JPH0445453B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0445453B2
JPH0445453B2 JP62218330A JP21833087A JPH0445453B2 JP H0445453 B2 JPH0445453 B2 JP H0445453B2 JP 62218330 A JP62218330 A JP 62218330A JP 21833087 A JP21833087 A JP 21833087A JP H0445453 B2 JPH0445453 B2 JP H0445453B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sol
gel
tio
iron
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62218330A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS6461325A (en
Inventor
Shin Yamamoto
Hiroshi Nishikura
Goro Suzuki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taki Chemical Co Ltd
Original Assignee
Taki Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taki Chemical Co Ltd filed Critical Taki Chemical Co Ltd
Priority to JP21833087A priority Critical patent/JPS6461325A/ja
Publication of JPS6461325A publication Critical patent/JPS6461325A/ja
Publication of JPH0445453B2 publication Critical patent/JPH0445453B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は酸化チタン・鉄固溶体ゾル及びその製
造方法に関し、紫外線吸収ガラス、紫外線吸収高
分子フイルム等に適用できる優れた紫外線吸収材
料を供与するものである。 (従来の技術) 近年、透光性に優れた紫外線吸収ガラスの開発
が行われている。 従来このようなガラスを得る方法は、チタン、
アルミニウム等の金属をガラス上に蒸着させる
か、或いは紫外線吸収能を有する化合物を化学蒸
着法(CVD法)によりガラス面に蒸着させるこ
とにより得ている。 しかし、化学蒸着法では原料として一般に無水
四塩化チタンが使用される結果、蒸着時に腐食性
の塩素ガスが発生したり、密閉炉内で高温下に蒸
着させるため、この時の蒸着ガスのコントロール
が難しく、均一な薄膜を得ることが困難である。
また、その際に使用する装置は大型化し、製造コ
ストが高くなるなどの欠点があつた。 更に、金属の蒸着法によると、ガラス面には金
属の薄膜が形成される結果、ガラスの透光性は低
下し、因つて暗いガラスとなることで使用用途が
制限される。 一方、最近では自動車ガラス等のガラス紫外線
吸収能をもたせる要求が強く、従来に比べて大型
ガラスの表面処理が必要となつてきており、蒸着
法では益々困難、且つコスト高となる傾向にあ
る。従つて、CVD法に代わつて安価で大型品に
対しても均一な薄膜の得られる方法の開発が要望
されている。 また、食品包装用等のフイルムについても紫外
線による食品の変質防止の為、有機紫外線吸収剤
に代わる代替品の要望が高まりつつあるのが現状
である。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明者らはこれらの実情に鑑み、透光性、紫
外線吸収性に優れ、更には使用時の分散性、コー
テイング性等の諸特性に於て優れる紫外線吸収材
料を得るべく、結晶質固溶体ゾルについて鋭意研
究を重ねた結果、チタンと鉄の酸化物からなる固
溶体である本発明の新規なゾルが紫外線吸収材料
として優れることを見出し、係る知見に基づき本
発明を完成したものである。 (問題点を解決するための手段) 即ち本発明は、チタンと鉄の酸化物からなる固
溶体である酸化チタン・鉄溶体ゾル及びその製造
方法に関し、本第一の発明は、Fe2O3/TiO2モル
比0.333以下で構成され、チタンと鉄の酸化物か
らなる固溶体である酸化チタン・鉄固溶体ゾルで
あり、また本第二の発明は、水溶性チタン化合物
