JP2009091213A - 水酸化インジウムの製造方法 - Google Patents

水酸化インジウムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】塩化インジウムを原料として用いた場合であっても、残留塩素量が少ない水酸化インジウム粉末を低コストに製造する方法を提供する。
【解決手段】塩化インジウムを含む水溶液に、インジウムイオンに対して塩基当量の0.8倍を越え、1.0倍未満のアンモニア水溶液を添加する。得られた水酸化インジウムサスペンションに、硝酸を添加してpHを8〜10に制御した後に濾過するとすることが好ましい。さらに、得られた水酸化インジウムを、濃度0.08mol/L以上の塩基性水溶液に分散させ、サスペンションとし、該サスペンションを60〜100℃の液温に保持した後、濾過し、水洗することが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、水酸化インジウムの製造方法に関する。さらに詳しくは、電子材料として用いるのに最適な、塩素濃度が50ppm以下の水酸化インジウム粉末の安価で高収率な製造方法に関するものである。
酸化インジウム粉は、その導電性を利用して樹脂混練用導電性フィラーのほか、透明導電膜塗料、透明導電性薄膜作製用のターゲット材などの原料として、電子材料用に広く用いられている。
導電性フィラーあるいは透明導電膜塗料は、その用途が電子材料用であることから、不純物、特にハロゲン元素が含まれることが問題となる。ハロゲン元素が存在すると、電子機器内に用いられている金属の腐食、溶出が発生しやすくなるとともに、酸化インジウム粉が混合された樹脂においても経時劣化が起き易くなる。こうしたことから、近年では電子材料用として用いられる水酸化インジウムとしては、ハロゲン、具体的には塩素が50ppm以下のものが求められるようになっている。
酸化インジウム粉は、一般的にインジウム塩水溶液にアンモニアや水酸化ナトリウム水溶液等のアルカリを添加して中和し、水酸化インジウムを晶析させ、これを水洗、乾燥、仮焼して得られる。仮焼によるハロゲン元素の除去は困難であるので、ハロゲン元素品位が十分に低い酸化インジウム粉を得るためには、仮焼前の水酸化インジウムのハロゲン元素品位を十分に低減させておく必要がある。
例えば、特許文献1には、酸化インジウムにスズをドープしたITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)粉についてではあるが、ハロゲン元素である塩素の除去に関して記載されている。塩化インジウムおよび塩化スズの混合水溶液をアンモニウム炭酸塩水溶液で中和して得た共沈沈殿物(水酸化物)を、洗浄終液の伝導度が200Ωcm以上、好ましくは5000Ωcm以上になるまでデカンテーションまたは遠心分離法によって水洗し、加熱分解することによりITO粉末を得ている。
しかし、この方法では、残留する塩素量を100ppm未満にするために、共沈によって得られた水酸化物についてデカンテーションまたは遠心分離法による水洗を、濾液の導電率が2000Ωcm以上、好ましくは5000Ωcm以上となるまで行うことから、水洗工程の高コスト化が予想される。さらに、前記水酸化物を加熱分解して得られたITO粉の蒸留水への塩素溶出量が6〜44質量ppmであるとしているが、通常は粉末内部に溶出分より多くの塩素が残留していることから、粉体内部に含まれる塩素は50ppmを超えるものと推定でき、昨今の電子業界の要望には応えがたい。
例えば、特許文献2には、ITOターゲットを製造する際に、焼結温度域、特に800℃を超える温度で揮発する成分が残存すると焼結が阻害されると考えられること、特にハロゲン元素の存在は好ましくないことが示され、出発インジウム塩として、焼結を阻害する塩素や硫黄を含まない硝酸インジウムを使用することが記載されている。この方法を水酸化インジウムの製造に転用すれば、確かに電子材料向けの低塩素品位の水酸化インジウムを製造することは可能である。
しかし、原料である硝酸インジウムが高価なこと、廃液中に含まれることとなる硝酸性窒素の処理コストが高いことにより、製造コストが高くなる。
このため、硝酸性窒素が副生する硝酸インジウムを出発原料とする製造プロセスではなく、塩化インジウムを出発原料とするプロセスの方が望ましいが、、安価な塩化インジウムを原料として水酸化インジウムを経て酸化インジウムを合成すると塩素が残留するため、前述のように電子材料用としての使用は困難という問題がある。
