JP7054658B2 - 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法 - Google Patents

二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP7054658B2
JP7054658B2 JP2018143225A JP2018143225A JP7054658B2 JP 7054658 B2 JP7054658 B2 JP 7054658B2 JP 2018143225 A JP2018143225 A JP 2018143225A JP 2018143225 A JP2018143225 A JP 2018143225A JP 7054658 B2 JP7054658 B2 JP 7054658B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
crystal particles
mixed solution
latp crystal
solid electrolyte
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018143225A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020019666A (ja
Inventor
弘樹 山下
剛章 大神
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiheiyo Cement Corp filed Critical Taiheiyo Cement Corp
Priority to JP2018143225A priority Critical patent/JP7054658B2/ja
Publication of JP2020019666A publication Critical patent/JP2020019666A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7054658B2 publication Critical patent/JP7054658B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Glass Compositions (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Description

本発明は、全固体リチウムイオン二次電池等の二次電池に用いるための、固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法に関する。
現在実用化されているリチウムイオン二次電池は、電解液に可燃性の有機溶媒を用いているため、液漏れや発火等に対する安全対策を充分に講じる必要があり、また電池の小型化や薄膜化の難易度も高い。ところが、酸化物系や硫化物系の固体電解質を備えた全固体リチウムイオン二次電池であると、エネルギー密度が高い上に、可燃物を用いることなく製造することができるため、安全対策を講じる負担が軽減され、製造コストや生産性を容易に高めることが可能となる。
こうしたことから、高い有用性に期待がかかる固体電解質材料については、種々の開発が活発化しつつある。なかでも、NASICON型の結晶構造を有するLi1.3Al0.3Ti1.7(PO43等のリン酸リチウム系複合酸化物(以後、「LATP」と称す。)は、化学的安定性に優れる酸化物系の固体電解質であるという特徴に加えて、室温において10-4S/cm台もの高いリチウムイオン伝導度を示すという優れた特性を有しており、大いに期待される固体電解質材料の一つである。
このようなLATP結晶粒子は、固相法やゾルゲル法を用いれば製造することができるものの、粉砕処理を施して微細化を図らなければならず、ブロードな粒度分布の結晶粒子となって、リチウムイオン伝導性の低下を招くおそれがある。一方、これら固相法やゾルゲル法のほか、ガラス化法を用いた製造も試みられており、例えば特許文献1には、LATP結晶の原料となる複数の酸化物をCa3(PO42と共に熔解してガラス化し、そのガラスを熱処理及び酸処理することでLATP結晶多孔質体を製造する方法(ガラス化法)が開示されている。また特許文献2には、モル比でLi2O:Al23:TiO2:P25:ZnO=1+x:x:4-2x:3+y:y超3y未満(0≦x≦1、1≦y≦4)からなるガラスを作製する、ガラス化法によるLATP結晶粒子の製造方法が開示されている。
特開平05-139781号公報 特開2016-155707号公報
しかしながら、特許文献1に記載の製造方法であると、得られるLATP結晶粒子に不純物としてCaが多く含まれ、また結晶度が低く、さらに固相法やゾルゲル法と同様、依然として粉砕処理を施す必要がある。また、特許文献2に記載の製造方法であると、不純物の混入が抑制され得るものの、ガラスの作製やガラスを結晶化させるための複数回の熱処理工程、及び不純物の溶出のための酸処理等の工程を経る必要があり、工程の煩雑化を余儀なくされる。
したがって、本発明の課題は、粉砕処理等を要することなく微細かつ高純度なLATP結晶粒子が得られ、工程の簡略化をも図ることのできるLATP結晶粒子の製造方法を提供することにある。
