JP3453783B2 - インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法 - Google Patents

インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法

Info

Publication number
JP3453783B2
JP3453783B2 JP10197093A JP10197093A JP3453783B2 JP 3453783 B2 JP3453783 B2 JP 3453783B2 JP 10197093 A JP10197093 A JP 10197093A JP 10197093 A JP10197093 A JP 10197093A JP 3453783 B2 JP3453783 B2 JP 3453783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
indium
powder
needle
tin oxide
water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10197093A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06293515A (ja
Inventor
雅也 行延
守一 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Mining Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Mining Co Ltd
Priority to JP10197093A priority Critical patent/JP3453783B2/ja
Priority to US08/222,280 priority patent/US5580496A/en
Publication of JPH06293515A publication Critical patent/JPH06293515A/ja
Priority to US08/659,821 priority patent/US5833941A/en
Priority to US08/662,150 priority patent/US5849221A/en
Priority to US08/662,145 priority patent/US5820843A/en
Priority to US09/199,443 priority patent/US6511614B1/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3453783B2 publication Critical patent/JP3453783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Conductive Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明導電膜を形成する
に用いる導電インクの導電フィラーに最適なインジウム
−錫酸化物針状粉末とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】透明導電膜を導電インクの塗布によって
得る塗布法においては、インクの導電フィラーとして、
インジウム−錫酸化物(ITO)、錫−アンチモン酸化
物(ATO)等の酸化物系のフィラーが用いられてい
る。中でもITOはATOに比べて抵抗値が低いために
最も優れている。
【0003】導電インクにおいては、導電フィラーの含
有量が少ないほど好ましい。その理由は、インクの成分
の一つである透明樹脂に比べて、フィラーである酸化物
の光吸収が遥かに大きいからである。従って、樹脂に対
して出来るだけ少量の酸化物フィラーを用いることによ
り、低抵抗値の膜が得られれば、膜の光線透過率を向上
できる。
【0004】このような、導電フィラーとしては、針状
又はりん片状のものが得られれば、球状、粒状の導電フ
ィラーに比べて、少量の添加で低抵抗値の膜が得られ、
コスト面、膜強度、耐候性等の面で優れた膜が得られる
ことになる。
【0005】しかし、無機酸化物、水酸化物等のコロイ
ド溶液を凍結し、コロイド溶液の溶媒の間に酸化物微粒
子や、水酸化物微粒子を析出させ、乾燥して脱溶媒し、
水酸化物の場合は更に焙焼してりん片状の酸化物を得る
方法(特開昭62−3003号公報)、針状の蓚酸錫を
加熱分解して針状錫酸化物を得る方法(特開昭56−1
20519号公報)があるが、針状で高アスペクト比を
有するITO粉末は得られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、透明導電膜
を得るための導電インクの導電フィラーとして好適なイ
ンジウム−錫酸化物針状粉末とその製造方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明は、以下のとおりである。 (1) インジウムイオンと、硝酸イオンと、仮焼によ
りSnO となる錫化合物とを含有する水溶液を、加熱
濃縮して高粘度スラリーを生成せしめ、該スラリーから
針状粉末第一中間体を分離し、この針状粉末第一中間体
を仮焼するインジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。 (2) インジウムイオンと、硝酸イオンと、水酸化イ
ンジウム及び/又は酸化インジウムと、仮焼によりSn