さらに、洗浄後の水酸化インジウムは遠心分離機又は遠心濾過機を用いて濾過して回収を行うが、この際、微細な水酸化インジウムが網の目を通過してしまいロスとなる。洗浄、濾過が多くなるとそれに比例してロスが増加することから濾過損失の改善が大きな課題となっている。
特許文献3では、濾過損失を改善する方法として水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウム水溶液をインジウム溶液に添加してpHを7〜10、すなわち等電点付近に調整することで微細な水酸化インジウムを凝集させて回収する方法が記載されている。しかしながら、この方法は、水酸化インジウムの回収率を改善することを目的としてなされたものであり、得られる水酸化インジウムの低塩素品位化に関しては何ら開示されていない。
以上のように、低ハロゲン元素品位の水酸化インジウムを得るためには、原料として硝酸インジウムを用いる必要があるが、高コストとなってしまう。また、安価な塩化インジウムを用いる場合においても、塩素除去の困難さから製造コストが高くなるという問題点があった。
特開平5−201731 特開平10−182150 特開2002−201025
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、塩化インジウムを原料として用いた場合であっても、残留塩素品位が50ppm以下の水酸化インジウム粉末を低コストで製造する方法の提供を目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため、塩化インジウムを原料として用いた残留塩素品位が少ない水酸化インジウムの製造方法に関する研究を行なったところ、特定の中和晶析条件で得られた水酸化インジウムは塩素除去が容易であること、その水酸化インジウムをアルカリ溶液中で保持することで低塩素品位の水酸化インジウムが得られることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明が提供する水酸化インジウム製造方法は、塩化インジウムを含む溶液にアルカリ溶液を添加し、中和して水酸化インジウムサスペンションを得、その後水酸化インジウムを濾過し、洗浄して低塩素品位の水酸化インジウムを得る方法において、前記アルカリ溶液としてアンモニア水溶液を用い、添加するアンモニアの量を溶液中のインジウムイオンの量に対して、当量で0.8倍を越え、1.0倍未満とし、その後、得られた水酸化インジウムサスペンションのpHを8.0〜10.0に制御した後に濾過し、洗浄することを特徴とするものである。そして、本発明の好ましい別の態様は、前記発明に加えて、インジウム溶液にアンモニア水溶液を添加して得た水酸化インジウムサスペンションのpHを一端6以上に制御した後、pHを8.0〜10.0に制御した後、濾過して水酸化インジウムを得るものである。
更に、本発明の好ましい別の態様は、水酸化インジウムを濾過した後の水酸化インジウムの洗浄に際して、得られた水酸化インジウムを濃度0.08〜1.0mol/Lの塩基性水溶液に分散させてサスペンションとし、該サスペンションを60〜100℃の液温に少なくとも0.25時間保持した後、濾過し、水洗するものである。
そして、本発明の好ましい別の態様は、前記態様に加えて、
得られた水酸化インジウムを乾燥後、水洗するものである。 そして、本発明の好ましい別の態様は、得られた水酸化インジウムを乾燥後、硝酸アンモニウム溶液と混合してサスペンションを得、濾過に先立ちこのサスペンションのpHを8.0〜10.0に調節し、その後濾別して水酸化インジウムを得、得られた水酸化インジウムをさらに水洗するものである。
本発明により、電子材料用、特に透明導電性薄膜作製用のターゲット材用と材料として好適な低塩素品位の水酸化インジウムが効率よく低コスで得られる。本発明によって得られた水酸化インジウムを仮焼して得られる酸化インジウムは、昨今の電子業界の要求に応じたものであり、工業的価値が極めて大きい。
本発明が提供する水酸化インジウム製造方法について詳細に説明する。
本発明の製造方法では、塩化インジウムを含む水溶液にアルカリ溶液を添加して中和することにより水酸化インジウムを得る方法において、アルカリ溶液としてアンモニア水溶液を用い、添加するアンモニアをインジウムイオンに対して当量で0.8倍を越え、1.0倍未満とする。
アルカリ溶液として水酸化ナトリウム溶液や水酸化カリウム溶液を用こともできるが、これらの溶液をインジウムイオンに対して当量で1.0倍未満の量を加えただけでは溶液中のインジウムイオンが完全に中和晶析せず、水酸化インジウムの収率が悪化してしまう。