そこで本発明者は、種々検討したところ、リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、及びリン酸化合物と溶媒とから調製した特定のpH値を有する混合液を用い、これを特定の温度で噴霧熱分解することにより、リチウムイオン二次電池の固体電解質として優れた特性を有するLATP結晶粒子が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、次の工程(I)~(II):
(I)リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物と、溶媒とを混合して、25℃におけるpHが0.5~3である混合液を調製する工程
(II)得られた混合液を600℃~1000℃で噴霧熱分解する工程
を備える、二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の製造方法によれば、所定の混合液を調製し、これを噴霧熱分解するのみで、微細かつ高純度なLATP結晶粒子を得ることができ、また熱処理工程を複数回繰り返す必要がなく、粒子の微細化を図るための粉砕処理を施す必要もないことから、工程の簡略化を図ることもできる。
したがって、本発明の製造方法によれば、優れたイオン伝導性を有する二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子を容易に得ることが可能である。
実施例1で得られたLATP結晶粒子を示すSEM像である。図1(a)は、LATP結晶粒子の二次粒子のSEM像であり、図1(b)は、LATP結晶粒子の二次粒子を構成する一次粒子の凝集状態を示すSEM像である。 実施例1で得られたLATP結晶粒子のX線回折パターンである。 比較例1で得られたLATP結晶粒子を示すSEM像である。 比較例2で得られたLATP結晶粒子を示すSEM像である。 比較例2で得られたLATP結晶粒子のX線回折パターンである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子(以下、単に「LATP結晶粒子」とも称する)の製造方法は、次の工程(I)~(II):
(I)リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物と、溶媒とを混合して、25℃におけるpHが0.5~3である混合液を調製する工程
(II)得られた混合液を600℃~1000℃で噴霧熱分解する工程
を備える。
工程(I)は、リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物と、溶媒とを混合して、25℃におけるpHが0.5~3である混合液(A)を調製する工程である。かかる工程(I)において調製された混合液(A)を用いれば、後述する工程(II)を経ることのみで、粒子を形成させるための熱処理と粒子の微細化とを一括して行うことができ、工程の簡略化を図ることができる。
工程(I)において用いるリチウム化合物は、後の工程でLATP結晶粒子を形成させるためのリチウム源である。かかるリチウム化合物としては、例えば水酸化物、塩化物、炭酸塩、硫酸塩、及び有機酸塩から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的には、例えば、水酸化リチウム又はその水和物、過酸化リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウム、シュウ酸リチウム等を好適に用いることができる。
リチウム化合物の含有量は、その種類によっても変動し得るが、工程(I)において得られる混合液(A)中に、好ましくは0.01mol/L~1.0mol/Lであり、より好ましくは0.05mol/L~0.7mol/Lであり、さらに好ましくは0.05mol/L~0.5mol/Lである。
工程(I)において用いるアルミニウム化合物は、後の工程でLATP結晶粒子を形成させるためのアルミニウム源である。かかるアルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。具体的には、例えば、硫酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、乳酸アルミニウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルミニウム化合物の含有量は、工程(I)において得られる混合液(A)中でのリチウムとアルミニウムのモル比(Li/Al)で、好ましくは2~11であり、より好ましくは2.4~11であり、さらに好ましくは3~6である。上記混合液(A)中においてこのような量となるよう、アルミニウム化合物を混合液に添加すればよい。
工程(I)において用いるチタン化合物は、後の工程でLATP結晶粒子を形成させるためのチタン源である。例えば、チタンの硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、酸化物、水酸化物、ハロゲン化物などが挙げられる。具体的には、例えば、硫酸チタニル、硫酸チタン、塩化チタン、酢酸チタン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
チタン化合物の含有量は、工程(I)において得られる混合液(A)中でのリチウムとチタンのモル比(Li/Ti)で、好ましくは0.55~2であり、より好ましくは0.6~1.3であり、さらに好ましくは0.65~1である。上記混合液(A)中においてこのような量となるよう、チタン化合物を混合液に添加すればよい。