及び水溶性鉄()化合物とアルカリ金属の水酸
化物又その炭酸塩及び/又はアンモニウム化合物
とを反応させゲルを生成させた後、これを100℃
以上で水熱処理することを特徴とする酸化チタ
ン・鉄固溶体ゾルの製造方法に関する。 (作 用) 先ず、本第一の発明であるFe2O3/TiO2モル比
0.333以下で構成され、チタンとの酸化物からな
る固溶体である酸化チタン・鉄固溶体ゾルについ
て以下詳記する。 本発明の酸化チタン・鉄固溶体ゾルは、酸化チ
タンと鉄との混合物とは全く異なり、チタンと鉄
の酸化物からなる新規な固溶体ゾルである。 本発明のゾルを更に説明するに当たり、具体例
を用いて以下説明を行なう。 具体例 1〜7 四塩化チタン水溶液(TiO23.0%)と塩化第二
鉄水溶液(Fe2O32.0%)を各々第1表に示す割合
で混合し、均一な溶液とした。 この溶液にアンモニア水(NH32.0%)を第1
表に示した割合で均1時間を要して撹拌下、添加
反応を行ないゲルを得た。反応時の反応液の温度
は30℃であつた。 生成したゲルをろ別した後、ゲル中に塩素イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。 洗浄後、ゲル中のTiO2,Fe2O3,NH3の各々
の濃度を測定し、結果を第1表に示した。 これら各々の組成のゲル100gにアンモニア水
(NH32.0%)16gと水20gを加え、これをオート
クレーブに移し、120℃で10時間の水熱処理を行
ない本発明のゾルを得た。得られたゾルの組成分
析を行ない、結果を第1表に示した。 比較例 1 四塩化チタン水溶液(TiO23.0%)600gにアン
モニア水(NH32.0%)812gを約1時間を要して
撹拌下、添加反応を行ないゲルを得た。反応時の
反応液の温度は30℃であつた。 生成したゲルをろ別した後、ゲル中に塩素イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。 このゲル100gにアンモニア水(NH32.0%)
16gと水24gを加え、これをオートクレーブに移
し、120℃で10時間の水熱処理を行ない比較例の
TiO2ゾルを得た。得られたゾルの組成分析を行
ない、結果を第1表に示した。 比較例 2 塩化第二鉄水溶液(Fe2O32.0%)600gにアン
モニア水(NH32.0%)460gを約1時間を要して
撹拌下、添加反応を行ないゾルを得た。反応時の
反応液の温度は30℃であつた。 生成したゲルをろ別した後、ゲル中に塩素イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。 このゲル70gにアンモニア水(NH32.0%)10g
と水66gを加え、これをオートクレーブに移し、
120℃で10時間の水熱処理を行なつた結果、この
ものはゲルにはならず、粗大粒子からなる沈降物
であつた。 具体例1〜7及び比較例1〜2で得た本発明品
及び比較例品を100℃で30分間乾燥させ、X線回
折の測定に供した。 尚、X線回折装置は理学電機(株)製RAD−a
型を使用し、Mo管球を用いて40kV,15mA,
Monochromater使用の条件下で行つた。 具体例1〜7で得た組成物の回折角10〜30゜の
回折図を第1図に示した。 また、具体例1〜4及び比較例1〜2で得た組
成物を回折角23〜26゜について拡大測定し、それ
らの回折図を第2図に示した。
【表】 具体例及び比較例で明らかな様に、本発明のゾ
ルは化学分析の結果、チタンと鉄の双方を含有し
ているにも拘らず、第1図及び第2図に示すよう
に、X線回折の結果では、酸化鉄のピークを示さ
ず、従つて両者の混合物でないことが明らかであ
る。 即ち、両者が混合物であるならば、Fe2O3
TiO2モル比が大きくなる程、酸化鉄のピーク強
度は高くなると考えられるが、第2図(具例1〜
4)によれば、酸化鉄のピークは見られない。 また、回折角に関してみると、Fe2O3/TiO2
ル比が大きくなる程、酸化鉄のピークである
24.25゜(d(Å)値1.688)から遠ざかる方向にシフ
トする。 更に、第1図から明らかなように、Fe2O3
TiO2モル比が大くなるに従つて、回折ピークの
強度比は低下する。 このようなFe2O3/TiO2モル比の変化よるX線
回折図の変化は、本発明のゾルがFe2O3/TiO2
ル比0.333以下の範囲に於いては、鉄がチタンの
酸化物に固溶する結果によるものである。 このようなゾルは従来全く知られていなかつた
ものであり、紫外線吸収材料分野に於いて新たな
適用用途を生み出すものである。 また、一般的にはイルメナイト天然鉱石中に含
まれるチタンと鉄との化合物として、Fe2O3
