JP2001058822A - スズドープ酸化インジウム粉末およびその製造方法 - Google Patents
スズドープ酸化インジウム粉末およびその製造方法Info
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Abstract
使用するのに適した低抵抗のスズドープ酸化インジウム
粉末およびこのようなスズドープ酸化インジウム粉末を
低コストで製造する方法を提供する。 【解決手段】 インジウムとスズを溶解した酸性溶液に
重炭酸アンモニウム溶液を加えることにより生成したイ
ンジウムとスズの共沈水酸化物を不活性ガス中で共沈水
酸化物を焼成することによってスズドープ酸化インジウ
ム粉末を製造する方法において、共沈水酸化物を焼成す
る前に共沈水酸化物をpH9〜12のアンモニア水で洗
浄することにより不純物としての塩素や塩を除去し、不
活性ガス中に水分および還元ガス、好ましくはアンモニ
アガスを添加して500℃以上の焼成温度に保持するこ
とにより共沈水酸化物を焼成する。
Description
ンジウム粉末およびその製造方法に関し、特に透明導電
性塗料などに使用するスズドープ酸化インジウム粉末お
よびその製造方法に関する。
明導電性材料として、三酸化インジウム(In2O3)に二
酸化スズ(SnO2)を添加したスズドープ酸化インジウム
が知られている。このスズドープ酸化インジウムは、可
視光に対して透明であるとともに酸素欠損型の導電性を
示す半導体であり、添加された二酸化スズ(SnO2)によ
るSn4+が自由電子の供給源すなわちドナーとなり、
伝導帯下端近傍のドナーレベルに蓄積され、高い導電性
を付与するものである。
の製造方法として、三塩化インジウム(InCl3)と四塩
化スズ(SnCl4)の混合水溶液を重炭酸アンモニウム(N
H4HCO 3)などのアルカリ水溶液に滴下してインジウムと
スズの水酸化物を共沈させ、この共沈水酸化物をデカン
テーションまたは遠心分離法によって水洗することによ
り、副生した塩化ナトリウムなどの不純物を除去した
後、乾燥し、水素雰囲気または真空雰囲気中で加熱還元
し、粉砕することによりスズドープ酸化インジウム粉末
を製造する還元焼成方法が知られている。
のスズドープ酸化インジウム粉末の製造方法において
は、出発原料に起因する不純物、特に残留塩素や残留塩
が、塗料化の際にイオン化して溶媒との相溶性、分散性
に悪影響を与えるという問題があった。また、これらの
不純物は、粒子そのものの導電性を阻害すると考えられ
ている。
問題点に鑑み、不純物としての塩素や塩の量が少なく、
優れた分散性を有し、透明導電性塗料などに使用するの
に適した低抵抗のスズドープ酸化インジウム粉末および
このようなスズドープ酸化インジウム粉末を低コストで
製造する方法を提供することを目的とする。
を解決するために鋭意研究した結果、インジウムとスズ
の酸性溶液とアルカリ溶液とを混合することにより得ら
れたインジウムとスズの共沈水酸化物をアンモニア水で
洗浄することにより、不純物としての残留塩素や残留塩
が少なく、分散性が良好で、低抵抗で透明性に優れたス
ズドープ酸化インジウム粉末が得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
ンジウム粉末の製造方法は、インジウムとスズの酸性溶
液と、アルカリ溶液、好ましくはアンモニア水、アンモ
ニウム塩溶液またはこれらの混合溶液とを混合すること
により生成したインジウムとスズの共沈水酸化物を、還
元ガスを含む不活性ガス中で焼成することによってスズ
ドープ酸化インジウム粉末を製造する方法において、共
沈水酸化物を焼成する前に共沈水酸化物を好ましくはp
H9〜12のアンモニア水で洗浄することにより不純物
としての塩素や塩を除去し、洗浄後の共沈水酸化物の塩
素含有量が好ましくは200重量ppm以下になるよう
にすることを特徴とする。また、このスズドープ酸化イ
ンジウム粉末の製造方法において、還元ガスを不活性ガ
スに水分を含有させるのが好ましい。
末は、BET1点法によって測定した比表面積が10乃
至50m2/gであり、スズドープ酸化インジウム粉末
に純水を加えて煮沸した液の電気伝導度が10μS/c