工程(I)において用いるリン酸化合物は、後の工程でLATP結晶粒子を形成させるためのリン酸源であり、また混合液(A)のpHを制御するためのpH調整剤としても作用し得る。例えば、オルトリン酸(H3PO4、リン酸)、メタリン酸、ピロリン酸、三リン酸、四リン酸、リン酸アンモニウム、リン酸水素アンモニウム等が挙げられる。なかでも、pH調整剤としての作用を活用する観点から、リン酸又はリン酸水素アンモニウムを用いるのが好ましく、リン酸水素アンモニウムを用いるのがより好ましい。また、これらは70質量%~90質量%濃度の水溶液として用いるのがよい。
リン酸化合物の含有量は、工程(I)において得られる混合液(A)中でのリチウムとリン酸のモル比(Li/PO4)で、好ましくは0.33~0.65であり、より好ましくは0.37~0.6であり、さらに好ましくは0.4~0.55である。また、リチウム化合物の含有量は、工程(I)において得られる混合液(A)中に、好ましくは0.01mol/L~1mol/Lであり、より好ましくは0.05mol/L~0.5mol/Lであり、さらに好ましくは0.08mol/L~0.3mol/Lである。
また、混合液(A)中には、不可避的に混入する場合も含め、その一部にリチウム、アルミニウム及びチタンとは異種の金属である、金属M(MはSc、In、Fe、Cr、Ga、Y、La、Zn、Si、Mn、Ge、Nd、Sr及びVから選ばれる1種又は2種以上を示す。)を含んでいてもよい。この場合、上記化合物とともに金属(M)化合物を混合して混合液(A)を調整すればよい。かかる金属(M)化合物としては、ハロゲン化物、硫酸塩、有機酸塩、水酸化物、塩化物、硫化物、酸化物、又はこれらの水和物等が挙げられる。なかでも、混合液(A)中における反応を効率的に進行させる観点から、硫酸塩及び有機酸塩から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
金属(M)化合物の含有量は、工程(I)において得られる混合液(A)中に、好ましくは0.5mol/L以下であり、より好ましくは0.3mol/L以下であり、さらに好ましくは0.2mol/L以下であり、下限値は特に制限はないが、0.001mol/L以上である。また、金属(M)の含有量は、より良好なイオン伝導性を確保する観点から、LATP結晶粒子100質量%中に、好ましくは20質量%以下であり、より好ましくは15質量%以下であり、さらに好ましくは10質量%以下であり、下限値は特に制限はないが、1質量%以上である。
工程(I)における混合液(A)のpHは、後述する工程(II)を経ることにより、目的物であるLATP結晶粒子を良好に形成させる観点から、好ましくは0.5~3であり、より好ましくは0.5~2.7であり、特に好ましくは0.5~2.5である。なお、pH調整剤として、リンゴ酸、クエン酸、乳酸などの有機酸を適宜用いてもよい。
工程(I)において混合液(A)を調製するにあたり、さらに溶媒を用いる。かかる溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が挙げられ、具体的には、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の水に可溶な有機溶媒又はこれを水に溶解させた水溶液を用いることもできる。かかる溶媒の含有量は、リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物の混合液(A)中における良好な溶解性又は分散性を保持する観点、並びに後述する工程(II)の噴霧熱分解において、各成分による粒子形成への良好な反応性と得られるLATP結晶粒子の微粒子化とを確保する観点から、工程(I)において得られる混合液(A)100質量%中に、好ましくは80質量%~99質量%であり、より好ましくは85質量%~97質量%であり、さらに好ましくは88質量%~95質量%である。
なお、混合液(A)を調製するにあたり、リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物の混合液(A)中における溶解性又は分散性を高める観点から、予めこれらの各化合物を各々別個に含有する混合液を調製し、これを混合してもよい。なかでも、各化合物の良好な溶解性又は分散性を確保しつつ、混合液(A)のpHの制御を容易にする観点から、リチウム化合物、アルミニウム化合物及びチタン化合物を含有する混合液と、リン酸化合物を含有する混合液とを混合して、混合液(A)を調製するのが好ましい。
混合液(A)は、各成分をより均一に分散させる観点から、工程(II)に移行する前に、撹拌するのがよい。混合液(A)を撹拌する時間は、好ましくは5分間~3時間であり、より好ましくは10分間~2時間であり、さらに好ましくは15分間~90分間である。撹拌速度は、容器内壁面での混合液(A)の流速に換算して、好ましくは10cm/秒~200cm/秒であり、より好ましくは15cm/秒~150cm/秒、さらに好ましくは20cm/秒~100cm/秒である。
工程(II)は、工程(I)で得られた混合液(A)を600℃~1000℃で噴霧熱分解する工程である。かかる噴霧熱分解とは、超音波式の噴霧装置、又は流体ノズルによる噴霧装置等を用い、装置に備えられた炉内に原料液体を噴霧することにより液滴を形成させ、さらにこれを蒸発乾固することによって粒子を形成させる処理である。なかでも、液滴の粒径を適宜調整して所望の粒径を有する粒子を形成させる観点から、2流体ノズルや4流体ノズル等の流体ノズルによる噴霧装置を用いるのが好ましい。ここで流体ノズルによる噴霧装置を用いた噴霧熱分解の方式には、空気と原料液体とをノズル内部で混合する内部混合方式と、ノズル外部で空気と原料液体を混合する外部混合方式とがあり、いずれも採用することができる。
