JP3250338B2 - 酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法 - Google Patents
酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法Info
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Description
ッチパネル、薄膜太陽電池、計測器及び複写機用カバー
ガラスなどに利用されている透明導電膜における導電性
フィラーとして有用な酸化アンチモン含有酸化錫白色微
粉末の製造法で、特に色味の少ない(白色度の高い)、
酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造法に関す
る。
ラーを分散した合成樹脂を用いて、成形または塗布によ
って得られる膜である。形成された透明導電膜の透明度
が良好であるためには、導電性フィラーの粉末の平均粒
径が、可視光の波長の半分の0.2μm以下( 好ましくは
0.1μm以下)であり、球形かつ均一である粉末である
ことが要求される。それにより、0.1 〜2.0 μmといっ
た極薄の透明導電膜を得ることも可能となる。また、当
然、導電性に優れていることも望まれる。
チモン含有酸化錫粉末は、高導電性を付与するために酸
化錫に酸化アンチモンが添加(ドープ)されたものであ
り、酸化アンチモンの添加量は概ね酸化アンチモンとし
て1〜30wt%、望ましくは5〜20wt%の範囲内である。
この量が多いほど導電性が高くなる傾向がある。
末の製造は、Sn(IV)イオンおよびSb(III) イオンを含む
酸性水溶液、一般的には塩化第二錫(SnCl4) と塩化第一
アンチモン(SbCl3) の塩酸酸性溶液と、アルカリ水溶液
との混合により中和し、共沈した水酸化物沈殿を水で洗
浄した後、固液分離し、沈殿物をトレーに移してバッチ
式加熱炉内で加熱またはコンベアに載せて連続加熱装置
により加熱して焼成して酸化物を得た後、冷却後粉砕し
て粉末とし、ふるい分けすることにより、行われてい
た。従来提案されている方法は、例えば、水中に塩化ス
ズと塩化アンチモンの塩酸水溶液とアルカリ水溶液とを
pHを2〜6に保持するように並行添加して生成物を
得、これを焼成してアンチモン含有酸化スズ微粉末を製
造する方法(特公平1−14174 号)、塩化スズと塩化ア
ンチモンをアルコール、塩酸あるいはアセトンに溶解し
た溶液とアルカリとを熱水中に加え、pH8以上に維持
して反応させる方法(特開昭57−71822 号) などであ
る。
得られた酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末において
は、アンチモンの添加量の増加に伴い、粉末が青みを帯
びてくるという傾向がある。例えば、特開昭57−71822
号に示されているように、pH 8以上に維持して反応させ
た場合には、得られた酸化アンチモン含有酸化錫白色微
粉末のL値 (白色度の指示値) は、55未満であった。粉
末の青みにより、透明導電膜にも同様の色味が付与さ
れ、多くの用途にとって好ましくないので、無彩色(白
色)もしくはそれに近いものが望まれる。
有酸化錫白色微粉末よりもさらに色味の少なく(白色度
の高い)、ハンター表色系でL値: 55以上、−4<a<
4、−6<b<6、かつ高導電性を有する酸化アンチモ
ン含有酸化錫白色微粉末の製造方法を提供することであ
る。
ンおよびSb(III) イオンを含む酸性水溶液と、アルカリ
水溶液との混合時の液の温度およびpHを制御すること
により、上記の目的を達成できることを見出した。
(A) 水溶性錫化合物と水溶性アンチモン化合物を含有す
る酸性水溶液、(B) アルカリ水溶液を、90℃以上、沸点
未満に保持された水中にpH2〜7を保つように同時に滴
下し、共沈した水酸化物沈殿を焼成し、得られた酸化物
を平均粒径0.2μm以下へ粉砕することからなる、ハン
ター表色系でL値:55以上、−4<a<4、−6<b<
6の、酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法
である。
ンチモン化合物としては、酸性水溶液に溶解するもので
あれば特に制限されない。具体例としては、塩化物など
の塩類、アルコキシド等があり、好ましくは塩化物が用
いられる。
モン化合物との割合により酸化アンチモンのドープ量が
決まるので、所望のドープ量が得られるように調整す
る。水溶液の濃度は、SnCl4 では78〜783 g/l の範囲
が、またSbCl3 はSnCl4 の濃度との相対関係において
0.085〜212 g/l の範囲が好ましい。
トリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリ
ウム、水酸化アンモニウムの水溶液が使用可能であり、
濃度は50〜500g/lの範囲が好ましい。
の水溶液を、水温を90℃以上沸点未満に保持するように
加熱され、好ましくは攪拌された水中に同時に滴下し
て、水酸化物を共沈させる。この時の水温が90℃より低
いと、青色化が進み、無彩色の粉末を得ることが困難と
なってしまう。
により、反応pHを一定にし、安定した粉末特性を有する
微粉末を得ることができる。水の量は10〜200g/lの範囲
が好ましい。
をpH2未満で行うと水酸化物を生じ難く生産性が悪く、
pH7を超えた場合には 100Ω・cm以下の低抵抗粉末を得
ることが困難である。
従来と同様に行えばよい。例えば、水酸化物沈殿を必要
であれば乾燥した後、トレーに移してバッチ式加熱炉内
で加熱するか、コンベアに載せて連続加熱装置により加
熱して焼成し、酸化物に変換させる。加熱条件は一般に
350〜700 ℃で1〜3時間である。冷却後、得られた酸