TiO2モル比0.33の組成で示されるチタン酸鉄
(Fe2Ti3O9)なる化合物は知られている。 しかしこのものはゾルではなく、粉砕を行なつ
てもゾル性状を示すようなものではない。 また、チタン酸鉄に関してX線回折値を記載し
たJCPDSカード(Joint Committee on Powder
Diffraition Standard)1986年版インデツクスに
よれば、そのd(Å)値は3.50,2.669,2.518であ
り、本発明品(具体例7)で見られるようなd
(Å)値1.69,2.49,2.19とは全く別異のものであ
る。 これに対して本発明品は、500Å以下のゾル粒
子からなるものである。 本発明の酸化チタン・鉄固溶体ゾルの特徴を改
めて列挙すれば次の通りである。 第一に、本発明の酸化チタン・鉄固溶体ゾル
は、チタンと鉄の酸化物からなる固溶体であるた
め、均一な組成特性を有する。例えば、従来酸化
チタンのみをガラス上にコーテイングした場合
に、ガラスの軟化温度以下では酸化チタンの焼結
が充分起こらず、コーテイング面が容易に剥離す
る。このような問題は、本発明ゾルでは回避さ
れ、500℃の焼結処理後でも堅いコーテイング面
が得られる。 第二に、従来酸化チタンゾルに鉄を塩として加
えたものでは、塩濃度が高くなると酸化チタンゾ
ルが増粘してゲル化することより、コーテイング
処理後にクラツクを生成し、クラツクを生じない
コーテイングを行なうことが困難であつた。 これに対して本発明のゾルは、鉄濃度が高いも
のでもFe2O3/TiO2モル比0.333までは安定な状
態で固溶し、ゲル化の問題は回避され、紫外線吸
収能が高く、且つクラツクのない優れたコーテイ
ング面を得ることができる。 以上のような優れた特徴をもつ本発明の固溶体
ゾルは、紫外線吸収材料として非常に有益であ
り、例えば、紫外線吸収機能を有する特殊ガラス
用のコーテイング材料、日焼け止めクリームなど
の化粧材料、食品包装フイルムやインキ、塗料、
プラスチツクにおける紫外線吸収用機能付与材料
に適用できる。 次に、本第二の発明について詳記する。 本第二の発明は、水溶性チタン化合物及び水溶
性鉄()化合物とアルカリ金属の水酸化物又は
その炭酸塩及び/又アンモニウム化合物とを反応
させゲルを生成させた後、これを100℃以上で水
熱処理することを特徴とする酸化チタン・鉄固溶
体ゾルの製造方法に関する。 本発明に用いる水溶性チタン化合物としては、
四塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタン等を例示
でき、また水溶性鉄()化合物としては、塩化
第二鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄、硫酸第二鉄ア
ンモニウム、硫酸第二鉄カリウム等を例示でき
る。更に、アルカリ金属の水酸化物としては、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ムを、またアルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸
ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
重炭酸カリウム等をそれぞれ例示できる。 また、アンモニウム化合物としては、重炭酸ア
ンモニウム、炭酸アンモニウム、アンモニア水等
を例示することができるが、これらに限定される
ものではない。 本発明では先ず第一に、前記の水溶性チタン化
合物及び水溶性鉄()化合物と、アルカリ金属
の水酸化物又はその炭酸塩及び/又アンモニウム
化合物とを反応させゲルを生成させる。 この場合に、これらの添加順序に関しては特段
限定はなく、チタン化合物と鉄()化合物にア
ルカリ金属の水酸化物等を加えるか、或いはチタ
ン化合物と鉄()化合物を別々にアルカリ金属
の水酸化物等と反応させゲルを得た後、両者を混
合するなど、いずれの添加方法も採用することが
できる。しかし、アルカリ金属の水酸化物等の水
溶液にチタン化合物と鉄()化合物の混合溶液
を添加する方法が、均一なゲルを得ることができ
る点で好ましい。 更に、ゲル生成時の温度は常温でよく、特段に
加熱、冷却等の操作を行う必要はない。 また、これらの使用割合に関しては、アルカリ
金属の水酸化物又はその炭酸塩及び/又はアンモ
ニウム化合物(A)と、水溶性チタン化合物及び水溶
性鉄()化合物に由する酸根(B)の当量比がA/
Bとして大略0.9〜1.3の範囲となるように各々を
使用する。 また水溶性チタン化合物と水溶性鉄()化合
物の使用割合については、本発明ゾルの使用用途
に応じて適宜その割合を選択すればよいが、この