インジウムイオンに対して当量で1.0倍以上の水酸化ナトリウムや水酸化カリウムを添加してインジウムイオンを完全に中和晶析することは可能であるが、中和後のpHが高く、晶析した水酸化インジウムが微細なため、濾過布の目を通過するために濾過損失が多くなる。また、微細な水酸化インジウムは濾過性が悪く、濾過時間が大幅に長くなる。
アルカリとしてアンモニア水溶液を用いることで、加えるアンモニアの量をインジウムイオンに対して当量で1.0倍未満としても、水溶液中のインジウムイオンを完全に中和晶析することができる。アンモニア水溶液を用いた場合、水酸化インジウムの一部がIn(OH)2の形態となって晶析するためと考えられる。
添加するアンモニアの量が当量で1.0倍以上となっても水酸化インジウムの中和晶析に特に問題はないが、中和後のpHが高く、水酸化インジウムの結晶が微細で濾過損失が多くなるととも濾過性が悪くなってしまう。
一方、添加するアンモニアの量が当量で0.8倍以下であっても、水溶液中のインジウムイオンを中和晶析することはできるが、水酸化インジウム中の塩素を十分に低減できない。本発明の製造方法においては、塩化インジウムを原料としており、塩素は塩化アンモニウム(NH4Cl)の形態になった後、水洗、熟成等を行うことで低減される。そのため添加するアンモニアの量が少なすぎると水酸化インジウム中の塩素を十分に低減できない。
中和のために添加するアンモニアの量は、当量で0.85〜0.95倍とすることがより好ましい。
通常、添加するアンモニアの量がインジウムイオンに対して当量で0.8倍を超えれば、得られる水酸化インジウムサスペンションのpHはアルカリ側になるが、用いる原料によってはpHが6未満となることがある。こうした場合、水酸化インジウムサスペンションのpHを6以上とすることが好ましい。pHが6未満であると、水酸化インジウムを十分に晶析させることができず収率が悪化することがあるからである。本発明においては、水酸化インジウムサスペンションより水酸化インジウムを濾別する前に水酸化インジウムサスペンションのpHを8.0〜10に制御する。
アンモニア水溶液の添加により得られた水酸化インジウムサスペンションのpHを8.0〜10に制御することで、サスペンション中の水酸化インジウムを凝集させ、前記の濾過損と濾過性とを大幅に改善させるためである。水酸化インジウムサスペンションのpHが8.0未満であるか、10を超えると、濾過損と濾過性の改善効果が十分でない場合がある。水酸化インジウムの凝集は、水酸化インジウムの等電点(pH8.8)付近で最も起こるため、pHは、8.5〜9.5に制御することがより好ましい。
pHの制御には、アンモニア又は硝酸を用いることが好ましい。硝酸の代わりに塩酸あるいは硫酸を用いることもできるが、塩酸あるいは硫酸を用いると、得られる水酸化インジウム中に塩素あるいは硫黄が残存して、電子材料用として好適なものでなくなる。特に、透明導電性薄膜作製用のターゲット材用として用いると、焼結性が阻害され高密度のターゲットが得られなくなる。
硝酸を使用することで、水酸化インジウム中に塩素あるいは硫黄等の有害元素が残存することを防止できるが、硝酸の使用が多くなると廃液中に硝酸性窒素が副生し排水処理コストが高くなるため、硝酸使用量はできるだけ減らすことが好ましい。このためにも、本発明においては、中和に用いるアンモニア水溶液の塩基の当量をインジウムイオンに対して1.0倍以下としてpHが必要以上に高くならないようにしている。
本発明の好ましい態様として、前記した方法得られた水酸化インジウムを洗浄するに際して、水酸化インジウムを濃度0.08〜1.0mol/Lのアンモニア水溶液に分散させてサスペンションとし、該サスペンションを60〜100℃の液温に少なくとも0.25時間保持した後に濾過し、得られた水酸化インジウムを水洗することが好ましい。。
アンモニア水の濃度が0.08mol/L未満では、水酸化インジウム中に残留する塩素の量を減らすことが十分にはできないことがある。塩基性水溶液の濃度は1.0mol/Lを超えても問題はないが、塩素除去の効果は大きくならず、コストが増加するのみである。

この洗浄におけるサスペンションの液温は、60〜100℃に保持することが好ましい。液温が60℃未満の場合、水酸化インジウム中に残留する塩素の量を減らすことが十分にはできないことがある。より好ましくは80℃以上に保持する。また、液温が100℃を超えると、アンモニアの気散が激しくなり、取り扱いの危険性が増すばかりか、塩基成分濃度が減少してしまうため、塩素の量を減らすことが十分にはできないことがある。また、100℃を超えても塩素除去の効果は大きくならない。