となる錫化合物とを含有する水溶液を、加熱濃縮し
て高粘度スラリーを生成せしめ、該スラリーから針状粉
末第一中間体を分離し、この針状粉末第一中間体を仮焼
するインジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。 (3) インジウムイオンと、硝酸イオンと、インジウ
ム−錫水酸化物とを含有する水溶液を、加熱濃縮して高
粘度スラリーを生成せしめ、該スラリーから針状粉末第
一中間体を分離し、この針状粉末第一中間体を仮焼する
インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。 (4) 前記スラリーに多量の水又はアルカリ分を含む
多量の水を混合し、固液分離することを特徴とする、
(1)ないし(3)の何れか一つに記載のインジウム−
錫酸化物針状粉末の製造方法。 (5) 前記スラリーを濾過して濾過ケーキを得、この
濾過ケーキに多量の水又はアルカリ分を含む多量の水を
混合して、固液分離することを特徴とする、(1)ない
し(3)の何れか一つに記載のインジウム−錫酸化物針
状粉末の製造方法。 (6) 前記針状粉末第一中間体をアルカリ水溶液と反
応させ、針状粉末第二中間体を得、この針状粉末第二中
間体を仮焼することを特徴とする、(1)ないし(5)
の何れか一つに記載のインジウム−錫酸化物針状粉末の
製造方法。 (7) 前記仮焼を不活性ガス又は真空中で行うことを
特徴とする、(1)ないし(6)の何れか一つに記載の
インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。
【0008】
【作用】本発明で用いるインジウムイオン(In3+)と
硝酸イオン(NO3 -)を含む水溶液は、インジウムメタ
ルを硝酸に溶解して得られるが、酸化インジウム又はイ
ンジウム(III)塩の水溶液にアリカリを加えて生成する
ゲル状の白色の沈澱で溶液中ではIn(OH)3で表さ
れる水酸化インジウムを硝酸に溶解してもよい。インジ
ウム、硝酸の濃度に特別の制限はないが、インジウム濃
度があまり低いと、つまり硝酸及び水が多いと、加熱し
て濃縮するときに時間とエネルギーを多く必要とするの
で好ましくない。
【0009】水溶液中のインジウムと硝酸のモル比は、
硝酸がインジウムに比べて過剰に存在すると、濃縮工程
で硝酸の揮発に時間がかかり好ましくない。従って、そ
の比率は硝酸インジウム〔In(NO33〕のモル比の
硝酸/インジウム=3程度がよい。
【0010】溶液に添加する錫化合物としては、2価の
錫又は4価の錫のハロゲン化物、ハロゲン化物の水和
物、水酸化第一錫等、酸素含有雰囲気や不活性ガス、真
空中等での加熱によりSnO2となる錫塩類を用いるこ
とが出来る。
【0011】インジウムイオンと、硝酸イオンと、錫化
合物とを含有する水溶液を、加熱濃縮していくと、液温
が130〜150℃程度まで上昇して行く過程で、系内
から水及び硝酸が蒸発し次第に濃厚なスラリーとなり塩
基性硝酸塩と考えられる微細な針状結晶が水溶液中に生
成してくる。この針状結晶の分析値は、通常、In55
〜68重量%、NO3 - 5〜23重量%、Sn 0.5〜
5重量%程度である。本発明ではこのものの正確な化学
組成を確定出来ないので針状粉末第一中間体と称する。
【0012】水酸化インジウム及び/又は酸化インジウ
ムやインジウム−錫水酸化物を加えた水溶液の濃縮にお
いても同様であって、系内から水及び硝酸が加熱濃縮に
より除去されると、インジウムが飽和に達し、更に濃縮
を行うと針状粉末第一中間体が析出してくる。
【0013】以上の様にして、加熱濃縮により、濃厚液
中に針状粉末第一中間体を析出させることができるが、
濃厚液はシロップ状であり、特に室温まで冷却すると、
高粘度となる。スラリーの固形分濃度は5〜30重量%
程度が適当である。濃縮し過ぎて、スラリー濃度を高く
し過ぎると、針状形が失われ、アスペクト比が小さくな
るので好ましくない。
【0014】得られる針状粉末第一中間体の粒子の大き
さは、長径5μm以上、アスペクト比5以上、条件によ
っては30以上のものも得られる。長径、アスペクト比
は添加する錫化合物、濃縮条件で変化する。
【0015】針状粉末第一中間体を含む高粘度スラリー
を多量の水、又はアルカリを含む多量の水に入れ、該ス
ラリーの濃厚液だけを希釈した後、濾別し洗浄、乾燥し
て針状粉末第一中間体を得る。
【0016】又、高粘度スラリーを加圧濾過、遠心濾過
等によってスラリーから濃厚液をできるだけ分離してか
ら、濾過ケーキを多量の水、又はアルカリを含む多量の
水に入れ、濾過ケーキに付着している濃厚液を希釈した
後、濾別し、洗浄し、乾燥して針状粉末第一中間体を得
ても良い。濾過を速やかに行うためには、70℃以上の
温度で行うのが良く、温度が低いと、濃厚液の粘度が高
く濾過に時間がかかる。
【0017】この場合、高粘度スラリーの濾過により得
られる濃厚濾液をそのまま繰り返し使用できるので都合
がよい。濃厚濾液を水で希釈した液は、アルカリで中和
して水酸化インジウムの沈澱として回収し硝酸に溶解す
るか、そのままで工程に繰り返すことが出来る。
【0018】スラリー中の濃厚液は、例えば塩化錫(S
nCl4・4H2O)を用いた場合、In 34重量%、
Sn 3重量%、NO3 - 41重量%、Cl 3重量%、
2O19重量%のように非常に濃厚なシロップ状で、
濃縮、冷却後長時間放置したり、超音波等の刺激を与え
ると、In(NO33・3H2Oと考えられる結晶が生
ずるため、針状粉末第一中間体の回収は、濃縮、冷却直
後に行う必要がある。
【0019】スラリー、又は濾過ケーキに多量の水を入
れるのは、少量の水では針状粉末第一中間体が液に溶解
