
アルミニウムで包み、これによって、組成物や成形体中
での合成樹脂等の基材の安定化を図るためのものであ
り、従って、その添加量は用いる透明性金属酸化物の種
類によって適宜決定される。
従って、透明性金属酸化物を添加しても合成樹脂等の基
材が安定な場合には、上述の如く、アルミニウムイオン
を加える必要はないのである。
又、他の理由としては、アルミニウムイオンを加えるこ
とによってコロイド粒子の電荷量を増やし、界面活性剤
を加えた時点での凝集をより起こりやすくするためであ
る。
本発明に用いられる界面活性剤としては、例えばドデシ
ル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム、カプロン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウム、
ラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、アルキ
ルナフタリンスルホン酸ナトリウム、或は、リン酸エス
テル塩型の陰イオン界面活性剤、例えば、高級アルコー
ルリン酸モノエステルジナトリウム塩、高級アルコール
リン酸ジエステルナトリウム塩等の陰イオン界面活性
剤、オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸、ラウリン
酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸等の脂
肪族、低重合度ポリカルボン酸の塩、例えば低重合度ポ
リアクリル酸ソーダ、低重合度ポリアルリル酸ブチル、
低重合度ポリメタアクリル酸ソーダ、更に、下記一般式 (但し、分子量5000〜600万) で示されるスルホン化ポリスチレン等の界面活性剤等が
挙げられ、これらのうち特にドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウム、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン
酸、ステアリン酸を用いるのが好ましい。
この工程Bにおいて、界面活性剤の添加量は、透明性金
属酸化物の種類や量、用いる界面活性剤の種類によって
異なるので適宜決定される。
本発明においては、上記工程Bで得られた凝集物を濾過
して洗浄する工程Cを実施する。
本発明の最も大きな特徴はこの工程Cを導入した点にあ
る。
そして、凝集物を濾過して洗浄することにより、従来の
ように有機溶媒に移行、分散させるのに比べて、以下に
述べる長所を有するのである。
(イ)先ず、生産性が大幅に向上し、大量生産を実現して
経済的に微細な透明性金属酸化物を得ることができる。
即ち、従来のように、水溶液中で調製した水和金属酸
化物のゾルの凝集物を有機溶媒に移行、分散させる工
程、更に、水を分離してオルガノゾルを作成する工
程、このオルガノゾル中の有機溶媒を蒸留等によって
除去、回収する工程、の各工程が不要となり、しかも濾
過と洗浄を繰り返しつつ、微細な水和金属酸化物を洗浄
するのであるから洗浄効果が極めて良好でpHを容易に中
性にすることができると共に純度の高い透明性金属酸化
物が得られるものである。
そして、上記工程Bで得られた凝集物はスポンジ状で濾
過の際の水の流れが非常に良く、従って、この凝集物の
洗浄、濾過が極めて良好になしうるのである。
(ロ)界面活性剤の使用量を少なくできる。
本発明においては、水溶液中で得た水和金属酸化物のゾ
ルを凝集するだけの界面活性剤の量でよく、従来の方法
に比べて、1/2〜2/3の量で充分なのである。
(ハ)配向吸着している過剰の界面活性剤を簡単に除去で
きるため、透明性金属酸化物の含有率を高くすることで
きる。
(ニ)配向吸着している界面活性剤は透明性金属酸化物粒
子表面に親水基を出しているから、該透明性金属酸化物
粒子の親油性を低下させている。
ところが、この配向吸着している界面活性剤は物理吸着
であり、濾過、洗浄を繰り返すことによって容易に除去
できるため親油性が増大し、これによって有機溶媒中へ
の分散性が至極増大する。
(ホ)本発明では有機溶媒を用いないから界面活性剤とし
て水溶性の低重合度ポリアクリル酸ソーダ、スルフォン