アンモニア水溶液の代わりに水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることも可能であるが、塩素除去効果はアンモニア水溶液を用いた場合よりも劣り、得られる水酸化インジウム中の不純物を高くする虞もある。
60〜100℃で0.25時間保持するのはより良好な塩素除去効果を得るためである。この保持している間、サスペンションを撹拌すると、静置した場合と比較して高い脱塩素効果が得られる。サスペンションを回転により撹拌する場合、回転数は200rpm以上であることが好ましく、より好ましくは300rpm以上であり、さらに好ましくは400rpm以上である。
このようにして得られた前記サスペンションを濾過し、得られた水酸化インジウムケーキを水に再分散させてサスペンションとした後、攪拌して洗浄し、濾別して水酸化インジウムを得ると残留する塩素をより低減することができる。そして、得られた水酸化インジウムを更に水洗すれば、さらに塩素品位を低減できる。
アンモニア水溶液を用いた洗浄により得られた水酸化インジウム中の塩素品位を更に下げるには、該水酸化インジウムの水洗より下記の洗浄の方が効率的である。即ち、得られた水酸化インジウムケーキを乾燥させた後、乾燥物と水とを混合して再度サスペンションを作成し、濾別することが効果的である。乾燥を加えることで、水酸化インジウム粉内部まで十分に再洗の水が入るため、塩素が効果的に除去できるものと思われる。
この際、水よりも硝酸アンモニウム溶液を用いて再度サスペンションを作成することが好ましく、特に、硝酸アンモニウム水溶液を用いて再度サスペンションとし、pHを8.0〜10.0に制御した後濾別することがより好ましい。硝酸アンモニウム水溶液の濃度は0.0001〜0.01mol/Lであればよい。
なお、水洗あるいはサスペンションに用いる液量には特に制限はなく、通常に行われる液量とすればよいが、塩素を十分に吸収でき、かつ、十分に撹拌できる液量が必要であり、残留塩素量を勘案して決めればよい。
以上のようにして得た水酸化インジウムの残留塩素量は40質量ppm以下と少なく、これを仮焼して得られる酸化インジウム粉末は電子材料用としては好適なものとなる。
[実施例1]
0.88mol/l(約100g/l)の塩化インジウム水溶液50mlを原料として、塩基としてアンモニウム水溶液を用いて、当量の0.9倍を添加して中和を行った。原料である塩化インジウム水溶液を300rpmで攪拌しながら、これに25%アンモニウム水溶液を2.5ml/minの速度で添加し、水酸化インジウムサスペンションとした。
この水酸化インジウムサスペンションのpHを測定すると、液温25℃のときに9.21であり、通常、塩基の当量1.0倍で中和を行った場合のpHである9.3〜9.4程度より、やや低いpHとなった。この水酸化インジウムサスペンションに硝酸を添加し、pHを水酸化インジウムの等電点である8.8に調整したところ、硝酸の使用量は2.7mlであった。pH調整後にサスペンションを濾過して水酸化インジウムを得たが、濾過性は良好であった。
濾液中のインジウム濃度を測定したところ0.01g/L未満であり、インジウムの収率は99.9%以上であった。添加した塩基の当量が0.9倍にもかかわらず、水溶液中のインジウム分のほぼ全量が水酸化インジウムとして回収できた。
濾過して得た水酸化インジウム全量を112mlの純水中に分散させ攪拌しながら60分間の水洗を行い、濾別して得た水酸化インジウム全量を濃度0.2M/Lのアンモニア水溶液112ml中で分散させてサスペンションとし、80℃に加熱した大気乾燥器内で120分間静置した。静置したサスペンションを濾別して水酸化インジウムを得、この水酸化インジウムを112mlの純水中で再度分散させ攪拌しながら60分間水洗いし、再度濾別して水酸化インジウムを得、これを80℃に加熱した大気乾燥器で乾燥を行った。
次に、乾燥した水酸化インジウム全量を0.001M/Lの硝酸アンモニウム水溶液112ml中に分散させpHを8に調整し、攪拌しながら60分間硝酸アンモニウム水溶液による洗浄を行い、濾過した。得られた水酸化インジウムを112mlの純水中で分散させ攪拌しながら60分間の水洗を行い、再度濾過した後、80℃に加熱した乾燥器で乾燥を行った。得られた水酸化インジウム中の塩素品位を測定したところ22質量ppmであった。
なお、水酸化インジウム中の残留塩素量は、得られた水酸化インジウムを硝酸で溶解し、硝酸銀を加えて塩化銀を沈殿させ、沈殿物中の塩素を検量線による蛍光X線定量分析(PnNalytical製Magix)にて測定することで残留塩素量を求めた。