場合に、後述の水熱処理後に得られる本発明のゾ
ル組成がFe2O3/TiO2モル比として0.333以下と
なるような割合とすることが重要である。 即ち、この範囲を逸脱し、Fe2O3/TiO2モル比
が0.333を上廻ると、後述する本発明の処理工程
に供しても、本発明の固溶体ゾル以外にヘマタイ
ト組成の酸化鉄を副生して固溶体とならず、この
ものはゾルではなく、以て沈降することより好ま
しくない。 この様にして製造したゲルは、次いでろ過、洗
浄を行ない、不純物を除去する。 この残留不純物は、酸化チタン・鉄固溶体ゾル
の製造上、少ない方が好ましく、例えば、上述の
洗浄作業を全く行なわない場合には、得られるゾ
ルは不安定なものとなる。 ろ過、洗浄手段に関しては特に限定されず、通
常用いられているフイルタープレスや遠心ろ過の
ような注水ろ過、リパルプー遠心分離法等の任意
の手段を用いることができる。 次いで、本発明のゾルとしてアルカリ性イオン
安定化ゾルを所望する時は、上記洗浄後のゲルに
水溶性アルカリを添加し、また、酸性イオン安定
化ゾルを所望する時は、同様に水溶性酸を添加
し、後段の水熱処理に供する。 この場合の水溶性アルカリの種類としては、水
酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、メチルアミン、トリメチルアミン、エチ
レンジアミン、エタノールアミン等を例示でき
る。また、水溶性酸の種類としては、塩酸、硝
酸、酢酸、ギ酸、グリコール酸等を例示できる。 これらの添加量は、ゲル中のTiO2量とFe2O3
の合量に対して概ね0.01〜0.6モルの範囲である。
この場合に、添加量がこの範囲を逸脱すると、ゲ
ルの粘度が著しく高くなり、本発明の分散性に優
れたゾルを得ることが困難となる。 次いで行なう水熱処理は、温度は100℃以上で
行なう。この場合に、一般に処理温度が高く、ま
た処理時間が長くなる程、結晶形の発達が良好と
なり、粒径の大きなコロイド粒子からなるゾルを
得ることができる。 また100℃を下回る温度での処理は、長時間行
なつてもコロイド粒子が結晶化せず、たとえ一部
が結晶化してもその結晶化度は著しく低く、無定
形の性質が残り、本発明の目的を成することがで
きない。 また、本発明の酸化チタン・鉄固溶体ゾルは各
用途に応じて、水熱処理条件を選択し、所望する
粒子径のゾルを得ることができ、その制御が水熱
処理条件の選択によつて可能である点が本発明の
大きな特徴である。 (実施例) 以下に本発明の実施例を掲げ、更に説明を行な
うが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。また、%は特に断わらない限り全て重量%を
示す。 実施例 1 四塩化チタン水溶液(TiO21.0%)1500gに塩
化第二鉄水溶液(Fe2O31.0%)300gを加え、
Fe2O3/TiO2モル比が0.1の均一な溶液とした。 この溶液に重炭酸アンモニウム(NH32.8%)
577gを約20分間を要して撹拌下、添加反応を行
ないゲルを得た。反応時の反応液の温度は25℃で
あつた。 生成したゲルをろ別した後、ゲル中に塩素イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。 洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO28.5%、Fe2O31.7%、NH30.33%であつた。 このゲル100gにアンモニア水(NH32.0%)
15gと水65gを加え、これをオートクレーブに入
れ、105℃で24時間の水熱処理を行ない本発明の
ゾルを得た。このゾル液のPHは10.7であつた。 得られたゾルの組成分析を行なつた結果、
TiO25.0%、Fe2O31.0%であり、Fe2O3/TiO2
ル比は0.10であつた。 更に、透過型電子顕微鏡観察によりゾルの粒子
径を測定した結果、粒子径は90Åであつた。 尚、透過型電子顕微鏡装置は、日本電子(株)製
JEM−200CX型を使用した。 比較例 3 四塩化チタン水溶液(TiO21.0%)500gに塩化
第二鉄水溶液(Fe2O31.0%)400gを加え、
Fe2O3/TiO2モル比が0.4の均一な溶液とした。 この溶液に重炭酸アンモニウム(NH32.8%)
272gを約10分間を要して撹拌下、添加反応を行
ないゲルを得た。反応時の反応液の温度は25℃で
あつた。 生成したゲルをろ別した後、ゲル中に塩素イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。 洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO24.5%、Fe2O33.6%、NH30.08%であつた。 このゲル100gにアンモニア水(NH32.0%)