してしまうからである。スラリー、又は濾過ケーキに対
して40重量倍程度以上の水であれば溶解を防ぐことが
できる。水の代わりにアルカリを含む水、例えばアンモ
ニアを含む水を用いると、水に比べて用いる液量を少な
くできるが、あまり濃いアルカリ水を用いると、濃厚液
が中和され、水酸化物様のものが析出し、針状粉末第一
中間体との分離が出来なくなるので、析出しない程度の
濃度に限定される。
【0020】濾別後の洗浄は水で行うが、この後にアン
モニア水等のアルカリ水で洗浄しても良い。例えばアン
モニア水で洗浄すると、針状粉末第一中間体中の硝酸が
除去され、In、Sn、OやOH或はH2Oの組成にな
る水酸化錫を含有する水酸化インジウムと考えられる針
状粉末となるため、後で仮焼する時にNOxの発生がな
く好ましい。又アルカリ水による洗浄によっても、針状
形態は全く変化せず長径5μm以上、アスペクト比5以
上の針状粉末が得られる。本発明ではこの針状粉末を針
状粉末第二中間体と呼ぶ。
【0021】本発明で得られる針状粉末第一中間体は、
仮焼によって針状の形態を完全に保ったままで、長径5
μm以上で短径に対する長径の比が5以上のインジウム
−錫酸化物針状粉末に変化する。図7に示す実施例1で
得られた針状粉末第一中間体の熱分析結果から230〜
250℃で急激にNOxを放ち、インジウム−錫酸化物
針状粉末へと変化して行く。先に述べた通り、アルカリ
水で洗浄したものは、この急激な変化がなく、仮焼によ
っても重量減少もすくないが、得られる酸化物は同様で
ある。図8に実施例2で得られた針状粉末第二中間体の
熱分析結果を示す。
【0022】仮焼は、大気中、不活性ガス中、真空中の
何れでも可能である。不活性ガス中、真空中であれば、
仮焼による熱分解と同時に、酸素空孔が酸化インジウム
中に取り込まれるので、低抵抗のインジウム−錫酸化物
針状粉末が得られる。大気中で仮焼した後に、この低抵
抗化処理をしても良い。仮焼温度は図7、図8の熱分析
より約300℃以上、好ましくは500℃以上が必要で
ある。
【0023】
【実施例】
実施例1 インジウムメタルを硝酸に溶解して得たIn 500g
/l、NO3 - 760g/l、液比重 1.93の液15
04gに、四塩化錫含水塩(SnCl4・xH2O、無水
塩が76重量%)98gを加え溶解した後、撹拌しなが
ら加熱し濃縮を行った。濃縮に伴い液温が上昇し、白煙
が発生して液量が減少して行き、液は次第に濁り始め、
液温約150℃程度で非常に濃い粘りのある白色のスラ
リーとなった。
【0024】液温約150℃で加熱を停止した。この時
のスラリーの重量は1016gで、580gの硝酸及び
水等が濃縮中に揮発除去された。スラリーを冷却し、約
70℃になった所で、スラリー全量に50lの水を加え
撹拌し、スラリー中の濃厚液を水で希釈した後、直ちに
濾別し、純水及びエタノールで順次に洗浄し、120℃
で乾燥して針状粉末第1中間体21.7gを得た。得ら
れた針状粉末第1中間体の分析値は、In 62.0重量
%、Sn 1.3重量%、NO3 - 9.4重量%であった。
このうち5gを窒素ガス中で700℃に30分間保持し
て仮焼し、インジウム−錫酸化物針状粉末3.8gを得
た。このインジウム−錫酸化物針状粉末の結晶構造を示
す電子顕微鏡写真を図1に、針状粉末第一中間体の結晶
構造を示す電子顕微鏡写真を図2に示す。
【0025】実施例2 実施例1で得られた針状粉末第一中間体5gを、2.5
%アンモニア水で洗浄し、針状粉末第二中間体を得た。
これを700℃で30分間、窒素ガス中で仮焼してイン
ジウム−錫酸化物針状粉末3.8gを得た。図3にこの
インジウム−錫酸化物針状粉末の結晶構造を示す電子顕
微鏡写真を示す。
【0026】実施例3 実施例1と同一条件で、針状粉末第一中間体を含むスラ
リー1kgを得た後、これを冷却せずに、高圧加圧濾過
を行いスラリーから濃厚液の分離を行った。高圧加圧濾
過は約150℃で圧力4kgf/cm2で、ガラス繊維
濾紙(アドバンテック製、GT−100)を用いて行
い、濾過ケーキ315gと濃厚液673gを得た。
【0027】濾過ケーキ全量に15lの水を加え撹拌
し、濾過ケーキに付着し残っている濃厚液を水で希釈し
た後、直ちに濾別し、純水及びエタノールで順次に洗浄
した後、120℃で乾燥して、針状粉末第一中間体28
gを得た。このうち20gを大気中で700℃、1時間
仮焼した後、低抵抗化処理して、インジウム−錫酸化物
針状粉末15.1gを得た。図4にこの針状粉末の結晶
構造を示す電子顕微鏡写真を示す。
【0028】実施例4 インジウムメタルを硝酸に溶解して得たIn 500g
/l、NO3 - 760g/l、液比重 1.93の液50
0gに、ゲル状の水酸化インジウム〔In(OH)3
3重量%、H2O 67重量%〕101g、及び四塩化錫
含水物(SnCl4・xH2O、無水塩76重量%)25
gを加えた後、撹拌しながら、加熱濃縮した。濃縮に伴
い液は完全に透明になり、更に濃縮を進めると、次第に
濁り始め白色の針状粉末第一中間体が析出してくる。
【0029】濃縮は液温137℃になった時点で止め
た。このスラリー重量は432gで、194gの硝酸、
水等が濃縮中に揮発除去された。得られたスラリー全量
に水20lを加え撹拌し、スラリー中の濃厚液を水で希
釈した後直ちに濾別し、純水、エタノールで順次に洗浄
し、120℃で乾燥して、針状粉末第一中間体3.0g
を得た。これを窒素ガス中で700℃、30分間仮焼し
てインジウム−錫酸化物針状粉末2.3gを得た。図5
にこの針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真を示