[実施例2]
添加したアンモニアの当量を0.85倍とした以外は実施例1と同様にして、水酸化インジウムサスペンションを得た。この水酸化インジウムサスペンションのpHを測定すると液温25℃のときに9.04であり、実施例1よりさらに低いpHであった。この水酸化インジウムサスペンションに硝酸を添加し、pHを水酸化インジウムの等電点である8.8に調整したところ、硝酸の使用量は実施例1より少ない1.3mlであり、pH調整後にサスペンションを濾過して水酸化インジウムを得たが、濾過性は同様に良好であった。
濾液中のインジウム濃度を測定したところ、0.01g/L未満であり、塩基の当量を0.85倍としても、水溶液中のインジウム分のほぼ全量が水酸化インジウムとして回収できた。
上記水酸化インジウムを実施例1と同様にして脱塩素処理を行ったところ、得られた水酸化インジウム中の塩素品位は13ppmであった。
[比較例1]
添加したアンモニアの当量を1.0倍とした以外は実施例1と同様にして、水酸化インジウムサスペンションを得た。この水酸化インジウムサスペンションのpHを測定したところ、液温25℃で9.34であった。この水酸化インジウムサスペンションに硝酸を添加し、pHを水酸化インジウムの等電点である8.8に調整した後、濾過し、濾液中のインジウム濃度を測定したところ0.01g/L未満であり、インジウムの収率は99.9%以上であった。
水溶液中のインジウム分のほぼ全量が水酸化インジウムとして回収できたが、硝酸の使用量は3.2mlであり、実施例1より多い硝酸を用いる必要があった。
[比較例2]
添加したアンモニアの当量を0.8倍とした以外は実施例1と同様にして、水酸化インジウムサスペンションを得た。この水酸化インジウムサスペンションのpHを測定したところ、液温25℃で8.44であった。この水酸化インジウムサスペンションのpHを水酸化インジウムの等電点である8.8に調整するために、水酸化ナトリウム溶液を少量添加し、硝酸は使用しなかった。pH調整後にサスペンションを濾過して水酸化インジウムを得たところ、濾過性は良好であった。
濾液中のインジウム濃度を測定したところ、0.01g/L未満であり、インジウムの収率は99.9%以上であった。塩基の当量を0.8倍としても、水溶液中のインジウム分のほぼ全量が水酸化インジウムとして回収できた。
上記水酸化イン0.25ジウムを実施例1と同様にして洗浄したところ、得られた水酸化インジウム中の塩素品位は63ppmであり、実施例より大幅に高く、電子材料用としては好ましくないという結果となった。
中和時の塩基当量を0.8倍まで減らしても水酸化インジウムの回収は可能であるが、低塩素品位の水酸化インジウムは得られないことがわかる。

Claims (5)

  1. 塩化インジウムを含む溶液にアルカリ溶液を添加し、中和して水酸化インジウムサスペンションを得、その後水酸化インジウムを濾過し、洗浄して低塩素品位の水酸化インジウムを得る方法において、前記アルカリ溶液としてアンモニア水溶液を用い、添加するアンモニアの量を溶液中のインジウムイオンの量に対して、当量で0.8倍を越え、1.0倍未満とし、その後、得られた水酸化インジウムサスペンションのpHを8.0〜10.0に制御した後に濾過し、洗浄することを特徴とする水酸化インジウムの製造方法。
  2. インジウム溶液にアンモニア水溶液を添加して得た水酸化インジウムサスペンションのpHを一端6以上に制御した後、pHを8.0〜10.0に制御した後、濾過し、洗浄して低塩素品位の水酸化インジウムを得ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の発明において、前記洗浄に際して、得られた水酸化インジウムを濃度0.08〜1.0mol/Lの塩基性水溶液に分散させてサスペンションとし、該サスペンションを60〜100℃の液温に少なくとも0.25時間保持した後、濾過し、洗浄することを特徴とする水酸化インジウムの製造方法。
  4. 請求項3記載の発明において、洗浄方法が、得られた水酸化インジウムを乾燥後、水洗するものである水酸化インジウムの製造方法。
  5. 請求項3記載の発明において、洗浄方法が、得られた水酸化インジウムを乾燥後、硝酸アンモニウム溶液と混合してサスペンションを得、濾過に先立ちこのサスペンションのpHを8.0〜10.0に調節し、その後濾別して水酸化インジウムを得、得られた水酸化インジウムをさらに水洗するものである水酸化インジウムの製造方法。
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