17gと水18gを加え、これをオートクレーブに入
れ、105℃で24時間の水熱処理を行なつた結果、
得られたものは沈澱物を多含するゾルであつた。 沈澱物の組成分析を行なつた結果、ヘマタイト
質の酸化鉄であり、このものはゾルとしての使用
には耐え得ないものであつた。 実施例 2 硝塩チタン水溶液(TiO21.5%)1000gにアン
モニア水(NH31.0%)1500gを約30分間を要して
撹拌下、添加反応を行ないゲルを得た。 尚、硝酸チタン水溶液は、液安定性が悪いこと
より硝酸酸性とし、氷で冷却した容器中で反応さ
せた。 次に、硝酸第二鉄水溶液(Fe2O31.0%)650g
にアンモニア水(NH31.0%)500gを約30分を要
して撹拌下、添加反応を室温で行ないゲルを得
た。 それぞれ別々に得たチタンと鉄のゲルを混合
し、リパルプ洗浄ろ別した後、ゲル中に硝酸イオ
ンが認められなくなるまで注水ろ過洗浄を行なつ
た。洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO26.2%、Fe2O32.7%、NH30.1%であつた。 このゲル100gにアンモニア水(NH31.0%)
40gを加え、これをオートクレーブに入れ、110
℃で15時間の水熱処理を行ない、チクソトロピー
性の高い本発明のゾルを得た。このゾル液のPHは
10.5であつた。 得られたゾルの組成分析を行なつた結果、
TiO24.4%、Fe2O31.9%であり、Fe2O3/TiO2
ル比は0.216であつた。 実施例 3 硫酸チタン水溶液(TiO20.8%)1400gに硝酸
第二鉄水溶液(Fe2O30.8%)840gを加え、
Fe2O3/TiO2モル比が0.3の均一な溶液とした。 この溶液と水酸化ナトリウム溶液(Na0.83%)
2240gとを、水1120gを入れた10L容ビーカー中に
同時に添加し、反応を行ないゲルを得た。 生成したゲルをろ別した後、注水ろ過洗浄を行
なつた。 洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO27.2%、Fe2O34.3%,SO40.02%、Na20ppmで
あつた。 このゲル100gに硝酸(NO31.5%)48gを加え、
これをオートクレーブに入れ、105℃で24時間の
水熱処理を行ない本発明のゾルを得た。このゾル
液のPHは1.8であつた。 得られたゾルの組成分析を行なつた結果、
TiO24.86%、Fe2O32.91%であり、Fe2O3/TiO2
モル比は0.30であつた。 また、このゾルを通風乾燥機を用い、80℃で乾
燥させた試料のX線回析を測定した結果、回析ピ
ークのd(Å)は1.69,2.49,2.19であつた。 実施例 4〜5 四塩化チタン水溶液(TiO23.0%)500gに塩化
第二鉄水溶液(Fe2O32.0%)75gを加え、
Fe2O3/TiO2モル比が0.05の均一な溶液とした。 この溶液に炭酸ナトリウム(Na1.0%)2056g
を約1時間を要して撹拌下、添加反応を行ないゲ
ルを得た。反応時の反応液の温度は29℃であつ
た。 生成したゲルをろ別した後、注水ろ過洗浄を行
なつた。 洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO28.2%、Fe2O30.82%、Na0.5%であつた。 このゲル100gを150ml容オートクレーブに入
れ、130℃で12時間の水熱処理を行ない本発明の
ゾルを得た。このゾル液のPHは11.2であつた。 得られたゾルの組成分析を行なつた結果、
TiO28.2%、Fe2O30.82%であり、Fe2O3/TiO2
ル比は0.05であつた。(実施列4) また別に、前記実施例4で使用した炭酸ナトリ
ウムに代え、炭酸ナトリウムとアンモニア水を併
用した条件で同様に本発明のゾルを製造した。 Fe2O3/TiO2モル比が0.05の四塩化チタンと塩
化第二鉄の混合水溶液575gに、炭酸ナトリウム
(Na1.0%)700gとアンモニア水(NH32.0%)
500gを約1時間を要して撹拌下、添加反応を行
ないゲルを得た。反応時の反応液の温度は29℃で
あつた。 生成したゲルをろ別した後、注水ろ過洗浄を行
なつた。 洗浄後、ゲルの組成分析を行なつた結果、
TiO27.6%、Fe2O30.76%、Na0.4%、NH30.2%
であつた。 このゲル100gを150ml容オートクレーブに入
れ、130℃で12時間の水熱処理を行ない本発明の