す。
【0030】実施例5 インジウムメタルを硝酸に溶解して得たIn 500g
/l、NO3 - 760g/l、液比重 1.93の液50
0gに、ゲル状の水酸化インジウム〔In(OH)3
3重量%、H2O 67重量%〕93g、及び二塩化錫
(SnCl2、無水)22gを加えた後、撹拌しなが
ら、加熱濃縮した。加熱と同時に激しくNOxを発生
し、そのため液は褐色になるが、しばらく濃縮を続ける
と、NOxの発生は止まり液の色も無色へと戻る。この
NOxの発生は、2価の錫イオンの還元作用によるもの
と考えられる。
【0031】濃縮の進行により液は次第に透明となり、
液温137℃まで濃縮した。濃縮したスラリー重量は5
25gで、90gの硝酸、水等が濃縮中に揮発除去され
た。得られたスラリー全量に水20lを加え撹拌し、ス
ラリー中の濃厚液を水で希釈した後直ちに濾別し、純
水、エタノールで順次に洗浄し、120℃で乾燥して、
針状粉末第一中間体5.2gを得た。これを大気中で7
00℃、1時間仮焼した後、低抵抗化処理してインジウ
ム−錫酸化物針状粉末3.9gを得た。
【0032】実施例6 インジウムメタルを硝酸に溶解して得たIn 500g
/l、NO3 - 760g/l、液比重 1.93の液50
0gに、硝酸インジウムと四塩化錫の溶液をアンモニア
水で中和して、水酸化インジウムと水酸化錫を共沈させ
た、In(OH) 3+Sn(OH)4=21重量%、H2
O 79重量%でIn/Sn(重量比)=10の錫を含
む水酸化インジウム181gを加えた後、撹拌しながら
加熱濃縮した。濃縮により液は次第に透明になり液温1
30℃まで濃縮した。
【0033】濃縮したスラリー重量は448gで233
gの硝酸及び水等が濃縮中に揮発除去された。得られた
スラリーに水20lを加え撹拌し、スラリー中の濃厚液
を水で希釈し、直ちに濾別し、純水、エタノールで順次
に洗浄し、120℃で乾燥して、針状粉末第一中間体2
3gを得た。これを大気中で700℃、1時間仮焼した
後、低抵抗化処理してインジウム−錫酸化物針状粉末1
7gを得た。図6にこのインジウム−錫酸化物針状粉末
の結晶構造を示す電子顕微鏡写真を示す。
【0034】上記の実施例で得られたインジウム−錫酸
化物針状粉末をX線回折によりIn23を同定したとこ
ろ、図9の1〜13に示すようにIn23の試料と同様
のIn23のピークを示し、In23であることが同定
された。尚、錫は下記の表1の分析値に示すように含有
されていたが、これはIn23中に固溶され回折図には
現れなかった。
【0035】上記の実施例1〜6のインジウム−錫酸化
物針状粉末の錫含有量及び圧粉抵抗値を表1に示す。圧
粉抵抗値は100kgf/cm2の圧力下での粉の比抵
抗である。
【表1】 実施例 錫含有量(重量%) 比抵抗(Ω・cm) 1 1.7 0.03 2 1.7 0.03 3 1.7 0.04 4 1.3 0.04 5 2.9 0.03 6 0.8 0.06
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、透明導電膜を得るため
の導電インクの導電フィラーとして好適な高いアスペク
ト比を有し低抵抗なインジウム−錫酸化物針状粉末を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1によって得られたインジウム−錫酸化
物針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1によって得られた針状粉末第一中間体
の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】実施例2によって得られたインジウム−錫酸化
物針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例3によって得られたインジウム−錫酸化
物針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図5】実施例4によって得られたインジウム−錫酸化
物針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図6】実施例6によって得られたインジウム−錫酸化
物針状粉末の結晶構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図7】実施例1で得られた針状粉末第一中間体の熱分
析結果を示した図である。
【図8】実施例2で得られた針状粉末第二中間体の熱分
析結果を示した図である。
【図9】実施例1〜6で得られたインジウム−錫酸化物
針状粉末のX線回折図である。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジウムイオンと、硝酸イオンと、仮
    焼によりSnO となる錫化合物とを含有する水溶液
    を、加熱濃縮して高粘度スラリーを生成せしめ、該スラ
    リーから針状粉末第一中間体を分離し、この針状粉末第
    一中間体を仮焼するインジウム−錫酸化物針状粉末の製
    造方法。
  2. 【請求項2】 インジウムイオンと、硝酸イオンと、水
    酸化インジウム及び/又は酸化インジウムと、仮焼によ
    りSnO となる錫化合物とを含有する水溶液を、加熱
    濃縮して高粘度スラリーを生成せしめ、該スラリーから
    針状粉末第一中間体を分離し、この針状粉末第一中間体
    を仮焼するインジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 インジウムイオンと、硝酸イオンと、イ