噴霧熱分解する際における炉内の温度は、リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物の反応性を確保してLATP結晶粒子を良好に形成させる観点から、600℃~1000℃であって、好ましくは650℃~950℃である。
また、炉内の雰囲気は、特に限定されるものではなく、大気雰囲気下、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下のいずれであってもよいが、簡便性の観点から、大気雰囲気下が好ましい。
本発明の製造方法により得られるLATP結晶粒子の一次粒子の平均粒径は、好ましくは70nm~300nmであり、より好ましくは70nm~250nmであり、さらに好ましくは70nm~200nmである。さらに、その平均結晶子径は、好ましくは70nm~300nmであり、より好ましくは70nm~250nmであり、さらに好ましくは70nm~200nmである。
ここで、LATP結晶粒子の平均結晶子径は、Cu-kα線による回折角2θの範囲が10°~80°のX線回折プロファイルについて、シェラーの式を適用して求めた値を意味する。
また、得られるLATP結晶粒子のBET比表面積は、充放電特性に優れた二次電池を得る観点から、好ましくは3m2/g以上であり、より好ましくは5m2/g以上であり、さらに好ましくは7m2/g以上である。
本発明の製造方法により得られるLATP結晶粒子は、NASICON型の結晶構造を有する酸化物であり、具体的には、下記式(1)で表される。
Li1+aAlbcTid(PO43 ・・・(1)
(式(1)中、MはSc、In、Fe、Cr、Ga、Y、La、Zn、Si、Mn、Ge、Nd、Sr及びVから選ばれる1種又は2種以上を示し、a、b、c及びdは、0≦a≦4、0<b≦2、0≦c≦1、0<d<2、a+3b+(Mの価数)×c+4d=8を満たす数を示す。)
より具体的には、例えば、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO43、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43、Li1.2Al0.2Ti1.8(PO43、Li1.1Al0.1Ti1.9(PO43、Li1.3Al0.27Ga0.03Ti1.7(PO43、Li1.3Al0.27Sc0.03Ti1.7(PO43、Li1.3Al0.270.03Ti1.7(PO43が挙げられる。
このように、本発明の製造方法は、平均粒径が有効に微細化されたLATP結晶粒子を得ることができる。したがって、優れた充放電特性を発現し得る全固体リチウムイオン二次電池用固体電解質を、簡便に製造することができる。
こうして本発明の製造方法により得られるLATP結晶粒子を固体電解質として適宜適用できる二次電池としては、正極と負極と固体電解質を必須構成とするものであって、正極活物質層、固体電解質層、及び負極活物質層の順に積層配置された積層体が形成されるものであれば特に限定されない。
ここで、正極活物質層については、リチウムイオン等の金属イオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができれば、その材料構成は特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。例えば、原料化合物を水熱反応させることにより得られる各種ポリアニオン型正極活物質からなる正極活物質層を好適に用いることができる。
また、負極活物質層については、リチウムイオン等を充電時には吸蔵し、かつ放電時には放出することができれば、その材料構成は特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。例えば、原料を水熱反応させることにより得られるチタンニオブ酸化物やチタン酸ナトリウムリチウム複合酸化物からなる負極活物質層を好適に用いることができる。
また、本発明のLATP結晶粒子を用いて二次電池を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を使用できる。例えば、特開2017-10816号公報に記載されるように、正極活物質層、及び負極活物質層に内包される固体電解質粒子として、本発明のLATP結晶粒子を二次電池の固体電解質として用い、固体電解質層には本発明以外の固体電解質を用いてもよい。
上記の構成を有する二次電池の形状としては、特に制限を受けるものではなく、コイン型、円筒型,角型等種々の形状や、ラミネート外装体に封入した不定形状であってもよい。
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明する。なお、表中に特に示さない限り、各成分の含有量は質量%を示す。
[製造例1](LiCoPO4正極活物質粒子の製造)
LiOH・H2Oを12.72gと水40mLを混合して、スラリーx1を得た。得られたスラリーx1を、25℃の温度に保持しながら3分間撹拌しつつ85質量%のH3PO4を11.53g、35mL/分で滴下し、撹拌速度400rpmで1時間撹拌することにより、Li3PO4スラリーx2を得た。次に、得られたLi3PO4スラリーx2全量に対し、CoSO4・7H2Oを21.08g添加して、スラリーx3とした後、これをオートクレーブに投入し、170℃で1時間の水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した水熱反応物をろ過し、次いで、水熱反応物1質量部に対して12質量部の水により洗浄した。洗浄した水熱反応物を-50℃で12時間凍結乾燥して、LiCoPO4正極活物質粒子(粒子径100nm)を得た。