m以下であることを特徴とする。
水を加えて煮沸した液のpHは4.5乃至7.0である
のが好ましい。また、上記のスズドープ酸化インジウム
粉末の塩素含有量は250重量ppm以下であるのが好
ましい。さらに、上記のスズドープ酸化インジウム粉末
は、0.01mol/lのKCl水溶液中で測定したゼ
ータ電位が+5mV以上であるのが好ましい。
ジウム粉末の製造方法の実施の形態では、出発物質とし
て、可溶性インジウム化合物(例えば三塩化インジウム
(InCl3))と可溶性スズ化合物(例えば二塩化スズ(S
nCl2))を使用する。インジウムに添加するドーピング
剤として従来の4価のスズの化合物を使用することもで
きるが、酸素欠損を増大させ、より低抵抗化を実現する
ためには、2価のスズの化合物を使用するのが好まし
い。三塩化インジウム(InCl3)は、インジウムメタル
を塩酸酸性溶液中で加熱溶解することにより容易に得ら
れる。また、二塩化スズ(SnCl2)は、スズメタルを塩
酸に溶かすことにより得られ、この溶解液を濃縮するこ
とにより安定した二水塩が得られる。なお、上記の可溶
性インジウム化合物は、硝酸インジウムや硫酸インジウ
ムなどの硝酸塩や硫酸塩でもよい。また、2価の可溶性
スズ化合物も、硝酸スズや硫酸スズなどの硝酸塩や硫酸
塩でもよい。
(InCl3)の水溶液と二塩化スズ(SnCl2)の水溶液を、
高い導電性の粉末を得るために、焼成後のスズドープ酸
化インジウム粉末中のSn含有量がSnO2換算で0.
1〜30重量%、好ましくは2〜15重量%となるよう
な割合で混合する。スズドープ酸化インジウム粉末のS
n含有量をSnO2換算で0.1〜30重量%とするの
は、この範囲外では良好な導電性粉末が得られないから
である。
カリ溶液を添加し、攪拌して反応させることにより、水
酸化インジウムと水酸化スズの共沈生成物が得られる。
添加するアルカリ溶液としては、アンモニア水、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸アンモニウム、重炭
酸アンモニウムなどの溶液またはこれらの混合溶液を使
用することができるが、金属成分が入ると導電性が阻害
されるので、アンモニア水、アンモニウム塩、アンモニ
ウム炭酸塩などの溶液またはこれらの混合溶液を使用す
るのが好ましい。
化インジウム粉末を得るためには、上記の反応工程にお
いて、酸性の三塩化インジウム(InCl3)と二塩化スズ
(SnCl2)の混合水溶液中にアルカリ溶液を短時間で添
加して中性領域において一気に核生成させ、粒子の均一
化を図るように分散させるとともに粗粒子の発生を抑制
する必要があり、このようにすることにより、塗膜にし
た時に高い透光性の粉体を得ることができる。
化スズの共沈生成物を、純水によるデカンテーション等
で洗浄した後、pH9〜12程度のアンモニア水により
洗浄し、さらに純水により洗浄した後、脱水し、その後
150℃程度の温度で乾燥する。共沈水酸化物をアンモ
ニア水で洗浄するのは、共沈水酸化物中の不純物である
塩素や塩の量を低減するためである。また、アンモニア
水のpHは9〜12程度が好ましいが、これは、アンモ
ニア水のpHが9未満であると十分な洗浄効果が得られ
ず、pHが12を超えると共沈水酸化物の溶解が起こ
り、収率が低下するなどのおそれがあるからである。こ
のように、アンモニア水で洗浄することにより、共沈水
酸化物の表面の塩素分を塩化アンモニウムとして除去す
ることができる。また、共沈水酸化物に残留している塩
化アンモニウムは、純水による洗浄で置換され除去され
る。この洗浄工程により、乾燥した共沈水酸化物中の塩
素含有量を200重量ppm以下に低減することができ
る。
保持し、不活性ガスを炉内に通しながら500℃〜80
0℃の高温度で数時間程度保持することにより焼成処理
を行う。この焼成工程において、炉内を昇温中に還元ガ
スまたは水分を不活性ガスに含有させる。不活性ガスと
しては、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどを使用すること
ができるが、特性および費用の面から、窒素、アルゴン
が好ましく、特に窒素が好ましい。