化物粉末を、例えばハンマーミルにより平均0.2μm以
下の所望の粒度まで粉砕し、必要であれば、最後にふる
い分けを行う。
55以上、−4<a<4、−6<b<6の白色度が高く、
かつ導電性が良好である、酸化アンチモン含有酸化錫白
色微粉末を得ることができる。酸化アンチモン含有酸化
錫白色微粉末において、酸化アンチモンの添加 (ドー
プ) は、導電性の向上に寄与している。さらに、微粉末
の平均粒径を可視光の波長の半分以下、すなわち0.2μ
m以下、好ましくは0.1μm以下にすることにより、可
視光の吸収が阻止され、かつ光の散乱が減少され、透明
度が増す。
る。 (実施例1)水 100リットルを攪拌しながら98℃に保持
し、これに塩化第二錫6.54kgと三塩化アンチモン0.56kg
とを含む塩酸酸性水溶液8リットルと、水酸化ナトリウ
ム水溶液(470g/l)8リットルとを、溶液pHを2〜3に保
ちながら30分かけて同時に滴下し、アンチモン−錫混合
水酸化物を共沈させた。水洗、濾別、乾燥 (120 ℃)を
行った後、焼成(600℃×3hr) して酸化物とし、さらに
アトマイザーにより粉砕して、平均粒径が 0.2μmであ
る、酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末を得た。得ら
れた2.27kgの粉末 (酸化アンチモン 10wt%) の色調をス
ガ試験機 (株)製のSMカラーコンピューターで測定し
たところ、L値:58、a:−3.4 、b:−5.2 であっ
た。この粉末の体積抵抗値は、1.8 Ω・cm (100 kg/cm2
加圧粉体)であった。
と同様の方法で酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末を
合成した。得られた2.21kgの粉末 (酸化アンチモン10 w
t%) の色調は、L値:40、a:−1.9 、b:−4.6 、体
積抵抗値 0.6Ω・cm (100 kg/cm2加圧粉体) であった。
と同様の方法で酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末を
合成した。得られた2.32kgの粉末 (酸化アンチモン10 w
t%) の色調は、L値:43、a:−1.7 、b:−3.6 、体
積抵抗値 3.3Ω・cm (100 kg/cm2加圧分体) であった。
98℃に保持し、これに塩化第二錫6.54kgと三塩化アンチ
モン0.56kgとを含む塩酸酸性水溶液8リットルと、水酸
化ナトリウム水溶液(470g/l)8リットルとを、溶液pHを
8〜9に保ちながら30分かけて同時に滴下し、アンチモ
ン−錫混合水酸化物を共沈させた。実施例1と同様な操
作をし、酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末を得た。
得られた2.30kgの粉末 (酸化アンチモン10wt%)の色調を
スガ試験機 (株) 製のSMカラーコンピューターで測定
したところ、L値:44、a:−2.6 、b:−4.7 、体積
抵抗値、1.20Ω・cm (100kg/cm2加圧粉体) であった。
L値:55以上、−4<a<4、−6<b<6の白色度が
高く、かつ導電性が良好である、酸化アンチモン含有酸
化錫白色微粉末を得ることが可能となった。本発明の方
法に従って得られた酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉
末は、従来の酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末より
も青みがなく、体積抵抗値が0.1〜2.0Ω・cmという良
好なものであった。
Claims (1)
- 【請求項1】 (A) 錫化合物とアンチモン化合物とが溶
解した酸性水溶液と、(B) アルカリ水溶液とを、90℃以
上、沸点未満に保持された水中にpH2〜7を保つように
同時に滴下し、共沈した水酸化物沈殿を焼成し、得られ
た酸化物を平均粒径0.2μm以下へ粉砕することからな
る、ハンター表色系でL値:55以上、−4<a<4、−
6<b<6の、酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24890393A JP3250338B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24890393A JP3250338B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07101724A JPH07101724A (ja) | 1995-04-18 |
JP3250338B2 true JP3250338B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=17185153
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24890393A Expired - Lifetime JP3250338B2 (ja) | 1993-10-05 | 1993-10-05 | 酸化アンチモン含有酸化錫白色微粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3250338B2 (ja) |
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-
1993
- 1993-10-05 JP JP24890393A patent/JP3250338B2/ja not_active Expired - Lifetime
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