[実施例1]
水100mLにLiNO3 0.90g、Al(NO33・9H2O 1.13g及びTiO2ゾル 4.53g(固形分量30質量%)を混合して、混合液a1を得た。得られた混合液a1にNH42PO4 10.35gを混合し、撹拌速度50cm/秒で10分間撹拌して混合液A1を得た。25℃における混合液A1のpHは0.8であった。
次いで、圧縮空気をキャリアガスとして用い、得られた混合液b1を送液ポンプにより4流体ノズルを介してミスト状に噴霧し、炉内温度を900℃に設定した噴霧熱分解炉内を通過させてLATP結晶粒子(X1)を得た。得られたLATP結晶粒子(X1)は、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43単相であり、一次粒子の平均粒径は100nm、平均結晶子径は100nm、BET比表面積は25m2/gであった。
得られたLATP結晶粒子(X1)のSEM写真を図1に、X線回折パターンを図2に示す。
[実施例2]
LiNO3 0.90gの代わりにLiOH・H2O 0.56gを用いた以外、実施例1と同様にしてLATP結晶粒子(X2)を得た。25℃における混合液A1のpHは3.0であった。得られたLATP結晶粒子(X2)はLi1.3Al0.3Ti1.7(PO43単相であり、一次粒子の平均粒径は100nm、平均結晶子径は100nm、BET比表面積は25m2/gであった。
[実施例3]
Al(NO33・9H2Oの添加量を1.10gとし、Ga(NO3)3 0.33gを追加して添加した以外、実施例1と同様にしてLATP結晶粒子(X3)を得た。25℃における混合液A1のpHは0.8であった。得られたLATP結晶粒子(X3)はLi1.3Al0.27Ga0.03Ti1.7(PO43単相であり、一次粒子の平均粒径は100nm、平均結晶子径は100nm、BET比表面積は25m2/gであった。
[比較例1]
水40mLにAl2(SO43・16H2Oを0.95g及びTiOSO4・1.5H2Oを3.18g混合して、混合液a2を得た。得られた混合液a2に、LiOH・H2Oを0.56g混合して、混合液b2を得た。得られた混合液b2に、85質量%のH3PO4を3.46gを混合して、混合液c2を得た。かかる混合液c2の25℃におけるpHは0.9であった。得られた混合液c2をオートクレーブに投入し、180℃、1.3MPaでの水熱反応を12時間行った。生成した水熱反応生成物をエバポレータにより溶媒を留去し、前駆体混合物d2を得た。得られた前駆体混合物d2を、空気雰囲気下900℃で6時間焼成してLATP結晶粒子(Y1)を得た。
得られたLATP結晶粒子(Y1)は、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43単相であり、一次粒子の平均粒径は250nm、平均結晶子径は150nm、BET比表面積は15m2/gであった。
得られたLATP結晶粒子(Y1)のSEM写真を図3に示す。
[比較例2]
水40mLにLiOH・H2Oを0.56g混合して、混合液a3を得た。得られた混合液a3に、Al23を0.15g、TiO2を1.36g、85質量%のH3PO4を3.46g混合し、180℃で12時間恒温乾燥して前駆体混合物b3を得た。得られた前駆体混合物b3を、空気雰囲気下700℃で12時間焼成してLATP結晶c3を得た。得られたLATP結晶c3を、遊星ボールミルを用いて450rpmで10時間粉砕してLATP結晶粒子(Y2)を得た。
得られたLATP結晶粒子(Y2)は、Li1.3Al0.3Ti1.7(PO43単相であり、一次粒子の平均粒径は350nm、平均結晶子径は300nm、BET比表面積は10m2/gであった。
得られたLATP結晶粒子(Y2)のSEM写真を図4に、X線回折パターンを図5に示す。
《評価試験》
実施例1~3及び比較例1~2で得られたLATP結晶粒子(X1)~(X3)及び(Y1)~(Y2)を用い、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
具体的には、正極に製造例1で得られたLiCoPO4正極活物質粒子を用い、正極活物質:LATP結晶粒子(質量比)を75:25の配合割合で混合した後、プレス用冶具に投入して正極活物質層とした。さらに、その層上にLATP結晶粒子のみをさらに投入して固体電解質層として積層させた後、ハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスして、φ14mmの円盤状の正極を得た。次いで、負極としてリチウム箔を固体電解質層側に取り付けることで、全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
作製した全固体リチウムイオン二次電池を用いて、充電条件を16mA/g、電圧5.0Vの定電流充電、放電条件を16mA/g、終止電圧3.5Vの定電流放電とした場合の、16mA/gにおける放電容量を求めた。なお、充放電試験は全て45℃で行った。結果を表1に示す。
Figure 0007054658000001
上記結果より、実施例1~3の製造方法で得られたLATP結晶粒子(X1)~(X3)は、比較例1~2の製造方法で得られたLATP結晶粒子(Y1)~(Y2)に比して、平均粒径及び平均結晶子径が小さいため、固体電解質層の密度が増加し、放電容量が大きくなったと考えられる。