ゾルを得た。このゾル液のPHは11.5であつた。 得られたゾルの組成分析を行なつた結果、
TiO27.6%、Fe2O30.76%であり、Fe2O3/TiO2
ル比は0.05であつた。(実施例5) 実施例4及び5で得られた本発明のゾルを、そ
れぞれTiO2濃度が0.5%となるように希訳し、静
置保存したところ、一ケ月の経過後も両者共に沈
澱物は見られず、ゾル液は安定状態を呈してい
た。 実施例 6 本発明のゾルを用いて紫外線の吸収能を測定し
た。 具体例3で得られたFe2O3/TiO2モル比0.06の
本発明のゾルを石英ガラス上にコーテイング処理
した。尚、コーテイング装置は、ミカサ(株)製スピ
ンナ−1H−02型を使用した。 次いでこれを乾燥し、その後500℃で1時間焼
成した。 焼成後のコーテイングガラスを、可視から紫外
領域の吸収を見るため、分光光度計(株)島津製作所
製UV−260型)を用い、紫外領域及び可視領域
の透過率を測定した。 結果を第3図に示した。 また比較のために、比較例1で得た酸化チタン
ゾルについても同様に、紫外領域及び可視領域の
透過率を測定し、結果を第3図に示した。 更に、比較例1で得た酸化チタンゾルのコーテ
イング後に、比較例2で得た酸化鉄をコーテイン
グしたが、このものを乾燥したところ、コーテイ
ング面にクラツクが無数に入り剥離し、実用に供
し得るものではなかつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、具体例1〜7で得た本発明酸化チタ
ン・鉄固溶体ゾルの100℃、30分乾燥物のX線回
折図である。第2図は、具体例1〜4及び比較例
1〜2で得た本発明のゾル及び比較例品の100℃、
30分乾燥物のX線回折図である。第3図は、具体
例3及び比較例1で得た本発明のゾル及び比較例
品を石英ガラス上にコーテイング処理したガラス
の紫外から可視領域での透過率を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Fe2O3/TiO2モル比0.333以下で構成され、
    チタンと鉄の酸化物からなる固溶体である酸化チ
    タン・鉄固溶体ゾル。 2 水溶性チタン化合物及び水溶性鉄()化合
    物とアルカリ金属の水酸化物又はその炭酸塩及
    び/又はアンモニウム化合物とを反応させゲルを
    生成させた後、これを100℃以上で水熱処理する
    ことを特徴とする酸化チタン・鉄固溶体ゾルの製
    造方法。
JP21833087A 1987-08-31 1987-08-31 Titanium oxide-iron solid solution sol and production thereof Granted JPS6461325A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21833087A JPS6461325A (en) 1987-08-31 1987-08-31 Titanium oxide-iron solid solution sol and production thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21833087A JPS6461325A (en) 1987-08-31 1987-08-31 Titanium oxide-iron solid solution sol and production thereof

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS6461325A JPS6461325A (en) 1989-03-08
JPH0445453B2 true JPH0445453B2 (ja) 1992-07-24

Family

ID=16718164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21833087A Granted JPS6461325A (en) 1987-08-31 1987-08-31 Titanium oxide-iron solid solution sol and production thereof

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS6461325A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006019004A1 (ja) * 2004-08-17 2006-02-23 Nissan Chemical Industries, Ltd. 金属酸化物ゾルの製造方法