より炉内を還元性雰囲気とするのは、不活性ガスのみを
使用すると、酸素欠損を生じさせるには必ずしも十分と
はいえず、さらに十分な酸素欠損を生じさせるためであ
る。不活性ガスに含有させる還元ガスとしては、水素、
一酸化炭素、アンモニアなどの還元ガスを使用すること
ができるが、比較的還元力の低いアンモニアを使用する
のが好ましい。含有させる還元ガスの量は、不活性ガス
100体積に対して0.005〜5体積の還元ガスを添
加するのが好ましく、0.01〜0.4体積の還元ガス
を添加するのがさらに好ましい。0.005〜5体積の
還元ガスが好ましいのは、0.005体積未満では必要
な量の酸素欠損を得ることができず、5体積を超えると
酸化インジウムやインジウムメタルへの還元が起こり易
く、また部分的に焼結し易くなるからである。
は、水酸化物の分解時に発生するH2Oの影響を低減さ
せ、雰囲気の均一化を図り、酸化物の物性のばらつきを
低減させ、良好な透明性と分散性が得られるようにする
ためである。すなわち、低抵抗化処理を施して電磁波シ
ールド効果を高めるために焼成温度を高くすると、焼成
中に焼結が進んで凝集が激しくなり、得られた粉末を分
散させて塗料にする際に分散不良を起こし、塗料中で沈
積してしまうという問題があるが、このような問題を解
消するためである。
る飽和水蒸気圧程度であればよく、不活性ガス100体
積に対して0.05〜10体積の水分を添加するのが好
ましく、0.5〜5体積の水分を添加するのがさらに好
ましい。このようにアンモニアとともに水分が系内に存
在すると、炉内の気流上流部へのアンモニアの吸着が妨
げられ、結果として過剰な焼結部分を低減するととも
に、粒子の表面特性が制御されると考えられ、低抵抗か
つ分散性の良好なスズドープ酸化インジウム粉末を得る
ことができる。
るのは、脱水は300〜400℃の範囲で起こるが、焼
成温度が500℃より低いと焼成が不十分で、得られる
粉体の抵抗が高くなり、導電性材料としての十分な結晶
性が得られず、焼成温度が800℃より高いと焼結と凝
集が進み、得られる粉体の分散性が不良になるととも
に、焼結により粒径が大きくなり、塗膜にしたときの可
視光透過性が得られないからである。
は、1.0ml/min・g(乾燥共沈水酸化物1g当
たりの毎分供給量)以上にするのが好ましい。通気ガス
の流量が1.0ml/min・g以上の場合には、雰囲
気の均一化が図られ、部分的な焼結を抑制でき、分散性
の良好な粉末を得ることができるが、通気ガスの流量が
1.0ml/min・g未満の場合には、焼成炉内に雰
囲気のばらつきを生じ、特性ムラとなり好ましくないか
らである。
ウム粉末を水に加えて煮沸した液のpHは、中性領域に
近いことが好ましく、具体的には、本発明によるスズド
ープ酸化インジウム粉末と電気伝導度が1μS/cm以
下の純水(イオン交換水または蒸留水)とを重量比で
1:9の割合で混合した溶液を5分間煮沸し、冷却後に
電気伝導度が1μS/cm以下の純水を追加して、煮沸
前の溶液と同じ重量にした後にとった上澄み液のpHが
4.5〜7.0であることが好ましい。このpHは、焼
成品の表面に可溶性成分が多量に存在すると低くなり、
pHが4.5より低いとイオンの影響で溶剤中の分散
性、相溶性が低下し、pHが7.0を超えると同様に分
散性が低下するので好ましくない。
ジウム粉末を水に加えて煮沸した液のpHが低い粉末
は、可溶性成分が多く分散性、相溶性を低下させるの
で、スズドープ酸化インジウム粉末を水に加えて煮沸し
た液の電気伝導度が低いことが要求される。したがっ
て、上述した上澄み液の電気伝導度が、10μS/cm
以下であるのが好ましく、4μS/cm以下であるのが
さらに好ましい。10μS/cmを超えると電気伝導度
を増加させているイオンの影響で分散性、相溶性が低下
するからである。
ータ電位の値が大きいことが好ましく、本発明によるス
ズドープ酸化インジウム粉末は、0.01mol/lの
KCl水溶液中で測定したゼータ電位が+5mV以上で
あるのが好ましい。ゼータ電位が+5mVより小さいと
溶剤中の分散が不十分となるからである。
る原料として塩化インジウム溶液を用いた場合、特に粉
体に残留する塩化物が可溶性成分となることが考えられ