Claims (5)

  1. 次の工程(I)~(II):
    (I)リチウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物及びリン酸化合物と、溶媒とを混合して、25℃におけるpHが0.5~3である混合液を調製する工程
    (II)得られた混合液を600℃~1000℃で噴霧熱分解する工程
    を備える、二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法。
  2. 工程(I)で得られる混合液中において、リチウムとアルミニウムとのモル比(Li/Al)が2~11であり、リチウムとチタンとのモル比(Li/Ti)が0.55~2であり、かつリチウムとリン酸とのモル比(Li/PO4)が0.33~0.65である、請求項1に記載の二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法。
  3. 工程(I)で得られる混合液中におけるリチウム化合物の含有量が、0.01mol/L~1.0mol/Lである、請求項1又は2に記載の二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法。
  4. 工程(I)で得られる混合液が、さらに金属(M)化合物(MはSc、In、Fe、Cr、Ga、Y、La、Zn、Si、Mn、Ge、Nd、Sr及びVから選ばれる1種又は2種以上を示す。)を0.5mol/L以下含有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法。
  5. 二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子が、下記式(1):
    Li1+aAlbcTid(PO43 ・・・(1)
    (式(1)中、MはSc、In、Fe、Cr、Ga、Y、La、Zn、Si、Mn、Ge、Nd、Sr及びVから選ばれる1種又は2種以上を示し、a、b、c及びdは、0≦a≦4、0<b≦2、0≦c≦1、0<d<2、a+3b+(Mの価数)×c+4d=8を満たす数を示す。)
    で表される、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池の固体電解質用LATP結晶粒子の製造方法。
JP2018143225A 2018-07-31 2018-07-31 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法 Active JP7054658B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018143225A JP7054658B2 (ja) 2018-07-31 2018-07-31 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018143225A JP7054658B2 (ja) 2018-07-31 2018-07-31 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020019666A JP2020019666A (ja) 2020-02-06
JP7054658B2 true JP7054658B2 (ja) 2022-04-14