    ンジウム−錫水酸化物とを含有する水溶液を、加熱濃縮
    して高粘度スラリーを生成せしめ、該スラリーから針状
    粉末第一中間体を分離し、この針状粉末第一中間体を仮
    焼するインジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記スラリーに多量の水又はアルカリ分
    を含む多量の水を混合し、固液分離することを特徴とす
    る、請求項1ないし3の何れか一つに記載のインジウム
    −錫酸化物針状粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記スラリーを濾過して濾過ケーキを
    得、この濾過ケーキに多量の水又はアルカリ分を含む多
    量の水を混合して、固液分離することを特徴とする、請
    求項1ないし3の何れか一つに記載のインジウム−錫酸
    化物針状粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記針状粉末第一中間体をアルカリ水溶
    液と反応させ、針状粉末第二中間体を得、この針状粉末
    第二中間体を仮焼することを特徴とする、請求項1ない
    し5の何れか一つに記載のインジウム−錫酸化物針状粉
    末の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記仮焼を不活性ガス又は真空中で行う
    ことを特徴とする、請求項1ないし6の何れか一つに記
    載のインジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法。
JP10197093A 1993-04-05 1993-04-05 インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法 Expired - Fee Related JP3453783B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197093A JP3453783B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法
US08/222,280 US5580496A (en) 1993-04-05 1994-04-04 Raw material for producing powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the raw material, powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the powder, electroconductive paste and light-transmitting
US08/659,821 US5833941A (en) 1993-04-05 1996-06-07 Raw material for producing powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the raw material, powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the powder, electroconductive paste and light-transmitting electroconductive film
US08/662,150 US5849221A (en) 1993-04-05 1996-06-12 Raw material for producing powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the raw material, powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the powder, electroconductive paste and light-transmitting electroconductive film
US08/662,145 US5820843A (en) 1993-04-05 1996-06-12 Raw material for producing powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the raw material, powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the powder, electroconductive paste and light-transmitting electroconductive film
US09/199,443 US6511614B1 (en) 1993-04-05 1999-02-19 Raw material for producing powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the raw material, powder of indium-tin oxide aciculae and method of producing the powder, electroconductive paste and light-transmitting electroconductive film