るので、粉体中の塩素の含有量を少なくする必要があ
る。したがって、本発明によるスズドープ酸化インジウ
ム粉末は、塩素含有量が250重量ppm以下であるの
が好ましい。塩素含有量が250重量ppmより多くな
ると、溶出成分の影響で溶剤中の分散性、相溶性が低下
するからである。
ためには、焼成前の共沈水酸化物の乾燥品中の塩素含有
量を少なくすればよく、酸化物中の塩素含有量を250
重量ppm以下にするためには、上述したように共沈水
酸化物中の塩素含有量を200重量ppm以下にすれば
よい。
ジウム粉末のBET1点法によって測定した比表面積
は、好ましくは10〜50m2/gであり、粒径(TE
M径:透過型電子顕微鏡(TEM)によって測定した一
次粒径)は、好ましくは10〜100nmである。
ープ酸化インジウム粉体およびその製造方法について詳
細に説明する。
塩酸水溶液により加熱溶解して三塩化インジウム(InCl
3)溶液を作り、この溶液に二塩化スズ二水和物(SnCl2
・2H2O)14.4g(焼成後のスズドープ酸化インジウ
ム粉末中のSn含有量がSnO2換算で5重量%になる
ような割合)を混合溶解し、純水を加えて、1500m
lのインジウムとスズの混合溶液を調製した。また、純
水1950gに重炭酸アンモニウム420gを加えた溶
液に、重炭酸アンモニウムの溶解を促進するためにアン
モニア水を加えたアルカリ溶液を調製した。次いで、上
記のインジウムとスズの混合溶液を50℃で攪拌しなが
ら、40℃に調整した上記のアルカリ溶液を180秒か
けて添加して反応させた。反応終了時のpHは8であっ
た。得られた水酸化インジウムと水酸化スズの共沈生成
物を、純水によるデカンテーションで繰り返し洗浄し
た。さらに、pH10.5のアンモニア水を加えて攪拌
し、これを濾過、純水による水洗、脱水した後、150
℃で乾燥した。
Sn化合物の沈殿を濾過した液に硝酸銀を加え、塩化銀
を沈殿させ、比濁法により塩素含有量を分析したとこ
ろ、70重量ppmであった。
素ガスを100ml/mim・g(乾燥共沈水酸化物1
g当たりの毎分供給量)の流量で流しながら炉内を昇温
させ、炉内の温度が400℃になったときに、窒素ガス
100体積に対して0.05体積のアンモニアガスと、
窒素ガス100体積に対して1.5体積の水蒸気を窒素
ガスに添加し、その後、さらに昇温させて730℃で2
時間保持し、アンモニアガスと水蒸気の添加を停止して
冷却した。このようにして得られたスズドープ酸化イン
ジウムの焼成品を卓上ミルで解砕した。
を行った。
し、粒径は透過型電子顕微鏡(TEM)写真により測定
した。また、塩素含有量は、共沈水酸化物と同様に測定
した。また、粉体を1t/cm2の圧力で成形した圧粉
体の体積固有抵抗を四探針法で測定した。また、粉体と
電気伝導度が1μS/cm以下の純水(イオン交換水ま
たは蒸留水)とを重量比で1:9の割合で混合した後、
5分間煮沸し、冷却後に電気伝導度が1μS/cm以下
の純水を追加して、煮沸前の溶液と同じ重量にした後
に、上澄み液をとり、この上澄み液のpHと電気伝導度
をそれぞれpH電極および電気伝導度計により測定し
た。さらに、粉体を0.01mol/lのKCl水溶液
中で5分間超音波分散させ、レーザー回転プリズム方式
のゼータ電位計を使用して、100Vの印加電圧でゼー
タ電位を測定した。また、粉体、水、IPA、ブチルセ
ロソルブおよびアルキルシリケート希釈溶液を混合し、
超音波分散して、塗料の分散性を粉体の沈降度合により
相対評価した。この粉体の沈降度合(分散)は、沈降が
最も早いものを1(分散性が悪い)とし、沈降が最も遅
いものを5(分散性が良好)として5段階で相対評価し
た。
は12m2/g、粒径は60nm、塩素含有量は80重
量ppm、圧粉体の体積固有抵抗は0.10Ωcm、煮
沸液のpHは5.0、電気伝導度は6.5μS/cm、
ゼータ電位は+7mVであった。また、塗料の分散性は
相対値で3であり、分散性は良好であった。
化物の乾燥品を使用し、焼成の保持温度を685℃にし
た以外は実施例1と同様の操作を行った。
粒径は48nm、塩素含有量は80重量ppm、圧粉体
の体積固有抵抗は0.15Ωcm、煮沸液のpHは5.