Family

ID=69588987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018143225A Active JP7054658B2 (ja) 2018-07-31 2018-07-31 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7054658B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7224171B2 (ja) * 2018-12-21 2023-02-17 太平洋セメント株式会社 リチウムイオン二次電池の固体電解質用lisicon型結晶粒子の製造方法
CN113517466A (zh) * 2021-06-29 2021-10-19 浙江锋锂新能源科技有限公司 高分散超细固态电解质粉体、制备方法及浆料分散方法
CN113929447A (zh) * 2021-11-22 2022-01-14 合肥国轩高科动力能源有限公司 一种磷酸钛铝锂固态电解质材料的制备方法及应用

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013225534A (ja) 2012-04-19 2013-10-31 Shoei Chem Ind Co コンデンサ及びその誘電体層
JP2015506063A (ja) 2011-11-29 2015-02-26 コーニング インコーポレイテッド セラミックリチウムイオン固体電解質の反応焼結

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015506063A (ja) 2011-11-29 2015-02-26 コーニング インコーポレイテッド セラミックリチウムイオン固体電解質の反応焼結
JP2013225534A (ja) 2012-04-19 2013-10-31 Shoei Chem Ind Co コンデンサ及びその誘電体層

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020019666A (ja) 2020-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2728141C (en) Mixed oxide containing a lithium manganese spinel and process for its preparation
JP6393974B2 (ja) 固体電解質前駆体、その製造方法、固体電解質の製造方法、及び固体電解質−電極活物質複合体の製造方法
WO2012176904A1 (ja) リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
JP7025620B2 (ja) 全固体リチウム電池用電極積層体の製造方法、全固体リチウム電池用電極複合体及びその製造方法
US10062905B2 (en) Process for producing cathode active material for lithium ion secondary battery
JP6523501B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質の製造方法
JP7054658B2 (ja) 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法
KR20130061038A (ko) 이종 금속이 도핑된 리튬 티탄 복합 산화물의 제조 방법, 및 이에 의하여 제조된 이종 금속이 도핑된 리튬 티탄 복합 산화물
TW201236976A (en) Lithium titanium mixed oxide
JP2020177860A (ja) ニッケルマンガンコバルト含有複合水酸化物およびその製造方法、リチウムニッケルマンガンコバルト含有複合酸化物およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用正極活物質およびその製造方法、並びに、リチウムイオン二次電池
US20200266436A1 (en) Process for producing cathode active material, cathode active material, positive electrode, and lithium ion secondary battery
JP2002211925A (ja) チタン酸リチウム及びその製造方法並びにそれを用いてなるリチウム電池
EP2586085A1 (de) Verfahren zur herstellung von lithium-mischmetalloxiden und ihre verwendung als kathodenmaterial
JP7189006B2 (ja) リチウムイオン二次電池の固体電解質用nasicon型酸化物粒子の製造方法
JP7179603B2 (ja) リチウムイオン二次電池の固体電解質用nasicon型酸化物粒子の製造方法
JP6243932B2 (ja) チタンニオブ酸化物の製造方法、及びこれから得られるチタンニオブ酸化物を用いたチタンニオブ酸化物負極活物質の製造方法
JP7130460B2 (ja) 二次電池の固体電解質用latp結晶粒子の製造方法
JP7189007B2 (ja) リチウムイオン二次電池の固体電解質用nasicon型酸化物粒子及びその製造方法
JP7130461B2 (ja) 固体電解質用latp結晶粒子及びその製造方法
WO2022065522A1 (ja) セラミックス粉末材料、焼結体、及び、電池
JP7165048B2 (ja) リチウムイオン二次電池の固体電解質用lisicon型結晶粒子を製造する方法
JP7089983B2 (ja) ナトリウムイオン二次電池用nasicon型負極活物質粒子の製造方法
JP7217514B2 (ja) チタン酸化物、チタン酸化物の製造方法、およびチタン酸化物を含む電極活物質を用いたリチウム二次電池
JP7224171B2 (ja) リチウムイオン二次電池の固体電解質用lisicon型結晶粒子の製造方法
JP2021125322A (ja) 固体電解質用リチウムランタンジルコニウム酸化物結晶粒子集合体の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210414

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220329

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220404

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7054658

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150