化ポリスチレン等の界面活性剤を使用でき、従って、こ
の種の界面活性剤を用いると水との親和性が増大する結
果、水中での分散性に優れるのであり、このため、この
種の透明性金属酸化物は水性塗料等に使用できるのであ
る。
(ヘ)低重合度ポリアクリル酸ソーダの、スルホン化スチ
レンのオリゴマーを界面活性剤として用いると、これら
の界面活性剤はビニル系樹脂等と親和性がよく、従っ
て、これを界面活性剤として用いた透明性金属酸化物は
ビニル系樹脂に添加してもこの樹脂の特性をさほど劣化
させることがなく、又ブルーミング等の問題も発生しな
いのである。
そして、濾過の方法としては、特に限定されるものでは
なく、従来公知の方法、例えば、吸引濾過、自然濾過、
加圧濾過等、各種の方法を採用しうる。
本発明においては、最後に、上記工程Cで得られた透明
性金属酸化物を常圧或は真空中で熱処理して脱水するこ
とにより平均粒子径が300Å以下の透明性金属酸化物
を得る工程Dを実施する。
この乾燥方向としては、特に限定されるものではなく、
大気中で加熱、乾燥してもよく、真空乾燥、非活性ガス
中での加熱乾燥させてもよいが、乾燥温度としては水和
金属酸化物の水分を除去し、しかも透明性酸化物粒子に
化学吸着している界面活性剤が分解しない程度の温度で
ある。従って、この乾燥温度としては、乾燥方法、水和
金属酸化物や界面活性剤の種類によって異なるが、通常
250℃以下の温度である。
又、本発明においては、Fe2+、Fe3+、Ti4+、Zn
2+、Cr3+、Al3+の金属塩のうちいずれか一種、例え
ばTi4+の水溶液に塩基性水溶液を加えてその金属に対
応する平均粒子径が300Å以下の透明な陽性の水和金
属酸化物のゾル、この場合は透明性酸化チタンのゾルを
調製し、これに、上記金属塩のうち他種の金属塩つまり
Ti4+以外の金属塩の水溶液を加え、この混合物に塩基
性水溶液を加えてこの他種の金属に対応する透明な陽性
の水和金属酸化物を調製することにより透明性金属酸化
物の複合ゾルを形成する。
以下、上記の工程Bから工程Dと同様にして微細な透明
性金属酸化物の複合体を得る。
(e)作用 本発明の透明性金属酸化物の製造方法は、水溶液中で得
た透明な陽性の水和金属酸化物のゾルを界面活性剤で凝
集させ、この凝集物を濾過、洗浄するものであるから、
有機溶剤を使用する必要が全くなく、この結果、透明性
金属酸化物の製造工程を大幅に減少させ、生産性を向上
させる作用を有するのである。
(f)実施例 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものでない。
実施例1 2mol/の塩化第二鉄水溶液2に2mol/の炭酸ナ
トリウム水溶液をpHが2.5になるまで加えて透明な陽
性の水和酸化物のゾルを調製し、これに0.2mol/
のラウリン酸ナトリウム水溶液1630m1を加えて水和
酸化鉄ゾルを凝集させる。このものを濾過し沈澱物を
0.01〜0.02mol/のアンモニア水で洗浄、濾
過を繰り返してpHを6.5〜7.0にしたのち、更に6
0℃〜70℃の温水24にて2回洗浄、濾過を行う。
対いでこの沈澱物を240℃にて1時間熱処理した後粉
砕し平均粒子径が75Åの粉末状の透明性酸化鉄を得
た。
その収率は95%であった。
実施例2 2mol/の硝酸第二鉄水溶液2に2mol/の炭酸化
ナトリウム水溶液をpHが3になるまで加えて透明な陽性
の水和酸化物のゾルを調製し、これに0.05mol/
の硝酸アルミニウムを500m1加える。次いで、これに
0.2mol/のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム水溶液を1150m1加えて水和酸化鉄と酸化アルミニ
ウムの複合ゾルを凝集させる。
以下、実施例1と同様に濾過、洗浄、熱処理を行い平均
粒子径が70Åで酸化アルミニウムでコーティングした
粉末状の透明性酸化鉄を得た。
その収率は92%であった。
実施例3 2mol/の四塩化チタン水溶液1に2mol/のアン
モニア水をpHが2になるまで加えて透明な陽性の水和酸
化チタンのゾルを調製し、これに0.05mol/の硝
酸アルミニウムを600m1加える。次いで、これに0.
2mol/のトデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水
溶液2170m1加えて、水和酸化チタンと水和酸化アル
ミニウムの複合ゾルを凝集させる。
以下、実施例1と同様に濾過、洗浄、熱処理を行い平均
粒子径が95Åで酸化アルミニウムでコーティングした
粉末状の透明性酸化チタンを得た。
実施例4 0.5mol/の塩化第二鉄水溶液250m1に0.5mol
/の炭酸ナトリウム水溶液をpHが2.5にまるまで加
えて透明な陽性の水和酸化物のゾルを調製し、これにス
ルホン化ポリスチレン(分子量600万)の1重量%溶
液87m1を加えて水和酸化鉄ゾルを凝集させる。
以下、実施例1と同様に濾過、洗浄、熱処理を行い、平
均粒子径が75Åで粉末状の透明性酸化鉄を得た。
その収率は94%であった。
実施例5 1mol/の塩化クロム水溶液1に1mol/の炭酸ナ
トリウム水溶液をpHが3になるまで加えて透明な陽性の
水和酸化クロムのゾルを調整し、これに0.2mol/
のドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液を38
50m1を加え、以下、実施例1と同様に濾過、洗浄、熱
処理を行い、平均粒子径が65Åの粉末状の透明性酸化
クロムを得た。
その収率は94%であった。
実施例6 1mol/の塩化第二鉄水溶液1に1mol/の四塩化
チタン水溶液1の混合溶液に2mol/の炭酸ナトリ
ウム水溶液をpHが2になるまで加えて透明な陽性の水和
酸化鉄ゾルと水和酸化チタンゾルの複合ゾルを調製し、
以下実施例1と同様に濾過、洗浄、熱処理を行い平均粒
子径が95Åの透明な酸化鉄−酸化チタンの複合微粒子
を得た。
その収率は93%であった。
実施例7 1mol/の四塩化チタン水溶液1に2mol/の炭酸
ナトリウム水溶液をpHが2になるまで加えて透明な陽性
の水和酸化チタンのゾルを調製し、これに1mol/の
塩化亜鉛水溶液1を加え、この溶液に0.1mol/
の炭酸水素ナトリウム水溶液をpHが2.5になるまで加
えて透明な酸化亜鉛でコーティングした透明陽性性酸化
チタンの複合ゾルを調製し、以下実施例1と同様に濾
過、洗浄、熱処理を行い平均粒子径が85Åの透明な酸
化チタン−酸化亜鉛の複合微粒子を得た。
その収率は90%であった。
上記実施例に述べた様に、透明性水和金属酸化物をアン
モニア水で洗浄すると、不純物の除去が容易であると共
に溶液が中性になり易く、従って、洗浄回数が著しく減
少させることができるのである。
又、透明性水和金属酸化物粒子中に残存するアンモニウ
ムイオンは加熱、乾燥の際に飛散するから全く問題がな
いのである。
次に、実施例1の透明性酸化鉄を用いてポリアミド系の
グラビアインキを作り(この場合、透明酸化鉄の分散性
は極めて良好であった)、ポリエステルフィルム上に該
インキを25μmの厚さに塗布したものの透過率曲線を
日立自記分光光度計(323型)で測定した結果を第1
図に示す。
この結果より、このフィルムは優れた透明度を有し、更
に紫外部を完全に吸収していることが認められた。
又、この方法により製造した透明性金属酸化物は著しく
優れた透明性を有すると共に、油性ビヒクル、天然樹脂
や合成樹脂、更にゴム類中への分散性も優れている。こ
の分散性の優れていることもこの透明性金属物の大きな
特徴であって、この原因は界面活性剤の親水基が透明性
金属酸化物粒子表面に化学吸着し、疎水基が張り出して
いるためと考えられる。例えば、実施例1の方法で製造
した透明性酸化鉄の種々の有機溶媒中への分散性を第1
表に示す。表中の○印は完全に透明に分散している状態
を示している。表からわかるように、多くの有機溶媒に
透明な状態で完全に分散しているのがわかる。
又、実施例4のものは水溶性の界面活性剤を用いたもの
であり、この透明性酸化鉄は水への分散性が極めて良好
である。
この方法により製造された平均粒子径が300Å以下の
透明性金属酸化物は、従来の金属酸化物顔料のもつ優れ
た耐光・耐熱性等を保持しつつ、無機顔料に見られなか
った透明性、有機ビヒクル中への易分散性等の諸特性を
具備するに至ったものであって、これらの特徴を生かし
た新しい用途、例えば、フィルム着色用、その他塗料、
印刷インキ、プラスチックの安定剤等にも大きな需要が
考えられる。
又、この方法により製造された透明性酸化鉄や酸化チタ
ン等の金属酸化物は紫外線の遮蔽性が極めて良好であ
り、この結果、無機紫外線遮蔽剤として、化粧品、プラ
スチック成形体、繊維、マスターバッチ、食品等の分野
での用途も期待できるのである。
(g)発明の効果 本発明の透明性金属酸化物の製造方法は水溶液中で得た
透明性水和金属酸化物のゾルを界面活性剤で凝集させ、
この凝集物を濾過、洗浄するものであるから、有機溶剤
を全く使用する必要がなく、この結果、作業環境の汚染
や火災等の発生の恐れがなくなるのであり、又、製造工
程が至極簡素化されて大幅に生産性が向上するのであ
り、しかも、従来のように蒸留装置が不要になるのであ
り、結局これらが有機的に結合して透明性金属酸化物を
工業的に、しかも安価に製造できる等の効果を奏するも
のである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の透明性金属酸化物の製造方法で製造し
た透明性酸化鉄(実施例1)を用いてグラビアインキを
調製し、このインキを表面に印刷して成るポリエステル
フィルムの透過率曲線を示す図である。 Sは酸化物を含まないブラビアインキを塗布したフィル
ム。 1…印刷フィルムで透明性酸化鉄含有率 1重量% 2…印刷フィルムで透明性酸化鉄含有率 5重量% 3…印刷フィルムで透明性酸化鉄含有率 10重量% 4…印刷フィルムで透明性酸化鉄含有率 20重量%
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09C 3/06 PBS 6904−4J (56)参考文献 特開 昭54−26997(JP,A) 特公 昭57−3433(JP,B2) 特公 昭59−39367(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe2+、Fe3+、Ti4+、Zn2+、C
    3+、Al3+の金属塩を単独、或は二種以上含む水溶液
    に塩基性水溶液を加えてこれらの金属に対応する平均粒
    子径が300Å以下の透明な陽性の水和金属酸化物のゾ
    ルを調製し、これに界面活性剤を加えるか、或はアルミ
    ニウムイオンを加えた状態で界面活性剤を加えてゾルを
    一旦凝集させ、次に、この凝集物を過し、洗浄を行っ
    た後、常圧或は減圧下で熱処理して脱水することを特徴
    とする透明性金属酸化物の製造方法。
  2. 【請求項2】Fe2+、Fe3+、Ti4+、Zn2+、C
    3+、Al3+の金属塩のうちいずれか1種の水溶液に塩
    基性水溶液を加えてその金属に対応する平均粒子径が3
    00Å以下の透明な陽性の水和金属酸化物のゾルを調製
    し、これに、上記金属塩のうち他種の金属塩の水溶液を
    加え、この混合物に塩基性水溶液を加えてこの他種の金
    属に対応する透明な陽性の水和金属酸化物を調製するこ
    とにより透明性金属酸化物の複合ゾルを形成させ、これ
    に界面活性剤を加えるか、或はアルミニウムイオンを加
    えた状態で界面活性剤を加えて上記複合ゾルを一旦凝集
    させ、次に、この凝集物を過し、洗浄を行った後、常
    圧或は減圧下で熱処理して脱水することを特徴とする透
    明性金属酸化物の製造方法。
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