5、電気伝導度は4.8μS/cm、ゼータ電位は+1
0mVであった。また、塗料の分散性は相対値で4であ
り、分散性は良好であった。
化物の乾燥品を使用し、焼成の保持温度を605℃にし
た以外は実施例1と同様の操作を行った。
粒径は26nm、塩素含有量は90重量ppm、圧粉体
の体積固有抵抗は0.25Ωcm、煮沸液のpHは5.
9、電気伝導度は3.5μS/cm、ゼータ電位は+1
6mVであった。また、塗料の分散性は相対値で5であ
り、分散性は非常に良好であった。
化物の乾燥品を使用し、焼成の保持温度を560℃にし
た以外は実施例1と同様の操作を行った。
粒径は20nm、塩素含有量は90重量ppm、圧粉体
の体積固有抵抗は0.55Ωcm、煮沸液のpHは6.
5、電気伝導度は2.9μS/cm、ゼータ電位は+3
4mVであった。また、塗料の分散性は相対値で5であ
り、分散性は非常に良好であった。
した後にアンモニア水による攪拌を行わない以外は実施
例1と同様の操作を行い、共沈水酸化物の乾燥粉を得
た。乾燥粉の塩素含有量は250重量ppmであった。
の条件で気流中で焼成を行った。
粒径は26nm、塩素含有量は300重量ppm、圧粉
体の体積固有抵抗は0.9Ωcm、煮沸液のpHは4.
5、電気伝導度は18.5μS/cm、ゼータ電位は+
5mVであった。また、塗料の分散性は相対値で2であ
り、分散性はやや悪かった。
ジウムとスズの酸性溶液にアルカリ溶液を添加すること
により得られたインジウムとスズの共沈水酸化物を水で
洗浄した後に、アンモニア水で洗浄することにより、出
発原料に起因する不純物としての残留塩素や残留塩が少
なく、分散性が良好で、透明導電性塗料などに使用する
のに適した低抵抗のスズドープ酸化インジウム粉末を低
コストで製造することができる。
Claims (9)
- 【請求項1】 BET1点法によって測定した比表面積
が10乃至50m 2/gであり、スズドープ酸化インジ
ウム粉末に純水を加えて煮沸した液の電気伝導度が10
μS/cm以下であることを特徴とする、スズドープ酸
化インジウム粉末。 - 【請求項2】 スズドープ酸化インジウム粉末に純水
を加えて煮沸した液のpHが4.5乃至7.0であるこ
とを特徴とする、請求項1に記載のスズドープ酸化イン
ジウム粉末。 - 【請求項3】 塩素含有量が250重量ppm以下であ
ることを特徴とする、請求項1または2に記載のスズド
ープ酸化インジウム粉末。 - 【請求項4】 0.01mol/lのKCl水溶液中で
測定したゼータ電位が+5mV以上であることを特徴と
する、請求項1乃至3のいずれかに記載のスズドープ酸
化インジウム粉末。 - 【請求項5】 インジウムとスズの酸性溶液とアルカリ
溶液とを混合することにより生成したインジウムとスズ
の共沈水酸化物を、還元ガスを含む不活性ガス中で焼成
することによってスズドープ酸化インジウム粉末を製造
する方法において、前記共沈水酸化物を焼成する前に前
記共沈水酸化物をアンモニア水で洗浄することを特徴と
する、スズドープ酸化インジウム粉末の製造方法。 - 【請求項6】 前記還元ガスを含む不活性ガスに水分を
含有させたことを特徴とする、請求項5に記載のスズド
ープ酸化インジウム粉末の製造方法。 - 【請求項7】 前記アンモニア水のpHが9乃至12で
あることを特徴とする、請求項5または6に記載のスズ
ドープ酸化インジウム粉末の製造方法。 - 【請求項8】 前記共沈水酸化物をアンモニウム水で洗
浄した後の前記共沈水酸化物の塩素含有量が200重量
ppm以下であることを特徴とする、請求項5乃至7の
いずれかに記載のスズドープ酸化インジウム粉末の製造
方法。 - 【請求項9】 前記アルカリ溶液が、アンモニア水、ア
ンモニウム塩溶液またはこれらの混合溶液であることを
特徴とする、請求項5乃至8のいずれかに記載のスズド
ープ酸化インジウム粉末の製造方法。
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