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2915454B2 (ja) * 1989-11-30 1999-07-05 株式会社資生堂 ホトクロミック性肌色顔料およびその製造方法
DE4302896A1 (de) * 1993-02-02 1994-08-04 Degussa Eisenoxidhaltiges Titandioxidpulver
JP2790997B2 (ja) * 1996-03-21 1998-08-27 触媒化成工業株式会社 酸化チタン・酸化鉄複合系ゾルおよびそのゾルを配合した化粧料
KR100335754B1 (ko) * 1999-05-18 2002-05-17 서경배 수열합성법을 이용한 포토크로믹 이산화티탄 분말 제조방법
US20190144691A1 (en) * 2016-06-02 2019-05-16 M. Technique Co., Ltd. Coloring ultraviolet protective agent

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283305A (ja) * 1985-10-08 1987-04-16 Okamura Seiyu Kk 透明性金属酸化物の製造方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6283305A (ja) * 1985-10-08 1987-04-16 Okamura Seiyu Kk 透明性金属酸化物の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006019004A1 (ja) * 2004-08-17 2006-02-23 Nissan Chemical Industries, Ltd. 金属酸化物ゾルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS6461325A (en) 1989-03-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3861946A (en) Titanium dioxide nacreous pigments and process for the preparation thereof
KR100277164B1 (ko) 저온균질침전법을이용한사염화티타늄수용액으로부터의결정성tio₂초미립분말의제조방법
Ocana et al. Preparation and properties of uniform-coated colloidal particles. 6. Titania on zinc oxide
AU596390B2 (en) High-dispersion sol or gel of monoclinic zirconia supermicrocrystals and production of the same
JPS6317221A (ja) 結晶質酸化チタンゾル及びその製造方法
JPH04214030A (ja) 二酸化チタンの製法
JPH062582B2 (ja) 結晶質酸化第二セリウムゾル及びその製造法
JP4851685B2 (ja) ルチル型酸化チタン超微粒子の製造方法
JPS6240292B2 (ja)
CN102089246B (zh) 微晶二氧化钛的制备方法
JPH0445453B2 (ja)
JPS6149250B2 (ja)
JPS6351974B2 (ja)
JP2009029645A (ja) 薄片状含水酸化チタン及びその製造方法並びに薄片状酸化チタン
JP7342227B2 (ja) タンタル酸分散液及びタンタル酸化合物
JPH0339017B2 (ja)
US20190153613A1 (en) Method for the production of single crystalline tio2 flakes
JP3877235B2 (ja) ルチル型二酸化チタン粒子およびその製造法
JP3490012B2 (ja) 結晶性チタン酸化物粒子分散液体の製造方法
JPH05163022A (ja) 球状アナタース型二酸化チタンおよびその製造方法
KR100224732B1 (ko) 초미립형 결정성 이산화티탄 제조방법
JP3165875B2 (ja) 薄片状二酸化チタンの製造方法
JPH0427168B2 (ja)
JPS62207717A (ja) 結晶質酸化スズゾル及びその製造方法
JP3548199B2 (ja) 二酸化チタン微粉末およびその製造方法