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10197093A JP3453783B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06293515A JPH06293515A (ja) 1994-10-21
JP3453783B2 true JP3453783B2 (ja) 2003-10-06

Family

ID=14314731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10197093A Expired - Fee Related JP3453783B2 (ja) 1993-04-05 1993-04-05 インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3453783B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW440544B (en) * 1994-12-27 2001-06-16 Ishihara Sangyo Kaisha Electroconductive composition
JP2005322626A (ja) * 2004-04-09 2005-11-17 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 導電性酸化物針状粉末
JP2007297608A (ja) 2006-04-07 2007-11-15 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 透光性導電塗料及び透光性導電膜並びに分散型エレクトロルミネッセンス素子
JP5835860B2 (ja) 2009-10-29 2015-12-24 三菱マテリアル電子化成株式会社 熱線遮蔽組成物とその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06293515A (ja) 1994-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3963962B2 (ja) ペロブスカイト化合物の結晶性セラミック粉体の合成方法
EP0324619B1 (en) Improved process for preparing crystalline mixed metal oxides
US6780393B2 (en) Method of producing fine particles of metal oxide
EP0828690B1 (de) Sphäroidisch agglomeriertes basisches kobalt(ii)carbonat und sphäroidisch agglomeriertes kobalt(ii)hydroxid, verfahren zu ihrer herstellung sowie deren verwendung
JP3019551B2 (ja) 超微粒低抵抗スズドープ酸化インジウム粉末とその製法
JP3453783B2 (ja) インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法
JP4253721B2 (ja) スズドープ酸化インジウム粉末およびその製造方法
US8715614B2 (en) High-gravity reactive precipitation process for the preparation of barium titanate powders
JP7054658B2 (ja) 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法
US5866493A (en) Method of manufacturing a sintered body of indium tin oxide
US4308299A (en) Lithiated nickel oxide
JP4171790B2 (ja) スズドープ酸化インジウム粉の製造方法
JPH0246531B2 (ja)
JP3303421B2 (ja) インジウム−錫酸化物針状粉末の製造方法
JP3508153B2 (ja) インジウム−錫酸化物針状粉末製造用原料及びその製造方法
US5013538A (en) Preparation of alkaline earth metal titanates
JP2963296B2 (ja) 導電性微粉末の製造方法
JP4015212B2 (ja) イオン交換剤
JP3838615B2 (ja) スズドープ酸化インジウム粉末およびその製造方法
JPH07232920A (ja) インジウムー錫酸化物針状粉末製造用原料の製造方法
RU2323882C2 (ru) Способ получения титаната двухвалентного металла
JP3166013B2 (ja) 高純度無定形錫酸亜鉛粉末の製造方法
JPH0635329B2 (ja) 酸化ジルコニウム粉体の製造方法
JP2000344519A (ja) チタン酸バリウム粉末の製造方法
JPH04321523A (ja) 四酸化三コバルトの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070725

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100725

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees